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JP7424072B2 - 投写光学系、およびプロジェクター - Google Patents

投写光学系、およびプロジェクター Download PDF

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JP7424072B2
JP7424072B2 JP2020009801A JP2020009801A JP7424072B2 JP 7424072 B2 JP7424072 B2 JP 7424072B2 JP 2020009801 A JP2020009801 A JP 2020009801A JP 2020009801 A JP2020009801 A JP 2020009801A JP 7424072 B2 JP7424072 B2 JP 7424072B2
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projection optical
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Seiko Epson Corp
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Description

本発明は、投写光学系、およびプロジェクターに関する。
画像形成部が形成した投写画像を、投写光学系により拡大して投写するプロジェクターは特許文献1に記載されている。同文献の投写光学系は、縮小側から拡大側に向かって順に第1光学系と、第2光学系と、からなる。第1光学系は屈折光学系を備える。第2光学系は凹形状の反射面を有する反射ミラーからなる。画像形成部は、光源とライトバルブとを備える。画像形成部は、投写光学系の縮小側結像面に投写画像を形成する。投写光学系は、第1光学系と反射面との間に中間像を形成し、拡大側結像面に配置されたスクリーンに最終像を投写する。
特開2010-20344号公報
投写光学系およびプロジェクターには、投写距離を短くすることが要求されている。しかしながら、特許文献1の投写光学系を用いて、投写距離をさらに短縮しようとする場合、投写光学系の設計が困難になるという課題があった。
上記の課題を解決するために、本発明は、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学
系と、第2光学系と、を備える投写光学系において、前記第1光学系と前記第2光学系と
の間に光路を折り曲げる偏向素子を、有し、前記第2光学系は、前記縮小側から順に、第
1透過面、凹形状の反射面、および第2透過面を有する光学素子を備えることを特徴とす
る。
本発明の投写光学系は、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系と、第2光学系
と、を備える投写光学系において、前記第1光学系と前記第2光学系との間に光路を折り
曲げる偏向素子を、有し、前記第2光学系は、前記縮小側から順に、第1透過面、反射面
、および第2透過面を有し、前記第1透過面、前記反射面および前記2透過面の各間に
は空気層を含まない光学素子を備え、前記第1透過面は、縮小側に突出する凸形状であり
、前記反射面は、凹形状であり、前記第2透過面は、拡大側に突出する凸形状であり、前
記第1透過面の曲率半径の絶対値は、前記第2透過面の曲率半径の絶対値よりも大きいこ
とを特徴とする。
次に、本発明のプロジェクターは、上記の投写光学系と、前記投写光学系の縮小側結像面に投写画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。
投写光学系を備えるプロジェクターの概略構成図である。 実施例1の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。 実施例1の投写光学系の光線図である。 第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。 実施例1の投写光学系の拡大側のMTFを示す図である。 実施例2の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。 実施例2の投写光学系の光線図である。 第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。 実施例2の投写光学系の拡大側のMTFを示す図である。 実施例3の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。 実施例3の投写光学系の光線図である。 第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。 実施例3の投写光学系の拡大側のMTFを示す図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る投写光学系およびこれを備えるプロジェクターについて詳細に説明する。
(プロジェクター)
図1は本発明の投写光学系3を備えるプロジェクターの概略構成図である。図1に示すように、プロジェクター1は、スクリーンSに投写する投写画像を生成する画像形成部2と、投写画像を拡大してスクリーンSに拡大像を投写する投写光学系3と、画像形成部2の動作を制御する制御部4と、を備える。
(画像生成光学系および制御部)
画像形成部2は、光源10、第1インテグレーターレンズ11、第2インテグレーターレンズ12、偏光変換素子13、重畳レンズ14を備える。光源10は、例えば、超高圧水銀ランプ、固体光源等で構成される。第1インテグレーターレンズ11および第2インテグレーターレンズ12は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子をそれぞれ有する。第1インテグレーターレンズ11は、光源10からの光束を複数に分割する。第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子は、光源10からの光束を第2インテグレーターレンズ12の各レンズ素子の近傍に集光させる。
偏光変換素子13は、第2インテグレーターレンズ12からの光を所定の直線偏光に変換させる。重畳レンズ14は、第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子の像を、第2インテグレーターレンズ12を介して、後述する液晶パネル18R、液晶パネル18G、および、液晶パネル18Bの表示領域上で重畳させる。
また、画像形成部2は、第1ダイクロイックミラー15、反射ミラー16およびフィールドレンズ17R、および、液晶パネル18Rを備える。第1ダイクロイックミラー15は、重畳レンズ14から入射した光線の一部であるR光を反射させ、重畳レンズ14から入射した光線の一部であるG光およびB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー15で反射されたR光は、反射ミラー16およびフィールドレンズ17Rを経て、液晶パネル18Rへ入射する。液晶パネル18Rは光変調素子である。液晶パネル18RはR光を画像信号に応じて変調することにより、赤色の投写画像を形成する。
