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JPH05180217A - スキャナモータの軸受構造 - Google Patents

スキャナモータの軸受構造

Info

Publication number
JPH05180217A
JPH05180217A JP34614691A JP34614691A JPH05180217A JP H05180217 A JPH05180217 A JP H05180217A JP 34614691 A JP34614691 A JP 34614691A JP 34614691 A JP34614691 A JP 34614691A JP H05180217 A JPH05180217 A JP H05180217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
rotary shaft
scanner motor
bearing structure
mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34614691A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Yasunari Kawashima
康成 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP34614691A priority Critical patent/JPH05180217A/ja
Publication of JPH05180217A publication Critical patent/JPH05180217A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、スキャナモータの軸受構造に関
し、複数の板状の滑り軸受に板バネまたは弾性体により
予圧を加えることにより、または円筒状の滑り軸受に板
バネまたは弾性体により予圧を加えることにより、部品
構成が少なく、かつ回転軸すなわち回転体の傾きを防
ぎ、面倒れを防ぎ、より小型化でき、より低コストの面
で有利なスキャナモータの軸受構造を提供することを目
的とする。 【構成】 ロータ14と、該ロータに対向して設けたステ
ータ16と、ロータおよび偏光ミラーを一体的に形成し、
中心部に固定された回転軸20と、回転軸を軸受22を介
して軸支するハウジング21と、を備えたスキャナモータ
の軸受構造において、前記軸受22は前記回転軸の周面の
複数箇所に滑り接触するよう配置された複数の滑り部材
24と、該滑り部材の少なくとも1つをラジアル方向に付
勢する付勢部材26と、を備え、前記回転軸を支持するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スキャナモータの軸受
構造、例えば、レーザビームプリンタ、デジタルコピ
ア、レーザファクシミリ装置等、光束の回転偏光手段と
して用いるスキャナモータの軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高画質の画像形成装置として、
かっては大型コンピュータ等の一部にのみ使用が限られ
ていたレーザプリンタ、デジタルコピアなどは、最近の
飛躍的な技術の進歩に伴い、出力画像の高密度化や高速
化とともに、小型化、軽量化が進められ、OA機器とし
て広くオフィスの分野にまで進出するに至った。
【0003】このようなレーザプリンタなどには、周知
のように図16に示す光偏向用として回転多面鏡2または
ピラミダルミラーを備えたポリゴンスキャナ1が設けら
れている。この回転多面鏡2を回転するポリゴンスキャ
ナモータ3も本体装置の高速化や軽量化に合わせて、高
速化および小型化される傾向にある。レーザプリンタに
おいては、レーザ光を感光体ドラムに対して一次元方向
にスキャンさせながら感光体ドラムを回転させることに
よって感光体ドラムに二次元画像を形成する。その一次
元方向にスキャン(偏向)させるためにポリゴンミラー
などの鏡面を利用し、この一面の鏡が主走査線一本分の
レーザ光を走査し、書き込みを行っている。そして、次
のミラー面で次のライン(2ライン目の書き込みを行
う。
【0004】このような構成では、印字品質を良くする
ために、ポリゴレススキャナのミラー面の面倒れを抑え
る必要があり、関連する各部品の寸法はさらに高精度が
要求されるようになってきた。なかでも、回転多面鏡2
を支持して回転する回転体であるロータ4の回転軸4A
と、この回転軸4Aを軸支する軸受7の寸法は、特に、
高精度が要求されている。
【0005】従来のスキャナモータの玉軸受を用いた軸
受構造5では、図17(a)に示すように、ロータ4に固
定された回転軸4Aは、ステータ5Aを固定したハウジ
ング6の内側に軸方向に離隔して上下に配置された上下
軸受7A,7B(代表するときは7という)を介し回転
自在に軸支されている。上下軸受7A,7Bの内輪7a
はロータ4の軸受部4a側に曲げワッシャ8により軸方
向に付勢して予圧が与えられ、曲げワッシャ8は回転軸
4Aに固定された止め輪9に係止されている。
【0006】また、ポリゴンスキャナモータ3の小型
化、薄型化が進むと、ロータ4の重心位置が下がり、上
軸受7Aの近傍に重心Gが位置するようになる。このた
め、軸受7と回転軸4Aとの間の間隙の有無がロータ4
のバランス変化等に大きく影響する。回転軸4Aは小型
化により軸径が細くなり、かつ、回転軸4Aを軸支する
軸受7は組立性を考慮してスキマバメとしている。この
ため、ハウジング6と軸受7の外輪7bとの接触面積
は、回転軸4Aと内輪7aとの接触面積より大きいので
移動しないが、回転軸4Aと内輪7aとは隙間の範囲内
で移動し易い。軸受部4aに曲げワッシャ8の付勢力に
よる摩擦力より大きい衝撃などが加わると、回転軸4A
が移動し、回転のバランス変動を発生する。回転軸4A
と内輪7aとを滑らないように、予圧を増すと軸受負荷
が大きくなり、駆動モータが大型化する。図17(b)に
