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JP7496126B2 - 放射線量測定システム - Google Patents

放射線量測定システム Download PDF

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JP7496126B2 JP2020157840A JP2020157840A JP7496126B2 JP 7496126 B2 JP7496126 B2 JP 7496126B2 JP 2020157840 A JP2020157840 A JP 2020157840A JP 2020157840 A JP2020157840 A JP 2020157840A JP 7496126 B2 JP7496126 B2 JP 7496126B2
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Description

本発明は、共振回路の共振による電力伝送の位相変化または損失によりコンデンサの容量を測定し、測定したコンデンサ容量を用いて放射線量を測定する放射線量測定システムに関する。
従来、コンデンサの容量変化を検出する各種センサが知られている。例えば、各種のデータ入力を行うためのタッチパネルや、人感センサなどにおいても静電容量の変化を検出するものが多く採用されている。
ここで、特許文献1には、コンデンサの静電容量が放射線の照射線量に応じて変化することを利用し、コンデンサとコイルのみを用いた安価な放射線の線量計が示されている。ここでは、コンデンサとコイルを直列で接続したLC回路が、そのLC回路固有の周波数特性(共振周波数)を有することになることから、外部のアンテナとネットワークアナライザを用いて固有周波数を解析することにより、コンデンサ容量変化を測定する。そして、このコンデンサ容量変化に基づいて、放射線の照射線量を測定する。このシステムによれば、体内にLC回路を埋め込んで、外部のアンテナ、ネットワークアナライザを利用して、体内での放射線線量測定が行える。
特許第6512623号公報
Kurs A, Karalis A, Moffatt R et al. Wireless power transfer via strongly coupled magnetic resonances. Science (80- ) 2007;317:83-6
特許文献1では、コンデンサの容量変化をコンデンサから離れた位置に配置したアンテナなどを利用して位置で検出できる。しかし、アンテナとLC回路の距離が離れるとその検出精度が悪化し、十分な測定が行えない可能性がある。一方、静電容量の変化を非接触で検出できるメリットを考えると、なるべく離れた位置から検出したいという要望もある。
なお、非特許文献1には、電力の無線伝送方式として、送受信の両方のコイルにヘリカル型のコイル(共振器)を設置した4コイルの構成で、磁界共振(SCMR:Strongly Coupled Magnetic Resonance)を利用して、長距離でも高い伝送効率S21を保てることが記載されている。なお、Sパラメータは、回路に入っていく電力と回路から出て行く電力(電力の平方根)の関係を表したものであり、S21は入力端子から出力端子への透過係数(=伝送効率)である。
本発明は、送信側コイルと、前記送信側コイルから所定距離離間して配置され、前記送信側コイルにより生成される磁界を共有する受信側コイルと、前記送信側コイルと前記受信側コイルとの間に配置されるターゲットコイルと、入射する放射線の線量によって容量が変化するコンデンサであって、前記ターゲットコイルに接続されて形成された共振回路の共振周波数を決定するコンデンサと、前記送信側コイルおよび前記受信側コイルに流れる電流から伝送される電力周波数の依存性を解析し、前記共振回路の共振による伝送電力の位相変化または損失から前記共振回路の共振周波数を検出する共振周波数検出部と、を含み、検出された共振周波数に基づいて、前記コンデンサの容量を検出、検出した前記コンデンサの容量に応じて、入射する放射線量を検出する。
前記送信側コイルは、互いに近接配置された第1コイルと第2コイル、前記受信側コイルは、互いに近接配置された第4コイルと第5コイルに分割されており、前記共振周波数検出部は、前記第1コイルに電流を供給して、前記第5コイルの電流を検出することで、前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力を周波数解析するとよい。
前記第1コイルおよび前記第5コイルは一巻きコイルであり、前記第コイルおよび前記第4コイルは複数巻きコイルであるとよい。
