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JP2015108797A - 広角投影光学システム - Google Patents

広角投影光学システム Download PDF

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JP2015108797A
JP2015108797A JP2014081758A JP2014081758A JP2015108797A JP 2015108797 A JP2015108797 A JP 2015108797A JP 2014081758 A JP2014081758 A JP 2014081758A JP 2014081758 A JP2014081758 A JP 2014081758A JP 2015108797 A JP2015108797 A JP 2015108797A
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wide
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angle projection
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林来誠
Lai Chang Lin
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Taida Electronic Industry Co Ltd
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Taida Electronic Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】拡大されても歪みのない実像を結像させ、薄型化することが可能で、結像収差を軽減することができる広角投影光学システムを提供する。
【解決手段】物体側と像側との間に介在する第1光学システム21と第2光学システム22とを含み、第1光学システム21は、第1レンズ組211と第2レンズ組213とを含み、第2光学システムは、マンジンミラーを含み、第1レンズ組21は、正の屈折力を有して開口絞り212を含み、物体側から投射する光線に対応する光学特性を供給して光線を開口絞り212に集光させ、第2レンズ組22は、第1レンズ組21の後方に位置しかつ正の屈折力を有し、マンジンミラーは、第1レンズ組211、開口絞り212、及び第2レンズ組213により像側に隣り合い、かつ透過面と反射面とを有して光線を2回屈折、1回反射させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、投影光学システムに関し、特に広角または超短焦点の投影光学システムに関する。
広角投影レンズは、広い視野または短い有効な焦点距離(Effective Focal Length,EFL)を有する。そのため、広角投影レンズを有する投影表示装置は、従来の投影レンズを有する投影表示装置に比べ、短距離で一定のサイズの画像を投射することができる。
現在、投影表示装置及びインタラクティブホワイトボードの統合システムは、教育、展示や娯楽等のインタラクティブ機能を提供するように、教室、講堂や会議室等の室内場所での有用な手段となっている。図1Aは、従来の投影表示装置及びインタラクティブホワイトボードの統合システムの構成を示す図である。図1Aに示すように、前記統合システムが配置される場合、投影表示装置10は、常にホワイトボード11の斜め前上方に設置される。通常、従来の短焦点の投影表示装置10を使用する場合は、ホワイトボード11から約1メートル離れた場所に投影表示装置10を設置する必要がある。しかし、一般的な平均高さを持った使用者は、投影表示装置10からの光の投射経路において必然的に障害物となる。しかも、投影表示装置10から投射される光線が使用者の目にダメージを与える潜在的なリスクが存在する。
上述した状況を回避するために、図1Bを参照しながら説明する。図1Bは、従来の広角投影表示装置及びインタラクティブホワイトボードの統合システムの構成を示す図である。図1Bに示すように、投影表示装置10は、ホワイトボード11に接近する位置に設置される必要がある。しかしながら、このような短い投影距離を得るために、投影表示装置10の投影レンズは、大きいフル画角θまたは極めて短い有効な焦点距離を有する必要がある。また、広角投影レンズを有する投影表示装置10がホワイトボード11の上方に設置される場合、その光フラックス(light flux)は、非常に急な角度でホワイトボード11に照射される必要がある。これにより、画像の大きな歪み(distortion)が引き起きてしまう恐れがある。なお、光が投影表示装置の本体に直接照射、及び、ホワイトボードの上部領域が反射ミラー体によって遮蔽されることを回避するように、投影レンズも大きなオフセット(offset)を有する必要がある。そこで、投影表示装置の広角または短焦点の投影レンズの設計は、研究開発の重要な課題となっている。