軸と軸受モデルを示す。このように小型化の進む現在で
は、軸受間隔Lが大きくとれない。その中で、回転軸4
Aの傾きθ、すなわち面倒れを要求以下にするために
は、軸と軸受内輪の隙間εはより小さくしなければなら
ず、より厳しくなる一方である。また、この隙間10によ
って、回転時のバランスも経時的に変化するので、振動
・騒音の面でも隙間10をできるだけ小さくする必要があ
る。
【0007】従来の回転軸4Aと軸受7との間の隙間10
を減少し、回転軸と軸受との精度を向上するものとし
て、下記のものが提案されている。 特開昭2−286917号公報に記載されたような
ものがある。これは、軸と軸受との間に板ばねを設け、
軸受を任意の方向に押しつけて軸と軸受の内輪の隙間を
取り除くものである。 また、軸と軸受に接着用の溝を設け、接着剤を挿入
して、軸と内輪とを固定するものである。 また、軸と軸受の寸法を軸と軸受との間の隙間が可
能な限り小さくなるように、それぞれランク分けして組
み合わせるものである。 また、実開平3−19121号公報に記載のよう
に、ロータ側に円錐形状部を設け、この円錐形状部と軸
受の内輪のテーパー部を組み合わせ、動かないようにす
るものである。また、従来のスキャナモータの玉軸受を
用いない軸受構造では、図示していないが、軸受によっ
てバランス変動しないいわゆる非接触タイプの軸受、す
なわち空気動圧または油動圧を用いるものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術の前述のにあっては、軸受を押しつける
ための板ばねや板ばねの取付け機構が必要であるばかり
でなく、アンバランスにもなり易く、かつ、これらの組
立作業が複雑になり、さらにコスト高になるという問題
点がある。
【0009】また、前述のにあっては、接着剤を隙間
に挿入するため、接着剤の流れる溝や穴が必要となる。
このため、これらの溝や穴の加工が複雑になるとともに
組立が難しくなるという問題点がある。また、前述の
にあっては、前述の、のように接着剤や板ばねは不
要であるので、この点簡単となるが、軸および軸受をラ
ンク分けして保管しておく必要があるため、ランク分け
した軸および軸受の在庫が増加し在庫管理に手間がかか
るという問題点がある。
【0010】また、前述のにあっては、円錐形状部を
精度よく作らないと軸と軸受の隙間に入らないという問
題点がある。また、非接触タイプの軸受の場合、スキャ
ナの特性はバランス変動がなくて良く、薄型化も可能で
あるが、空気軸受の場合、軸受剛性を強くするために軸
を細くできないという問題点がある。また、油動圧の場
合、油飛散防止のための構造が複雑になり、小型化が困
難であり、さらに組立が複雑になるという問題点があ
る。
【0011】また、動圧発生用の溝がある場合、溝の加
工が必要となり、加工コスト(エッチング加工)が高い
など小型、低コストのスキャナモータには不向きである
という問題点がある。本発明は、このような従来技術を
背景になされたものであり、複数の板状の滑り軸受に板
ばねまたは弾性体により予圧を加えることにより、また
は、円筒状の滑り軸受に板ばねまたは弾性体により予圧
を加えることにより、部品構成が少なく、かつ回転軸す
なわち回転体の傾きを防ぎ、面倒れを防ぎ、より小型化
でき、より低コストの面で有利なスキャナモータの軸受
構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、円板
状のロータマグネットを有するロータと、該ロータに対
向して設けた駆動コイルを固定した板状のステータと、
前記ロータおよび偏光ミラーを一体的に形成し中心部に
固定された回転軸と、該回転軸を軸受を介して回転自在
に軸支するとともに前記ステータを固定するハウジング
と、を備えたスキャナモータの軸受構造において、前記
軸受は前記回転軸の周面の複数箇所に滑り接触するよう
配置された複数の滑り部材と、該滑り部材の少なくとも
1つをラジアル方向に付勢する付勢部材と、を備え、前
記回転軸を支持することを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、前記滑り部材は、前記回転軸の周面の軸方向
に滑り接触する軸受板からなり、前記付勢部材はバネ材
および弾性体のいずれか一方からなることを特徴とする
ものである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、前記滑り部材は、前記回転軸の軸方向両端部
の周面に周方向3箇所以上に前記回転軸の接線方向に配
置され滑り接触する棒状の軸受棒部材であることを特徴
とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1または3
記載の構成に加え、前記回転軸は、軸方向上端部および
下端部の少なくとも片方の外周部に周方向に形成された
周溝を有し、前記軸方向両端部の軸受棒部材は少なくと
も片側端の軸受棒部材が前記周溝に嵌合し前記回転軸を
ラジアル方向およびスラスト方向に支持することを特徴
とするものである。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の構成に加え、前記軸方向両端部の軸受棒部材は、
前記付勢部材である板状バネおよび弾性体のいずれか一
方の両端部に一体的に固定されていることを特徴とする
ものである。請求項6記載の発明は、請求項1,2,
3,4または5記載の構成に加え、前記偏光ミラーはピ
ライダルミラーおよびホゾ型ミラーのいずれか一方であ
ることを特徴とするものである。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1,2,
3,4または5記載の構成に加え、前記滑り部材は、前
記回転軸の周面に滑り接触する円弧状の接触面を有し、
該接触面に凹凸状の複数の溝を形成し、前記回転軸が回
転時に動圧を発生することを特徴とするものである。請
求項8記載の発明は、円板状のロータマグネットを有す
るロータと、該ロータに対向して設けた駆動コイルを固
定した板状のステータと、前記ロータおよび偏光ミラー
