JPH05139332A - 車両の操舵装置 - Google Patents
車両の操舵装置Info
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- JPH05139332A JPH05139332A JP30169391A JP30169391A JPH05139332A JP H05139332 A JPH05139332 A JP H05139332A JP 30169391 A JP30169391 A JP 30169391A JP 30169391 A JP30169391 A JP 30169391A JP H05139332 A JPH05139332 A JP H05139332A
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- Japan
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- steering
- motor
- pinion
- gear
- internal gear
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- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 モータの回転を操舵装置に組み込まれた簡単
な構成の減速機によって大幅に減速させて、ステアリン
グホイールの入力回転角に付加することにより、走行条
件に応じてステアリング・ギヤ比を好適に変化させる。 【構成】 操向車輪のリンク機構に出力回転を与える内
歯車1と、内歯車1に対して内接状態で噛み合って偏心
運動を行う大径のピニオン2と、ピニオン2を軸承する
ために偏心軸部7aを有するクランク軸7と、クランク
軸7を駆動するモータ8と、モータ8を駆動制御する制
御装置12と、ピニオン2とステアリングホイール3か
らの入力軸4とを直接に接続する段違い軸継手5とを備
えていることを特徴とする車両の操舵装置。
な構成の減速機によって大幅に減速させて、ステアリン
グホイールの入力回転角に付加することにより、走行条
件に応じてステアリング・ギヤ比を好適に変化させる。 【構成】 操向車輪のリンク機構に出力回転を与える内
歯車1と、内歯車1に対して内接状態で噛み合って偏心
運動を行う大径のピニオン2と、ピニオン2を軸承する
ために偏心軸部7aを有するクランク軸7と、クランク
軸7を駆動するモータ8と、モータ8を駆動制御する制
御装置12と、ピニオン2とステアリングホイール3か
らの入力軸4とを直接に接続する段違い軸継手5とを備
えていることを特徴とする車両の操舵装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の操舵装置に係る
もので、特に、走行条件に応じてステアリング・ギヤ比
を変化させることができる操舵装置に関するものであ
る。
もので、特に、走行条件に応じてステアリング・ギヤ比
を変化させることができる操舵装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に使用されている車両においては、
運転者が操作するステアリングホイールの操舵角と操向
車輪(多くは前輪)の実舵角との比(操舵角/実舵角)
であるステアリング・ギヤ比は、車速等の走行条件に関
係なく一定であるものが多い。しかし、車速が低い状態
での車庫入れや急旋回等の場合には、ステアリングホイ
ールを回転させる角度が大きく、運転者に大きな労力を
強いることになるので、低速運転状態においてはステア
リング・ギヤ比は小さい方がよいが、その反面、ステア
リング・ギヤ比が小さいと、車速が高い状態では実舵角
を比較的小さく変化させても車両の走行方向が大きく変
化するので、直進性とか走行安定性の保持という面か
ら、中高速運転状態においてステアリング・ギヤ比を小
さくすることには問題がある。
運転者が操作するステアリングホイールの操舵角と操向
車輪(多くは前輪)の実舵角との比(操舵角/実舵角)
であるステアリング・ギヤ比は、車速等の走行条件に関
係なく一定であるものが多い。しかし、車速が低い状態
での車庫入れや急旋回等の場合には、ステアリングホイ
ールを回転させる角度が大きく、運転者に大きな労力を
強いることになるので、低速運転状態においてはステア
リング・ギヤ比は小さい方がよいが、その反面、ステア
リング・ギヤ比が小さいと、車速が高い状態では実舵角
を比較的小さく変化させても車両の走行方向が大きく変
化するので、直進性とか走行安定性の保持という面か
ら、中高速運転状態においてステアリング・ギヤ比を小
さくすることには問題がある。
【0003】そこで、低速運転状態ではステアリング・
ギヤ比を従来よりも小さくして運転者の労力を軽減する
と共に、中ないし高速運転状態においてはステアリング
・ギヤ比を従来と同程度の大きさまで戻して直進性や走
行安定性を確保するために、ステアリング・ギヤ比を車
速等の走行条件に応じて可変とする試みがなされてお
り、例えば特開昭64−247168号公報に記載され
