JPH05140654A - 焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH05140654A JPH05140654A JP3212713A JP21271391A JPH05140654A JP H05140654 A JPH05140654 A JP H05140654A JP 3212713 A JP3212713 A JP 3212713A JP 21271391 A JP21271391 A JP 21271391A JP H05140654 A JPH05140654 A JP H05140654A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】焼付硬化性と耐食性を改善した深絞り用冷延鋼
板の製造方法の提供。 【構成】重量%でC:0.001〜0.008、Si:
1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.03〜
0.20、S:0.015以下、Cu:0.05〜1.
5、so1A1:0.005〜0.100、N:0.0
05以下およびこれらにTi:0.003〜0.05含
有するものであって、[Ti]=Ti−48/14・N
−48/32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を
満足し、さらに、1%までのNi、3%までのMoと7
%までのCrの一種もしくは、二種以上、残部は鉄およ
び不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行
い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ライン
で700〜950℃の焼鈍を行う。 【効果】耐食性、焼付硬化性に優れた深絞り用冷延鋼板
が提供できる。
板の製造方法の提供。 【構成】重量%でC:0.001〜0.008、Si:
1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.03〜
0.20、S:0.015以下、Cu:0.05〜1.
5、so1A1:0.005〜0.100、N:0.0
05以下およびこれらにTi:0.003〜0.05含
有するものであって、[Ti]=Ti−48/14・N
−48/32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を
満足し、さらに、1%までのNi、3%までのMoと7
%までのCrの一種もしくは、二種以上、残部は鉄およ
び不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行
い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ライン
で700〜950℃の焼鈍を行う。 【効果】耐食性、焼付硬化性に優れた深絞り用冷延鋼板
が提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼付硬化性を有しかつ
耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法に関する。
耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用鋼板等に使用される冷延鋼板の
分野においては、深絞り性に優れていることのほか、耐
デント性を向上させるために塗装焼付時に鋼板の降伏応
力が上昇する特性すなわち塗装焼付硬化性が要求される
ことが多い。従来よりこの種の冷延鋼板については低炭
素アルミキルド鋼板、極低炭素鋼をベースにTiを添加
したもの、これらにSi、Mn、P、Crを添加して強
度を上げた高張力鋼板については多くの提案がある。
分野においては、深絞り性に優れていることのほか、耐
デント性を向上させるために塗装焼付時に鋼板の降伏応
力が上昇する特性すなわち塗装焼付硬化性が要求される
ことが多い。従来よりこの種の冷延鋼板については低炭
素アルミキルド鋼板、極低炭素鋼をベースにTiを添加
したもの、これらにSi、Mn、P、Crを添加して強
度を上げた高張力鋼板については多くの提案がある。
【0003】例えば、特開昭57−98630号、特開
昭58−107414号および特開昭61−27692
7号に極低炭素Alキルド鋼を素材として連続焼鈍で製
造する方法が、また、特開昭61−26757号、特開
昭63−276927号および特開平2−111841
号に極低炭素Ti添加鋼を素材として連続焼鈍で製造す
る方法が開示されている。これらは、鋼板の強度を上げ
るばかりでなく、優れた成形性を兼ね備えたまま、成形
時は軟質でありながらプレス成形後の塗装焼付により鋼
板が高強度化する焼付硬化型の冷延鋼板の製造方法にあ
る。
昭58−107414号および特開昭61−27692
7号に極低炭素Alキルド鋼を素材として連続焼鈍で製
造する方法が、また、特開昭61−26757号、特開
昭63−276927号および特開平2−111841
号に極低炭素Ti添加鋼を素材として連続焼鈍で製造す
る方法が開示されている。これらは、鋼板の強度を上げ
るばかりでなく、優れた成形性を兼ね備えたまま、成形
時は軟質でありながらプレス成形後の塗装焼付により鋼
板が高強度化する焼付硬化型の冷延鋼板の製造方法にあ
る。
【0004】ところで、これらは深絞り性と強度を同時
に付与する技術であって、自動車用鋼板の薄肉化すなわ
ち軽量化を達成しようとするものである。しかし、強度
面からは鋼板の板厚を薄くすることも可能であるが、鋼
板の板厚を薄くすると腐食による孔あき腐食が問題とな
ってくる。このため耐食性の良好な鋼板であることが求
められている。
に付与する技術であって、自動車用鋼板の薄肉化すなわ
ち軽量化を達成しようとするものである。しかし、強度
面からは鋼板の板厚を薄くすることも可能であるが、鋼
板の板厚を薄くすると腐食による孔あき腐食が問題とな
ってくる。このため耐食性の良好な鋼板であることが求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
に鑑み、母材の耐食性を改善し、焼付硬化性、深絞り性
とも満足しうる冷延鋼板の製造方法を提供することを目
的とする。
に鑑み、母材の耐食性を改善し、焼付硬化性、深絞り性