広角投影光学システムとしては、米国特許US7,529,032号に開示されたものが知られている。図1Cは、この文献に開示される広角投影光学システムの構成を示す図である。図1Cに示すように、この技術では、2つの非球面のプラスチックレンズ、1つの両凹レンズ、及び負の屈折力を有する非球面反射ミラーが用いられる。しかしながら、このような投影光学システムの反射ミラーのサイズは、投影距離が短くなることに伴って大幅に増加するため、投影表示装置の薄型化に不利となる。さらに、投影光学システムの反射ミラーは、投影光学システム内に完全に覆われずに空気中に晒されることで、粉塵が容易に入ってくる場合がある。また、この投影光学システムの最大画角が55度までに達していないため、実際に応用する時は、画像の投射に対してかなりの長距離が必要とされる。
なお、広角投影光学システムとしては、米国特許US7,048,388号に開示されたものも知られている。図1Dは、この文献に開示される広角投影光学システムの構成を示す図である。図1Dに示すように、この技術では、平面ミラーと正の屈折力を有する非球面反射ミラーが併用される。しかしながら、歪曲のない高品質な画像を得るために、広角投影光学システムでは、光学素子が傾斜して非共軸(decentered)であるように配列されるか、あるいは、垂直方向及び水平方向の拡大倍率が異なる非軸対称の自由曲面(anamorphic polynomial free−form surface)を有する光学素子が用いられることを必要とする。これにより、光学素子の組み立てや製造を複雑化してしまう。さらに、反射経路において、余剰に2回結像することに伴って画像歪みや結像収差の問題が生じる。
本発明の主な目的は、従来の光学システムによる使用者の安全へのリスクを回避し、結像収差や画像歪み等の問題を解決することができる短焦点の広角投影光学システムを提供する。
本発明のもう一つの目的は、大きいフル画角(Full Field angle)、例えば、70度を超えるフル画角、及び極めて短い有効な焦点距離を有し、薄型化が可能で、結像収差を軽減し、歪みのない高品質な画像を得ることができる超短焦点の広角投影光学システムを提供する。
上記目的を達成するために、本発明の好適な実施形態は、物体側と像側との間に介在し、第1光学システムと第2光学システムとを含む広角投影光学システムを提供する。前記第1光学システムは、正の屈折力を有しかつ開口絞りを含み、前記物体側から投影する光線に対応する光学的特性を供給して前記光線を前記開口絞りに集光させる第1レンズ組と、前記開口絞りの後方に位置しかつ正の屈折力を有する第2レンズ組と、を含む。前記第2光学システムは、マンジンミラー(Mangin mirror)を含む。前記マンジンミラーは、前記第1レンズ組、前記開口絞り、前記第2レンズ組に対して前記像側に隣り合う。前記第1レンズ組と前記第2レンズ組は共に歪んだ実像を前記マンジンミラーに結像させる。前記マンジンミラーは、透過面と反射面とを有して前記光線を2回屈折、1回反射させることにより、拡大された実像をスクリーンに結像させる。
上記目的を達成するために、本発明の他の好適な実施形態は、物体側から像側へ順次に第1光学システムと第2光学システムとを含む広角投影光学システムを提供する。前記第1光学システムは、正の屈折力を有しかつ開口絞りを含み、前記物体側から投影する光線に対応する光学的特性を供給して前記光線を前記開口絞りに集光させる第1レンズ組と、前記絞りの後方に位置しかつ正の屈折力を有する第2レンズ組と、を含む。前記第2レンズ組の少なくとも1つのレンズの対向する2つの側面は、非球面である。前記第2光学システムは、正の屈折力の屈折反射ミラーを含む。前記第1レンズ組と前記第2レンズ組は、共に歪んだ実像を前記正の屈折力の屈折反射ミラーに結像させる。前記正の屈折力の屈折反射ミラーは、透過面と反射面とを有して前記光線を2回屈折、1回反射させ、拡大された実像をスクリーンに結像させる。前記第1レンズ組、前記第2レンズ組、前記マンジンミラーは、同一の光軸を共有する。また、上述した実施形態は、非軸対称の自由曲面の光学素子を有しなくても、高品質かつ低歪みの投影を得ることができる。
本発明によれば、前記第1レンズ組、前記第2レンズ組、前記マンジンミラーは、前記物体側から前記像側へ順次に配列される。
本発明によれば、前記マンジンミラーは、正の屈折力を有する。
本発明によれば、前記第1レンズ組、前記第2レンズ組、前記マンジンミラーは、同一の光軸を共用する。
本発明によれば、前記光線は、前記マンジンミラーにおける前記透過面を透過し、かつ前記反射面によって反射されてから、再び前記透過面を透過する。
一部の実施例において、前記第1レンズ組の各レンズは、軸対称の球面レンズまたは軸対称の非球面レンズである。
一部の実施例において、前記第2レンズ組の少なくとも1つのレンズの対向する2つの側面は、非球面であるとともに、前記第2レンズ組の各レンズが軸対称のレンズである。