ているような、いわゆる車速感応型の操舵装置が提案さ
れている。
ギヤ比を従来よりも小さくして運転者の労力を軽減する
と共に、中ないし高速運転状態においてはステアリング
・ギヤ比を従来と同程度の大きさまで戻して直進性や走
行安定性を確保するために、ステアリング・ギヤ比を車
速等の走行条件に応じて可変とする試みがなされてお
り、例えば特開昭64−247168号公報に記載され
ているような、いわゆる車速感応型の操舵装置が提案さ
れている。
【0004】従来の車速感応型操舵装置においては、中
央のサンギヤと外周のリングギヤとの間に、それら両者
に対して同時に噛み合う複数個の小さなピニオンギヤを
キャリヤによって軸承してなる複雑な構造の遊星歯車機
構を利用し、サンギヤにステアリングホイールの回転を
入力すると共に、別の減速機構によってステッピングモ
ータの回転を減速してからキャリヤに入力することによ
って、加え合わせられた回転をリングギヤから出力回転
として取り出し、それを操向車輪のタイロッドを含むリ
ンク機構に伝えるように構成されている。
央のサンギヤと外周のリングギヤとの間に、それら両者
に対して同時に噛み合う複数個の小さなピニオンギヤを
キャリヤによって軸承してなる複雑な構造の遊星歯車機
構を利用し、サンギヤにステアリングホイールの回転を
入力すると共に、別の減速機構によってステッピングモ
ータの回転を減速してからキャリヤに入力することによ
って、加え合わせられた回転をリングギヤから出力回転
として取り出し、それを操向車輪のタイロッドを含むリ
ンク機構に伝えるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の車速感応型操舵
装置は、部品点数が多く構造が複雑な遊星歯車機構を利
用しているため伝動効率が比較的低く、摩擦抵抗も大き
くて運転者が比較的大きな操舵力を加える必要があるの
と、遊星歯車機構の減速比が小さいため、ステッピング
モータの回転をそのまま遊星歯車機構のキャリヤに加え
ることができず、別の減速機構を介してステッピングモ
ータの回転を加えるとか、リングギヤを大型化する等の
必要があるため、機構が更に複雑になるとか、或いは大
型で高価なものになるという問題があった。本発明は、
従来技術のこのような問題に対処し、構造が簡単で安
価、軽量且つ小型の操舵装置を提供することを目的とす
るものである。
装置は、部品点数が多く構造が複雑な遊星歯車機構を利
用しているため伝動効率が比較的低く、摩擦抵抗も大き
くて運転者が比較的大きな操舵力を加える必要があるの
と、遊星歯車機構の減速比が小さいため、ステッピング
モータの回転をそのまま遊星歯車機構のキャリヤに加え
ることができず、別の減速機構を介してステッピングモ
ータの回転を加えるとか、リングギヤを大型化する等の
必要があるため、機構が更に複雑になるとか、或いは大
型で高価なものになるという問題があった。本発明は、
従来技術のこのような問題に対処し、構造が簡単で安
価、軽量且つ小型の操舵装置を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決するために、操向車輪のリンク機構に出力回転を与え
る内歯車と、前記内歯車に対して内接状態で噛み合って
偏心運動を行う大径のピニオンと、前記ピニオンを軸承
するために偏心軸部を有するクランク軸と、前記クラン
ク軸を駆動するモータと、前記モータを駆動制御する制
御装置と、前記ピニオンとステアリングホイールからの
入力軸とを直接に接続する段違い軸継手とを備えている
ことを特徴とする車両の操舵装置を提供する。
決するために、操向車輪のリンク機構に出力回転を与え
る内歯車と、前記内歯車に対して内接状態で噛み合って
偏心運動を行う大径のピニオンと、前記ピニオンを軸承
するために偏心軸部を有するクランク軸と、前記クラン
ク軸を駆動するモータと、前記モータを駆動制御する制
御装置と、前記ピニオンとステアリングホイールからの
入力軸とを直接に接続する段違い軸継手とを備えている
ことを特徴とする車両の操舵装置を提供する。
【0007】
【作用】例えば車速が高いとき、制御装置によってモー
タを停止させると、運転者によるステアリングホイール
の回転はピニオンの自転運動だけをもたらし、ピニオン
と内歯車との噛み合いによって、自転速度よりも僅かに
減速された回転が内歯車に取り出される。しかし、例え
ば車速が低いときに制御装置によってモータを駆動し、
クランク軸によってピニオンに公転運動を与えると、モ
ータの回転は大幅に減速されてピニオンに公転運動を与
えるので、ピニオンは自転に加えて公転分を付加される
結果、内歯車には大きな出力回転角が取り出される。
タを停止させると、運転者によるステアリングホイール
の回転はピニオンの自転運動だけをもたらし、ピニオン
と内歯車との噛み合いによって、自転速度よりも僅かに
減速された回転が内歯車に取り出される。しかし、例え
ば車速が低いときに制御装置によってモータを駆動し、
クランク軸によってピニオンに公転運動を与えると、モ
ータの回転は大幅に減速されてピニオンに公転運動を与
えるので、ピニオンは自転に加えて公転分を付加される
