JPH05112675A - タイヤ用として好適なゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用として好適なゴム組成物Info
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- JPH05112675A JPH05112675A JP27538491A JP27538491A JPH05112675A JP H05112675 A JPH05112675 A JP H05112675A JP 27538491 A JP27538491 A JP 27538491A JP 27538491 A JP27538491 A JP 27538491A JP H05112675 A JPH05112675 A JP H05112675A
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- rubber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特定構造のスチレン/ブタジエン共重合体
ゴムに特定の化合物を配合することにより、タイヤとし
て用いた場合の転動抵抗の低下ならびに、湿潤路面、雪
上および氷結路面でのブレーキ制動性の向上をはかる。 【構成】 スチレン/ブタジエン共重合体の重合末端
に4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン
が導入されており、スチレン単位が3〜30重量%、ビ
ニル結合量が25重量%以上、ムーニー粘度が30〜8
0である変性共重合体を主体とし、これに、カーボンブ
ラックおよび次式 (式中、Xはアルキレンなどの2価基であり、R1 は水
素またはアルキルなどの基であって、R1 を介して窒素
原子同士がさらに連結してもよく、R2 およびR3 はそ
れぞれ水素またはアルキルであって、R2 とR3 が結合
して環を形成してもよい)で示されるジニトロジアミン
類を配合する。
ゴムに特定の化合物を配合することにより、タイヤとし
て用いた場合の転動抵抗の低下ならびに、湿潤路面、雪
上および氷結路面でのブレーキ制動性の向上をはかる。 【構成】 スチレン/ブタジエン共重合体の重合末端
に4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン
が導入されており、スチレン単位が3〜30重量%、ビ
ニル結合量が25重量%以上、ムーニー粘度が30〜8
0である変性共重合体を主体とし、これに、カーボンブ
ラックおよび次式 (式中、Xはアルキレンなどの2価基であり、R1 は水
素またはアルキルなどの基であって、R1 を介して窒素
原子同士がさらに連結してもよく、R2 およびR3 はそ
れぞれ水素またはアルキルであって、R2 とR3 が結合
して環を形成してもよい)で示されるジニトロジアミン
類を配合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ用として好適
な、特に優れた転動抵抗ならびにウェットグリップおよ
びアイスグリップ性能を有するゴム組成物に関するもの
である。
な、特に優れた転動抵抗ならびにウェットグリップおよ
びアイスグリップ性能を有するゴム組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車分野においては、走行安定
性、ブレーキ制動性など安全性の向上とともに、省資
源、省エネルギーといった観点からの低燃費化が重要な
課題となってきている。それに伴い、タイヤ用のゴム材
料に対する要求は一段と厳しいものに変化してきてい
る。
性、ブレーキ制動性など安全性の向上とともに、省資
源、省エネルギーといった観点からの低燃費化が重要な
課題となってきている。それに伴い、タイヤ用のゴム材
料に対する要求は一段と厳しいものに変化してきてい
る。
【0003】かかるタイヤ用ゴム材料に対する要求とし
ては、次のようなものが挙げられている。 (1) 耐摩耗性などの破壊特性に優れること、(2) 低燃費
化に対応して転動抵抗が小さいこと、(3) 湿潤路面での
ブレーキ制動性(ウェットグリップ性)および雪上また
は氷結路面でのブレーキ制動性(アイスグリップ性)に
優れること。 これらのうち、 (2)の転動抵抗および (3)のウェットグ
リップ性とアイスグリップ性は、ゴムのヒステリシスロ
スに起因する物性であるといわれている。
ては、次のようなものが挙げられている。 (1) 耐摩耗性などの破壊特性に優れること、(2) 低燃費
化に対応して転動抵抗が小さいこと、(3) 湿潤路面での
ブレーキ制動性(ウェットグリップ性)および雪上また
は氷結路面でのブレーキ制動性(アイスグリップ性)に
優れること。 これらのうち、 (2)の転動抵抗および (3)のウェットグ
リップ性とアイスグリップ性は、ゴムのヒステリシスロ
スに起因する物性であるといわれている。
【0004】すなわち転動抵抗は、タイヤ走行時にゴム
が比較的低周波数の周期的変形を受ける際のエネルギー
散逸に対応し、これを低下させるためには、ゴム組成物
のヒステリシスロスを小さくする必要がある。一方、ウ
ェットグリップ性とアイスグリップ性は、制動時におけ
るタイヤトレッドと路面の微細な凹凸の間で生じる高周
波数の周期的変形を受ける際のエネルギー散逸に対応
し、それらを向上させるためには、ゴム組成物のヒステ
リシスロスを大きくしなければならない。したがって、
上記二つの物性は相反するものと考えられていた。
が比較的低周波数の周期的変形を受ける際のエネルギー
散逸に対応し、これを低下させるためには、ゴム組成物
のヒステリシスロスを小さくする必要がある。一方、ウ
ェットグリップ性とアイスグリップ性は、制動時におけ
るタイヤトレッドと路面の微細な凹凸の間で生じる高周
波数の周期的変形を受ける際のエネルギー散逸に対応
し、それらを向上させるためには、ゴム組成物のヒステ
リシスロスを大きくしなければならない。したがって、
上記二つの物性は相反するものと考えられていた。
【0005】しかしながら、走行時と制動時とではタイ