を一体的に形成し中心部に固定された回転軸と、該回転
軸を軸受を介して回転自在に軸支するとともに前記ステ
ータを固定するハウジングと、を備えたスキャナモータ
の軸受構造において、前記軸受は前記回転軸の周面に滑
り接触する内周面を有する筒状の軸受筒部材と、該軸受
筒部材に固定され前記回転軸の周面をラジアル方向に付
勢する付勢部材と、を備え、前記回転軸を支持すること
を特徴とするものである。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項8記載の構
成に加え、前記付勢部材は、前記軸受筒部材の軸方向上
側および下側で前記回転軸の周面を付勢することを特徴
とするものである。請求項10記載の発明は、請求項7ま
たは8記載の構成に加え、前記付勢部材は、その付勢方
向が前記偏光ミラーへ入射および反射する光速の2等分
する方向であることを特徴とするものである。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項8または9
記載の構成に加え、前記偏光ミラーはピライダルミラー
およびホゾ型ミラーのいずれか一方であることを特徴と
するものである。請求項12記載の発明は、請求項8,
9,10または11記載の構成に加え、前記軸受筒部材およ
び前記付勢部材の少なくとも一方は前記回転軸に接触す
る接触面に複数の溝が形成され、前記回転軸が回転時に
動圧を発生することを特徴とするものである。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明では、軸受が回転軸の周面
の複数箇所で滑り接触する複数の滑り部材と、この滑り
部材の少なくとも1つをラジアル方向に付勢する付勢部
材とを有しているので、構成部品は滑り部材と付勢部材
とで少なく、かつ回転軸を複数箇所で支持するととも
に、ラジアル方向に付勢し、支持して、回転軸の傾きを
防止している。
【0020】請求項2記載の発明では、軸受の滑り部材
が回転軸の周面の軸方向に滑り接触する軸受板で、この
軸受板をバネ材または弾性体で付勢しているので、軸受
板は回転軸の周面に周方向の複数個で軸方向の上下にわ
たり線接触して付勢し、回転軸を上下にわたり安定して
支持している。請求項3記載の発明では、軸受の滑り部
材が回転軸の軸方向両端部の周面に周方向3箇所以上で
接線方向に配置された軸受棒部材でほぼ点状に滑り接触
しているので、付勢力は回転軸の両端部に安定して効率
よく加わり、滑り接触抵抗が小さい。
【0021】請求項4記載の発明では、回転軸が軸方向
上端部および/または下端部に周溝を有し、軸受棒部材
が少なくとも片側の周溝に嵌合しているので、回転軸は
軸受棒部材により効率よく、かつ安定してラジアル方向
およびスラスト方向に支持される。請求項5記載の発明
では、回転軸の上下両端部を付勢する軸受棒部材がバネ
板または弾性体の上下両端部に一体的に固定されている
ので、部品点数が減少するとともに、回転軸の上下両端
部を効率よく安定して付勢して回転軸を支持する。
【0022】請求項6記載の発明では、偏光ミラーが1
面鏡のピライダルミラーまたは2面鏡のホゾ型ミラーで
あるので、ミラーが小さく質量が小さく、外部の衝撃時
の軸受の負担が小さくなる。請求項7記載の発明では、
滑り部材である軸受板および軸受棒部材の回転軸に接触
する接触面が凹凸状の複数の溝を有しているので、回転
軸が高速回転時に、回転軸の周面と接触面との間の空気
は溝に沿って移動し圧縮され、動圧を発生する。
【0023】請求項8記載の発明では、軸受が回転軸の
周面に滑り接触する軸受筒部材を有し、付勢部材で回転
軸の周面をラジアル方向に付勢しているので、構成部品
は軸受筒部材と付勢部材とで少なく、簡単で、かつ、付
勢部材の付勢力により軸と軸受との隙間もなく、回転軸
を支持している。請求項9記載の発明では、付勢部材が
軸受筒部材の上下両端で回転軸を付勢し、回転軸を支持
しているので、付勢力は回転軸の上下両端部で作用し、
面倒れに対して効率よく回転軸を保持するように加わっ
ている。
【0024】請求項10記載の発明では、付勢部材の付勢
方向が偏光ミラーへの入射および反射する光束を2等分
する方向であるので、付勢部材の付勢力は偏光ミラーの
ミラー面を入射・反射の光束に対して垂直に保持するよ
うに働く。請求項11記載の発明では、偏光ミラーが1面
鏡のピライダルミラーまたは2面鏡のホゾ型ミラーであ
るので、ともにミラーが小さく、質量が小さく、外部衝
撃が加わったときの回転軸から軸受に伝わる負担は小さ
い。
【0025】請求項12記載の発明では、回転軸に接触す
る軸受筒部材または付勢部材の接触面に複数の溝が形成
されているので、回転軸が高速回転すると、回転軸と各
部材との間の空気も溝に沿って回転し、圧縮され動圧を
発生する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜3は本発明の請求項1および2に係るスキャ
ナモータの軸受構造の第1実施例を示す図であり、レー
ザプリンタのポリゴンスキャナモータに適用した場合で
ある。
【0027】まず、構成について説明する。図1におい
て、11はスキャナモータの軸受構造であり、スキャナモ
ータの軸受構造11は、レーザプリンタのスキャナモータ
であるポリゴンスキャナモータ12に適用したものであ
る。ポリゴンスキャナモータ12は、円板状のロータマグ
ネット13を有するロータ14と、ロータ14に対向して設け
たリング状の駆動コイル15を固定した板状のステータ16
と、を有している。ステータ16は、駆動コイル15を固定
するとともにポリゴンスキャナモータ12の固定ヨークを
構成し、ステータ16上には駆動コイル15の他に図示して
いないICチップ部品などが取付けられている。
【0028】ロータ14は外周部に偏向ミラーである多面
鏡のポリゴンミラー17がミラー押さえ18により固定さ
れ、一体的に形成されている。ロータ14の中心部には回
転軸20が固定され、ロータ14と回転軸20は回転体23を構
成している。回転軸20はステータ16が固定されたハウジ
