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JPH04312597A - α−グリコシル フラボン類とその製造方法並びに用途 - Google Patents

α−グリコシル フラボン類とその製造方法並びに用途

Info

Publication number
JPH04312597A
JPH04312597A JP3105221A JP10522191A JPH04312597A JP H04312597 A JPH04312597 A JP H04312597A JP 3105221 A JP3105221 A JP 3105221A JP 10522191 A JP10522191 A JP 10522191A JP H04312597 A JPH04312597 A JP H04312597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycosyl
weight
flavone
quercetin
flavones
Prior art date
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Granted
Application number
JP3105221A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3163502B2 (ja
Inventor
Masaru Yoneyama
勝 米山
Satoshi Nakamura
敏 中村
Toshio Miyake
俊雄 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd filed Critical Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority to JP10522191A priority Critical patent/JP3163502B2/ja
Publication of JPH04312597A publication Critical patent/JPH04312597A/ja
Application granted granted Critical
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規α−グリコシル 
 フラボン類とその製造方法並びに用途に関し、更に詳
細には、フラボン類アグリコンとα−グリコシル糖化合
物とを含有する溶液に糖転移酸素を作用させて得られる
新規α−グリコシルフラボン類と、その作用によってα
−グリコシル  フラボン類を生成せしめ、これを採取
することを特徴とするα−グリコシル  フラボン類の
製造方法、並びに、この方法で得られるα−グリコシル
  フラボン類を含有せしめた飲食物、抗感受性疾患剤
、化粧品などの組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フラボン類は、フラボン骨格またはフラ
ボノール骨格を有し、これに、通常、グルコース、ラム
ノースなどの糖類がβ−結合した配糖体として、植物界
に広く分布しており、フラボン類アグリコンは、これら
植物から抽出、分離して得たこの配糖体を酸または酵素
で加水分解し、糖を分離して調製される。
【0003】フラボン類アグリコンは、化学構造上、大
きな共鳴構造を有しており、黄色着色性、酸化防止作用
、ビタミンP作用、紫外線吸収作用などを有し、飲食物
、医薬品、化粧品などへの応用が期待されている。
【0004】しかしながら、フラボン類アグリコンは、
親水性有機溶媒に溶けるものの、通常、水に難溶または
不溶で、その取扱いは極めて困難である。
【0005】一方、フラボン類アグリコンが天然に多量
に存在する例として、プロポリス(propolis)
がある。プロポリスは、「プロポリス・イン・ナチュラ
ル・テラピューティクス(Propolis  in 
 natural  therapeutics)」、
マルワーヌ・エディテール・エス・アー(Maloin
eEditeur  S.A.)、パリ、フランス(1
983年)、フレグランスジャーナル、第83号、第3
6〜39頁(1987年)などにも記載されているよう
に、密蜂が巣箱内に貯蔵する樹脂状物で、これには樹脂
、ミツロウ、精油、花粉、フラボノイドなどが含まれて
おり、古くから種々の民間療法薬として利用されてきた
【0006】近年、プロポリス中のフラボノイドは、ク
リシン(chrysin)、アピゲニン(apigen
in)などのフラボンアグリコン、ケンフェロール(k
aempferol)、ガランギン(galangin
)、ケルセチン(quercetin)、ラムネチン(
rhamnetin)などのフラボノールアグリコンか
らなるフラボン類アグリコンを主成分としていることが
判明し、プロポリスの中心的薬効成分として注目されて
いる。
【0007】プロポリスからのフラボン類アグリコンの
調製は、メタノール、エタノールなどの親水性有機溶媒
で抽出して行なわれ、現在では、この抽出液がプロポリ
スエキス(またはプロポリス  チンキ)として市販さ
れるようになってきた。
【0008】しかしながら、このフラボン類アグリコン
も、前述のフラボン類アグリコンの場合と同様に、親水
性有機溶媒には溶解するものの、水には難溶または不溶
であって、使用上、大きな制限を余儀なくされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のフラボン類アグ
リコンの欠点を解消し、水溶性に優れ、毒性の懸念もな
く、加えて、生体内で生理活性を充分発揮しうるフラボ
ン類アグリコン誘導体の実現が強く望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記欠点を解
消するためになされたものであって、とりわけ、生化学
的手法を利用して、新規フラボン類アグリコン誘導体を
目指して鋭意研究した。
【0011】その結果、フラボン類アグリコンとα−グ
ルコシル糖化合物とを含有する溶液に糖転移酵素を作用
させることにより、水溶性に優れ、毒性の懸念もなく、
生体内で容易に加水分解され、フラボン類アグリコン本
来の生理活性を発揮しうる新規α−グリコシル  フラ
ボン類が生成しうることを見い出し、その製造方法並び
に飲食物、感受性疾患の予防剤、治療剤、化粧品などへ
の用途を確立して本発明を完成した。
【0012】また、この糖転移反応により生成したα−
グリコシル  フラボン類を精製するに際しては、その
反応溶液と多孔性合成吸着剤とを接触させ、その吸着性
の違いを利用することにより、容易に精製できることも
見い出し本発明を完成した。
【0013】従って、本発明のα−グリコシル  フラ
ボン類の製造方法は、従来技術の欠点を一挙に解消し、
その工業化の実現を極めて容易にするものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明でいうフラボン類アグリコンとは、
化学構造上、2位の炭素と3位の炭素間の結合をも含め
て、その骨格全域に及ぶ共鳴構造を有しているフラボン
アグリコンまたはフラボノールアグリコンをいう。
【0016】本発明で使用されるフラボン類アグリコン
としては、とりわけ、1分子につき2個以上のOH基を
有しているアグリコンが適しており、例えば、クリシン
、アピゲニン、ルテオリン(luteolin)などの
フラボンアグリコン、ケンフェロール、ガランギン、ケ
ルセチン、ラムネチン、ミリセチン(myriceti
n)、ゴシペチン(gossypetin)などのフラ
ボノールアグリコンから選ばれる一種または二種以上の
アグリコンが好適である。また、これらのフラボン類ア
グリコンを、通常、数種以上含有しているプロポリス由
来のフラボン類アグリコン混合物も有利に使用できる。
【0017】プロポリス由来のフラボン類アグリコンと
しては、高度に精製したものばかりでなく、プロポリス
を親水性有機溶媒で抽出して得たエキス、または、これ
から脱ロウした部分精製物、更には、プロポリスを煎じ
出した懸濁液、プロポリスをアルカリ性溶液で抽出して
得たエキスなどが適宜使用できる。また、必要に応じて
、フラボン類アグリコンの市販品を用いることも、更に
は、化学的に合成して用いることも随意である。
【0018】本発明に用いるα−グルコシル糖化合物は
、同時に用いる糖転移酵素によってフラボン類アグリコ
ンからα−グリコシル  フラボン類を生成することの
できるものであればよく、例えば、アミロース、デキス
トリン、シクロデキストリン、マルトオリゴ糖などの澱
粉部分加水分解物、更には、液化澱粉、糊化澱粉などが
適宜選ばれる。
【0019】従って、α−グリコシル  フラボン類の
生成を容易にするためには、糖転移酵素に好適なα−グ
ルコシル糖化合物が選ばれる。
【0020】例えば、糖転移酵素として、α−グルコシ
ダーゼ(EC  3.2.1.20)を用いる際には、
マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオースな
どのマルトオリゴ糖、またはDE約10乃至70の澱粉
部分加水分解物などが好適であり、シクロマルトデキス
トリン  グルカノトランスフェラーゼ(EC2.4.