ヤが周期的変形を受ける際の周波数が大きく異なり、ウ
ィリアムス−ランデル−フェリーの温度換算則により変
形周波数を温度に換算すると、転動抵抗は60℃付近の
tanδ(損失係数:ヒステリシスロスの尺度)と、ウェ
ットグリップ性は0℃付近の tanδと、またアイスグリ
ップ性は−20℃付近の tanδとそれぞれ良い相関が得
られることが知られている。したがって、低転動抵抗、
高ウェットグリップ性および高アイスグリップ性を同時
に満たすためには、0℃および−20℃付近の低温にお
ける tanδを大きくし、60℃付近の高温における tan
δを小さくすればよいことがわかる。
ヤが周期的変形を受ける際の周波数が大きく異なり、ウ
ィリアムス−ランデル−フェリーの温度換算則により変
形周波数を温度に換算すると、転動抵抗は60℃付近の
tanδ(損失係数:ヒステリシスロスの尺度)と、ウェ
ットグリップ性は0℃付近の tanδと、またアイスグリ
ップ性は−20℃付近の tanδとそれぞれ良い相関が得
られることが知られている。したがって、低転動抵抗、
高ウェットグリップ性および高アイスグリップ性を同時
に満たすためには、0℃および−20℃付近の低温にお
ける tanδを大きくし、60℃付近の高温における tan
δを小さくすればよいことがわかる。
【0006】従来、トレッドゴム材料に対するこのよう
な要求に対して、例えば溶液重合で得られるブタジエン
部のビニル結合含量が高いポリブタジエンゴムまたはス
チレン/ブタジエン共重合ゴムをベースゴムとして用い
る方法、特定のガラス転移温度を有する多種のゴムをブ
レンドする方法、分子鎖中にスズ−炭素結合を有するポ
リブタジエンゴムまたはスチレン/ブタジエン共重合ゴ
ムや、アミノ基含有ベンゾフェノン類をポリマー鎖に付
加したポリブタジエンゴムまたはスチレン/ブタジエン
共重合ゴムをベースゴムとして用いる方法、さらには改
質カーボンブラックを配合する方法や改質剤を配合する
方法などが提案されている。
な要求に対して、例えば溶液重合で得られるブタジエン
部のビニル結合含量が高いポリブタジエンゴムまたはス
チレン/ブタジエン共重合ゴムをベースゴムとして用い
る方法、特定のガラス転移温度を有する多種のゴムをブ
レンドする方法、分子鎖中にスズ−炭素結合を有するポ
リブタジエンゴムまたはスチレン/ブタジエン共重合ゴ
ムや、アミノ基含有ベンゾフェノン類をポリマー鎖に付
加したポリブタジエンゴムまたはスチレン/ブタジエン
共重合ゴムをベースゴムとして用いる方法、さらには改
質カーボンブラックを配合する方法や改質剤を配合する
方法などが提案されている。
【0007】これらの方法のうち、改質剤を添加する方
法は、他の方法に比べて簡単にゴムに諸物性を付与でき
ることや、天然ゴムにも適用できることなどから注目さ
れている。このような改質剤として、特開昭 63-23942
号公報や特開平 1-247437 号公報には、下記一般式(I
I)で示されるジニトロジアミン類が提案されている。
法は、他の方法に比べて簡単にゴムに諸物性を付与でき
ることや、天然ゴムにも適用できることなどから注目さ
れている。このような改質剤として、特開昭 63-23942
号公報や特開平 1-247437 号公報には、下記一般式(I
I)で示されるジニトロジアミン類が提案されている。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂
肪族基または芳香族基であって、基中にハロゲンまたは
酸素を含むことができ; R1 は水素原子、鎖状脂肪族
基、環状脂肪族基または芳香族基であるが、XおよびR
1 がいずれも鎖状脂肪族基である場合は、R1 を介して
窒素原子同士が互いにさらに連結してもよく; R2 お
よびR3 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜
12のアルキル基であり、R2 とR3 が結合して環を形
成してもよい)
肪族基または芳香族基であって、基中にハロゲンまたは
酸素を含むことができ; R1 は水素原子、鎖状脂肪族
基、環状脂肪族基または芳香族基であるが、XおよびR
1 がいずれも鎖状脂肪族基である場合は、R1 を介して
窒素原子同士が互いにさらに連結してもよく; R2 お
よびR3 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜
12のアルキル基であり、R2 とR3 が結合して環を形
成してもよい)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このジニトロジアミン
類は、タイヤ用ゴムの低温特性や発熱性の改良、さらに
は転動抵抗の低下を達成しうる改質剤として知られてい
る。したがってこのジニトロジアミン類は、タイヤ用ゴ
ムへの適用がはかられてきているが、近年厳しさを増し
ているアイスグリップ、ウェットグリップといった低温
特性の一層の向上および低燃費化の要求に対して、さら
なる改良が望まれていた。
類は、タイヤ用ゴムの低温特性や発熱性の改良、さらに
は転動抵抗の低下を達成しうる改質剤として知られてい
る。したがってこのジニトロジアミン類は、タイヤ用ゴ
ムへの適用がはかられてきているが、近年厳しさを増し
ているアイスグリップ、ウェットグリップといった低温
特性の一層の向上および低燃費化の要求に対して、さら
なる改良が望まれていた。
【0011】このような背景から本発明者らは、前記ジ
ニトロジアミン類による物性向上効果が一層有効に発揮
され、低温特性および転動抵抗においてバランンスのと
れたゴム組成物を開発すべく、鋭意研究を行った結果、
本発明を完成した。
ニトロジアミン類による物性向上効果が一層有効に発揮
され、低温特性および転動抵抗においてバランンスのと
れたゴム組成物を開発すべく、鋭意研究を行った結果、
本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の変
性スチレン/ブタジエン共重合体、すなわちスチレンと
ブタジエンを共重合させて得られる共重合体の重合末端
に、特定のベンゾフェノン化合物を導入した変性スチレ
