本発明は、運転部を覆うキャビンを備えたコンバインにおいて、キャビンの後壁部の側面視形状等を工夫することにより、キャビンの後部に設けられた外気取入口の開口面積の確保やキャビン内からの後方視認性等に対して有利な構成を得ようとするものである。以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1から図3を用いて、本実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、コンバイン1の前方に向かって左側および右側を、それぞれコンバイン1における左側および右側とする。
図1から図3に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ部3,3を有するクローラ式の走行装置として構成された走行部2と、走行部2により支持された走行機体4とを備える。コンバイン1は、刈取部5と、脱穀部6と、穀粒タンク7と、選別部8と、排出オーガ9と、排藁処理部10とを備える。
走行部2を構成する各クローラ部3は、走行機体4の下方において前後方向に延設されたトラックフレーム3aと、トラックフレーム3aに支持された各種回転体と、これらの回転体に巻回された履帯3bとを有する。クローラ部3は、トラックフレーム3aに支持された回転体として、トラックフレーム3aの前端部に支持された駆動スプロケット3c等を含む。クローラ部3は、駆動スプロケット3cにおいて、走行機体4上に搭載された駆動源としてのエンジン11の動力の伝達を受けて駆動する。
刈取部5は、圃場の穀稈を刈り取りながら取り込むための装置構成であり、走行機体4の前部に設けられている。刈取部5は、走行機体4の前側において、コンバイン1の機体幅の略全体にわたって設けられている。刈取部5は、走行機体4に対して、昇降用の油圧シリンダを介して所定の軸回りに回動可能に装着されており、油圧シリンダの伸縮動作による回動動作によって昇降調節可能に設けられている。
刈取部5は、刈取フレームとしての刈取支持機枠5aを有し、この刈取支持機枠5aに、分草体5b、引起装置5c、刈刃装置5e、および穀稈搬送装置5fを支持させて構成されている。刈取部5は、分草体5bにより圃場の穀稈を分草し、分草した穀稈を引起装置5cにより引き起し、引き起した穀稈を穀稈搬送装置5fにより後側へ搬送しつつ刈刃装置5eにより切断して刈り取る。刈取部5が有する各装置は、コンバイン1が備えるエンジン11から動力が伝達されることで作動する。
走行機体4上には、刈取部5により刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀部6と、脱穀部6から取り出された穀粒を貯留する穀粒タンク7とが、横並び状に設けられている。脱穀部6は機体左側に、穀粒タンク7は機体右側にそれぞれ配置されている。
脱穀部6は、前後方向を回転軸方向とする扱胴6aおよび処理胴(図示略)と、扱胴6aの左方に設けられた穀稈供給装置とを有する。穀稈供給装置は、穀稈の株元を挟持して穂先を扱胴6a側とした横臥姿勢で穀稈を後方へ搬送する。穀稈供給装置は、左右方向を回転軸方向とする複数のスプロケットに巻回されたフィードチェンと、フィードチェンと協働して穀稈の株元を挟扼する穀稈供給挟扼体とを有する。
走行機体4上における脱穀部6の下方には、脱穀部6により脱穀処理された処理物を選別処理する選別部8が設けられている。選別部8は、揺動選別装置8aと、図示せぬ風選別装置および穀粒搬送装置を有する。選別部8は、脱穀部6から落下してきた処理物を揺動選別装置8aにより揺動選別し、揺動選別後の処理物を風選別装置により風選別する。選別部8は、風選別後の処理物のうち、穀粒を穀粒搬送装置により穀粒タンク7に向けて右方へ搬送し、藁屑や塵埃などを風選別装置により後方へ飛ばして機体の外部に排出する。穀粒搬送装置により穀粒タンク7に向けて搬送された穀粒は、穀粒タンク7に貯留される。
走行機体4上の右側後端部には、穀粒タンク7内の穀粒を外部へ排出する穀粒排出装置としての排出オーガ9が旋回可能に設けられている。穀粒タンク7に貯留されている穀粒は、スクリューコンベアを内装した排出オーガ9により搬送され、排出オーガ9の先端部に設けられた排出口9aから排出される。排出口9aから排出された穀粒は、トラックの荷台やコンテナ等に投入される。
一方、走行機体4上において、脱穀部6の後方には、脱穀部6による脱穀処理後の排藁を処理する排藁処理部10が設けられている。排藁処理部10は、排藁搬送装置10aと、排藁切断装置10bとを有する。排藁搬送装置10aは、脱穀部6により脱穀済みの穀稈(排稈)を後方に搬送して機体の外部に排出するかあるいは排藁切断装置10bに搬送する。排藁切断装置10bは、排藁搬送装置10aから搬送された排稈を切断して機体の外部に排出する。
また、走行機体4上において、刈取部5の右方であって穀粒タンク7の前方には、キャビン30により覆われた運転部12が設けられている(図9参照)。運転部12は、キャビン30内に設けられている。図9に示すように、運転部12の前部には、操向操作部としてのハンドル18が設けられており、ハンドル18の後方に、運転席19が設けられている。また、運転席19の左側方には、主変速レバー21や副変速レバー22等の各種操作具等をサイドコラム23に配設した側方操作部20が設けられている。
運転部12の後下方には、エンジンルーム13内に設置されたエンジン11を含む原動機部が設けられている。エンジン11の動力は、変速装置等を介して、走行部2、刈取部5、脱穀部6、選別部8、排出オーガ9、排藁処理部10等、コンバイン1が備える各部の各種装置に伝達される。エンジン11は、ディーゼルエンジンである。
エンジンルーム13内において、エンジン11の右側方には、ラジエータ14が配置されている(図3参照)。ラジエータ14は、エンジン11の冷却水の循環経路の途中に設けられており、エンジン11から送られてきた冷却水を、外気との間の熱交換によって冷却する。ラジエータ14により冷却された冷却水は、エンジン11に戻される。
また、図2に示すように、エンジン11の右側方には、エンジンルーム13の右側を覆うエンジンカバーとしての外気導入カバー15が設けられている。外気導入カバー15の内側に、ラジエータ14が位置している。つまり、エンジン11と外気導入カバー15との間に、ラジエータ14が配置されている。外気導入カバー15から取り込まれた外気は、ラジエータ14における熱交換に用いられる。
外気導入カバー15は、コンバイン1の右側において、キャビン30と穀粒タンク7との間に設けられている。外気導入カバー15は、穀粒タンク7の右側の側面部と面一状をなすように設けられている。
外気導入カバー15の後縁部は、側面視で鉛直方向に沿うように直線状に形成されている。外気導入カバー15は、その後縁部に沿うように走行機体4上に立設された図示せぬ支柱に対して、図示せぬヒンジ部を介して上下方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。外気導入カバー15は、支柱に対する後側の回動支持部により、前側から開くように開閉可能に設けられている。
外気導入カバー15が閉じた状態において、エンジン11およびラジエータ14の機外側となる右側が外気導入カバー15により覆われ、エンジンルーム13が右側から閉じられた状態となる。外気導入カバー15が開くことにより、エンジンルーム13の右側が開放された状態となる。
外気導入カバー15には、ロータリスクリーン16が設けられている。ロータリスクリーン16は、エンジンルーム13内に、エンジン11に対する冷却風として外気を取り込むための構成である。ロータリスクリーン16は、外気導入カバー15に形成された円形状の開口部16aの中心部に位置する回転支持部により回転可能に支持されており、図示せぬモータの駆動によって回転するように構成されている。
