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JP7447768B2 - 車載中継装置 - Google Patents

車載中継装置 Download PDF

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Description

本発明は、車載中継装置に関する。
下記特許文献1には、他車両及び外部サーバと通信可能な車両が開示されている。この車両は、データを一時的に記録するキャシュメモリを有する。例えば、他車両は、キャシュメモリに一時的に記録されたデータを通信により取得可能である。
ところで、車両の制御装置にアプリケーションソフトウェア(以下、本明細書では、アプリケーションソフトウェアをアプリケーションと略称する)が追加的にインストールされることがある。アプリケーションが追加的にインストールされると、車内ネットワークにおける通信量が増加し易い。
アプリケーションが追加的にインストールされた車内ネットワークに、下記特許文献1の技術思想を適用可能である。即ち、制御装置にキャシュメモリを設けることが可能である。この場合、キャシュメモリに記録されたデータを取得する必要があるアプリケーションは、制御装置に接続されたECUと通信することなく、キャシュメモリにアクセスして当該データを取得する。従って、アプリケーションとECUとの間の通信量が低減するので、車内ネットワークにおける通信量の増加が抑制される。
特開2012-048489号公報
制御装置のキャシュメモリに記録されるデータは、データの生成時刻からの経過時間が長くなると、利用価値が無くなる可能性がある。従って、データの特性を考慮せずに、様々なデータをキャシュメモリに記録すると、キャシュメモリにアクセスしたアプリケーションが、利用価値の無いデータを取得するおそれがある。
本発明は上記事実を考慮し、データの要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くし、且つ、データの要求元と送信元との間の通信量の増加を抑制できる車載中継装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の車載中継装置は、一つ以上のECU及び一つ以上のアプリケーションソフトウェアの少なくとも一方である要求元からデータの送信要求を受け付ける受付部と、前記要求元とは異なる少なくとも一つの前記ECUである送信元から受信したデータである受信データが、時間の変化に伴って内容が変化する可変値を表すデータである可変データと、時間が変化しても内容が不変の固定値を表す固定値を表すデータである固定データと、のいずれであるかを判定するデータ識別部と、前記固定データである前記受信データを一時的に記録するキャッシュメモリ部と、前記要求元から送信要求があったデータである送信要求データが、前記キャッシュメモリ部に記録されているか否かを判定するキャッシュ判定部と、前記送信要求データが前記キャッシュメモリ部に記録されている前記受信データであると前記キャッシュ判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部に記録されている前記受信データを前記送信要求データとして前記要求元に送信する送信部と、車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と前記可変データからなる前記送信要求データである対象データの種類とが所定の組み合わせになったときに成立する特定条件が成立するか否かを判定する車両判定部と、を備え、前記特定条件が成立すると前記車両判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部が前記対象データである前記受信データを一時的に記録する
請求項1に記載の車載中継装置は、固定データである受信データを一時的に記録するキャッシュメモリ部を有する。例えば、要求元から送信要求があったデータである送信要求データが、キャシュメモリに記録された受信データ(固定データ)である場合がある。この場合、要求元は送信要求データの送信元と通信することなく、キャシュメモリにアクセスして当該受信データを取得する。従って、要求元と送信元との間の通信量の増加が抑制される。
さらに請求項1に記載の車載中継装置は、受信データが、時間の変化に伴って内容が変化する可変値を表すデータである可変データと、時間が変化しても内容が不変の固定値を表す固定値を表すデータである固定データと、のいずれであるかを判定するデータ識別部を有する。さらにキャッシュメモリ部は、固定データである受信データを一時的に記録する。そのため、要求元が、生成時刻からの経過時間が長く且つ利用価値が無い可変データをキャシュメモリから取得することがない。そのため、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。
請求項1に記載の発明では、車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と可変データからなる送信要求データである対象データの種類とが所定の組み合わせになったときに対象データに関して成立する特定条件が成立するか否かを車両判定部が判定する。所定の条件下においては、経過時間が長い対象データが利用価値を有する場合がある。即ち、特定条件が成立したときは、対象データは、経過時間が長い場合であっても利用価値を有する。その一方で、特定条件が成立しないときは、経過時間が長い対象データは利用価値を有さない。請求項1の発明では、特定条件が成立すると車両判定部が判定したときに、キャッシュメモリ部が対象データである受信データを一時的に記録する。従って、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。
請求項2に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項1記載の発明において、前記特定条件が成立しないと前記車両判定部が判定したときに、前記データ識別部が、前記対象データの生成時刻から現在時刻までの時間である経過時間が所定の閾値以下か否かを判定し、前記経過時間が前記閾値以下であると前記データ識別部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部が前記対象データである前記受信データを一時的に記録する。
請求項2に記載の発明では、特定条件が成立しないと車両判定部が判定したときに、データ識別部が、対象データの生成時刻から現在時刻までの時間である経過時間が所定の閾値以下か否かを判定する。そして、経過時間が閾値以下であるとデータ識別部が判定したときに、キャッシュメモリ部が対象データである受信データを一時的に記録する。従って、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。
請求項3に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項2記載の発明において、前記経過時間が前記閾値を超えたと前記データ識別部が判定したときに、前記送信元から前記送信要求データを受信する受信部を有し、前記送信部が、前記受信部が受信した前記送信要求データを前記要求元に送信する。
請求項3に記載の発明では、経過時間が短く利用価値がある可変データである送信要求データを、要求元が受信可能になる。
請求項4に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記特定条件が成立すると前記車両判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部に記録されている前記対象データを、前記送信部が前記送信要求データとして前記要求元に送信する。
請求項4に記載の発明では、特定条件が成立すると車両判定部が判定したときに、キャッシュメモリ部に記録されている対象データを、送信部が送信要求データとして要求元に送信する。上述のように、特定条件が成立したときは、対象データは、経過時間が長い場合であっても利用価値を有する。従って、要求元は利用価値を有するデータをキャッシュメモリ部から取得可能である。さらに、要求元と送信元との間の通信量の増加がさらに抑制される。
請求項5に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、車両が所定の運転支援制御を実行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する。
請求項5に記載の発明では、車両が所定の運転支援制御を実行しているときに、所定の対象データに関して特定条件が成立すると車両判定部が判定する。上述のように、特定条件が成立したときは、対象データは、経過時間が長い場合であっても利用価値を有する。従って、車両が所定の運転支援制御を実行しているときに、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。さらに、要求元と送信元との間の通信量の増加がさらに抑制される。