ン/ブタジエン共重合体であって、スチレン単位とブタ
ジエン単位の割合が一定範囲にあり、かつ特定のミクロ
構造およびムーニー粘度を有するものを用いることによ
り、前記一般式(II)で示されるジニトロジアミン類の
添加効果が一層有効に発揮され、低温特性および転動抵
抗の優れたゴム組成物が得られることを見出した。
性スチレン/ブタジエン共重合体、すなわちスチレンと
ブタジエンを共重合させて得られる共重合体の重合末端
に、特定のベンゾフェノン化合物を導入した変性スチレ
ン/ブタジエン共重合体であって、スチレン単位とブタ
ジエン単位の割合が一定範囲にあり、かつ特定のミクロ
構造およびムーニー粘度を有するものを用いることによ
り、前記一般式(II)で示されるジニトロジアミン類の
添加効果が一層有効に発揮され、低温特性および転動抵
抗の優れたゴム組成物が得られることを見出した。
【0013】すなわち本発明は、以下の(A)、
(B)、(C)の各成分を含有してなるゴム組成物を提
供するものである。 (A)スチレンとブタジエンとを共重合させて得られる
共重合体の重合末端に、一般式(I)
(B)、(C)の各成分を含有してなるゴム組成物を提
供するものである。 (A)スチレンとブタジエンとを共重合させて得られる
共重合体の重合末端に、一般式(I)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Qはメチルまたはエチルを表す)
で示されるベンゾフェノン化合物が導入されており、
(1)スチレン単位が3〜30重量%、ブタジエン単位
が97〜70重量%であり、(2)ブタジエン部分のビ
ニル結合量が25重量%以上であり、かつ(3)ML
1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が30〜80で
ある変性スチレン/ブタジエン共重合体を主体とする原
料ゴム、 (B)カーボンブラック、および (C)前記原料ゴム100重量部あたり、 0.1〜10重
量部の前記一般式(II)で示されるジニトロジアミン
類。
で示されるベンゾフェノン化合物が導入されており、
(1)スチレン単位が3〜30重量%、ブタジエン単位
が97〜70重量%であり、(2)ブタジエン部分のビ
ニル結合量が25重量%以上であり、かつ(3)ML
1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が30〜80で
ある変性スチレン/ブタジエン共重合体を主体とする原
料ゴム、 (B)カーボンブラック、および (C)前記原料ゴム100重量部あたり、 0.1〜10重
量部の前記一般式(II)で示されるジニトロジアミン
類。
【0016】本発明において原料ゴムの主体となるの
は、スチレンとブタジエンとを共重合させて得られる共
重合体の重合末端に、前記一般式(I)で示されるベン
ゾフェノン化合物を導入したものであって、(1)スチ
レン単位が3〜30重量%、ブタジエン単位が97〜7
0重量%、(2)ブタジエン部分のビニル結合量が25
重量%以上、そして(3)ML1+4(100℃)で表され
るムーニー粘度が30〜80の変性スチレン/ブタジエ
ン共重合体である。
は、スチレンとブタジエンとを共重合させて得られる共
重合体の重合末端に、前記一般式(I)で示されるベン
ゾフェノン化合物を導入したものであって、(1)スチ
レン単位が3〜30重量%、ブタジエン単位が97〜7
0重量%、(2)ブタジエン部分のビニル結合量が25
重量%以上、そして(3)ML1+4(100℃)で表され
るムーニー粘度が30〜80の変性スチレン/ブタジエ
ン共重合体である。
【0017】ここで、スチレン単位が3重量%未満で
は、破壊強度が劣り、30重量%を越えると、転動抵抗
が十分に改良されない。またブタジエン部分のビニル結
合量が25重量%を下回ると、ウェットグリップ性能が
劣るので好ましくない。さらには、ML1+4(100℃)
で表されるムーニー粘度が30未満になると、破壊強度
が劣り、一方、このムーニー粘度が80を越えると、加
工性に問題が出てくるので好ましくない。
は、破壊強度が劣り、30重量%を越えると、転動抵抗
が十分に改良されない。またブタジエン部分のビニル結
合量が25重量%を下回ると、ウェットグリップ性能が
劣るので好ましくない。さらには、ML1+4(100℃)
で表されるムーニー粘度が30未満になると、破壊強度
が劣り、一方、このムーニー粘度が80を越えると、加
工性に問題が出てくるので好ましくない。
【0018】このような変性スチレン/ブタジエン共重
合体は、公知の方法、例えば特開昭59-197443号公報、
特開昭 60-8341号公報、特開昭 60-8342号公報などに記
載される方法によって製造することができる。すなわ
ち、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤
とする溶液重合法(いわゆるリビング重合法)によりス
チレンとブタジエンを共重合させ、得られる共重合体
に、前記一般式(I)で示されるベンゾフェノン化合物
を反応させることによって製造することができる。重合
温度は、目標とするミクロ構造により変化しうるが、経
済性および副反応の観点から、0〜150℃程度が好ま
しい。ブタジエン部分のビニル結合量は、エーテルまた
は第三級アミンの如きルイス塩基を用い、それらの種類
や使用量を変化させることにより、あるいは重合温度な
どを適宜選択することにより、調節することができる。
合体は、公知の方法、例えば特開昭59-197443号公報、
特開昭 60-8341号公報、特開昭 60-8342号公報などに記
載される方法によって製造することができる。すなわ
ち、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤
とする溶液重合法(いわゆるリビング重合法)によりス
チレンとブタジエンを共重合させ、得られる共重合体
に、前記一般式(I)で示されるベンゾフェノン化合物
を反応させることによって製造することができる。重合
温度は、目標とするミクロ構造により変化しうるが、経
済性および副反応の観点から、0〜150℃程度が好ま
