JP7526750B2 - 通路上の移動装置の滞在位置を決定する制御装置、移動装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Description
従来、倉庫内における移動ロボットの自律的な走行について、安全を考慮して人との衝突を回避するべく、人から一定以上の距離を維持する技術がある(例えば非特許文献1参照)。この技術によれば、移動ロボットには、カメラと共に、LiDAR(Light Detection And Ranging)も搭載されている。LiDARは、対象物に光を照射し、その反射光を光センサで受光することによって、距離を測定するリモートセンシングデバイスである。人の位置を特定し、その位置に応じて、ROS(Robot OS)におけるコストマップの値を制御する。
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースと、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する候補滞在位置決定手段と、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定するユーザ移動通路特定手段と、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する滞在位置決定手段と
を有することを特徴とする。
ユーザ移動通路特定手段は、通路の最短距離に代えて、当該移動装置の自律的な走行速度に基づいて最短移動時間となる通路を、ユーザ移動通路として特定する
ことも好ましい。
ユーザデータベースは、時間帯毎に、複数のユーザそれぞれの予定滞在位置を登録しており、
ユーザ移動通路特定手段は、第1の時間帯から第2の時間帯への複数のユーザそれぞれのユーザ移動通路を特定する
ことも好ましい。
時間帯毎に、移動装置の禁止滞在位置が設定された通路条件データベースを更に有し、
候補滞在位置決定手段は、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、移動装置の禁止滞在位置と重なる候補滞在位置を除外する
ことも好ましい。
候補滞在位置決定手段における所定距離は、現時間帯に、第1の予定滞在位置に滞在するユーザ数に応じて可変される
ことも好ましい。
ユーザデータベースは、ユーザの予定滞在位置における滞在内容を更に登録しており、
候補滞在位置決定手段における所定距離は、現時間帯に、第1の予定滞在位置に滞在するユーザの滞在内容に応じて可変される
ことも好ましい。
ユーザデータベースは、現時間帯に予定滞在位置が登録されたユーザについて、次時間帯に当該ユーザが登録されていない場合、第2の予定滞在位置を、施設内の出入口とする
ことも好ましい。
移動装置は、カメラ及び距離センサ、又は、デプスカメラを搭載しており、
移動装置の撮影画像から、人体を物体認識する物体認識手段と、
移動装置と、当該人体との間の接近距離を検出する接近距離検出手段と、
移動装置自体の位置情報と、当該接近距離とから、人体の滞在位置を特定する人体滞在位置特定手段と
を更に有し、
候補滞在位置決定手段は、現時間帯に、人体の滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として更に更新する
ことも好ましい。
物体認識手段が、当該移動装置に対して人体が正面向きであることを検出し、
接近距離検出手段が、当該人体が当該移動装置へ接近してくるように接近距離の変化を検出した際に、
移動装置は、自律的な移動を停止する
ことも好ましい。
移動装置は、施設内におけるユーザの作業を監視するロボットであり、ユーザに対して所定距離に滞在する
ことも好ましい。
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースと、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する候補滞在位置決定手段と、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定するユーザ移動通路特定手段と、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する滞在位置決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
装置は、
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースを有し、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する第1のステップと、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定する第2のステップと、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する第3のステップと
を実行することを特徴とする。
移動ロボット2は、例えば施設内でユーザの作業を補助及び監視するロボットであり、ユーザに対して所定距離に滞在するように制御される。
ユーザデータベース101は、時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したものである。ユーザ毎に、時間帯を時系列に繋いでいくことによって、各ユーザ移動通路(動線)を特定することができる。
例えば時間帯9:00~9:30には、ユーザ001、002及び003は一緒に、ラック7-2で作業する予定となっている。
その後、時間帯9:30~10:00には、ユーザ001、002及び003は一緒に移動して、ラック3-2で作業する予定となっている。
更にその後、時間帯10:00~10:30には、ユーザ003のみ、ラック4-4で作業する予定となっている。
図1によれば、時間帯9:30~10:00には、ラック3-2で作業したユーザ001及び002は、次時間帯10:00~10:30に予定が登録されていない。この場合、ユーザ001及び002の次時間帯には、施設内の出入口へ移動したものと推定する。そのために、次の予定滞在位置を、施設内の出入口とする。
通路条件データベース102は、施設内の通路図と共に、移動ロボット2の禁止滞在位置が設定されたものである。
通路条件データベース102は、移動ロボット2が予め施設内を走行して作成した、通路図を蓄積している。その通路図には、例えばオペレータによって禁止滞在位置が登録されている。