前記共振周波数検出部は、前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力の伝送効率の微分値から前記共振周波数を検出するとよい。
本発明によれば、送信側コイルから受信側コイルへの電力伝送について、共振回路が共振することで損失または位相変化が生じることを用いて共振回路のコンデンサ容量を検出する。これによって、送信側コイルおよび受信側コイルが共振回路から離れており、かつ共振回路のサイズが小さくても容量検出が可能になる。
本実施形態に係るコンデンサ容量測定システムの概略構成を示すブロック図である。 図1のコンデンサ容量測定システムの等価回路を示す図である。 コイルの配置例を示す図であり、(a)はstep1(ターゲットコイルなし、距離小)、(b)はstep2(大きなターゲットコイル、距離小)、(c)はstep3(小さなターゲットコイル、距離大)を示す。 伝送効率S21のシミュレーション(Simulation)と実測(measurement)の比較結果を示す図であり、(a)はstep1、(b)はstep2を示す。 Step3における伝送効率S21のシミュレーションと実測の比較結果を示図であり、(a)はS21、(b)はS21の微分を示す。 磁界を増強し測定距離を大きくした場合のS21およびその微分を示す図であり、(a)は150mm、(b)は200mm、(c)は250mmとした場合である。 フェライトコアの構成例を示す図であり、(a)はフェライトコアのみ、(b)はコイルを巻回した状態を示す。 本実施形態のシステムを使用した放射線治療装置の構成例を示す図である。 コンデンサ容量測定システムを静電容量式のタッチパネルに応用した構成例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
「概略構成」
図1は、本実施形態に係るコンデンサ容量測定システムの概略構成を示すブロック図である。
送信側コイル10は、送信側の2つのコイルである、第1コイルCL1と、第2コイルCL2を有する。センサとして機能する共振回路12はターゲットコイルCL3を有する。受信側コイル14は、受信側の2つのコイルである、第4コイルCL4と、第5コイルCL5を有する。そして、第1コイルCL1と、第5コイルCL5にネットワークアナライザ20が、共振周波数検出部として接続されている。ネットワークアナライザ20は、所望の周波数の信号を第1コイルCL1に供給し、第5コイルCL5において受信した信号を解析する。なお、送信側コイル10、受信側コイル14について、コイルは1つずつでもよく、さらに3以上でもよい。また、第1コイルCL1および第5コイルCL5は、一巻きコイルが好適であり、他は複数巻きコイルが好適である。また、共振周波数検出部は、ネットワークアナライザ20のように、周波数解析を行うものではなく、予め定められた周波数における共振の有無を検出するものでもよい。
図2に、図1のコンデンサ容量測定システムの等価回路を示す。なお、コイルは、インダクタンスの他、電気抵抗などを含むため、等価回路ではインダクタンスLと抵抗Rを別個に記載した。また、コンデンサCには浮遊容量などが含まれてもよい。
第1コイルCL1は、インダクタンスL1および抵抗R1の直列接続からなり、これにソース抵抗RsとコンデンサC1がさらに直列接続され、ネットワークアナライザ20から交流信号が供給される。第2コイルCL2は、インダクタンスL2および抵抗R2の直列接続からなり、これにコンデンサC2がさらに直列接続され、第1コイルCL1によって発生する磁界に応じて誘導電流が流れる。
ターゲットコイルCL3は、インダクタンスL3および抵抗R3の直列接続からなり、これにコンデンサC3がさらに直列接続され、第2コイルCL2によって発生する磁界に応じて誘導電流が流れる。第4コイルCL4は、インダクタンスL4および抵抗R4の直列接続からなり、これにコンデンサC4がさらに直列接続され、第2コイルCL2によって発生する磁界に応じて誘導電流が流れる。
第5コイルCL5は、インダクタンスL5および抵抗R5の直列接続からなり、コンデンサC5と負荷抵抗RLがさらに直列接続され、第4コイルCL4によって発生する磁界に応じて誘導電流が流れ、この電流(電圧)がネットワークアナライザ20によって測定される。
第1、第2、第4および第5コイルCL1、CL2、CL4、CL5の共振周波数は同一に設定され、これによって、第1、第2、第4および第5コイルCL1、CL2、CL4、CL5が共振周波数において共振することで効果的な電力伝送が行われる。