しい。ブタジエン部分のビニル結合量は、エーテルまた
は第三級アミンの如きルイス塩基を用い、それらの種類
や使用量を変化させることにより、あるいは重合温度な
どを適宜選択することにより、調節することができる。
【0019】変性反応に用いる前記一般式(I)で示さ
れるベンゾフェノン化合物の量は、重合末端リチウム原
子1当量に対し、 0.2〜1.5 当量程度の割合が好まし
い。なお、破壊特性や転動抵抗性能の面から、前記一般
式(I)で示されるベンゾフェノン化合物を反応させる
前に、重合末端の一部を、四塩化スズなどのカップリン
グ性化合物と反応させ、分岐状共重合体を含有させてお
くのも有効である。このような分岐状共重合体を形成さ
せる場合、四塩化スズなどのカップリング剤は、ベンゾ
フェノン変性の効果を損なわない程度の量とする必要が
あり、重合末端リチウム原子1当量に対し、通常は 0.0
1 〜0.2 当量程度の割合で用いられる。
れるベンゾフェノン化合物の量は、重合末端リチウム原
子1当量に対し、 0.2〜1.5 当量程度の割合が好まし
い。なお、破壊特性や転動抵抗性能の面から、前記一般
式(I)で示されるベンゾフェノン化合物を反応させる
前に、重合末端の一部を、四塩化スズなどのカップリン
グ性化合物と反応させ、分岐状共重合体を含有させてお
くのも有効である。このような分岐状共重合体を形成さ
せる場合、四塩化スズなどのカップリング剤は、ベンゾ
フェノン変性の効果を損なわない程度の量とする必要が
あり、重合末端リチウム原子1当量に対し、通常は 0.0
1 〜0.2 当量程度の割合で用いられる。
【0020】本発明における原料ゴムは、以上説明した
ような変性スチレン/ブタジエン共重合体を主体とする
ものであるが、この変性共重合体を単独で用いることも
できるし、またこの変性共重合体を50重量%以上含有
し、50重量%までの範囲で他のジエン系ゴムをブレン
ドしたものを用いることもできる。ブレンドするのに適
したジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、未変性スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエ
ンゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムをブレ
ンドする場合は、原料ゴム全体の重量を基準として5重
量%以上配合するのが好ましく、したがってブレンド系
における好ましい配合割合は、上記変性共重合体50〜
95重量%および他のジエン系ゴム50〜5重量%であ
る。
ような変性スチレン/ブタジエン共重合体を主体とする
ものであるが、この変性共重合体を単独で用いることも
できるし、またこの変性共重合体を50重量%以上含有
し、50重量%までの範囲で他のジエン系ゴムをブレン
ドしたものを用いることもできる。ブレンドするのに適
したジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、未変性スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエ
ンゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムをブレ
ンドする場合は、原料ゴム全体の重量を基準として5重
量%以上配合するのが好ましく、したがってブレンド系
における好ましい配合割合は、上記変性共重合体50〜
95重量%および他のジエン系ゴム50〜5重量%であ
る。
【0021】本発明で用いるカーボンブラックとして
は、従来より使用されている補強性の異なる種々のカー
ボンブラック、例えば、SAF、ISAF、HAF、F
EF、SRF、GPF、MTなどが挙げられ、その種類
は特に限定されない。なおこれらのなかでも、窒素吸着
比表面積30〜130m2/g程度のカーボンブラック、
例えばISAF、HAF、FEFなどを用いるのが好ま
しい。カーボンブラックの添加量も特に制限されない
が、通常はゴム100重量部あたり10〜150重量部
程度が好ましく、より好ましくはゴム100重量部あた
り10〜80重量部程度である。
は、従来より使用されている補強性の異なる種々のカー
ボンブラック、例えば、SAF、ISAF、HAF、F
EF、SRF、GPF、MTなどが挙げられ、その種類
は特に限定されない。なおこれらのなかでも、窒素吸着
比表面積30〜130m2/g程度のカーボンブラック、
例えばISAF、HAF、FEFなどを用いるのが好ま
しい。カーボンブラックの添加量も特に制限されない
が、通常はゴム100重量部あたり10〜150重量部
程度が好ましく、より好ましくはゴム100重量部あた
り10〜80重量部程度である。
【0022】本発明で用いる前記一般式(II)のジニト
ロジアミン類として、具体的には以下の化合物が例示さ
れる。なお以下の例示において、−Zは次の基を表す。
ロジアミン類として、具体的には以下の化合物が例示さ
れる。なお以下の例示において、−Zは次の基を表す。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】このように、前記一般式(II)における連
結基Xは、2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳
香族基であり、上記第33例および第34例のように基
中にハロゲンを含むことができ、また第40例〜第43
例のように基中に酸素を含むことができる。これらのな
かでも、Xが鎖状脂肪族基、とりわけ炭素数4〜12の
鎖状脂肪族基、特にアルキレンである化合物が好適に使
用される。その他の好ましいXとしては、芳香族基、例
えばフェニレンやジフェニルメタン(二つのベンゼン環
のそれぞれから結合手が出る)が挙げられる。
結基Xは、2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳
香族基であり、上記第33例および第34例のように基
中にハロゲンを含むことができ、また第40例〜第43
例のように基中に酸素を含むことができる。これらのな
