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JPH05145150A - 固体レーザ - Google Patents

固体レーザ

Info

Publication number
JPH05145150A
JPH05145150A JP33011491A JP33011491A JPH05145150A JP H05145150 A JPH05145150 A JP H05145150A JP 33011491 A JP33011491 A JP 33011491A JP 33011491 A JP33011491 A JP 33011491A JP H05145150 A JPH05145150 A JP H05145150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
laser
solid
dichroic mirror
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33011491A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Masuda
久 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP33011491A priority Critical patent/JPH05145150A/ja
Publication of JPH05145150A publication Critical patent/JPH05145150A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 励起光パワーおよびパワー密度を極めて高く
する。 【構成】 ダイクロイックミラー35は、コリメートレ
ンズ33、34からの半導体レーザ31、32の異なる
波長の出力光を合波し励起光を1つの光束としてビーム
整形光学系36を介して集光レンズ37に出力する。集
光レンズ37は励起光をレーザ共振器44の固体レーザ
媒質39内に集光させ固体レーザ媒質39を励起する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体レーザに関し、特
に固体レーザ媒質を励起させる励起光のパワーおよびパ
ワー密度の向上を図るようにした固体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の固体レーザは、半導体レーザ光を
励起光として出力する励起光学系と励起光学系からの励
起光によってレーザ共振を起こさせレーザ光を発するレ
ーザ共振器とから構成される。そして、従来、レーザ共
振器の固体レーザ媒質を励起させる半導体レーザの励起
光のパワーおよびパワー密度を上げるために次の(1)
乃至(4)などのようにしていた。
【0003】(1)図10に示すごとく、ニ分の一波長
板5を有する偏光ビームスプリッタ6でPS合波を行な
っていた。なお、図10は、従来の固体レーザの一例を
示す構成図である。同図において、出力光(S波)の波
長が同じ半導体レーザ(レーザダイオード)1、2から
の出力光をコリメータ3、4を介して偏光ビームスプリ
ッタ6へ送る。偏光ビームスプリッタ6は、コリメータ
3からニ分の一波長板5を介して入射する光(P波)と
コリメータ4からの光(S波)を合波して1つの光束と
して励起光を集光レンズ7ヘ出力する。集光レンズ7
は、偏光ビームスプリッタ6からの励起光をレーザ共振
器9の固体レーザ媒質11内に集光させ固体レーザ媒質
11を励起させる。ここに、半導体レーザ1、2とコリ
メータ3、4とニ分の一波長板5を有する偏光ビームス
プリッタ6と集光レンズ7は励起光学系8を構成する。
また、レーザミラー面13を有するレーザミラー10と
固体レーザ媒質11とレーザミラー面14を有するレー
ザミラー12はレーザ共振器9を構成する。 (2)各半導体レーザからの励起光をコリメータ(コリ
メートレンズ)で平行光束とし、これらの平行光束を大
開口の集光レンズで図10に示すようなレーザ共振器9
の固体レーザ媒質11内に集光させ固体レーザ媒質11
を励起させていた。 (3)図10に示す集光レンズ7を通過した半導体レー
ザ1、2からの励起光を図11に示すように光コネクタ
21を介して光ファイバ22に注入する。同様にして図
11に示す如く多数の光ファイバ22に半導体レーザか
らの励起光を注入する。これら多数の光ファイバ22を
バンドル化する。これら多数の光ファイバ22より光コ
ネクタ23を介して多数の半導体レーザ(レーザダイオ
ード)1、2、1′、2′、・・・からの励起光を大開