ロータリスクリーン16は、円形状の開口部16aに、メッシュ状の防塵網16bを張設した構成を有する。防塵網16bにより、塵や埃や藁等が捕集され、塵等が外気とともにエンジンルーム13内に侵入することが防がれる。防塵網16bにより捕集された塵等は、ロータリスクリーン16の外側に設けられた吸引装置17によって除去される。吸引装置17は、防塵網16bに付着した塵等を吸引して機外に排出するように構成されている。
以上のように、コンバイン1は、運転部12を覆うキャビン30と、キャビン30の後下側に設けられたエンジン11と、エンジン11の側方に配置された外気導入カバー15とを備える。
図4から図15を用いて、キャビン30の構成について説明する。キャビン30は、前面部31、後壁部32、左側壁部33、右側壁部34、天井部をなすルーフ部35、および床部36を有し、これらの部分により全体として略箱状に構成されている。
キャビン30の前面部31は、その上側の過半部分を構成する前傾状の前上面部31aと、前面部31の略下半部を構成する前下がりの傾斜状の前下面部31bとを有し、全体として側面視で後側に凹の屈曲形状を有する。すなわち、前上面部31aは、上側から下側にかけて前側から後側に傾斜しており、前下面部31bは、上側から下側にかけて後側から前側に傾斜しており、前面部31は、側面視で略横「V」字状をなす(図6参照)。前上面部31aの上端縁部は、前下面部31bの下端縁部よりも前側に位置しており、前面部31の上端側は下端側に対して前方に張り出している。
前面部31は、前下面部31bを、板金製の部分である下部前面部37としている。下部前面部37は、鋼板等の金属製の部材により構成されている。また、前面部31は、前上面部31aを、全体的に透明部である前側窓部38としている。前側窓部38は、下部前面部37の上側に、ガラスやアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる矩形状の上部透明板39を固定することにより構成されている。前上面部31aは、全体的に上部透明板39により形成されている。
キャビン30の左側壁部33は、キャビン30の左側面部をなす部分であり、下側の部分を、鋼板等により構成された板金製の部分である下部側面部41としている(図5参照)。下部側面部41は、上下方向について前面部31の前下面部31bと略同じ範囲で設けられている。左側壁部33において、下部側面部41の上側には、左側壁部33の前後方向の中間部に位置し上下方向に沿う直線状の左支柱部42が設けられている。
左側壁部33において、左支柱部42の後側には、矩形状の左後窓部43が設けられている。左後窓部43は、下部側面部41の上側の部分において、左支柱部42を前側の辺部とする枠状の窓枠部44に対し、矩形状のガラス等の透明板45を取り付けることにより構成されている。透明板45は、窓枠部44の上辺部に対し、前後両側に設けられたヒンジ部46により、下側を外側に移動させて開くことができるように回動可能に支持されている。
また、左側壁部33において、左支柱部42の前側には、左前窓部47が設けられている。左前窓部47は、略逆台形状を有し、前側の辺部を、前面部31の前上面部31aの前傾状の傾斜に沿わせている。左前窓部47は、左支柱部42の前側において左支柱部42を含んで形成された前側開放のフレーム部分に対してガラス等の透明板48を取り付けることにより構成されている。透明板48は、前側の斜辺部を、前側窓部38をなす上部透明板39の左辺部に合わせ、平面断面視で上部透明板39とともに略直角をなすように設けられている。
キャビン30の右側壁部34は、右側壁部34の前部に立設された右前支柱部49と、右側壁部34の後部に立設された右後支柱部50とを有する。右前支柱部49は、下部49aを、前面部31の前下面部31bの側面視での傾斜に沿わせ、上部49bを、上下方向に延伸させている。右前支柱部49は、床部36の右前の位置に立設され、右側壁部34の上下方向の略全体にわたって設けられている。
右後支柱部50は、右前支柱部49において上下方向に延伸した上部49bに対し、略同じ高さ位置で平行状となるように設けられている。右後支柱部50は、側面視で前下りの傾斜状に設けられた後壁部32の右側の縁部の前後中間部の位置に立設されている。右前支柱部49と右後支柱部50との間に、右側壁部34の大部分をなす乗降用の開閉扉であるドア51が設けられている。
ドア51は、右後支柱部50に対して上下2箇所に設けられた支持部52により上下方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。ドア51は、閉じた状態から、キャビン30内に作業者が乗降できるように前側から外方に開いた状態となる。ドア51の周縁部には、ドア51の外形に沿ってゴム等のシール部材51aが全周にわたって設けられている。
ドア51は、上部において、上下の支持部52による支持を受ける部分として、略矩形状の窓枠部53を有する。窓枠部53に対し、略矩形状のガラス等の透明板54が取り付けられている。透明板54は、窓枠部53の後辺部に対し、上下両側に設けられたヒンジ部55により、前側を外側に移動させて開くことができるように回動可能に支持されている。このように、ドア51の上部には、開閉可能な窓部56が設けられている。
ドア51の下部の略全体は、透明板54の下側に設けられたガラス等の透明板57により形成されている。ドア51は、上部の透明板54および下部の透明板57により、略全体を透明部分としている。ドア51は、透明板57を設けた下部について、前側の縁部を、側面視で右前支柱部49の下部の傾斜に沿わせ、後側の縁部を、側面視で後壁部32の前下りの傾斜に沿わせた形状を有する。ドア51の下部の前側の下寄りの位置には、取手58が設けられている。
このように、本実施形態では、右側壁部34が、キャビン30の乗降用のドア51が設けられたキャビン30の側壁部となっている。また、右側壁部34は、キャビン30の左右の側壁部のうち、外気導入カバー15が位置する側の側壁部である。
また、右側壁部34において、ドア51の上部の前側には、右前窓部59が設けられている。右前窓部59は、略逆三角形状を有し、前側の辺部を、前面部31の前上面部31aの前傾状の傾斜に沿わせている。右前窓部59は、右前支柱部49の前側において右前支柱部49を含んで形成された前側開放のフレーム部分に対してガラス等の透明板60を取り付けることにより構成されている。透明板60は、前側の斜辺部を、前側窓部38をなす上部透明板39の右辺部に合わせ、平面断面視で上部透明板39とともに略直角をなすように設けられている。
キャビン30のルーフ部35は、平面視で前後方向を長手方向とする略矩形状をなす。ルーフ部35は、前側の縁端部を、前面部31の上端部に対して前側に庇状に突出させており、後側の縁端部を、後壁部32の上端部に対して後側に庇状に突出させている。
キャビン30の床部36は、運転席19の前下方において、水平面状の床面部63を形成している(図9参照)。床面部63の後側に、前下がりの傾斜面部64を介して、略水平状の座席支持面部65が設けられている。座席支持面部65上に、運転席19が設置されている。
以上のような構成を備えたコンバイン1において、キャビン30の後側の位置でコンバイン1の右側面部の一部をなすように設けられた外気導入カバー15は、側面視で、前側の部分をキャビン30に対して後側から傾斜状に突き合わせた態様で設けられている。すなわち、概略的には、右側面視において、外気導入カバー15およびキャビン30は、前下がりの傾斜状の境界線A1(図4参照)をなすように、上下に重なり合った部分を有する。詳細には次のとおりである。
キャビン30の後壁部32は、側面視で後傾形状を有する。すなわち、後壁部32は、全体として、前側から後側にかけて下側から上側に向かうように、前下がり(後上がり)の傾斜面部として設けられており、側面視で後傾状をなしている。図9に示すように、後壁部32は、座席支持面部65の後側から後斜め上方に向けて立ち上がり、ルーフ部35につながる上端部を、ルーフ部35の後端部近傍の部位に位置させている。
