JP7496126B2 - 放射線量測定システム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係るコンデンサ容量測定システムの概略構成を示すブロック図である。
2つのコイルが電磁気学的に結合している場合、2つのコイルに流れる電流が互いに影響を及ぼす現象(相互誘導)が起こる。相互誘導によって一方のコイルに電流を流した場合、その一方のコイルから発生する磁場によって、近くのもう他方のコイルに誘導起電力がV2発生する。
ファラデーの法則によると、磁場の存在する空間にコイルを置くと、ループ面を貫く磁束変化によって、誘導起電力が発生する。この時、コイルの巻き数をN、コイルを貫く磁束をΦ、時間をtとすると誘導起電力Vは下式で表される。
伝送効率S21を利用した、本実施形態における共振周波数の測定について、簡単な測定体系から段階的に検証(Step1→Step2→Step3)を進めることで、伝送効率S21を利用した共振周波数の測定の妥当性を確認した。
図3(a)に示すようにターゲットであるターゲットコイルCL3を含む共振回路12が存在しない状況で、かつ第2、第4コイル間距離が、比較的近い場合(100mm)の伝送効率S21を測定する。
図3(a)と同じ測定体系に、図3(b)のように、第2コイルCL2と、第4コイルCL4の中間位置(通信距離50mm)にターゲットコイルCL3(直径:18mm、巻き数:4回、長さ:8mm)を配置し、伝送効率S21にターゲットコイルCL3を含む共振回路12の共振周波数において位相変化が生じるかを検証する。
Step3では、ターゲットコイルCL3を、小型なコイル(直径2.4mm、巻き数8回、長さ10mm)に変更した。さらに、ターゲットコイルCL3のコアとして、フェライトコア(直径2mm、長さ15mm)を挿入した。通信距離は100mmを目標とし、図3(c)に示すような体系で周波数測定を行った。
<Step1、Step2>
図4(a)、図4(b)はそれぞれの伝送効率S21のシミュレーション(Simulation)と実測(measurement)の比較結果を示している。図3(a)から分かるように、シミュレーションと実測の結果がほぼ一致している。なお、シミュレーションと実測の間に若干のずれが生じるのは、各々のコイルがハンドメイドであることや、実測で配置されるコイルの若干のズレが原因であると推測される。
図5(a)step3における伝送効率S21のシミュレーションと実測の比較結果を示している。このように、距離が伸びると位相変化部分のピークが見えづらくなる。そこで、伝送効率S21を周波数で微分したものを図5(b)に示す。
図6(a)~図6(c)には、第1、第2、第4、第5コイルCL1~CL5について、大きなコイルを用い発生する磁界を増強し、測定距離を150mm,200mm、250mmとした場合の結果(周波数に対するS21およびS21の微分)を示してある。これによれば、下段のS21の微分値により位相変化ピークは距離が大きくなるに従って小さくなるが、この程度の測定距離であれば、伝送効率S21を微分することによって、十分識別が可能であることがわかる。
上述のstep3においては、円筒状のフェライトコアを用い、フェライトコアの周囲にコイルを巻回した。ここで、図7(a)、図7(b)に示すように、円筒状のフェライトコア30の軸方向の両端部を円錐状に拡大し、径が徐々に広がるテーパ部32状を形成することができる。そして、円筒部にコイル34を巻回することで、コイル34のフェライトコア30における軸方向の移動を抑制することができる。ターゲットコイルCL3を体内に埋め込む場合などにおいて、コイルの移動が抑制されることでより確実な検出が行える。
図8には、本実施形態のシステムを使用した放射線治療装置の構成例を示す。診察台40の上には、患者42がおり、この患者42の患部に対し治療放射線44が照射される。患者42の所定位置には、共振回路12(ターゲットコイルCL3)が埋め込まれている。これによって、共振回路12が置かれた場所における入射放射線量を共振回路12のコンデンサC3の容量変化で検出することができる。
図9は、コンデンサ容量測定システムを静電容量式のタッチパネルに応用した構成例を示した図である。このように、共振回路12には、金属板36が接続されており、金属板36への手などの近接によって共振回路12の静電容量が変化する。すなわち、コンデンサC3に加え、金属板36における浮遊容量が加わっており、これが手などの近接により変化する。なお、共振回路12の容量が変化すれば、独立した金属板36は必ずしも設ける必要はない。
現在、無線通信技術は様々な分野で活用されており、通常ターゲットコイルの共振周波数は電磁誘導を利用したS11によって測定が行われている。しかし、S11を利用した周波数測定では、通信可能な距離が短く、長いものでも数cm程度である。
Claims (4)
- 送信側コイルと、
前記送信側コイルから所定距離離間して配置され、前記送信側コイルにより生成される磁界を共有する受信側コイルと、
前記送信側コイルと前記受信側コイルとの間に配置されるターゲットコイルと、
入射する放射線の線量によって容量が変化するコンデンサであって、前記ターゲットコイルに接続されて形成された共振回路の共振周波数を決定するコンデンサと、
前記送信側コイルおよび前記受信側コイルに流れる電流から伝送される電力の周波数の依存性を解析し、前記共振回路の共振による伝送電力の位相変化または損失から前記共振回路の共振周波数を検出する共振周波数検出部と、
を含み、
検出された共振周波数に基づいて、前記コンデンサの容量を検出、検出した前記コンデンサの容量に応じて、入射する放射線量を検出する、
放射線量測定システム。 - 請求項1に記載の放射線量測定システムであって、
前記送信側コイルは、互いに近接配置された第1コイルと第2コイル、前記受信側コイルは、互いに近接配置された第4コイルと第5コイルに分割されており、前記共振周波数検出部は、前記第1コイルに電流を供給して、前記第5コイルの電流を検出することで、前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力を周波数解析する、
放射線量測定システム。 - 請求項2に記載の放射線量測定システムであって、
前記第1コイルおよび前記第5コイルは一巻きコイルであり、前記第2コイルおよび前記第4コイルは複数巻きコイルである、
放射線量測定システム。 - 請求項1~3のいずれか1つに記載の放射線量測定システムであって、
前記共振周波数検出部は、
前記送信側コイルから前記受信側コイルに伝送される電力の伝送効率の微分値から前記共振周波数を検出する、
放射線量測定システム。
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