請求項6に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、車両が所定の時間帯に走行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する。
請求項6に記載の発明では、車両が所定の時間帯に走行しているときに、所定の対象データに関して特定条件が成立すると車両判定部が判定する。上述のように、特定条件が成立したときは、対象データは、経過時間が長い場合であっても利用価値を有する。従って、車両が所定の時間帯に走行しているときに、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。さらに、要求元と送信元との間の通信量の増加がさらに抑制される。
請求項7に記載の発明に係る車載中継装置は、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、車両が渋滞していない高速道路を高速走行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する。
請求項7に記載の発明では、車両が渋滞していない高速道路を高速走行しているときに、所定の対象データに関して特定条件が成立すると車両判定部が判定する。上述のように、特定条件が成立したときは、対象データは、経過時間が長い場合であっても利用価値を有する。従って、車両が渋滞していない高速道路を高速走行しているときに、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。さらに、要求元と送信元との間の通信量の増加がさらに抑制される。
以上説明したように、本発明に係る車載中継装置は、データの要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くし、且つ、データの要求元と送信元との間の通信量の増加を抑制できる、という優れた効果を有する。
実施形態に係る車載中継装置を備える車両のネットワーク構成を示す模式図である。 図1に示される車両の制御ブロック図である。 図1に示される車載中継装置の機能ブロック図である。 図1に示される車両が備えるECUの機能ブロック図である。 図1に示されるECUが生成するフレーム(データ)を示す図である。 図1に示される車載中継装置のROMに記録されたフレームリストを示す図である。 図1に示される車載中継装置のROMに記録されたフレームの種類と閾値との関係を表す一次元マップを示す図である。 図1に示される車載中継装置のROMに記録されたフレームの種類と特定条件との関係を表す二次元マップを示す図である。 図1に示される車載中継装置が行う処理を示すフローチャートである。 図1に示される車載中継装置が行う処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る車載中継装置10の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の車載中継装置10を備える車両12を示している。車両12は、車載中継装置10、車内ネットワーク14、第1ECU(Electronic Control Unit)16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dを有する。ゲートウェイとしての機能を有する車載中継装置10は、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dと車内ネットワーク14を介して互いに接続されている。具体的には、車載中継装置10と第1ECU16Aが第1バス14Aにより接続されている。車載中継装置10と第2ECU16Bが第2バス14Bにより接続されている。車載中継装置10と第3ECU16Cが第3バス14Cにより接続されている。車載中継装置10と第4ECU16Dが第4バス14Dにより接続されている。車内ネットワーク14は、例えば、Ethernet(登録商標)、CAN(Controller Area Network)又はFlex Ray(登録商標)である。
図1に示されるように、本実施形態の第1ECU16Aに車輪速センサ20が接続されている。車輪速センサ20は取得した車輪速に関する情報を所定周期で第1ECU16Aへ送信する。
第2ECU16Bにカメラ21が接続されている。カメラ21は、車両12の周辺(外部)に位置する被写体を撮像する周辺カメラ及び車内の被写体を撮像する車内カメラを具備する。各カメラ21は、取得した撮像データを所定周期で第2ECU16Bへ送信する。
第3ECU16Cにシフトポジションセンサ22が接続されている。シフトポジションセンサ22は、車内に設けられたシフトレバー(図示省略)のシフトポジションを取得し、取得したシフトポジションに関する情報を所定周期で第3ECU16Cへ送信する。シフトレバーは、例えば、D(ドライブ)レンジ、1stレンジ、2ndレンジ、R(リバース)レンジ、P(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジの各シフト位置に移動可能である。即ち、車両12はオートマチック車両(AT車両)である。
第4ECU16DにGPS受信機23、ディスプレイ24(タッチパネル)及び無線通信装置25が接続されている。GPS受信機23は、人工衛星から送信されたGPS信号に基づき車両12が走行している地点の位置情報(緯度、経度等)を所定周期で取得し、取得した位置情報を所定周期で第4ECU16Dへ送信する。ディスプレイ24はタッチパネルを備える。ディスプレイ24は、タッチパネルを介して入力された情報を第4ECU16Dへ送信する。例えば、タッチパネルを利用して、運転者の個人情報が入力される。入力された運転者の個人情報は、第4ECU16DのROMに記録される。無線通信装置25は、インターネット等を介して、外部の通信装置と無線通信である。無線通信装置25は、無線通信により取得した情報を、所定周期で第4ECU16Dへ送信する。例えば、無線通信装置25は、スマートフォン40(図1参照)及び路側機45(図1参照)と無線通信可能である。例えば、車両12の乗員がディスプレイ24のタッチパネル又はスマートフォン40を操作すると、無線通信装置25は路側機45と無線通信を実行する。
図2に示されるように、車載中継装置10はECUである。そのため、以下、車載中継装置10を中継ECU10と称する。中継ECU10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)10A、ROM(Read Only Memory)10B、RAM(Random Access Memory)10C、ストレージ10D、通信I/F(Inter Face)10E及び入出力I/F10Fを含んで構成されている。CPU10A、ROM10B、RAM10C、ストレージ10D、通信I/F10E及び入出力I/F10Fは、バス10Zを介して相互に通信可能に接続されている。中継ECU10は、タイマー(図示省略)から時刻に関する情報を取得可能である。なお、図示は省略されているが、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dのハードウェア構成は中継ECU10と同じである。
車両12のダッシュボード(図示省略)には運転支援スイッチ26が設けられている。運転支援スイッチ26は中継ECU10に接続されている。車両12の乗員によって運転支援スイッチ26がオン操作されたときに、各種の運転支援制御が実行される。さらに乗員は、運転支援スイッチ26を操作することにより、車両12に特定の運転支援制御を実行させることができる。乗員によって運転支援スイッチ26がオフ操作されたとき、中継ECU10は運転支援制御を実行しない。中継ECU10は、例えば、ステアリングホイール、ブレーキペダル、アクセルペダル及び方向指示器(いずれも図示省略)を操作することにより、様々な運転支援制御を実行する。この運転支援制御には、例えば、ACC(追従車間距離制御)、LTA(レーントレーシングアシスト制御)及びLCA(車線変更支援制御)が含まれる。
CPU10Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU10Aは、ROM10B又はストレージ10Dからプログラムを読み出し、RAM10Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU10Aは、ROM10B又はストレージ10Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。即ち、例えばCPU10Aは、運転支援制御を実行するためのステアリングホイール、ブレーキペダル、アクセルペダル及び方向指示器の制御並びに各種の演算処理を行う。
ROM10Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。例えば、ROM10Bにはオペレーションシステム(OS)がインストールされている。さらに図1に示されるように、ROM10Bには、各種のアプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4がインストールされている。これらのアプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4は、例えば車両12の製造後に、無線通信装置25を利用したインターネット通信を介して外部サーバ(図示省略)からROM10Bへダウンロードされる。