かでも、Xが鎖状脂肪族基、とりわけ炭素数4〜12の
鎖状脂肪族基、特にアルキレンである化合物が好適に使
用される。その他の好ましいXとしては、芳香族基、例
えばフェニレンやジフェニルメタン(二つのベンゼン環
のそれぞれから結合手が出る)が挙げられる。
【0030】また一般式(II)におけるR1 は、水素原
子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基であ
り、XおよびR1 がいずれも鎖状脂肪族基である場合に
は、上記第23例および第24例のようにR1 を介して
窒素原子同士がさらに連結し、X、R1 および2個の窒
素原子によって、環、例えばピペラジン環の如き6員環
を形成したものも包含される。
子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基であ
り、XおよびR1 がいずれも鎖状脂肪族基である場合に
は、上記第23例および第24例のようにR1 を介して
窒素原子同士がさらに連結し、X、R1 および2個の窒
素原子によって、環、例えばピペラジン環の如き6員環
を形成したものも包含される。
【0031】さらに、一般式(II)におけるR2 および
R3 は、互いに同じであってもまた異なってもよく、そ
れぞれ水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であ
る。なお、上記第12例、第13例、第22例および第
30例のように、R2 とR3 が結合して、両者が結合す
る炭素原子とともに環、例えば6員環を形成したものも
包含される。
R3 は、互いに同じであってもまた異なってもよく、そ
れぞれ水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であ
る。なお、上記第12例、第13例、第22例および第
30例のように、R2 とR3 が結合して、両者が結合す
る炭素原子とともに環、例えば6員環を形成したものも
包含される。
【0032】このようなジニトロジアミン類をゴムに配
合する場合の形態は任意であって、それぞれの化合物単
体、複数化合物の混合体、ゴム物性に影響を与えないク
レーなどの担体と混合したもの、さらには後述する各種
の配合剤と混合したものなどの形態がとりうる。したが
って、これらのいずれの形でも、変性共重合体ゴムを主
体とする原料ゴムに添加することができる。
合する場合の形態は任意であって、それぞれの化合物単
体、複数化合物の混合体、ゴム物性に影響を与えないク
レーなどの担体と混合したもの、さらには後述する各種
の配合剤と混合したものなどの形態がとりうる。したが
って、これらのいずれの形でも、変性共重合体ゴムを主
体とする原料ゴムに添加することができる。
【0033】ジニトロジアミン類の使用量は、原料ゴム
100重量部あたり 0.1〜10重量部であって、その量
があまり少ないと効果が不十分であり、また多すぎても
不経済となる。ジニトロジアミン類は、好ましくは原料
ゴム100重量部あたり 0.2〜3重量部の範囲で使用さ
れる。
100重量部あたり 0.1〜10重量部であって、その量
があまり少ないと効果が不十分であり、また多すぎても
不経済となる。ジニトロジアミン類は、好ましくは原料
ゴム100重量部あたり 0.2〜3重量部の範囲で使用さ
れる。
【0034】また本発明においては、ゴム業界で常用さ
れているその他の各種配合剤も、目的に応じて使用する
ことができる。例えば、クロラニル、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンのような有機過酸化物、核置換フェノールスル
フィド樹脂のような反応助剤、チアゾール類、チウラム
類、ジチオ酸類、グアニジン類のような各種加硫促進
剤、無水フタル酸、N−(シクロヘキシルチオ)フタル
イミドのようなスコーチリターダー、その他イオウ、充
填剤、ステアリン酸、しゃく解剤、亜鉛華、プロセスオ
イル、加工助剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワッ
クスなどが適宜使用される。これら配合剤の種類や量
は、必要に応じて選択することができ、本発明において
特に限定されるものでない。
れているその他の各種配合剤も、目的に応じて使用する
ことができる。例えば、クロラニル、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンのような有機過酸化物、核置換フェノールスル
フィド樹脂のような反応助剤、チアゾール類、チウラム
類、ジチオ酸類、グアニジン類のような各種加硫促進
剤、無水フタル酸、N−(シクロヘキシルチオ)フタル
イミドのようなスコーチリターダー、その他イオウ、充
填剤、ステアリン酸、しゃく解剤、亜鉛華、プロセスオ
イル、加工助剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワッ
クスなどが適宜使用される。これら配合剤の種類や量
は、必要に応じて選択することができ、本発明において
特に限定されるものでない。
【0035】なお、一般に天然ゴムや合成ゴムに配合剤
を配合する場合、その配合は基本的に二つの工程で行わ
れる。すなわち、カーボンブラックその他の充填剤、プ
ロセスオイル、ステアリン酸などは、ゴム温度120〜
220℃程度の比較的高温の第一工程で添加され、加硫
促進剤や加硫剤は、ゴム温度40〜120℃程度の比較
的低温の第二工程で添加される。本発明により前記一般
式(II)のジニトロジアミン類を前記変性共重合体ゴム
に配合するにあたって、その配合時期は特に制限され
ず、上記第一工程および第二工程のいずれで配合しても
よく、さらには別の工程で配合してもよい。しかし好ま
しくは、カーボンブラックなどが配合される第一工程で
添加され、その際の配合温度は、高温であるほうがゴム
物性の改良効果が大きいので、通常140〜200℃程
度が好ましく、さらには170℃以上がより好ましい。
を配合する場合、その配合は基本的に二つの工程で行わ
れる。すなわち、カーボンブラックその他の充填剤、プ
ロセスオイル、ステアリン酸などは、ゴム温度120〜