1.19)を用いる際には、シクロデキストリンまたは
DE1以下の澱粉糊化物からDE約60の澱粉部分加水
分解物などが好適であり、α−アミラーゼ(EC3.2
.1.1)を用いる際には、DE1以下の澱粉糊化物か
らDE約30のデキストリン、澱粉部分加水分解物など
が好適である。
【0021】また、反応時のα−グルコシル糖化合物濃
度は、フラボン類アグリコンに対して約0.5乃至10
0倍、望ましくは約2乃至20倍の範囲が好適である。
【0022】反応時のフラボン類アグリコン含有液は、
フラボン類アグリコンをできるだけ高濃度に含有するも
のが望ましく、例えば、フラボン類アグリコンを、懸濁
状で、または、高温で溶解させた、有機溶媒存在下で溶
解させた、もしくはpH7.0を越えるアルカリ側pH
で溶解させた溶液状で高濃度に含有する溶液が適してお
り、その濃度は約1W/V%以上の高濃度、望ましくは
、約2乃至20.0W/V%含有している溶液を意味す
る。
【0023】本発明に用いる糖転移酵素は、フラボン類
アグリコンとこの酵素に好適な性質のα−グルコシル糖
化合物とを含有する溶液に作用させる時、フラボン類ア
グリコンを分解せずにα−グリコシル  フラボン類を
生成するものであれがよい。
【0024】例えば、α−グルコシダーゼは、ブタの肝
臓、ソバの種子などの動植物組織由来の酵素、または、
ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penic
ililum)属などに属するカビ、またはサッカロミ
セス(Saccharomyces)属などに属する酵
母などの微生物を栄養培地で培養し得られる培養物由来
の酵素が、シクロマルトデキストリン  グルカノトラ
ンスフェラーゼは、バチルス(Bacillus)属、
クレブシーラ(Klebsiella)属などに属する
細菌培養物由来の酵素が、α−アミラーゼは、バチルス
属などに属する細菌、または、アスペルギルス(Asp
ergillus)属などに属するカビ培養物由来の酵
素などが適宜選択できる。
【0025】これらの糖転移酵素は、前記の条件を満足
しさえすれば、必ずしも精製して使用する必要はなく、
通常は、粗酵素で本発明の目的を達成することができる
【0026】必要ならば、公知の各種方法で精製して使
用してもよい。また、市販の糖転移酵素を利用すること
もできる。
【0027】使用酵素量と反応時間とは、密接な関係が
あり、通常は、経済性の点から約5乃至80時間で反応
を終了するように酵素量が選ばれる。
【0028】また、固定化された糖転移酵素をバッチ式
で繰り返し、または連続式で反応に利用することも適宜
選択できる。
【0029】また、反応溶液中のフラボン類アグリコン
の分解を防ぐために、反応はできるだけ、遮光、嫌気下
条件で行なうことが望ましい。
【0030】このようにしてα−グリコシル  フラボ
ン類を生成せしめた反応溶液は、そのままでα−グリコ
シル  フラボン類製品にすることもできる。通常は、
反応溶液を濾過、濃縮してシラップ状の、更には、乾燥
、粉末化して粉末状のα−グリコシル  フラボン類製
品にする。
【0031】本製品は、ビタミンP強化剤としてばかり
でなく、安全性の高い天然型の黄色着色剤、酸化防止剤
、消臭剤、安定剤、品質改良剤、抗菌剤、予防剤、治療
剤、紫外線吸収剤などとして、他の原材料などと配合し
て、食物、嗜好物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、化粧
品、プラスチック製品などの用途に有利に利用できる。
【0032】更に、精製されたα−グリコシル  フラ
ボン類製品を製造する場合には、多孔性合成吸着剤によ
る吸着性の差を利用してα−グリコシル  フラボン類
とα−グルコシル糖化合物などの夾雑物とを分離して精
製すればよい。
【0033】本発明でいう多孔性合成吸着性とは、多孔
性で広い吸着表面積を有し、かつ非イオン性のスチレン
−ジビニルベンゼン重合体、フェノール−ホルマリン樹
脂、アクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂などの合
成樹脂であり、例えば、市販されているRohm  &
  Haas社製造の商品名アンバーライトXAD−1
、アンバーライトXAD−2、アンバーライトXAD−
4、アンバーライトXAD−7、アンバーライトXAD
−8、アンバーライトXAD−11、アンバーライトX
AD−12、三菱化成工業株式会社製造の商品名ダイヤ
イオンHP−10、ダイヤイオンHP−20、ダイヤイ
オンHP−30、ダイヤイオンHP−40、ダイヤイオ
ンHP−50、IMACTI社製造の商品名イマクティ
Syn−42、イマクティSyn−44、イマクティS
yn−46などがある。
【0034】本発明のα−グリコシル  フラボン類を
生成せしめた反応液の精製方法は、反応液を、例えば、
多孔性合成吸着剤を充填したカラムに通液すると、α−
グリコシル  フラボン類および比較的少量の未反応フ
ラボン類アグリコンが多孔性合成吸着剤に吸着するのに
対し、多量に共存するα−グルコシル糖化合物、水溶性
糖類は吸着されることなくそのまま流出する。
【0035】必要ならば、糖転移酵素反応終了後、多孔
性合成吸着剤に接触させるまでの間に、例えば、反応液
を中和するか、または加熱して生じる不溶物を濾過して
除去したり、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミン
酸マグネシウムなどで処理して反応液中の蛋白性物質な
どを吸着除去したり、イオン交換樹脂(H型およびOH
型)などで処理して脱塩するなどの精製方法を組み合せ
て利用することも随意である。
【0036】前述のようにして、多孔性合成吸着剤カラ
ムに選択的に吸着したα−グリコシル  フラボン類と
比較的少量の未反応フラボン類アグリコンとは、水など
で洗浄した後、比較的少量の有機溶媒または有機溶媒と
水との混合液、例えば、メタノール水、エタノール水な
どを通液すれば、まず、α−グリコシル  フラボン類
が溶出し、通液量を増すか有機溶媒濃度を高めるかすれ