とも満足しうる冷延鋼板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、焼付硬化
性、深絞り性および耐食性がともに優れた冷延鋼板の製
造方法について種々の検討を行ったところ、極低炭素鋼
のCおよび極低炭素Ti添加鋼のCとTi含有量を適正
に規制して添加すれば焼付硬化性が付与できること、さ
らにCuとPの複合添加によって鋼板の耐食性が著しく
向上すること、および耐食性を向上するCu、Pに加
え、更には、高強度化と耐食性向上のためにSi、Mn
およびNi、Mo、Cr、等を添加することにより、焼
付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板を得る
に至った。
性、深絞り性および耐食性がともに優れた冷延鋼板の製
造方法について種々の検討を行ったところ、極低炭素鋼
のCおよび極低炭素Ti添加鋼のCとTi含有量を適正
に規制して添加すれば焼付硬化性が付与できること、さ
らにCuとPの複合添加によって鋼板の耐食性が著しく
向上すること、および耐食性を向上するCu、Pに加
え、更には、高強度化と耐食性向上のためにSi、Mn
およびNi、Mo、Cr、等を添加することにより、焼
付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板を得る
に至った。
【0007】
【発明の構成】すなわち、本発明は重量%でC:0.0
01〜0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05
〜1.8、P:0.03〜0.20、S:0.015以
下、Cu:0.05〜1.5、so1A1:0.005
〜0.100、N:0.005以下であって、残部は鉄
および不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を
行い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ライ
ンで700〜950℃の焼鈍を行うことからなる焼付硬
化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法
を提供する。
01〜0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05
〜1.8、P:0.03〜0.20、S:0.015以
下、Cu:0.05〜1.5、so1A1:0.005
〜0.100、N:0.005以下であって、残部は鉄
および不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を
行い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ライ
ンで700〜950℃の焼鈍を行うことからなる焼付硬
化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法
を提供する。
【0008】本発明はまた、重量%でC:0.001〜
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下であって、さらに、1%ま
でのNi、3%までのMoと7%までのCrの一種もし
くは二種以上、残部は鉄および不可避的不純物よりなる
鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行
い、その後、連続焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍
を行うことからなる、焼付硬化性および耐食性に優れた
深絞り用冷延鋼板の製造方法を提供する。
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下であって、さらに、1%ま
でのNi、3%までのMoと7%までのCrの一種もし
くは二種以上、残部は鉄および不可避的不純物よりなる
鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行
い、その後、連続焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍
を行うことからなる、焼付硬化性および耐食性に優れた
深絞り用冷延鋼板の製造方法を提供する。
【0009】本発明はまた、重量%でC:0.001〜
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下、Ti:0.003〜0.
05であって[Ti]=Ti−48/14・N−48/
32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を満足し、
残部は鉄および不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱
間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続
焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍を行うことからな
る焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の
製造方法を提供する。
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下、Ti:0.003〜0.
05であって[Ti]=Ti−48/14・N−48/
32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を満足し、
残部は鉄および不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱
間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続
焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍を行うことからな
る焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の
製造方法を提供する。
【0010】本発明はまた、重量%でC:0.001〜
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下、Ti:0.003〜0.