さらに、画像形成部2は、第2ダイクロイックミラー21、フィールドレンズ17G、および、液晶パネル18Gを備える。第2ダイクロイックミラー21は、第1ダイクロイックミラー15からの光線の一部であるG光を反射させ、第1ダイクロイックミラー15からの光線の一部であるB光を透過させる。第2ダイクロイックミラー21で反射されたG光は、フィールドレンズ17Gを経て、液晶パネル18Gへ入射する。液晶パネル18Gは光変調素子である。液晶パネル18GはG光を画像信号に応じて変調することにより、緑色の投写画像を形成する。
また、画像形成部2は、リレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25、およびフィールドレンズ17B、および、液晶パネル18Bを備える。第2ダイクロイックミラー21を透過したB光は、リレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25、およびフィールドレンズ17Bを経て、液晶パネル18Bへ入射する。液晶パネル18Bは光変調素子である。液晶パネル18BはB光を画像信号に応じて変調することにより、青色の投写画像を形成する。
液晶パネル18R、液晶パネル18G、および、液晶パネル18Bは、クロスダイクロイックプリズム19を3方向から囲んでいる。クロスダイクロイックプリズム19は、光合成用のプリズムであり、各液晶パネル18R、18G、18Bで変調された光を合成した投写画像を生成する。
ここで、クロスダイクロイックプリズム19は投写光学系3の一部分を構成する。投写光学系3は、クロスダイクロイックプリズム19が合成した投写画像(各液晶パネル18R、18G、18Bが形成した画像)をスクリーンSに拡大して投写する。スクリーンSは、投写光学系3の拡大側結像面である。
制御部4は、ビデオ信号等の外部画像信号が入力される画像処理部6と、画像処理部6から出力される画像信号に基づいて液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18Bを駆動する表示駆動部7と、を備える。
画像処理部6は、外部の機器から入力された画像信号を各色の階調等を含む画像信号に変換する。表示駆動部7は、画像処理部6から出力された各色の投写画像信号に基づいて液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18Bを動作させる。これにより、画像処理部6は、画像信号に対応した投写画像を液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18Bに表示する。
(投写光学系)
次に、投写光学系3を説明する。以下では、プロジェクター1に搭載される投写光学系3の構成例として実施例1~3を説明する。なお、各実施例1~3において、投写光学系の光線図では、液晶パネル18R、液晶パネル18G、液晶パネル18Bを、液晶パネル18として表す。
(実施例1)
図2は、実施例1の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。図2では、本例の投写光学系3AからスクリーンSに到達する光束を、光束F1~F3により模式的に示す。光束F1は最も像高が低い位置に達する光束である。光束F3は最も像高が高い位置に達する光束である。光束F2は光束F1と光束F3との間の位置に達する光束である。図3は、実施例1の投写光学系3Aの光線図である。図4は、第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。
本例の投写光学系3Aは、図3に示すように、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系31、および第2光学系32からなる。また、投写光学系3Aは、第1光学系31と第2光学系32との間に、第1光学系31と第2光学系32との間の光路を折り曲げる偏向素子33を、有する。偏向素子33は、平面ミラーである。本例では、偏向素子33は、パワーを備えていない。偏向素子33は、第1光学系31と第2光学系32との間で、光路を90°折り曲げる。
第1光学系31は、複数枚のレンズを備える屈折光学系である。第2光学系32は、1つの光学素子34である。光学素子34は、縮小側から順に、第1透過面41、凹形状の反射面42、および第2透過面43を有する。第1透過面41は、縮小側に突出する凸形状である。第2透過面43は、拡大側に突出する凸形状である。光学素子34は、第1光学系31の第1光軸Nに対して、反射面42の第2光軸Mが交差するように配置されている。
投写光学系3Aの縮小側結像面には、画像形成部2の液晶パネル18が配置されている。液晶パネル18は、第1光学系31の第1光軸Nに垂直な面内に、第1光軸Nに対して一方側に投写画像を形成する。投写光学系3Aの拡大側結像面には、スクリーンSが配置されている。第1光学系31と光学素子34の反射面42との間には、縮小側結像面と共役な中間像35が結像される。中間像35は拡大側結像面とも共役である。本例では、中間像35は、光学素子の内側に形成される。すなわち、中間像35は、光学素子34の第1透過面41と反射面42との間に形成される。
以下の説明では、便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸(第1軸)、およびZ軸とする。また、拡大側結像面であるスクリーンSの幅方向をX軸方向、スクリーンSの上下方向をY軸方向、スクリーンSに垂直な方向をZ軸方向とする。また、第1光学系31の第1光軸Nおよび光学素子34の反射面42の第2光軸Mを含む平面をYZ平面とする。
本例では、第1光学系31の第1光軸Nは、Y軸方向に延びる。偏向素子33は、Y軸およびZ軸に対して45°傾斜している。光学素子34の反射面42の第2光軸Mは、Z軸方向に延びる。すなわち、光学素子34の反射面42の第2光軸Mと、第1光学系31の第1光軸Nとのなす角度は90°である。図2、図3、図4は、YZ平面上の光線図である。液晶パネル18は、第1光学系31の第1光軸Nを間に挟んでスクリーンSとは反対側に投写画像を形成する。
図3に示すように、第1光学系31は、クロスダイクロイックプリズム19と、14枚のレンズL1~L14を有する。レンズL1~レンズL14は縮小側から拡大側に向かってこの順に配置されている。本例では、レンズL2とレンズL3は接合された第1接合レンズL21である。レンズL4とレンズL5は接合された第2接合レンズL22である。レンズL9とレンズL10は接合された第3接合レンズL23である。レンズL7とレンズL8との間には、絞りOが配置されている。
光学素子34は、反射面42の第2光軸Mを設計軸として設計されている。言い換えれば、第2光軸Mは、第1透過面41、第2透過面43および反射面42の設計上の光軸である。図4に示すように、反射面42の第2光軸Mは、Z軸に沿って延びる。第1透過面41および反射面42は、第2光軸Mの下方Y2に位置し、第2透過面43は、第2光軸Mの上方Y1に位置する。本例では、光学素子34の第1透過面41、反射面42、および第2透過面43は、反射面42の第2光軸Mを回転軸として回転対称な形状を備える。従って、第1透過面41と第2透過面43とは回転対称な形状を備える。光学素子34の第1透過面41、反射面42および第2透過面43は、いずれも非球面である。反射面42は、光学素子34の第1透過面41とは反対側の面に設けた反射コーティング層である。なお、非球面は、自由曲面の場合がある。この場合でも、自由曲面は、第2光軸Mを設計軸として設計されている。
