JPH04266243A - Ｆｓｋ信号受信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＦＳＫ（Ｆｒｅｑｕｅｎ
ｃｙ　Ｓｈｉｆｔ　Ｋｅｙｉｎｇ，　周波数偏位変調）
信号を直接ベースバンド信号に復調するＦＳＫ信号受信
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のＦＳＫ信号受信機の一般的
な構成を示すブロック図である。

【０００３】この従来のＦＳＫ信号受信機は、アンテナ
１に受信される１つの受信ＦＳＫ信号を高周波増幅器２
で所定レベルで増幅してから分岐して一対のミキサ回路
５，　６に与えるとともに、このミキサ回路５，　６の
一方には前記ＦＳＫ信号の搬送周波数にほぼ等しい周波
数の局部発振信号を局部発振回路３から与え、更に他方
には移相回路４によりπ／２相当の位相差を与えた局部
発振信号を入力する。

【０００４】この一対のミキサ回路５，　６の各出力信
号のＦＳＫ復調信号波はフィルタ部を通過し、不要な周
波数成分が減衰される。

【０００５】このフィルタ部は、プレフィルタ７，　８
とジャイレータフィルタ９，　１０により構成される。

【０００６】更に、ジャイレータフィルタ９，　１０の
後段にはその出力信号をそれぞれ増幅する低周波増幅器
１１，　１２が設けられる。

【０００７】この低周波増幅器１１，　１２の出力信号
を振幅制限回路１３，　１４により一定振幅に制限しつ
つ比較回路１５に与える。

【０００８】ここで、比較回路１５は、後述する方法に
より上記２つの入力信号を比較し、その比較結果に基づ
いて受信ＦＳＫ信号を復調することができる。

【０００９】このような受信機は、ＦＳＫ信号を直接ベ
ースバンド信号に復調することからダイレクトコンバー
ジョン受信機とも呼ばれる。

【００１０】ダイレクトコンバージョン受信機は、スー
パーヘテロダイン方式の受信機と違って中間周波数帯の
増幅器やろ波器が不要であり、受信機が小型化されると
ともに集積化が可能な装置として注目されている。

【００１１】この受信機の動作を簡単に説明する。

【００１２】受信ＦＳＫ信号の搬送波周波数をｆｃ　と
し、２値ＦＳＫ信号の周波数変位をδとすると、局部発
振周波数ｆｌ　を搬送波周波数ｆｃ　に等しくすること
により、ミキサ回路５，　６の出力には、その基本周波
数の信号として、周波数変位δに等しいベースバンド信
号が得られる。

【００１３】この基本周波数の信号をフィルタ７，　９
および８，　１０で抽出する。

【００１４】ここで二つのミキサ回路５および６に入力
する局部発振信号にπ／２の位相差を与えておくと、一
方のミキサ回路の基本周波数の出力信号をａ（　ｔ）ｃ
ｏｓ（２πδｔ） とする時、他方のミキサ回路の基本周波数の出力信号は
ａ（　ｔ）ｃｏｓ（２πδｔ　＋２／π）　＝−ａ（　
ｔ）ｓｉｎ（２πδｔ） となって、フィルタ７，　９とフィルタ８，　１０の出
力には相互にπ／２の位相差のある信号が得られる。

【００１５】ここで、ａ（　ｔ）　は、受信機の入力電
圧、高周波増幅器２、ミキサ回路５，　６及びフィルタ
７，　８，　９，　１０の特性により決定されるフィル
タ９，　１０の出力振幅を示している。

【００１６】すなわち、受信ＦＳＫ信号の周波数スペク
トラムが図４の通りである時、受信ＦＳＫ信号の周波数
偏移δの正負に応じて、比較回路１５の入力ＩおよびＱ
には図５または図６の信号が現れる。

【００１７】つまり、入力ＩおよびＱのいずれかが進み
位相（遅れ位相）であるかを検出することによって、受
信ＦＳＫ信号の周波数偏移の＋δと−δを識別できる。

【００１８】上記比較回路１５は、Ｄフリップフロップ
またはＪＫフリップフロップで簡単に実現でき、しかも
近年の技術により、送信装置は搬送波周波数ｆｃ　のた
めの発振回路および局部発振回路として安定な回路が簡
単に得られるので、この装置はその構成が極めて簡単に
なる利点がある。