RAM10Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ10Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F10Eは、中継ECU10が他の機器と通信するためのインタフェースである。通信I/F10Eは車内ネットワーク14に接続される。入出力I/F10Fは、車両12に搭載される各装置と通信するためのインタフェースである。例えば、中継ECU10の入出力I/F10Fには、運転支援スイッチ26が接続されている。
図3には、中継ECU10の機能構成の一例がブロック図で示されている。中継ECU10は、機能構成として、送信要求部101、送信部102、受信部103、受付部104、データ識別部105、キャッシュメモリ部106、キャッシュ判定部107及び車両判定部108を有する。送信要求部101、送信部102、受信部103、受付部104、データ識別部105、キャッシュメモリ部106、キャッシュ判定部107及び車両判定部108は、CPU10AがROM10Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
アプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4が実行されているときに、アプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4によって制御された送信要求部101は、送信要求を生成可能である。送信要求部101が生成する送信要求は受付部104に対して行われる。この送信要求は、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dのデータ生成部17(後述)が生成したフレーム27(後述)又はキャッシュメモリ部106に記録されたフレーム27をアプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4(RAM10C)に送信する要求である。
送信部102は、送信要求部101が生成した送信要求及び中継ECU10で生成された他の情報(例えば、運転支援制御に関する情報)を、第1バス14A、第2バス14B、第3バス14C及び第4バス14Dの少なくとも一つへ送信する。さらに送信部102は、受信部103が第1バス14A、第2バス14B、第3バス14C及び第4バス14Dの少なくとも一つから受信したフレーム27を、このフレーム27が流れてきたバス(例えば、第1バス14A)とは別のバス(例えば、第2バス14B)又はアプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4(RAM10C)へ送信可能である。
受信部103は、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの少なくとも一つが生成し且つ第1バス14A、第2バス14B、第3バス14C及び第4バス14Dの少なくとも一つへ送信したフレーム27を受信可能である。
受付部104は、送信要求部101、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの少なくとも一つから送信された送信要求を受信可能である。
キャッシュメモリ部106は、後述する所定の条件を満たすフレーム27を記録可能である。キャッシュメモリ部106は、揮発性メモリである。即ち、車両12のイグニッションスイッチがOFFからONに切り替わるとキャッシュメモリ部106はデータを記録可能になり、イグニッションスイッチがOFFになるとキャッシュメモリ部106に記録されていたデータは消去される。
キャッシュ判定部107は、送信要求があったフレーム27である送信要求データが、キャッシュメモリ部106に記録されているか否かを判定可能である。
車両判定部108は、現在時刻における「車両状態」及び「車両周辺環境」を判定する。「車両状態」には例えば、車両12の車速、シフトポジション、運転支援状態、バッテリの状態、エアコンディショナーの状態、ステアリングの操舵角及び乗員の状態が含まれる。さらに「乗員の状態」には、例えば、乗員の総数及び運転者の運転スキルレベルが含まれる。「車両周辺環境」には例えば、車両12が走行中の国の名前、道路の種別(一般道、高速道路)、道路の混雑具合、車両12と車両12の直前に位置する他車両との車間距離、天候及び時間帯が含まれる。
図4には、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの機能構成の一例がブロック図で示されている。第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dは、機能構成として、データ生成部17、送信部18及び受信部19を有する。データ生成部17、送信部18及び受信部19は、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dにインストールされた1以上のアプリケーションが、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16DのCPUに実行させる処理により実現される機能である。
第4ECU16DのROMには、ナビゲーションシステムのアプリケーション並びに数か国の道路交通に関する法律及び規則に関する情報(以下、交通法規情報)が記録されている。交通法規情報には、例えば、制限速度に関する情報が含まれる。さらに制限速度の内容は、国及び道路の種別(一般道、高速道路)によって異なる。
第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dのデータ生成部17は、車輪速センサ20、カメラ21、シフトポジションセンサ22、GPS受信機23、ディスプレイ24及び無線通信装置25の少なくとも一つから受信した情報を利用してメッセージを生成可能である。データ生成部17は、生成したメッセージを、所定のサイズの複数のセグメントに分割する。そしてデータ生成部17は、分割した各セグメントを含むEthernet等に対応したフレーム27(図5参照)を生成する。
データ生成部17は様々な種類のフレーム27(データ)を生成可能である。図5に示されるようにフレーム27は、フレーム27の種類を表す識別子であるIDを含む。このフレーム27には、フレーム27の生成日時に関する情報及びフレーム27のデータ内容を表す情報が含まれる。
中継ECU10のROM10Bには、フレームリスト28(図6参照)が記録されている。フレームリスト28は、フレーム27のID(フレームの種類)、各フレーム27に記録されたデータ(情報)の内容、データの属性、及び各フレーム27の生成主体を表している。
フレームリスト28に示されるように、車輪速センサ20から送信された情報に基づいて第1ECU16Aのデータ生成部17が生成したIDが「100」のフレーム27は車速情報を含む。
カメラ21から送信された画像情報に基づいて第2ECU16Bのデータ生成部17が生成したIDが「110」のフレーム27は画像情報(例えば、車両12の周辺の被写体画像)を含む。
カメラ21(周辺カメラ)から送信された画像情報に基づいて第2ECU16Bのデータ生成部17が生成したIDが「120」のフレーム27は、車両12と当該車両12の直前に位置する他車両(図示省略)との車間距離に関する情報を含む。
カメラ21(車内カメラ)から送信された画像情報に基づいて第2ECU16Bのデータ生成部17が生成したIDが「130」のフレーム27は、車両12の内部に存在する乗員の数に関する情報を含む。
シフトポジションセンサ22から送信された情報に基づいて第3ECU16Cのデータ生成部17が生成したIDが「140」のフレーム27はシフトポジションに関する情報を含む。
GPS受信機23から送信された情報に基づいて第4ECU16Dのデータ生成部17が生成したIDが「150」のフレーム27は車両12の位置情報を含む。
第4ECU16DのROMに記録された情報に基づいて第4ECU16Dのデータ生成部17が生成したIDが「160」のフレーム27は、運転者の個人情報を含む。この個人情報には、例えば「運転者の氏名」「運転者の生年月日」「運転者の運転スキルレベル」等の情報が含まれる。
無線通信装置25を介して第4ECU16Dへ入力された情報に基づいて第4ECU16Dのデータ生成部17が生成したIDが「170」のフレーム27は、車両12が走行している道路の渋滞情報を含む。
第4ECU16DのROMに記録された交通法規情報に基づいて第4ECU16Dのデータ生成部17が生成したIDが「180」のフレーム27は、道路の制限速度に関する情報を含む。
