JPH05161325A - コギングトルクを低減した同期電動機 - Google Patents
コギングトルクを低減した同期電動機Info
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- JPH05161325A JPH05161325A JP3322069A JP32206991A JPH05161325A JP H05161325 A JPH05161325 A JP H05161325A JP 3322069 A JP3322069 A JP 3322069A JP 32206991 A JP32206991 A JP 32206991A JP H05161325 A JPH05161325 A JP H05161325A
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- 238000004804 winding Methods 0.000 claims description 29
- 238000009434 installation Methods 0.000 claims description 5
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 13
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 9
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
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- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 1
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コギングトルクの変動幅を著しく低減可能
な、スロット数と磁極数との新規な組み合わせを有した
同期電動機を提供する。 【構成】 この同期電動機は、出力軸10を中心に8個
の永久磁石12を放射状に配置して、各永久磁石12間
に配設したヨーク14により8個の磁極を構成するロー
タ16と、ロータ16を囲繞する27個のスロット18
を有したステータ20とを備える。すなわちこの電動機
では、1磁極に対し3.375個のスロットが対向す
る。ステータ20の各スロット18には、上下2層の巻
線22が収容される。そのためステータ20の内周面に
は、巻線設置用のスロット開口部24が等間隔に形成さ
れる。ロータ16の回転時には、スロット開口部24に
起因したコギングトルクが、全ての磁極において位相が
ずれて発生する。したがって、ロータ16が1回転する
間に216回のコギングトルクが発生する。
な、スロット数と磁極数との新規な組み合わせを有した
同期電動機を提供する。 【構成】 この同期電動機は、出力軸10を中心に8個
の永久磁石12を放射状に配置して、各永久磁石12間
に配設したヨーク14により8個の磁極を構成するロー
タ16と、ロータ16を囲繞する27個のスロット18
を有したステータ20とを備える。すなわちこの電動機
では、1磁極に対し3.375個のスロットが対向す
る。ステータ20の各スロット18には、上下2層の巻
線22が収容される。そのためステータ20の内周面に
は、巻線設置用のスロット開口部24が等間隔に形成さ
れる。ロータ16の回転時には、スロット開口部24に
起因したコギングトルクが、全ての磁極において位相が
ずれて発生する。したがって、ロータ16が1回転する
間に216回のコギングトルクが発生する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転の円滑性を改善し
た同期電動機に関し、特に、ロータに対向するステータ
周面に、巻線設置のため必須に形成されたスロット開口
部に起因する磁束分布の乱れから、不可避的に発生する
コギングトルクを可及的に低減すべく、ステータのスロ
ット数とロータの磁極数との組み合わせを改善した同期
電動機に関する。
た同期電動機に関し、特に、ロータに対向するステータ
周面に、巻線設置のため必須に形成されたスロット開口
部に起因する磁束分布の乱れから、不可避的に発生する
コギングトルクを可及的に低減すべく、ステータのスロ
ット数とロータの磁極数との組み合わせを改善した同期
電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】同期電動機の回転時には、通常、ステー
タコアの歯数、すなわち巻線を設置するためにステータ
コアに必須的に設けたスロットの個数に比例して、トル
クむら、いわゆるコギングトルクが発生する。このコギ
ングトルクは、ロータに対向するステータの周面上にス
ロットの開口部が存在することにより、ロータとステー