また、ドア51が設けられたキャビン30の右側壁部34は、側面視で、後側の縁部を後傾状としている。本実施形態では、右側壁部34は、側面視で、後側の縁部を、キャビン30のルーフ部35の後縁部の近傍に上端を位置させるように後傾状としている。
図6に示すように、右側壁部34の大部分をなすドア51において、透明板57により形成された下部の後側の縁部51bは、側面視で前下がりに傾斜した直線に沿うように傾斜状に形成されている。また、右側壁部34の後縁部は、側面視において、ドア51の縁部51bを上側に延長させた態様で傾斜状に形成されている。
このように後側の縁部を後傾状とした右側壁部34に対し、キャビン30の後壁部32は、右側壁部34の後側の縁部の側面視における後傾状に沿うように側面視で後傾状をなしている。つまり、後壁部32は、右側壁部34の後端部に沿うように形成されている。
本実施形態では、右側壁部34の後側の縁部と、後壁部32の右側の縁部とは、共通のフレーム部材66により形成されており、フレーム部材66が、右側面視で後傾状に延伸している。フレーム部材66は、下端を、床部36の右後側の角部近傍に位置させており、略上下方向に沿う下端部66aよりも上側の略全体の部分を、側面視で後傾状に傾斜させている。フレーム部材66は、上端を、ルーフ部35の後端部に位置させている。
このような後壁部32を有するキャビン30に対し、外気導入カバー15は、側面視で少なくとも一部を後壁部32の下側に位置させるように設けられている。
図4に示すように、前後方向について、外気導入カバー15の前端の位置B1は、キャビン30の後端であるルーフ部35の後端の位置B2よりも前方に位置している。また、キャビン30の後側に位置する外気導入カバー15は、右側面視において、前側の縁部を、キャビン30の後側の後傾状(前下がりの傾斜状)の縁部に沿わせている。したがって、右側面視において、前後方向について位置B1から位置B2の間の範囲B3の部分は、上側に位置するキャビン30と、下側に位置する外気導入カバー15とのオーバーラップ部分となる。
図4に示すように、外気導入カバー15は、側面視での外形をなす部分として、前側の傾斜辺部15a、傾斜辺部15aの下側につながった前辺部15b、前辺部15bの下側につながった下辺部15c、傾斜辺部15aの上側につながった上辺部15d、および下辺部15cと上辺部15dの後側同士をつなぐ後辺部15eを有する。
傾斜辺部15aは、外気導入カバー15の前側の縁部の上部をなす部分であり、右側面視で鉛直方向に対してフレーム部材66の傾斜部分の下部をなす中間部66bと略同じ傾斜角度で傾斜している。前辺部15bは、外気導入カバー15の前側の縁部をなす部分であり、略鉛直状に形成されている。
下辺部15cは、外気導入カバー15の下側の縁部をなす部分であり、略水平状に形成されている。上辺部15dは、外気導入カバー15の上側の縁部をなす部分であり、緩やかに前下がりに傾斜している。上辺部15dは、前端部を、他の後側の部分の傾斜に対して前下がりの傾斜が急な傾斜辺部15fとしている。後辺部15eは、外気導入カバー15の後側の縁部をなす部分であり、略鉛直状に形成されている。
このような側面視外形を有する外気導入カバー15は、右側面視において、前側の傾斜辺部15aを、キャビン30の右側壁部34の後側の縁部に後側から突き合わせた状態で設けられており、キャビン30との間に、境界線A1に沿う境界部67をなしている(図4参照)。すなわち、外気導入カバー15は、傾斜辺部15aを、フレーム部材66の中間部66bに対して、わずかな隙間を隔てて平行状となるように近接させた状態で設けられており、キャビン30との間の後傾状の境界部67をなしている。このように、外気導入カバー15は、側面視で外気導入カバー15の一部とキャビン30の後壁部32が沿うように配置されている。本実施形態では、外気導入カバー15は、側面視で傾斜辺部15aと後壁部32が沿うように配置されている。
右側面視において鉛直方向に対する境界線A1の傾斜角度θ1は、約25°となっている。ただし、この角度の値はあくまで一例であり、傾斜角度θ1の大きさは限定されるものではない。
また、キャビン30の右側壁部34において、後傾状の後縁部の上部をなす部分に、透過窓70が設けられている。透過窓70は、右側壁部34において、右後支柱部50よりも後側の部分の略全体を占めるように設けられている。また、透過窓70は、上下方向については、右側壁部34をなすドア51の上部に設けられた透明板54による窓部56と略同じ範囲で設けられている。
透過窓70は、キャビン30の右側壁部34の、側面視で外気導入カバー15の上方に位置する部位に設けられている。透過窓70は、下側を頂点側とした三角形状を有する三角窓として構成されている。
透過窓70は、右後支柱部50と、右後支柱部50の後側に位置するフレーム部材66の上部66cと、右後支柱部50とフレーム部材66の上端部間に設けられた水平状のフレーム部71とにより形成された三角形状の窓枠部分に対し、三角形状のガラス等の透明板72を固定することにより構成されている。透明板72は、右後支柱部50に沿う鉛直状の前辺部72aと、フレーム部材66の上部66cに沿う後側の後斜辺部72bと、前辺部72aおよび後斜辺部72bの上端間の水平状の上辺部72cとにより、下側を頂角側とした直角三角形状を有する(図6参照)。
透過窓70の窓枠部分に関し、右後支柱部50は、前後方向について、外気導入カバー15の傾斜辺部15aの中間部の上側に位置している。また、フレーム部材66の上端部は、前後方向について、外気導入カバー15の上辺部15dの前部の上方に位置している。このように、透過窓70の形成範囲は、前後方向について、外気導入カバー15の配設部位に含まれており、右側面視において、外気導入カバー15の上側に、透過窓70が設けられている。
透過窓70と外気導入カバー15の位置関係に関し、透過窓70の下部と、外気導入カバー15の上部とが、側面視で前後方向に対向している。
図4に示すように、三角形状の透過窓70の下側の端部である頂部70aは、右後支柱部50の下端部近傍に位置している。この透過窓70の頂部70aが位置する場所は、ドア51を支持する上下の支持部52のうちの下側の支持部52Aの直後方の位置となる。なお、透過窓70の頂部70aは、透明板72の前辺部72aと後斜辺部72bとにより形成される鋭角状の角部分であって、右後支柱部50の下端部とフレーム部材66の上部66cの下端部とにより形成される角部分に対応している。
透過窓70において、透明板72の後斜辺部72bのうち、頂部70aをなす下端部分は、右側面視において外気導入カバー15の傾斜辺部15aの上端部に対して前側から平行状に近接している。すなわち、透過窓70は、右側面視において、頂部70aの後側の辺部を、外気導入カバー15の傾斜辺部15aの上端部に沿わせるように設けられている。
外気導入カバー15において傾斜辺部15aと上辺部15d(の傾斜辺部15f)とにより形成される角部は、右側面視において透過窓70の頂部70aの後側の近傍に位置している。このように、透過窓70の頂部70aと外気導入カバー15の傾斜辺部15aの上端部とは、頂部70aを前側、傾斜辺部15aの上端部を後側として、境界部67の一部をなすように前後方向に対向している。
また、透過窓70の配置態様に関し、透過窓70は、平面視で前側から後側にかけて左右外側から左右内側に向かうように傾斜状に設けられている。
図8および図10に示すように、透過窓70の窓枠部分の後側の辺部をなすフレーム部材66の上部66cは、平面視において、前側から後側にかけて左右外側である右側から左右内側である左側に向かうように傾斜状に配されている。すなわち、フレーム部材66は、略鉛直状の下端部66aと、下端部66aに対して屈曲した部分であって下端部66aの上側から前後方向に沿う鉛直面に沿って後斜め上方に延伸した中間部66bと、中間部66bに対して屈曲した部分であって中間部66bの上側から後左斜め上方に向けて延伸した上部66cとを有する。