図1Aは、従来の投影表示装置及びインタラクティブホワイトボードの統合システムの構成を示す図である。 図1Bは、従来の広角投影表示装置及びインタラクティブホワイトボードの統合システムの構成を示す図である。 図1Cは、先行技術の広角投影光学システムの構成を示す図である。 図1Dは、他の先行技術の広角投影光学システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の好適な実施例に係る広角投影光学システムの構成を示す図である。 図3は、本発明に係る広角投影光学システムのマンジンミラーの細部構成を示す図である。 図4は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の多色回折の変調伝達関数(Modulation Transfer Function,MTF)の特性を表すグラフである。 図5Aは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の格子歪みを示す図である。 図5Bは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の歪曲収差曲線を示す図である。 図6は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の倍率色収差を示す図である。 図7は、本発明の別の実施例に係る広角投影光学システムの構成を示す図である。 図8は、本発明の別の実施例に係る広角投影光学システムの、表3のデータに基づいた像側の多色回折の変調伝達関数の特性を表すグラフである。 図9Aは、本発明の別の実施例に係る広角投影光学システムの、表3のデータに基づいた像側の格子歪みを示す図である。 図9Bは、本発明の別の実施例に係る広角投影光学システムの、表3のデータに基づいた像側の歪曲収差曲線を示す図である。 図10は、本発明の別の実施例に係る広角投影光学システムの、表3のデータに基づいた像側の倍率色収差を示す図である。
以下、本発明の特徴とメリットを表す典型的な実施例について詳細に説明する。ここで理解すべきことは、本発明が異なる態様において様々な変更を含み、これらはいずれも本願発明の範囲を逸脱することではなく、しかも明細書および図面が、本願発明に対する制限ではなく、本質的は本願発明を説明するものである。
図2は、本発明の好適な実施例に係る広角投影光学システムの構成を示す図である。図2に示すように、本発明に係る広角投影光学システム2は、非テレセントリックな広角投影光学システムであり、投影表示装置に用いられる。当該投影表示装置は、物体面3、すなわち、ライトバルブの画像表示面を有するデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含む。前記物体面3は、本発明に係る広角投影光学システム2によって結像する物体側Aであるように構成される。本実施例において、本発明に係る広角投影光学システム2は、物体側Aと像側Bとの間に介在し、第1光学システム21と第2光学システム22とを含む。第1光学システム21は、正の屈折力を有して開口絞り212を含む第1レンズ組211と、正の屈折力を有する第2レンズ組213とを含む。しかも、第2光学システム22は、マンジンミラー(Mangin mirror)221を含む。第1レンズ組211は、照明光学システムに合わせるように、適切な作動空間及び瞳位置(Pupil Position)を設定する。言い換えれば、第1レンズ組211は、物体側Aから投射する光線に対応する光学的特性を供給するとともに、当該光線を開口絞り212に集光させて第2レンズ組213に投射するように構成される。
本発明によれば、広角投影光学システム2の第1レンズ組211は、有効な正の屈折力(Positive Effective Optical Power)を有する複数の屈折レンズからなるものであるため、物体空間のテレセントリック性(telecentricity)を供給するとともに、デジタルマイクロミラーデバイスから開口絞り212へ発される光束を集光させることができる。本実施例において、開口絞りは、第1レンズ組211内かつ主光線の集光箇所に位置する。また、マンジンミラー221は、第1レンズ組211、開口絞り212及び第2レンズ組213により像側Bに隣り合う。しかも、第1レンズ組211及び第2レンズ組213は、共に歪んだ実像をマンジンミラー221の前に結像させる。マンジンミラー221は、透過面2211及び反射面2212を有し、マンジンミラー221、及び空間とマンジンミラー221との間において、光線を2回屈折、1回反射させて画像歪み及び結像収差の補正を行うようになっている。これにより、拡大されても歪みのない実像が、スクリーン(図示せず)に結像される。さらに、フル画角を増やすことができるとともに、投影レンズまたは投影表示装置の本体が、反射ミラーとスクリーンの間の空間に位置することができ、薄型化かつ統合された投影表示装置を実現する。