ば未反応フラボン類アグリコンが溶出してくる。
【0037】このα−グリコシル  フラボン類高含有
溶出液を蒸溜処理して、まず有機溶媒を溜去した後、適
当な濃度にまで濃縮すればα−グリコシル  フラボン
類を主成分とするシラップ状製品が得られる。更に、こ
れを乾燥し粉末化することによって、α−グリコシル 
 フラボン類を主成分とする粉末状製品が得られる。
【0038】この有機溶媒によるα−グリコシル  フ
ラボン類および未反応フラボン類アグリコンの溶出操作
は、同時に、多孔性合成吸着剤の再生操作にもなるので
、この多孔性合成吸着剤の繰り返し使用を可能にする。
【0039】また、本発明の多孔性合成吸着剤による精
製は、α−グルコシル糖化合物、水溶性糖類だけでなく
、水溶性の塩類などの夾雑物も同時に除去できる特長を
有している。このようにして得られるα−グリコシル 
 フラボン類は、次の特長を有している。
【0040】(1)フラボン類アグリコンと比較してα
−グリコシル  フラボン類は、水溶性が極めて大きい
【0041】(2)フラボン類アグリコンと比較してα
−グリコシル  フラボン類は、耐光性、安定性が大き
い。
【0042】(3)α−グリコシル  フラボン類は、
フラボン類アグリコンと実質的に同等、若しくは、やや
弱い程度の黄色着色性を有する。
【0043】(4)α−グリコシル  フラボン類は、
体内の酵素によりフラボン類アグリコンとグルコースと
に加水分解され、フラボン類アグリコン本来の生理活性
(ビタミンP)を示す。また、ビタミンCとの併用によ
り、それらの持つ生理活性を増強させることができる。
【0044】(5)α−グルコシル糖化合物を含有する
製品の場合には、α−グリコシルフラボン類の効果を発
揮するのみならず、α−グルコシル糖化合物が賦形、増
量効果や、甘味効果を発揮することができ、また、α−
グルコシル糖化合物を除去した精製製品の場合には、ほ
とんど賦形、増量することなくα−グリコシル  フラ
ボン類の効果を発揮することができる。
【0045】これらの特長から、α−グリコシル  フ
ラボン類は安全性の高い天然型のビタミンP強化剤とし
てばかりでなく、黄色着色剤、酸化防止剤、消臭剤、安
定剤、品質改良剤、抗菌剤、予防剤、治療剤、紫外線吸
収剤などとして、他の原材料などと配合して、飲食物、
嗜好物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、美肌剤、色白剤
など化粧品、更には、プラスチック製品などに有利に利
用することができる。
【0046】とりわけ、本発明のα−グリコシル  フ
ラボン類は、近年、バイオフラボノイドとして注目され
ているルチン、ヘスペリジン、ナリンジンなどのフラボ
ノイド配糖体、更には、これら配糖体のα−グリコシル
糖誘導体などと併用して、ビタミンP作用を更に強化す
ることも有利に実施できる。
【0047】またα−グリコシル  フラボン類の呈味
は、酸味、塩から味、渋味、苦味、旨味などを呈する各
種物質ともよく調和し、耐酸性、耐熱性も大きいので、
普通一般の飲食物、嗜好物、例えば、調味料、和菓子、
洋菓子、氷菓、飲料、スプレッド、ペースト、漬物、ビ
ン缶詰、畜肉加工品、魚肉・水産加工品、乳・卵加工品
、野菜加工品、果実加工品、穀類加工品など広範に利用
することができる。更に、α−グリコシル  フラボン
類をステビオシド、α−グリコシル  ステビオシド、
レバウディオシドA、グリチルリチン、α−グリコシル
  グリチルリチン、ジヒドロカルコン類など植物由来
の甘味料、グリシン、アラニン、L−アスパラチル  
フェニルアラニンメチルエステルなどアミノ酸系甘味料
、シュクロース、水飴、砂糖結合水飴、ブドウ糖、異性
化糖、フラクトース、蜂密、マルトース、ソルビトール
、マルチトール、ラクトースなど糖類甘味料などから選
ばれる甘味料の一種または二種以上と併用して呈味改善
、風味向上などの目的で利用することも有利に実施でき
る。また、α−グリコシル  フラボン類が、果汁中の
フラボノイド化合物の晶出、沈澱を阻害するので、果汁
飲料、果汁入りゼリーなどのにごり防止剤、曇防止剤な
どとして利用することも有利に実施できる。更に、家畜
、家禽、密蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼料、餌
料などにビタミンP強化剤、嗜好性向上などの目的で配
合して利用することも好都合である。
【0048】その他、タバコ、トローチ、肝油ドロップ
、複合ビタミン剤、舌下剤、口中清涼剤、口中香錠、う
がい薬、経管栄養剤、生薬、内服薬、注射剤、練歯みが
き、口紅、リップクリーム、日焼け止めなど各種固状、
ペースト状、液状の嗜好物、感受性疾患の予防剤、治療
剤、すなわち、抗感受性疾患剤、美肌剤、色白剤、育毛
剤などの化粧品などに配合して利用することも有利に実
施でき、更には、紫外線吸収剤、劣化防止剤などとして
プラスチック製品などに配合して利用することも有利に
実施できる。
【0049】また、本発明でいう感受性疾患とは、α−
グリコシル  フラボン類によって予防され若しくは治
療される疾患であり、それが、例えば、ウィルス性疾患
、細菌性疾患、外傷性疾患、免疫疾患、リューマチ、糖
尿病、循環器疾患、悪性腫瘍、神経性疾患などであって
もよい。α−グリコシル  フラボン類の感受性疾患予
防剤、治療剤は、その目的に応じて形状を自由に選択で
きる。例えば、噴霧剤、点眼剤、点鼻剤、うがい剤、注
射剤などの液剤、軟膏、パップ剤、クリームのようなペ
ースト剤、粉剤、顆粒、カプセル剤、錠剤などの固剤な
どである。製剤に当たっては、必要に応じて、他の成分
、例えば、治療剤、生理活性物質、抗生物質、補助剤、
増量剤、安定剤、着色剤、着香剤などの一種または二種
以上と併用することも随意である。
【0050】投与量は、含量、投与経路、投与頻度など
によって適宜調節することができる。通常、α−グリコ
シル  フラボン類として、成人1日当り、約0.00
1乃至10.0グラムの範囲が好適である。
【0051】また、化粧品の場合も、大体、前述の予防
剤、治療剤に準じて利用することができる。
