JPH0425179B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、自動車のステアリングシヤフトをロ
ツクするステアリングロツク装置に関するもので
ある。更に詳述すれば、本発明は、回転自在のロ
ツクシリンダと、自動車のステアリングシヤフト
に設けた凹所にスナツパ嵌めされ得る掛け金と、
ロツクシリンダを掛け金に接続すると共に、ロツ
クシリンダのイグニシヨンキーによつて作動する
揺動レバーとを備える型式のステアリングロツク
装置に関するものである。

従来技術 上記型式のステアリングロツク装置は公知であ
り、特に、英国特許第1263362号と、英国特許出
願第2042621号と、西ドイツ特許出願第1800882号
とに開示されている。これら３件の特許及び特許
出願では、揺動レバーは、ステアリングロツク装
置の軸方向平面内に作用するバネの付勢力を受
け、更に、揺動レバーは、上記軸方向平面に垂直
な軸心の回りで回転自在でなければならないと共
に、上記軸方向平面内での滑り運動（ステアリン
グロツク装置の内方から外方へ及びその逆）を行
い得る必要があるという事実に注目すべきであ
る。

目 的 本発明は、信頼性が高いと共に、自動車のモー
タを始動する時、揺動レバーが、掛け金が自動車
のステアリングシヤフトをロツクしない位置に、
掛け金を保持し、更に、揺動レバーが上記保持の
ための位置を確実に占めることを保証する２重安
全機構を備える、上記型式のステアリングロツク
装置を提供することを目的とするものである。

要 旨 本発明にかかるステアリングロツク装置では、
レバーが、ステアリングロツク装置の軸方向平面
内で軸の回りで揺動し、該軸により、ロツクシリ
ンダに最も近接しているレバー端部の回りでのレ
バーの僅かな横方向回転が可能となり、更に、該
横方向回転は、一方向へは掛け金自身によつて引
き起こされると共に他方向へは戻しバネにより引
き起こされるように構成されている。

前記公知特許と全く同様に、本発明では、掛け
金の上部に設けた凹部にスナツプ嵌めされるスト
ツパにより、レバーが、掛け金によりステアリン
グシヤフトをロツクしない位置に、掛け金を保持
する。然しながら、前記公知特許の場合、掛け金
の凹部へのレバーのストツパのスナツプ嵌めは、
ステアリングロツク装置の軸方向平面内でのレバ
ーの長手方向滑り運動によつて行われる。これに
対し、本発明では、レバーの三角形ストツパが、
上記戻しバネの付勢力により、掛け金の対応する
三角形凹部に横方向にスナツプ嵌めされる。従つ
て、本発明にかかるレバーはステアリングロツク
装置の軸方向平面内で摺動しない。

更に、本発明にかかるステアリングロツク装置
では、イグニシヨンキー“走行”位置から“始
動”位置に回動復帰させる時、ステアリングロツ
ク装置の公知機構の内の一つの回転部材の半径方
向に延在する壁が、レバーの三角形ストツパを、
掛け金に設けた対応する凹部内へ横方向へ押込む
ように構成されている。本発明にかかるステアリ
ングロツク装置の該構成が、前記２重安全機構で
ある。これにより、何らかの理由によつて、レバ
ーの戻しバネが作動しなくなつても、自動車のモ
ータを始動させる時、掛け金が自動車のステアリ
ングシヤフトをロツクしない位置を、掛け金が実
際に占めていることが保証される。

実施例 添付図面において、第２図、第４図、第６図、
第８図、第１０図、第１２図及び第１４図の文字
Ａ、Ｂ、ＣとＤは夫々、イグニシヨンキー、即
ち、回転自在シリンダ２の“停止”位置、“走行”
位置、“始動”位置と“駐車”位置を示す。更に、
上記第２図乃至第１４図において、イグニシヨン
キー（図示せず）は回転自在シリンダ２のキー溝
２ａに挿入される。