図4に示すように、第2光学系32の瞳Pは、光学素子34の内側に位置する。YZ平面における第2光学系32の瞳Pは、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の上端を通過する上端光束51の上周辺光線51aおよび有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の上周辺光線52aがYZ平面上で交差する上側交点53と、上端光束51の下周辺光線51bおよび下端光束52の下周辺光線52bがYZ平面上で交差する下側交点54とを結ぶ線で規定されるものである。瞳Pは、YZ平面上で反射面42の第2光軸Mと垂直な仮想垂直線Vに対して傾斜する。
図4に示すように、偏向素子33は、Z軸方向から見たときに、光学素子34の一部と重なる。具体的には、偏向素子33のY軸方向の上端部36は、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の下周辺光線52bより、Y軸方向において下側に位置するように、偏向素子33を光学素子34に対して配置する。
ここで、図4に示すとおり、第1光学系31の最も拡大側に位置するレンズL14(第1レンズ)の拡大側の第1面71から光学素子34の第1透過面41までの光路長は、レンズL14の第1面71の直径よりも短い。光路長とは、レンズL14の第1面71と第1透過面41との軸上面間距離である。また、レンズL14の第1面71から第1透過面41までの光路長は、光学素子34の直径よりも短い。言い換えれば、レンズL14と第1透過面41との光路長は、第2透過面43の直径よりも短い。
(レンズデータ)
投写光学系3Aのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、縮小側から拡大側に順番に付してある。符号は、レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面の符号である。レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面に対応しない面番号のデータはダミーデータである。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。Cはアパーチャー半径であり、アパーチャー半径の2倍がレンズの面の直径となる。R、D、Cの単位はmmである。
符号 面番号 形状 R D 硝材 屈折/反射 C
18 0 球 無限 5.0771 屈折 0.0000
19 1 球 無限 21.5089 SBSL7_OHARA 屈折 7.6247
2 球 無限 3.0000 屈折 9.3606
3 球 無限 0.0000 屈折 9.7298
4 球 無限 0.0000 屈折 9.7298
5 球 無限 0.0000 屈折 9.7298
L1 6 球 33.5245 4.9750 451767.7908 屈折 9.9143
7 球 -25.7550 0.1000 屈折 9.8932
L2 8 球 66.8570 4.7765 489548.5711 屈折 9.2823
L3 9 球 -16.6762 1.0000 836696.3786 屈折 8.9880
10 球 -53.0858 0.1000 屈折 8.9164
L4 11 球 65.2761 4.5431 450077.8059 屈折 8.6367
L5 12 球 -15.4257 1.0000 839236.3286 屈折 8.3723
13 球 -128.4896 0.1000 屈折 8.4006
L6 14 球 54.7227 2.3878 846663.2378 屈折 8.3609
15 球 -137.8214 0.5101 屈折 8.2228
L7 16 球 -45.2553 2.3755 444638.8595 屈折 8.2223
17 球 -21.2539 11.0686 屈折 8.0771
O 18 球 無限 7.8486 屈折 6.2325
L8 19 球 -11.9123 1.0000 437001.951 屈折 5.9864
20 球 -13.9480 6.3146 屈折 6.3585
L9 21 球 46.4698 6.5007 648501.3148 屈折 8.7526
L10 22 球 -11.5110 1.0000 843577.2685 屈折 8.8745
23 球 29.9526 1.5880 屈折 10.1837
L11 24 球 265.4698 7.5224 658614.3083 屈折 10.1825
25 球 -13.1337 0.1000 屈折 10.9180
L12 26 球 -13.6596 1.0000 755000.5232 屈折 10.9175
27 球 -24.5937 0.1000 屈折 12.4210
L13 28 非球面 21.5855 3.5898 E48R_ZEON 屈折 14.8206
29 非球面 36.5832 5.7208 屈折 15.1878
L14 30 非球面 -157.3922 3.5898 E48R_ZEON 屈折 15.4993
31 非球面 56.7689 0.1292 屈折 16.6387
32 球 無限 20.0000 屈折 16.6543
33 33 球 無限 0.0000 反射 23.5657
34 球 無限 -6.0000 屈折 16.7091
41 35 非球面 -36.3858 -23.4735 Z330R_ZEON 屈折 16.7435
36 球 無限 0.0000 Z330R_ZEON 屈折 12.3233
42 37 非球面 12.9213 0.0000 Z330R_ZEON 反射 13.2928
38 球 無限 23.4735 Z330R_ZEON 屈折 23.2518
43 39 非球面 -36.3858 65.8130 屈折 18.0836
40 球 無限 56.8385 屈折 293.2386
41 球 無限 180.0883 屈折 503.7218
S 42 球 無限 0.0000 屈折 1170.6212
各非球面の非球面係数は以下のとおりである。
面番号 S28 S29 S30 S31
Y曲率半径 21.58550076 36.58324567 -157.3921587 56.76893916
コーニック定数(K) 0.263116414 -9.155361932 90 0
4次の係数(A) -5.49056E-05 -1.07810E-05 -7.03726E-05 -1.60989E-04
6次の係数(B) -3.93188E-08 -3.04961E-07 -3.11634E-07 2.69163E-07
8次の係数(C) -3.78918E-10 5.37969E-10 1.38410E-09 -2.45133E-10
10次の係数(D)
12次の係数(E)
面番号 S35 S37 S39
Y曲率半径 -36.38584736 12.92129861 -36.38584736
コーニック定数(K) 2.48402187 -4.424620059 2.48402187
4次の係数(A) -3.62599E-05 5.93830E-05 -3.62599E-05
6次の係数(B) 1.62023E-07 -5.35444E-07 1.62023E-07
8次の係数(C) -5.50034E-10 2.05204E-09 -5.50034E-10
10次の係数(D) 9.55919E-13 -3.79129E-12 9.55919E-13
12次の係数(E) -8.32888E-16 -8.32888E-16
