JPH041154B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、旧窓枠除去装置に関する。

（従来の技術） 従来、木製や鉄製、あるいは古いアルミニウム
製の旧窓枠を、アルミニウム製のような新窓枠に
取替える場合、旧窓枠を引張手段で引張り除去し
てから、新窓枠を取付ける方法がとられていた。
この場合、引張手段としてはチエンブロツク等が
用いられ、上下又は左右の相対する枠間にチエン
ブロツクを張設し、対向する枠体を同時に引張り
除去するか、または、引張り除去しようとする枠
体に対応してコ字型フレームを設け、該フレーム
の梁に引張ねじを設け、フレーム脚部で壁部を押
圧すると共に引張ねじで枠体を引張り除去するも
のであつた。

前記対向する枠体を同時に引張り除去する場
合、一方の枠体の固着力が他方よりも強いと、固
着力の弱い枠体しか引張除去することができず不
便であつた。またコ字型フレームを用いる場合、
引張装置を除去しようとする枠体ごとにセツトし
なければならず、しかも枠体が壁面から除去され
た瞬間、フレームは保持手段を失ない、枠体と共
に落下するおそれがあり、危険であつた。そのた
め、引張手段を窓空間内に保持して、窓枠の一辺
のみを引張り除去するようにしたものが既に提案
されている（特開昭57−9979号公報の第５図参
照）。

（発明が解決しようとする課題） 前記特開昭57−9979号公報に記載の旧窓枠除去
装置は、窓開口内周面間に、支柱をつつぱり状に
設け、この支柱に引張手段を設けたものであつ
た。そして支柱の両端を係止する窓開口内周面
は、非常に狭いため、支柱を大きなものにするこ
とができない。従つて、この従来のものは、室
内・外両側に支柱を設けて、２本の支柱により引
張手段を保持しなければならないものであつた。

即ち、従来のものは、支柱が細く、強度的に弱
いものであり、また、窓開口内周面に支柱を係止
するだけの広さがなければ、もはや使用できない
と言う問題があつた。

また、従来のものは、引張手段の引張り方向が
一義的であつたので、一辺を引抜き除去した後、
他辺を引抜くためにはセツトをしなおさなければ
ならず、作業が面倒であつた。

そこで、本発明は、支柱の強度を十分確保する
ことができ、かつ、支柱を室内側に自立して設け
ることにより、窓開口内周面の巾が狭いものであ
つても使用することができると共に、作業が安全
で一度セツトすると２辺の窓枠を引き抜くことが
できる旧窓枠除去装置を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 本発明は、旧窓枠を引張手段により建造物基台
から除去する装置において、前記目的を達成する
ために、次の技術的手段を講じている。

すなわち、本発明は、室内側の床面に支柱が立
設され、かつ、該支柱の上端部は、窓開口の内周
面及び室内側面に接当することで前記支柱が室内
側に自立して設けられ、前記支柱の上下方向中途
部に、窓空間内に突出するサポートアームが片持
ち状に設けられ、該サポートアームに室内外方向
の長孔が設けられ、 該長孔に、前記引張手段が上下方向に位置変更
自在で、且つ、室内外方向に移動自在に取り付け
られ、該引張手段は流体圧による伸縮自在な流体
圧シリンダで構成されていて、該流体圧シリンダ
を伸縮させる操作制御用の流体圧ポンプが室内側
の床面に設けられていることを特徴とするもので
ある。

（作 用） 本発明によれば、まず支柱を室内側の床面に立
設する。そして、支柱の上端部を窓開口の内周面
及び室内側面に当接させることで支柱は室内側に
おいて自立される。この様に支柱は窓開口の巾寸
法とは無関係なので、太く大きく強度的に優れた
ものにすることができる。そして支柱は室内側に
設けられているので、窓から室外に落下すること
がなく、安全である。

そして、引張手段により旧窓枠の上辺を引き抜
き、その後、引張手段の方向を変えて旧窓枠の下
辺を引き抜く。引張手段は、支柱に片持ち状に設
けられたサポートアームに設けられているので、
前記引張手段の方向変更を容易に行うことができ
る。