ここで、ソース抵抗Rs、負荷抵抗RLはネットワークアナライザ20とのインピーダンス整合をとるためのものであり、コンデンサC1、C2、C4、C5は、送信側と受信側のコイル(CL1、CL2、CL4、CL5)の共振周波数を同一に設定するためのものであり、可変コンデンサとすることが好適である。
このようなシステムにおいて、ネットワークアナライザ20の発振器20aにより、第1コイルCL1に所定周波数の交流信号を供給すると、第1コイルCL1に生じる磁界によって第2コイルCL2に電流が流れ、第2コイルCL2により発生する磁界に応じて、ターゲットコイルCL3および第4コイルCL4に電流が流れ、第4コイルCL4に発生する磁界に応じて第5コイルCL5に電流が流れ、第5コイルCL5の電流(電圧)をネットワークアナライザ20が検出する。
ここで、ターゲットコイルCL3には、第2コイルCL2の磁界よって生じる誘導電流の一部が流れ、このターゲットコイルCL3に誘導電流が流れることによって、第4コイルCL4に流れる誘導電流が減少する。また、共振回路12は、ターゲットコイルCL3とコンデンサC3の直列接続からなるLC回路で構成されている。従って、共振回路12は、その固有共振周波数において共振し、このときに大きな電流が流れる。
本実施形態では、ネットワークアナライザ20において、第1コイルCL1から第5コイルCL5の電力の伝送効率S21を検出する。S21は、共振回路12が共振した際には、大きく減少するので、この減少ピーク(伝送効率変化のピーク)の周波数を検出することで、共振回路12(ターゲットコイルCL3)の共振周波数を検出することができ、従って、コンデンサC3の容量を測定することができる。
そして、本実施形態において、コンデンサC3は、その容量が変化するものを採用し、ネットワークアナライザ20においてコンデンサC3の容量を測定する。コンデンサC3として、例えば特許文献1に記載されている放射線の入射量によって容量が変化するコンデンサを採用することで、放射線線量を測定することができる。
共振回路12の共振周波数fは、f=1/2π√(L3・C3)であり、伝送している信号の周波数がこの共振周波数と一致した場合に、共振回路12において共振電流が流れ、ここに流れる電流量が大きくなる。この場合、第4コイルCL4、第5コイルCL5に流れる電流が小さくなり、この減少をネットワークアナライザ20において検出することで、共振回路12の共振周波数を検出することができ、これからコンデンサC3の容量を決定することができる。そして、コンデンサC3の容量から、放射線入射量がわかる。
本実施形態では、ネットワークアナライザ20によって、各コイルの共振周波数に近い周波数において、供給する交流信号を掃引し、共振回路12の共振周波数を検出する。
「相互誘導電流の算出」
2つのコイルが電磁気学的に結合している場合、2つのコイルに流れる電流が互いに影響を及ぼす現象(相互誘導)が起こる。相互誘導によって一方のコイルに電流を流した場合、その一方のコイルから発生する磁場によって、近くのもう他方のコイルに誘導起電力がV2発生する。
ここで、Iは一方のコイルの電流、tは時間、Mは相互インダクタンスである。そして、コイル間の距離をd12、2つのコイルの半径をr,r,巻き数をN,Nとしたとき一方のコイルと他方のコイルの相互インダクタンスM12は、第一種楕円積分K(k)・第二種完全楕円積分E(k)を利用して、次のように求めることができる。
さらに、相互誘導は隣り合うコイルだけでなく、全てのコイルと干渉しあうため、それぞれのコイルにおける電圧V・電流I・インピーダンスZの関係は、次のように表される。
ここで、Mは相互インダクタンス、Vsは第1コイルCL1に掛かる電圧、Vは第5コイルCL5に掛かる電圧、Vsはソース抵抗Rsに掛かる電圧である。なお、Vsはソース抵抗Rsに掛かる電圧、VLは抵抗Rに掛かる電圧としてもよい。
伝送効率S21は、上記の計算式の逆行列を解くことでそれぞれの電流値(I~I)が計算できることから、下式で算出できる。
ここで、ネットワークアナライザ20では、伝送効率S21がデシベル表記されるため、求められたS21を下式に代入し、S21Nwrwork Analyzerが求められる。以下のオフセット(offset)はネットワークアナライザの内部アッテネータによる減衰補正項となっており、実測によって求められる。
「共振周波数の測定」
ファラデーの法則によると、磁場の存在する空間にコイルを置くと、ループ面を貫く磁束変化によって、誘導起電力が発生する。この時、コイルの巻き数をN、コイルを貫く磁束をΦ、時間をtとすると誘導起電力Vは下式で表される。
また、コイルは、RLC直列回路と等価であるため、インピーダンスは下式で表され、共振周波数でインピーダンスZが最小値のRとなり、誘導起電力による誘導電流が最大となる。つまり、コイルのループ面を貫く電磁波の周波数が、コイルの固有共振周波数と一致するとき、誘導電流が最大になる。