タとの相対移動時にロータの磁極から発生する界磁磁束
の磁路が、各開口部を磁極が横切る度に周期的に変化
し、ロータとステータとの間の空隙における磁束分布に
乱れが生じることに起因したものである。
タコアの歯数、すなわち巻線を設置するためにステータ
コアに必須的に設けたスロットの個数に比例して、トル
クむら、いわゆるコギングトルクが発生する。このコギ
ングトルクは、ロータに対向するステータの周面上にス
ロットの開口部が存在することにより、ロータとステー
タとの相対移動時にロータの磁極から発生する界磁磁束
の磁路が、各開口部を磁極が横切る度に周期的に変化
し、ロータとステータとの間の空隙における磁束分布に
乱れが生じることに起因したものである。
【0003】したがって、このコギングトルクの発生周
期及び大きさ(変動幅)はステータコアに設けたスロッ
トの個数に依存している。一般にコギングトルクの発生
周期が小さいほどその大きさも小さくなることは周知で
あり、したがってスロット数を増やすことによりコギン
グトルクを小さくすることができると考えられる。しか
しながらステータコアのスロット数は、ロータが有する
磁極の極数、電動機の相数、巻線の分布形態等によって
必然的に決められるものであり、また無闇にスロット数
を増やすことはステータ構造の複雑化をもたらす。
期及び大きさ(変動幅)はステータコアに設けたスロッ
トの個数に依存している。一般にコギングトルクの発生
周期が小さいほどその大きさも小さくなることは周知で
あり、したがってスロット数を増やすことによりコギン
グトルクを小さくすることができると考えられる。しか
しながらステータコアのスロット数は、ロータが有する
磁極の極数、電動機の相数、巻線の分布形態等によって
必然的に決められるものであり、また無闇にスロット数
を増やすことはステータ構造の複雑化をもたらす。
【0004】3相交流駆動の同期電動機において、ロー
タにM個の永久磁石を備えたM極電動機に対してステー
タに単層の巻線を施すためには、少なくとも3M個、も
しくはその自然数倍3nM個のスロットが必要となる。
3M個のスロットをステータコアに備える場合、ロータ
の1極に対してそれぞれに各相(U相、V相、W相)の
巻線を収容した3個のスロットが対向する。このとき、
各相巻線の位相差は互いに電気角120°となってい
る。ロータの1極対に対して1コイルの巻線に流れる電
流の極性は正負が逆であり、故にこれら1極対に及ぼさ
れるトルクは同一方向に働くことになる。コギングトル
クも同様である。したがって上記構成の場合、コギング
トルクはロータ1極対におけるN極とS極とで同期して
同一方向へ発生する。そして、その大きさは1つのコギ
ングトルクの2倍となり、全体としてコギングトルクの
変動幅は極めて大きなものとなる。この場合、単にスロ
ット数を3nM個に増設するだけでは、コギングトルク
の同期性は解消されない。
タにM個の永久磁石を備えたM極電動機に対してステー
タに単層の巻線を施すためには、少なくとも3M個、も
しくはその自然数倍3nM個のスロットが必要となる。
3M個のスロットをステータコアに備える場合、ロータ
の1極に対してそれぞれに各相(U相、V相、W相)の
巻線を収容した3個のスロットが対向する。このとき、
各相巻線の位相差は互いに電気角120°となってい
る。ロータの1極対に対して1コイルの巻線に流れる電
流の極性は正負が逆であり、故にこれら1極対に及ぼさ
れるトルクは同一方向に働くことになる。コギングトル
クも同様である。したがって上記構成の場合、コギング
トルクはロータ1極対におけるN極とS極とで同期して
同一方向へ発生する。そして、その大きさは1つのコギ
ングトルクの2倍となり、全体としてコギングトルクの
変動幅は極めて大きなものとなる。この場合、単にスロ
ット数を3nM個に増設するだけでは、コギングトルク
の同期性は解消されない。
【0005】そこで、ステータの巻線形態を多層にして
ロータの1極に対応するスロット数を非自然数化するこ
とにより、ロータの1極対におけるN極とS極とでコギ
ングトルクの発生を規則的にずらし、本来の出力トルク
との間で相互に相殺し合うようにして、ロータ全体とし
てのコギングトルクの変動幅を低減させた同期電動機が
既に提供されている。このような非自然数倍スロット構
造を有する同期電動機の一例を図5に示す。
ロータの1極に対応するスロット数を非自然数化するこ
とにより、ロータの1極対におけるN極とS極とでコギ
ングトルクの発生を規則的にずらし、本来の出力トルク
との間で相互に相殺し合うようにして、ロータ全体とし
てのコギングトルクの変動幅を低減させた同期電動機が
既に提供されている。このような非自然数倍スロット構
造を有する同期電動機の一例を図5に示す。
【0006】図5に示した同期電動機は、出力軸1を中
心に8個の永久磁石2を放射状に配置して各永久磁石2
間に配設した継鉄すなわちヨーク3により8個の磁極を