【0052】α−グリコシル  フラボン類を利用する
方法としは、それらの製品が完成するまでの工程で、例
えば、混和、混捏、溶解、浸漬、浸透、散布、塗布、噴
霧、注入など公知の方法が適宜選ばれる。
【0053】以下、本発明のα−グリコシル  フラボ
ン類の一例としてα−グリコシル  ケルセチンを実験
で詳細に説明する。
【0054】
【実験1】α−グリコシル  ケルセチンの調製(1)
糖転移反応ケルセチン1重量部およびデキストリン(D
E20)6重量部に水500重量部を加え、pH9.5
に調整した後、嫌気下で加熱溶解し、60℃に冷却後、
これにバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacil
lus    stearothermophilus
)由来のシクロマルトデキストリン  グルカノトラン
スフェラーゼ(株式会社林原生物化学研究所販売)をデ
キストリングラム当り40単位加え、pH8.5以上、
60℃に維持して嫌気下で18時間反応させた後、加熱
失活させ、α−グリコシル  ケルセチン含有液を得た
【0055】(2)精製(1)の方法で得た反応液を濾
過し、濾液を中和後、多孔性合成吸着剤、商品名ダイヤ
イオンHP−10(三菱化成工業株式会社販売)を充填
したカラムにSV2で通液した。このカラムを水で洗浄
後、50V/V%エタノールを通液し、この溶出液を濃
縮して溶媒を溜去し、粉末化して黄褐色のα−グリコシ
ル  ケルセチン標品[I]を原料のケルセチン重量に
対して約220%の収率で得た。
【0056】(3)アミラーゼによる加水分解(2)の
方法で得たα−グリコシル  ケルセチン標品[I]を
水に1W/V%に溶解し、これにグルコアミラーゼ(E
C  3.2.1.3、生化学工業株式会社販売)を該
標品グラム当り100単位加え、pH5.0、55℃に
維持して5時間反応させた。反応液を加熱して酵素を失
活させ、濾過し、濾液を多孔性合成吸着剤、商品名ダイ
ヤイオンHP−10(三菱化成工業株式会社販売)のカ
ラムにSV2で通液した。その結果、溶液中のα−グリ
コシル  ケルセチンと未反応ケルセチンとが多孔性合
成吸着剤に吸着し、グルコース、塩類などは吸着するこ
となく流出した。次いで、カラムを水で通液、洗浄した
後、エタノール水溶液濃度を段階的に高めながら通液し
、α−グリコシル  ケルセチン画分を採取し、減圧濃
縮し、粉末化して、黄褐色のα−グリコシル  ケルセ
チン標品[II]を固形物当り原料のケルセチン重量に
対して約50%の収率で得た。
【0057】
【実験2】α−グリコシル  ケルセチンの理化学的性
質(1)溶剤に対する溶解性α−グリコシル  ケルセ
チン標品は、水、0.1規定カセイソーダに易溶、メタ
ノール、エタノールに微溶、エーテル、ベンゼン、クロ
ロホルムに不溶。
【0058】(2)呈味ケルセチン、α−グリコシル 
 ケルセチン標品、[I]および標品[II]のそれぞ
れを直接口に含んでその呈味を比較したところ、ケルセ
チンは溶けないため砂を噛む時のように無味であるのに
対し、標品[I]および標品[II]は、どちらも温和
な甘味を示すことが判明した。
【0059】(3)紫外線吸収スペクトルα−グリコシ
ル  ケルセチン標品をケルセチンの場合と比較するた
め、メタノール溶液を用いて紫外線吸収スペクトルを調
べた。標品[I]および標品[II]は、いずれも、ケ
ルセチンの場合と同様に、吸収の強さの順に253nm
および373nm付近に吸収極大を有していた。
【0060】(4)赤外線吸収スペクトルKBr錠剤法
によって、α−グリコシル  ケルセチン標品の赤外線
吸収スペクトルを調べた。α−グリコシル  ケルセチ
ン標品[II]の結果を図1に示す。対照としてケルセ
チンの結果を図2に示す。
【0061】(5)加水分解に対する安定性(a)α−
グリコシル  ケルセチン標品は、ブタの肝臓由来のα
−グルコシダーゼ(EC  3.2.1.20)により
加水分解され、ケルセチンとD−グルコースとを生成す
る。
【0062】(b)β−グルコシダーゼによっては加水
分解されない。
【0063】(6)高速液体クロマトグラフィー(a)
分析方法装置;ウォーターズ社製、モデルM−6000
Aカラム;(株)島津テクノリサーチ製、商品名ODS
−Mカラム温度;53℃溶離液;水:メタノール:酢酸
=60:30:1流速;0.5mL/分検出;255n
【0064】(b)分析結果α−グリコシル  ケルセ
チン標品を分析したところ、標品[I]の場合には、保
持時間62分のケルセチンのピーク以外に、新たに54
分、44分、38分、33分、30分、26分、25分
、23分、21分、19分など多数のピークが認められ
、標品[II]の場合には、保持時間62分のケルセチ
ンに相当する小さなピーク以外に54分、38分の大き
な2つのピークが認められた。
【0065】以上の結果から、標品[I]に含まれる新
たなピークを示す物質は、ケルセチンにD−グルコース
残基が等モル以上α−結合したα−グリコシル  ケル
セチンと判断される。
【0066】標品[II]に含まれる新たなピークを示
す2つの物質は、ケルセチン骨格の異なる部位にD−グ
ルコース残基が結合したα−グリコシル  ケルセチン
と判断される。
【0067】このように、本願発明のα−グリコシル 
 ケルセチンはケルセチンにD−グルコース残基が等モ
ル以上α−結合した水溶性良好な新規ケルセチン糖誘導
体であって、生体内に摂取されると、α−グルコシダー
ゼによって容易に加水分解され、ケルセチン本来の生理
活性を発揮する。
【0068】(7)抗酸化作用濃度約1%のリノール酸
エタノール溶液10ml、50mMリン酸緩衝液10m
l、および水5mlを混合し、その混合液の5mlずつ
を5ml容フラスコに分注した。次いで、各々のフラス
コに濃度が200ppmとなるようにα−グリコシル 
 ケルセチン標品[I]および[II]を添加して密封
した後、50℃で遮光下に放置した。対照として、従来
から代表的な抗酸化剤として使用されているdl−α−
トコフェロールを用いた。各々のフラスコから所定の間
隔をおいて0.5mlずつ試料を採取し、それら試料中