一部の実施例において、本発明に係る広角投影光学システム2の第1光学システム21の第1レンズ組211、開口絞り212、第2レンズ組213及び第2光学システム22のマンジンミラー221は、物体側Aから像側Bへ順次に配列されることが好適であるがこれに限定されない。さらに、第1レンズ組211及び第2レンズ組213の各レンズと、マンジンミラー221とは、同一の光軸を共有する。また、本発明に係る広角投影光学システム2の第1光学システム21の第1レンズ組211及び第2レンズ組213のレンズの輪郭と、第2光学システム22のマージンレンズ221の輪郭とは、前記同一の光軸に対して軸方向に対称となる(axial symmetric)。
本発明によれば、第1レンズ組211において、各レンズは、球面レンズまたは非球面レンズであってもよい。すなわち、第1レンズ組211の各レンズの対向する2つの側面、例えば、前面及び後面は、球面または非球面である。また、第2レンズ組213において、少なくとも1つのレンズが非球面レンズであり、すなわち、第2レンズ組213の少なくとも1つのレンズの対向する2つの側面、例えば、前面及び後面が非球面であることにより、画像歪み及び収差の補正を補助することができる。本発明の各実施例において、第1レンズ組211及び/又は第2レンズ組213の有効な屈折力は、各レンズの間に適切に分布することにより、機械的誤差に対する感度を低減させることも本発明の請求範囲に属する。
図2と図3を合わせて参照する。図3は、本発明に係る広角投影光学システムのマンジンミラーの細部構成を示す図である。図2及び図3に示すように、本発明の所期の効果を達成するために、本発明に係る広角投影光学システム2の第2光学システム22のマンジンミラー221は、正の屈折力を有し、さらに屈折反射ミラー、例えば、反射膜等をめっきした三日月型のレンズであることが好適であるがこれに限定されない。好適な実施例において、マンジンミラー221は、物体側A、第1レンズ組211、開口絞り212、及び第2レンズ組213から投射する光線Iが、空気からマンジンミラー221における透過面2211を透過して1回屈折されるとともに、反射面2212によって1回反射され、最後に反射面2212による反射で再び透過面2211を透過して空気に入射して2回目の屈折が起きることで、上述した2回屈折及び1回反射を実現するように構成される。つまり、光路として、光線Iがマンジンミラー221を二回透過するとともにマンジンミラー221によって反射される過程において2回屈折されることについては、3つの媒質の間での光の伝播とされる。反射ミラーを用いる従来の方式より、本発明は、2回屈折の設計要因や設計パラメータを増やすことができ、光学システムを容易に設計かつ調整することで、結像収差や画像歪みの問題を効果的に抑制する。また、マンジンミラー221が透過面2211(すなわち、屈折面)及び反射面2212を有する設計によれば、本発明に係る広角投影光学システム2は、システム設計上において、自由曲面と非軸対称な光学素子を用いることなく、設計時の困難、様々な数式計算上の困難、及び誤差の発生を回避することができる。
本発明によれば、表1に示すデータに基づいて、本発明の技術を実施することができる。表1において、物体側から像側までのレンズ面番号をNo.とし、曲率半径(Radius of Curvature)をRとし、厚さをTとし、屈折率をNd(Refractive Index)とし、アッベ数(Abbe number)をVdとする。レンズ面番号がNo.13,No.14,No.19,No.20,No21及びNo.22のレンズ面は、いずれも非球面である。これらレンズ面の非球面の相関係数(k、A4、A6、A8、A10及びA12)も表2に示される。非球面の形状は、以下の式で表す。このように、本発明に係る広角投影光学システム2では、70度を超えるフル画角を得ることができる。

式中、Z(R)はレンズの撓み量(sag)であり、C=1/Rである。
図4は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1に示すデータに基づいた像側の多色回折の変調伝達関数(Modulation Transfer Function,MTF)の特性を表すグラフである。図4において、横軸は空間周波数(spatial frequency (cycle/mm))を表し、縦軸は変調伝達関数比率を表す。ここで、空間周波数は、1mm幅の中に正弦的に濃度変化の繰り返し回数を表す。縦軸の最大値1は、変調伝達関数が100%であることを表す。図4からわかるように、ナイキスト周波数(Nyquist frequency)の場合、変調伝達関数の値は、顕著な低下を示さず、依然として50%より高く、すなわち、各画素を明確に解析することができ、優れた画像品位が得られることも表される。図5Aは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の格子歪みを示す図である。図5Bは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の歪曲収差曲線(distortion curve)を示す図である。