JPH0425914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、室内や部屋の間口部を仕切るための
吊支式移動パネルにおける潜戸の下端縁と床面と
の間を密閉するための装置に関するものである。

〔従来の技術〕

潜戸を備えて成る吊支式の移動パネルにおいて
は、遮音や遮光のため室内や間口等を仕切るよう
な位置に移動パネルを移動させた後に、当該移動
パネルの上端縁と天井および下端縁と床面との隙
間を密閉することは勿論、該移動パネルにおける
潜戸の下端縁と床面との間の隙間も密閉すること
が必要である一方、当該潜戸を開いた状態にする
ときには、密閉シールが床面に接当したままで
は、潜戸の開閉動作を円滑に行えないので、密閉
シールを上昇させて置かねばならない。

その先行技術としての実公昭56−48870号公報
では、移動パネルの本体内に下向き開口部を設
け、該開口部内に一側を蝶番にて開閉自在に連結
する扉を設け、前記移動パネルの本体の上下端縁
とには、扉の箇所を除いて密閉基体を各々上下動
自在に配設し、移動パネル本体内には、当該本体
の外側面からの回動操作にて、前記上下両密閉基
体を各々上及び下方向に突出させるリンク機構を
設ける一方、前記扉の下端縁には、床面との隙間
を密閉する密閉基体を上下動自在に設け、扉内に
は当該扉の蝶番が取付く開口縁に向かつて先端が
突出する作動杆の押し込み動にて扉下端縁の密閉
基体を下降動させる揺動機構を設け、前記移動パ
ネル本体内におけるリンク機構の下端部近傍の突
子と作動杆の先端突起部とを、扉の閉塞状態にお
いて、突子の下降動にて前記作動杆の先端突起部
を押し込みできるように関連させることを提案し
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この先行技術では、潜戸付きの移動パネル上下
両端縁における密閉基体を各々移動パネル本体か
ら離れるように上下に突つ張る機構と、潜戸であ
る扉の下端縁の密閉基体を下降させる機構とが、
当該移動パネルにおけるリンク機構に関連してい
るから、当該リンク機構を移動パネルの外側から
動かすには、大きな力が必要となり、軽い力で円
滑に作動できない。

また、移動パネルを停止位置にて固定するため
には、当該移動パネルを隣接する移動パネルの端
面や間口の端面に押し付ける操作以外に密閉基体
を上下動させる操作も必要となるから、間仕切作
業の手間が掛かると云う問題もあつた。

本考案は、移動パネルを停止位置に押し付ける
だけで、潜戸下端と床面との間の隙間を密閉でき
るようにして、従来の問題点を解決することを目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため本考案は、吊支式移動パネルの本体に
下向きに開口のフレームを設け、該フレーム内に
潜戸における扉枠の一側縁を蝶番を介して開閉自
在に枢着して成る吊支式移動パネルにおいて、潜
戸における扉枠の下端縁に、床面との間を閉塞す
る密閉基体を昇降自在に配設し、該密閉基体を扉
枠内に引き込み付勢し、扉枠内には、前記蝶番が
取付く側のフレームに向かつて先端部を突出付勢
したロツドを略水平状に設け、該ロツドと前記密
閉基体とをリンク機構を介して連結し、ロツドの
先端部の押し込みにより密閉基体が床面方向に下
降するように構成する一方、前記移動パネルの本
体内には、当該移動パネルの移動方向端面に向か
つて一端部が突出付勢された作動杆を、前記フレ
ームにおける蝶番が取付く側の側端面との間にて
進退動自在に配設し、前記潜戸を有する移動パネ
ルにおける移動方向端面が隣接する移動パネルま
た間口部材の端面に接当するとき、前記作動杆の
一端部を押し込み、該作動杆の他端接当部を前記
ロツドの先端部を押圧する位置に臨ませるように
構成したものである。

〔考案の作用・効果〕

本考案によれば、移動パネルにおける本体と、
潜戸の扉枠の一側縁が取付くフレームととの間
に、作動杆を移動パネルの移動方向と平行状に進
退動自在に配設されたことになり、該作動杆はそ
の一端を当該移動パネルの移動方向端面に突出す
るように付勢されているから、潜戸付きの移動パ
ネルを移動させる途次においては、潜戸下端縁の
密閉基体が床面から離れているので摺動すること
なく、軽い力で移動パネルを移動させることがで
きる。

そして、移動パネルが停止する位置では、間口
の部材の端面や隣接する移動パネルの端面と前記
潜戸付きの移動パネルの端面とが接当すると同時
に作動杆の一端部が押圧され、この作動杆の他端
接当部が、移動パネルの開口部のフレームに対し
て閉塞状態にある潜戸における扉枠から突出する
ロツドの先端部を押圧する。