また、投写光学系3Aの最大物体高、開口数、第1光軸から反射面までの第2光軸における距離、第1光軸から反射面までの第2光軸における距離を投写光学系3Aの最大物体高で除算した値、反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離、反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離を投写光学系3Aの最大物体高で除算した値、投写光学系3AのY軸方向の全長、投写光学系3AのY軸方向の全長を投写光学系3Aの最大物体高で除した値、TRは以下のとおりである。最大物体高は、液晶パネル18面上において画像形成領域の中で、投写光学系3Aの第1光軸Nから最も離れた点までの寸法である。最大物体高の単位はmmである。開口数はNAで示す。第1光軸から反射面までの第2光軸における距離はWhであり、図3に示すように、第1光軸Nから反射面42までの第2光軸Mにおける距離であり、単位はmmである。反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離はWaであり、図3に示すように、反射面42から偏向素子33までのZ軸方向における距離であり、単位はmmである。投写光学系3AのY軸方向の全長はTであり、図3に示すように、液晶パネル18から光学素子34の上方Y1の端部までのY軸方向における距離であり、単位はmmである。TRは、スローレシオであり、投写距離を、投写画像をスクリーンSへ投写した時のX軸方向の寸法で除算した値である。
最大物体高(y) 7.0
NA 0.286
Wh 29.5
Wh/y 4.21
Wa 45.0
Wa/y 6.4
T 146.6
T/y 20.9
TR(0.37"16:9LV) 0.220
ここで、投写光学系3Aにおいて、Wh/yの値が5.5以下であれば、投写光学系3AのZ軸方向の大きさを抑制できるので、投写光学系3Aを小型化できる。また、Wh/yの値が3以上であれば、投写光学系3Aの設計が容易である。本例の投写光学系3Aにおいて、Wh/yは4.21である。
(作用効果)
本例の投写光学系3Aは、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系31と、第2光学系32と、第1光学系31と第2光学系32との間に光路を折り曲げる偏向素子33と、からなる。第2光学系32は、縮小側から順に、第1透過面41、凹形状の反射面42、および第2透過面43を有する光学素子を備える。
従って、本例の投写光学系3Aは、第2光学系32において、反射面42で反射した光束を、第2透過面43で屈折させることができる。よって、第2光学系32が、反射面42のみを備える場合と比較して、投写光学系3Aの投写距離を短くすることが容易である。言い換えれば、本例の投写光学系3Aは、第2光学系が反射面のみを備える場合と比較して、投写光学系を短焦点化することができる。
また、光学素子34が拡大側に突出する凸形状の第2透過面43を備えるので、投写距離を短くする場合でも、中間像35の拡大側に配置された反射面42が大型化することを抑制できる。すなわち、第2透過面43において光束を屈折させることができるので、スクリーンSと共役となる中間像35が、反射面42の第2光軸Mに沿って傾斜して大きくなることを抑制できる。従って、中間像35の拡大側に位置する反射面42が大型化することを抑制できる。
さらに、投写光学系3Aは、第1光学系31と第2光学系32との間の光路を折り曲げる偏向素子33を備える。従って、投写光学系が偏向素子を有さない場合と比較して、第2光学系32から射出される光束の向きを、自由に設定できる。これにより、第2光学系32から射出される光束の向きを、第1光学系31と干渉しない方向に向けることが容易である。
ここで、本例では、偏向素子33の配置により、第1光学系31と第2光学系32との間で光路を90°折り曲げている。言い換えれば、偏向素子33の配置によって第1光学系31の第1光軸Nと反射面42の第2光軸Mとがなす角度を90°としている。これにより、反射面42からの反射光と、第1光学系31との干渉を回避するために無駄なスペースを取る必要がなくなるため、Z軸方向における投写光学系3Aの寸法が大きくなることを抑制できる。
また、本例では、中間像35は、光学素子34における第1透過面41と反射面42との間に位置する。従って、中間像35が第1光学系31と光学素子34との間に形成される場合と比較して、第1光学系31と光学素子34とを接近させることができる。これにより、投写光学系3Aをコンパクトにすることができる。
さらに、本例では、第1光学系31の最も拡大側に位置するレンズL14(第1レンズ)の拡大側の第1面71から光学素子34の第1透過面41までの光路長は、レンズL14の第1面71の有効半径の2倍よりも短い。従って、偏向素子33は第1光学系31に比較的近い位置に配置される。また、レンズL14の第1面71から第1透過面41までの光路長は、光学素子34の直径よりも短い。従って、偏向素子33は第2光学系32に比較的近い位置に配置される。よって、投写光学系3Aを小型化することが容易である。
また、光学素子34では、第1透過面41、反射面42、および第2透過面43が、反射面42の第2光軸Mを回転軸として回転対称な形状を備える。従って、光学素子34の製造が容易となる。また、光学素子34が回転対称な形状を備えるので、光学素子34が回転対称な形状ではない場合と比較して、製造時における光学素子の歩留まりが向上する。
ここで、第2光学系32の瞳Pは、反射面42の第2光軸Mと垂直な仮想垂直線Vに対して傾斜している。従って、第2光学系32の瞳Pが仮想垂直線Vと平行な場合と比較して、スクリーンSの上方Y1の周辺部の光量が低下することを抑制できる。すなわち、瞳Pが第2光軸Mと垂直な仮想垂直線Vに対して傾斜すれば、瞳Pが仮想垂直線Vと平行な場合と比較して、スクリーンSの上部へ達する光束F1の光量が多くなる。また、スクリーンSの上部へ達する光束F1の光量が多くなれば、スクリーンSの下部へ達する光束F3の光量との差が小さくなる。従って、スクリーンSの上部の周辺部の光量が、下部と比較して低下することを抑制できる。
さらに、本例では、光学素子34において、中間像35の縮小側に位置する第1透過面41が非球面なので、中間像35における収差の発生を抑制しやすい。また、光学素子34の反射面42、および第2透過面43は、非球面である。従って、拡大側結像面において、収差の発生を抑制しやすい。
なお、投写光学系では、第2光学系の拡大側に、更に、レンズを配置してもよい。
図5は、投写光学系3Aの拡大側のMTFを示す図である。MTFを示す図5の横軸は空間周波数である。縦軸はコントラスト再現比である。図中において、黒色のグラフは、タンジェンシャル光線(T)を示し、灰色のグラフは、ラジアル光線(R)を示す。また、タンジェンシャル光線(T)およびラジアル光線(R)のそれぞれにおいて、実線は、光束F1であり、間隔の長い破線は、光束F2であり、破線は、光束F3である。図5に示すように、本例の投写光学系3Aは、高い解像度を有する。
(実施例2)
図6は、実施例2の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。図6では、本例の投写光学系3BからスクリーンSに到達する光束を、光束F1~F3により模式的に示す。光束F1は最も像高が低い位置に達する光束である。光束F3は最も像高が高い位置に達する光束である。光束F2は光束F1と光束F3との間の位置に達する光束である。図7は、実施例2の投写光学系3Bの光線図である。図8は、第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。