従って、誘導電流によってコイル内に蓄えられるエネルギーUは、コイルに流れる電流Iを用いて下式で表すことができる。
以上のことから、電力伝送が行われている空間に目的とするターゲットコイルを置くと、ターゲットコイルの共振周波数付近ではインピーダンスが小さくなり、伝送される電力の一部がターゲットコイルに蓄えられ、伝送効率S21に位相変化が生じると考えられる。
さらに、コイルのインピーダンスは共振周波数で最小となるため、ネットワークアナライザ20で伝送効率S21を観測すると、ターゲットコイルの共振周波数において最大となる位相変化が出現し、また、回路内の抵抗によって電力損失が生じる。従って、位相変化は、伝送効率の変化(電力損失)としても検出することができ、例えば定在波比(SWR値)の計測によっても同様に検出することができる。
このように、伝送効率S21は周波数によって変動し、伝送する信号の周波数がターゲットコイルであるターゲットコイルCL3の共振周波数と一致する際に伝送効率が大きく減少することを利用することで、共振回路12(ターゲットコイルCL3)の共振周波数を外部から検知することが可能となる。すなわち、ネットワークアナライザ20において、送信周波数を掃引し、各周波数での伝送効率S21を求め、伝送効率S21が落ち込む周波数をもって共振回路12(ターゲットコイルCL3)の共振周波数と特定することができる。
「実験:シミュレーション、実測」
伝送効率S21を利用した、本実施形態における共振周波数の測定について、簡単な測定体系から段階的に検証(Step1→Step2→Step3)を進めることで、伝送効率S21を利用した共振周波数の測定の妥当性を確認した。
この測定には、ネットワークアナライザには、keysight社製(商品名:E5071C)を使用した。
<Step1>
図3(a)に示すようにターゲットであるターゲットコイルCL3を含む共振回路12が存在しない状況で、かつ第2、第4コイル間距離が、比較的近い場合(100mm)の伝送効率S21を測定する。
<Step2>
図3(a)と同じ測定体系に、図3(b)のように、第2コイルCL2と、第4コイルCL4の中間位置(通信距離50mm)にターゲットコイルCL3(直径:18mm、巻き数:4回、長さ:8mm)を配置し、伝送効率S21にターゲットコイルCL3を含む共振回路12の共振周波数において位相変化が生じるかを検証する。
<Step3>
Step3では、ターゲットコイルCL3を、小型なコイル(直径2.4mm、巻き数8回、長さ10mm)に変更した。さらに、ターゲットコイルCL3のコアとして、フェライトコア(直径2mm、長さ15mm)を挿入した。通信距離は100mmを目標とし、図3(c)に示すような体系で周波数測定を行った。
共振回路12において伝送電力の位相変化は誘導起電力に依存するため、相互インダクタンスMが大きいほど、位相変化のピークは大きくなると考えられる。相互インダクタンスはコイル間の距離・半径に依存するパラメータであり、上記の式を利用し、シミュレーションによって計算できる。そこで、通信距離100mmにおいて相互インダクタンスMを大きくする半径は90mmと求められた。さらに、ターゲットコイルCL3による位相変化ピークは、目的とする通信距離が長くなると小さくなると予想されるため、位相変化ピークが明確に現れない可能性がある。そこで、得られたS21[dB]を周波数(横軸)で微分することで、明確な信号として検出できるように工夫した。
なお、Step2、Step3で使用される共振回路12の共振周波数は、事前にRFID原理を利用して測定し、それぞれ21.52MHz、17.68MHzのものを使用した。
「実験結果」
<Step1、Step2>
図4(a)、図4(b)はそれぞれの伝送効率S21のシミュレーション(Simulation)と実測(measurement)の比較結果を示している。図3(a)から分かるように、シミュレーションと実測の結果がほぼ一致している。なお、シミュレーションと実測の間に若干のずれが生じるのは、各々のコイルがハンドメイドであることや、実測で配置されるコイルの若干のズレが原因であると推測される。
また、図3(a)と図3(b)を比較すると、ターゲットコイルCL3を含む共振回路12の共振周波数で、伝送効率S21に位相変化ピークが生じていることが確認できる。以上によって、位相変化部分のピークを利用することで周波数を無線測定することが可能であることがわかる。
<Step3>
図5(a)step3における伝送効率S21のシミュレーションと実測の比較結果を示している。このように、距離が伸びると位相変化部分のピークが見えづらくなる。そこで、伝送効率S21を周波数で微分したものを図5(b)に示す。