口の集光レンズ24に出射し、さらに集光レンズ24で
レーザ共振器9の固体レーザ媒質11内に集光させ固体
レーザ媒質11を励起させていた。なお、図11は、従
来の固体レーザの他の例を示す構成図である。同図にお
いて、図10と同一又は相当部分には同符号を用いてい
る。ここに、半導体レーザ1′、2′は、出力光(S
波)の波長が同じである。また、半導体レーザ1、2、
1′、2′、・・・とコリメータ3、4とニ分の一波長
板5を有する偏光ビームスプリッタ6と集光レンズ7、
24と光コネクタ21、23と光ファイバ22は、励起
光学系25を構成する。 (4)半導体レーザが発する光パワー又は光パワー密度
を上げていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の固体レーザでは、次のような問題があった。即
ち、上記(1)では、使用される半導体レーザとして、
2個が限界であり、また上記(2)では、コリメータの
物理的大きさから集光レンズが大型化し、また上記
(3)では、束ねた光ファイバ(ファイババンドル)の
断面が大きくなり、また上記(4)では、半導体レーザ
(レーザダイオード)の端面破壊や熱問題により半導体
レーザの発する光パワー、光パワー密度の上昇に限界が
あった。
【0005】本発明の目的は、このような従来の問題点
に鑑み、励起用光源の端面破壊や熱問題を起こさずに多
数の励起用光源を用いることができ、しかも集光レンズ
を大型化せずに、各励起用光源の出力光にもとづく励起
光のパワーおよびパワー密度を従来に比べきわめて高く
することができるようにした固体レーザを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の固体レ
ーザは、合波手段としてのダイクロイックミラー35
(図1);57(図4);85、88、91、94(図
6)を備えることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の固体レーザは、合波手段
としてのプリズム117を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1に記載の固体レーザにおいては、ダイ
クロイックミラー35を用いて半導体レーザ31、32
からの異なる波長の光を合波し(図1)、またダイクロ
イックミラー57を用いて半導体レーザ51、52;5
8、59からの光を合波し(図4)、またダイクロイッ
クミラー85、88、91、94を用いて半導体レーザ
81、83、86、89、92からの異なる波長の光を
合波し(図6)、励起光を1つの光束としてそれぞれレ
ーザ共振器44(図1)、72(図4)、102(図
6)に出力する。
【0009】請求項2に記載の固体レーザにおいては、
プリズム117を用いて半導体レーザ111乃至113
からの異なる波長の光を合波し励起光を1つの光束とし
てレーザ共振器126に出力する(図8)。
【0010】このようにすると、半導体レーザ31、3
2;51、52、58、59;81、83、86、8
9、92の端面破壊や熱問題を起こさずに多数の半導体
レーザ31、32;51、52、58、59;81、8
3、86、89、92を用いることができ、しかも集光
レンズを大型化せずに、各半導体レーザ光を合波するこ
とにより励起光のパワーおよびパワー密度を従来に比べ
きわめて高くすることができる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を用いて以
下説明する。図1は、本発明による固体レーザの第1実
施例を示す構成図である。図1において、31、32は
それぞれ出力光の波長が異なる半導体レーザ(レーザダ
イオード)であって、これらの半導体レーザ31、32
の出力光はそれぞれコリメートレンズ33、34を介し
てダイクロイックミラー35に入射する。ダイクロイッ
クミラー35は、急峻な分光特性を持ち、コリメートレ
ンズ33からの光を透過させ、コリメートレンズ34か
らの光を反射させる。即ち、ダイクロイックミラー35
は、半導体レザ31、32からの光を合波し、励起光を
1つの光束として、ビーム整形光学系36、集光レンズ
37を介してレーザ共振器44の固体レーザ媒質39内
に集光させ固体レーザ媒質39を励起させる。
【0012】なお、励起光学系43は、半導体レーザ3
1、32と、コリメートレンズ33、34と、ダイクロ
イックミラー35と、ビーム整形光学系36と、集光レ
ンズ37とから構成される。また、レーザ共振器44
は、高反射ミラー面41を有するレーザミラー38と、
固体レーザ媒質39と、出力ミラー面42を有するレー
ザミラー40とから構成される。
【0013】固体レーザ媒質39で励起された光は、レ