本例の投写光学系3Bは、図7に示すように、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系31、および第2光学系32からなる。また、投写光学系3Bは、第1光学系31と第2光学系32との間に、第1光学系31と第2光学系32との間の光路を折り曲げる偏向素子33を、有する。偏向素子33は、平面ミラーである。本例では、偏向素子33は、パワーを備えていない。偏向素子33は、第1光学系31と第2光学系32との間で、光路を90°以上の角度で折り曲げる。
第1光学系31は、複数枚のレンズを備える屈折光学系である。第2光学系32は、1つの光学素子34である。光学素子34は、縮小側から順に、第1透過面41、凹形状の反射面42、および第2透過面43を有する。第1透過面41は、縮小側に突出する凸形状である。第2透過面43は、拡大側に突出する凸形状である。光学素子34は、第1光学系31の第1光軸Nに対して、反射面42の第2光軸Mが交差するように配置されている。
投写光学系3Bの縮小側結像面には、画像形成部2の液晶パネル18が配置されている。液晶パネル18は、第1光学系31の第1光軸Nに垂直な面内に、第1光軸Nに対して一方側に投写画像を形成する。投写光学系3Bの拡大側結像面には、スクリーンSが配置されている。第1光学系31と光学素子34の反射面42との間には、縮小側結像面と共役な中間像35が結像される。中間像35は拡大側結像面とも共役である。本例では、中間像35は、光学素子の内側に形成される。すなわち、中間像35は、光学素子34の第1透過面41と反射面42との間に形成される。
本例では、光学素子34の反射面42の第2光軸Mは、Z軸方向に延びる。第1光学系31の第1光軸Nは、Y軸方向に対して反時計回りに傾斜する。図7に示すように、第1光学系31の第1光軸Nと反射面42の第2光軸Mとのなす角度は120°であり、90°以上となる。図6、図7、図8は、YZ平面上の光線図である。
図7に示すように、第1光学系31は、クロスダイクロイックプリズム19と、14枚のレンズL1~L14を有する。レンズL1~レンズL14は縮小側から拡大側に向かってこの順に配置されている。本例では、レンズL2とレンズL3は接合された第1接合レンズL21である。レンズL4とレンズL5は接合された第2接合レンズL22である。レンズL9とレンズL10は接合された第3接合レンズL23である。レンズL7とレンズL8との間には、絞りOが配置されている。
光学素子34は、反射面42の第2光軸Mを設計軸として設計されている。言い換えれば、第2光軸Mは、第1透過面41、第2透過面43および反射面42の設計上の光軸である。図8に示すように、反射面42の第2光軸Mは、Z軸に沿って延びる。第1透過面41および反射面42は、第2光軸Mの下方Y2に位置し、第2透過面43は、第2光軸Mの上方Y1に位置する。本例では、光学素子の第1透過面41、反射面42、および第2透過面43は、反射面42の第2光軸Mを回転軸として回転対称な形状を備える。従って、第1透過面41と第2透過面43とは回転対称な形状を備える。光学素子34の第1透過面41、反射面42および第2透過面43は、いずれも非球面である。反射面42は、光学素子34の第1透過面41とは反対側の面に設けた反射コーティング層である。なお、非球面は、自由曲面の場合がある。この場合でも、自由曲面は、第2光軸Mを設計軸として設計されている。
図8に示すように、第2光学系32の瞳Pは、光学素子34の内側に位置する。YZ平面における第2光学系32の瞳Pは、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の上端を通過する上端光束51の上周辺光線51aおよび有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の上周辺光線52aがYZ平面上で交差する上側交点53と、上端光束51の下周辺光線51bおよび下端光束52の下周辺光線52bがYZ平面上で交差する下側交点54とを結ぶ線で規定されるものである。瞳Pは、YZ平面上で反射面42の第2光軸Mと垂直な仮想垂直線Vに対して傾斜する。
図8に示すように、偏向素子33は、Z軸方向から見たときに、光学素子34の一部と重なる。具体的には、偏向素子33のY軸方向の上端部36は、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の下周辺光線52bより、Y軸方向において下側に位置するように、偏向素子33を光学素子34に対して配置する。
(レンズデータ)
投写光学系3Bのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、縮小側から拡大側に順番に付してある。符号は、レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面の符号である。レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面に対応しない面番号のデータはダミーデータである。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。Cはアパーチャー半径であり、アパーチャー半径の2倍がレンズの面の直径となる。R、D、Cの単位はmmである。
符号 面番号 形状 R D 硝材 屈折/反射 C
18 0 球 無限 5.0771 屈折 0.0000
19 1 球 無限 21.5089 SBSL7_OHARA 屈折 7.6465
2 球 無限 3.0000 屈折 9.4425
3 球 無限 0.0000 屈折 9.8246
4 球 無限 0.0000 屈折 9.8246
5 球 無限 0.0000 屈折 9.8246
L1 6 球 28.8271 5.1536 452356.7857 屈折 10.0551
7 球 -28.1017 0.1000 屈折 10.0084
L2 8 球 78.8843 4.7704 456868.7491 屈折 9.4217
L3 9 球 -16.7422 1.0000 837952.3521 屈折 9.1250
10 球 -42.7163 0.1000 屈折 9.1033
L4 11 球 70.0583 4.4189 451345.7945 屈折 8.7649
L5 12 球 -16.4117 1.0000 837687.3573 屈折 8.4920
13 球 -93.9826 0.1000 屈折 8.4762
L6 14 球 55.4651 2.3579 846663.2378 屈折 8.3790
15 球 -152.2211 1.0184 屈折 8.2034
L7 16 球 -27.8181 2.0344 442924.8782 屈折 8.2026
17 球 -19.8208 11.0686 屈折 8.0771
O 18 球 無限 4.6481 屈折 6.1589
L8 19 球 -13.3615 1.0000 437001.951 屈折 5.8000
20 球 -16.0364 8.5746 屈折 6.1452
L9 21 球 52.3826 6.8248 613135.3421 屈折 9.0128
L10 22 球 -11.4926 1.0000 842907.2763 屈折 9.1518
23 球 38.4604 1.7271 屈折 10.7385
L11 24 球 -297.1463 7.3537 657611.3089 屈折 10.7420
25 球 -13.9865 0.1000 屈折 11.5142
L12 26 球 -15.7568 1.0000 755000.5232 屈折 11.5827
27 球 -28.7176 0.1000 屈折 12.9300
L13 28 非球面 29.1171 3.5898 E48R_ZEON 屈折 14.7821