構成するロータ4と、ロータ4を囲繞する36個のスロ
ット5を有したステータ6とを備える。したがってこの
モータでは、ロータ4の1極に対し4.5個のスロット
5が対応する。各スロット5には上下2層の巻線7が収
容され、ロータ4の2極(1極対)に対しては、9個の
スロット5内で計18箇所に巻線7が配置されている。
したがって、3相の巻線7はいずれもロータ4の2極
(1極対)で一巡し、それぞれ3個のコイルを形成す
る。ロータ4のヨーク3の外周面は、仮にステータ6の
内周面にスロット5による開口が無いとした場合に、ロ
ータ4から発生する磁束分布がほぼ正弦波形を呈示する
ような所定のアーク形状に形成されている。
心に8個の永久磁石2を放射状に配置して各永久磁石2
間に配設した継鉄すなわちヨーク3により8個の磁極を
構成するロータ4と、ロータ4を囲繞する36個のスロ
ット5を有したステータ6とを備える。したがってこの
モータでは、ロータ4の1極に対し4.5個のスロット
5が対応する。各スロット5には上下2層の巻線7が収
容され、ロータ4の2極(1極対)に対しては、9個の
スロット5内で計18箇所に巻線7が配置されている。
したがって、3相の巻線7はいずれもロータ4の2極
(1極対)で一巡し、それぞれ3個のコイルを形成す
る。ロータ4のヨーク3の外周面は、仮にステータ6の
内周面にスロット5による開口が無いとした場合に、ロ
ータ4から発生する磁束分布がほぼ正弦波形を呈示する
ような所定のアーク形状に形成されている。
【0007】このような構造において、実際にロータ4
から発生する磁束はスロット5の開口部8に起因して正
弦波形に規則的な乱れを生じ、これがコギングトルクと
して現れる。この電動機においては、コギングトルクの
発生がロータ1極対のN極とS極とで同期せず、スロッ
ト5の1/2ピッチ角度ずつ規則的にずれて発生する。
故にコギングトルクの発生回数は、1極対分回転する間
に18回、ロータ1回転当たりではスロット数の2倍、
すなわち72回(電気角20°につき1回)となる。こ
れにより、前述の自然数倍スロット構造に比べて1回当
たりのコギングトルクの大きさが縮減されるとともに、
コギングトルクと本来の出力トルクとが相殺し合うた
め、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅が減少
する。
から発生する磁束はスロット5の開口部8に起因して正
弦波形に規則的な乱れを生じ、これがコギングトルクと
して現れる。この電動機においては、コギングトルクの
発生がロータ1極対のN極とS極とで同期せず、スロッ
ト5の1/2ピッチ角度ずつ規則的にずれて発生する。
故にコギングトルクの発生回数は、1極対分回転する間
に18回、ロータ1回転当たりではスロット数の2倍、
すなわち72回(電気角20°につき1回)となる。こ
れにより、前述の自然数倍スロット構造に比べて1回当
たりのコギングトルクの大きさが縮減されるとともに、
コギングトルクと本来の出力トルクとが相殺し合うた
め、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅が減少
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の非自然数倍スロ
ット構造を有する電動機は、ロータの1磁極に対向する
スロット数を非自然数化することにより、上記のように
コギングトルクの大きさを全体として低減させることが
できる。さらに、コギングトルクの発生周期を短くす
る、すなわちロータ1回転での発生回数を増やすことに
より、コギングトルクと出力トルクとの相殺度合いが増
加して、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅が
さらに減少することがわかる。しかしながら、この非自
然数倍スロット構造の電動機におけるスロット数と磁極
数との組み合わせは、前述のように巻線の分布形態に拘
束される。すなわち、3相交流駆動の同期電動機では、
3相平衡起電圧を発生するために、電気的に各相巻線の
分布形状が等しく、かつ各相巻線の位相差が互いに電気
角120°であることが必要条件となる。
ット構造を有する電動機は、ロータの1磁極に対向する
スロット数を非自然数化することにより、上記のように
コギングトルクの大きさを全体として低減させることが
できる。さらに、コギングトルクの発生周期を短くす
る、すなわちロータ1回転での発生回数を増やすことに
より、コギングトルクと出力トルクとの相殺度合いが増
加して、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅が
さらに減少することがわかる。しかしながら、この非自
然数倍スロット構造の電動機におけるスロット数と磁極
数との組み合わせは、前述のように巻線の分布形態に拘
束される。すなわち、3相交流駆動の同期電動機では、