結果、内歯車には大きな出力回転角が取り出される。
【0008】
【実施例】図1は、本発明の実施例である操舵装置の全
体構成を示したもので、1は歯数ZC の内歯車、2はそ
れに対して噛み合う歯数ZB のピニオンで、ピニオン2
は従来技術におけるリングギヤとサンギヤに同時に噛み
合っている複数個のピニオンギヤのような小径の歯車で
はなく、サンギヤがない分だけ大径の歯車を1個だけ使
用する。従って、ピニオン2の歯数ZBは内歯車1の歯
数ZC より僅かに少ないが、比較的それに近く、それら
の差を1までのきわめて少数とすることができる。3は
運転者が操作するステアリングホイール3を示し、その
軸即ち入力軸4は、オルダム継手5を介してピニオン2
に連結される。これは、ピニオン2が内歯車1及び入力
軸4の軸芯に対して常に一定の距離だけ偏心して旋回す
るためで、中心が段違いになっているピニオン2と入力
軸4を伝動可能に連結するためには、図示のようなオル
ダム継手5のほかにも、各種のユニバーサルジョイント
やピン継手等の段違い軸継手を使用することができる。
なお、内歯車1、ピニオン2、オルダム継手5等は操舵
装置本体のハウジング6内に収容されている。
体構成を示したもので、1は歯数ZC の内歯車、2はそ
れに対して噛み合う歯数ZB のピニオンで、ピニオン2
は従来技術におけるリングギヤとサンギヤに同時に噛み
合っている複数個のピニオンギヤのような小径の歯車で
はなく、サンギヤがない分だけ大径の歯車を1個だけ使
用する。従って、ピニオン2の歯数ZBは内歯車1の歯
数ZC より僅かに少ないが、比較的それに近く、それら
の差を1までのきわめて少数とすることができる。3は
運転者が操作するステアリングホイール3を示し、その
軸即ち入力軸4は、オルダム継手5を介してピニオン2
に連結される。これは、ピニオン2が内歯車1及び入力
軸4の軸芯に対して常に一定の距離だけ偏心して旋回す
るためで、中心が段違いになっているピニオン2と入力
軸4を伝動可能に連結するためには、図示のようなオル
ダム継手5のほかにも、各種のユニバーサルジョイント
やピン継手等の段違い軸継手を使用することができる。
なお、内歯車1、ピニオン2、オルダム継手5等は操舵
装置本体のハウジング6内に収容されている。
【0009】ピニオン2が内歯車1に噛み合った状態で
偏心して旋回することができるように、クランク軸7が
内歯車1と同軸心上に軸承され、その偏心軸部7aがピ
ニオン2の中心を回転自由に支承している。クランク軸
7にはモータ8が連結され、人力による操舵角に対し
て、機械力による回転角を付加するようになっている。
内歯車1の回転を外部に取り出してタイロッド等の操向
車輪のリンク機構に伝えるために、図示実施例において
は歯車9及び歯車10からなる歯車列が設けられてお
り、歯車10の軸11が出力軸となっている。
偏心して旋回することができるように、クランク軸7が
内歯車1と同軸心上に軸承され、その偏心軸部7aがピ
ニオン2の中心を回転自由に支承している。クランク軸
7にはモータ8が連結され、人力による操舵角に対し
て、機械力による回転角を付加するようになっている。
内歯車1の回転を外部に取り出してタイロッド等の操向
車輪のリンク機構に伝えるために、図示実施例において
は歯車9及び歯車10からなる歯車列が設けられてお
り、歯車10の軸11が出力軸となっている。
【0010】しかしながら、このような歯車9及び歯車
10からなる歯車列は、本発明にとっては必須のもので
はなく、この歯車列は内歯車1の回転を出力軸11へ取
り出すための他の手段によって置き換えることができ
る。例えば、歯車9を省略して内歯車1の外周等に直接
に歯を設け、それに歯車10を噛み合わせるとか、内歯
車1にピンを取り付けて、それに操向車輪のリンク機構
を連結するとかの色々な形態が考えられる。従って、図
1に示された出力軸11も本発明の操舵装置にとって必
須のものではないので、一般的には内歯車1の軸自体を
出力軸と考えるべきである。
10からなる歯車列は、本発明にとっては必須のもので
はなく、この歯車列は内歯車1の回転を出力軸11へ取
り出すための他の手段によって置き換えることができ
る。例えば、歯車9を省略して内歯車1の外周等に直接
に歯を設け、それに歯車10を噛み合わせるとか、内歯
車1にピンを取り付けて、それに操向車輪のリンク機構
を連結するとかの色々な形態が考えられる。従って、図
1に示された出力軸11も本発明の操舵装置にとって必
須のものではないので、一般的には内歯車1の軸自体を
出力軸と考えるべきである。
【0011】モータ8はサーボモータに属するもので、
電気的に電子式制御装置(ECU)12に接続される。
ECU12は車両の走行速度を検出する車速センサ13
や、ステアリングホイール3の操舵角を検出する操舵角
センサ14等からの信号を受けて、モータ8の必要な回
転角(正又は逆転方向の)を演算し、それに見合う駆動
信号をモータ8に送り出す。
電気的に電子式制御装置(ECU)12に接続される。
ECU12は車両の走行速度を検出する車速センサ13
や、ステアリングホイール3の操舵角を検出する操舵角