フレームリスト28は、「車速情報」「画像情報」「シフトポジション情報」「位置情報」「車間距離情報」「乗員数情報」「渋滞情報」「制限速度情報」が可変データであり、且つ、「(運転者の)個人情報」が固定データであることを表している。可変データは、時間の変化に伴って内容が変化する可変値を表すデータである。固定データは、時間が変化しても内容が不変の固定値を表すデータである。但し、時間の変化に伴って内容が変化する可能性があり且つ乗員(人間)の意思に基づいて入力されたデータは固定データである。例えば、乗員が、ディスプレイ(タッチパネル)24又はスマートフォン40を用いて入力した、時間の変化に伴って内容が変化する可能性があるデータは固定データである。このような固定データには、例えば、乗員の運転スキルレベル、乗員の住所、乗員の体重、乗員の電話番号、乗員のメールアドレスが含まれる。
中継ECU10の受付部104が送信要求を受信したときに、中継ECU10のデータ識別部105は、フレームリスト28及び送信要求に含まれる(フレーム27の)ID情報に基づいて、送信要求の対象であるフレーム27のデータ内容、データの属性及び生成主体を認識する。
第1ECU16Aの送信部18は、ID100のフレーム27を所定周期で第1バス14Aへ送信する。また、第2ECU16Bの送信部18は、ID110、120及び130のフレーム27を、カメラ21から画像データを受信したときに第2バス14Bへ送信する。また第3ECU16Cの送信部18は、ID140のフレーム27を、シフトポジションセンサ22から信号を受信したときに第3バス14Cへ送信する。また、第4ECU16Dの送信部18は、ID150、160、170、180のフレーム27を、所定周期で第4バス14Dへ送信する。
さらに、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの送信部18は、送信要求を生成可能且つ中継ECU10の受付部104へ送信可能である。送信部18が生成する送信要求は、一つのECU(例えば、第1ECU16A)が中継ECU10の受付部104に対して行う、別のECU(例えば、第2ECU16B)が生成したフレーム27を、当該一つのECUへ転送する要求である。
受信部19は、自身が接続されたバスを流れる情報を受信する。例えば、第1ECU16Aの受信部19は、車輪速センサ20から送られた信号及び中継ECU10からの通信内容(例えば、送信要求、他のECUが生成したフレーム27)を受信する。
続いて、本実施形態の中継ECU10が行う処理の流れについて、図9のフローチャートを用いて説明する。中継ECU10は、所定時間が経過する毎に、図9のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まずステップS10において中継ECU10は、受付部104が、アプリケーションAP1、AP2、AP3、AP4、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの少なくとも一つである要求元から、送信要求を受け付けたか否かを判定する。この送信要求には、送信することを要求されているフレーム27のID情報が含まれる。
ステップS10においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS11へ進む。ステップS11へ進んだ中継ECU10のデータ識別部105は、送信要求に含まれるID情報及び図6のフレームリスト28に基づいて、送信要求があったフレーム27(送信要求データ)が固定データであるか否かを判定する。
ステップS11においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS12へ進む。ステップS12へ進んだ中継ECU10のキャッシュ判定部107は、送信要求に含まれるID情報及びキャッシュメモリ部106に記録されたデータ(フレーム)のID情報を参照して、送信要求があったフレーム27(送信要求データ)がキャッシュメモリ部106に記録されているか否かを判定する。
ステップS12においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS13へ進む。ステップS13へ進んだ中継ECU10の送信部102は、キャッシュメモリ部106に記録され且つ送信要求があったフレーム27(送信要求データ)を要求元へ送信する。
一方、ステップS11においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS14へ進み、車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と、可変データからなる送信要求データである対象データとに基づいて、対象データに関して所定の特定条件が成立するか否かを車両判定部108が判定する。このとき車両判定部108は、例えば、車両12の車速、シフトポジション、運転支援状態、及び乗員の状態に基づいて車両状態を認識する。車両判定部108は、例えば、車両12が走行中の国の名前、道路の種別、道路の混雑具合、車両12と車両12の直前に位置する他車両との車間距離、天候及び時間帯に基づいて車両周辺環境を認識する。さらに車両判定部108は、図8に記載され且つROM10Bに記録された二次元マップ32を参照して、特定条件が成立するか否かを判定する。二次元マップ32から明らかなように、車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と対象データとの組み合わせによって、特定条件が成立するか否かが決まる。例えば、車両12が高速道路を走行する場合は、所定の対象データである対象データAに関して特定条件が成立する。一方、車両12が高速道路を走行する場合は、所定の対象データである対象データBに関して特定条件は成立しないことがある。
特定条件が成立したとき、可変データであるフレーム27(対象データ)は、生成時刻から現在時刻までの時間である経過時間の長さにかかわらず利用価値を有する。換言すると、この場合は、経過時間の間に可変データであるフレーム27のデータ内容は実質的に変化しないと考えられる。即ち、この場合は、可変データであるフレーム27のデータ内容は、全く変化しないか、又は、要求元の処理にとって許容可能な範囲内でのみ変化する。一方、特定条件が成立しないとき、経過時間が長い可変データであるフレーム27(対象データ)は利用価値を有さない。換言すると、この場合は、経過時間の間に可変データであるフレーム27のデータ内容が実質的に変化すると考えられる。即ち、この場合は、可変データであるフレーム27のデータ内容は、要求元の処理にとって許容可能な範囲を超えて変化する。特定条件が成立したときに、中継ECU10はステップS14においてYesと判定してステップS12へ進む。
一方、ステップS14においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS15へ進む。ステップS15へ進んだ中継ECU10のデータ識別部105は、図7に示され且つROM10Bに記録された一次元マップ30を参照する。この一次元マップ30には、フレーム27の種類(ID)ごとに、フレーム27の生成時刻から現在時刻までの時間である経過時間に関する閾値が設定されている。データ識別部105は、イグニッションスイッチがOFFからONに切り替わった後で且つ現在時刻より前に、受信部103が同種のフレーム27を受信したときの時刻(以下、前回受信時刻)及び一次元マップ30に基づいて、送信要求があった可変データであるフレーム27(送信要求データ)の経過時間と閾値とを比較する。なお、前回受信時刻と、前回受信時刻において受信部103が受信したフレーム27の生成時刻は実質的に同一である。そして、データ識別部105がフレーム27の経過時間が閾値以下であると判定すると(ステップS15:Yes)、中継ECU10はステップS12へ進む。なお、イグニッションスイッチがOFFからONに切り替わった後に、受信部103が同種のフレーム27を受信していない場合は、データ識別部105は、ステップS15でNoと判定する。
キャッシュ判定部107がステップS12でYesと判定すると、ステップS13において送信部102が、キャッシュメモリ部106に記録され且つ送信要求があったフレーム27(送信要求データ)を要求元へ送信する。
一方、ステップS15においてNoと判定したとき又はステップ12でNoと判定したとき、中継ECU10はステップS16へ進む。ステップS16へ進んだ中継ECU10のデータ識別部105は、フレームリスト28に基づいて、第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dの少なくとも一つであり且つ送信要求があった可変データであるフレーム27(送信要求データ)を生成可能な送信元を特定する。さらにデータ識別部105は、当該フレーム27を中継ECU10の受信部103へ送信するように送信元に要求する。
ステップS16の処理を終えた中継ECU10はステップS17へ進む。中継ECU10はステップS17において、受信部103が、送信元から送信要求があったフレーム27(送信要求データ)を受信したか否かを判定する。