220℃程度の比較的高温の第一工程で添加され、加硫
促進剤や加硫剤は、ゴム温度40〜120℃程度の比較
的低温の第二工程で添加される。本発明により前記一般
式(II)のジニトロジアミン類を前記変性共重合体ゴム
に配合するにあたって、その配合時期は特に制限され
ず、上記第一工程および第二工程のいずれで配合しても
よく、さらには別の工程で配合してもよい。しかし好ま
しくは、カーボンブラックなどが配合される第一工程で
添加され、その際の配合温度は、高温であるほうがゴム
物性の改良効果が大きいので、通常140〜200℃程
度が好ましく、さらには170℃以上がより好ましい。
【0036】本発明のゴム組成物は、例えばタイヤの各
種部材、特にトレッド部として好ましく使用される。例
えばこのゴム組成物をトレッド部あるいはその他の部材
に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法により成
形して、タイヤとすることができる。
種部材、特にトレッド部として好ましく使用される。例
えばこのゴム組成物をトレッド部あるいはその他の部材
に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法により成
形して、タイヤとすることができる。
【0037】
【実施例】次に実施例を示して、本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは本発明の好ましい具体例を示すも
のであって、なんら本発明の範囲を限定するものでな
い。なお、以下の例において、量を表す%および部は、
特にことわらないかぎりそれぞれ重量%および重量部を
意味する。
説明するが、これらは本発明の好ましい具体例を示すも
のであって、なんら本発明の範囲を限定するものでな
い。なお、以下の例において、量を表す%および部は、
特にことわらないかぎりそれぞれ重量%および重量部を
意味する。
【0038】実施例で用いたジニトロジアミン類は次表
のとおりであり、以下それぞれの記号で表示する。
のとおりであり、以下それぞれの記号で表示する。
【0039】
【表1】A: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニト
ロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン B: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,4−ジアミノブタン C: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,12−ジアミノドデカン D: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,4−ジアミノベンゼン
ロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン B: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,4−ジアミノブタン C: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,12−ジアミノドデカン D: N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピ
ル)−1,4−ジアミノベンゼン
【0040】また以下の例において、ゴム物性の試験は
次の方法により行った。ムーニー粘度 原料ゴムにつき、 JIS K-6300 に準拠して、温度100
℃で測定した。ムーニースコーチ性 加硫前のゴム配合物につき、 JIS K-6300 に準拠して、
135℃で最低値より5ポイント上昇するまでの時間を
スコーチタイムとした。Tan δ(損失係数) 岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、静的
歪10%、振動数10Hz、動的歪振幅 0.25 %の条件
で、60℃、0℃および−20℃における値を測定し
た。60℃における tanδは転動抵抗に対応し、値が小
さいほど転動抵抗の低下効果が大きいことを意味し、一
方、0℃における tanδはウェットグリップ性に対応
し、また−20℃における tanδはアイスグリップ性に
対応し、それぞれ値が大きいほどグリップ性の向上効果
が大きいことを意味する。引張応力(M300 ) JIS K-6301 に準拠し、ダンベル状試験片にて測定し
た。
次の方法により行った。ムーニー粘度 原料ゴムにつき、 JIS K-6300 に準拠して、温度100
℃で測定した。ムーニースコーチ性 加硫前のゴム配合物につき、 JIS K-6300 に準拠して、
135℃で最低値より5ポイント上昇するまでの時間を
スコーチタイムとした。Tan δ(損失係数) 岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、静的
歪10%、振動数10Hz、動的歪振幅 0.25 %の条件
で、60℃、0℃および−20℃における値を測定し
た。60℃における tanδは転動抵抗に対応し、値が小
さいほど転動抵抗の低下効果が大きいことを意味し、一
方、0℃における tanδはウェットグリップ性に対応
し、また−20℃における tanδはアイスグリップ性に
対応し、それぞれ値が大きいほどグリップ性の向上効果
が大きいことを意味する。引張応力(M300 ) JIS K-6301 に準拠し、ダンベル状試験片にて測定し
た。
【0041】変性スチレン/ブタジエン共重合体ゴムの
合成例 攪拌機およびジャケット付きの反応器を用い、窒素雰囲
気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタジエン、テトラ
ヒドロフランおよびスチレンを仕込み、30℃に調節し
たあとn−ブチルリチウムを添加し、重合を開始する。
70℃まで昇温後、2時間重合を行い、重合転化率10
0%に達したあと少量の四塩化スズを加え、70℃で1