センサ14等からの信号を受けて、モータ8の必要な回
転角(正又は逆転方向の)を演算し、それに見合う駆動
信号をモータ8に送り出す。
【0012】図1に示した実施例の操舵装置は、車速セ
ンサ13が検出した信号の大きさに応じて、ECU12
によりモータ8を作動させることにより、例えば図2と
して示した特性図のように、ステアリング・ギヤ比Nを
所定の様式に従って制御することができる。
ンサ13が検出した信号の大きさに応じて、ECU12
によりモータ8を作動させることにより、例えば図2と
して示した特性図のように、ステアリング・ギヤ比Nを
所定の様式に従って制御することができる。
【0013】まず、車速が中程度よりも高い状態におい
てECU12がモータ8を停止させた場合は、図3に示
したようにピニオン2の中心2aはその点に固定されて
移動しないので、ステアリングホイール3からの入力回
転角θinはピニオン2の自転運動だけをもたらし、ピニ
オン2と内歯車1との歯車比ZB /ZC によって、僅か
に減速されて内歯車1の回転角θout として伝達され、
歯車9と歯車10による歯車列を介して、出力軸11へ
一定の歯車比をもって取り出される。つまり、モータ8
が停止しているときは、 θout /θin=ZB /ZC …(1) となる。
てECU12がモータ8を停止させた場合は、図3に示
したようにピニオン2の中心2aはその点に固定されて
移動しないので、ステアリングホイール3からの入力回
転角θinはピニオン2の自転運動だけをもたらし、ピニ
オン2と内歯車1との歯車比ZB /ZC によって、僅か
に減速されて内歯車1の回転角θout として伝達され、
歯車9と歯車10による歯車列を介して、出力軸11へ
一定の歯車比をもって取り出される。つまり、モータ8
が停止しているときは、 θout /θin=ZB /ZC …(1) となる。
【0014】本発明の構成によれば、例えば歯数ZB を
29、歯数ZC を30として、それらの差を1とするこ
ともできるから、モータ8を停止させた場合における歯
車比ZB /ZC の値は1に近くなり、この場合の内歯車
1の出力回転角θout は殆ど入力回転角θinと同じにな
る。従って、中高速運転状態においては、運転者にとっ
ては特別の操舵装置を使用しているという感覚はない。
この状態が図2におけるNmax の線であって、従来の車
両が斜線で示したような範囲の一定の大きさのステアリ
ング・ギヤ比を有するのに対して、それよりも若干高い
値に設定して、従来以上に高速安定性や高速における直
進性を高めることもできる。
29、歯数ZC を30として、それらの差を1とするこ
ともできるから、モータ8を停止させた場合における歯
車比ZB /ZC の値は1に近くなり、この場合の内歯車
1の出力回転角θout は殆ど入力回転角θinと同じにな
る。従って、中高速運転状態においては、運転者にとっ
ては特別の操舵装置を使用しているという感覚はない。
この状態が図2におけるNmax の線であって、従来の車
両が斜線で示したような範囲の一定の大きさのステアリ
ング・ギヤ比を有するのに対して、それよりも若干高い
値に設定して、従来以上に高速安定性や高速における直
進性を高めることもできる。
【0015】これは、車速センサ13が中高速の信号を
出すことによってECU12がモータ8を停止させた場
合だけではなく、モータ8やECU12等何らかの故障
によってモータ8が回転不能になった場合にも同じ結果
となる。従来の車両と同様に入力軸4と出力軸11が直
結されたのと似た状態になるので、ステアリングホイー
ル3の回転を安全に操向車輪のリンク機構に伝えること
ができる。従って、本発明の操舵装置はフェイルセーフ
の機能を備えていることになる。
出すことによってECU12がモータ8を停止させた場
合だけではなく、モータ8やECU12等何らかの故障
によってモータ8が回転不能になった場合にも同じ結果
となる。従来の車両と同様に入力軸4と出力軸11が直
結されたのと似た状態になるので、ステアリングホイー
ル3の回転を安全に操向車輪のリンク機構に伝えること
ができる。従って、本発明の操舵装置はフェイルセーフ
の機能を備えていることになる。
【0016】図2の左半分に示すように、車速が所定値
以下の状態において、車速の大きさに応じてステアリン
グ・ギヤ比Nの値をNmax の線から漸次低下させてN
min まで減少させるには、図4に示すように、ピニオン
2の中心2aの位置を移動させる。つまり、ECU12
の指令によってモータ8を回転させ、クランク軸7の偏
心軸部7aによってピニオン2に付加回転角θm だけの
公転運動を与えることになる。それによって、内歯車1
にはステアリングホイール3によるピニオン2の自転運
動としての入力回転角θinだけでなく、モータ8によっ
てピニオン2の公転として与えられる付加回転角θm も
それに加算されることになる。その結果、この場合の出
力回転角θout は次式のようになる。 θout =(ZB ・θin+ZC ・θm −ZB ・θm )/ZC …(2)
以下の状態において、車速の大きさに応じてステアリン