ステップS17においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS18へ進む。ステップS18へ進んだ中継ECU10の送信部102は、受信部103から受信したフレーム27(受信データ)を、要求元へ送信する。一方、ステップS17においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS17の処理を再度行う。
中継ECU10は、ステップS13若しくはステップS18の処理を終えたとき又はステップS10でNoと判定したとき、フローチャートの処理を一旦終了する。
さらに中継ECU10は、所定時間が経過する毎に、図10のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まずステップS20において中継ECU10は、受信部103が送信元から何らかのデータ(フレーム27)を受信したか否かを判定する。
ステップS20においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS21へ進む。ステップS21へ進んだ中継ECU10のデータ識別部105は、フレームリスト28を参照して、受信したフレーム27が固定データであるか否かを判定する。
ステップS21においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS22へ進む。ステップS22において中継ECU10は、当該フレーム27(固定データ)がキャッシュメモリ部106に記録済みが否かを判定する。
ステップS22においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS23へ進む。ステップS23において中継ECU10のキャッシュメモリ部106が、当該フレーム27(固定データ)を記録する。
一方、ステップS21においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS24へ進む。ステップS24の処理は、ステップS14と同一である。
ステップS24においてNoと判定したとき、中継ECU10はステップS25へ進む。ステップS25へ進んだ中継ECU10のデータ識別部105は、ステップS15と同じ処理を行う。そして、データ識別部105がフレーム27の経過時間が閾値以下であると判定すると(ステップS25:Yes)、中継ECU10はステップS23へ進む。
ステップS23へ進んだ中継ECU10のキャッシュメモリ部106は、可変データである当該フレーム27を記録する。なお、既にキャッシュメモリ部106に同じIDのフレーム27(可変データ)が記録されている場合は、当該フレーム27に関するキャッシュメモリ部106の記録内容が更新される。
一方、ステップS24においてYesと判定したとき、中継ECU10はステップS22へ進む。
中継ECU10は、ステップS23の処理を終えたとき、ステップS20又はステップS25でNoと判定したとき及びステップS22でYesと判定したときに、フローチャートの処理を一旦終了する。
(作用並びに効果)
次に、以下に説明する各ケースに基づいて本実施形態の作用並びに効果について説明する。
〈ケース1A〉
要求元であるアプリケーションAP1によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。
ここで車両12が一般道路を走行している場合を想定する。ナビゲーションシステムのアプリケーションが実行されているときに、車両判定部108は第4ECU16Dから受信したIDが「150」のフレーム27に基づいて、車両12が一般道路を走行していることを認識する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立しないと判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてNoと判定する。この場合は、車両12のシフトレバーの位置が短時間の間に変化する可能性がある。さらに、車両12に乗車している乗員の少なくとも一人が、当該一般道路の所定の場所で車両12から降車する可能性がある。即ち、この場合は、シフトポジションに関する情報を表すIDが「140」のフレーム27及び乗員数に関する情報を表すIDが「130」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性がある。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS15において、IDが「140」のフレーム27の経過時間が閾値E以下か否かを判定する。さらにデータ識別部105は、IDが「130」のフレーム27の経過時間が閾値D以下か否かを判定する。ステップS15においてNoと判定された場合、これらのフレーム27が送信元である第2ECU16B及び第3ECU16Cから中継ECU10へ送られ(ステップS16、ステップS17:Yes)、送信部102によって、これらのフレーム27が要求元であるアプリケーションAP1へ送信される(ステップS18)。なお、本明細書において「送信部によって、フレームが要求元であるアプリケーションに送信される」という説明及びこれと類似する説明は、「送信部がフレームをRAMに送信すると共にアプリケーションに通知し、通知を受けたアプリケーションがRAMにアクセスする」という意味である。
さらに、ステップS17でYesと判定された後に、中継ECU10がステップS20においてYesと判定する。さらに中継ECU10は、ステップS21、S24及びS25でNoと判定するので、可変データであるこれらのフレーム27はキャッシュメモリ部106に記録されない。
このケース1Aでは、生成直後の可変データであるフレーム27が、第2ECU16B及び第3ECU16Cから中継ECU10を介して要求元であるアプリケーションAP1へ送信される。そのため、アプリケーションAP1は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース1B〉
所定の第1時刻において、要求元であるアプリケーションAP1によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。さらに車両12が渋滞していない高速道路を高速(例えば、80km/h以上)で走行している場合を想定する。さらに、第1時刻より前の第2時刻において、要求元であるアプリケーションAP2によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27のID情報が含まれていた場合を想定する。さらに、第3ECU16Cから中継ECU10へ送信されたIDが「140」のフレーム27が、アプリケーションAP2へ送信され且つキャッシュメモリ部106に記録された場合を想定する。さらに、第2ECU16Bから中継ECU10へ送信されたIDが「130」のフレーム27が、アプリケーションAP2へ送信され且つキャッシュメモリ部106に記録された場合を想定する。
この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。ナビゲーションシステムのアプリケーションが実行されているときに、車両判定部108は、第1ECU16Aから受信したIDが「100」のフレーム27並びに第4ECU16Dから受信したIDが「150」のフレーム27及びIDが「170」のフレーム27に基づいて、車両12が渋滞していない高速道路を高速で走行していることを認識する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立すると判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてYesと判定する。この場合は、車両12のシフトレバーの位置がDレンジから変化しない可能性が高い。さらに、車両12に乗車している乗員が降車しない可能性が高い。即ち、この場合は、シフトポジションに関する情報を表すIDが「140」のフレーム27及び乗員数に関する情報を表すIDが「130」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性が低い。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS12において、キャッシュメモリ部106にこれらのフレーム27が記録されているか否かを判定する。この場合は、キャッシュメモリ部106にこれらのフレーム27が記録されているので(ステップS12:Yes)、ステップS13において送信部102が、キャッシュメモリ部106に記録されているIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27を要求元であるアプリケーションAP1へ送信する。
このケース1Bでは、要求元であるアプリケーションAP1がキャッシュメモリ部106からIDが「140」のフレーム27及びIDが「130」のフレーム27を取得するので、第2ECU16B及び第3ECU16CとアプリケーションAP1との間の通信が不要になる。従って、車内ネットワーク14における通信量の増加が抑制される。さらに車両状態及び車両周辺環境を考慮すると、キャッシュメモリ部106に記録されたフレーム27(可変データ)は、アプリケーションAP1にとって利用価値のあるデータである。そのため、アプリケーションAP1は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース2A〉