3相平衡起電圧を発生するために、電気的に各相巻線の
分布形状が等しく、かつ各相巻線の位相差が互いに電気
角120°であることが必要条件となる。
【0009】したがって、本発明の目的は、上記の制約
条件を満たすと同時に、前述の8極36スロット構造よ
りもさらにコギングトルクの変動幅を低減可能な、スロ
ット数と磁極数との新規な組み合わせを有した同期電動
機を提供することにある。
条件を満たすと同時に、前述の8極36スロット構造よ
りもさらにコギングトルクの変動幅を低減可能な、スロ
ット数と磁極数との新規な組み合わせを有した同期電動
機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、周方向へ所定間隔に配設された複数の永
久磁石によって形成される複数の磁極を備え、空隙部を
介してステータに対向するロータと、このロータに対向
し、上記磁極の個数の非自然数倍の個数を有する巻線設
置用のスロットを備えたステータとを具備した同期電動
機において、上記スロットの個数と上記磁極の個数との
比が3.375:1であることを特徴とする同期電動機
を提供する。
に、本発明は、周方向へ所定間隔に配設された複数の永
久磁石によって形成される複数の磁極を備え、空隙部を
介してステータに対向するロータと、このロータに対向
し、上記磁極の個数の非自然数倍の個数を有する巻線設
置用のスロットを備えたステータとを具備した同期電動
機において、上記スロットの個数と上記磁極の個数との
比が3.375:1であることを特徴とする同期電動機
を提供する。
【0011】本発明の好適な実施態様によれば、上記ス
テータが27個の上記スロットを有し、かつ上記ロータ
が8個の上記磁極を有する構成が提供される。
テータが27個の上記スロットを有し、かつ上記ロータ
が8個の上記磁極を有する構成が提供される。
【0012】
【作用】スロットの個数と磁極の個数との比を3.37
5:1に設定すると、スロット数を自然数にするための
最小の磁極数は8個となり、このときのスロット数は2
7個となる。この構造では、機械角に換算した場合、1
磁極当たりのピッチ角度は45°、他方1スロット当た
りのピッチ角度は(40/3)°となり、両者の最小公
倍数は360°(すなわちロータ1回転に相当する)で
あるから、それぞれの磁極における磁束分布の発生は全
て位相がずれることになる。したがって、スロットの開
口部に起因するコギングトルクの発生も、全ての磁極に
おいて位相がずれることとなり、ロータ1回転当たりの
コギングトルクの発生回数は、8と27との最小公倍数
である216回(電気角(20/3)°につき1回)と
なる。この数字は、スロットの個数と磁極の個数との比
が3.375:1であれば、それぞれの個数を上記に限
定せずとも同様である。そしてこれは、従来の8極36
スロット構造における72回/1回転に比べてかなりの
増加であり、これによりコギングトルクと出力トルクと
の相殺度合いが増して、ロータ全体としてのコギングト
ルクの変動幅は極めて小さくなる。
5:1に設定すると、スロット数を自然数にするための
最小の磁極数は8個となり、このときのスロット数は2
7個となる。この構造では、機械角に換算した場合、1
磁極当たりのピッチ角度は45°、他方1スロット当た
りのピッチ角度は(40/3)°となり、両者の最小公
倍数は360°(すなわちロータ1回転に相当する)で
あるから、それぞれの磁極における磁束分布の発生は全
て位相がずれることになる。したがって、スロットの開
口部に起因するコギングトルクの発生も、全ての磁極に
おいて位相がずれることとなり、ロータ1回転当たりの
コギングトルクの発生回数は、8と27との最小公倍数
である216回(電気角(20/3)°につき1回)と
なる。この数字は、スロットの個数と磁極の個数との比
が3.375:1であれば、それぞれの個数を上記に限
定せずとも同様である。そしてこれは、従来の8極36
スロット構造における72回/1回転に比べてかなりの
増加であり、これによりコギングトルクと出力トルクと
の相殺度合いが増して、ロータ全体としてのコギングト
ルクの変動幅は極めて小さくなる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明をその実
施例に基づきさらに詳細に説明する。図1を参照する
と、本発明の実施例による同期電動機が断面で示されて
いる。図1の同期電動機は、出力軸10を中心に8個の
永久磁石12を放射状に配置して、各永久磁石12間に
配設したヨーク14により8個の磁極を構成するロータ
16と、ロータ16を囲繞する27個のスロット18を
有したステータ20とを備える。すなわちこの電動機
は、1磁極に対し3.375個のスロットが対向する非
自然数倍スロット構造を有する。
施例に基づきさらに詳細に説明する。図1を参照する
と、本発明の実施例による同期電動機が断面で示されて