ング21に軸受22を介して回転自在に軸支されている。ポ
リゴンミラー17はロータ14、回転軸20、軸受22、ハウジ
ング21を介してステータ16に支持され、回転軸20の回転
に伴いロータ14を介して回転軸20の周りに回転駆動され
るようになっている。そして、駆動コイル15は3相の交
流電圧が印加されると、回転軸20の周りに回転磁界が形
成され、回転磁界はこれらロータマグネット13とともに
回転し、ポリゴンミラー17が回転駆動される。
【0029】本発明の軸受22は図1(b)に示すよう
に、回転軸20のラジアル方向一方が開放されたハウジン
グ21内に回転軸20の周面に周方向3箇所でほぼ等間隔に
滑り接触する軸方向に長い長方形板状の3枚の滑り部材
である軸受板24A,24B,24C(代表するときは24とい
う)を有している。軸受板24は通常の銅系または鉄系の
軸受メタルからなっている。
【0030】軸受板24A,24Bはこの内面側が回転軸20
の軸方向に線状に接するとともに、外面側がハウジング
21に固定されている。軸受板24Cは、この内面側が回転
軸20の軸方向に線状に接し回転軸20の中心に向かって圧
接するとともに外面側はハウジング21にネジ25によりネ
ジ止めされた上下2個の付勢部材である2個のバネ板26
によりラジアル方向に付勢され、回転軸20を支持してい
る。バネ板26の付勢力または押付力R(R1 、R2
は、ポリゴンスキャナモータ12の使用時の回転数に対応
して回転体23の不釣り合いによるアンバランス加振力F
によって生じる回転体23の移動を抑制するに十分な大き
さに設定されている。21Aは軸受22を閉鎖するためのハ
ウジングフタである。
【0031】以下、アンバランス加振力Fと押付力Rと
の関係につき簡単に説明する。回転体のアンバランス加
振力Fは次式で表される。 F=mγw2 =Mεw2 =kMGw …… ここに、m:不釣り合い質量 γ:不釣り合い修正面までの半径 w:回転角速度 M:回転体質量 ε:回転体の偏心量 G:バランス等級(仕様値として決められるものであ
る) k:単位変換係数 つまり、バランス等級、回転数、回転体質量から加振力
Fが得られる。
【0032】この加振力Fを軸受反力すなわちバネ板26
の回転体23側への付勢力である押付力R1 , 2 (代表
するときはR1 という)で支持するには、図2(a)に
示すように上下のバネ板26のスパンをL、回転体23の重
心Gまでの距離をLF とすると、押付力Rはそれぞれ次
式、 R1 =F・LF /L …… R2 =F(LF −L)/L …… で表される。押付力R1 , 2 は上記式, の右辺よ
り大きい力にする必要がある。すなわち、バネ板26の押
付力Rの最小値が得られる。
【0033】押付力Rを強くすると不釣り合い加振力を
防ぐのには良いが、滑りの摩擦力の負荷が大きくなり、
モータの大型化となる。押付力Rの大きさの設定値は重
要であり、適正に設定されている。次に、作用について
説明する。本発明では、軸受板24が3個の軸受板24A,
24B,24Cおよび2個のバネ板26からなり、バネ板26
は、アンバランス加振力Fに対応して適切な押付力Rを
有し、軸受板24Cを介して回転軸20を押圧しているの
で、外部の衝撃等によりアンバランス加振力Fが発生し
ても軸受板24は十分に回転軸20を支持し、回転軸20の傾
きを防止できる。このため、画像品質に直接影響を与え
るポリゴンミラー17の面倒れ(回転体の傾き)を防ぐと
ともに、軸と軸受の隙間もなくなるためバンラス変化も
なくなる。また、部品構成も簡単であり予圧で押さえる
ので公差も厳しくする必要はない。したがって、より小
型化、低コスト化することができる。
【0034】また、軸受板24A,24B,24Cは板状で回
転体20に軸方向に上下にわたり線接触しているので、回
転軸20を安定して支持することができる。なお、前述の
実施例では、3枚の軸受板24を用いる場合について説明
したが、本発明ではこの実施例に限らず、軸受22は、図
2(b)に示すように、4枚であってもよいのは勿論で
ある。この場合も、前述と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0035】また、図3は、ハウジング21の回転軸20側
の断面形状を台形状とし、4枚の軸受板24を台形状の配
置して用いるとともに、バネ板26の代わりに弾性体27を
用いた場合である。弾性体27は耐腐食性、耐薬品性、耐
熱性に優れたシリコンゴムまたはフッ素ゴム等を用い
る。次に本発明の第2実施例につき説明する。
【0036】図4は本発明の請求項1,3に係るスキャ
ナモータの軸受構造の第2実施例を示す図であり、第1
実施例と同じ構成には同じ符号をつける。図4に示すス
キャナモータの軸受構造31では、軸受32は回転軸20の軸
方向両端部の周面に周方向等間隔な3箇所に回転軸20の
接線方向に配置され、滑り接触する上下一対の滑り部材
である棒状の軸受棒部材33A,33B,33C(代表すると
きはと33という)と、ハウジング21の開放側の上下の軸
受棒部材33Cが上下両端部に固定された長方形の板バネ
35と、を有する場合である。上下の軸受棒部材33A,33
Bはそれぞれハウジング21に固定されている。軸受棒部
材33は銅系または鉄系の軸受メタルからなっている。板
状バネ35は板状バネ35の外側に配置され軸方向中央部に
内方に突出したバネ予圧用突起36を有するハウジングフ
タ21Aにより回転軸20側に押付けられている。回転軸20
の上部は後述のピラミダルミラー38と一体的に形成され
ている。
【0037】このスキャナモータの軸受構造31は軸受ス
パンをできるだけ大きくして効率よく回転軸20を押圧す
るため、軸を支持する軸受33を板バネ35の端部に設け、
また、より摩擦負荷を少なくするため、軸受棒部材33
A,33Bの接触面積を小さくして端部だけに設け、さら
に、これらの軸受棒部材33を回転軸20に対して接線方向
に配置し、回転軸20と上下端部に軸受支持機構を持たせ
た構造とし、ほぼ点接触するようにした場合である。
【0038】この場合、軸受棒部材33は回転軸20の上下
