JP7560308B2 - 車両 - Google Patents
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Description
まず本実施形態における車両100について、図1~図4を参照しながら説明する。なお本実施形態の車両100は、図示のとおり四輪自動車が好適ではあるが、例えば二輪自動車など他の公知の車両に適用してもよい。また、四輪自動車としては、例えばガソリン自動車のほか、各種の二次電池を搭載したハイブリッド車や電気自動車が適用できる。
プラズマアクチュエータ10は、車両100の周囲における気流を整流する機能を有している。より具体的に本実施形態のプラズマアクチュエータ10は、車両100の所定部位に発生した渦流を剥離させて整流する機能を有して構成されている。なお、車両において渦流が生ずる部位は、当該車両の形状などによって種々の形態が想定でき、公知の風洞実験やシミュレーションなどによってその部位は特定できる。
すなわち、本実施形態の車両100は、図1及び2から理解されるとおり、まず車両100の前方においては、車幅方向の中間で二分されるように左右および上下に4つのプラズマアクチュエータPA1~PA4が配置されている。
より具体的に、例えば車両100のヨーイング挙動を制御する場合には、図1に示すとおり、車両100の右前方下部に配置されたプラズマアクチュエータPA1が上記した第1プラズマアクチュエータとして機能する一方で、車両100の左前方下部に配置されたプラズマアクチュエータPA2が上記した第2プラズマアクチュエータとして機能する。したがって、図4に示すように、このケースでは、ヨー制御系PA10Cとして、プラズマアクチュエータPA1とPA2がヨーイング挙動の場合における制御対象として設定される。
換言すれば、車両100のヨーイング挙動を制御する場合、前記した「一方の側」は車両100の進行方向(Y方向)に向かって車体の前方右側であるとともに、前記した「他方の側」は前記車体の前方左側であると言える。
そして後述するとおり、制御装置30は、この第1プラズマアクチュエータ(この場合はPA1)および第2プラズマアクチュエータ(この場合はPA2)をそれぞれ駆動して車両100の左右に抜ける気流(走行風)の剥離を制御して車両における左右の圧力バランスを調整する。
また、例えば車両100のピッチング挙動を制御する場合には、図2に示すとおり、車両100の左前方上部に配置されたプラズマアクチュエータPA4が上記した第1プラズマアクチュエータとして機能する一方で、車両100の左後方上部に配置されたプラズマアクチュエータPA8が上記した第2プラズマアクチュエータとして機能する。したがって、図4に示すように、このケースでは、ピッチング制御系PA10Bとして、プラズマアクチュエータPA4とPA8がピッチング挙動の場合における制御対象として設定される。
換言すれば、車両100のピッチング挙動を制御する場合、前記した「一方の側」は前記した車両100の重心を基準として車両100の進行方向前側であるとともに、前記した「他方の側」は前記の重心を基準として車両100の進行方向後側であると言える。
そして後述するとおり、制御装置30は、この第1プラズマアクチュエータ(この場合はPA4)および第2プラズマアクチュエータ(この場合はPA8)をそれぞれ駆動して車両100の前後における走行風の剥離を制御して車両前後の圧力バランスを調整する。
また、例えば車両100のローリング挙動を制御する場合には、図1に示すとおり、車両100の右前方上部に配置されたプラズマアクチュエータPA3が上記した第1プラズマアクチュエータとして機能する一方で、車両100の左前方上部に配置されたプラズマアクチュエータPA4が上記した第2プラズマアクチュエータとして機能する。したがって、図4に示すように、このケースでは、ローリング制御系PA10Aとして、プラズマアクチュエータPA3とPA4がローリング挙動の場合における制御対象として設定される。
そして後述するとおり、制御装置30は、1又は複数の第1プラズマアクチュエータ(この場合はPA1、PA3、PA5およびPA7の少なくとも1つ)および1又は複数の第2プラズマアクチュエータ(この場合はPA2、PA4、PA6およびPA8の少なくとも1つ)をそれぞれ駆動して車両100の左右に流れる走行風の剥離を制御して車両100右側と左側の圧力バランスを調整する。
図4に示すとおり、本実施形態のセンサー類20は、車速センサーV、圧力センサーSなどを含んで構成されている。
このうち車速センサーVは、走行中における車両100の速度を計測可能な公知のセンサーが例示できる。これにより制御装置30は、この車速センサーVから取得した車速に応じてプラズマアクチュエータ10の駆動を制御することが可能となっている。
制御装置30は、前記した第1プラズマアクチュエータおよび第2プラズマアクチュエータの駆動をそれぞれ制御して、車両100におけるピッチ挙動、ロール挙動およびヨー挙動の少なくとも1つを制御する機能を有している。
この制御装置30の具体例としては、車両100に搭載された公知のリチウムイオン二次電池やニッケル水素電池などのバッテリー(不図示)から電力の供給を受けて駆動する公知の集積回路(制御用IC)が例示できる。また、本実施形態の制御装置30は、後述する整流方法など実行可能な制御プログラムが格納された不図示のメモリ等を備えていてもよい。
このうち、圧力差検出部31は、上記した圧力センサーSから車両100の各設置部位における圧力(静圧)情報を受信する機能を有している。
また、速度情報取得部32は、上記した車速センサーVから車両100の走行中における車速情報を受信する機能を有している。
PA駆動制御部34は、上記した昇圧回路などを介してプラズマアクチュエータ10(PA1~PA8)の駆動を制御する機能を有している。なおプラズマアクチュエータの駆動制御については、本実施形態のほか、公知のプラズマアクチュエータの制御機構を援用してもよい。
提示部35は、後述する提示装置DSを介して、車両100に搭載された各種装備の設定画面を提示するほか、上記したプラズマアクチュエータ10の駆動状況や挙動制御の状況などを乗員に提示する機能を有している。