フレーム部材66は、下端部66aおよび中間部66bの左右方向の位置を共通とし、中間部66bよりも上側の部分である上部66cを、側面視および平面視で傾斜状となるように後左斜め上方に配している。フレーム部材66における中間部66bと上部66cによる屈曲部分(角部分)は、右後支柱部50の下端部近傍に位置しており、フレーム部材66の上部66cの下端部と右後支柱部50の下端部とにより、透過窓70の頂部70aをなす鋭角状のフレーム部分が形成されている。
このように、平面視で前後方向に対して左右内側に屈曲した態様で傾斜状に配された窓枠部分に、透明板72が取り付けられることで、平面視で傾斜状の透過窓70が構成されている。すなわち、透過窓70は、キャビン30の内部に対して平面視で右斜め後方に臨むように設けられており、透明部分として外部を視認可能としている。
図10に示すように、平面視において、前後方向に対する透明板72の傾斜角度θ2は、約30°となっている。ただし、この角度の値はあくまで一例であり、傾斜角度θ2の大きさは限定されるものではない。
図4に示すように、外気導入カバー15の上側には、側面視で透過窓70の後側に位置する上カバー部75が設けられている。上カバー部75は、板状のカバー部分であり、外気導入カバー15と面一状の右側面部をなすように設けられている。上カバー部75は、所定のフレーム部分等に対して固定された状態で設けられている。上カバー部75は、右側面視において、外気導入カバー15の傾斜辺部15aと後辺部15eによるテーパ形状を上側に延長させた態様の外形を有し、外気導入カバー15と一体的な形状をなすような側面視外形を有する。
上カバー部75は、側面視での外形をなす部分として、前側の傾斜辺部75a、傾斜辺部75aの下側につながった下辺部75b、傾斜辺部75aの上側につながった上辺部75c、および下辺部75bと上辺部75cの後側同士をつなぐ後辺部75dを有する。上カバー部75は、これらの辺部によって、側面視で略台形状の外形を有する。
傾斜辺部75aは、上カバー部75の前側の縁部をなす部分であり、右側面視で外気導入カバー15の傾斜辺部15aが沿う直線の上側への延長線に沿うように傾斜している。つまり、傾斜辺部75aは、外気導入カバー15の傾斜辺部15aと略同じ傾斜角度で傾斜している。
下辺部75bは、上カバー部75の下側の縁部をなす部分であり、前端側を除く大部分を、外気導入カバー15の上辺部15dに対してわずかな隙間を隔てて上辺部15dに沿わせている。つまり、下辺部75bは、外気導入カバー15の上辺部15dの傾斜辺部15fを除いた部分と略同じ傾斜角度で傾斜している。
上辺部75cは、上カバー部75の上側の縁部をなす部分であり、略水平状に形成されている。後辺部75dは、上カバー部75の後側の縁部をなす部分であり、略鉛直状に形成されている。後辺部75dは、右側面図において外気導入カバー15の後辺部15eと略同一直線上に位置している。
このような側面視外形を有する上カバー部75は、右側面視において、前側の傾斜辺部75aを、透過窓70の後側の縁部に後側から突き合わせた状態で設けられており、外気導入カバー15とともに、キャビン30との間に、境界線A1に沿う境界部67をなしている(図4参照)。すなわち、上カバー部75は、傾斜辺部75aを、フレーム部材66の上部66cに対して、わずかな隙間を隔てて平行状となるように近接させた状態で設けられており、キャビン30との間の後傾状の境界部67をなしている。
また、上カバー部75は、後面視で透過窓70を露出させるように傾斜状に設けられている。具体的には、図7に示すように、上カバー部75は、全体として、上側を下側に対して左右内側(左側)に位置させるように傾斜状に設けられている。
上カバー部75の下側に設けられた外気導入カバー15は、左右方向について、透過窓70と略同じ位置に位置するように設けられている。このような外気導入カバー15に対して、上カバー部75は、左右方向について、下側を外気導入カバー15と略同じ位置に位置させ、背面視で下側から上側にかけて左斜め上方に向かうように傾斜している。
このように上カバー部75が傾斜状に設けられることで、背面視において、上カバー部75が透過窓70に対して左右内側に逃げた状態となり、透過窓70の上側および左右外側(右側)の大部分が露出した状態となる。
図7に示すように、後面視において、上下方向に対する上カバー部75の傾斜角度θ3は、約20°となっている。ただし、この角度の値はあくまで一例であり、傾斜角度θ3の大きさは限定されるものではない。なお、上カバー部75の傾斜角度θ3は、上カバー部75が左右外側の面として有する平面状の外表面75sについての角度である。
また、図11に示すように、上カバー部75は、後側の大部分をなす本体部分75Xに対して、前部を左右内側に傾斜状に屈曲させた前傾斜面部76を有することで、透過窓70に対して前部をさらに左右内側に逃がしている。前傾斜面部76は、上カバー部75の本体部分75Xに対して、本体部分75Xとともに傾斜辺部75aと平行状の稜線部76aをなすように屈曲形成された部分である。
すなわち、上カバー部75における稜線部76aは、右側面視において、前下がりに傾斜しており(図4参照)、背面視において、上カバー部75の全体的な傾斜により上側を下側に対して左右内側に位置させるように傾斜している(図11参照)。前傾斜面部76は、右側面視において後傾状の平行四辺形状となる平板状の部分である。
図13に示すように、キャビン30は、キャビン30の室内に対する冷暖房運転を行う空調装置80を備える。空調装置80は、運転部12に設けられた空調操作部によって操作される。空調操作部は、例えば、空調装置80をオン・オフさせるためのスイッチや、設定温度を調節するためのダイヤル等を含む。
空調装置80は、いわゆる室外機としてのコンデンサユニット81と、いわゆる室内機としてのエアコンユニット82とを備える。コンデンサユニット81は、キャビン30の後壁部32に設けられている。エアコンユニット82は、キャビン30のルーフ部35内に設けられている。
コンデンサユニット81は、コンデンサ83と、コンデンサ83に対して熱交換用の空気を送る冷却ファンであるファン84とを有する。コンデンサ83は、例えば多段の折返し状に配された冷媒流通用のパイプを含んで構成されている。
図13に示すように、ファン84は、ファン本体85と、ファン本体85を駆動させる駆動源としての電動式のファンモータ86とを有する電動ファンである。ファン本体85の回転軸に、ファンモータ86の駆動軸が連結されている。ファン84は、ファンモータ86の駆動力により、ファン本体85を正回転方向と逆回転方向のいずれにも回転させることができるように構成されている。
コンデンサユニット81は、概略的に略正方形状を有する厚板状の外形をなすように構成されており、キャビン30の後壁部32において、前後方向を板厚方向として鉛直状に配置されている。コンデンサユニット81においては、前側にコンデンサ83が配置され、コンデンサ83の後側に重なるようにファン84が付設されている。コンデンサユニット81は、コンデンサ83の前側の部分を、キャビン30の後壁部32に埋め込ませた態様で設けられている。
このように、コンバイン1は、キャビン30の後側に配置された空調装置80のコンデンサ83を備える。コンデンサ83は、キャビン30の後壁部32の下側に配置されている。すなわち、コンデンサ83は、後壁部32において、上下方向について下側寄りの位置に設けられており、後壁部32の下方に配置されている。
キャビン30の後壁部32において、コンデンサユニット81の配設部位の上側の部分は、側面視で境界部67の傾斜に沿う上側斜面部32aとなっている。上側斜面部32aは、後面視で横長の矩形状をなす面部であって、キャビン30の後側の上部において後上がりの背面部をなしている。コンデンサユニット81は、左右方向については、後壁部32の中間部に位置するように設けられている。