要求元であるアプリケーションAP2によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「170」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「170」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。
ここで車両判定部108が、タイマーから取得した現在時刻に関する情報に基づいて、現在の時間帯が昼の時間帯であると認識する場合を想定する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立しないと判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてNoと判定する。この場合は、車両12が走行している道路の混在具合が、要求元の処理にとって許容可能な範囲を超えて大きく変化する可能性がある。即ち、この場合は、渋滞情報を表すIDが「170」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性がある。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS15において、IDが「170」のフレーム27の経過時間が閾値G以下か否かを判定する。ステップS15においてNoと判定された場合、この可変データであるフレーム27が送信元である第4ECU16Dの送信部18から受信部103へ送られ(ステップS16、ステップS17:Yes)、このフレーム27が送信部102から要求元であるアプリケーションAP2へ送信される(ステップS18)。さらに、ステップS17でYesと判定された後に、中継ECU10がステップS20においてYesと判定する。さらに中継ECU10は、ステップS21、S24及びS25でNoと判定するので、可変データである当該フレーム27がキャッシュメモリ部106に記録されない。
このケース2Aでは、生成直後の可変データであるフレーム27が、第4ECU16Dから要求元であるアプリケーションAP2へ送信される。そのため、アプリケーションAP2は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース2B〉
所定の第1時刻において、要求元であるアプリケーションAP2によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「170」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。
この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「170」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。ここで車両判定部108が、タイマーから取得した現在時刻に関する情報に基づいて、現在の時間帯が真夜中の時間帯であると認識する場合を想定する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立すると判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてYesと判定する。この場合は、車両12が走行している道路の混在具合が、要求元の処理にとって許容可能な範囲を超えて大きく変化する可能性は殆どないと推測される。即ち、道路は、渋滞が発生していない状態に維持されると推測される。即ち、この場合は、渋滞情報を表すIDが「170」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性が低い。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS12において、キャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されているか否かを判定する。ここでキャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されていない場合を想定する(ステップS12:No)。この場合、このフレーム27が送信元である第4ECU16Dから中継ECU10の受信部103へ送られ(ステップS16、ステップS17:Yes)、送信部102によって、このフレーム27が要求元であるアプリケーションAP2へ送信される(ステップS18)。さらに第1時刻より後の第3時刻において、中継ECU10がステップS20でYes、ステップS21においてNoと判定し、ステップS24においてYesと判定し、ステップS22においてNoと判定する。そのためステップS23において、可変データであるこのフレーム27をキャッシュメモリ部106が記録する。
このケース2Bでは、要求元であるアプリケーションAP2が第4ECU16DからIDが「170」のフレーム27を取得する。そのため、アプリケーションAP2は、生成直後であり且つ利用価値のある可変データが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース3A〉
要求元であるアプリケーションAP3によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「120」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「120」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。
ここで車両判定部108が、運転支援スイッチ26から送信された信号に基づいて、運転支援制御が行われていないと判定した場合を想定する。換言すると、車両判定部108が、車両12が通常走行モードにあると判定した場合を想定する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立しないと判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてNoと判定する。この場合は、車両12と直前に位置する他車両との車間距離が、要求元の処理にとって許容可能な範囲を超えて大きく変化する可能性がある。即ち、この場合は、車間距離に関する情報を表すIDが「120」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性がある。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS15において、IDが「120」のフレーム27の経過時間が閾値C以下か否かを判定する。ここでステップS15においてYes且つステップS12でNoと判定された場合を想定する。この場合、この可変データであるフレーム27が送信元である第2ECU16Bから中継ECU10へ送られ(ステップS16、ステップS17:Yes)、このフレーム27が送信部102から要求元であるアプリケーションAP3へ送信される(ステップS18)。さらに、ステップS17でYesと判定された後に、中継ECU10がステップS20においてYesと判定する。さらに中継ECU10は、ステップS21、S24でNoと判定し、ステップS25でYesと判定する。そのためステップS23において、可変データである当該フレーム27がキャッシュメモリ部106に記録される。
このケース3Aでは、生成直後の可変データであるフレーム27が、第2ECU16Bから要求元であるアプリケーションAP3へ送信される。そのため、アプリケーションAP3は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース3B〉
所定の第1時刻において、要求元であるアプリケーションAP3によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「120」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。さらに、第1時刻より前の第2時刻において、要求元であるアプリケーションAP4によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「120」のフレーム27のID情報が含まれていた場合を想定する。さらに、第2ECU16Bから中継ECU10へ送信されたIDが「120」のフレーム27が、送信部102からアプリケーションAP4へ送信され且つキャッシュメモリ部106に記録された場合を想定する。