【００１９】このようにダイレクトコンバージョン受信
機では、位相がπ／２だけ異なる２つの信号を生成する
ためにミキサ回路５，　６を利用している。

【００２０】このミキサ回路５，　６で生成した信号は
、後段のフィルタ部によって希望の周波数信号成分のみ
が抽出される。

【００２１】この時、フィルタ部では、まずプレフィル
タ７，　８がミキサ回路５，　６の出力信号に対する周
波数制限を行う。

【００２２】次に、ジャイレータフィルタ９，　１０は
更にその出力信号に対して周波数制限を行い、隣接周波
数信号成分を完全に除去すべく動作する。

【００２３】この従来の受信機では、ミキサ回路５，　
６は周波数特性を有していないため、希望の周波数信号
成分と隣接周波数信号成分の上記フィルタ部に対する入
力信号レベルはこのミキサ部の出力レベルに反映する。

【００２４】つまり、この種の従来の受信機では、希望
の周波数信号成分を得る際、隣接周波数信号成分を除去
する処理に関して、ミキサ部の後段のフィルタ部の負担
が極めて大きい。

【００２５】そのための対策として、従来は、フィルタ
部をプレフィルタとジャイレータフィルタとの２段構成
としているが、係る構成の受信機においても、希望の周
波数信号成分に対して隣接周波数信号成分が過大なＦＳ
Ｋ信号が受信された場合、ミキサ回路及びフィルタ部に
おける出力の歪を除去しきれないことがある。

【００２６】この場合、ミキサ回路及びフィルタ部の出
力歪によって混変調が発生し、これがベースバンド信号
において歪成分として現れて、復調信号の精度を低下さ
せる原因となっていた。

【００２７】

【発明が解決しようとする課題】このように上記従来の
ダイレクトコンバージョン受信機では、隣接周波数信号
成分を減衰させる機能をフィルタ部のみが担っていたた
め、隣接周波数信号の過入力があった場合の混変調を除
去しきれず、復調精度が著しく低下するという問題点が
あった。

【００２８】本発明はこの問題点を除去し、隣接周波数
信号成分を減衰させるためのフィルタ機能を増強し、隣
接周波数信号の過入力があった場合の混変調に対しても
安定に動作し、常に、高精度の復調信号を得ることので
きるＦＳＫ信号受信機を提供することを目的とする。

【００２９】［発明の構成］

【００３０】

【課題を解決するための手段】本発明は、１つの受信Ｆ
ＳＫ信号が分岐して与えられる一対の混合回路と、この
混合回路に前記ＦＳＫ信号の搬送周波数にほぼ等しい周
波数の局部発振信号を与える局部発振回路と、前記一対
の混合回路の各出力信号のＦＳＫ復調信号波がそれぞれ
通過する一対の低域ろ波器と、前記一対の混合回路の各
入力信号またはこの一対の混合回路に与える局部発振信
号のいずれかにほぼπ／２相当の位相差を与える移相回
路と、前記一対の低域ろ波器の出力信号を比較する比較
回路とを備えたＦＳＫ信号受信機において、前記一対の
混合回路内に、所望とするＦＳＫ復調信号波以外の周波
数成分を減衰させるろ波手段を具備した構成を有する。

【００３１】

【作用】本発明のＦＳＫ信号受信機は、１つの受信ＦＳ
Ｋ信号が分岐して与えられる一対のミキサ回路にも希望
の周波数信号成分以外の不要な信号成分を減衰させるフ
ィルタ特性を付加したものである。

【００３２】この本発明の受信機では、まず、ミキサ回
路内で上記特性を有するフィルタ部により受信ＦＳＫ信
号中の不要な周波数信号成分を減衰させた後、更にその
後段にある本来のフィルタ部により希望周波数信号成分
以外の周波数制限を行う。

【００３３】このようなフィルタ機能の増強によって、
本発明では、隣接周波数信号の過入力があった場合にも
混変調を来さずに済み、常に、高精度の復調信号を得る
ことができる。

【００３４】また、本発明では、上記フィルタ機能の増
強により本来のフィルタ部における不要信号成分減衰の
ための処理の負担を軽減でき、これに伴って当該フィル
タ部からプレフィルタを削減する等、回路構成の簡素化
にも寄与できる。

【００３５】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。

【００３６】図１は本発明に係るＦＳＫ信号受信機の一
実施例を示すブロック図である。

【００３７】この本発明のＦＳＫ信号受信機において、
１つの受信ＦＳＫ信号が分岐して与えられるミキサ回路
５０，　６０は図３に示す従来装置のミキサ回路５，　
６とは異なった構成を有し、それ以外の構成は図３に示
した従来装置と同様である。