キャビン30の後壁部32において、コンデンサ83の上側の上側斜面部32aには、後窓部90が設けられている。後窓部90は、横長の矩形状の窓部分として設けられており、上側斜面部32aにおいて周縁部を除いた大部分にわたる範囲で設けられている。
後窓部90は、上側斜面部32aにおいて形成された貫通状の開口部に対して、略矩形状のガラス等の透明板91を固定することにより構成されている。後窓部90は、キャビン30の内部に対して後方に臨むように設けられており、透明部分として外部を視認可能としている。
このように、キャビン30においては、後壁部32に、後窓部90が設けられている。そして、後壁部32においては、後窓部90の下方に、コンデンサユニット81のコンデンサ83が設けられている。
エアコンユニット82は、エバポレータやヒータ等を含む熱交換器95と、熱交換器95に空気を送風する送風ファン96とを有する。熱交換器95および送風ファン96は、互いに連通した状態で設けられている。熱交換器95および送風ファン96は、ルーフ部35内の後部において、送風ファン96を左側、熱交換器95を右側として左右横並びに配置されている。エアコンユニット82は、ルーフ部35内においてコンデンサユニット81の上方の位置に設けられている。
ルーフ部35は、扁平状の外形を有するとともに中空状に構成されている。ルーフ部35は、ルーフ部35の本体部分を構成するフレーム部分である下側パネル部97と、下側パネル部97の上側に設けられキャビン30の上面部をなす上側パネル部98とを有し、これらのパネル部により中空部を形成している。上側パネル部98は、下側パネル部97を全体的に上側および左右両側から被覆するように設けられたカバー部分である。
下側パネル部97は、上側パネル部98の上面部と対向する下側パネル本体部97aと、下側パネル本体部97aの周縁に沿って形成された周壁部97bと、周壁部97bの上縁部に沿って形成されたフランジ部97cとを有する。ルーフ部35の中空部の後部に、エアコンユニット82を収容するエアコン収容部99が設けられている。
上面部を扁平状とした上側パネル部98に対し、下側パネル部97の後部には、下側に突出した凹形状部97dが形成されている。下側パネル部97は、凹形状部97dにより、上側パネル部98との間の上下方向の寸法を部分的に広げ、上側パネル部98との間にエアコン収容部99を形成している。凹形状部97dの下側の前後中間部に、後壁部32の上側斜面部32aの上端がつながっている。
図13に示すように、コンデンサ83と熱交換器95との間には、冷媒供給流路101および冷媒戻し流路102が設けられている。冷媒供給流路101は、一端側を、コンデンサ83における冷媒流通用のパイプの一端側に連通接続させており、他端側を、熱交換器95内の冷媒流路の一端側に連通接続させている。冷媒戻し流路102は、一端側を、コンデンサ83における冷媒流通用のパイプの他端側に連通接続させており、他端側を、熱交換器95内の冷媒流路の他端側に連通接続させている。これらの流路は、ホース等の配管部材や接続金具等により構成されている。
冷媒供給流路101には、冷媒濾過・乾燥用のレシーバ103が設けられている。冷媒戻し流路102には、コンプレッサ104が設けられている。コンプレッサ104は、エンジン11に連結されており、エンジン11の動力の伝達を受けて駆動する。
図12に示すように、ルーフ部35内において、エアコンユニット82の前側には、エアコンユニット82で得られた空調用の空気をキャビン30の室内に送付するための送風ダクト105が設けられている。空調用の空気としては、熱交換器95のエバポレータにより生起される冷気等が、コンプレッサ104により送風ダクト105内を圧送され、キャビン30の室内に対して設けられた吹出口106から吹き出す。送風ダクト105は、後側の基部から左右の分岐ダクト部105aに二股状に分岐し、各分岐ダクト部105aは、ルーフ部35の前部の下側に設けられた吹出口106に連通している。
図6に示すように、側面視で透過窓70の下方の位置に、コンデンサ83に対する外気を取り込むための外気取入口110が設けられている。外気取入口110は、キャビン30の後壁部32において、コンデンサ83の前側が臨むように形成された外気流通空間部111を右側に開口させた部分である。外気流通空間部111は、キャビン30の右側方から外気を流通させる空間部分である。
外気流通空間部111は、キャビン30の後壁部32において上下中間部に形成されている。外気流通空間部111は、後壁部32においてキャビン30の室内側の部分を形成する略鉛直状の前側壁部112と、前側壁部112の後側において前側壁部112に対して平行状に設けられた後側壁部113と、左右の側面部および底面部とによって形成された扁平状の空間部分である。
外気流通空間部111は、上部の前側の部分を、右側面視で境界線A1が沿う仮想平面よりも前側に位置させている。コンデンサ83は、外気流通空間部111を形成する後側壁部113を貫通するように設けられており、前側の部分を外気流通空間部111内に位置させている。後側壁部113には、コンデンサ83を取り付けるための開口部が形成されている。
外気取入口110は、外気流通空間部111の右側面部114において、下半部を全体的に開口させるように縦長の開口部分として設けられている。外気取入口110の右方には、外気導入カバー15が位置している(図4参照)。
そして、側面視で外気導入カバー15に重なる位置に、外気取入口110が設けられている。すなわち、右側面視において、外気取入口110の全体または略全体は、外気導入カバー15により覆われている。本実施形態では、側面視で外気導入カバー15の上部に重なる位置に、外気取入口110が設けられている。具体的には、右側面視において、傾斜辺部15aと上辺部15dとの角部分の近傍に、外気取入口110が位置している。
外気取入口110の周囲における後側および下側には、外気取入口110から外側(右側)にかけて拡開した態様のガイド面部115が設けられている。なお、外気取入口110には、網状部材等の防塵用の部材が取り付けられてもよい。
このような構成において、図13に示すように、正回転するファン84の吸引力により、外気取入口110から外気が外気流通空間部111内に取り込まれる(矢印C1参照)。外気流通空間部111内に取り込まれた外気は、コンデンサ83において熱交換しながらコンデンサ83を通過し、キャビン30の後方に排気として排出される(矢印C2参照)。一方、ファン84が逆回転することにより、外気がファン84からコンデンサ83を通過して外気流通空間部111内に取り込まれ、外気取入口110から外部に排出される。
また、キャビン30のルーフ部35内に、キャビン30内の空調を行うためのエアコンユニット82を備えた構成において、ルーフ部35の下方に、エアコンユニット82に外気を取り込むための外気導入部である外気導入ダクト120が設けられている。
外気導入ダクト120は、エアコンユニット82に外気を取り込むための外気導入路121を構成している(図15参照)。外気導入路121は、キャビン30の外側における外気を、エアコンユニット82の設置スペースであるルーフ部35内のエアコン収容部99へと取り込むための空気の流路である。
図14および図15に示すように、外気導入ダクト120は、キャビン30の後左側の角部において、上下方向に沿った管路形成部として設けられており、上下方向に延伸した外気導入路121を形成している。外気導入ダクト120は、平面断面視で前後方向を長手方向とした略矩形状をなすように略四角筒状の外形を有する。
外気導入ダクト120は、キャビン30の左側壁部33の後側において、左側壁部33と面一状の側面部をなすように、かつ、後壁部32に対しては後側に突出した態様で設けられている。このように、外気導入ダクト120は、キャビン30の後側の一側方である左側方に設けられている。
外気導入ダクト120は、外気導入路121の上流側となる下側を、キャビン30の外部に開口させている。また、外気導入ダクト120は、外気導入路121の下流側となる上側を、ルーフ部35内におけるエアコン収容部99内に対して、開閉可能なシャッター部125を介して連通可能としている。