引張手段は流体圧による伸縮自在な流体圧シリ
ンダであり、旧窓枠を引抜くとき、直線的に引抜
き、しかもその引抜き力は、室内側の床面に設け
た流体圧ポンプの操作制御で調整され、その操作
制御も室内側で行うので安全である。また、流体
圧シリンダはサポートアームに、室内外方向の長
孔を介して移動自在として取付けられているか
ら、旧窓枠に対して該シリンダをその都度取外さ
なくともその位置を正確にセツトできる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳述す
る。

第１，２図に示すものは、本発明の第１実施例
であり、１は建造物基台であり壁として例示され
ている。この建造物基台１に旧窓枠２が埋設され
ている。建造物室内側Ａには窓空間Ｓを上下に横
切るように支柱３が基台１に添つて立設されてい
る。支柱３はパイプから成り、大径柱４と小径柱
５とからなる２重筒式で伸縮自在に構成されてい
る。下部の大径柱４の下端はフロア面に載置さ
れ、大径柱４上端に挿入された小径柱５と大径柱
４とは、互いの側面に定ピツチで開設された多数
のねじ挿入孔６を合致させ、該孔６にボルト、ピ
ン等を挿入することにより、伸縮自在に連結固定
される。この小径柱５の上端部には、室外Ｂ方向
に突出するブラケツト７が取付けられている。こ
のブラケツト７に上下に貫通するねじ杆８が螺着
され、ねじ杆８上端はプレート９を介して基台１
の上縁に接当している。しかして支柱３は、前記
ねじ杆８の押圧力により、基台１上縁とフロアー
面間に保持されている。すなわち、支柱３は室内
側に自立されて設けてある。

上記小径柱５には、サポートアーム１０が室外
Ｂ方向に突出するよう取付けられ、該サポートア
ーム１０は、小径柱５の任意のねじ挿入孔６にボ
ルトを介して取着することにより上下調整自在と
なる。このサポートアーム１０には、左右対向壁
部１１を有し、該壁部１１に水平状の長孔１２が
設けられている。そしてこの左右対向壁部１１間
に引張手段である油圧による流体圧シリンダ１３
が設けられ、該シリンダ１３の両側に径方向に突
設されたボス部１４が、前記長孔１２に回動かつ
室内外方向移動自在に嵌合している。この流体圧
シリンダのピストン１５先端にチエン１６又はワ
イヤが連結され、チエン１６先端のフツク１７が
旧枠体２に係脱自在に係合している。

１８は流体圧ポンプであり手動式ポンプが例示
されており、該ポンプ１８と流体圧シリンダ１３
が油圧配管１９を介して接続しており、該流体圧
ポンプ１８は室内側の床面に備えられて手動レバ
ーの操作で配管１９を介して流体圧シリンダ１３
に作用させて引抜き力等を制御する。

なお、図において２０は梁でありサポートアー
ム１０の上面に固着され、その両端部は基台１両
側縁に突張り状に接当し、支柱３の横転を防止す
るものであるが、この第１実施例では必ずしも必
要ではない。

上記本発明の第１実施例によれば、上・下旧枠
体２ａ，２ｂを引張り除去することができるもの
であり、支柱３を室内側において自立させるとと
もに第２図実線で示す如く、流体圧シリンダ１３
のピストン１５を垂下させ、下枠体２ｂにフツク
１７を引つ掛け、流体圧ポンプ１８を操作してピ
ストン１５を縮小させることにより、旧下枠２ｂ
を基台１から引張り除去することができる。ま
た、第２図仮想線で示す如く、流体圧シリンダ１
３を上方に回動させ、旧上枠体２ａにピストン１
５を対向させ、フツクを上枠体２ａに係止させれ
ば、上枠体２ａを引張り除去することができるも
のである。

上記引張作業に際し、流体圧シリンダ１３はサ
ポートアーム１０を介して支柱３により、窓空間
に確実強固に保持されることになる。しかも支柱
３は伸縮自在であるから、窓に大小があつても対
応できる。また支柱３はフロア面に載置されてい
るので、基台１を損傷することがなく、かつ安定
して立設される。流体圧シリンダ１３は長孔１２
を移動するので、基台１の厚みが変つても、枠体
２中心に流体圧シリンダ１３を配置することがで
き、引張力の減少は生じない。