【００３８】この本発明装置に新たに採用されるミキサ
回路５０，　６０の回路構成は、図２に示される。

【００３９】図２において、ミキサ回路５０，　６０は
シングルバランスミキサ７１とローパスフィルタ７２と
により構成される。

【００４０】このうち、シングルバランスミキサ７１は
差動動作するトランジスタＴＲ１　とＴＲ２　、及びそ
のエミッタ対に接続されるトランジスタＴＲ３　を具備
し、ローパスフィルタ７２は抵抗Ｒ１，Ｒ２　とコンデ
ンサＣによって成る。

【００４１】シングルバランスミキサ７１には、３つの
入力端子と２つの出力端子が設けられる。

【００４２】７１１，　７１２はローカル信号（局部発
振信号）入力端子であり、図１の回路図では局部発振回
路３または移相回路４の出力に接続される。

【００４３】７１３はＲＦ入力端子であり、図１の回路
図では高周波増幅器２の出力に接続される。

【００４４】７２１，　７２２は差動出力端子であり、
図１の回路図ではジャイレータフィルタ９，　１０の入
力に接続される。

【００４５】次に、その動作を説明する。

【００４６】図１において、アンテナ１により受信され
たＦＳＫ信号は高周波増幅器２で増幅された後、分岐さ
れてミキサ回路５０，　６０に入力する。

【００４７】これを図２に示すミキサ回路内の動作に当
てはめてみると、上記受信ＦＳＫ信号はシングルバラン
スミキサ７１のＲＦ入力端子７１３に対して入力する。

【００４８】この時、ローカル信号入力端子７１１，　
７１２のうちの一方に対しては局部発振回路３から発生
した局部発振信号が直接、また、他の一方に対しては移
相回路４を通じてπ／２だけ移相された局部発振信号が
入力する。

【００４９】これら各入力信号はミキサ回路内で混合さ
れ、トランジスタＴＲ１，ＴＲ２　のコレクタより差動
出力される。

【００５０】具体的には、ＲＦ入力端子７１３から入力
した受信ＦＳＫ信号はトランジスタＴＲ３　で増幅され
た後、トランジスタＴＲ１　により局部発振信号の一方
と混合され、そのコレクタを通じて差動出力端子７２２
に出力される。

【００５１】これと同時に、トランジスタＴＲ３　で増
幅された受信ＦＳＫ信号はトランジスタＴＲ２　により
局部発振信号の他の一方と混合され、そのコレクタを通
じて差動出力端子７２１に出力される。

【００５２】この差動出力端子７２１，　７２２に対す
る差動出力には、通常、隣接周波数信号を含んだ様々な
不要信号成分が含まれている。

【００５３】本発明のＦＳＫ受信機では、これらの不要
周波数信号成分をローパスフィルタ７２により減衰させ
ることができる。

【００５４】図２において、トランジスタＴＲ１，ＴＲ
２　のコレクタに接続される抵抗Ｒ１，Ｒ２　（Ｒ１　
＝Ｒ２　）は対応するトランジスタＴＲ１，ＴＲ２　の
コレクタ電位を決定すべく用いられるものであるが、本
発明では、これら抵抗Ｒ１，Ｒ２　がその間に接続され
るコンデンサＣとともに交流的にローパスフィルタ７２
を構成している。

【００５５】上述の如くトランジスタＴＲ１，ＴＲ２　
のコレクタを通じて差動電圧が入力され条件の下で、こ
のローパスフィルタ７２の特性を解析すると、そのカッ
トオフ周波数ｆｃ　は、 ｆｃ　＝１／２π×（２Ｃ）×Ｒ１（２）となる。

【００５６】つまり、本発明では図２に示す如くの回路
構成によりミキサ回路５０，　６０にカットオフ周波数
ｆｃ　のローパスフィルタ特性を持たせることができる
。

【００５７】このローパスフィルタ特性によって、ミキ
サ回路５０，　６０内では、受信ＦＳＫ信号の隣接周波
数信号成分が減衰され、希望の周波数信号成分よりもか
なり小さく抑えられる。

【００５８】その後、このミキサ回路５０，　６０の出
力はジャイレータフィルタ９，　１０を通過するが、そ
の際も、そのフィルタ特性に従って希望周波数信号成分
以外の不要信号成分が更に減衰される。

【００５９】このジャイレータフィルタ９，　１０の出
力は低周波増幅器１１，　１２により増幅され、更に振
幅制限回路１３，　１４により一定幅の振幅制限を受け
つつ比較回路１５に入力される。