05であって[Ti]=Ti−48/14・N−48/
32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を満足し、
さらに、1%までのNi、3%までのMoと7%までの
Crの一種もしくは二種以上、残部は鉄および不可避的
不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、
冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ラインで700〜9
50℃の焼鈍を行うことからなる、焼付硬化性および耐
食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法を提供する。
0.008、Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.
8、P:0.03〜0.20、S:0.015以下、C
u:0.05〜1.5、solAl:0.005〜0.
100、N:0.005以下、Ti:0.003〜0.
05であって[Ti]=Ti−48/14・N−48/
32・Sに従う[Ti]が0以下となる関係を満足し、
さらに、1%までのNi、3%までのMoと7%までの
Crの一種もしくは二種以上、残部は鉄および不可避的
不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、
冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ラインで700〜9
50℃の焼鈍を行うことからなる、焼付硬化性および耐
食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法を提供する。
【0011】本発明はまた、鋼が、Bを0.0003〜
0.003%含有することを含む前記の何れかの鋼板の
製造方法を提供する。
0.003%含有することを含む前記の何れかの鋼板の
製造方法を提供する。
【0012】まず、本発明に係る鋼板の製造方法の各種
成分の作用および上記の範囲に限定した理由について説
明する。Cは延性を劣化させるので少ないほど好ましい
が、Cが0.001%未満では十分な焼付硬化性が得ら
れない。他方、0.008%を超えると固溶Cが多くな
り、非常に高い焼付硬化性が得られるが、室温時効が生
じ、延性の急激な劣化を招く。このため、Cは0.00
1〜0.008%とした。
成分の作用および上記の範囲に限定した理由について説
明する。Cは延性を劣化させるので少ないほど好ましい
が、Cが0.001%未満では十分な焼付硬化性が得ら
れない。他方、0.008%を超えると固溶Cが多くな
り、非常に高い焼付硬化性が得られるが、室温時効が生
じ、延性の急激な劣化を招く。このため、Cは0.00
1〜0.008%とした。
【0013】Siは加工性を損なわず鋼の強度を向上さ
せるに好ましい元素であるが、Siが1.5%を超える
と硬質となり延性が劣化するので、上限を1.5%とし
た。
せるに好ましい元素であるが、Siが1.5%を超える
と硬質となり延性が劣化するので、上限を1.5%とし
た。
【0014】MnはSによる熱間脆性の防止に有効であ
り、そのためには、最低0.05%以上必要である。一
方、強度を向上させるに好ましい元素であるが、1.8
%を超えると延性および深絞り性が低下するので、下限
を0.05%、上限を1.80%とした。
り、そのためには、最低0.05%以上必要である。一
方、強度を向上させるに好ましい元素であるが、1.8
%を超えると延性および深絞り性が低下するので、下限
を0.05%、上限を1.80%とした。
【0015】PおよびCuは本発明における特徴的な元
素であり、これらの元素の複合添加によって耐食性が著
しく改善される。耐食性の改善のためにはPは0.03