この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「120」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。ここで車両判定部108が、運転支援スイッチ26から送信された信号に基づいて、運転支援制御の一つであるACC(追従車間距離制御)が実行されていると認識した場合を想定する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立すると判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてYesと判定する。この場合は、車両12と他車両との車間距離はほぼ一定に保たれ、要求元の処理にとって許容可能な範囲を超えて変化するおそれは殆どない。即ち、この場合は、車間距離に関する情報を表すIDが「120」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性が低い。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS12において、キャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されているか否かを判定する。この場合は、キャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されているので(ステップS12:Yes)、ステップS13において送信部102が、キャッシュメモリ部106に記録されているIDが「120」のフレーム27を送信部102が要求元であるアプリケーションAP3へ送信する。
このケース3Bでは、要求元であるアプリケーションAP3がキャッシュメモリ部106からIDが「120」のフレーム27を取得する。従って、車内ネットワーク14における通信量の増加が抑制される。さらに車両状態及び車両周辺環境を考慮すると、キャッシュメモリ部106に記録されたフレーム27(可変データ)は、アプリケーションAP3にとって利用価値のあるデータである。そのため、アプリケーションAP2は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース4〉
アプリケーションAP3は、IDが「120」のフレーム27から得られた車間距離情報と、所定の車間距離閾値と、を比較して、車間距離が車間距離閾値以下となったときに、ディスプレイ24に警告表示を表示させる。さらに、この車間距離閾値には、運転者の運転スキルレベルに応じた複数の車間距離閾値が含まれている。アプリケーションAP3は運転スキルレベルに応じた車間距離閾値を選択し、選択した車間距離閾値と車間距離とを比較する。
所定の第1時刻において、要求元であるアプリケーションAP3によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「160」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。
さらに、第1時刻より前の第2時刻において、要求元であるアプリケーションAP4によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「160」のフレーム27のID情報が含まれていた場合を想定する。さらに、第4ECU16Dから受信部103へ送信されたIDが「160」のフレーム27が、送信部102からアプリケーションAP4へ送信され且つキャッシュメモリ部106に記録された場合を想定する。
なお、例えば、イグニッションスイッチがOFFからONに切り替わった後に、カメラ21の車内カメラが、所定時間が経過する毎に運転者の顔を撮像し、第2ECU16Bが撮像データを中継ECU10へ所定時間が経過する毎に送信してもよい。この場合、例えば、中継ECU10は、上記第2時刻において第2ECU16Bから受信する撮像データに基づいて運転者を特定する。さらに中継ECU10は、上記第2時刻において、特定した運転者に対応するIDが「160」のフレーム27の送信要求を第4ECU16Dへ出し、受信したIDが「160」のフレーム27をキャッシュメモリ部106に記録させる。
通常、車両12のイグニッションスイッチがOFFからONに切り替わったときからイグニッションスイッチがONからOFFに切り替わるまでの間に、車両12の運転者が変わることはない。そのため、図6に示されるように、IDが「160」のフレーム27は固定データである。この場合、中継ECU10のデータ識別部105は、第1時刻において、図9のステップS11及びステップS12においてYesと判定する。さらに、ステップS13において送信部102が、キャッシュメモリ部106に記録されているIDが「160」のフレーム27を要求元であるアプリケーションAP3へ送信する。
このケース4では、要求元であるアプリケーションAP3がキャッシュメモリ部106からIDが「160」のフレーム27を取得する。従って、車内ネットワーク14における通信量の増加が抑制される。さらにキャッシュメモリ部106に記録されたフレーム27は固定データであり、時間が変化しても内容が不変である。そのため、アプリケーションAP3は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース5A〉
要求元であるアプリケーションAP4によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「180」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「180」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。
ここで車両12が、他の国と国境を接し且つ一般道路及び高速道路を有する国(以下、特定国と称する)の道路を走行している場合を想定する。ナビゲーションシステムのアプリケーションが実行されているときに、車両判定部108は第4ECU16Dから受信したIDが「150」のフレーム27に基づいて、車両12が特定国の道路を走行していることを認識する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立しないと判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてNoと判定する。この場合は、車両12が特定国の一般道路と高速道路との間で移動したり、又は、車両12が特定国に隣接する他の国の道路を走行したりする可能性がある。即ち、この場合は、制限速度に関する情報を表すIDが「180」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性がある。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS15において、IDが「180」のフレーム27の経過時間が閾値H以下か否かを判定する。ステップS15においてNoと判定された場合、可変データであるフレーム27が送信元である第4ECU16Dから受信部103へ送られ(ステップS16、ステップS17:Yes)、このフレーム27が送信部102から要求元であるアプリケーションAP4へ送信される(ステップS18)。さらに、ステップS17でYesと判定された後に、中継ECU10がステップS20においてYesと判定する。さらに中継ECU10は、ステップS21、S24及びS25でNoと判定するので、可変データである当該フレーム27がキャッシュメモリ部106に記録されない。
このケース5Aでは、生成直後の可変データであるフレーム27が、第4ECU16Dから中継ECU10を介して要求元であるアプリケーションAP4へ送信される。そのため、アプリケーションAP4は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
〈ケース5B〉
所定の第1時刻において、要求元であるアプリケーションAP4によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「180」のフレーム27のID情報が含まれている場合を想定する。さらに、第1時刻より前の第2時刻において、要求元であるアプリケーションAP1によって制御された送信要求部101が、受付部104に対して送信要求を出し、且つ、この送信要求にIDが「180」のフレーム27のID情報が含まれていた場合を想定する。さらに、第4ECU16Dから受信部103へ送信されたIDが「180」のフレーム27が、送信部102からアプリケーションAP1へ送信され且つキャッシュメモリ部106に記録された場合を想定する。
この場合、中継ECU10の車両判定部108が図9のステップS14において、二次元マップ32に基づいて、対象データであるIDが「180」のフレーム27に関して特定条件が成立するか否かを判定する。ここで車両12が、ある国の一部であり且つ周囲を海に囲まれた島にある一般道路を走行している場合を想定する。さらに、この島には高速道路が存在しないものとする。ナビゲーションシステムのアプリケーションが実行されているときに、車両判定部108は第4ECU16Dから受信したIDが「150」のフレーム27に基づいて、車両12が、この島の一般道路を走行していることを認識する。この場合、車両判定部108は、二次元マップ32に基づいて、特定条件が成立すると判定する。即ち、車両判定部108はステップS14においてYesと判定する。この場合は、車両12がこの島以外の道路へ移動したり、又は、車両12が高速道路を走行したりする可能性はない。即ち、この場合は、制限速度に関する情報を表すIDが「180」のフレーム27のデータの内容が変更になる可能性がない。