図5(a)、図5(b)から分かるように、目的とする距離が伸びた場合においてもシミュレーションと実測はよく一致しており、また図5(b)より通信距離が長い場合でもターゲットコイルCL3の共振周波数で位相変化が生じていることが確認された。
また、事前に別途測定されたターゲットコイルCL3の共振周波数と、位相変化のピークが生じる周波数が合っていることも確認された。従って、SCMRによる電力伝送と、伝送効率S21に生じる位相変化を組み合わせることで、小型の共振回路12を用い、測定距離が長い場合でも共振周波数の測定が可能であることが分かった。
「測定距離の延長」
図6(a)~図6(c)には、第1、第2、第4、第5コイルCL1~CL5について、大きなコイルを用い発生する磁界を増強し、測定距離を150mm,200mm、250mmとした場合の結果(周波数に対するS21およびS21の微分)を示してある。これによれば、下段のS21の微分値により位相変化ピークは距離が大きくなるに従って小さくなるが、この程度の測定距離であれば、伝送効率S21を微分することによって、十分識別が可能であることがわかる。
また、本実施形態では、通信距離を延ばすためにターゲットコイルCL3にフェライトコアを使用した。一方、他のコイル、例えばCL2、CL4などにもフェライトコアを使用することができる。フェライトコアを使用することで、コイル間の磁界の大きさが大きくなるため、通信可能な距離をさらに延長することができる。
<フェライトコアの形状>
上述のstep3においては、円筒状のフェライトコアを用い、フェライトコアの周囲にコイルを巻回した。ここで、図7(a)、図7(b)に示すように、円筒状のフェライトコア30の軸方向の両端部を円錐状に拡大し、径が徐々に広がるテーパ部32状を形成することができる。そして、円筒部にコイル34を巻回することで、コイル34のフェライトコア30における軸方向の移動を抑制することができる。ターゲットコイルCL3を体内に埋め込む場合などにおいて、コイルの移動が抑制されることでより確実な検出が行える。
<システム構成>
図8には、本実施形態のシステムを使用した放射線治療装置の構成例を示す。診察台40の上には、患者42がおり、この患者42の患部に対し治療放射線44が照射される。患者42の所定位置には、共振回路12(ターゲットコイルCL3)が埋め込まれている。これによって、共振回路12が置かれた場所における入射放射線量を共振回路12のコンデンサC3の容量変化で検出することができる。
ここで、本実施形態のターゲットコイルCL3は、円筒状のヘリカルコイルであり、その中心軸方向からくる磁界に対し感度がよい(大きな誘導電流が生じる)が、これと直交する方向に近づくほど感度が悪い。
従って、図11に実線で示すように、ターゲットコイルCL3の向きと送信側コイル10、受信側コイル14のコイルの向きが揃っている場合には感度がよく、破線で示すように異なっている場合には感度が悪くなる。
そこで、患者42の載置される診察台40、および送受信側コイル10,14の両方または一方を移動可能にするとよい。これによって、常に、感度の良い状態に保つことでき、高感度の測定が可能になる。なお、治療放射線を患者に照射する場合などにおいては、治療放射線の照射位置を決定するために診察台40の位置を設定する必要がある場合が多く、送信側コイル10、受信側コイル14の向きを調整可能とするとよい。なお、ターゲットコイルCL3の向きは、感度から検出してもよいが、X線や超音波の映像から検出してもよい。
「他の構成例」
図9は、コンデンサ容量測定システムを静電容量式のタッチパネルに応用した構成例を示した図である。このように、共振回路12には、金属板36が接続されており、金属板36への手などの近接によって共振回路12の静電容量が変化する。すなわち、コンデンサC3に加え、金属板36における浮遊容量が加わっており、これが手などの近接により変化する。なお、共振回路12の容量が変化すれば、独立した金属板36は必ずしも設ける必要はない。
ネットワークアナライザ20において、送信側コイル10から所定の信号を送信し、受信側コイル14の受信信号を解析し、伝送効率S21の位相変化ピーク位置(周波数)より、共振回路12における共振周波数の変化を検出することができる。なお、各共振回路12のコンデンサC3の容量を変更するなどの手法により、各共振回路12の共振周波数をずらしておくことで、共振周波数が変化した共振回路12を特定することができる。