ーザミラー40の出力ミラー面42で反射され、更にレ
ーザミラー38の高反射ミラー面41で反射されて固体
レーザ媒質39内に収束し、これにより励起された更に
高いエネルギーの光は、レーザミラー40の出力ミラー
面42で反射され、更にレーザミラー38の高反射ミラ
ー面41で反射され固体レーザ媒質39を励起する。こ
のような動作(ポンピング動作)を繰り返すことで、高
出力のレーザ光をレーザミラー40を介して出力する。
【0014】なお、半導体レーザ31と半導体レーザ3
2の各出力光の波長が著しく異なる場合は、必要に応じ
て集光レンズ37は色消しレンズとする。また、固体レ
ーザ媒質39は、通常複数の吸収帯を持ち、異方性結晶
の場合、偏光方向により吸収波長が異なることもある。
この場合は、半導体レーザ31、32の出力光の波長を
吸収波長に合わせる必要がある。
【0015】ここでは、半導体レーザ31と半導体レー
ザ32の各出力光の波長を、固体レーザ媒質39の異な
る吸収帯と一致させるべく選択してある。従って、半導
体レーザ31、32の異なる波長の光を、ダイクロイッ
クミラー35で合波し、その合波した励起光を、1つの
光束とし集光レンズ37を介して固体レーザ媒質39に
集光させる。励起光は、効率よく固体レーザ媒質39に
吸収され、各吸収線を励起することになり、レーザ発振
を起こさせる。しかも、励起光は、各吸収線を同時に励
起することにより、固体レーザ出力を増加させることが
できる。
【0016】次に具体例について図2、図3を用いて説
明する。なお、図2は、図1の固体レーザ媒質39がY
3 Al512(YAG):Nd3+である場合の1.06
μmけい光線に対する励起スペクトル(Nd濃度1at
%、試料の厚さ3mm)の一実施例を示す特性図であ
る。図3は、図1のダイクロイックミラー35の一実施
例を示す特性図である。
【0017】例えば、固体レーザ媒質39として図2に
示すような吸収帯を持つNd:YAGの場合を考える。
この場合、半導体レーザ31の出力光の波長を750n
mとし、半導体レーザ32の出力光の波長を810nm
とし、半導体レーザ31の出力光で固体レーザ媒質39
の750nm帯を、半導体レーザ32の出力光で固体レ
ーザ媒質39の810nm帯をそれぞれ同時に励起する
ことになる。このため、ダイクロイックミラー35は、
半導体レーザ31の出力光(波長750nm)を透過さ
せ、半導体レーザ32の出力光(波長810nm)を反
射させるべく、図3に示すような特性を持つようにす
る。従って、半導体レーザ31、32の出力光をダイク
ロイックミラー35で合波することで、励起光パワーお
よびパワー密度を上げることができる。
【0018】図4は、本発明による固体レーザの第2実
施例を示す構成図である。図4において、半導体レーザ
(レーザダイオード)51は出力光(S波:例えば波長
810nm)をコリメータ53を介して偏光ビームスプ
リッタ56へ出力する。また、半導体レーザ(レーザダ
イオード)52は、出力光(S波:例えば波長810n
m)をコリメータ54、二分の一波長板55を介して偏
光ビームスプリッタ56へ出力する。偏光ビームスプリ
ッタ56は、コリメータ53からの光(S波:例えば波
長810nm)と、二分の一波長板55からの光(P
波:例えば波長810nm)とをPS合波し、そのPS
合波した光(例えば、810nm帯の2個の半導体レー
ザ51、52の出力光)をダイクロイックミラー57へ
出力する。
【0019】一方、半導体レーザ(レーザダイオード)
58は、出力光(S波:例えば波長750nm)をコリ
メータ60を介して偏光ビームスプリッタ63へ出力す
る。また、半導体レーザ(レーザダイオード)59は、
出力光(S波:例えば波長750nm)をコリメータ6
1、二分の一波長板62を介して偏光ビームスプリッタ
63に出力する。偏光ビームスプリッタ63は、コリメ
ータ60からの光(S波:例えば波長750nm)と、
二分の一波長板62からの光(P波:例えば波長750
nm)とをPS合波し、そのPS合波した光(例えば、
750nm帯の2個の半導体レーザ58、59の出力
光)をダイクロイックミラー57へ出力する。
【0020】ここで、ダイクロイックミラー57は、例
えば図5に示すような波長特性となっている。なお、図
5はダイクロイックミラー57の一実施例を示す波長特
性図である。従って、ダイクロイックミラー57は、図
1と同様にして偏光ビームスプリッタ56、63からの
出力光を合波し、その合波した出力光(半導体レーザ5
1、52、58、59の出力光)を、1つのビームとし
てビーム整形光学系64、集光レンズ65、レーザミラ
ー66を介して固体レーザ媒質67内に集光させ固体レ
ーザ媒質67を励起させる。固体レーザ媒質67は、例