ナビゲーション装置NSは、GPS機能を備えた公知のナビゲーションシステムが例示でき、上記した制御装置30と協働して車両100の位置情報を検出可能となっている。また、ナビゲーション装置NSには不図示の地図情報が格納されており、制御装置30は上記地図情報を参照して自車の絶対位置などを検出することができる。
次に図5~8もさらに参照しつつ、本実施形態における制御装置30によって実行されるプラズマアクチュエータを用いた車両挙動の制御方法について説明する。なお以下では、車両100が制御する対象挙動の一例としてヨーイング挙動について説明する。しかしながら本発明は、ヨーイング挙動に限られずピッチング挙動やローリング挙動にも同様に適用できることは上述のとおりである。
次いでステップ2では、制御装置30によって、ステップ1で検出された現在の車速が所定値以上か否かが判定される。これにより、例えば気流の影響が比較的緩やかな低速時にはプラズマアクチュエータ10の駆動を停止するなどでき、上記したバッテリーの省エネ化を図ることができる。
次いでステップ4では、上記した一対のプラズマアクチュエータ(PA)組にそれぞれ対応した圧力センサーSにおける圧力差が規定値以上であるか否かが検出される。
まず図6(b)および(c)から理解されるとおり、車両100が直進走行を行っている際の受風状態と横風を受けた際の受風状態では車両100が受ける挙動に変化が発生する。すなわち、横風を受けた受風状態では車両100の右前方と左前方とで圧力差が発生し、この圧力差の影響によって車両100にヨーイングが発生する。
なお上記は一例であって、例えば上記した圧力差を、上流側圧力センサーS1aで検出される静圧値と、上流側圧力センサーS2aで検出される静圧値との差異によって計測するようにしてもよい。
より具体的には、第1プラズマアクチュエータとしてのプラズマアクチュエータPA1に対応する圧力センサーS1の静圧値P1と、第2プラズマアクチュエータとしてのプラズマアクチュエータPA2に対応する圧力センサーS2の静圧値P2と、の差分(P1-P2)の値に応じて、制御装置30はプラズマアクチュエータPA1及びPA2の出力を制御する。
また、本例では、制御装置30がヨーイング挙動の制御を行っているが、これに代えてヨーイング、ローリングおよびピッチングの各挙動を並行して制御してもよいし、これらのうち少なくとも1つの挙動を制御するようにしてもよい。
20 センサー類
30 駆動装置
100 車両
Claims (4)
- 車体の中心に対して一方の側に設置された第1プラズマアクチュエータと、
前記中心に対して他方の側に設置された第2プラズマアクチュエータと、
前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータの駆動をそれぞれ制御して、車両におけるヨー挙動を制御する制御装置と、
を備えた、車両であって、
前記一方の側は前記車両の進行方向に向かって前記車体の前方右側であるとともに、前記他方の側は前記車体の前方左側であり、
前記制御装置は、前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータをそれぞれ駆動して前記車両の左右に抜ける走行風の剥離を制御して前記左右の圧力バランスを調整し、
前記制御装置は、前記車両の車速が所定値以上の場合、前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータを駆動させ、
前記所定値は、前記車両の走行地域に応じて可変である、車両。 - 車体の中心に対して一方の側に設置された第1プラズマアクチュエータと、
前記中心に対して他方の側に設置された第2プラズマアクチュエータと、
前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータの駆動をそれぞれ制御して、車両におけるローリング挙動を制御する制御装置と、
を備えた、車両であって、
前記一方の側は前記車両の進行方向に対して前記車体の右側における前後部の上面および底面であるとともに、前記他方の側は前記車体の左側における前後部の上面および底面であり、
前記制御装置は、複数の前記第1プラズマアクチュエータおよび複数の前記第2プラズマアクチュエータをそれぞれ駆動して前記車両の左右を抜ける走行風の剥離を制御して前記車両の右側と左側の圧力バランスを調整し、
前記制御装置は、前記車両の車速が所定値以上の場合、前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータを駆動させ、
前記所定値は、前記車両の走行地域に応じて可変である、車両。 - 前記車両の前方右側であって前記第1プラズマアクチュエータよりも上流に配置された第1圧力センサーと、
前記車両の前方左側であって前記第2プラズマアクチュエータよりも上流に配置された第2圧力センサーと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記上流にそれぞれ配置された前記第1圧力センサーおよび前記第2圧力センサーでそれぞれ検出された前記前方右側および前記前方左側での各々の圧力値に基づいて、前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータを駆動する、請求項1又は2に記載の車両。 - 前記車両の前方右側であって前記第1プラズマアクチュエータより下流に配置された第3圧力センサーと、
前記車両の前方左側であって前記第2プラズマアクチュエータより下流に配置された第4圧力センサーと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記下流にそれぞれ配置された前記第3圧力センサーおよび前記第4圧力センサーでそれぞれ検出された圧力値に基づいて、前記第1プラズマアクチュエータおよび前記第2プラズマアクチュエータを駆動する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両。
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