5分間カップリング反応を行う。その後4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを加え、60℃で3
0分間変性反応を行う。得られた共重合体溶液に2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加したあと、ス
チームストリッピングにより脱溶媒し、さらに110℃
の熱ロールで乾燥することにより、変性共重合体を得
る。得られた共重合体のスチレン含量およびビニル結合
量は、赤外分光光度計を用いて測定した。以上の操作に
従って、1,3−ブタジエン、スチレン、テトラヒドロ
フラン、n−ブチルリチウム、四塩化スズおよびベンゾ
フェノン化合物を変量することにより、以下に示す変性
スチレン/ブタジエン共重合体ゴムを製造した。
合成例 攪拌機およびジャケット付きの反応器を用い、窒素雰囲
気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタジエン、テトラ
ヒドロフランおよびスチレンを仕込み、30℃に調節し
たあとn−ブチルリチウムを添加し、重合を開始する。
70℃まで昇温後、2時間重合を行い、重合転化率10
0%に達したあと少量の四塩化スズを加え、70℃で1
5分間カップリング反応を行う。その後4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを加え、60℃で3
0分間変性反応を行う。得られた共重合体溶液に2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加したあと、ス
チームストリッピングにより脱溶媒し、さらに110℃
の熱ロールで乾燥することにより、変性共重合体を得
る。得られた共重合体のスチレン含量およびビニル結合
量は、赤外分光光度計を用いて測定した。以上の操作に
従って、1,3−ブタジエン、スチレン、テトラヒドロ
フラン、n−ブチルリチウム、四塩化スズおよびベンゾ
フェノン化合物を変量することにより、以下に示す変性
スチレン/ブタジエン共重合体ゴムを製造した。
【0042】 SBR−1: スチレン含量 24% ビニル結合量 34% ムーニー粘度 45ML1+4(100℃) SBR−2: スチレン含量 15% ビニル結合量 31% ムーニー粘度 51ML1+4(100℃)
【0043】実施例1
【0044】
【表2】 〈配合処方〉 変性スチレン/ブタジエンゴム(SBR−1またはSBR−2) 100部 ISAFブラック(N220) 45部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 2部 老化防止剤 2部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 ジニトロジアミン類 表3、表4記載
【0045】バンバリーミキサーとして東洋精機製の2
50mlラボプラストミルを用い、オイルバス温度175
℃で、上記配合処方に基づきスチレン/ブタジエンゴム
に、ジニトロジアミン類、カーボンブラック、ステアリ
ン酸および亜鉛華を投入し、50rpm のミキサー回転数
で15分間混練した。このときのゴム温度は、165〜
193℃であった。
50mlラボプラストミルを用い、オイルバス温度175
℃で、上記配合処方に基づきスチレン/ブタジエンゴム
に、ジニトロジアミン類、カーボンブラック、ステアリ
ン酸および亜鉛華を投入し、50rpm のミキサー回転数
で15分間混練した。このときのゴム温度は、165〜
193℃であった。
【0046】次にこの配合物をオープンミルに移し、6
0〜70℃の温度で、上記配合処方に示した老化防止
剤、加硫促進剤およびイオウを添加し、混練した。混練
後の試料の一部を前記ムーニースコーチ性の試験に供
し、また混練後の試料の残りは、加硫プレスにより17
0℃で25分間加硫したあと、前記 tanδおよび引張応
力の測定に供した。これらの試験結果を、配合処方の変
量値とともに表3および表4に示した。
0〜70℃の温度で、上記配合処方に示した老化防止
剤、加硫促進剤およびイオウを添加し、混練した。混練
後の試料の一部を前記ムーニースコーチ性の試験に供
し、また混練後の試料の残りは、加硫プレスにより17
0℃で25分間加硫したあと、前記 tanδおよび引張応
力の測定に供した。これらの試験結果を、配合処方の変
量値とともに表3および表4に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】実施例2
【0050】
【表5】 〈配合処方〉 変性スチレン/ブタジエンゴム(SBR−1) 70部 天然ゴム(RSS#1)または 30部 ブタジエンゴム(BR01:日本合成ゴム(株)製) HAFブラック(N330) 50部 ステアリン酸 2部 亜 鉛 華 3部 老化防止剤 2部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 ジニトロジアミン類 表6記載
【0051】原料ゴムを変性スチレン/ブタジエンゴム
と天然ゴムまたはブタジエンゴムとのブレンド系にした
上記配合処方に基づき、実施例1と同様の実験を行っ
た。実験結果を、配合処方の変量値とともに表6に示し
た。
と天然ゴムまたはブタジエンゴムとのブレンド系にした
上記配合処方に基づき、実施例1と同様の実験を行っ
た。実験結果を、配合処方の変量値とともに表6に示し
た。
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】本発明のゴム組成物を採用したタイヤ
は、転動抵抗が小さく、かつ湿潤路面ならびに雪上およ
び氷結路面でのブレーキ制動性に優れたものとなる。す
なわち本発明に従って、特定のスチレン/ブタジエンゴ
ムにジニトロジアミン類を配合することにより、転動抵
抗に対応する60℃付近の tanδを低下させるととも
に、アイスグリップ性およびウェットグリップ性に対応
する−20℃付近および0℃付近の tanδを上昇させる
ことができる。またこのようにジニトロジアミン類を配
合することにより、機械的強度を向上させることができ
る。したがってかかるゴム組成物を、タイヤ部材、例え