えば、前述したように図2のような吸収帯を持つNd:
YAGとする。
【0021】なお、励起光学系71は、半導体レーザ5
1、52、58、59と、コリメータ53、54、6
0、61と、二分の一波長板55、62と、偏光ビーム
スプリッタ56、63と、ダイクロイックミラー57
と、ビーム整形光学系64と、集光レンズ65とから構
成される。また、レーザ共振器72は、高反射ミラー面
69を有するレーザミラー66と、固体レーザ媒質67
と、出力ミラー面70を有するレーザミラー68とから
構成される。レーザ共振器72の動作については、図1
の場合と同様であるので説明を省略する。
【0022】図4から判かるように、偏光ビームスプリ
ッタ56は、2個の半導体レーザ51、52をPS合波
し、偏光ビームスプリッタ63は、2個の半導体レーザ
58、59をPS合波している。従って、ダイクロイッ
クミラー57は4個の半導体レーザ51、52:58、
59の出力光を合波することになり、図1の場合に比
べ、励起光パワーおよびパワー密度を一層上げることが
できる。
【0023】なお、励起光学系71は上記のような固体
レーザ、例えばNd:YAGレーザ発振用のほか、レー
ザ共振器72内のSHG発生レーザへの応用も可能であ
る。
【0024】図6は、本発明による固体レーザの第3実
施例を示す構成図である。図6において、励起光学系1
01は半導体レーザ(レーザダイオード)81、83、
86、89、92と、これらの半導体レーザ81、8
3、86、89、92の出力光(それぞれ異なる波長)
をそれぞれ平行光束として出力するコリメータ82、8
4、87、90、93と、コリメータ82、84からの
半導体レーザ81、83の出力光を合波するダイクロイ
ックミラー85と、ダイクロイックミラー85からの合
波光とコリメータ87からの半導体レーザ86の出力光
を合波するダイクロイックミラー88と、ダイクロイッ
クミラー88からの合波光とコリメータ90からの半導
体レーザ89の出力光を合波するダイクロイックミラー
91と、ダイクロイックミラー91からの合波光とコリ
メータ93からの半導体レーザ92の出力光を合波する
ダイクロイックミラー94と、ダイクロイックミラー9
4の合波光を集光させる色消し集光レンズ95とから構
成される。
【0025】なお、ダイクロイックミラー94の後段に
更にダイクロイックミラーとコリメタと半導体レーザの
組み合わせを必要に応じて必要な個数、同様に接続する
ことができるが、図示省略してある。但し、ダイクロイ
ックミラーによる波長分離可能な場合に限る。
【0026】また、レーザ共振器102は、高反射ミラ
ー面99を有するレーザミラー96と、固体レーザ媒質
97と、出力ミラー面100を有するレーザミラー98
とから構成される。
【0027】次に動作について図7を用いて説明する。
なお、図7は、図6のダイクロイックミラーの一実施例
を示す波長特性図であって、鎖線イはダイクロイックミ
ラー85の波長特性を示し、一点鎖線ロはダイクロイッ
クミラー88の波長特性を示し、二点鎖線ハはダイクロ
イックミラー91の波長特性を示し、三点鎖線ニはダイ
クロイックミラー94の波長特性を示す。図7から分か
るように後段のダイクロイックミラーほど波長の広帯域
化が必要となる。
【0028】半導体レーザ81は、出力光(波長810
nm)をコリメータ82を介してダイクロイックミラー
85へ出力する。また、半導体レーザ83は、出力光
(波長795nm)をコリメータ84を介してダイクロ
イックミラー85へ出力する。ダイクロイックミラー8
5の波長特性は、図7の鎖線イで示されるから、ダイク
ロイックミラー85はコリメータ82からの半導体レー
ザ81の出力光(波長810nm)を透過させ、コリメ
ータ84からの半導体レーザ83の出力光(波長795
nm)を反射させる。即ち、ダイクロイックミラー85
は、半導体レーザ81、83の出力光を合波してダイク
ロイックミラー88へ出力する。
【0029】ダイクロイックミラー88の波長特性は図
7の一点鎖線ロで示されるから、ダイクロイックミラー
88は、ダイクロイックミラー85からの合波光(半導
体レーザ81、83の出力光)を透過させ、コリメータ
87からの半導体レーザ86の出力光(波長760n
m)を反射させる。即ち、ダイクロイックミラー88
は、半導体レーザ81、83、86の出力光を合波して
ダイクロイックミラー91に出力する。
【0030】ダイクロイックミラー91の波長特性は図
7の二点鎖線ハで示されるから、ダイクロイックミラー
91は、ダイクロイックミラー88からの合波光(半導
体レーザ81、83、86の出力光)を透過させ、コリ
メータ90からの半導体レーザ89の出力光(波長73