エアコンユニット82は、シャッター部125の開閉により、運転モードとして、外気導入ダクト120により外気を導入させる外気導入のモードと、キャビン30内の内気を循環させる内気循環のモードとが切り替えられるように構成されている。内気循環のモードに関し、エアコンユニット82の前方には、キャビン30の内気が流入する内気流入口123が設けられている(図9参照)。内気流入口123は、ルーフ部35を構成する下側パネル部97の凹形状部97dの前側の壁面部に設けられている。
外気導入ダクト120は、外気導入路121を形成する面部として、左側面部131、右側面部132、前面部133、後面部134、上面部135、および底面部136を有する。外気導入ダクト120は、左側面部131を、キャビン30の左側壁部33の外側の面部と略同一平面上に位置させるように設けられている。
また、外気導入ダクト120は、左右内側の側面部である右側面部132を、キャビン30の後壁部32に対して後側に位置させている。すなわち、外気導入ダクト120の右側面部132は、後壁部32におけるコンデンサユニット81の配設部位の鉛直状の壁部とともに平面断面視で直角状をなすように、後壁部32の左側の縁部から後方に向けて立ち上がった態様で設けられている。
また、外気導入ダクト120は、下側について、外気導入路121の上流側の端部を、後壁部32におけるコンデンサユニット81の配設部位の鉛直状の壁部の下端部の高さに位置させている。外気導入ダクト120は、上側について、外気導入路121の下流側の端部を、ルーフ部35の後端部の左側に位置させるように延設されている。つまり、外気導入ダクト120は、上下方向について、コンデンサユニット81の下端部の近傍の位置からルーフ部35の左側方の位置までの範囲で鉛直状に設けられている。
外気導入ダクト120は、外気導入口として、外気を取り入れるための吸気口138を有する。吸気口138は、外気導入ダクト120の右側面部132の下端部に形成されている。吸気口138は、板状の部分である右側面部132を貫通させた開口部であり、外気導入路121を外部に臨んで開口させている。
吸気口138は、外気導入ダクト120の下部の側面視の外形に沿う開口形状を有し、上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。このように、外気導入ダクト120において、吸気口138は、キャビン30における左右方向の内側に向いて開口するように設けられている。
外気導入ダクト120の吸気口138の配置に関し、コンバイン1は、次のような構成を備える。すなわち、コンバイン1は、キャビン30の後側に配置され、ファン84を有する空調装置80のコンデンサユニット81を備える。そして、外気導入ダクト120の吸気口138は、ファン84による排風路側に向いて開口するように設けられている。
ファン84による排風路は、コンデンサユニット81の後側のスペースであり、後壁部32にファン84を設置させたキャビン30の後側の空間部分となる(図13、矢印C2参照)。したがって、後壁部32の左側の縁部に設けられた外気導入ダクト120に対し、ファン84による排風路は、右側のスペースとなる。吸気口138は、外気導入ダクト120において右側に面した右側面部132の下部に開口形成されている。
外気導入ダクト120内における外気導入路121の流路構成について、図15を用いて説明する。外気導入ダクト120の底面部136には、吸気口138から取り込まれた外気が上側に導かれるようにガイドするガイド斜面140が形成されている。ガイド斜面140は、左側から右側にかけて下る傾斜面となっている。
外気導入ダクト120内には、外気導入ダクト120の内部空間を左下側と右上側に仕切る仕切壁141が設けられている。仕切壁141は、左右方向を板厚方向とする縦壁部142と、縦壁部142の下端部から左右内側(右側)に向けて直角状に屈曲形成された下壁部143とを有し、これらの壁部によって背面視で縦長の略「L」字状をなすように構成されている。
仕切壁141は、縦壁部142の上側を、外気導入ダクト120の上面部135につなげており、下壁部143の右側を、外気導入ダクト120の右側面部132につなげている。仕切壁141は、縦壁部142を、外気導入ダクト120の内部空間の左右中間部に位置させている。仕切壁141は、下壁部143を、外気導入ダクト120の下部における吸気口138よりも上側に位置させている。
仕切壁141により、外気導入路121は、縦壁部142の左側および下壁部143の下側の空間部分である下外側流路部121aと、縦壁部142の右側および下壁部143の上側の空間部分である上内側流路部121bとに仕切られている。
下外側流路部121aは、下部において、吸気口138により、外気導入ダクト120の外部に連通している。上内側流路部121bは、上部において、シャッター部125を介してエアコン収容部99内に連通している。エアコン収容部99を形成する下側パネル部97において、周壁部97bの左側の後部に、外気導入ダクト120の内部とエアコン収容部99の内部とを連通させる開口部97eが形成されており、この開口部97eが、シャッター部125によって開閉される。
外気導入ダクト120には、空気清浄用のフィルタ150が設けられている。フィルタ150は、外気導入ダクト120の内部に設けられている。なお、図15においては、外気導入ダクト120内に設けられたフィルタ150に加え、便宜上、一点鎖線の楕円D1内に、外気導入ダクト120から取り出した状態のフィルタ150を示している。
フィルタ150は、仕切壁141の縦壁部142に対して着脱可能に取り付けられている。フィルタ150は、細長い矩形厚板状の外形を有し、板厚方向を左右方向とするとともに長手方向を上下方向とする向きで、縦壁部142に装着されている。フィルタ150は、上下方向について、外気導入ダクト120の全体の長さに対して略1/3の長さを有し、外気導入ダクト120の中間部に設けられている。
フィルタ150は、本体部151に対して、板厚方向の一側に、矩形状の外形に沿って鍔状に突出したフランジ部152を有する。一方、縦壁部142には、フィルタ150の本体部151の外形に対応した取付孔部142aが形成されている。
フィルタ150は、縦壁部142に対して、左右外側である左側から、本体部151を取付孔部142a内に挿嵌させた状態で装着される。フィルタ150は、取付孔部142aにより、縦壁部142を板厚方向に貫通した状態で設けられている。縦壁部142に対するフィルタ150の装着状態において、取付孔部142aに対する拡大形状部であるフランジ部152が、縦壁部142に対し、フィルタ150の右方への移動についての係止部となる。
フィルタ150は、その外形における板厚方向のうち、フランジ部152側から本体部151側に通過する空気に対して作用する。したがって、フィルタ150は、縦壁部142を左右外側(左側)から左右内側(右側)に向けて貫通する方向に流れる空気に対して作用する。
以上のような外気導入路121の流路構成によれば、次のような外気の流れが得られる。すなわち、図15に示すように、吸気口138から流入した外気は、ガイド斜面140により上側に案内され、下外側流路部121aを上方に向かって流れる(矢印E1参照)。下外側流路部121a内の外気は、下外側流路部121aの上部において、フィルタ150を通過して上内側流路部121bに流入し(矢印E2参照)、上方に導かれる(矢印E3参照)。そして、シャッター部125が開いた状態において、開口部97eからエアコン収容部99内に流入する(矢印E4参照)。
シャッター部125の構成について、図16を用いて説明する。シャッター部125は、板状の部材であるシャッター本体160を有し、シャッター本体160を、下側パネル部97の周壁部97bに形成された開口部97eに対して内側からあてがうことで、開口部97eを閉じる。
