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JPH05171094A - 水性インキ組成物 - Google Patents

水性インキ組成物

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Publication number
JPH05171094A
JPH05171094A JP34259391A JP34259391A JPH05171094A JP H05171094 A JPH05171094 A JP H05171094A JP 34259391 A JP34259391 A JP 34259391A JP 34259391 A JP34259391 A JP 34259391A JP H05171094 A JPH05171094 A JP H05171094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
cellulosic material
ink
base ink
ink composition
Prior art date
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Granted
Application number
JP34259391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3032363B2 (ja
Inventor
Eizaburo Ueno
英三郎 上野
Ryotaro Kusakabe
亮太郎 草壁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP34259391A priority Critical patent/JP3032363B2/ja
Publication of JPH05171094A publication Critical patent/JPH05171094A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、水性インキが有していた問題点を解決
し、保水性がよく適度な粘性と流動性をもつ水性インキ
を提供する。 【構成】 積算体積50%の粒径が0.3〜6μmであ
り、かつ、3μm以下の粒子の積算体積割合が25%以
上の微粒化セルロース系素材を含有することを特徴とす
る水性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インキ組成物に関
し、更に詳しくは、微粒化セルロース系素材を含有する
水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水性インキは、水性ボールペン、サイン
ペンなどの筆記用具からインキジエットプリンター用や
印刷用まで幅広く使用されている。一般に水性インキに
要求される性能としては、耐水性、非蒸発性、保存安定
性、保水性などが上げられる。それに加え、筆記用具に
用いる場合、均一の太さで滑らかな筆記を可能とし、ま
た、たれを生じないような適度な粘度と流動性を有する
こと、ペン先で詰まりを起こさない事が必要とされる。
【0003】従来より、上記の性能を水性インキに付与
するため、種々の検討がなされてきた。例えば、特開昭
62−124170号公報には、エーテル化度1.5以
上のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩また
はアンモニウム塩を含有する水性インキ組成物が開示さ
れている。しかしながら、用いられるカルボキシメチル
セルロースのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩は、
水性高分子であり、保水性に問題があった。
【0004】上記のように、水性インキに必要とされる
諸性能を合わせもつ水性インキは未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保水性がよ
く、流動性と適度な粘度を有する水性インキを提供する
事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、積
算体積50%の粒径が0.3〜6μmであり、かつ、3
μm以下の粒子の積算体積割合が25%以上の微粒化セ
ルロース系素材を含有する事を特徴とする水性インキ組
成物、である。
【0007】さらに、本発明を詳細に説明する。本発明
に用いる微粒化セルロース系素材とは、セルロースが従
来到達し得なかったレベルに微小体になったものであ
り、この微粒化セルロース系素材を得る方法の例として
は、例えば、前処理工程としてセルロース系素材に解重
合処理を施し、引き続き、媒体を容器に内蔵し、かつ、
該媒体を強制攪拌せしめるための回転翼を設けた容器内
で湿式粉砕することにより懸濁液として得られる。
【0008】上記セルロース系素材とは、例えば、木材
パルプ、精製リンター、綿繊維、麻繊維等の脱リグニン
後の天然セルロース、または、ビスコース溶液や銅アン
モニア溶液から凝固再生された再生セルロース、さらに
は、アルカリセルロースを再生して得られるセルロース
などである。また、上記の解重合方法とは、例えば、酸
加水分解、アルシリ酸化分解、酵素分解、スチームエク
スプロージョン分解、水蒸気蒸煮の内の1つまたは2つ
以上の組み合わせ処理などであり、解重合の結果、好ま
しくは重合度を300以下とする。
【0009】一般に媒体攪拌湿式粉砕装置(通常ビーズ
ミルまたはアニューラー型ミル)と呼ばれ、媒体を容器
に内蔵し、かつ、該媒体を強制攪拌せしめるための回転
翼を設けた容器内で湿式粉砕する装置は、顔料、イン
ク、セラミックスなどの無機材料の微粒化に一般に使用
されているが、微粒化が困難であるセルロース系素材に
適用すると、極めて高度な微粒化効果が得られる。
【0010】本発明に用いる微粒化セルロース系素材
は、そのサイズ及び分布に特徴を有するものであるが、
その形状は球形ではなく、長径と短径の比(以下L/D
と略す)は、1.1〜1.5の粒子を中心に構成されて
おり、その多くがL/Dは5〜10である。粒径の測定
は、島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−
1100)を用いて、装置に内蔵する超音波発振器を用