グ・ギヤ比Nの値をNmax の線から漸次低下させてN
min まで減少させるには、図4に示すように、ピニオン
2の中心2aの位置を移動させる。つまり、ECU12
の指令によってモータ8を回転させ、クランク軸7の偏
心軸部7aによってピニオン2に付加回転角θm だけの
公転運動を与えることになる。それによって、内歯車1
にはステアリングホイール3によるピニオン2の自転運
動としての入力回転角θinだけでなく、モータ8によっ
てピニオン2の公転として与えられる付加回転角θm も
それに加算されることになる。その結果、この場合の出
力回転角θout は次式のようになる。 θout =(ZB ・θin+ZC ・θm −ZB ・θm )/ZC …(2)
【0017】このように、モータ8をECU12の指令
に応じて回転させることにより、ステアリングホイール
3に同一の操舵角(入力回転角)θinを与えても、モー
タ8の停止状態よりも大きな出力回転角θout が得られ
るので、モータ8の回転量、即ち付加回転角θm を車速
に応じて制御することにより、ステアリング・ギヤ比N
を最大のNmax から最小のNmin まで連続的に低下さ
せ、それによって低速時には、必要なステアリングホイ
ール3の操舵角θinを、モータ8の回転量に見合う分だ
け少なくして、運転者の労力を軽減し、車庫入れや、低
速での急旋回を容易にすることができる。
に応じて回転させることにより、ステアリングホイール
3に同一の操舵角(入力回転角)θinを与えても、モー
タ8の停止状態よりも大きな出力回転角θout が得られ
るので、モータ8の回転量、即ち付加回転角θm を車速
に応じて制御することにより、ステアリング・ギヤ比N
を最大のNmax から最小のNmin まで連続的に低下さ
せ、それによって低速時には、必要なステアリングホイ
ール3の操舵角θinを、モータ8の回転量に見合う分だ
け少なくして、運転者の労力を軽減し、車庫入れや、低
速での急旋回を容易にすることができる。
【0018】ところで、前記(2) 式の一部から明らかな
ように、モータ8からピニオン2と内歯車1とのかみ合
いによって内歯車1に伝えられる回転の減速比NG は、 NG =ZC /(ZC −ZB )…(3) であるが、この減速比NG が大きいほど、モータ8の負
荷は減少し、モータ8の小型化や省電力化をはかること
ができる。
ように、モータ8からピニオン2と内歯車1とのかみ合
いによって内歯車1に伝えられる回転の減速比NG は、 NG =ZC /(ZC −ZB )…(3) であるが、この減速比NG が大きいほど、モータ8の負
荷は減少し、モータ8の小型化や省電力化をはかること
ができる。
【0019】前述のように、従来技術においては、リン
グギヤとサンギヤの間に入る小さなピニオンギヤを使用
しているため、構造が複雑で大型化するにもかかわら
ず、大きな減速比を得ることができなかったが、本発明
においては、サンギヤを使用しない分だけピニオン2を
大径とすることができ、最大で内歯車1に対して歯数1
だけ少ないものまで使用することができるので、式(3)
から明らかなように、きわめて大きな減速比のものを製
作することが可能である。また、構造が簡単で機械的強
度も大きく高効率であり、小型、軽量で安価に製作する
ことができる。
グギヤとサンギヤの間に入る小さなピニオンギヤを使用
しているため、構造が複雑で大型化するにもかかわら
ず、大きな減速比を得ることができなかったが、本発明
においては、サンギヤを使用しない分だけピニオン2を
大径とすることができ、最大で内歯車1に対して歯数1
だけ少ないものまで使用することができるので、式(3)
から明らかなように、きわめて大きな減速比のものを製
作することが可能である。また、構造が簡単で機械的強
度も大きく高効率であり、小型、軽量で安価に製作する
ことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成によってき
わめて高い減速比が得られるので、モータの省電力化、
操舵装置全体の小型化を容易に実現することができ、ま
た、フェイルセーフの機能も得られる。減速機構が小型
であることから、慣性力も小さいので、操舵の応答性が
高いという利点もある。
わめて高い減速比が得られるので、モータの省電力化、
操舵装置全体の小型化を容易に実現することができ、ま
た、フェイルセーフの機能も得られる。減速機構が小型
であることから、慣性力も小さいので、操舵の応答性が
高いという利点もある。
【図1】本発明の実施例としての操舵装置の全体構成を
示す一部断面図である。
示す一部断面図である。
【図2】本発明の操舵装置の作動特性を例示する線図で
ある。
ある。
【図3】本発明の操舵装置の一作動状態を示す説明図で
ある。
ある。
【図4】本発明の操舵装置の図3とは異なる作動状態を
示す説明図である。
示す説明図である。
1…内歯車(歯数ZC ) 2…ピニオン(歯数ZB ) 3…ステアリングホイール 5…オルダム継手(段違い軸継手) 7…クランク軸 8…モータ 12…電子式制御装置(ECU) 13…車速センサ 14…操舵角センサ
Claims (3)