開口部97eは、横長の略矩形状の開口形状を有する。シャッター本体160は、開口部97eの開口寸法より一回り大きい外形寸法を有し、周壁部97bの内側から開口部97eの全体を塞ぐ。周壁部97bに対向する側のシャッター本体160の外側面には、開口部97eの開口形状に沿う枠状のゴム等の弾性材料からなるシール部161が設けられている。
シャッター本体160は、下側パネル部97において凹形状部97dの下面部に対して固定ボルト164等によって固定された状態で設けられた水平状の取付板162に対して、前後両側に設けられたヒンジ部163により、前後方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。ヒンジ部163は、シャッター本体160の下端部を、取付板162の左側の端部に連結支持している。
シャッター本体160は、前後のヒンジ部163により、開口部97eを塞いで周壁部97bに沿う鉛直状の閉じた状態から、右側に倒れるように回動することで、開口部97eを開いた状態とする(図15、矢印F1参照)。
シャッター部125は、開閉動作するための駆動源としてモータ165を有する。モータ165の駆動力により、シャッター本体160が開閉動作させられる。モータ165は、取付板162の後部に設けられた支持壁部162bの後側に設けられている。支持壁部162bは、取付板162の水平状の本体部162aに対して前後方向を板厚方向とするように垂直状に屈曲形成された部分である。モータ165は、支持壁部162bに対して複数箇所でボルト等の固定具によって固定されている。
モータ165は、前側に、モータ駆動軸に連結された駆動アーム166を有する。駆動アーム166は、操作アーム167を介して、シャッター本体160に連結されている。なお、取付板162の支持壁部162bには、駆動アーム166との干渉をさけるための湾曲状の凹部162cが形成されている。
操作アーム167は、直線状の部材であり、一端側を、連結軸168により、駆動アーム166の先端部に対して前後方向を回動軸方向として回動可能に連結支持させている。操作アーム167は、他端側を、シャッター本体160の後端部に固設されたL字金具169の突片部169aに対して、連結軸170により、前後方向を回動軸方向として回動可能に連結支持させている。
以上のような構成を備えたシャッター部125においては、モータ165の駆動による駆動アーム166の回動にともない、操作アーム167が、シャッター本体160を押し引きするように移動し、シャッター本体160の開閉動作が行われる(図15、矢印F1参照)。
シャッター本体160により開口部97eが開かれ、シャッター部125が閉状態から開状態となることで、外気導入ダクト120から開口部97eを介して外気がエアコン収容部99内に流入し、エアコンユニット82は、外気導入のモードに切り替わる。一方、シャッター本体160により開口部97eが閉じられ、シャッター部125が開状態から閉状態となることで、内気流入口123からキャビン30内の内気がエアコン収容部99内に流入し、エアコンユニット82は内気循環のモードに切り替わる。
シャッター部125の開閉は、運転部12に設けられた所定の操作部の操作によって切り替えられる。この操作部は、空調装置80の運転モード切替用操作部であり、エアコンユニット82の外気導入と内気循環とを切り替えるための操作部である。運転モード切替用操作部は、例えばボタンやスイッチ等の操作具を有し、図示せぬ制御部を介してモータ165に接続されている。制御部は、運転モード切替用操作部の操作によって生成された操作信号の入力を受け、操作信号に基づく制御信号をモータ165に対して出力し、モータ165を動作させてシャッター本体160を開閉させる。
また、外気導入ダクト120は、フィルタ150のメンテナンス用の窓口部180を有する。窓口部180は、外気導入ダクト120の左側面部131に設けられている。窓口部180は、左側面部131に形成されたメンテナンス用開口部131aを開閉させる開閉扉181を有する。
メンテナンス用開口部131aは、左側面部131側からフィルタ150の取付けおよび取外しの作業を可能とする程度の大きさに開口している。メンテナンス用開口部131aは、フィルタ150の外形に沿って縦長矩形状の開口形状を有し、左側面視で開口範囲内にフィルタ150の全体を含むように形成されている。
開閉扉181は、メンテナンス用開口部131aの開口寸法より一回り大きい外形寸法を有し、左側面部131の外側(左側)からメンテナンス用開口部131aの全体を塞ぐように設けられている。開閉扉181は、閉じた状態において、左側面部131の一部をなすように設けられている。
開閉扉181は、左側面部131に対して、後側の縁部において上下両側に設けられたヒンジ部182により、上下方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。つまり、開閉扉181は、後側を回動支点として前側から開くように設けられている。ヒンジ部182は、左側面部131と後面部134とによる角部に固設されている。
開閉扉181の閉じた状態は、開閉扉181の前側の上下中央部に設けられたロック部183により固定される。ロック部183は、例えばパッチン錠等の留め金であり、手動操作によって簡単にロックおよびその解除ができる構成のものである。
また、開閉扉181の内側には、フィルタ150を押圧するための押圧部184が設けられている(図15参照)。押圧部184は、フィルタ150に対して外側(左側)から押圧作用する押圧面184aを有し、開閉扉181が閉じた状態において、押圧面184aをフィルタ150に押圧作用させる。押圧部184は、押圧面184aを形成する板状の部分である押圧面部184bと、押圧面部184bを開閉扉181の裏面に対して所定の間隔を隔てた位置に支持する複数の支持脚部184cとを有し、開閉扉181の裏面側に固設されている。
押圧部184によれば、開閉扉181を閉じ、ロック部183をロックすることにより、押圧部184によってフィルタ150が外側から押圧され、縦壁部142に対して嵌め込まれた状態のフィルタ150の取付け状態が保持される。つまり、開閉扉181がロックされることで、フィルタ150のフランジ部152が縦壁部142と押圧部184により挟まれ、フィルタ150が挟持された状態となる。
以上のように、外気導入ダクト120においては、フィルタ150に対してメンテナンス用の窓口部180が設けられている。そして、窓口部180は、キャビン30における左右方向の外側である左側に向いて開口するように設けられている。
また、ルーフ部35内におけるエアコンユニット82の配置に関し、送風ファン96は、熱交換器95に対して外気導入ダクト120側に配置されている。本実施形態では、外気導入ダクト120は、ルーフ部35内のエアコン収容部99に対して、ルーフ部35の後端部の左側面部に設けられたシャッター部125を介して連通するように設けられている。このような構成において、送風ファン96は、熱交換器95の左側に位置し、外気導入ダクト120側に設けられている。
すなわち、送風ファン96は、ルーフ部35内に対する外気導入ダクト120の連通部と、熱交換器95との間に設けられている。そして、送風ファン96は、シャッター部125の近傍の位置において、シャッター部125のシャッター本体160に対向するように設けられている。
以上のような構成を備えた本実施形態に係るコンバイン1によれば、以下のような作用効果が得られる。
本実施形態に係るコンバイン1によれば、キャビン30の後部に設けられた外気取入口110の開口面積を確保することができるとともに、後方視認用の窓部である透過窓70の面積を確保することができ、キャビン30内からの良好な後方視認性を得ることができる。
本実施形態に係るキャビン30においては、キャビン30の後壁部32が側面視で後傾状をなし、外気導入カバー15は、右側面視で前側の大部分を後壁部32の下側に位置させるように設けられている。このような構成により、キャビン30の後方のスペースを有効に活用することが可能となる。