その他、静電容量の変化を遠隔から検出したいという要求がある場合に、本実施形態のシステムを採用することができる。圧電体、焦電体、強誘電体を用いた素子(コンデンサ)において、その容量変化を検出する場合に、本実施形態のシステムを採用することができる。
また、コンデンサとコイル、スイッチを直列で接続することで、スイッチが押された時のみ共振周波数を有するアンテナを発生させることができる。同様のコンデンサ、コイル、スイッチを多数用意し、それぞれの共振周波数を互いに異なる値に設定しておくことで、特定の共振周波数が存在することから、スイッチのon/offを検出することができる。したがって、空間上に給電無しでコイルとコンデンサを内包したスイッチを配置するだけでパソコンのキーボードとして機能させることも可能である。この場合、各スイッチについて予め定められ周波数に共振信号が存在するかを検出することで、on/offを検出することができるため、ネットワークアナライザなどによる周波数解析を行う必要はない。
「実施形態の効果」
現在、無線通信技術は様々な分野で活用されており、通常ターゲットコイルの共振周波数は電磁誘導を利用したS11によって測定が行われている。しかし、S11を利用した周波数測定では、通信可能な距離が短く、長いものでも数cm程度である。
本実施形態では、SCMRによる電力伝送をベースとして、ターゲットコイルにおける誘導起電力における位相変化を検出するという手法によって、10cm離れたターゲットコイルの共振周波数を測定することができた。また、小型のターゲットコイルでも長距離で共振周波数の測定が可能であることが分かった。
また、SCMRは磁界共振を利用した伝送方法であり、生体のような誘電体から受ける影響が小さく、伝送効率がほとんど変化しないことが確認されている。従って、共振回路12はこのまま体内センサとして利用できると考えられ、既存の体内埋め込みデバイスに関する問題点を改善できる可能性がある。
上述のStep3では、測定距離100mmに好適な測定が行われるコイル半径などが検証されたが、厳密な最適化(コイルの巻き数、コイルのピッチ、共振周波数の帯域など)によって、さらに距離を延ばすことができると考えられる。
10 送信側コイル、12 ターゲットコイル、14 受信側コイル、20 ネットワークアナライザ、30 フェライトコア、32 テーパ部、34 コイル、36 金属板、40 診察台、42 患者、44 治療放射線。

Claims (4)

  1. 送信側コイルと、
    前記送信側コイルから所定距離離間して配置され、前記送信側コイルにより生成される磁界を共有する受信側コイルと、
    前記送信側コイルと前記受信側コイルとの間に配置されるターゲットコイルと、
    入射する放射線の線量によって容量が変化するコンデンサであって、前記ターゲットコイルに接続されて形成された共振回路の共振周波数を決定するコンデンサと、
    前記送信側コイルおよび前記受信側コイルに流れる電流から伝送される電力周波数の依存性を解析し、前記共振回路の共振による伝送電力の位相変化または損失から前記共振回路の共振周波数を検出する共振周波数検出部と、
    を含み、
    検出された共振周波数に基づいて、前記コンデンサの容量を検出、検出した前記コンデンサの容量に応じて、入射する放射線量を検出する、
    放射線量測定システム
  2. 請求項1に記載の放射線量測定システムであって、
    前記送信側コイルは、互いに近接配置された第1コイルと第2コイル、前記受信側コイルは、互いに近接配置された第4コイルと第5コイルに分割されており、前記共振周波数検出部は、前記第1コイルに電流を供給して、前記第5コイルの電流を検出することで、前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力を周波数解析する、
    放射線量測定システム。
  3. 請求項2に記載の放射線量測定システムであって、
    前記第1コイルおよび前記第5コイルは一巻きコイルであり、前記第コイルおよび前記第4コイルは複数巻きコイルである、
    放射線量測定システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の放射線量測定システムであって、
    前記共振周波数検出部は、
    前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力の伝送効率の微分値から前記共振周波数を検出する、
    放射線量測定システム。
JP2020157840A 2020-09-18 2020-09-18 放射線量測定システム Active JP7496126B2 (ja)

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