尚、時間帯毎に、禁止滞在位置が変化するものであってもよい。
サーバルームでは、例えばサーバラックが縦列に設置される。図2によれば、サーバラック4台を縦列一組として、7組が配置されている。通路は、サーバラックの列の間であって、作業員はその狭い通路を塞いで作業することとなる。
候補滞在位置決定部11は、現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から「所定距離」離れた複数の場所を、移動ロボットの候補滞在位置として決定する。
第1の予定滞在位置とは、ユーザデータベース101の現時間帯に登録された、当該ユーザの位置を意味する。位置は、作業ラック毎に設定されたxy座標であってもよい。
また、「所定距離」は、現時間帯に、第1の予定滞在位置に滞在するユーザの「滞在内容」に応じて可変されるものであってもよい。作業ラックの装置に対する単なる設定操作のような滞在内容であれば、図3(b)のように所定距離は近い方がよい。一方で、作業ラックの交換工事やその他の高所作業のような滞在内容であれば、作業範囲も広くなり、図3(c)のように所定距離は長い方がよい。
いずれの場合も、作業員が移動ロボット2に接触することを避けるためである。
ユーザ移動通路特定部12は、現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、「最短距離」となる通路を、ユーザ移動通路として特定する。
ユーザ移動通路特定部12は、第1の時間帯から第2の時間帯への複数のユーザそれぞれのユーザ移動通路を特定する。
A*(A-star)は、探索の道標となるヒューリスティック関数h(n)を用いたグラフ探索アルゴリズムである。関数hは、各頂点nからゴールまでの距離のある妥当な推定値を返す関数である。
ボロノイ図(Voronoi diagram)は、ある距離空間上に配置された複数の母点(複数の始点)に対して、同一距離空間上の他の点(終点)がどの母点に近いかによって領域分けされた図をいう。複数の始点を母点としてボロノイ図を描き、終点からボロノイ領域内の母点へと描画する。母点が最も直線距離が短くなるというボロノイ図の特性を利用したものである。
滞在位置決定部13は、現時間帯に、移動ロボット2の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する。
各ユーザが通路を行き来する動線(ユーザ移動経路)上に、移動ロボット2が滞在しないようにすることによって、ユーザの作業効率を低減させることがない。
移動制御部14は、移動ロボット2の滞在位置を制御する。
移動ロボット2は、滞在位置制御部13によって決定された滞在位置を指定することによって、自律的にその滞在位置まで走行する。このとき、移動制御部14は、ユーザ移動通路の動線とは、異なる通路を経由するように指示する。移動ロボット2自身は最短経路を進行する必要はなく、ユーザ移動通路を塞がないように移動する。
移動ロボット2は、パスプランニングの技術を用いて、現在の滞在位置から次の滞在位置までの通路を生成する。移動ロボット2は、SLAMによって、自己位置を推定しながら、次の滞在位置まで移動する。
そして、滞在位置決定部13は、現時間帯に、移動ロボットの複数の候補滞在位置#1及び#2の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置#1を決定する。もし、候補滞在位置#2を選択した場合、ユーザ001、002及び003は、次時間帯9:30~10:00にラック3-2へ移動する際に、移動ロボット2と交錯することとなってしまう。
このとき、ユーザ移動通路特定部12は、現時間帯の予定滞在位置であるラック3-2から、次時間帯の予定滞在位置であるラック4-4と出入口との両方への通路を、ユーザ移動通路として特定する。
そして、滞在位置決定部13は、現時間帯に、移動ロボットの複数の候補滞在位置#3及び#4の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置#3を決定する。もし、候補滞在位置#4を選択した場合、ユーザ001、002及び003は、次時間帯10:00~10:30に移動する際に、移動ロボット2と交錯することとなってしまう。
物体認識部15は、移動ロボット2の撮影画像から、人体を物体認識する。具体的には、移動ロボット2における撮影画像から、SSD(Single Shot MultiBox Detector)やYolo(You only live once)のような物体認識技術を用いて、人体を認識する。
また、物体認識部15は、移動ロボット2から見た人体が、正面向きであることを検出することもできる。顔向き推定は、例えばOpenCVのような、顔の検出位置の正規化・顔ランドマークを検出することによって推定することができる。
接近距離検出部16は、移動ロボット2と、当該人体との間の接近距離を検出する。
移動ロボット2のデプス(Depth)カメラやLiDARによる距離情報を受信した場合、その人体までの距離を検出することができる。また、移動ロボット2の単眼カメラによる撮影画像であっても、俯瞰画像に変換することによって人体までの距離を推定することができる。
尚、撮影画像から複数の人体を認識できた場合、最も近い人体に対する距離を算出する。
人体滞在位置特定部17は、移動ロボット2自体の位置情報と、当該接近距離とから、人体の滞在位置を特定する。即ち、移動ロボット2から受信した撮影画像及び距離情報から、その移動ロボット2から見た人体の位置を認識する。
制御装置1の接近距離検出部16が、当該人体が当該移動ロボットへ接近してくるように接近距離の変化を検出した際に、移動制御部14は、移動ロボット2に対して自律的な移動を停止するものであってもよい。
作業中のユーザは、移動ロボット2のユーザインタフェースを操作する際、移動ロボット2へ接近する必要がある。ユーザも、移動ロボット2のユーザインタフェースを操作しながら、作業を進行させることができる。このような、ユーザから意図的な接近に対して、移動ロボット2が所定距離だけ自律的に離れてしまうと、ユーザが移動ロボット2を操作することができなくなってしまう。そのために、移動ロボット2に対して自律的な移動を停止させる。
尚、移動ロボット2は、ユーザインタフェースとしてマイクを搭載している場合、ユーザからマイクへの発話によって、自律的な移動を停止するものであってもよい。
制御装置1は、移動ロボット2から受信した動画像を、オペレータに監視させるものであってもよい。これによって、オペレータは、作業者であるユーザの作業を監視し確認することができる。