ばトレッド部に適用した場合には、車の低燃費化による
経済性の改善が期待されるとともに、湿潤路面ならびに
雪上および氷結路面でのブレーキ制動性の向上による安
全性の改善が期待される。
は、転動抵抗が小さく、かつ湿潤路面ならびに雪上およ
び氷結路面でのブレーキ制動性に優れたものとなる。す
なわち本発明に従って、特定のスチレン/ブタジエンゴ
ムにジニトロジアミン類を配合することにより、転動抵
抗に対応する60℃付近の tanδを低下させるととも
に、アイスグリップ性およびウェットグリップ性に対応
する−20℃付近および0℃付近の tanδを上昇させる
ことができる。またこのようにジニトロジアミン類を配
合することにより、機械的強度を向上させることができ
る。したがってかかるゴム組成物を、タイヤ部材、例え
ばトレッド部に適用した場合には、車の低燃費化による
経済性の改善が期待されるとともに、湿潤路面ならびに
雪上および氷結路面でのブレーキ制動性の向上による安
全性の改善が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若槻 築 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 辻 光慈 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】(A)スチレンとブタジエンとを共重合さ
せて得られる共重合体の重合末端に、一般式(I) 【化1】 (式中、Qはメチルまたはエチルを表す)で示されるベ
ンゾフェノン化合物が導入されており、 (1)スチレン単位が3〜30重量%、ブタジエン単位
が97〜70重量%であり、 (2)ブタジエン部分のビニル結合量が25重量%以上
であり、かつ (3)ML1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が3
0〜80 である変性スチレン/ブタジエン共重合体を主体とする
原料ゴム、 (B)カーボンブラック、および (C)前記原料ゴム100重量部あたり、 0.1〜10重
量部の一般式(II) 【化2】 (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含むこ
とができ; R1 は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪
族基または芳香族基であるが、XおよびR1 がいずれも
鎖状脂肪族基である場合は、R1 を介して窒素原子同士
が互いにさらに連結してもよく; R2 およびR3 はそ
れぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜12のアルキ
ル基であり、R2とR3 が結合して環を形成してもよ
い)で示されるジニトロジアミン類を含有してなること
を特徴とするゴム組成物。 - 【請求項2】原料ゴムが、実質的に前記変性スチレン/
ブタジエン共重合体からなる請求項1記載のゴム組成
物。 - 【請求項3】原料ゴムが、前記変性スチレン/ブタジエ
ン共重合体50重量%以上、および他のジエン系ゴム5
0重量%以下からなる請求項1記載のゴム組成物。 - 【請求項4】原料ゴムが、前記変性スチレン/ブタジエ
ン共重合体50〜95重量%、および他のジエン系ゴム
50〜5重量%のブレンド系である請求項3記載のゴム
組成物。 - 【請求項5】他のジエン系ゴムが、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、未変性スチレン/ブタジエン共重合ゴム、およ
びブタジエンゴムから選ばれる請求項3または4記載の
ゴム組成物。 - 【請求項6】一般式(II)におけるXが炭素数4〜12
の鎖状脂肪族基である請求項1〜5のいずれかに記載の
ゴム組成物。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成
物から製造されたタイヤ。 - 【請求項8】当該ゴム組成物をトレッド部に用いた請求
項7記載のタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27538491A JP3094176B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | タイヤ用として好適なゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27538491A JP3094176B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | タイヤ用として好適なゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112675A true JPH05112675A (ja) | 1993-05-07 |
JP3094176B2 JP3094176B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=17554743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27538491A Expired - Fee Related JP3094176B2 (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | タイヤ用として好適なゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094176B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-23 JP JP27538491A patent/JP3094176B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3094176B2 (ja) | 2000-10-03 |
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