両端部に安定して予圧を加えるので、小型化し回転軸20
の軸方向の長さが短くなっても効率よく回転軸20を支持
することができる。ポリゴンスキャナの小型化・薄型化
に有利にできる。図5、6は本発明の請求項4に係るス
キャナモータの軸受構造の第3実施例の要部を示す図
で、第2実施例と同じ構成には同じ符号をつける。
【0039】図5(a)に示すスキャナモータの軸受構
造41の軸受42は、回転軸20の軸方向上端部20aの外周部
に周方向に周溝44を形成し、軸方向上端部側の軸受棒部
材33A,33B,33Cが周溝44に回転軸20の周上3箇所で
嵌合し、回転軸20をラジアル方向およびスラスト方向に
支持した場合で、軸方向下端部側の軸受棒部材33A,33
B,33Cは回転軸20の周面に滑り接触している場合であ
る。
【0040】このスキャナモータの軸受構造41では軸受
棒部材33が回転軸20の周溝44に嵌合し、回転軸20をラジ
アル方向およびスラスト方向に支持する構成にしている
ので、回転軸20の支持等は不要となり、回転軸20をさら
に小型化でき、ポリゴンスキャナモータ12の小型化、薄
型化、低コスト化がさらに容易にできる。なお、前述の
実施例では、軸受棒部材33は回転軸20の周溝44に回転軸
20の周上3箇所で嵌合している場合について説明した
が、軸受棒部材33は回転軸20の上端部および下端部の少
なくとも片方の周溝44に嵌合するようにしてもよいし、
または上下両端部で周溝44に嵌合するようにしてもよ
い。
【0041】また、図6(a)、(b)に示すように、
回転軸20の周方向に配置された3個の軸受棒部材33の一
部が周溝44に嵌合するようにしてもよい。図6(a)は
ハウジングに固定した軸受棒部材33A,33Bが周溝44に
嵌合し、軸受棒部材33Cが回転軸20の周面に直接に滑り
接触した場合を示す。図6(b)は板状バネ35の上下両
端部の軸受棒部材33Cが周溝44に嵌合し軸受棒部材33
A,33Bが回転軸20の周面に直接に滑り接触した場合を
示している。
【0042】図7は本発明の請求項5記載のスキャナモ
ータの軸受構造の第4実施例の要部を示す図であり、第
2実施例と同じ構成には同じ符号をつける。図7に示す
スキャナモータの軸受構造51の軸受棒部材33は付勢部材
である板状バネ35または合成樹脂からなる弾性体53の上
下端部に一体的に固定した場合である。また、軸受棒部
材33は銅系または鉄系の軸受メタルの代わりに接触面に
セラミックを形成してもよいし、合成樹脂を施してもよ
く、さらに含油メタルを施してもよい。この場合、軸受
棒部材33が板状バネ35または弾性体53と一体的に形成さ
れているので、軸受棒部材33が第2実施例の図4に示す
回転軸20の周面に圧接するとき、また図5に示す回転軸
20の周溝44に嵌合して回転軸20を押圧し、回転軸20を支
持するとき、効率よく安定して予圧を与え、かつラジア
ル方向またはラジアル方向、スラスト方向に軸受を支持
することができ、容易に小型化、薄型化、低コスト化が
でき、さらに部品数を減少できる。
【0043】また、軸受棒部材33の接触面33aおよび図
示していないが、軸受板24の接触面にセラミックを施す
ことで、耐熱性に優れ高速回転も可能となり、また摩
耗、摩擦の面で有利であることから、長寿命に適した軸
受構造とすることができる。また、軸受棒部材33および
軸受板24の接触面33aに合成樹脂を施すことで、回転体
の励磁振動を軸受部で吸収させ装置本体への伝達を減少
させるとともに、低騒音化の面でも有利であり、かつ低
コストの面で適した軸受構造とすることができる。
【0044】さらに、軸受棒部材33および軸受板24の接
触面33aに含油メタルを施すことで、低速回転、すなわ
ち起動時または、軸受負荷の大きい場合、すなわち回転
体質量が大きい場合においても、含油の効果で安定した
回転を可能とすることができる。図8は本発明の請求項
6に係るスキャナモータの軸受構造の第5実施例の要部
を示す図であり、第1実施例と同じ構成には同じ符号を
つける。
【0045】スキャナモータの軸受構造56は偏光ミラー
が光束の反射面が1面鏡のピラミダルミラー57または2
面鏡のホゾ型ミラー58を用い、軸受22に軸支された場合
であり、回転軸20とミラーが一体的に形成されたもので
ある。この場合、ミラーが小さく、回転体23の質量が小
さいので外部衝撃が加わったとき軸受にかかる負担が少
なくて済む。
【0046】このため、軸受22の負担も小さく、その分
軸受22の各部材が小型化でき薄型化、低コスト化するこ
とができる。図9は本発明の請求項7に係るスキャナモ
ータの軸受構造の第6実施例の要部を示す図であり、第
3実施例と同じ構成には同じ符号をつける。図9(a)
に示すスキャナモータの軸受構造61では、第3実施例に
おいて、軸受棒部材33のハウジング21に固定された軸受
棒部材33A,33Bが図9に示すように、回転軸20の周面
に滑り接触する円弧状の軸受曲板62の場合である。軸受
曲板62は回転軸20の周面に滑り接触する断面円弧状の接
触面62aに複数の凹凸山型状のヘリングボーン溝63が形
成され、回転軸20の高速回転に伴って空気動圧を発生す
るようにしたものである。
【0047】この場合、回転軸20は高速回転時に、ヘリ
ングボーン溝63により回転軸20と軸受曲板62との間の空
気が圧縮され動圧を発生させ、この動圧が板状バネ35の
予圧力以上になったとき、軸受曲板62は回転軸20を離
れ、空気の膜で回転軸20に予圧を加える。すなわち、軸
受曲板62は回転軸20を離れ非接触になるので、接触面62
aの摩耗および摩擦が少なくなり、軸受22の寿命および
信頼性がさらに大幅に向上できる。
【0048】なお、軸受曲板62の接触面62aに山型状の
ヘリングボーン溝63を形成した場合について説明した
が、本発明ではこの実施例に限らず図9(a),(b)
に示すように軸受曲板62の接触面62aにハ字状のヘリン
グボーン溝63または軸方向に平行なヘリングボーン溝63
を形成してもよい。図10は本発明の請求項8に係るスキ
ャナモータの軸受構造の第1実施例の要部を示す図であ
り、図1に示す実施例と同じ構成には同じ符号をつけ