%以上、Cuは0.05%以上必要である。一方、Pは
0.20%を、Cuは1.5%を超えると改善効果が飽
和すると共に、延性が劣化する。このため、Pは下限を
0.03%、上限を0.20%とした。Cuは下限を
0.05%、上限を1.5%とした。
素であり、これらの元素の複合添加によって耐食性が著
しく改善される。耐食性の改善のためにはPは0.03
%以上、Cuは0.05%以上必要である。一方、Pは
0.20%を、Cuは1.5%を超えると改善効果が飽
和すると共に、延性が劣化する。このため、Pは下限を
0.03%、上限を0.20%とした。Cuは下限を
0.05%、上限を1.5%とした。
【0016】Sは鋼にとって本質的に有害な元素であ
り、少ないほど望ましいが、0.015%までは許容で
きるので0.015%以下とした。
り、少ないほど望ましいが、0.015%までは許容で
きるので0.015%以下とした。
【0017】Alは脱酸剤としての役割を果たすために
は、0.005%以上必要であるが、0.10%を超え
るとAl2O3などの介在物が増加し、加工性および表面
品質を劣化させるので、下限を0.005%、上限を
0.10%とした。
は、0.005%以上必要であるが、0.10%を超え
るとAl2O3などの介在物が増加し、加工性および表面
品質を劣化させるので、下限を0.005%、上限を
0.10%とした。
【0018】Nは鋼にとって本質的に有害な元素であ
り、少ないほど望ましいが、0.005%までは許容で
きるので0.005%以下とした。
り、少ないほど望ましいが、0.005%までは許容で
きるので0.005%以下とした。
【0019】Tiは深絞り性を確保するために有効な元
素であるが、0.003%未満ではその効果が小さい。
そして、本発明で規定するC含有量すなわち0.001
〜0.008%においてTiが0.05%を超えると焼
付硬化性が得られない。したがってTiは0.002〜
0.05%の範囲で含有させる。しかし、TiはC、
S、N、をTiC、TiS、TiN、等の析出物として
固定する作用があるのでCの全量を固定できる以上のT
iを添加すれば焼付硬化性が得られない。したがって、
[Ti]=Ti−48/12・N−48/32・Sに従
う[Ti]が0以下となる関係を満足することが必要で
あり、[Ti]が0以下の条件において、Cは0.00
1〜0.08%である。
素であるが、0.003%未満ではその効果が小さい。
そして、本発明で規定するC含有量すなわち0.001
〜0.008%においてTiが0.05%を超えると焼
付硬化性が得られない。したがってTiは0.002〜
0.05%の範囲で含有させる。しかし、TiはC、
S、N、をTiC、TiS、TiN、等の析出物として
固定する作用があるのでCの全量を固定できる以上のT
iを添加すれば焼付硬化性が得られない。したがって、
[Ti]=Ti−48/12・N−48/32・Sに従
う[Ti]が0以下となる関係を満足することが必要で
あり、[Ti]が0以下の条件において、Cは0.00
1〜0.08%である。
【0020】また、本発明においては、鋼板の強度上昇
と耐食性の改善のために1%までのNi、3までのMo
と7%までのCrの一種もしくは二種以上含有せしめる
ことができる。
と耐食性の改善のために1%までのNi、3までのMo
と7%までのCrの一種もしくは二種以上含有せしめる
ことができる。
【0021】NiはCuによる熱間脆性の防止と耐孔あ
き腐食性の改善に有効に作用するが、1%を超えると、
その効果は飽和するとともに、製造コストが高価とな
る。このため、上限を1%とした。
き腐食性の改善に有効に作用するが、1%を超えると、
その効果は飽和するとともに、製造コストが高価とな
る。このため、上限を1%とした。
【0022】Moは鋼板の強度上昇と耐孔あき腐食性の
改善に有効に作用するが3%を超えると、その効果は飽