第１図は、本発明にかかるステアリングロツク
装置の基本的部品を示し、これらの部品の大部
分、少なくとも主要部分は公知である。ステアリ
ングロツク装置は、外部ハウジング１と、回転自
在シリンダ２内で半径方向に摺動し得る摺動板１
１を設けた回転自在シリンダ２と、戻しバネ１２
を設けた掛け金３と、揺動レバー９と、回転部材
４，５と、掛け金３の戻しバネ１２が当接する固
定部材６と、ステアリングロツク装置を自動車の
ステアリングコラム（図示せず）に固着するカラ
ー７とを備える。

以下に、本発明にかかるステアリングロツク装
置の操作を、夫々、イグニシヨンキーの対応位置
が第２図、第４図、第６図、第８図、第１０図、
第１２図及び第１４図に示されている第１図、第
３図、第５図、第７図、第９図、第１１図及び第
１３図を使つて説明する。

イグニシヨンキーを“停止”位置Ａから“走
行”位置Ｂ及び“始動”位置Ｃの方へ回動させる
時、回転部材５に設けた螺旋カム５ａが、掛け金
３の爪３ａと係合することにより、掛け金３がス
テアリングシヤフトをロツクしている位置（第１
図）から、ステアリングシヤフトがロツクされて
いない位置（第１１図）へ、掛け金３を移動させ
る。同時に、回転部材５に設けられている、適当
な形状を有するカム５ｂは、本発明の構成要素で
はない電気スイツチ８を作動する爪８ａと係合す
る。

“走行”位置Ｂ及び“始動”位置Ｃにおいて、
自動車のステアリングシヤフトがロツクされてい
ない位置に掛け金３が保持されるためには、揺動
レバー９の三角形ストツパ９が掛け金３の対応す
る三角形凹部３ｂにスナツプ嵌めされる必要があ
る（第９図及び第１１図）。前記公知特許では、
この操作は、レバー９の半径方向移動（イグニシ
ヨンキーを回転自在シリンダに挿入する際の）
と、ステアリングロツク装置の所定軸方向平面内
でのレバー９の回転とにより行われている。これ
に対し、本発明にかかるステアリングロツク装置
では、前記公知特許とは異なる操作が行われる。

実際、イグニシヨンキーが“停止”位置Ａと
“走行”位置Ｂの間の中間位置にある時、つまり、
掛け金３が、掛け金３がステアリングシヤフトを
ロツクする位置から、ステアリングシヤフトがロ
ツクされていない位置へ、、上方へ引上げられつ
つある時（第７図）、揺動レバー９の下端部９ｅ
は掛け金３の傾斜面３ｃ上を横方向に摺動し、こ
れは、本発明にかかるステアリングロツク装置の
外部ハウジング１の半径方向壁１ａに当接する上
端部９ｄの回りでの揺動レバー９の横方向回転に
対応する。

揺動レバー９の上記横方向回転の間に、揺動レ
バー９の横軸１０に巻装された戻しバネ１０ａが
圧縮されるため、掛け金３の三角形凹部３ｂが揺
動レバー９の三角形ストツパ９ｂの前方へ引上げ
られるや否や、三角形ストツパ９ｂは、戻しバネ
１０ａによつて掛け金３の三角形凹部３ｂ内へ横
方向に押込まれる（第９図）。この時、イグニシ
ヨンキーは“走行”位置Ｂを占め、掛け金３は、
自動車のステアリングシヤフトがロツクされてい
ない位置に保持される。

上端部９ｄの回りでの揺動レバー９の僅かな回
転を可能とするには、横軸１０と揺動レバー９の
座部との間に小さな遊〓の余裕を設ける必要があ
るという事実に注目すべきである。更に、これま
で、揺動レバー９は、ステアリングロツク装置の
軸方向平面内で移動していないと共に、横軸１０
の回りでの回転もしていない。

ここで、イグニシヨンキーを、“走行”位置Ｂ
から“始動”位置Ｃへ、又は、“走行”位置Ｂか
ら“停止”位置Ａ又は、“駐車”位置Ｄへ（及び
その逆に）回動させる時、揺動レバー９と掛け金
３の相対位置は変化しない。即ち、掛け金３は、
自動車のステアリングシヤフトがロツクされてい
ない位置に残留していると共に、揺動レバー９の
上部の突起９ａは、回転自在シリンダ２と摺動板
１１の上を単に摺動するだけである一方、摺動板
１１は、イグニシヨンキーがキー溝２ａ内に挿入
されているため、回転自在シリンダ２の内方へ半
径方向移動することができず、且つ、揺動レバー
９がロツクされているため、ステアリングロツク
装置の外方へ半径方向移動することもできない。