る。
【0049】図10において、スキャナモータの軸受構造
71は図1におけるスキャナモータの軸受構造11に代わる
ものであり、スキャナモータの軸受構造71は回転軸20の
周面20Aに滑り接触する内周面72aを有する筒状の軸受
筒部材72と、軸受筒部材72の外周に固定され、軸受筒部
材72の軸方向中央に開口する長方形状の開口部72bを通
し、軸方向上下2箇所で回転軸20の周面20Aにラジアル
方向に付勢して滑り接触し、回転軸20を支持する付勢部
材である板バネ74と、を有している。軸受筒部材72およ
び板バネ74の本体またはその回転軸20との接触面には、
銅系または鉄系の軸受メタルが用いられている。
【0050】この場合、円筒状の軸受筒部材72は板バネ
74によりラジアル方向の予圧を加え回転軸20を支持する
ようにしているので、板バネ74の付勢方向では回転軸20
と軸受筒部材72との間のすき間はなくなり、アンバラン
ス加振力Fによる変動は防止され、回転軸20すなわち回
転体23の傾きは防止され、面倒れが防止される。また、
部品構成は軸受筒部材72と板バネ74であり、簡単であ
り、さらに板バネ74により予圧を与えているので、公差
を厳しくする必要もなく、加工コストをより低コストに
でき小型化も容易にできる。
【0051】図11は本発明の請求項9に係るスキャナモ
ータの軸受構造の第2実施例の要部を示す図であり、図
1に示す実施例と同じ構成には同じ符号をつける。図11
に示すスキャナモータの軸受構造81は、回転軸20の周面
20Aに滑り接触する筒状の軸受筒部材82と、軸受筒部材
82の軸方向上側および下側で回転軸20の周面20Aを付勢
する押圧部84aを有する付勢部材である板バネ84を設け
た場合である。押圧部84aは上下の押圧部84a間のスパ
ンが大きくなるようにしたものである。板バネ84は軸受
筒部材82の軸方向中央部にネジ85により軸受筒部材82に
固定され、押圧部84aが回転軸20の周面20Aを所定の押
圧力で押圧するようになされている。
【0052】この場合、板バネ84は上下の押圧部84a間
のスパンLが大きくなるように軸受筒部材82の上下外側
で回転軸20の周面20Aに接触しているので、押圧部84a
間のスパンLは大きく、押圧部84aの回転軸20の保持効
率が良好で、薄型化・小型化に有利にできる。図12は本
発明の請求項10記載のスキャナモータの軸受構造の第3
実施例を示す図であり、第2実施例のスキャナモータの
軸受構造81を図1に示す実施例に適用した場合で、付勢
部材である板バネ84の付勢方向を規制するものである。
第2実施例と同じ構成には同じ符号をつける。
【0053】図12(a),(b),(c)において、ポ
リゴンミラー92の回転軸20は図11に示すスキャナモータ
の軸受構造81により軸支され、板バネ84の回転軸20を付
勢する付勢方向はポリゴンミラー92のミラー面93に入射
するレーザー光束94の入射方向P1 と反射方向の中央線
2 とのなす角を2等分する方向P6 であるようになさ
れている。
【0054】図12において、レーザー光束94の入射側に
はLDユニット95、シリンドリカルレンズ96が配置さ
れ、反射側にはfθレンズ97、感光体ドラム98等が配置
されている。この場合、板バネ84の付勢力の付勢方向が
ポリゴンミラー92のミラー面93への入射および反射する
光束94の2等分する方向P0 であるので、板バネ84の付
勢力は回転軸20のポリゴンミラー92のミラー面93を垂直
に保持するように作用する。このため、アンバランス加
振力Fが作用しても、回転軸20は垂直に保持され、ミラ
ー面93は傾き難く面倒れの低下を効率よく防止すること
ができる。
【0055】なお、前述の実施例では、第8実施例のス
キャナモータの軸受構造81を第1実施例に適用した場合
について説明したが、本発明ではこの実施例に限らず、
図12(d),(e)に示すように、第1実施例の図1
(b)または図3に示すスキャナモータの軸受構造11に
適用してもよいのは勿論である。図13は本発明の請求項
11に係るスキャナモータの軸受構造の第4実施例の要部
を示す図であり、第7実施例と同じ構成には同じ符号を
つける。
【0056】図13に示すスキャナモータの軸受構造101
は偏光ミラーが光束の反射面が1面鏡のピラミダルミラ
ー57または2面鏡のホゾ型ミラー58を用い、偏光ミラー
が軸受筒部材72により軸支した場合であり、回転軸20
と、ミラーが一体的に形成されたものである。この場
合、偏光ミラーが小さく回転軸20の質量が小さいので、
外部衝撃が加わったとき軸受に加わる負担が少なくて済
む。このため、軸受22の負担も小さく、この分軸受22の
各部材が小型化でき薄型化・低コスト化することができ
る。
【0057】なお、前述の第1および2実施例において
は、軸受筒部材72,82および板バネ74、84は銅系または
鉄系の軸受メタルを用いる場合について説明したが、本
発明では、軸受筒部材72,84または図13に示す板バネ7
4,84のように接触面113 にセラミックスを形成させた
ものでもよいし、または合成樹脂を用いてもよいし、さ
らに含油メタルを施したものでもよい。図14は本発明の
請求項12に係るスキャナモータの軸受構造は第5実施例
の要部を示し、第1実施例または第2実施例において、
回転軸20に接触する軸受筒部材72,82および板バネ74,
84の接触面113 に、図15に示すように凹凸状で山型の溝
115を設けた場合である。接触面113 の溝115 は山型で
あるが、これに限らずハ字状または接触面 113上に軸方
向に形成された平行溝であってもよい。この溝115 の形
成により回転軸20の回転により回転軸20と接触面113 と
の間に空気動圧を発生し、回転軸20は軸受筒部材72, 82
または板バネ72, 84から離れ、空気膜で離隔され非接触
になる。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、軸受が回
転軸の周面の複数箇所で滑り接触する複数の滑り部材
と、このすべり部材の少なくとも1つをラジアル方向に