29 非球面 119.3209 10.0763 屈折 15.2519
L14 30 非球面 -234.7807 3.5898 E48R_ZEON 屈折 16.8886
31 非球面 67.8338 6.0357 屈折 17.7670
32 球 無限 20.0000 屈折 17.4626
33 33 球 無限 0.0000 反射 35.3567
34 球 無限 -2.1986 屈折 17.0563
41 35 非球面 -38.6804 -23.4735 Z330R_ZEON 屈折 16.8787
36 球 無限 0.0000 Z330R_ZEON 屈折 12.2859
42 37 非球面 13.0293 0.0000 Z330R_ZEON 反射 13.2997
38 球 無限 23.4735 Z330R_ZEON 屈折 22.9284
43 39 非球面 -38.6804 65.8130 屈折 18.2148
40 球 無限 56.8385 屈折 293.6181
41 球 無限 180.0883 屈折 504.2411
S 42 球 無限 0.0000 屈折 1171.5833
各非球面係数は以下のとおりである。
面番号 S28 S29 S30 S31
Y曲率半径 29.11712414 119.320922 -234.7806741 67.83379679
コーニック定数(K) 1.797322179 55.52307423 90 0
4次の係数(A) -1.30901E-05 1.63617E-05 -8.30813E-05 -1.54238E-04
6次の係数(B) -2.18344E-07 -3.88090E-07 -2.02881E-07 2.29404E-07
8次の係数(C) -2.87266E-10 4.48694E-10 7.85487E-10 -3.18649E-10
10次の係数(D)
12次の係数(E)
面番号 S35 S37 S39
Y曲率半径 -38.68037673 13.02927305 -38.68037673
コーニック定数(K) 2.692449382 -4.616458455 2.692449382
4次の係数(A) -4.92215E-05 6.34222E-05 -4.92215E-05
6次の係数(B) 2.93495E-07 -5.69130E-07 2.93495E-07
8次の係数(C) -1.28081E-09 2.15879E-09 -1.28081E-09
10次の係数(D) 2.91286E-12 -3.94198E-12 2.91286E-12
12次の係数(E) -2.98528E-15 -2.98528E-15
また、投写光学系3Bの最大物体高、開口数、TRは以下のとおりである。最大物体高は、液晶パネル18面上において画像形成領域の中で、投写光学系3Bの第1光軸Nから最も離れた点までの寸法である。最大物体高の単位はmmである。開口数はNAで示す。TRは、スローレシオであり、投写距離を、投写画像をスクリーンSへ投写した時のX軸方向の寸法で除算した値である。
最大物体高(y) 7.0
NA 0.272
TR(0.37"16:9LV) 0.221
(作用効果)
本例の投写光学系3Bでは、第1光学系31の第1光軸NがスクリーンSに対して傾斜している。従って、Z軸方向において投写光学系3Bは大きくなるが、Y軸方向において、投写光学系を小型化することが容易となり、プロジェクターの投写光学系以外の構成部品を収納するために有効なスペースを確保することができる。かかる効果の相違を除き、本例の投写光学系3Bは、実施例1の投写光学系と同様の作用効果を得ることができる。
図9は、投写光学系3Bの拡大側のMTFを示す図である。図9に示すように、本例の投写光学系3Bは、高い解像度を有する。
(実施例3)
図10は、実施例3の投写光学系の全体を模式的に表す光線図である。図10では、本例の投写光学系3CからスクリーンSに到達する光束を、光束F1~F3により模式的に示す。光束F1は最も像高が低い位置に達する光束である。光束F3は最も像高が高い位置に達する光束である。光束F2は光束F1と光束F3との間の位置に達する光束である。図11は、実施例3の投写光学系3Cの光線図である。図12は、第1光学系の最も拡大側に位置するレンズ、偏向素子、および第2光学系の光線図である。
本例の投写光学系3Cは、図11に示すように、縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系31、および第2光学系32からなる。また、投写光学系3Cは、第1光学系31と第2光学系32との間に、第1光学系31と第2光学系32との間の光路を折り曲げる偏向素子33を、有する。偏向素子33は、平面ミラーである。本例では、偏向素子33は、パワーを備えていない。偏向素子33は、第1光学系31と第2光学系32との間で、光路を90°折り曲げる。
第1光学系31は、複数枚のレンズを備える屈折光学系である。第2光学系32は、1つの光学素子34である。光学素子34は、縮小側から順に、第1透過面41、凹形状の反射面42、および第2透過面43を有する。第1透過面41は、縮小側に突出する凸形状である。第2透過面43は、拡大側に突出する凸形状である。光学素子34は、第1光学系31の第1光軸Nに対して、反射面42の第2光軸Mが交差するように配置されている。
投写光学系3Cの縮小側結像面には、画像形成部2の液晶パネル18が配置されている。液晶パネル18は、第1光学系31の第1光軸Nに垂直な面内に、第1光軸Nに対して一方側に投写画像を形成する。投写光学系3Cの拡大側結像面には、スクリーンSが配置されている。第1光学系31と光学素子34の反射面42との間には、縮小側結像面と共役な中間像35が結像される。中間像35は拡大側結像面とも共役である。本例では、中間像35は、光学素子の内側に形成される。すなわち、中間像35は、光学素子34の第1透過面41と反射面42との間に形成される。
本例では、第1光学系31の第1光軸Nは、Y軸方向に延びる。偏向素子33は、Y軸およびZ軸に対して45°傾斜している。光学素子34の反射面42の第2光軸Mは、Z軸方向に延びる。すなわち、光学素子34の反射面42の第2光軸Mと、第1光学系31の第1光軸Nとのなす角度は90°である。図10、図11、図12は、YZ平面上の光線図である。液晶パネル18は、第1光学系31の第1光軸Nを間に挟んでスクリーンSとは反対側に投写画像を形成する。
図11に示すように、第1光学系31は、クロスダイクロイックプリズム19と、14枚のレンズL1~L14を有する。レンズL1~レンズL14は縮小側から拡大側に向かってこの順に配置されている。本例では、レンズL2とレンズL3は接合された第1接合レンズL21である。レンズL4とレンズL5は接合された第2接合レンズL22である。レンズL9とレンズL10は接合された第3接合レンズL23である。レンズL7とレンズL8との間には、絞りOが配置されている。
光学素子34は、反射面42の第2光軸Mを設計軸として設計されている。言い換えれば、第2光軸Mは、第1透過面41、第2透過面43および反射面42の設計上の光軸である。図12に示すように、反射面42の第2光軸Mは、Z軸に沿って延びる。第1透過面41および反射面42は、第2光軸Mの下方Y2に位置し、第2透過面43は、第2光軸Mの上方Y1に位置する。本例では、光学素子34の第1透過面41および第2透過面43は、互いに曲面形状が異なる。光学素子34の第1透過面41、反射面42および第2透過面43は、いずれも非球面である。反射面42は、光学素子34の第1透過面41とは反対側の面に設けた反射コーティング層である。なお、非球面は、自由曲面の場合がある。この場合でも、自由曲面は、第2光軸Mを設計軸として設計されている。