い、2次凝集を壊した状態で行われる。
【0011】なお、測定に供する懸濁液は、本発明に用
いる微粒化セルロース系素材に、0.1重量%となるよ
う蒸留水を加え、家庭用ミキサーSM−G471(三洋
電気(株)製)を用い、1分間攪拌して均一に分散させ
て得られる。0.1重量%に均一に希釈された試料は、
フローセルを利用して測定されるが内蔵された超音波発
振器は常時オンとし、少なくとも1分以上は超音波を当
てて凝集を防止した後に測定を行う。
【0012】なお、該粒度分布測定装置での測定に当た
っては、測定レンジを0.1〜45μmに設定する。そ
れにより、ミー(Mic)散乱理論式(測定装置中に組
み込まれている)から導き出された散乱光強度と粒子径
の関係を用いて計算されることとなる。また、屈折率
は、1.7〜0.2iの標準屈折率用を選択することと
し、粒度分布を求める計算方法は、最小二乗法理論を使
った直接計算法を使うこととする。1つの試料に対する
測定回数は、7回に指定し、測定間隔は、2秒とする。
【0013】本発明での積算体積50%の粒径および3
μm以下の粒子の積算体積割合とは、各々平均となる粒
径および粒子の分布を示した値である(図1参照)粒径
が6μm以上または積算体積割合が25%未満となる
と、保水性が低下するとともに、水性ボールペンに用い
た場合、ペン先の詰まりを起こしやすく、また、インキ
ジェットプリンターに用いた場合、インキ噴射ノズルの
詰まりを起こす可能性が大きい。
【0014】また、当該粒径が0.3μm未婚となるよ
うな懸濁液は、製造が極めて困難である。本発明に用い
る、このようにして得られた微粒化セルロース系素材の
水懸濁物は、分散安定性を有するのみならず、保水性、
高いチキソトロピー性を有するため、インキ用素材とし
ては、極めて有用な素材である。
【0015】本発明において、微粒化セルロース系素材
の添加量は特に限定するものではなく、目的の水性イン
キに応じその量を決定する事ができる。一般には、イン
キ全重量に対し、乾燥重量に換算して0.05〜2重量
%、さらに好ましくは、0.1〜0.5重量%の微粒化
セルロース系素材が添加される。添加量が0.05重量
%以下となると、微粒化セルロース系素材の効果が発揮
されない場合が多く、また、添加量が2重量%以上とな
ると、筆記用具などに用いた場合、書き味の低下が発生
する場合がある。
【0016】本発明において、その製造の段階での微粒
化セルロース系素材の添加方法は特に限定するものでは
ない。本発明の水性インキ組成物は、微粒化セルロース
系素材以外の成分としては特に限定するものでなく、そ
の用途に応じ通常用いられる成分より構成される。例え
ば、水または水とアルコール、グリコールエーテルなど
から成る水性媒体と、着色剤、それに加え、界面活性
剤、防腐剤、pH調整剤、防錆剤などより構成される。
【0017】本発明に用いる、着色剤は、例えば、酸化
チタン、カーボンブラック、C.I.ピクメントレッド
112などの顔料類、C.I.ダイレクトイエロー4
4、C.I.ダイレクトブラック19など直接染料、
C.I.アッシドオレンジ94、C.I.アシッドブル
ー90などの酸性染料、C.I.ベーシックバイオレッ
ト3、C.I.ベーシックイエロー45などの塩基性染
料が挙げられ、1種または2種以上混合して用いること
もできる。また、水性インキの使用目的や用途に応じ
て、添加量は任意に調節することができる。
【0018】本発明に用いる微粒化セルロース系素材の
効果を更に高めるため、必要に応じ必須成分以外の成分
も添加してもよい。例えば、さらにインキの蒸発を制御
するため、エチレングリコールなどの多価アルコールや
トリエタノールアミンなどの含窒素系溶剤を添加しても
よく、また、さらに耐水性を高めたりしみや裏抜けをさ
らに低減するため、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、ポ
リビニルアルコールなど水溶性樹脂を添加してもよい。
【0019】
【実施例】以下、実施例によりさらに本発明を説明する
が、これに範囲を限定されるものでない。なお、評価方
法は以下の通り行った。 粘度測定 被試験サンプルを20℃の恒温室に1時間以上放置した
後、200mlビーカーに180g秤り取り、B型粘度
計(BH型、トキメック製)を用い、5秒および1分間
ローターを回転させ、その直後の粘度を測定した。回転
数は10rpmで測定した。
【0020】5秒後の粘度をX、1分後の粘度をYとす
ると、5秒後の粘度に対する1分後の粘度低下率、つま
り、(X−Y)/X×100(%)をチキソトロピー性
の指標として用い、その値が10%以上のものを○、5
〜10%のものを△、5%以下のものを×として表示し
た。 保水性 被試験サンプルをガラスフィルターに入れ、20℃で1
000Gの遠心力を30分かけ遠心脱水を行い、サンプ
ルが1000Gの遠心力に耐えてどれだけの水を保持で
きるか測定した。保水性は、脱水後の重量をW、これを
乾燥させた後の絶乾重量をwとすると、(W−w)/w
×100(%)で表される。
【0021】
【実施例1〜2、比較例1〜2】重合度760の木材パ
ルプ(L−DSP)を5.0%塩酸水溶液に、浴比1:
0に成るように分散させ、これを120〜130℃で
0.5時間加水分解処理した。ついで洗液のpHが中性
になるまで十分水洗し、さらに水分率を調整し、水分率
700%のセルローススラリーを得た。水分率は、セル
ロース重量(ドライ換算)に対する水の重量%を示す。
【0022】この得られたスラリーを内容積2リット
ル、媒体充填率80%の媒体攪拌湿式粉砕装置(アシザ
ワ(株)製商標パールミル)に0.63リットル/分の
流量で注入した。媒体としては直径2mmφの球状セラ
ミックスビーズを用い、攪拌は3200rpmの回転ロ
ーター行った。上記の方法でセルロースの水懸濁物を得
るに際して、媒体攪拌湿式粉砕装置の通過回数と粒径及
び保水性の関係を調べた結果を表1に示す。
【0023】表1に示すように、本発明に用いる微粒化
セルロース系素材の粒径範囲では、保水性が著しく大き
くなり、これにより、水性インキに微粒化セルロース系
素材を添加することにより、水性インキ組成物の保水性
も向上するものと思われる。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果にもとづき5回通過後の懸濁液
の粒径を測定したところ、積算体積50%の粒径は2.