図5A及び図5Bからわかるように、本実例の投影範囲において、画像歪みを良好に補正することができる。図6は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の倍率色収差を示す図である。図6からわかるように、本実施例の倍率色収差が1つの画素より少ないため、カラー画像を投影する場合でも色ずれの問題が発生しなくなり、すなわち、画像の色収差を良好に補正することができる。これら図からわかるように、本発明に係る広角投影光学システム2は、深刻な結像収差や画像歪みを招くことなく、大きいフル画角を有するとともに、優れた光学的特性及び画像品位を有するものである。上述した実施例では、非軸対称な自由曲面の光学素子を有することなくても、高品質かつ低歪みの投影を得ることができる。
図7は、本発明の他の好適な実施例に係る広角投影光学システムの構成を示す図である。図7に示すように、本発明に係る広角投影光学システム4は、テレセントリックな広角投影光学システムであり、物体側Aから像側Bへ、第1光学システム41と第2光学システム42とを順次に含む。第1光学システム41は、第1レンズ組411、開口絞り412、及び第2レンズ組413を含む。第2光学システム42は、透過面4211と反射面4212とを有する正の屈折力の屈折反射ミラー421を含む。ここで、第1レンズ組411、開口絞り412、第2レンズ組413及び正の屈折力の屈折反射ミラー421の構成、機能及び連結関係は、それぞれ、上述した実施例の第1レンズ組211、開口絞り212、第2レンズ組213及びマンジンミラー221に類似するため、ここでその説明を省略する。本発明に係る広角投影光学システムは、デジタル光源処理(Digital Light Processing,DLP)の投影表示装置または液晶投影表示装置等に用いられるように、非テレセントリックな広角投影光学システムであってもよく、遠心広角投影光学システムであってもよいがこれに限定されない。
本発明によれば、表3に示すデータに基づいて、本発明の技術を実施することができる。表3において、物体側から像側までのレンズ面番号をNo.とし、曲率半径(Radius of Curvature)をRとし、厚さをTとし、屈折率をNd(Refractive Index)とし、アッベ数(Abbe number)をVdとする。レンズ面番号がNo.18,No.19,No.24,No.25,No26、No.27及びNo.28のレンズ面は、いずれも非球面である。これらレンズ面の非球面の相関係数(k、A4、A6、A8、A10及びA12)も表4に示される。非球面の形状は、上述した実施例に示す数式で表す。このように、本発明に係る広角投影光学システム4では、70度を超えるフル画角を得ることができる。
図8は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表3に示すデータに基づいた像側の多色回折の変調伝達関数(Modulation Transfer Function,MTF)の特性を表すグラフである。図8において、横軸は空間周波数(spatial frequency (cycle/mm))を表し、縦軸は変調伝達関数比率を表す。ここで、空間周波数は、1mm幅の中に正弦的に濃度変化の繰り返し回数を表す。縦軸の最大値1は、変調伝達関数が100%と表す。図8からわかるように、ナイキスト周波数(Nyquist frequency)の場合、変調伝達関数の値は、顕著な低下を示さず、依然として50%より高く、すなわち、各画素を明確に解析することができ、優れた画像品位が得られることも表される。図9Aは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の格子歪みを示す図である。図9Bは、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表3のデータに基づいた像側の歪曲収差曲線を示す図である。図9からわかるように、本実例の投影範囲において、画像歪みを良好に補正することができる。図10は、本発明の一実施例に係る広角投影光学システムの、表1のデータに基づいた像側の倍率色収差を示す図である。図10からわかるように、本実施例の倍率色収差が1つの画素より少ないため、カラー画像を投影する場合でも色ずれの問題が発生しなくなり、すなわち、画像の色収差を良好に補正することができる。これらの図からわかるように、本発明に係る広角投影光学システム4は、深刻な結像収差や画像歪みを招くことなく、大きいフル画角を有するとともに、優れた光学的特性及び画像品位を有するものである。なお、上述した実施例でも、非軸対称な自由曲面の光学素子を有することなくても、高品質かつ歪みの低い投影を得ることができる。
以上の説明により、本発明は、正の屈折力を有する第1レンズ組と、正の屈折力を有する第2レンズ組と、屈折面及び反射面を有するマンジンミラーとを含む構成により、広角化及び短焦点化を図る広角または短焦点の投影光学システムを提供する。本発明に係る広角または短焦点の投影光学システムは、大きいフル画角、例えば、70度を超えるフル画角、及び極めて短い有効な焦点距離を有する以外に、投影表示装置を薄型化して結像収差を軽減させ、画像に歪みが発生せずに高品位画像を有する。さらに、本発明に係る広角投影光学システムでは、その投影表示装置をホワイトボードまたはスクリーンの真上に直接に設置することができる。