に含まれるリノール酸の酸化に起因するヒドロペルオキ
シドを高速液体クロマトグラフィーにより分析した。そ
の分析は下記の条件で行った。
【0069】装置;ウォーターズ社製、モデルM−60
00Aカラム;(株)島津テクノリサーチ製、商品名O
DS−Mカラム温度;35℃溶離液;アセトニトリル:
水:酢酸=75:25:0.1流速;0.5ml/分検
出;235nm
【0070】その分析結果を表1に示す。
【0071】
【表1】相    対    強    度注)各試料
の値は、ヒドロペルオキシドに相当するピーク面積から
求めた。
【0072】表1に示す結果から、α−グリコシル  
ケルセチン標品[I]および[II]は、dl−α−ト
コフエロールより遥かに優れた抗酸化作用を示した。
【0073】
【実験3】急性毒性7週令のdd系マウスを使用して、
実験1(2)の方法で調製したα−グリコシル  ケル
セチン標品[I]を経口投与して急性毒性テストをした
ところ、5gまで死亡例は見られず、これ以上の投与は
困難であった。
【0074】従って、本物質の毒性は極めて低い。なお
、実験1(3)の方法で調製したα−グリコシル  ケ
ルセチン標品[II]を用いて本テストを行ったところ
、同様の結果を得、毒性の極めて低いことが判明した。
【0075】以下、本発明の実施例としてα−グリコシ
ル  フラボン類の製造例を実施例Aで、α−グリコシ
ル  フラボン類の用途例を実施例Bで述べる。
【0076】
【実施例  A−1】α−グリコシル  ケルセチンケ
ルセチン1重量部およびデキストリン(DE10)4重
量部を水200重量部に加え、pH9.8に調整した後
、嫌気下で加熱溶解し、60℃に冷却後直ちにバチルス
・ステアロサーモフィルス由来のシクロマルトデキスト
リン  グルカノトランスフェラーゼ(株式会社林原生
物化学研究所販売)をデキストリングラム当り40単位
加え、pH8.5以上、55℃に維持し撹拌しつつ嫌気
下で24時間反応させた。反応液を高速液体クロマトグ
ラフィーで分析したところ、ケルセチンの約50%が、
α−グリコシル  ケルセチン、α−マルトシル  ケ
ルセチン、α−マルトトリオシル  ケルセチンなどの
α−グリコシル  ケルセチンに転換していた。反応液
を中和後加熱して酵素を失活させ、濾過し、濾液を、常
法に従って、イオン交換樹脂(H型およびOH型)で脱
塩精製し、濃縮してシラップ状のα−グルコシル糖化合
物を含有するα−グリコシル  ケルセチン製品を、固
形物当り原料重量に対して約80%の収率で得た。
【0077】本品は、ビタミンP強化剤としてばかりで
なく、安全性の高い天然型の黄色着色防止剤、酸化防止
剤、安定剤、品質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収
剤などとして、他の原材料などと配合して、飲食物、嗜
好物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、化粧品、プラスチ
ック製品などの用途に有利に利用できる。
【0078】
【実施例  A−2】α−グリコシル  ケルセチン実
施例A−1の方法に準じて調製したシラップ状のα−グ
リコシル糖化合物を含有するα−グリコシル  ケルセ
チン製品1重量部を水4重量部に溶解し、これにグルコ
アミラーゼ(EC  3.2.1.3、生化学工業株式
会社販売)をα−グリコシル  ケルセチン製品固形物
グラム当り100単位加え、50℃、5時間反応させた
。反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、α−グリコシル  ケルセチンは、結合部位の異な
る2種のα−グリコシル  ケルセチンに転換していた
【0079】反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し
、濾液を多孔性合成吸着剤、商品名ダイヤイオンHP−
10(三菱化成工業株式会社販売)のカラムにSV2で
通液した。その結果、溶液中のα−グリコシル  ケル
セチンと未反応ケルセチンとが多孔性合成吸着剤に吸着
し、グルコース、塩類などは吸着することなく流出した
。次いで、カラムを水で通液、洗浄した後、エタノール
水溶液濃度を段階的に高めながら通液し、α−グリコシ
ル  ケルセチン画分を採取し、減圧濃縮し、粉末化し
て、粉末状のα−グリコシル  ケルセチンを固形物当
り原料のケルセチン重量に対して約50%の収率で得た
【0080】α−グルコシル  ケルセチンを酸で加水
分解したところ、ケルセチン1モルに対し、D−グルコ
ース1モルを生成し、また、α−グルコシル  ケルセ
チンに、ブタの肝臓から抽出し部分精製したα−グルコ
シダーゼを作用させると、ケルセチンとD−グルコース
とに加水分解されることが判明した。
【0081】本品は、高度に精製された水溶性の高いビ
タミンP強化剤として、また、黄色着色剤、酸化防止剤
、安定剤、品質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤
などとして、他の原材料などと配合して、飲食物、嗜好
物、抗感受性疾患剤、化粧品などの用途に有利に利用で
きる。
【0082】
【実施例  A−3】α−グリコシル  フラボン類混
合物プロポリスのエタノール抽出物を公知の方法で脱ロ
ウして得たクリシン、ガランギンおよびケルセチンを含
むフラボン類アグリコン混合物1重量部およびデキスト
リン(DE8)10重量部に水200重量部を加え、p
H9.8に調整し、嫌気下で加熱溶解し、60℃に冷却
し、これにシクロマルトデキストリン  グルカノトラ
ンスフェラーゼをデキストリングラム当り50単位加え
、pH8.5以上、55℃に維持して撹拌しつつ嫌気下
で40時間反応させた。
【0083】反応液を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、フラボン類アグリコンのそれぞれは、約
50%がα−グリコシル  フラボン類に転換していた
【0084】反応液を中和後加熱して酵素を失活させ、
濾過し濾液を実施例A−1と同様に、常法に従って、精