30μm、3μm以下の粒径の積算体積割合は58.5
%であった。この微粒化セルロース系素材を以下の実施
例で用いた。水性ボールペン用インクとして以下の組成
のインクを得た。 C.I.アッシドレッド87 4.0重量% C.I.アッシドレッド97 3.0 C.I.アッシドイエロー42 1.0 ポリエチレングリコール 15.0 グリセリン 10.0 安息香酸ナトリウム 0.8 微粒化セルロース系素材 4.0 水 62.2 また、比較例として以下の組成のインキを得た。
【0026】 C.I.アッシドレッド87 4.0重量% C.I.アッシドレッド97 3.0 C.I.アッシドイエロー42 1.0 ポリエチレングリコール 15.0 グリセリン 10.0 安息香酸ナトリウム 0.8 水 66.2 粘度を評価したところ表2に示す結果となり、微粒化セ
ルロース系素材を添加することにより、チキソトロピー
性がさらに大きくなる。つまり、適度な粘度と流動性を
持つことにより、滑らかな書き味でしかも均一な太さで
書くことが可能になると思われる。
【0027】
【比較例2】実施例1で得られた媒体攪拌湿式粉砕装置
を通過させていないセルロース素材を微粒化セルロース
系素材の代わりに用い実施例1の組成と同様の水性ボー
ルペン用インクを得た。粘度の評価を行ったが、実施例
1のような適度の粘度と流動性は得ることができなかっ
た。
【0028】また、粒径が大きいためインク詰まりをお
こす危険性も存在する。
【0029】
【実施例2、比較例3】万年筆用インクとして以下の組
成のインクを得た。 C.Iダイレクトブラック 3.5重量% エチレングリコール 2.5 2−ピロリドン 1.5 微粒化セルロース系素材 4.0 水 88.5 また、比較例3として以下の組成のインキを得た。
【0030】 C.Iダイレクトブラック 3.5重量% エチレングリコール 2.5 2−ピロリドン 1.5 水 92.5 粘度を評価したところ表2に示す結果となり、微粒化セ
ルロース系素材を添加することにより、チキソトロピー
性がさらに大きくなる。つまり、適度な粘度と流動性を
持つことにより、インキのたれや切れがなく均一な太さ
で書くことが可能になると思われる。
【0031】
【表2】
【0032】
【比較例3】スタンプ台用インクとして以下の組成のも
のを得た。 C.Iダイレクトブルー1 4.0重量% C.Iダイレクトブルー86 2.0重量% エチレングリコール 20.0 トリエタノールアミン 5.0 グリセリン 50.0 微粒化セルロース系素材 4.0 水 15.0
【0033】
【発明の効果】本発明の水性インク組成物は、従来のも
のに比較して保水性がよく、流動性と適度な粘度を有す
る水性インキ組成物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる微粒化セルロース系素材の1例
であり粒径と積算体積の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積算体積50%の粒径が0.3〜6μm
    であり、かつ、3μm以下の粒子の積算体積割合が25
    %以上の微粒化セルロース系素材を含有することを特徴
    とする水性インキ組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5415686A (en) * 1993-04-07 1995-05-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink-jet recording method making use of the same and instrument provided with the ink
JP2002285064A (ja) * 2001-03-22 2002-10-03 Mitsubishi Pencil Co Ltd 光輝性水性インキ組成物
JP2016069564A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 ゼブラ株式会社 マーキングペン用水性インキ組成物及び直液式マーキングペン

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