これにより、移動パネルに対して閉塞状態にあ
る潜戸における扉枠の下端縁に上下動自在に設け
た密閉基体は、前記ロツドとそれに連結したリン
ク機構との動きにより下向きに移動して床面との
隙間を密閉することができる。換言すれば、潜戸
付きの移動パネルを停止位置に押し付けるだけ
で、他の操作を必要とせずに簡単に密閉すること
ができる。

また、前記閉塞状態の潜戸を蝶番箇所を中心に
して開くと、その回動に応じて当該潜戸の扉枠内
に設けたロツドの先端部が、前記突出した作動杆
の接当部から離れるから、自動的に密閉基体が床
面から離れて軽い力にて潜戸を開けることがで
き、反対に潜戸を移動パネルと平行状に閉塞する
と、作動杆の接当部にてロツドの先端部が押圧さ
れて密閉基体にて床面と隙間を密閉できるのであ
る。

このように、本考案に従えば、潜戸の開閉動作
に応じて潜戸下端縁の密閉基体を上下動できるば
かりでなく、移動パネルの上下端における密閉基
体の上下動操作を介することなく、当該移動パネ
ルを隣接する移動パネルの端面や間口部材の端面
に押し付けるだけの簡単な操作にて閉塞状態の潜
戸の下端縁の密閉基体を床面に押圧できると云う
顕著な効果を奏するのである。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を説明すると、図におい
て、符号１は、潜戸２を備えた間仕切用の移動パ
ネル、３は床面、４は天井面に配設した箱型案内
レールで、該案内レール４の下面にはその長手方
向に沿つて開口通路が形成されている。

符号５，５は移動パネル１の上端適宜箇所から
上向き突出させて案内レール４における開口通路
内に臨ませた吊支棒に上端に設けた回転コロで案
内レール４内側の案内面に沿つて移動するように
構成する。

移動パネル１における本体１ａには、潜戸２の
扉枠２ａ一側縁を蝶番６を介して枢着する下向き
開口のフレーム７を固着する。

従つて、前記吊支式移動パネル１の本体１ａ
は、正面視下向きコ字型に形成され、該本体１ａ
の左右両側の下端縁に、配設する上向きに引き込
み付勢した密閉基体１０，１０を圧縮ロツド１
１，１１を連結し、本体１ａ上端縁に配設する下
向きに引き込み付勢した密閉基体１２に圧縮ロツ
ド１３を連結し、これらの圧縮ロツド１１，１
１，１３をリンク機構１４を介して連結し、本体
１ａの一側部における操作レバー１５にて、上下
動操作できるように構成する。

前記各密閉基体１０，１０，１２には、各々そ
れが突出動するとき床面３や案内レール４の下面
に接当するゴム製等のシール片１６が取付く。

前記潜戸２における扉枠２ａの下端縁の断面下
向きコ字型の下枠１７内には、前記各密閉基体と
同じ断面形状のシール片１６付きの密閉基体１８
を上下動自在に配設する。

密閉基体１８を上下動させるためのリンク機構
１９は、前記下枠１７の長手方向中途部上面のブ
ラケツト２０とその上方位置のユニツト枠２１と
の間に配設する上下動自在なパイプ部材２２と、
該パイプ部材２２の上端に枢着され且つユニツト
枠２１に中途部をピン２３枢着されたベルクラン
クレバー２４とから成り、該ベルクランクレバー
２４の他端に水平状のロツド２５の基端を枢着
し、該ロツド２５の先端部を扉枠２ａにおける蝶
番６の取付く一側縁の孔から摺動自在に突出さ
せ、該ロツド２５は引張ばね２６にてフレーム７
の端面側に向かつて外向きに突出付勢し、前記パ
イプ部材２２は引張ばね２７にて上向き付勢する
一方、前記密閉基体１８から上向き突出する棒材
２８をパイプ部材２２に上下摺動自在に嵌挿し、
パイプ部材２２に穿設した長手溝を介してビス２
９止めすることにより落下不能に構成し、さら
に、パイプ部材２２外周の鍔片３０と密閉基体１
８上面との間に圧縮ばね３１を被嵌する。

しかして、ロツド２５先端部が押圧されていな
い状態では、引張ばね２６，２７の付勢力が圧縮
ばね３１の力より強く、密閉基体１８は下枠１７
内に引き込み付勢され、ロツド２５の押圧状態で
は、密閉基体１８が下向きに移動すると共に、圧
縮ばね３１の付勢力にて密閉基体１８のシール片
１６を床面３に押圧して閉塞することができる。