和するとともに、製造コストが高価となるので、上限を
3%とした。
改善に有効に作用するが3%を超えると、その効果は飽
和するとともに、製造コストが高価となるので、上限を
3%とした。
【0023】Crは耐孔あき腐食性の改善に有効に作用
するが7%を超えると、非常に製造コスト高となるの
で、上限を7%とした。
するが7%を超えると、非常に製造コスト高となるの
で、上限を7%とした。
【0024】Bは二次加工脆化性の改善に有効であり、
そのためには、0.0003%以上の添加が必要であ
る。一方、0.003%を超えて添加してもその効果は
飽和する。このため、Bは0.0003〜0.003%
とした。
そのためには、0.0003%以上の添加が必要であ
る。一方、0.003%を超えて添加してもその効果は
飽和する。このため、Bは0.0003〜0.003%
とした。
【0025】本発明においては、このような成分を含有
する鋼を熱延工程、冷延工程をへて冷延鋼板とするもの
であるが、この場合、熱延工程における仕上げ温度はA
r3変態点以下では深絞り性が劣る。巻取り温度が50
0℃未満では深絞り性が劣るとともに板形状が悪くな
る。750℃を超えると酸洗性が劣るとともに巻取り後
にコイルの変形が生じる。このため熱延仕上げ温度はA
r3変態点以上が、巻取り温度は500℃〜750℃が
望ましい。
する鋼を熱延工程、冷延工程をへて冷延鋼板とするもの
であるが、この場合、熱延工程における仕上げ温度はA
r3変態点以下では深絞り性が劣る。巻取り温度が50
0℃未満では深絞り性が劣るとともに板形状が悪くな
る。750℃を超えると酸洗性が劣るとともに巻取り後
にコイルの変形が生じる。このため熱延仕上げ温度はA
r3変態点以上が、巻取り温度は500℃〜750℃が
望ましい。
【0026】冷延工程では、深絞り性を確保するために
は50〜95%の冷延率が好ましい。冷延率が50%未
満では深絞り性に劣り、冷延率が95%を超えると冷間
圧延機の負荷が大きくなり生産性が劣る。
は50〜95%の冷延率が好ましい。冷延率が50%未
満では深絞り性に劣り、冷延率が95%を超えると冷間
圧延機の負荷が大きくなり生産性が劣る。
【0027】連続焼鈍ラインのおける焼鈍温度の下限を
700℃以上としたのは再結晶温度以上でしかも加工性
を良好にするためで有り、上限を950℃以下としたの
は加工性の向上が飽和すると共に連続焼鈍ラインにおい
て表面疵が発生し易くなるためである。
700℃以上としたのは再結晶温度以上でしかも加工性
を良好にするためで有り、上限を950℃以下としたの
は加工性の向上が飽和すると共に連続焼鈍ラインにおい
て表面疵が発生し易くなるためである。
【0028】
実施例1 表1に示す組成よりなる鋼を用いて表2に示す条件下の
熱間圧延で板厚3.2mmの熱延板とし、酸洗後、冷間
圧延で板厚0.8mmの冷延鋼板とし、連続焼鈍ライン
で焼鈍した。その後、伸び率:0.8%のスキンパス圧
延を行い、得られた鋼板の機械的特性と耐食性を調査
し、その結果を表2に併記した。
熱間圧延で板厚3.2mmの熱延板とし、酸洗後、冷間
圧延で板厚0.8mmの冷延鋼板とし、連続焼鈍ライン
で焼鈍した。その後、伸び率:0.8%のスキンパス圧
延を行い、得られた鋼板の機械的特性と耐食性を調査
し、その結果を表2に併記した。
【0029】機械的特性はJIS Z2201の5号試
験片を用いた。耐食性試験は70×150mmの試験片
を切り出し、複合腐食試験を行った。複合腐食試験はJ
ISZ2371の塩水噴霧試験に準じ、塩水濃度を1.
0%に変更した塩水噴霧試験を5時間→60℃の熱風乾
燥を4時間→湿潤試験を14時間→送風乾燥を1時間の
24時間を1サイクルとして腐食による最大侵食深さを
測定した。
験片を用いた。耐食性試験は70×150mmの試験片
を切り出し、複合腐食試験を行った。複合腐食試験はJ
ISZ2371の塩水噴霧試験に準じ、塩水濃度を1.