0nm)を反射させる。即ち、ダイクロイックミラー9
1は、半導体レーザ81、83、86、89の出力光を
合波してダイクロイックミラー94に出力する。
【0031】ダイクロイックミラー94の波長特性は図
7の三点鎖線ニで示されるから、ダイクロイックミラー
94は、ダイクロイックミラー91からの合波光(半導
体レーザ81、83、86、89の出力光)を透過さ
せ、コリメータ93からの半導体レーザ92の出力光
(波長680nm)を反射させる。即ち、ダイクロイッ
クミラー94は、半導体レーザ81、83、86、8
9、92の出力光を合波し、その合波した励起光を1つ
の光束として色消し集光レンズ95へ出力する。
【0032】色消し集光レンズ95は、合波した励起光
をレーザミラー96を介して固体レーザ媒質97内に集
光させ固体レーザ97を励起させる。なお、レーザ共振
器102内の動作については、図1の場合と同様であ
る。
【0033】図6の励起光学系101においては、ダイ
クロイックミラー85、88、91、94を多段構成と
することにより、合波した半導体レーザ81、83、8
6、89、92の出力光を励起光とするので、励起光パ
ワーを飛躍的に上昇させることができる。
【0034】特に、半導体レーザの短波長化とダイクロ
イックミラーの波長分離特性の向上により、図6の固体
レーザ媒質97が、例えば図2のような吸収帯を持つN
d:YAGの場合、多数の吸収線を別々の半導体レーザ
81、83、86、89、92からの出力光により同時
に励起することができる。この場合、例えば、同じ75
0nm帯の730nmと760nm、同じ810nm帯
の795nmと810nmといった如く、同じ吸収帯の
広がりの中で、各吸収線を同時に励起させることができ
る。これにより、固体レーザ(Nd:YAGレーザ)出
力を増加させることができる。
【0035】図6では、色消し集光レンズ95を用いて
いるのは、次の理由による。即ち、ダイクロイックミラ
ー94の出力である合波光は、半導体レーザ81、8
3、86、89、92の異なる各波長の光を合波したも
のであるから、この合波光を単なる集光レンズで集光す
ると、波長の違いにより色収差が発生し、集光スポット
が大きくなったり、集光位置が変わる。この集光位置の
移動は、コリメータ8284、87、90、93の移動
によって対応することができる。しかし、集光レンズの
集光性能の劣化(波面収差の増大)を防ぐには、集光レ
ンズを広帯域の波長に対する色消しレンズとして対応す
る必要がある。そこで、単なる集光レンズとせずに、色
消し集光レンズ95とした。
【0036】また、固体レーザ媒質97として、Nd:
YLFのように非等方的な固体レーザ材料で、励起光の
偏光により吸収波長が若干異なるものを用いる場合や、
更にこの吸収波長の偏光依存性が大きいものを用いる場
合には、多数のダイクロイックミラーを図6のように接
続するなどして多数の半導体レーザの異なる波長(偏光
による吸収波長と同じ波長)の出力光を合波するように
して偏光による吸収波長に対処することができる。
【0037】図8は、本発明による固体レーザの第4の
実施例を示す構成図である。図8において、111乃至
113は、固体レーザ媒質121を励起させるための半
導体レーザ(レーザダイオード)であって、半導体レー
ザ111乃至113はそれぞれ異なる波長の、固体レー
ザ媒質121の励起光を出力するものである。
【0038】ここで、半導体レーザ111乃至113の
うち、半導体レーザ111の出力光の波長は最も長く、
半導体レーザ113の出力光の波長は最も短くなるよう
に設定される。また、半導体レーザ111乃至113か
らの励起光の波長は、固体レーザ媒質121の吸収線の
波長に対応させてある。また、半導体レーザ111乃至
113の出力光の波長は、近接する波長であれば、同一
波長帯でも異なる波長帯でもよい。ここでは、3つの半
導体レーザ111乃至113の場合を示したが、物理的
にスペースがあれば、多数の半導体レーザを設けてもよ
い。また、特に半導体レーザ111乃至113からの広
帯域に亘る波長の光でもよいように、後述するコリメー
タ114乃至116や集光レンズ119により色収差の
補正を行なっている。
【0039】コリメータ114至116は、半導体レー
ザ111乃至113からの光を平行光束にするものであ
る。ただし、コリメータ114乃至116は、半導体レ
ーザ111乃至113からの広帯域に亘る波長の光でも
結像系全体として収差を最小化できるように、集光レン
ズ119単独で予想される色収差の全部又は一部(ここ
では、全部)を補正できるように構成してある。
【0040】117は、コリメータ114乃至116か
らの光を合波して集光レンズ119に出射するプリズム
である。プリズム117の代わりにそのほかの分散利用