製、濃縮し、更に噴霧乾燥して粉末状のα−グルコシル
糖化合物を含有するα−グリコシル  フラボン類混合
物製品を固形物当り原料重量に対して約85%の収率で
得た。
【0085】本品は、水溶性良好なビタミンP強化剤と
してばかりでなく、安全性の高い天然型の黄色着色剤、
酸化防止剤、消臭剤、安定剤、品質改良剤、抗菌剤、予
防剤、治療剤、紫外線吸収剤など配合して、飲食物、嗜
好物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、化粧品、プラスチ
ック製品などの用途に有利に利用できる。
【0086】
【実施例  A−4】α−グリコシル  フラボン類混
合物実施例A−3の方法に準じて調製した反応終了後の
濾液を、多孔性合成吸着剤、商品名アンバーライトXA
D−7(Rohm  &  Haas社製造)のカラム
にSV1.5で通液した。
【0087】その結果、溶液中のα−グリコシル  フ
ラボン類混合物と未反応フラボン類アグリコン混合物と
が多孔性合成吸着剤に吸着し、デキストリン、オリゴ糖
、塩類などは吸着することなく流出した。
【0088】このカラムを水で通液、洗浄した後、50
V/V%メタノールを通液して、α−グリコシル  フ
ラボン類混合物およびフラボン類アグリコン混合物を溶
出し、これを濃縮し、粉末化して、粉末状α−グリコシ
ル  フラボン類混合物製品を原料のフラボン類アグリ
コン混合物重量に対して約55%の収率で得た。
【0089】本品は、水溶性の高いビタミンP強化剤と
してばかりでなく、安全性の高い天然型の黄色着色防止
剤、酸化防止剤、消臭剤、安定剤、品質改良剤、抗菌剤
、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤などとして、他の原材
料などと配合して、飲食物、嗜好物、飼料、餌料、抗感
受性疾患剤、化粧品、プラスチック製品などの用途に有
利に利用できる。
【0090】
【実施例  A−5】α−グリコシル  クリシンクリ
シン1重量部およびデキストリン(DE8)5重量部を
水200重量部に加え、pH9.5に調整し、嫌気下で
加熱溶解し、60℃に冷却し、以後、実施例A−1と同
様にシクロマルトデキストリン  グルカノトランスフ
ェラーゼを作用させて反応させた。反応液を高速液体ク
ロマトグラフィーで分析したところ、クリシンの約20
%がα−グリコシル  クリシンに転換していた。以後
、実施例A−1と同様に、反応液を濾過し、濾液を精製
、濃縮して、シラップ状のα−グルコシル糖化合物を含
有するα−グリコシル  クリシン製品を、固形物当り
原料重量に対して約80%で得た。
【0091】本品は、ビタミンP強化剤としてばかりで
なく、安全性の高い天然型の黄色着2色剤、酸化防止剤
、安定剤、品質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤
などとして、他の原材料などと配合して、飲食物、嗜好
物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、化粧品、プラスチッ
ク製品などの用途に有利に利用できる。
【0092】
【実施例  A−6】α−グリコシル  ケンフェロー
ル実施例A−5のクリシンをケンフェロールに代えて実
施例A−5と同様に反応させた。
【0093】反応液を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、ケンフェロールの約30%がα−グリコ
シル  ケンフェロールに転換していた。以後、実施例
A−1と同様に反応液を濾過し、濾液を精製して、シラ
ップ状のα−グルコシル糖化合物を含有するα−グリコ
シル  ケンフェロール製品を固形物当り原料重量に対
して約65%で得た。
【0094】本品は、ビタミンP強化剤としてばかりで
なく、安全性の高い天然型の黄色着色剤、酸化防止剤、
安定剤、品質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤な
どとして、他の原材料などと配合して、飲食物、嗜好物
、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、化粧品、プラスチック
製品などの用途に有利に利用できる。
【0095】
【実施例  A−7】α−グリコシル  ケルセチン(
1)α−グルコシダーゼ標品の調製マルトース4W/V
%、リン酸1カリウム0.1W/V%、硝酸アンモニウ
ム0.1W/V%、硫酸マグネシウム0.05W/V%
、塩化カリウム0.05W/V%、ポリペプトン0.2
W/V%、炭酸カルシウム1W/V%(別に乾燥滅菌し
て植菌時に無菌的に添加)および水からなる液体培地5
00重量部にムコール・ジャバニカス(Mucor  
javanicus)IFO  4570を温度30℃
で44時間振盪培養した。培養終了後、菌糸体を採取し
、その湿菌糸体48重量部に対し、0.5M酢酸緩衝液
(pH5.3)に溶解した4M尿素液500重量部を加
え、30℃で40時間静置した後、遠心分離した。この
上清を流水中で一夜透析した後、硫安0.9飽和とし、
4℃で一夜放置して生成した塩析物を濾取し、0.01
M酢酸緩衝液(pH5.3)50重量部に懸濁溶解した
後、遠心分離して上清を採取し、α−グルコシダーゼ標
品とした。
【0096】(2)α−グリコシル  ケルセチンの調
整ケルセチン3重量部およびデキストリン(DE30)
20重量部を5V/V%エタノール水500重量部に加
え、pH9.5に調整し、嫌気下で加熱溶解し、55℃
に冷却後直ちに(1)の方法で調製したα−グルコシダ
ーゼ標品15重量部を加え、pH8.5以上に維持して
撹拌しつつ50℃で40時間反応させた。
【0097】反応液を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、ケルセチンの約30%がα−グリコシル
  ケルセチンに転換していた。
【0098】反応液を実施例A−3と同様に精製し、濃
縮、粉末化してα−グルコシル糖化合物を含有する粉末
状α−グリコシル  ケルセチン製品を約80%の収率
で得た。