付勢する付勢部材とを有しているので、回転軸と軸受と
の隙間がなくなり、バランス変化もなくなり、画像品質
に直接影響を与える面倒れを防止できる。また、部品構
成も簡単で、より小型化・低コスト化することができ
る。
【0059】請求項2記載の発明によれば、軸受の滑り
部材が回転軸の周面の軸方向に滑り接触する軸受板で、
この軸受板をバネ板または弾性体で付勢しているので、
前記効果に加え、軸受板は回転軸の周面に軸方向の上下
にわたり線接触して付勢し、回転軸を上下にわたり安定
して支持できる。請求項3記載の発明によれば、軸受の
滑り部材が回転軸の軸方向両端部の周面に周方向3箇所
以上で接線方向に配置された軸受棒部材でほぼ点状に滑
り接触しているので、付勢力は回転軸の両端部に安定し
てより効率よく加わり、滑り接触抵抗が小さく、小型化
・薄型化にさらに有利にできる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、回転軸が軸
方向上端部および/または下端部に周溝を有し、軸受棒
部材が少なくとも片側の周溝に嵌合しているので、回転
軸は軸受棒部材により効率よく、かつ安定してラジアル
方向およびスラスト方向に支持でき、小型化・薄型化・
低コスト化がさらに有利にできる。請求項5記載の発明
によれば、回転軸の上下両端部を付勢する軸受棒部材が
バネ板または弾性体の上下両端部に一体的に固定されて
いるので、部品点数が減少できるとともに、回転軸の上
下両端部を効率よくさらに安定して付勢して回転軸を支
持でき、さらに、接触面をセラミック、合成樹脂、含油
メタルにすることでさらに、耐熱性・耐摩耗性で有利に
できる。
【0061】請求項6の発明によれば、偏光ミラーが1
面鏡のピライダルミラーまたは2面鏡のホゾ型ミラーで
あるので、ミラーが小さく質量が小さく、外部の衝撃時
の軸受の負担が小さくなる。このため、軸受が小型化で
き、装置の小型化ができる。請求項7記載の発明によれ
ば、軸受板および軸受棒部材の回転軸に接触する接触面
が凹凸状の複数の溝を有しているので、回転軸が高速回
転時に、回転軸の周面と接触面との間の空気は圧縮さ
れ、動圧を発生し、非接触となる。このため、摩擦・摩
耗が少なくなり寿命信頼性が向上できる。
【0062】請求項8記載の発明によれば、軸受が回転
軸の周面に滑り接触する軸受筒部材を有し、付勢部材で
回転軸の周面をラジアル方向に付勢しているので、画像
品質に直接影響を与える面倒れを防ぐとともに、回転軸
と軸受けの隙間もなくなるのでバランス変化も防止で
き、また、部品構成も、簡単であるので、低コスト化・
小型化できる。
【0063】請求項9記載の発明によれば、付勢部材が
軸受筒部材の上下両端で回転軸を付勢し回転軸を支持し
ているので、付勢力は回転軸の上下両端部で作用し、面
倒れに対して効率よく回転軸を保持でき、容易に薄型化
・小型化することができる。請求項10記載の発明によれ
ば、付勢部材の付勢方向が偏光ミラーへの入射および反
射する光束を2等分する方向であるので、付勢部材の付
勢力は偏光ミラーのミラー面を垂直に保持するように働
き、ミラー面の面倒れが小さくでき、画像品質の低下を
防止できる。
【0064】請求項11記載の発明によれば、偏光ミラー
が1面鏡のピライダルミラーまたは2面鏡のホゾ型ミラ
ーであるので、ともにミラーが小さく、質量が小さく、
外部衝撃が軸受に伝わる負担は小さい。このため、軸受
を小さくでき、これに伴い装置も小型化できる。請求項
12記載の発明によれば、回転軸に接触する軸受筒部材ま
たは付勢部材の接触面に溝が形成されているので、回転
軸が高速回転すると、回転軸と各部材との間に動圧を発
生し、非接触となる。このため、摩擦・摩耗が小さくな
り寿命・信頼性が大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1,2に係るスキャナモータの
軸受構造の第1実施例を示す図で、(a)はその全体断
面図、(b)はその要部断面図である。
【図2】図1に示すスキャナモータの軸受構造の要部を
示す図で、(a)はその原理を説明する説明図、(b)
はその他の例の断面図である。
【図3】図1に示すスキャナモータの軸受構造の要部の
他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の請求項3に係るスキャナモータの軸受
構造の第2実施例の要部を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の請求項4に係るスキャナモータの軸受
構造の第3実施例の要部を示す図で、(a)はその分解
斜視図、(b)はその一部分解正面図である。
【図6】図5に示すスキャナモータの軸受構造の他の例
を示す図で、(a)はその一部分解正面図、(b)はさ
らにその他の例の一部分正面図である。
【図7】本発明の請求項5に係るスキャナモータの軸受
構造の要部を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は
その他の斜視図である。
【図8】本発明の請求項6に係るスキャナモータの軸受
構造の要部を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は
その他の例の斜視図である。
【図9】本発明の請求項7に係るスキャナモータの軸受
構造の第6の実施例の要部を示す図で、(a)はその分
解斜視図、(b)はその他の例の一部斜視図、(c)は
そのさらに他の一部斜視図である。
【図10】本発明の請求項8に係るスキャナモータの軸受
構造第1実施例の要部を示す図で、(a)はその斜視
図、(b)はその断面図である。
【図11】本発明の請求項9に係るスキャナモータの軸受
構造の第2実施例を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の請求項10に係るスキャナモータの軸受
構造の第3実施例を示す図で、(a)はその全体上面
図、(b)はその一部断面側面図、(c)はその要部断
面図、(d)はその他の例の要部断面図、(e)はその
さらに他の例の要部断面図である。