いる。図1の同期電動機は、出力軸10を中心に8個の
永久磁石12を放射状に配置して、各永久磁石12間に
配設したヨーク14により8個の磁極を構成するロータ
16と、ロータ16を囲繞する27個のスロット18を
有したステータ20とを備える。すなわちこの電動機
は、1磁極に対し3.375個のスロットが対向する非
自然数倍スロット構造を有する。
【0014】ステータ20の各スロット18には、上下
2層の巻線22が収容される。そのためステータ20の
内周面には、巻線設置用のスロット開口部24が等間隔
(機械角(40/3)°)に形成される。ロータ16の
回転時に、このスロット開口部24に起因したコギング
トルクが発生する。図1の同期電動機は、相互の位相差
が電気角120°である3相(U相、V相、W相)の巻
線22を、各相巻線22の分布形状が電気的に等しくな
るように配置する。この巻線配置の一例を図2に示す。
なお、図1及び図2において、説明のため各スロット1
8に(1)〜(27)の番号を付す。図2で、各相に付
した+/−の符号は、巻線の方向を示す。また、最下段
の数字は、1磁極が生じる磁束分布上での電気角による
各スロット18の相対位置を示す。
2層の巻線22が収容される。そのためステータ20の
内周面には、巻線設置用のスロット開口部24が等間隔
(機械角(40/3)°)に形成される。ロータ16の
回転時に、このスロット開口部24に起因したコギング
トルクが発生する。図1の同期電動機は、相互の位相差
が電気角120°である3相(U相、V相、W相)の巻
線22を、各相巻線22の分布形状が電気的に等しくな
るように配置する。この巻線配置の一例を図2に示す。
なお、図1及び図2において、説明のため各スロット1
8に(1)〜(27)の番号を付す。図2で、各相に付
した+/−の符号は、巻線の方向を示す。また、最下段
の数字は、1磁極が生じる磁束分布上での電気角による
各スロット18の相対位置を示す。
【0015】図2に示したように、ロータ16の1磁極
に対するスロット18の配置は、1磁極が生じる磁束分
布上で電気角(160/3)°毎に配置されている。ス
ロット開口部24に起因するコギングトルクの発生は同
様に電気角(160/3)°毎であり、その位相はロー
タ16が1回転したとき、すなわち1磁極が27個のス
ロット18を通過したとき、ようやく初期状態に戻る。
一方、前述のように、8個の磁極(すなわちヨーク1
4)における磁束分布の発生は全て位相がずれており、
スロット開口部24に起因するコギングトルクも、全て
の磁極において位相がずれて発生する。したがって、8
個の磁極に対しては、ロータ16が1回転する間に、前
述のように216回(電気角(20/3)°につき1
回)のコギングトルクが発生する。これにより、従来の
8極36スロット構造の同期電動機に比べて、ロータ全
体としてのコギングトルクの変動幅を極めて小さくする
ことができる。
に対するスロット18の配置は、1磁極が生じる磁束分
布上で電気角(160/3)°毎に配置されている。ス
ロット開口部24に起因するコギングトルクの発生は同
様に電気角(160/3)°毎であり、その位相はロー
タ16が1回転したとき、すなわち1磁極が27個のス
ロット18を通過したとき、ようやく初期状態に戻る。
一方、前述のように、8個の磁極(すなわちヨーク1
4)における磁束分布の発生は全て位相がずれており、
スロット開口部24に起因するコギングトルクも、全て
の磁極において位相がずれて発生する。したがって、8
個の磁極に対しては、ロータ16が1回転する間に、前
述のように216回(電気角(20/3)°につき1
回)のコギングトルクが発生する。これにより、従来の
8極36スロット構造の同期電動機に比べて、ロータ全
体としてのコギングトルクの変動幅を極めて小さくする
ことができる。
【0016】また、図2に示したように、各相(U相、
V相、W相)の巻線22はそれぞれステータ20の9か
所で単位コイルを形成する。例えばU相は、スロット番
号で(1)と(4)、(5)と(8)、(8)と(1
1)、(11)と(14)、(15)と(18)、(1
8)と(21)、(21)と(24)、(22)と(2
5)、及び(25)と(1)、の9組のスロット18に
おいて単位コイルが形成される。このように、この配置
例では、いずれの単位コイルも4スロットに亙る間隔
(機械角40°)で形成されており、外観の美しさが得
られるとともに巻線の自動設置を容易にする構成といえ
る。
V相、W相)の巻線22はそれぞれステータ20の9か
所で単位コイルを形成する。例えばU相は、スロット番
号で(1)と(4)、(5)と(8)、(8)と(1
1)、(11)と(14)、(15)と(18)、(1
8)と(21)、(21)と(24)、(22)と(2
5)、及び(25)と(1)、の9組のスロット18に
おいて単位コイルが形成される。このように、この配置
例では、いずれの単位コイルも4スロットに亙る間隔