部品を用いてもよい。プリズム117の入射面118に
は反射防止膜がコートされている。
【0041】なお、プリズム117は、入射面118に
反射防止膜がコートされ、かつ内部で光の吸収がないこ
とが望ましい。しかし、各コリメータ114乃至116
からプリズム117を通過する光束の反射しうる面は、
プリズム117の入射面118、後面127と、集光レ
ンズ119およびレーザ共振器126の固体レーザ媒質
121に至る経路であり、ダイクロイックミラーを多段
構成する図6の場合に比べ反射面数および透過体の数が
少なくて済む。従って、プリズム117自体の透過性能
に多少欠点があっても、プリズム117の材料を適宜選
ぶことにより全体の透過率を容易に高くすることができ
る。
【0042】集光レンズ119は、プリズム117から
の光を、レーザミラー120を介して固体レーザ媒質1
21内に集光させるものである。プリズム117で合波
される光の波長帯域が狭い場合は、集光レンズ119の
集光性能の劣化を防ぐべく集光レンズ119を色消しに
する。また、プリズム117で合波される光の波長帯域
が広い場合は、集光レンズ119単独で補正しうる色収
差には限度があるので、ここでは半導体レーザ111乃
至113からの出力光の波長のうち、いくつかの波長に
対しては集光レンズ119を低収差に構成し、残りの波
長に対してはコリメータ114乃至116を集光レンズ
119で予想される色収差を補正するように構成する。
【0043】ここに、半導体レーザ111乃至113と
コリメータ114乃至116とプリズム117と集光レ
ンズ119は、励起光学系123を構成する。
【0044】レーザミラー120の凹面124側はレー
ザミラー面となっており、レーザミラー122の平面1
25側はレーザミラー面となっている。固体レーザ媒質
121で励起された光は、レーザミラー122の平面1
25側のレーザミラー面で反射され、更にレーザミラー
120の凹面124側のレーザミラー面で反射されて固
体レーザ媒質121内に収束し、これにより励起された
更に高いエネルギーの光は、レーザミラ122の平面1
25側のレーザミラー面で反射され、更にレーザミラー
120の凹面124側のレーザミラー面で反射され固体
レーザ媒質121を励起する。このような動作(ポンピ
ング動作)を繰り返すことで、高出力のレーザ光をレー
ザミラー122を介して出力するようになっている。こ
こに、レーザミラー120、122と固体レーザ媒質1
21は、レーザ共振器126を構成する。
【0045】以上のように構成すると、半導体レーザ1
11乃至113からの、固体レーザ媒質121の励起光
をコリメータ114乃至116を介してプリズム117
で合波し、その合波した光束を更に集光レンズ119で
レーザ共振器126の固体レーザ媒質121内の発振領
域内に集光させ(絞り込み)、ポンピング動作を行ない
横モード制御性がよく効率の高いレーザ発振を行なう。
【0046】このようにすると、プリズム117で合波
される光の波長帯域が広い場合でも、励起光学系12
3、従って集光レンズ119の集光性能の劣化を防止で
きる。また、コリメータ114乃至116で、集光レン
ズ119単独で予想される色収差の全部を補正する構成
としたので、半導体レーザ111乃至113からの光の
広帯域に亘る多数の波長に対しても、結像系全体として
の収差を最小化することができ、励起光を固体レーザ媒
質121内に高い光密度で集光させることができる。ま
た、プリズム117で多波長合波による場合、固体レー
ザ媒質121の複数のレーザ吸収線を同時に励起させる
ことができ、高密度性を生かすことができる。これによ
り、高出力のレーザ光を取出すことができる。
【0047】また、1個のプリズム117で3個の半導
体レーザ111乃至113に限らず多数の半導体レーザ
の波長の異なる励起光を一度に合波することで、プリズ
ム117を1つの励起光源として用いることができ、多
数のダイクロイックミラーを用いる場合(図6)に比べ
部品点数が少なくて済み透過率の低下を防止できる。
【0048】次にプリズム117によるビーム整形につ
いて図9を用いて説明する。なお、図9は図8のプリズ
ム117によるビーム整形の説明図である。図9(A)
はプリズム117部分の側面図、図9(B)はプリズム
117部分の平面図である。
【0049】一般にビームがプリズム117を通過する
ことで、ビームの縦横比が変わる。このため、半導体レ
ーザ111乃至113のようなもともとビーム強度の縦
横比率の異なる励起用光源では、図9に示すごとくプリ
ズム117に入るビームの入射角θ1 と出射角θ2 を変
えてやることで、そのビームの縦横比を適当な方向に変
えることができる。ここに、図9(A)の面内で、ビー
