JPH0454015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は観音開き型バツクドアのセンターシー
ル構造に関する。

従来の技術 観音開き型のバツクドアを備えた車両にあつて
は、該バツクドアが取り付く車体開口部の中央部
にはピラーが存在しないため、何れか一方のドア
の自由端部に他方のドアのウエザーストリツプを
密接させて、これら両ドアのセンターパーテイン
グ部をシールするようにしている。これを、第６
〜１１図によつて説明すると１，２は車幅方向に
２分されて、車体３の後部開口部４に図外のドア
ヒンジにより開放自在に装着したドアで、一方の
ドア１を先閉まり側とし、他方のドア２を後閉ま
り側としてある。この後閉まり側のドア２の全周
縁にはウエザーストリツプ５を装着してある一
方、先閉まり側のドア１の上、下縁部からヒンジ
側の側縁部に亘つてウエザーストリツプ６を後面
コ字形に装着してある。先閉まり側のドア１の自
由端側の縁部には、ドア本体７の端壁７ａ中央部
からドアサツシユ８の側壁中央部に亘つて上下方
向に一連のシール縁９を張り出し成形してあつ
て、このシール縁９上に後閉まり側のドア２のウ
エザーストリツプ６を密接させて、これら両ドア
１，２のセンターパーテイング部をシールできる
ようになつている。また、前記先閉まり側のドア
１のウエザーストリツプ６の上下端末部には、コ
ーナーピースＣ・Ｐを付帯成形して、シール縁９
の上下端末部分ではこれらコーナーピースＣ・Ｐ
上に、前記後閉まり側のドア２のウエザーストリ
ツプ５のコーナーＣ部分を密接させてシールを行
えるようになつている。この類似構造は、例えば
実開昭61−78017号公報に示されている。

考案が解決しようとする問題点 前記コーナーピースＣ・Ｐは、ウエザーストリ
ツプ６の端末に一体に連接して、ドア本体７の端
壁７ａにクリツプ固定されるシールプレート１０
と、このシールプレート１０の前縁からウエザー
ストリツプ６と略同一高さで側方へ一体に張り出
し成形されたシールフランジ１１とからなつてい
て、該シールフランジ１１と後閉まり側のドア２
のウエザーストリツプ５とがオーバーラツプして
密接するようなつている。ところが、特にドア下
側部では、シールプレート１０と側壁７ａとの密
接部に水が浸透し、あるいはシール縁９を流下し
てシールフランジ１１との継目から水が浸透する
と、第１０図矢印ａで示すように水が室内側に侵
入してしまい、品質感、信頼性を損なつてしまう
不具合があつた。そこで、本考案は特にドア下側
部でのコーナーピース部分でのシールを徹底する
ことができて、品質感、信頼性を高めることがで
きる観音開き型バツクドアのセンターシール構造
を提供するものである。

問題点を解決するための手段 先き閉まり側のドアの上、下縁部からヒンジ側
の縁部に亘つて後面コ字形に装着されたウエザー
ストリツプの上下端末に付帯成形したコーナーピ
ースのうち、下側のコーナーピースは、ウエザー
ストリツプ端末に連接するベース部と、このベー
ス部端に一体成形されてドア端壁に装着されるシ
ールプレートと、このシールプレートの前縁より
同一高さで側方へ一体に張り出し成形されて、該
先閉まり側のドアの自由端側の縁部に張り出し成
形されたシール縁に部分的に重合するシールフラ
ンジとで構成してある。そして、このシールフラ
ンジの背面から前記ベース部の前側上縁に亘つ
て、前記シール縁の下端を受容し、かつ、ドア底
面に先端が密接するシールリツプを一体成形し
て、このシールリツプで樋部を形成し、かつ、ベ
ース部後縁にはこの樋部に連なる排水溝を形成し
てある。

作 用 シールプレートとドアの端壁との密接部、およ
びシールフランジとシール縁との密接部を浸透し
た水は、樋部で捕捉されて、該樋部から排水溝に
流下して車外へ排水される。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面と共に前記従来
の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第１〜６図において、バツクドアが、車幅方向
に２分された先閉まり側のドア１と後閉まり側の
ドア２とで構成されている点、後閉まりドア２に
はその全周縁にウエザーストリツプ５を装着して
ある一方、先閉まりドア１にはその上、下縁部か
らヒンジ側縁部に亘つてウエザーストリツプ６を
装着してある点、該ウエザーストリツプの自由端
側端末にコーナーピースＣ・Ｐを付帯成形すると
共に、ドア自由端側の縁部にシール縁９を張り出
し成形して、これらシール縁９からコーナーピー
スＣ・Ｐ上に亘つて、前記後閉まり側のドア２の
ウエザーストリツプ５を密接させてセンターパー
テイング部をシールするようにした点、等の基本
的な構造は前記従来と同様である（第６〜９図参
照）。ここで、前記コーナーピースＣ・Ｐのうち、
下側のコーナーピースＣ・Ｐは、ウエザーストリ
ツプ６よりも拡幅成形されて、このウエザースト
リツプ６端と連設するベース部１５と、このベー
ス部１５端に一体成形されてドア端壁７ａに外側
からリテーナプレート１４を介して図外のクリツ
プにより固定されるシールプレート１６と、この
シールプレート１６の前縁より同一高さで側方へ
一体に張り出し成形されて前記シール縁９に部分
的に重合するシールフランジ１７とで構成してあ
る。また、このシールフランジ１７の背面から、
前記ベース部１５の前側上縁に亘つて、シール縁
９の下端を袋状に受容し、かつ、ドア底面に先端
が密接するシールリツプ１８を一体成形してあ
る。更に、ベース部１５には、その上面にシール
リツプ１５と交差するリブ、本実施例では２条の
リブ１９，１９を前後方向に突設して、これらシ
ールリツプ１８とリブ１９とで樋部２０を形成し
てあり、かつ、ベース部１５後縁には前記樋部２
０に連なる排水溝２１を形成してある。コーナー
ピースＣ・Ｐのベース部１５を前述のようにウエ
ザーストリツプ６よりも拡幅成形してあるため、
ドア本体７のウエザーストリツプ装着棚部は第２
図破線で示すように、該ベース部１５に相当する
部分を拡幅成形してある。また、本実施例にあつ
ては、シールプレート１６の背面にはクリツプ挿
通孔１６ａよりも下側の部位に前後方向に斜状に
リブ２２を突設して後述するように、より一層水
侵入防止を徹底するようにしてある。