0%に変更した塩水噴霧試験を5時間→60℃の熱風乾
燥を4時間→湿潤試験を14時間→送風乾燥を1時間の
24時間を1サイクルとして腐食による最大侵食深さを
測定した。
【0030】表2の結果に見られるように、Cが高くP
とCuが本発明で規定する量より少ないNo.1の比較
鋼を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が低い
割に降伏点(YS)が高く、伸び(El)が低い。ま
た、焼付硬化性(BH)が高すぎるため室温時効が生じ
てしまう。そして耐食性が劣る。Cが少なくPを含有し
ているNo.6の比較鋼を用いて製造した冷延鋼板は比
較的良好な引張強さ(TS)、伸び(El)およびが低
い焼付硬化性(BH)を有するが、やはり耐食性が劣
る。これに対し、本発明で規定する範囲の成分組成を有
するNo.3〜5およびNo.7〜10鋼を用いて製造
した冷延鋼板は引張強さ(TS)が高い割に降伏点(Y
S)が低く、伸び(El)、焼付硬化性(BH)が良好
で、さらに耐食性に優れている。
とCuが本発明で規定する量より少ないNo.1の比較
鋼を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が低い
割に降伏点(YS)が高く、伸び(El)が低い。ま
た、焼付硬化性(BH)が高すぎるため室温時効が生じ
てしまう。そして耐食性が劣る。Cが少なくPを含有し
ているNo.6の比較鋼を用いて製造した冷延鋼板は比
較的良好な引張強さ(TS)、伸び(El)およびが低
い焼付硬化性(BH)を有するが、やはり耐食性が劣
る。これに対し、本発明で規定する範囲の成分組成を有
するNo.3〜5およびNo.7〜10鋼を用いて製造
した冷延鋼板は引張強さ(TS)が高い割に降伏点(Y
S)が低く、伸び(El)、焼付硬化性(BH)が良好
で、さらに耐食性に優れている。
【0031】実施例2 表3に示す組成よりなる鋼を用いて表4に示す条件下の
熱間圧延で板厚3.2mmの熱延板とし、酸洗後、冷間
圧延で板厚0.8mmの冷延鋼板とし、連続焼鈍ライン
で焼鈍した。その後伸び率:0.8%のスキンパス圧延
を行った。得られた鋼板の特性の評価は実施例1と同じ
方法で行った。その結果を表4に併記した。
熱間圧延で板厚3.2mmの熱延板とし、酸洗後、冷間
圧延で板厚0.8mmの冷延鋼板とし、連続焼鈍ライン
で焼鈍した。その後伸び率:0.8%のスキンパス圧延
を行った。得られた鋼板の特性の評価は実施例1と同じ
方法で行った。その結果を表4に併記した。
【0032】表4の結果に見られるように、本発明で規
定するよりCが高く、かつPとCuが低いNo.11鋼
を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が低い割
に降伏点(TS)が高く、伸び(El)が低い。また、
Tiの添加量が多すぎるために焼付硬化性(BH)に劣
る。そして耐食性が劣る。Cを少なくPを含有している
No.17の比較鋼を用いて製造した冷延鋼板は比較的
良好な引張強さ(TS)、伸び(El)を示すが、Ti
が多すぎるために焼付硬化性(BH)が低く、やはり耐
食性が劣る。これに対し、本発明で規定する範囲の成分
組成を有するNo12〜16鋼およびNo18〜20鋼
を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が高い割
に降伏点(YS)が低く、伸び(El)、塑性歪比(r
値)に優れ、焼付硬化性(BH)も良好で、さらに耐食
性に優れている。
定するよりCが高く、かつPとCuが低いNo.11鋼
を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が低い割
に降伏点(TS)が高く、伸び(El)が低い。また、
Tiの添加量が多すぎるために焼付硬化性(BH)に劣
る。そして耐食性が劣る。Cを少なくPを含有している
No.17の比較鋼を用いて製造した冷延鋼板は比較的
良好な引張強さ(TS)、伸び(El)を示すが、Ti
が多すぎるために焼付硬化性(BH)が低く、やはり耐
食性が劣る。これに対し、本発明で規定する範囲の成分
組成を有するNo12〜16鋼およびNo18〜20鋼
を用いて製造した冷延鋼板は引張強さ(TS)が高い割
に降伏点(YS)が低く、伸び(El)、塑性歪比(r
値)に優れ、焼付硬化性(BH)も良好で、さらに耐食
性に優れている。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明は深絞り性、延性
といった加工性を維持しながら焼付硬化性、耐食性に優
れた冷延鋼板の製造方法を明らかにしたものである。本
発明により、自動車の軽量化に大きく寄与するものであ
り、その産業上の意義、利益は極めて大きい。
といった加工性を維持しながら焼付硬化性、耐食性に優
れた冷延鋼板の製造方法を明らかにしたものである。本
発明により、自動車の軽量化に大きく寄与するものであ
り、その産業上の意義、利益は極めて大きい。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 利郎 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所プロセス・鋼材研究部内
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%でC:0.001〜0.008、
Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.