図12に示すように、第2光学系32の瞳Pは、光学素子34の内側に位置する。YZ平面における第2光学系32の瞳Pは、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の上端を通過する上端光束51の上周辺光線51aおよび有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の上周辺光線52aがYZ平面上で交差する上側交点53と、上端光束51の下周辺光線51bおよび下端光束52の下周辺光線52bがYZ平面上で交差する下側交点54とを結ぶ線で規定されるものである。瞳Pは、YZ平面上で反射面42の第2光軸Mと垂直な仮想垂直線Vに対して傾斜する。
図12に示すように、偏向素子33は、Z軸方向から見たときに、光学素子34の一部と重なる。具体的には、偏向素子33のY軸方向の上端部36は、第2透過面43の有効光線範囲50のY軸方向の下端を通過する下端光束52の下周辺光線52bより、Y軸方向において下側に位置するように、偏向素子33を光学素子34に対して配置する。
ここで、図12に示すとおり、第1光学系31の最も拡大側に位置するレンズL14(第1レンズ)の拡大側の第1面71から光学素子34の第1透過面41までの光路長は、レンズL14の第1面71の直径よりも短い。光路長とは、レンズL14の第1面71と第1透過面41との軸上面間距離である。また、レンズL14の第1面71から第1透過面41までの光路長は、光学素子34の直径よりも短い。言い換えれば、レンズL14と第1透過面41との光路長は、第2透過面43の直径よりも短い。
(レンズデータ)
投写光学系3Cのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、縮小側から拡大側に順番に付してある。符号は、レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面の符号である。レンズ、偏向素子、第1透過面、反射面、および第2透過面に対応しない面番号のデータはダミーデータである。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。Cはアパーチャー半径であり、アパーチャー半径の2倍がレンズの面の直径となる。R、D、Cの単位はmmである。
符号 面番号 形状 R D 硝材 屈折/反射 C
18 0 球 無限 5.0771 屈折 0.0000
19 1 球 無限 21.5089 SBSL7_OHARA 屈折 7.8755
2 球 無限 3.0000 屈折 10.2986
3 球 無限 0.0000 屈折 10.8159
4 球 無限 0.0000 屈折 10.8159
5 球 無限 0.0000 屈折 10.8159
L1 6 球 53.1966 4.2014 709164.2864 屈折 11.0147
7 球 -41.7022 0.1000 屈折 11.0290
L2 8 球 27.7082 6.4631 501766.7605 屈折 10.3531
L3 9 球 -18.9273 1.0000 803424.2331 屈折 9.9295
10 球 -97.5016 8.5675 屈折 9.6317
L4 11 球 19.8179 4.0089 449334.8023 屈折 7.0343
L5 12 球 -20.2548 1.0000 871163.3389 屈折 6.5623
13 球 14.8625 0.5687 屈折 6.1148
L6 14 球 16.6642 2.8992 783834.2385 屈折 6.1814
15 球 -144.2194 0.1695 屈折 5.9601
L7 16 球 -64.5022 2.5907 444411.8548 屈折 6.0310
17 球 -14.7211 2.4709 屈折 6.0041
O 18 球 無限 4.0695 屈折 5.4350
L8 19 球 -16.9676 1.0000 755000.5232 屈折 5.0000
20 球 -36.6829 17.4568 屈折 5.3495
L9 21 球 24.5580 10.2499 651310.2952 屈折 12.7188
L10 22 球 -17.9317 1.0000 922860.2088 屈折 12.6256
23 球 31.5665 2.9993 屈折 13.4242
L11 24 球 198.1424 7.1234 846513.2229 屈折 14.0366
25 球 -23.4883 0.1000 屈折 14.6454
L12 26 球 -23.0481 1.0000 755000.5232 屈折 14.6425
27 球 -32.6368 0.1000 屈折 15.5539
L13 28 非球面 24.1159 5.2774 E48R_ZEON 屈折 16.7255
29 非球面 36.6129 4.8768 屈折 17.2476
L14 30 非球面 -177.4508 6.5704 E48R_ZEON 屈折 17.4000
31 非球面 31.7435 0.4200 屈折 20.0869
32 球 無限 20.1307 屈折 18.9266
33 33 球 無限 0.0000 反射 26.4907
34 球 無限 -4.0000 屈折 16.1228
41 35 非球面 -62.8801 -20.0000 Z330R_ZEON 屈折 14.8689
36 球 無限 0.0000 Z330R_ZEON 屈折 11.2107
42 37 非球面 9.1924 0.0000 Z330R_ZEON 反射 12.3542
38 球 無限 20.0000 Z330R_ZEON 屈折 30.0167
43 39 非球面 -20.8076 65.8130 屈折 16.0664
40 球 無限 56.8385 屈折 410.2392
41 球 無限 90.0883 屈折 703.7207
S 42 球 無限 0.0000 屈折 1168.8852
各非球面係数は以下のとおりである。
面番号 S28 S29 S30 S31
Y曲率半径 24.11588374 36.61286119 -177.4508012 31.7435443
コーニック定数(K) 0.009502919 -10.01999614 90 0
4次の係数(A) -5.64860E-05 -2.19351E-05 -4.35015E-05 -1.66493E-04
6次の係数(B) -5.81995E-08 -3.37031E-07 -4.01906E-07 2.90969E-07
8次の係数(C) -1.79555E-10 4.50036E-10 1.01699E-09 -2.67197E-10
10次の係数(D)
12次の係数(E)
面番号 S35 S37 S39
Y曲率半径 -62.88009276 9.192364066 -20.80763396
コーニック定数(K) -32.11570134 -2.912378628 0.622550578
4次の係数(A) -1.09445E-04 3.47114E-05 -1.00583E-07
6次の係数(B) 1.38609E-07 -5.96658E-07 9.20087E-08
8次の係数(C) 9.92629E-10 2.83434E-09 -9.00690E-10
10次の係数(D) -5.70113E-12 -6.81582E-12 3.40749E-12
12次の係数(E) 6.96267E-15 -5.07497E-15