したがって、外気取入口110の開口面積を確保しつつ、透過窓70の設置スペースを広くすることができるので、透過窓70による後方視認性を向上させることができる。外気取入口110について十分な開口面積が確保できることにより、コンデンサ83の冷却効率を向上させることができる。
また、キャビン30の右側壁部34において、外気導入カバー15の上方に位置する部位に、透過窓70が設けられている。このような構成によれば、キャビン30の後側のスペースを有効に利用して外気取入口110の開口面積を確保することができるとともに、キャビン30内からの後方視認性を効果的に向上することができる。
また、本実施形態のコンバイン1は、逆三角形状の透過窓70の下部と、外気導入カバー15の上部とが前後方向にオーバーラップするように構成されている。このような構成によれば、透過窓70による視認性が向上できることに加え、外気取入口110の開口面積を大きく確保することができ、冷却効率を効果的に向上させることができる。
例えば、透過窓70が矩形状の窓部であった場合、外気取入口110の配置スペースが透過窓70により上側から圧迫されることになる。そこで、透過窓70を逆三角形状として、外気導入カバー15の上部とオーバーラップさせるように構成することで、外気取入口110の配置スペースを容易に確保することが可能となる。
また、キャビン30の後壁部32にコンデンサ83が配置されており、右側面視で透過窓70の下方の位置であって、外気導入カバー15に重なる位置に、外気取入口110が設けられている。このような構成によれば、透過窓70による視認性を向上させることができることに加え、コンデンサ83に対して外気を取り込むための外気取入口110の開口面積を大きく確保することができ、コンデンサ83の冷却効率を効果的に向上させることができる。
また、透過窓70は、平面視で前側から後側にかけて左右外側から左右内側に向かうように傾斜状に設けられている。このような構成によれば、キャビン30内からの透過窓70による後方視認性を向上させることができる。具体的には、例えば、排出口9aを後方に位置させるように旋回した状態の排出オーガ9からの穀粒の排出時において、キャビン30内からの排出口9aに対する視認性を容易に確保することができる。
また、外気導入カバー15の上側に設けられた上カバー部75は、後面視で透過窓70を露出させるように傾斜状に設けられている。このような構成によれば、後面視において透過窓70の露出面積を大きくすることができるので、キャビン30内からの透過窓70による後方視認性を効果的に向上することができる。
本実施形態に係るキャビン30においては、キャビン30の右側壁部34は、右側面視で後側の縁部を後傾状とするとともに、キャビン30の後壁部32は、右側壁部34の後端部に沿うように形成されている。このような構成によれば、キャビン30内の居住スペースを確保することができるとともに、キャビン30の後側のスペースを有効に利用することができる。
また、キャビン30の後壁部32の下側に、コンデンサ83が設けられている。つまり、後傾状に構成された後壁部32の下方空間に、コンデンサ83が設けられている。このような構成によれば、キャビン30内の居住スペースを確保することができるとともに、キャビン30の後側のスペースを利用して空調装置80のコンデンサ83を含むエアコンユニット82をコンパクトに納めることが可能となる。
また、後傾状に構成されたキャビン30の後壁部32には、透過窓である後窓部90が設けられている。このような構成によれば、後窓部90が後壁部32の傾斜に沿って後傾状の面をなすように設けられることから、後窓部90の外側の表面に塵挨が付着することを抑制することができる。これにより、後窓部90からの良好な視界を保持することができる。
また、キャビン30の後壁部32において、後窓部90の下方に、コンデンサ83が設けられている。このような構成によれば、コンデンサ83とともにコンデンサユニット81として設けられたファン84の排風等によって巻き上がる粉塵が後窓部90に付着することを抑制することができる。すなわち、キャビン30の後壁部32の下側のスペースを有効に利用してコンデンサユニット81を配置することができるとともに、ファン84によって巻き上げられる塵挨が付着することによる後窓部90からの視界の悪化を抑制することができる。
また、外気導入カバー15は、側面視で外気導入カバー15の一部とキャビン30の後壁部32が沿うように配置されている。このような構成によれば、キャビン30の後側のスペースを有効に利用することができるとともに、キャビン30と外気導入カバー15との形態的な一体性を得ることができ、外観の意匠性を向上することができる。
本実施形態に係るコンバイン1によれば、キャビン30のルーフ部35の内部に設けられたエアコンユニット82に対する外気導入ダクト120のメンテナンス性を向上させることができる。
本実施形態に係るキャビン30においては、ルーフ部35の下方に、外気導入ダクト120が設けられている。このような構成によれば、外気導入ダクト120の高さ位置を低くすることができるので、外気導入ダクト120について良好なメンテナンス性を得ることができる。
また、外気導入ダクト120は、キャビン30の後側における左右の一側(左側)に設けられている。このような構成によれば、外気導入ダクト120によってキャビン30から前方あるいは後方に対する視界が妨げられることを防止することができる。また、キャビン30の側方からの外気導入ダクト120に対するアクセス性を向上させることができるので、外気導入ダクト120について良好なメンテナンス性を得ることができる。
また、外気導入ダクト120において、下部に設けられた吸気口138は、キャビン30における左右内側である右側に臨んで開口するように形成されている。このような構成によれば、吸気口138が、キャビン30の外側に対して左右内側に隠れた場所に位置することになるため、吸気口138から塵挨等が吸引されることを抑制することが可能となる。
また、外気導入ダクト120の吸気口138の開口側は、コンデンサユニット81のファン84による排風路側となっている。このような構成によれば、ファン84からの排風によって塵挨等が後方に吹き飛ばされることになるため、吸気口138から塵挨等が吸引されることを効果的に抑制することが可能となる。
なお、外気導入ダクト120における吸気口138の形成部位は、特に限定されるものではない。吸気口138は、例えば、外気導入ダクト120の後面部134や底面部136等の他の部位に形成されてもよい。
また、外気導入ダクト120には、空気清浄用のフィルタ150が設けられている。このような構成によれば、フィルタ150がルーフ部35の下方に位置することになるので、フィルタ150を低い高さ位置に設けることができる。これにより、フィルタ150のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、フィルタ150は、外気導入ダクト120の内部に設けられており、外気導入ダクト120の外側の側面部である左側面部131には、フィルタ150のメンテナンス用の窓口部180が設けられている。このような構成によれば、窓口部180から、外気導入ダクト120内のフィルタ150の掃除や交換等を容易に行うことが可能となり、フィルタ150のメンテンナンス性を向上させることができる。
また、エアコンユニット82の配置に関し、送風ファン96は、熱交換器95に対して外気導入ダクト120側に配置されている。このような構成によれば、外気導入ダクト120によりルーフ部35内に導入される空気を効率的に送風ファン96によって熱交換器95へと送ることが可能となる。
上述した実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明に係るコンバインは上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。