03〜0.20、S:0.015以下、Cu:0.05
〜1.5、so1A1:0.005〜0.100、N:
0.005以下であって、残部は鉄および不可避的不純
物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、冷間
圧延を行い、その後、連続焼鈍ラインで700〜950
℃の焼鈍を行うことからなる焼付硬化性および耐食性に
優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%でC:0.001〜0.008、
Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.
03〜0.20、S:0.015以下、Cu:0.05
〜1.5、solAl:0.005〜0.100、N:
0.005以下であって、さらに、1%までのNi、3
%までのMoと7%までのCrの一種もしくは二種以
上、残部は鉄および不可避的不純物よりなる鋼のスラブ
を熱間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、
連続焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍を行うことか
らなる焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼
板の製造方法。 - 【請求項3】 重量%でC:0.001〜0.008、
Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.
03〜0.20、S:0.015以下、Cu:0.05
〜1.5、solAl:0.005〜0.100、N:
0.005以下、Ti:0.003〜0.05であって
[Ti]=Ti−48/14・N−48/32・Sに従
う[Ti]が0以下となる関係を満足し、残部は鉄およ
び不可避的不純物よりなる鋼のスラブを熱間圧延を行
い、酸洗後、冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍ライン
で700〜950℃の焼鈍を行うことからなる焼付硬化
性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 重量%でC:0.001〜0.008、
Si:1.5以下、Mn:0.05〜1.8、P:0.
03〜0.20、S:0.015以下、Cu:0.05
〜1.5、solAl:0.005〜0.100、N:
0.005以下、Ti:0.003〜0.05であって
[Ti]=Ti−48/14・N−48/32・Sに従
う[Ti]が0以下となる関係を満足し、さらに、1%
までのNi、3%までのMoと7%までのCrの一種も
しくは二種以上、残部は鉄および不可避的不純物よりな
る鋼のスラブを熱間圧延を行い、酸洗後、冷間圧延を行
い、その後、連続焼鈍ラインで700〜950℃の焼鈍
を行うことからなる、焼付硬化性および耐食性に優れた
深絞り用冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 鋼がBを0.0003〜0.003%含
有することを含む請求項3または請求項4に記載の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21271391A JP3309859B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21271391A JP3309859B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140654A true JPH05140654A (ja) | 1993-06-08 |
JP3309859B2 JP3309859B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=16627201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21271391A Expired - Fee Related JP3309859B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309859B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030555A1 (fr) * | 1995-03-27 | 1996-10-03 | Nippon Steel Corporation | Tole laminee a froid, a teneur en carbone ultra-faible, et tole galvanisee, excellentes par leurs caracteristiques de fatigue, et procede de production |
CN106319363A (zh) * | 2015-06-29 | 2017-01-11 | 鞍钢股份有限公司 | 一种超低碳含铜汽车用高强冷轧钢板及其制造方法 |
-
1991
- 1991-07-30 JP JP21271391A patent/JP3309859B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030555A1 (fr) * | 1995-03-27 | 1996-10-03 | Nippon Steel Corporation | Tole laminee a froid, a teneur en carbone ultra-faible, et tole galvanisee, excellentes par leurs caracteristiques de fatigue, et procede de production |
CN106319363A (zh) * | 2015-06-29 | 2017-01-11 | 鞍钢股份有限公司 | 一种超低碳含铜汽车用高强冷轧钢板及其制造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3309859B2 (ja) | 2002-07-29 |
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