(機械角40°)で形成されており、外観の美しさが得
られるとともに巻線の自動設置を容易にする構成といえ
る。
【0017】なお、本発明により上記のように8極27
スロット構造の同期電動機が提供されたことによって、
従来の1極当たり4.5スロットが対向する構造、すな
わち6極27スロット構造の同期電動機とのステータコ
アの兼用が可能となる。この場合は、ステータ20の各
スロット18に配置する巻線の分布が8極27スロット
構造に対し必然的に変わる。この6極27スロット構造
の同期電動機、及びその巻線配置の一例を、それぞれ図
3及び図4に示す。図から分かるように、6極27スロ
ット構造の同期電動機では、磁束分布の位相が9スロッ
ト毎、すなわち2極毎に初期状態に戻る。したがって、
ロータ1回転当たりのコギングトルクの発生回数は、ス
ロット数の2倍の54回となり、コギングトルクの変動
幅の比較的小さな電動機となる。このようにして、同一
構造のステータコアを2種類の電動機に使用可能とする
ことは、製造コストの低減に寄与するものである。
スロット構造の同期電動機が提供されたことによって、
従来の1極当たり4.5スロットが対向する構造、すな
わち6極27スロット構造の同期電動機とのステータコ
アの兼用が可能となる。この場合は、ステータ20の各
スロット18に配置する巻線の分布が8極27スロット
構造に対し必然的に変わる。この6極27スロット構造
の同期電動機、及びその巻線配置の一例を、それぞれ図
3及び図4に示す。図から分かるように、6極27スロ
ット構造の同期電動機では、磁束分布の位相が9スロッ
ト毎、すなわち2極毎に初期状態に戻る。したがって、
ロータ1回転当たりのコギングトルクの発生回数は、ス
ロット数の2倍の54回となり、コギングトルクの変動
幅の比較的小さな電動機となる。このようにして、同一
構造のステータコアを2種類の電動機に使用可能とする
ことは、製造コストの低減に寄与するものである。
【0018】上記の実施例では、同期電動機のロータ
を、出力軸を中心に放射状に複数の永久磁石を配置し、
これらの永久磁石間に配設されたヨークが複数の磁極を
構成するものとしたが、これに限定することなく、例え
ばロータコアの周面上に所定間隔で取着した複数の永久
磁石により直接に複数の磁極を構成したロータを有する
同期電動機に対しても、本発明を適用可能なことは言う
までもない。
を、出力軸を中心に放射状に複数の永久磁石を配置し、
これらの永久磁石間に配設されたヨークが複数の磁極を
構成するものとしたが、これに限定することなく、例え
ばロータコアの周面上に所定間隔で取着した複数の永久
磁石により直接に複数の磁極を構成したロータを有する
同期電動機に対しても、本発明を適用可能なことは言う
までもない。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のように、スロットの個数
と磁極の個数との比を3.375:1に設定して、スロ
ットの開口部に起因するコギングトルクを、全ての磁極
において位相がずれて発生する構成としたから、ロータ
1回転当たりのコギングトルクの発生回数が著しく増大
し、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅を極め
て小さくすることができ、同期電動機の動作精度を向上
させることができる。
と磁極の個数との比を3.375:1に設定して、スロ
ットの開口部に起因するコギングトルクを、全ての磁極
において位相がずれて発生する構成としたから、ロータ
1回転当たりのコギングトルクの発生回数が著しく増大
し、ロータ全体としてのコギングトルクの変動幅を極め
て小さくすることができ、同期電動機の動作精度を向上
させることができる。
【図1】本発明の実施例による同期電動機の断面図であ
る。
る。
【図2】図1の電動機の巻線配置の説明図である。
【図3】図1の電動機のステータを流用可能な他の同期
電動機の断面図である。
電動機の断面図である。
【図4】図3の電動機の巻線配置の説明図である。
【図5】従来のスロット/磁極比を有する同期電動機の
断面図である。
断面図である。
10…出力軸 12…永久磁石 14…ヨーク 16…ロータ 18…スロット 20…ステータ 22…巻線 24…スロット開口部
Claims (2)
- 【請求項1】 周方向へ所定間隔に配設された複数の永
久磁石によって形成される複数の磁極を備え、空隙部を
介してステータに対向するロータと、該ロータに対向
し、前記磁極の個数の非自然数倍の個数を有する巻線設
置用のスロットを備えたステータとを具備した同期電動
機において、 前記スロットの個数と前記磁極の個数との比が3.37
5:1であることを特徴とする同期電動機。 - 【請求項2】 前記ステータは27個の前記スロットを
有し、かつ前記ロータは8個の前記磁極を有する請求項