第３図に示すものは、本発明の第２実施例であ
る。サポートアーム１０は、支柱３に取付けられ
る固着部２１と、該固着部２１に支軸２２を介し
て回動自在に枢結された回動部２３とからなる。
固着部２１側面には梁２０を嵌合するブラケツト
２４が突設され、該ブラケツト２４に窓空間Ｓを
水平状に横切る梁２０が取着されている。また固
着部２１には互いに直交する少なくとも２つの位
置決め片２５が設けられ、該位置決め片２５に対
応して回動部２３にも位置決め片２６が設けら
れ、両位置決め片２５，２６にピン２７を挿入す
ることにより、回動部２３は固着部２１に90゜ご
との位置決め固定自在となる。

上記、本発明の第２実施例によれば、流体圧シ
リンダ１３は支軸２２周りに90゜ごとの位置決め
が行なわれ、さらに、流体圧シリンダ１３はボス
部１４を中心に長孔１２で回動するので、流体圧
シリンダ１３のピストン１５を上下・左右各枠体
に夫々対向させることができ、一度のセツトです
べての枠体を引き抜き除去することができる。ま
た支柱３及び梁２０が基台１縁に接当しているの
で、枠体を引張る際の基台１のかけ落ちが防止さ
れ、その後の養生工事が簡単になる。

なお本発明の流体圧シリンダとして、両端に独
立作動のピストンを設け、対向する枠体を同時に
引張るようなものであつてもよく、このように同
時に引張つても引張力は室内側に自立して設けた
支柱で支承されるため、何れか一方の枠体の固着
力が強固であつても、両方の枠体を引張り除去す
ることができる。

（発明の効果） 本発明によれば、支柱は室内側に自立して設け
てあるので、その強度を大となし、引張手段を窓
空間内に安定よく、また確実強固に保持すること
ができて作業の安全性を約束する。

また、引張手段は流体圧による伸縮自在な流体
圧シリンダであり、該シリンダを操作制御する流
体圧ポンプは室内側の床面に設けているので、支
柱が室内側に自立されていることと相まつて流体
圧シリンダによる引張り力の操作制御が安全にで
き、これは特に、階上の旧窓枠を引抜くときに有
利となる。

また、流体圧シリンダは室内側に自立して設け
た支柱に片持支持したサポートアームに室内外方
向の長孔を介して移動自在として取付けてあるの
で、旧窓枠の位置が室内外においてずれたもので
あつても、該旧窓枠に対して流体圧シリンダをそ
の都度取外さなくとも正しくセツトできる。

従つて、本発明によれば、安全性および作業性
に優れ、実用に供して多大の効果を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す正面図、第
２図は第１図の窓の縦断面図、第３図は本発明の
第２実施例の分解斜視図である。 １…建造物基台、２…窓枠、３…支柱、１３…
引張手段（流体圧シリンダ）、Ｓ…窓空間。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 旧窓枠２を引張手段１３により建造物基台１
   から除去する装置において、 室内側Ａの床面に支柱３が立設され、かつ、該
   支柱３の上端部は、窓開口の内周面及び室内側面
   に接当することで前記支柱３が室内側Ａに自立し
   て設けられ、 前記支柱３の上下方向中途部に、窓空間Ｓ内に
   突出するサポートアーム１０が片持ち状に設けら
   れ、 該サポートアーム１０に室内外方向の長孔１２
   が設けられ、 該長孔１２に、前記引張手段１３が上下方向に
   位置変更自在で、且つ、室内外方向に移動自在に
   取り付けられ、 該引張手段１３は流体圧による伸縮自在な流体
   圧シリンダで構成されていて、該流体圧シリンダ
   を伸縮させる操作制御用の流体圧ポンプ１８が室
   内側Ａの床面に設けられていることを特徴とする
   旧窓枠除去装置。