- 【請求項1】 操向車輪のリンク機構に出力回転を与え
る内歯車と、前記内歯車に対して内接状態で噛み合って
偏心運動を行う大径のピニオンと、前記ピニオンを軸承
するために偏心軸部を有するクランク軸と、前記クラン
ク軸を駆動するモータと、前記モータを駆動制御する制
御装置と、前記ピニオンとステアリングホイールからの
入力軸とを直接に接続する段違い軸継手とを備えている
ことを特徴とする車両の操舵装置。 - 【請求項2】 前記制御装置により前記モータの回転角
を操舵角センサの出力に応じて制御することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項に記載された車両の操舵装置。 - 【請求項3】 前記制御装置により前記モータの回転角
を車速センサの出力に応じて制御する特徴とする特許請
求の範囲第1項又は第2項に記載された車両の操舵装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30169391A JPH05139332A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 車両の操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30169391A JPH05139332A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 車両の操舵装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05139332A true JPH05139332A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=17900013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30169391A Pending JPH05139332A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 車両の操舵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05139332A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2755418A1 (fr) * | 1996-11-06 | 1998-05-07 | Daimler Benz Ag | Dispositif de commande de l'angle de braquage pour un vehicule |
JP2010083327A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Toyota Motor Corp | 車両用操舵力伝達装置 |
CN108423065A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-08-21 | 吉林大学 | 一种少齿差行星齿轮主动转向系统及其控制方法 |
CN115464502A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-12-13 | 齐鲁中科光物理与工程技术研究院 | 一种单电机驱动公自转数控抛光装置 |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP30169391A patent/JPH05139332A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2755418A1 (fr) * | 1996-11-06 | 1998-05-07 | Daimler Benz Ag | Dispositif de commande de l'angle de braquage pour un vehicule |
US6173221B1 (en) | 1996-11-06 | 2001-01-09 | Daimlerchrysler Ag | Device for controlling the steering angle of a vehicle |
JP2010083327A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Toyota Motor Corp | 車両用操舵力伝達装置 |
CN108423065A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-08-21 | 吉林大学 | 一种少齿差行星齿轮主动转向系统及其控制方法 |
CN115464502A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-12-13 | 齐鲁中科光物理与工程技术研究院 | 一种单电机驱动公自转数控抛光装置 |
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