イグニシヨンキーを“停止”位置Ａでキー溝２
ａから引抜くとステアリングロツク装置の各部分
の相対位置は第１３図に示すものから第５図に示
すものに変化する。即ち、揺動レバー９を横軸１
０の回りで回転するように付勢する、掛け金３の
戻しバネ１２の作用により、摺動板１１は回転自
在シリンダ２の内方へ半径方向移動し、一方、掛
け金３と揺動レバー９との係合が解除されるた
め、戻しバネ１２の付勢力により、掛け金３が自
動車のステアリングシヤフトをロツクする位置
に、掛け金３が下方に押下げられる。

ここで、イグニシヨンキーを再び回転自在シリ
ンダ２に挿入すると、摺動板１１と揺動レバー９
は第５図に示される位置から第１図に示す位置に
移動する。又、イグニシヨンキーを“走行”位置
Ｂの方へ回動させない限り、掛け金３が自動車の
ステアリングシヤフトをロツクする位置に、掛け
金３は残留する。

第１１図に示すように、半径方向に延在する壁
４ａが回転部材４に設けられている。イグニシヨ
ンキーを“走行”位置Ｂから“始動”位置Ｃに向
けて回動させる時、壁４ａが、突起９ｃに当接し
て、揺動レバー９を押圧するため、揺動レバー９
の三角形ストツパ９ｂが掛け金３の三角形凹部３
ｂ内へ横方向に摺動する。従つて、壁４ａは揺動
レバー９の戻しバネ１０ａと同一の効果を具備
し、壁４ａの作用が戻しバネ１０ａの作用に追加
されるため、自動車のモータを始動する時に２重
の安全が保証される。即ち、もし戻しバネ１０ａ
が破断したり、或いは十分に作動しない場合で
も、壁４ａが揺動レバー９を所定位置に押圧し
て、自動車のステアリングシヤフトがロツクされ
ていない位置に、掛け金３が確実に保持される。