本発明は当該技術を熟知する当業者によって各種の潤色を加えてもよいが、いずれも本発明の特許請求の範囲に保護される範囲から逸脱しない。
10:投影表示装置
11:ホワイトボード
2:広角投影光学システム
21:第1光学システム
211:第1レンズ組
212:開口絞り
213:第2レンズ組
22:第2光学システム
221:マンジンミラー
2211:透過面
2212:反射面
3:物体面
4:広角投影光学システム
41:第1光学システム
411:第1レンズ組
412:開口絞り
413:第2レンズ組
42:第2光学システム
421:正の屈折反射ミラー
4211:透過面
4212:反射面
θ:フル画角
I:光線
A:物体側
B:像側

Claims (11)

  1. 物体側と像側との間に介在する広角投影光学システムであって、
    第1光学システムと第2光学システムとを含み、
    前記第1光学システムは、
    正の屈折力を有しかつ開口絞りを含み、前記物体側から投影する光線に対応する光学的特性を提供して前記光線を前記開口絞りに集光させる第1レンズ組と、
    前記開口絞りの後方に位置して正の屈折力を有する第2レンズ組と、を含み、
    前記第2光学システムは、マンジンミラーを含み、
    前記マンジンミラーは、前記第1レンズ組、前記開口絞り、前記第2レンズ組に対して前記像側に隣り合い、
    前記第1レンズ組と前記第2レンズ組とは、共に歪んだ実像を前記マンジンミラーに結像させ、
    前記マンジンミラーは、透過面と反射面とを有して前記光線を2回屈折、1回反射させることにより、拡大した実像をスクリーンに結像させることを特徴とする広角投影光学システム。
  2. 前記第1レンズ組と、前記第2レンズ組と、前記マンジンミラーとは、前記物体側から前記像側へ順次に配列されることを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  3. 前記マンジンミラーは、正の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  4. 前記第1レンズ組と、前記第2レンズ組と、前記マンジンミラーとは、同一の光軸を共用することを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  5. 前記光線は、前記マンジンミラーにおける前記透過面を透過し、かつ前記反射面によって反射されてから、再び前記透過面を透過することを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  6. 前記第1レンズ組の各レンズは、軸対称の球面レンズまたは軸対称の非球面レンズであることを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  7. 前記第2レンズ組の少なくとも1つのレンズの対向する2つの側面は、非球面であることを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  8. 前記第2レンズ組の各レンズは、軸対称のレンズであることを特徴とする請求項7に記載の広角投影光学システム。
  9. 前記光学システムは、テレセントリックな広角投影光学システムであることを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  10. 前記光学システムは、非テレセントリックな広角投影光学システムであることを特徴とする請求項1に記載の広角投影光学システム。
  11. 広角投影光学システムであって、
    物体側から像側へ順次に第1光学システムと第2光学システムとを含み、
    前記第1光学システムは、
    正の屈折力を有しかつ開口絞りを含み、前記物体側から投影する光線に対応する光学的特性を供給して前記光線を前記開口絞りに集光させる第1レンズ組と、
    前記絞りの後方に位置しかつ正の屈折力を有する第2レンズ組と、を含み、
    前記第2レンズ組の少なくとも1つのレンズの対向する2つの側面は、非球面であり、
    前記第2光学システムは、正の屈折力の屈折反射ミラーを含み、
    前記第1レンズ組と前記第2レンズ組とは、共同して歪んだ実像を前記正の屈折力の屈折反射ミラーに結像させ、
    前記正の屈折力の屈折反射ミラーは、透過面と反射面とを有して前記光線を2回屈折、1回反射させ、拡大した実像をスクリーンに生成し、
    前記第1レンズ組と、前記第2レンズ組と、前記マンジンミラーとは、同一の光軸を共有することを特徴とする広角投影光学システム。
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