【0099】本品は、実施例A−3の場合と同様に、水
溶性の高いビタミンP強化剤としてばかりでなく、安全
性の高い天然型の黄色着色剤、酸化防止剤、安定剤、品
質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤などとして、
他の原材料などと配合して、各種用途に利用できる。
【0100】
【実施例  B−1】ハードキャンディー還元麦芽糖水
飴(株式会社林原商事販売、登録商標マビット)1,5
00重量部を加熱し、減圧下で水分約2%以下になるま
で濃縮し、これに実施例A−4の方法で得た粉末状α−
グリコシル  フラボン類混合物1重量部および適量の
クエン酸を混和し、次いで常法に従って、成形、包装し
てハードキャンディーを得た。
【0101】本品は、ビタミンPを強化したキャンディ
ーであって、低う蝕性、低カロリーである。
【0102】
【実施例  B−2】フキの水煮フキを皮むきし、適当
な長さに切断して、薄い食塩水に数時間浸し、これを実
施例A−1の方法で得たシラップ状のα−グリコシル 
 ケルセチンと青色1号とを配合して調製した緑色着色
料を含有する液で煮込んで、緑色の鮮かなフキの水煮を
得た。
【0103】本品は、野趣に富んだ風味を有しており、
各種和風料理の材料としても好適である。
【0104】
【実施例  B−3】  求肥モチ種澱粉1重量部に水
1.2重量部を混合し、加熱糊化しつつ、これに砂糖1
.5重量部、結晶性β−マルトース(株式会社林原製造
、登録商標サンマルト)0.7重量部、水飴0.3重量
部および実施例A−5の方法で得たシラップ状α−グリ
コシル  クリシン0.02重量部を混和し、以後、常
法に従って、成形、包装して求肥を製造した。
【0105】本品は、野趣に富んだ風味で、口当りも良
好なきびだんご風の和菓子である。
【0106】
【実施例  B−4】混合甘味料はちみつ100重量部
、異性化糖50重量部、α−グリコシル  ステビオシ
ド(東洋精糖株式会社製造、商品名  α−Gスィート
)1重量部および実施例A−4の方法で得た粉末状α−
グリコシル  フラボン類混合物0.02重量部を混合
して混合甘味料を得た。
【0107】本品はビタミンPを強化した味質良好な甘
味料で、その甘味度は砂糖の約2倍で健康食品として好
適である。
【0108】
【実施例  B−5】サンドクリーム結晶性α−マルト
ース(株式会社林原製造、登録商標ファイントース)1
,200重量部、ショートニング1,000重量部、カ
カオマス50重量部、実施例A−2の方法で得た粉末状
α−グルコシルケルセチン3重量部およびレシチン1重
量部を常法により混和してサンドクリームを製造した。
【0109】本品は、ビタミンPを強化し、チョコレー
ト風味のサンドクリームで、口当り、溶け具合とも良好
である。
【0110】
【実施例  B−6】錠剤L−アスコルビン酸10重量
部に結晶性α−マルトース19重量部、実施例A−3の
方法で得た粉末状α−グリコシル  フラボン類混合物
10重量部およびα−グリコシル  ルチン(東洋製糖
株式会社製造、商品名αGルチン)1重量部を均一に混
合した後、直径12mm、20R杵を用いて、打錠し錠
剤を得た。
【0111】本品は、L−アスコルビン酸、α−グリコ
シル  フラボン類混合物およびα−グリコシル  ル
チンとの複合ビタミン剤で、L−アスコルビン酸の安定
性もよく、飲み易い錠剤である。
【0112】
【実施例  B−7】カプセル剤酢酸カルシウム・一水
塩10重量部、L−乳酸マグネシウム・三水塩50重量
部、マルトース57重量部、実施例A−4の方法で得た
粉末状α−グリコシルフラボン類混合物20重量部およ
びエイコサペンタエン酸20%含有γ−シクロデキスト
リン包接化合物12重量部を均一に混合し、顆粒成形機
にかけて顆粒とした後、常法に従って、ゼラチンカプセ
ルに封入して、一カプセル150mg入のカプセル剤を
製造した。
【0113】本品は、血中コレステロール低下剤、免疫
賦活剤、美肌剤などとして、感受性疾患の予防剤、治療
剤、健康増進用食品などとして有利に利用できる。
【0114】
【実施例  B−8】軟膏酢酸ナトリウム・三水塩1重
量部、DL−乳酸カルシウム4重量部をグリセリン10
重量部と均一に混合し、この混合物を、ワセリン50重
量部、木ロウ10重量部、ラノリン10重量部、ゴマ油
14.5重量部、実施例A−4の方法で得た粉末状α−
グリコシル  フラボン類混合物1重量部およびハッカ
油0.5重量部の混合物に加えて、更に均一に混和して
軟膏を製造した。
【0115】本品は、日焼け止め、美肌剤、色白剤など
として、更には外傷、火傷の治癒促進剤などとして有利
に利用できる。
【0116】
【実施例  B−9】注射剤実施例A−2の方法で得た
粉末状α−グリコシル  ケルセチンを水に溶解し、常
法に従って、精製濾過してパイロゲンフリーとし、この
溶液を20mL容アンプルにα−グリコシル  ケルセ
チン10mgになるように分注し、これを減圧乾燥し、
封入して注射剤を製造した。
【0117】本注射剤は、単体で、または、他のビタミ
ン、ミネラルなどと混合して筋肉内又は静脈内に投与で
きる。また、本品は、低温貯蔵の必要もなく、使用に際
しての生理食塩水などへの溶解性は極めて良好である。
【0118】
【実施例  B−10】注射剤塩化ナトリウム6重量部
、塩化カリウム0.3重量部、塩化カルシウム0.2重
量部、乳酸ナトリウム3.1重量部、マルトース45重
量部及び実施例A−2の方法で得た粉末状α−グリコシ
ル  ケルセチン1重量部を水1,000重量部に溶解
し、常法に従って、精製濾過してパイロゲンフリーとし
、この溶液を滅菌したプラスチック容器に250mLず
つ充填して注射剤を製造した。
【0119】本品は、ビタミンP補給としてだけでなく
、カロリー補給、ミネラル補給のための注射剤で、病中
、病後の治療促進、回復促進などに有利に利用できる。
【0120】
【実施例  B−11】経管栄養剤結晶性α−マルトー
ス20重量部、グリシン1.1重量部、グルタミン酸ナ
トリウム0.18重量部、食塩1.2重量部、クエン酸
1重量部、乳酸カルシウム0.4重量部、炭酸マグネシ