【００６０】比較回路１５では、振幅制限回路１３，　
１４からの入力信号の位相の進み具合（図５及び６参照
）から受信ＦＳＫ信号の周波数偏移の＋δと−δを識別
し、その結果に基づいて受信ＦＳＫ信号を復調する。

【００６１】このように本発明では、１つの受信ＦＳＫ
信号が分岐して与えられるミキサ回路にもローパスフィ
ルタ特性を付加することで、希望周波数信号成分以外の
不要周波数信号成分に対するフィルタ機能を高めるよう
にしている。

【００６２】この回路構成によれば、受信ＦＳＫ信号に
関する隣接周波数信号の過入力があった場合でも混変調
を来さずに済み、精度の高い復調信号が得られる。

【００６３】また、ミキサ回路にローパスフィルタ特性
を持たせたことの別の効果として、その後段にあるフィ
ルタ部における不要周波数信号成分の減衰処理に関する
負担を軽減することができる。

【００６４】このため、不要周波数信号成分を充分に満
足のいくレベルまで減衰させるために、従来、プレフィ
ルタ７，　８とジャイレータフィルタ９，１０との２段
構成を余儀なくされていたフィルタ部（図３参照）を、
ジャイレータフィルタ９，　１０だけで構成でき（図１
参照）、回路構成の簡略化にも寄与できる。

【００６５】

【発明の効果】以上説明したように本発明のＦＳＫ信号
受信機によれば、１つの受信ＦＳＫ信号が分岐して与え
られる一対のミキサ回路にもフィルタ特性を付加し、不
要信号成分に対するフィルタ機能を増強するようにした
ため、隣接周波数信号成分の過入力時における混変調に
対しても安定に動作せしめて高精度の復調信号を得るこ
とができるとともに、ミキサ回路の後段にある本来のフ
ィルタ部の負担を軽減して回路の簡素化にも寄与できる
という優れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＦＳＫ信号受信機の一実施例を示
すブロック回路図。

【図２】本発明に係るＦＳＫ信号受信機のミキサ回路の
詳細構成を示す回路図。

【図３】この種の従来のＦＳＫ信号受信機の一般的構成
を示すブロック回路図。

【図４】ＦＳＫ信号受信機で処理する２値ＦＳＫ信号の
スペクトラムを示す図。

【図５】受信ＦＳＫ信号の周波数偏移δが正の時のＩ信
号とＱ信号との位相関係を示す図。

【図６】受信ＦＳＫ信号の周波数偏移δが負の時のＩ信
号とＱ信号との位相関係を示す図。

【符号の説明】

１　　アンテナ ２　　高周波増幅器 ３　　局部発振回路 ４　　移相回路 ５０，　６０　　ミキサ回路 ９，　１０　　ジャイレータフィルタ １１，　１２　　低周波増幅器 １３，　１４　　振幅制限回路 １５　　比較回路 ７１　　シングルバランスミキサ ７２　　ローパスフィルタ ７１１，　７１２　　ローカル信号入力端子７１３　　
ＲＦ入力端子 ７２１，　７２２　　差動出力端子

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　１つの受信ＦＳＫ信号が分岐して与え
   られる一対の混合回路と、この混合回路に前記ＦＳＫ信
   号の搬送周波数にほぼ等しい周波数の局部発振信号を与
   える局部発振回路と、前記一対の混合回路の各出力信号
   のＦＳＫ復調信号波がそれぞれ通過する一対の低域ろ波
   器と、前記一対の混合回路の各入力信号またはこの一対
   の混合回路に与える局部発振信号のいずれかにほぼπ／
   ２相当の位相差を与える移相回路と、前記一対の低域ろ
   波器の出力信号を比較する比較回路とを備えたＦＳＫ信
   号受信機において、前記一対の混合回路内に、所望とす
   るＦＳＫ復調信号波以外の周波数成分を減衰させるろ波
   手段を付加したことを特徴とするＦＳＫ信号受信機。
2. 【請求項２】　　ろ波手段には、低域通過ろ波器が用い
   られることを特徴とする請求項１記載のＦＳＫ信号受信
   機。
3. 【請求項３】　　ろ波手段は、前記一対の混合回路の各
   出力を取り出すべき２つのトランジスタのコレクタに個
   別に接続される各負荷抵抗間にコンデンサを接続した構
   成を有することを特徴とする請求項２記載のＦＳＫ信号
   受信機。［発明の目的］