以上の実施例構造によれば、雨水や洗車水等が
先閉まり側のドア１のドア端壁７ａやシール縁９
に伝わつて流下し、下側のコーナーピースＣ・Ｐ
に至ると、シールフランジ１７はシールプレート
１６と同一高さで一体成形してあつて、シール縁
９と密接してあるため、シール縁９を伝わつて流
下した水の殆どはシールフランジ１７外側面上を
伝わつて流下して車外へ排水されるが、該シール
縁９とシールフランジ１７との密接部を水の一部
が浸透したとしても、シールリツプ１８で形成さ
れる樋部２０により捕捉される。一方、ドア端壁
７ａを伝わつて流下する水も、その殆どがシール
プレート１６の外側面上を伝わつて流下して車外
へ排水されるが、該ドア端壁７ａとシールプレー
ト１６との密接部や、クリツプ挿通孔１６ａを通
して浸透しても、この水は初めにシールプレート
１６背面のリブ２２でせき止められてその斜面に
沿つて車外へ排水される。水がこのリブ２２を乗
り越えて浸透したとしても、前述のシールリツプ
１８、およびベース部１５上面のリブ１９で形成
される樋部２０で捕捉される。特にリブ１９は２
条形成して水の捕捉を多段に行えるため、ウエザ
ーストリツプ６側への水の浸透は回避される。そ
して、前記シールフランジ１７の裏側およびシー
ルプレート１６の裏側の何れから水が浸透して
も、このように樋部２０で確実に捕捉できるた
め、案内側への水の侵入を防止することができ、
この樋部２０で捕捉した水は、該樋部２０に連な
る排水溝２１より第４図矢印ｂで示すように車外
へ排水し、下側のコーナーピースＣ・Ｐ周りの水
侵入防止対策を徹底できる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、先閉まり側ドア
の自由端側下側のコーナーピースは、そのシール
フランジをシールプレートと同一高さで張り出し
成形して、シール縁と部分的に重合してあるた
め、シール縁を流下する水の殆どをこのシールフ
ランジ外側面上を流下させて排水することができ
る。そして、万一、該シールフランジとシール縁
との密接部、あるいはシールプレートとドア端壁
との密接部を水が浸透しても、シールフランジ背
面からベース部前側上縁に亘つて形成したシール
リツプと、ベース部上面にシールリツプと交差し
て前後方向に形成したリブとにより形成した樋部
で捕捉して、該ベース部後縁の排水溝より車外へ
排水することができるので、室内側への水侵入を
確実に防止することができ、下側コーナーピース
周りのシールを完璧におこなえて、品質感、信頼
性を一段と向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部を示す斜視図、第２図は
同断面図、第３図は下側のコーナーピースの斜視
図、第４図、第５図は第３図の矢視図、矢視
図、第６図は下側コーナーピースが配置されるド
ア端部の斜視図、第７図は本考案の対象とするバ
ツクドアを備えた車両の後面図、第８図、第９図
は各ドアに装着されるウエザーストリツプの概略
図、第１０図は従来の構造を示す断面図、第１１
図は同斜視図である。 １……先閉まり側のドア、２……後閉まり側の
ドア、５，６ウエザーストリツプ、７ａ……ドア
端壁、９……シール縁、１５……ベース部、１６
……シールプレート、１７……シールフランジ、
１８……シールリツプ、１９……リブ、２０……
樋部、２１……排水溝、Ｃ・Ｐ……コーナーピー
ス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車幅方向に２分された先き閉まり側のドアと後
   閉まり側のドアとを備え、該後閉まり側のドアに
   はその全周縁にウエザーストリツプを装着する一
   方、先閉まり側のドアにはその上、下縁部からヒ
   ンジ側縁部に亘つてウエザーストリツプを装着し
   て、このウエザーストリツプの自由端側端末にコ
   ーナーピースを付帯成形すると共に、ドア自由端
   側の縁部にシール縁を張り出し成形して、これら
   シール縁からコーナーピース上に亘つて、前記後
   閉まり側のドアのウエザーストリツプを密接させ
   てセンターパーテイング部をシールするようにし
   た構造において、前記先閉まり側のドアのウエザ
   ーストリツプ端末のコーナーピースのうち、下側
   のコーナーピースは、ウエザーストリツプ端末に
   連接するベース部と、このベース部端に一体成形
   されてドア端壁に装着されるシールプレートと、
   このシールプレートの前縁より同一高さで側方へ
   一体に張り出し成形されて前記シール縁に部分的
   に重合するシールフランジとを備え、前記シール
   フランジの背面からベース部の前側上縁に亘つ
   て、前記シール縁の下端を受容し、かつ、ドア底
   面に先端が密接するシールリツプを一体成形し
   て、このシールリツプで樋部を形成し、かつ、ベ
   ース部後縁には前記樋部に連なる排水溝を形成し
   たことを特徴とする観音開き型バツクドアのセン
   ターシール構造。