また、作業終了時、ユーザは、移動ロボット2のユーザインタフェースの操作によって、制御装置1へ作業終了を通知することもできる。これによって、制御装置1のオペレータは、移動ロボット2の作業終了を認識し、移動ロボット2は、自律的に所定の待機場所まで移動することもできる。
即ち、施設内を自律走行する移動ロボットが、ユーザに対して安全性を確保すると共に、ユーザの作業効率の低減させないように、当該移動ロボットの滞在位置を制御することができる。
101 ユーザデータベース
102 通路条件データベース
11 候補滞在位置決定部
12 ユーザ移動通路特定部
13 滞在位置決定部
14 移動制御部
15 物体認識部
16 接近距離検出部
17 人体滞在位置特定部
2 移動ロボット、移動装置
Claims (13)
- ユーザが移動する施設内の通路上で、移動装置の滞在位置を決定する制御装置であって、
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースと、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する候補滞在位置決定手段と、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定するユーザ移動通路特定手段と、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する滞在位置決定手段と
を有することを特徴とする制御装置。 - ユーザ移動通路特定手段は、通路の最短距離に代えて、当該移動装置の自律的な走行速度に基づいて最短移動時間となる通路を、ユーザ移動通路として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - ユーザデータベースは、時間帯毎に、複数のユーザそれぞれの予定滞在位置を登録しており、
ユーザ移動通路特定手段は、第1の時間帯から第2の時間帯への複数のユーザそれぞれのユーザ移動通路を特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。 - 時間帯毎に、移動装置の禁止滞在位置が設定された通路条件データベースを更に有し、
候補滞在位置決定手段は、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、移動装置の禁止滞在位置と重なる候補滞在位置を除外する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。 - 候補滞在位置決定手段における所定距離は、現時間帯に、第1の予定滞在位置に滞在するユーザ数に応じて可変される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。 - ユーザデータベースは、ユーザの予定滞在位置における滞在内容を更に登録しており、
候補滞在位置決定手段における所定距離は、現時間帯に、第1の予定滞在位置に滞在するユーザの滞在内容に応じて可変される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。 - ユーザデータベースは、現時間帯に予定滞在位置が登録されたユーザについて、次時間帯に当該ユーザが登録されていない場合、第2の予定滞在位置を、施設内の出入口とする
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置。 - 移動装置は、カメラ及び距離センサ、又は、デプスカメラを搭載しており、
移動装置の撮影画像から、人体を物体認識する物体認識手段と、
移動装置と、当該人体との間の接近距離を検出する接近距離検出手段と、
移動装置自体の位置情報と、当該接近距離とから、人体の滞在位置を特定する人体滞在位置特定手段と
を更に有し、
候補滞在位置決定手段は、現時間帯に、人体の滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として更に更新する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。 - 物体認識手段が、当該移動装置に対して人体が正面向きであることを検出し、
接近距離検出手段が、当該人体が当該移動装置へ接近してくるように接近距離の変化を検出した際に、
移動装置は、自律的な移動を停止する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置。 - 移動装置は、施設内におけるユーザの作業を監視するロボットであり、ユーザに対して所定距離に滞在する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の制御装置。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の制御装置を搭載することを特徴とする移動装置。
- ユーザが移動する施設内の通路上で、移動装置の滞在位置を決定する制御装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースと、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する候補滞在位置決定手段と、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定するユーザ移動通路特定手段と、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する滞在位置決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - ユーザが移動する施設内の通路上で、移動装置の滞在位置を決定する装置の制御方法であって、
装置は、
時間帯毎に、ユーザの予定滞在位置を登録したユーザデータベースを有し、
現時間帯に、ユーザにおける第1の予定滞在位置から所定距離離れた複数の場所を、移動装置の候補滞在位置として決定する第1のステップと、
現時間帯に続く次時間帯に、同一ユーザにおける第2の予定滞在位置を取得し、第1の予定滞在位置と第2の予定滞在位置との間で、最短距離となる通路を、ユーザ移動通路として特定する第2のステップと、
現時間帯に、移動装置の複数の候補滞在位置の中で、ユーザ移動通路と重ならない候補滞在位置を決定する第3のステップと
を実行することを特徴とする装置の制御方法。
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