ム幅wv は、θ1 >θ2 では増加し、θ1 <θ2 では減
少する。従って、、2方向のビーム幅が、wH>wV
(wH :水平方向のビーム幅、wV :垂直方向のビーム
幅)なるビームにおいて、θ1 >θ2 として、図9
(A)のようにプリズム117を通過させれば、wv
増加し、wv /wH は、プリズム117に入射する前よ
りも1に近づけることができ、集光性能をよくすること
が可能である。
【0050】本発明は、本実施例に限定されることな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用および
変形が考えられる。例えば、図1、図4、図6、図8の
集光レンズ37、65、色消し集光レンズ95 、プリ
ズム117の各出力を図11の如く光ファイバに通し
(必要に応じ更に集光レンズより)レーザ共振器44、
72、102、126へ出力するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、次のよ
うな効果が得られる。 (1)ダイクロイックミラーやプリズムを用いて、多数
の励起用光源からの出力光を合波して励起光を1つの光
束とすることで、固体レーザ又はそれを基にしたSHG
グリーンレーザの励起光パワーおよびパワー密度を従来
に比べ極めて高くすることができ、高出力のレーザ光を
取出すことができる。 (2)固体レーザの吸収波長やその偏光依存性に合わせ
た多数の励起用光源の出力光をダイクロイックミラーや
プリズムを用いて合波できるので、励起光パワーおよび
パワー密度を従来に比べ極めて高くすることができ、し
かも異なる波長の吸収線を同時に励起することができ高
出力のレーザ光を取出すことができる。 (3)プリズムの場合は1個で、ダイクロイックミラー
に比べ、多数の励起用光源の出力光を合波できると共
に、透過体数が少なくて済むことより透過率の減少が極
めて少ない。 (4)従来のように励起用光源の端面破壊や熱問題を起
こさずに多数の励起用光源を用いることができ、しかも
レーザ共振器へ励起光を集光させるための集光レンズを
大型化せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体レーザの第1実施例を示す構
成図である。
【図2】図1の固体レーザ媒質39の励起スペクトルの
一実施例を示す特性図である。
【図3】図1のダイクロイックミラー35の一実施例を
示す特性図である。
【図4】本発明による固体レーザの第2実施例を示す構
成図である。
【図5】図4のダイクロイックミラー57の一実施例を
示す波長特性図である。
【図6】本発明による固体レーザの第3実施例を示す構
成図である。
【図7】図6の各ダイクロイックミラーの一実施例を示
す波長特性図である。
【図8】本発明による固体レーザの第4の実施例を示す
構成図である。
【図9】図8のプリズム117によるビーム整形の説明
図である。
【図10】従来の固体レーザの一例を示す構成図であ
る。
【図11】従来の固体レーザの他の例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
31、32、51、52、58、59 半導体レーザ 35、57、85、88、91、94 ダイクロイック
ミラー 43、71、101、123 励起光学系 44、72、102、126 レーザ共振器 81、83、86、89、92、111、112、11
3 半導体レーザ 117 プリズム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の励起用光源と前記複数の励起用光
    源からの出力光を合波して励起光を1つの光束として出
    力する合波手段とを有する励起光学系と、前記励起光学
    系からの励起光によってレーザ共振を起こさせ高出力レ
    ーザ光を発するレーザ共振器とを有する固体レーザにお
    いて、 前記合波手段として、ダイクロイックミラーを用いてな
    ることを特徴とする固体レーザ。
  2. 【請求項2】 複数の励起用光源と前記複数の励起用光
    源からの出力光を合波して励起光を1つの光束として出
    力する合波手段とを有する励起光学系と、前記励起光学
    系からの励起光によってレーザ共振を起こさせ高出力レ
    ーザ光を発するレーザ共振器とを有する固体レーザにお
    いて、 前記合波手段として、プリズムを用いてなることを特徴
    とする固体レーザ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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