続いて、中継ECU10のデータ識別部105は図9のステップS12において、キャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されているか否かを判定する。この場合は、キャッシュメモリ部106にこのフレーム27が記録されているので(ステップS12:Yes)、ステップS13において送信部102が、キャッシュメモリ部106に記録されているIDが「180」のフレーム27を要求元であるアプリケーションAP4へ送信する。
このケース5Bでは、要求元であるアプリケーションAP4がキャッシュメモリ部106からIDが「180」のフレーム27を取得する。従って、車内ネットワーク14における通信量の増加が抑制される。さらに車両状態及び車両周辺環境を考慮すると、キャッシュメモリ部106に記録されたフレーム27(可変データ)は、アプリケーションAP4にとって利用価値のあるデータである。そのため、アプリケーションAP4は、利用価値のあるデータが記録されたフレーム27を用いた処理を実行可能である。
以上、各ケースに基づいて説明したように、本実施形態のキャッシュメモリ部106は、固定データである送信要求データを一時的に記録する。さらに、キャッシュメモリ部106は、特定条件が成立したときに、対象データ(可変データである送信要求データ)を一時的に記録する。そのため、要求元が、生成時刻からの経過時間が長く且つ利用価値が無い可変データをキャシュメモリ部106から取得することがない。そのため、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部106から取得するおそれを無くすことが可能である。
さらに、特定条件が成立したときに、キャッシュメモリ部106に記録されている対象データを、送信部102が送信要求データとして要求元に送信する。特定条件が成立したとき、対象データは経過時間の長さにかかわらず利用価値を有する。従って、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。
特定条件が成立しないとき、キャッシュメモリ部106は、経過時間が閾値以下であるとデータ識別部105が判定した可変データであるフレーム27(対象データ)を一時的に記録する。このような対象データは経過時間が短いので利用価値を有する。従って、要求元が利用価値の無いデータをキャッシュメモリ部から取得するおそれを無くすことが可能である。
さらに、送信要求データの経過時間が閾値を超えたとデータ識別部105が判定したときに、送信元から受信部103へ送信された送信要求データを送信部102が要求元に送信する。そのため、経過時間が短く利用価値がある可変データである送信要求データを、要求元が受信可能である。
さらに送信要求データが、固定データ、特定条件が成立した可変データ及び特定条件が成立せず且つ経過時間が閾値以下の可変データの何れかの場合は、キャッシュメモリ部106に記録された固定データ及び可変データが要求元に送信される。各要求元は、例えば1秒間に数十回以上の送信要求を出すことがある。そのため、全ての送信要求データを第1ECU16A、第2ECU16B、第3ECU16C及び第4ECU16Dが中継ECU10へ送信する場合は、車内ネットワーク14の通信量が極めて多くなる。しかし本実施形態のように、キャッシュメモリ部106に記録された固定データ及び可変データを要求元に送信すれば、車内ネットワーク14の通信量の増加が抑制される。
以上、本実施形態に係る中継ECU10について説明したが、中継ECU10は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
中継ECU10に接続されるECU及びアプリケーションの数は、一つ以上であれば、いくつであってもよい。
本発明は、GPS以外の全地球航法衛星システム(例えばガリレオ)の衛星からの情報を受信して、車両12の位置情報を取得してもよい。
上記した特定条件が成立する車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と対象データとの組み合わせ例は一例であり、他の組み合わせが成立したときに特定条件が成立してもよい。例えば、ACC以外の運転支援制御が実行されているときに、所定の対象データに関して特定条件が成立してもよい。また、車両状態と対象データとの組み合わせによって、特定条件が成立するか否かを決めてもよい。同様に、車両周辺環境と対象データとの組み合わせによって、特定条件が成立するか否かを決めてもよい。
固定データは、上記データには限定されない。例えば、固定データが、車両の構成部品の品番の情報を含んでもよい。
可変データは、上記データには限定されない。例えば、可変データが、ステアリングの操舵角情報、エンジンの運転状態情報(回転数、冷却水温など)、ワイパーの作動状態情報、タイヤ圧情報、ドア開閉状態情報、運転支援制御に用いられる制御用パラメータ情報及び通貨情報を含んでもよい。
キャッシュメモリ部106が不揮発性メモリであってもよい。
10 車載中継装置
102 送信部
103 受信部
104 受付部
105 データ識別部
106 キャッシュメモリ部
107 キャッシュ判定部
108 車両判定部
12 車両
16A 第1ECU(要求元)(送信元)
16B 第2ECU(要求元)(送信元)
16C 第3ECU(要求元)(送信元)
16D 第4ECU(要求元)(送信元)
AP1、AP2、AP3、AP4 アプリケーション(要求元)

Claims (7)

  1. 一つ以上のECU及び一つ以上のアプリケーションソフトウェアの少なくとも一方である要求元からデータの送信要求を受け付ける受付部と、
    前記要求元とは異なる少なくとも一つの前記ECUである送信元から受信したデータである受信データが、時間の変化に伴って内容が変化する可変値を表すデータである可変データと、時間が変化しても内容が不変の固定値を表す固定値を表すデータである固定データと、のいずれであるかを判定するデータ識別部と、
    前記固定データである前記受信データを一時的に記録するキャッシュメモリ部と、
    前記要求元から送信要求があったデータである送信要求データが、前記キャッシュメモリ部に記録されているか否かを判定するキャッシュ判定部と、
    前記送信要求データが前記キャッシュメモリ部に記録されている前記受信データであると前記キャッシュ判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部に記録されている前記受信データを前記送信要求データとして前記要求元に送信する送信部と、
    車両状態及び車両周辺環境の少なくとも一方と前記可変データからなる前記送信要求データである対象データの種類とが所定の組み合わせになったときに成立する特定条件が成立するか否かを判定する車両判定部と、
    を備え、
    前記特定条件が成立すると前記車両判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部が前記対象データである前記受信データを一時的に記録する車載中継装置。
  2. 前記特定条件が成立しないと前記車両判定部が判定したときに、前記データ識別部が、前記対象データの生成時刻から現在時刻までの時間である経過時間が所定の閾値以下か否かを判定し、
    前記経過時間が前記閾値以下であると前記データ識別部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部が前記対象データである前記受信データを一時的に記録する請求項1に記載の車載中継装置。
  3. 前記経過時間が前記閾値を超えたと前記データ識別部が判定したときに、前記送信元から前記送信要求データを受信する受信部を有し、
    前記送信部が、前記受信部が受信した前記送信要求データを前記要求元に送信する請求項2に記載の車載中継装置。
  4. 前記特定条件が成立すると前記車両判定部が判定したときに、前記キャッシュメモリ部に記録されている前記対象データを、前記送信部が前記送信要求データとして前記要求元に送信する請求項1~3の何れか1項に記載の車載中継装置。
  5. 車両が所定の運転支援制御を実行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する請求項1~4の何れか1項に記載の車載中継装置。
  6. 車両が所定の時間帯に走行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する請求項1~4の何れか1項に記載の車載中継装置。
  7. 車両が渋滞していない高速道路を高速走行しているときに、前記車両判定部が、所定の前記対象データに関して前記特定条件が成立すると判定する請求項1~4の何れか1項に記載の車載中継装置。
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