【図13】本発明の請求項11に係るスキャナモータの軸受
構造第4実施例の要部を示す図で、(a)はその斜視
図、(b)はその他の斜視図である。
【図14】本発明の請求項12に係るスキャナモータの軸受
構造第5実施例の要部を示す図で、(a)はその斜視
図、(b)はその他の斜視図である。
【図15】図14に係るスキャナモータの軸受構造の要部を
示す斜視図である。
【図16】従来のスキャナモータの軸受構造を適用したス
キャナモータを示す図で、(a)はその全体斜視図、
(b)はその断面図である。
【図17】図16に示すスキャナモータの軸受構造の要部を
示す図で、(a)はその断面図、(b)はその断面モデ
ルである。
【符号の説明】
11,31,41,51,61,71,81,91,101, 111 スキャ
ナモータの軸受構造 12 ポリゴンスキャナモータ(スキャナモータ) 13 ロータマグネット 14 ロータ 15 駆動コイル 16 ステータ 17 ポリゴンミラー(偏向ミラー) 20 回転軸 21 ハウジング 22,32,42 軸受 23 回転体 24 軸受板(滑り部材) 26 バネ板(付勢部材) 27 弾性体(付勢部材) 33 軸受棒部材(滑り部材) 35 板状バネ(付勢部材) 38 ピラミダルミラー 39 ホゾ型ミラー 44 周溝 53 弾性体(弾性部材) 62 軸受曲板 72 軸受筒部材(滑り部材) 82 軸受筒部材(滑り部材) 84 板バネ 115 ヘリングボーン溝(溝)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板状のロータマグネットを有するロータ
    と、該ロータに対向して設けた駆動コイルを固定した板
    状のステータと、前記ロータおよび偏光ミラーを一体的
    に形成し中心部に固定された回転軸と、該回転軸を軸受
    を介して回転自在に軸支するとともに前記ステータを固
    定するハウジングと、を備えたスキャナモータの軸受構
    造において、前記軸受は前記回転軸の周面の複数箇所に
    滑り接触するよう配置された複数の滑り部材と、該滑り
    部材の少なくとも1つをラジアル方向に付勢する付勢部
    材と、を備え、前記回転軸を支持することを特徴とする
    スキャナモータの軸受構造。
  2. 【請求項2】前記滑り部材は、前記回転軸の周面の軸方
    向に滑り接触する軸受板からなり、前記付勢部材はバネ
    材および弾性体のいずれか一方からなることを特徴とす
    る請求項1記載のスキャナモータの軸受構造。
  3. 【請求項3】前記滑り部材は、前記回転軸の軸方向両端
    部の周面に周方向3箇所以上に前記回転軸の接線方向に
    配置され滑り接触する棒状の軸受棒部材であることを特
    徴とする請求項1記載のスキャナモータの軸受構造。
  4. 【請求項4】前記回転軸は、軸方向上端部および下端部
    の少なくとも片方の外周部に周方向に形成された周溝を
    有し、前記軸方向両端部の軸受棒部材は少なくとも片側
    端の軸受棒部材が前記周溝に嵌合し前記回転軸をラジア
    ル方向およびスラスト方向に支持することを特徴とする
    請求項1または3記載のスキャナモータの軸受構造。
  5. 【請求項5】前記軸方向両端部の軸受棒部材は、前記付
    勢部材である板状バネおよび弾性体のいずれか一方の両
    端部に一体的に固定されていることを特徴とする請求項
    3または4記載のスキャナモータの軸受構造。
  6. 【請求項6】前記偏光ミラーはピライダルミラーおよび
    ホゾ型ミラーのいずれか一方であることを特徴とする請
    求項1,2,3,4または5記載のスキャナモータの軸
    受構造。
  7. 【請求項7】前記滑り部材は、前記回転軸の周面に滑り
    接触する円弧状の接触面を有し、該接触面に凹凸状の複
    数の溝を形成し、前記回転軸が回転時に動圧を発生する
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の
    スキャナモータの軸受構造。
  8. 【請求項8】円板状のロータマグネットを有するロータ
    と、該ロータに対向して設けた駆動コイルを固定した板
    状のステータと、前記ロータおよび偏光ミラーを一体的
    に形成し中心部に固定された回転軸と、該回転軸を軸受
    を介して回転自在に軸支するとともに前記ステータを固
    定するハウジングと、を備えたスキャナモータの軸受構
    造において、前記軸受は前記回転軸の周面に滑り接触す
    る内周面を有する筒状の軸受筒部材と、該軸受筒部材に
    固定され前記回転軸の周面をラジアル方向に付勢する付
    勢部材と、を備え、前記回転軸を支持することを特徴と
    するスキャナモータの軸受構造。
  9. 【請求項9】前記付勢部材は、前記軸受筒部材の軸方向
    上側および下側で前記回転軸の周面を付勢することを特
    徴とする請求項8記載のスキャナモータの軸受構造。
  10. 【請求項10】前記付勢部材は、その付勢方向が前記偏光
    ミラーへ入射および反射する光束の2等分する方向であ
    ることを特徴とする請求項2,3,4,5,6,7,8
    および9記載のスキャナモータの軸受構造。
  11. 【請求項11】前記偏光ミラーはピライダルミラーおよび
    ホゾ型ミラーのいずれか一方であることを特徴とする請
    求項8,9または10記載のスキャナモータの軸受構造。
  12. 【請求項12】前記軸受筒部材および前記付勢部材の少な
    くとも一方は前記回転軸に接触する接触面に複数の溝が
    形成され、前記回転軸が回転時に動圧を発生することを
    特徴とする請求項8,9,10または11記載のスキャナモ
    ータの軸受構造。
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Cited By (7)

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