故に、本発明は、揺動レバー９の新規な操作方
法のみならず、実用上、重要な２重安全機構に関
するものである。

従つて、本発明は上記実施例に詳記した如き構
成よりなり、所期の目的を達成し得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、イグニシヨンキーが“停止”位置に
あると共に、掛け金が自動車のステアリングシヤ
フトをロツクする位置に、掛け金がある場合の本
発明にかかるステアリングロツク装置の軸方向断
面図であり、第２図は第１図の部分平面図であ
り、第３図は第１図の矢印方向に見た側面図で
あり、第４図は第３図の部分平面図であり、第５
図は、イグニシヨンキーを“停止”位置から抜い
てあると共に、掛け金がまだ、掛け金が自動車の
ステアリングシヤフトをロツクする位置にある場
合の第３図の矢印の方向に見た側面図であり、
第６図は第５図の部分平面図であり、第７図は、
イグニシヨンキーが“停止”位置と“走行”位置
の間の中間位置にある場合の第３図と同様の側面
図であり、第８図は第７図の部分平面図であり、
第９図は、イグニシヨンキーが“走行”位置にあ
ると共に、掛け金が、自動車のステアリングシヤ
フトがロツクされていない位置にある場合の第７
図と同様の側面図であり、第１０図は第９図の部
分平面図であり、第１１図は、イグニシヨンキー
が“始動”（又は“走行”）位置にあると共に、掛
け金が、自動車のステアリングシヤフトがロツク
されていない位置にある場合の第５図と同様の側
面図であり、第１２図は第１１図の部分平面図で
あり、第１３図は、イグニシヨンキーを“走行”
位置から“停止”（又は“駐車”）位置に回動復帰
させてあると共に、掛け金が、自動車のステアリ
ングシヤフトがロツクされていない位置にある場
合の第１１図と同様の側面図であり、第１４図は
第１３図の部分平面図である。 １……外部ハウジング、２……回転自在シリン
ダ、３……掛け金、４，５……回転部材、６……
固定部材、７……カラー、８……電気スイツチ、
９……揺動レバー、１０……横軸、１１……摺動
板、１２……戻しバネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車のステアリングシヤフトをロツクする
   ステアリングロツク装置において、 回転自在のロツクシリンダ２と、ステアリング
   シヤフトに設けた凹所にスナツプ嵌めされ得る掛
   け金３と、ロツクシリンダ２を掛け金３に接続す
   ると共に、ロツクシリンダ２のイグニシヨンキー
   によつて作動する揺動レバー９と、揺動レバー９
   がステアリングロツク装置の軸方向平面内で軸１
   ０の回りで揺動し、且つ、ロツクシリンダ２に最
   も近接している揺動レバー９の端部９ｄの回りで
   の揺動レバー９の僅かな横方向回転を可能にする
   軸１０と、螺旋カム５ａと、掛け金３がステアリ
   ングシヤフトをロツクするロツク位置から、掛け
   金３がステアリングシヤフトをロツクしないアン
   ロツク位置に掛け金３を移動するように、螺旋カ
   ム５ａと係合自在に掛け金３に設けられた爪３ａ
   と、爪３ａと螺旋カム５ａの係合によつて揺動レ
   バー９が掛け金３に当接することにより揺動レバ
   ー９が一方向に横方向回転した後、掛け金３がア
   ンロツク位置に保持されるように、揺動レバー９
   を上記一方向と反対の方向に横方向回転させる第
   １戻しバネ１０ａと、掛け金３をロツク位置に保
   持するように、アンロツク位置からロツク位置に
   掛け金３を移動する第２戻しバネ１２とを備えた
   ことを特徴とするステアリングロツク装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載したステアリン
   グロツク装置において、更に、外部ハウジング１
   を備えると共に、揺動レバー９の上記横方向回転
   の間に、ロツクシリンダ２に最も近接している端
   部９ｄは、外部ハウジング１の壁１ａに横方向に
   当接するように構成したことを特徴とするもの。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載したステアリン
   グロツク装置において、掛け金３に傾斜面３ｃを
   設け、掛け金３を公知機構によつてステアリング
   シヤフトの凹所から抜く時、傾斜面３ｃが、掛け
   金３に最も近接している、揺動レバー９の部分９
   ｅを横方向に移動せしめるように構成したことを
   特徴とするもの。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載したステアリン
   グロツク装置において、第１戻しバネ１０ａは、
   揺動レバー９の回転軸である軸１０に巻装してあ
   ると共に外部ハウジング１の壁に当接する渦巻バ
   ネであることを特徴とするもの。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載したステアリン
   グロツク装置において、掛け金３に最も近接して
   いる、揺動レバー９の部分９ｅに三角形ストツパ
   ９ｂを設け、更に、掛け金３をステアリングシヤ
   フトの凹所から完全に抜いた時、上記過巻バネ１
   ０ａが、掛け金３に設けた対応する三角形凹部３
   ｂ内に、三角形ストツパ９ｂを押込むように構成
   したことを特徴とするもの。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載したステアリン
   グロツク装置において、ロツクシリンダ２内に収
   納されていると共に、イグニシヨンキーをロツク
   シリンダ２に挿入する時、半径方向で外方に摺動
   するように配設した摺動板１１を介して、イグニ
   シヨンキーが揺動レバー９に作用するように構成
   したことを特徴とするもの。 ７ 特許請求の範囲第５項又は第６項に記載した
   ステアリングロツク装置において、イグニシヨン
   キーを“走行”位置Ｂから“始動”位置Ｃに回動
   させる時、ステアリングロツク装置の公知機構の
   内の一つの回転部材４の半径方向に延在する壁４
   ａが、掛け金３に設けた三角形凹部３ｂ内へ、揺
   動レバー９の三角形ストツパ９ｂを押込むように
   構成したことを特徴とするもの。