前記移動パネル１の本体１ａ内には、作動杆３
２を、そのフレーム７における蝶番６が取付く側
の側端面と、移動パネル１の移動方向端面との間
に水平状に配設し、該作動杆３２の左右両中途部
を軸受３３，３４を介して進退動自在に支持す
る。作動杆３２の一端部である押圧片３５を前記
潜戸付き移動パネル１における移動方向端面が隣
接する移動パネル３７また間口部材の端面に向か
つて突出するようにばね３８にて付勢し、作動杆
３２の他端のＬ字状に形成した接当部３６を、潜
戸２におけるロツド２５先端部と対峙する側に臨
ませる。

そして、潜戸２付き移動パネル１が隣接する移
動パネル３７また間口部材の端面に接当して停止
するとき、前記作動杆３２の押圧片３５が移動パ
ネル３７の端面等に押圧されて作動杆３２が押し
込まれ、該作動杆３２の他端接当部３６が前記ロ
ツド２５の先端部を押圧する位置に来るように構
成したものである。

この構成において、案内レール４に吊支されて
移動自在な移動パネル１のフレーム７に対して潜
戸２を閉じた状態に保持すると、潜戸２における
ロツド２５の先端部は作動杆３２の接当部３６に
向かつて突出しているが、当該接当部３６に押圧
されていないので、潜戸２における密閉基体１８
は、引張ばね２６，２７にて引き込み付勢され床
面３とはなれた状態となつている。

従つて、移動パネル１を案内レール４に沿つて
移動させるときに密閉基体１８のシール片１６が
床面３に支えることがなく軽い力にて移動させる
ことができる。

前記移動パネル１を移動させて間口部材の端面
に押し付けたり、隣接する移動パネル３７の端面
に押し付ける（潜戸付きの移動パネル１における
ロツド２５が移動方向の後向きに突出している場
合には、隣接する移動パネル３７を後側から押し
付ける）と、移動パネル１における作動杆３２の
一端部が押圧されて移動し（第３図の二点鎖線参
照）、その接当部３６がロツド２５の先端部を押
し、リンク機構１９を介してパイプ部材２２を下
降させ、密閉基体１８を下降することにより、床
面３との隙間を密閉することができる。

そして第３図の二点鎖線に示すように蝶番６箇
所を中心にして潜戸２を開くと、ロツド２５の先
端部は前記接当部３６から離れるから、引張ばね
２６，２７力によりロツド２５が突出し、密閉基
体１８が引き上げられ、床面３を擦ることなく潜
戸２を軽く開閉動でるのである。

本考案は、このように簡単な構造にて潜戸下端
縁の密閉基体の下降動を実行させたり、密閉不能
に解除することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は潜戸付
き移動パネルの正面図、第２図は潜戸の斜視図、
第３図は第１図の−線視拡大断面図、第４図
は第１図の−線視断面図、第５図は第１図の
−線拡大断面図である。 １……移動パネル、１ａ……本体、２……潜
戸、２ａ……扉枠、３……床面、４……案内レー
ル、６……蝶番、７……フレーム、１０，１２，
１８……密閉基体、１６……シール片、１７……
下枠、２１……ユニツト枠、１９……リンク機
構、２２……パイプ部材、２５……ロツド、２
６，２７……引張ばね、３１……圧縮ばね、３２
……作動杆、３３，３４……軸受、３５……押圧
片、３６……接当部、３８……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吊支式移動パネルの本体に下向きに開口のフレ
   ームを設け、該フレーム内に潜戸における扉枠の
   一側縁を蝶番を介して開閉自在に枢着して成る吊
   支式移動パネルにおいて、潜戸における扉枠の下
   端縁に、床面との間を閉塞する密閉基体を昇降自
   在に配設し、該密閉基体を扉枠内に引き込み付勢
   し、扉枠内には、前記蝶番が取付く側のフレーム
   に向かつて先端部を突出付勢したロツドを略水平
   状に設け、該ロツドと前記密閉基体とをリンク機
   構を介して連結し、ロツドの先端部の押し込みに
   より密閉基体が床面方向に下降するように構成す
   る一方、前記移動パネルの本体内には、当該移動
   パネルの移動方向端面に向かつて一端部が突出付
   勢された作動杆を、前記フレームにおける蝶番が
   取付く側の側端面との間にて進退動自在に配設
   し、前記潜戸を有する移動パネルにおける移動方
   向端面が隣接する移動パネルまた間口部材の端面
   に接当するとき、前記作動杆の一端部を押し込
   み、該作動杆の他端接当部を前記ロツドの先端部
   を押圧する位置に臨ませるように構成したことを
   特徴とする吊支式移動パネルにおける潜戸の密閉
   装置。