1記載の同期電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3322069A JPH05161325A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | コギングトルクを低減した同期電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3322069A JPH05161325A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | コギングトルクを低減した同期電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05161325A true JPH05161325A (ja) | 1993-06-25 |
Family
ID=18139574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3322069A Pending JPH05161325A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | コギングトルクを低減した同期電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05161325A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08182281A (ja) * | 1994-12-21 | 1996-07-12 | Seiko Seiki Co Ltd | スピンドルモータ |
JP2003070192A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-07 | Mitsubishi Electric Corp | 永久磁石埋込式回転機 |
US6969937B1 (en) * | 1999-03-19 | 2005-11-29 | Siemens Aktiengellschaft | Multiple, permanent-magnet rotor for a rotating electrical machine, and a method for producing same |
JP4543415B2 (ja) * | 1999-06-18 | 2010-09-15 | 株式会社安川電機 | 平滑電機子巻線形acサーボモータのコア構造およびこのコア構造を用いた平滑電機子巻線形acサーボモータ |
US7982352B2 (en) | 2002-09-18 | 2011-07-19 | Vestas Wind Systems A/S | Electrical motor/generator having a number of stator pole cores being larger than a number of rotor pole shoes |
DE102012012605A1 (de) | 2011-07-13 | 2013-01-24 | Okuma Corporation | Synchronmotor |
CN114050671A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-02-15 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种同极同槽三相永磁电机 |
-
1991
- 1991-12-05 JP JP3322069A patent/JPH05161325A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08182281A (ja) * | 1994-12-21 | 1996-07-12 | Seiko Seiki Co Ltd | スピンドルモータ |
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DE102012012605A1 (de) | 2011-07-13 | 2013-01-24 | Okuma Corporation | Synchronmotor |
DE102012012605B4 (de) * | 2011-07-13 | 2020-03-19 | Okuma Corporation | Synchronmotor |
CN114050671A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-02-15 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种同极同槽三相永磁电机 |
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