また、投写光学系3Cの最大物体高、開口数、第1光軸から反射面までの第2光軸における距離、第1光軸から反射面までの第2光軸における距離を投写光学系3Cの最大物体高で除算した値、反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離、反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離を投写光学系3Cの最大物体高で除算した値、投写光学系3CのY軸方向の全長、投写光学系3CのY軸方向の全長を投写光学系3Cの最大物体高で除した値、TRは以下のとおりである。最大物体高は、液晶パネル18面上において画像形成領域の中で、投写光学系3Cの第1光軸Nから最も離れた点までの寸法である。最大物体高の単位はmmである。開口数はNAで示す。第1光軸から反射面までの第2光軸における距離はWhであり、図11に示すように、第1光軸Nから反射面42までの第2光軸Mにおける距離であり、単位はmmである。反射面から偏向素子の最外形までのZ軸方向における距離はWaであり、図11に示すように、反射面42から偏向素子33までのZ軸方向における距離であり、単位はmmである。投写光学系3CのY軸方向の全長はTであり、図11に示すように、液晶パネル18から光学素子34の上方Y1の端部までのY軸方向における距離であり、単位はmmである。TRは、スローレシオであり、投写距離を、投写画像をスクリーンSへ投写した時のX軸方向の寸法で除算した値である。
最大物体高(y) 7.0
NA 0.241
Wh 24.0
Wh/y 3.43
Wa 41.4
Wa/y 5.91
T 162.1
T/y 23.15
TR(0.37"16:9LV) 0.155
ここで、投写光学系3Cにおいて、Wh/yの値が5.5以下であれば、投写光学系3CのZ軸方向の大きさを抑制できるので、投写光学系3Cを小型化できる。また、Wh/yの値が3以上であれば、投写光学系3Cの設計が容易である。本例の投写光学系3Cにおいて、Wh/yは3.43である。
(作用効果)
本例の投写光学系3Cでは、光学素子34の第1透過面41および第2透過面43は、互いに曲面形状が異なる。従って、光学素子34の製造が複雑になるが、投写距離を短くすることができる。かかる効果の相違を除き、本例の投写光学系は、実施例1の投写光学系と同様の作用効果を得ることができる。
図13は、投写光学系3Cの拡大側のMTFを示す図である。図13に示すように、本例の投写光学系3Cは、高い解像度を有する。
1…プロジェクター、2…画像形成部、3、3A、3B、3C…投写光学系、4…制御部、6…画像処理部、7…表示駆動部、10…光源、11…第1インテグレーターレンズ、12…第2インテグレーターレンズ、13…偏光変換素子、14…重畳レンズ、15…第1ダイクロイックミラー、16…反射ミラー、17R…フィールドレンズ、17G…フィールドレンズ、17B…フィールドレンズ、18R…液晶パネル、18G…液晶パネル、18B…液晶パネル、18R…各液晶パネル、19…クロスダイクロイックプリズム、21…第2ダイクロイックミラー、22…リレーレンズ、23…反射ミラー、24…リレーレンズ、25…反射ミラー、31…第1光学系、32…第2光学系、33…偏向素子、34…光学素子、35…中間像、36…上端部、41…第1透過面、42…反射面、43…第2透過面、50…有効光線範囲、51…上端光束、51a…上周辺光線、51b…下周辺光線、52…下端光束、52a…上周辺光線、52b…下周辺光線、53…上側交点、54…下側交点、71…第1面、F1~F3…光束、L1~L14…レンズ、L21~L23…接合レンズ、N…第1光軸、M…第2光軸、P…瞳、S…スクリーン、V…仮想垂直線。

Claims (13)

  1. 縮小側から拡大側に向かって順に、第1光学系と、第2光学系と、を備える投写光学系
    において、
    前記第1光学系と前記第2光学系との間に光路を折り曲げる偏向素子を、有し、
    前記第2光学系は、前記縮小側から順に、第1透過面、反射面、および第2透過面を有
    し、前記第1透過面、前記反射面および前記2透過面の各間には空気層を含まない光学
    素子を備え、
    前記第1透過面は、縮小側に突出する凸形状であり、
    前記反射面は、凹形状であり、
    前記第2透過面は、拡大側に突出する凸形状であり、
    前記第1透過面の曲率半径の絶対値は、前記第2透過面の曲率半径の絶対値よりも大き
    いことを特徴とする投写光学系。
  2. 前記光学素子は、前記第1光学系の第1光軸と前記反射面の第2光軸とが交差するよう
    に配置されることを特徴とする請求項1に記載の投写光学系。
  3. 前記第2光軸と、前記第1光軸とのなす角度が90°以上であることを特徴とする請求
    項2に記載の投写光学系。
  4. 前記第2光軸と、前記第1光軸とのなす角度が略90°である場合において、
    前記第1光軸から前記反射面までの前記第2光軸上の距離をWhとし、
    縮小側結像面における最大物体高をyとすると、以下の条件式を満たすことを特徴とす
    る請求項3に記載の投写光学系。
    Wh/y≦5.5
  5. 前記第1透過面、前記反射面、および前記第2透過面は、前記第2光軸を回転軸として
    回転対称な形状を備えることを特徴とする請求項2から4のうちのいずれか一項に記載の
    投写光学系。
  6. 前記第2光軸と直交する軸を第1軸とすると、
    前記第2透過面の有効光線範囲の前記第1軸方向の上端を通過する上端光束の上周辺光
    線および前記有効光線範囲の前記第1軸方向の下端を通過する下端光束の上周辺光線が前
    記第1光軸および前記第2光軸を含む平面上で交差する上側交点と、前記上端光束の下周
    辺光線および前記下端光束の下周辺光線が前記平面上で交差する下側交点とを結ぶ瞳は、
    前記平面で前記第2光軸と垂直な仮想垂直線に対して傾斜していることを特徴とする請求
    項2から5のうちのいずれか一項に記載の投写光学系。
  7. 前記第1透過面および前記反射面は、前記第2光軸に対して一方側に位置し、
    前記第2透過面は、前記第2光軸に対して他方側に位置することを特徴とする請求項2
    から6のうちのいずれか一項に記載の投写光学系。
  8. 前記反射面は、非球面であることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に
    記載の投写光学系。
  9. 前記第2透過面は、非球面であることを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか一
    項に記載の投写光学系。
  10. 前記第1透過面は、非球面であることを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか一
    項に記載の投写光学系。
  11. 前記反射面よりも前記縮小側に中間像が結像されることを特徴とする請求項1から10
    のうちのいずれか一項に記載の投写光学系。
  12. 前記第1光学系は、屈折光学系であることを特徴とする請求項1から11のうちのいず
    れか一項に記載の投写光学系。
  13. 請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の投写光学系と、
    前記投写光学系の縮小側結像面に投写画像を形成する画像形成部と、
    を有することを特徴とするプロジェクター。
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