ウム0.1重量部、実施例A−3の方法で得た粉末状α
−グリコシル  フラボン類混合物0.01重量部、チ
アミン0.01重量部及びリボフラビン0.01重量部
からなる配合物を調製する。この配合物24gずつをラ
ミネートアルミ製小袋に充填し、ヒートシールして経管
栄養剤を調整した。
【0121】本経管栄養剤は、一袋を約300乃至50
0mLの水に溶解し、経管方法により、鼻腔、胃、腸な
どへの経口的又は非経口的栄養補給液としても有利に利
用できる。
【0122】
【実施例  B−12】浴用剤DL−乳酸ナトリウム2
1重量部、ピルビン酸ナトリウム8重量部、実施例A−
5の方法で得たシラップ状α−グリコシル  クリシン
5重量部及びエタノール40重量部を、精製水26重量
部及び着色料、香料の適量と混合し、浴用剤を製造した
【0123】本品は、美肌剤、色白剤として好適であり
、入浴用の湯に100乃至10,000に希釈して利用
すればよい。本品は、入浴用の湯の場合と同様に、洗顔
用水、化粧水などに希釈して利用することも有利に実施
できる。
【0124】
【実施例  B−13】乳液ポリオキシエチレンベヘニ
ルエーテル0.5重量部、テトラオレイン酸ポリオキシ
エチレンソルビトール1重量部、親油型モノステアリン
酸グリセリン1重量部、ピルビン酸0.5重量部、ベヘ
ニルアルコール0.5重量部、アボガド油1重量部、実
施例A−6の方法で得たシラップ状α−グリコシル  
ケンフェロール1重量部、ビタミンE及び防腐剤の適量
を、常法に従って加熱溶解し、これにL−乳酸ナトリウ
ム1重量部、1,3−ブチレングリコール5重量部、カ
ルボキシビニルポリマー0.1重量部及び精製水85.
3重量部を加え、ホモゲナイザーにかけ乳化し、更に、
香料の適量を加えて撹拌混合し乳液を製造した。
【0125】本品は、日焼け止め、美肌剤、色白剤など
として有利に利用できる。
【0126】
【実施例  B−14】クリームモノステアリン酸ポリ
オキシエチレングリコール2重量部、自己乳化型モノス
テアリン酸グリセリン5重量部、実施例A−7の方法で
得た粉末状α−グリコシル  ケルセチン2重量部、流
動パラフィン1重量部、トリオクタン酸グリセリル10
重量部及び防腐剤の適量を、常法に従って加熱溶解し、
これにL−乳酸2重量部、1,3−ブチレングリコール
5重量部及び精製水66重量部を加え、ホモゲナイザー
にかけ乳化し、更に香料の適量を加えて撹拌混合しクリ
ームを製造した。
【0127】本品は、日焼け止め、美肌剤、色白剤など
として有利に利用できる。
【0128】
【発明の効果】本文で述べたごとく、本発明は、フラボ
ン類アグリコンとα−グリコシル糖化合物とを含有する
溶液に、糖転移酵素を作用させる生化学的手法により、
α−グリコシル  フラボン類を容易に生成できること
、このα−グリコシル  フラボン類は、フラボン類ア
グリコンの持つ水に難溶または不溶性である欠点を解消
できること、加えて、フラボン類アグリコンと同様の黄
色着色性を示し、毒性の懸念もなく、生体内で容易にフ
ラボン類アグリコンとD−グルコースとに加水分解され
、フラボン類アグリコン本来の生理活性を発揮すること
などの特長を有する。
【0129】従って、本発明のα−グリコシル  フラ
ボン類は、安全性の高い天然型のビタミンP強化剤とし
てばかりでなく、黄色着色剤、酸化防止剤、消臭剤、安
定剤、品質改良剤、予防剤、治療剤、紫外線吸収剤、劣
化防止剤などとして、他の原材料などと配合して、飲食
物、嗜好物、飼料、餌料、抗感受性疾患剤、美肌剤、色
白剤など化粧品、更には、プラスチック製品など各種組
成物に有利に利用される。
【0130】従って、本発明によるα−グリコシル  
フラボン類の工業的製造法とその用途の確立は、飲食品
、化粧品、医薬品、プラスチック産業における工業的意
義が極めて大きい。
【0131】
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明のα−グリコシル  フラボン類の
一例としてのα−グリコシルケルセチン標品[II]の
赤外線吸収スペクトル図。
【図2】  対照としてのケルセチンの赤外線吸収スペ
クトル図。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  フラボン類アグリコンとα−グルコシ
    ル糖化合物とを含有する溶液に糖転移酵素を作用させて
    得られるα−グリコシル  フラボン類。
  2. 【請求項2】  フラボン類アグリコンとα−グルコシ
    ル糖化合物とを含有する溶液に糖転移酵素を作用させて
    α−グリコシル  フラボン類を生成せしめ、これを採
    取することを特徴とするα−グリコシル  フラボン類
    の製造方法。
  3. 【請求項3】  フラボン類アグリコンが、化学構造上
    、1分子につき2個以上のOH基を有するフラボンアグ
    リコンまたはフラボノールアグリコンであることを特徴
    とするα−グリコシル  フラボン類の製造方法。
  4. 【請求項4】  フラボン類アグリコンとα−グルコシ
    ル糖化合物とを含有する溶液に糖転移酵素を作用させて
    α−グリコシル  フラボン類を生成せしめ、次いで、
    この溶液を多孔性合成吸着剤に接触させて精製し、α−
    グリコシル  フラボン類を採取することを特徴とする
    α−グリコシル  フラボン類の製造方法。
  5. 【請求項5】  フラボン類アグリコンとα−グルコシ
    ル糖化合物とを含有する溶液に糖転移酵素を作用させて
    得られるα−グリコシル  フラボン類を含有せしめた
    組成物。
  6. 【請求項6】  組成物が飲食物、抗感受性疾患剤、ま
    たは、化粧品であることを特徴とする請求項5記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】  ケルセチンにD−グルコース残基が等
    モル以上α−結合したα−グリコシル  ケルセチン。
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