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JP7444214B2 - システム - Google Patents

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JP7444214B2
JP7444214B2 JP2022145146A JP2022145146A JP7444214B2 JP 7444214 B2 JP7444214 B2 JP 7444214B2 JP 2022145146 A JP2022145146 A JP 2022145146A JP 2022145146 A JP2022145146 A JP 2022145146A JP 7444214 B2 JP7444214 B2 JP 7444214B2
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Description

本発明は、液体が貯留される液体ボトルと、液体ボトルが接続されるタンクとを備える
システムに関する。
タンクに貯留された液体が消費される度に、タンクに接続されたカートリッジから液体
を逐次タンクへ供給することによって、タンクに貯留された液体の液面を一定に保つこと
ができる構成として、いわゆるチキンフィード方式でカートリッジからタンクへ液体が供
給されるシステムが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたシステムでは、タンクは、カートリッジの下方にある。また、
タンクは、大気と連通する大気連通部を備える。また、タンクは、大気流路及び液体流路
の2本の流路を通じてカートリッジと連通している。タンク内の液体が消費されて液体の
液面が大気流路の下端にある開口よりも低くなると、空気が大気連通部からタンクに入り
込み、タンクに入り込んだ空気が大気流路を通じてカートリッジに入り込む。そして、カ
ートリッジに入り込んだ空気の体積分の液体がカートリッジから液体流路を通じてタンク
へ供給される。液体の液面が大気流路の開口に達すると、液体の供給は停止される。この
ようにして、タンク内の液体の液面が一定に維持される。
また、タンク内の液体が消費されると、タンクの注入口から液体を補充可能なシステム
が知られている(特許文献2参照)。このようなシステムでは、例えば、注入口に液体ボ
トルが挿入されることによって、液体ボトルに貯留された液体がタンクに補充される。
特開2006-205528号公報 特開2012-20495号公報
特許文献1に開示されたいわゆるチキンフィード方式のシステムにおいて、液体ボトル
がタンクの上方から鉛直方向下向きに接続される場合、タンクの上方に液体ボトルを位置
するためのスペースが必要である。したがって、例えば複合機のように、タンクの上方に
スキャナが位置する構成であれば、スキャナを移動させて、ボトルが位置するに十分なス
ペースをタンクの上方に確保する必要がある。
仮に、タンクの前方から液体ボトルが接続可能であれば、液体ボトルにおいて液体流路
及び気体流路が鉛直方向ではなく斜め方向に延びる。その結果、タンクから気体流路を通
じて液体ボトルに流入した空気(気泡)が、液体ボトル内において液体流路へ流れてタン
クへ逆流するおそれがある。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクと液体ボ
トルとの接続が容易であり、タンクから液体ボトルへ流入した空気がタンクへ逆流する可
能性を低くすることができるシステムを提供することにある。
(1) 本発明に係るシステムは、液体を貯留する貯留室を有するタンクと、供給口を通
じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備える。上記タンクは、上記貯留室を大気
に連通させる大気連通部と、上記貯留室における上記大気連通部の少なくとも一部よりも
下方に位置する第1開口、及び上記貯留室の外部に位置する第2開口を接続する液体流路
を区画しており、上記タンクの外壁から突出する第1管体と、上記貯留室に位置する第3
開口、及び上記貯留室の外部に位置する第4開口を接続する気体流路を区画しており、上
記タンクの外壁から突出する第2管体と、を備える。上記第1管体及び上記第2管体は、
鉛直方向及び水平方向と交差する延出方向に沿って上記タンクの外壁から斜め上向きに延
びている。上記第2開口は、上記第1管体の周壁を貫通している。上記第4開口は、上記
第2管体の周壁を貫通している。上記液体ボトルは、上記供給口を閉塞する第1位置と、
上記供給口から離れた第2位置とに移動可能なバルブを有する。
上記構成によれば、第2開口と第4開口との間に管体の周壁があるので、つまり、第2
開口と第4開口との距離が離れる構成なので、第4開口から液体ボトル内に流入する気体
が第2開口へ至ることが抑制される。
(2) 好ましくは、上記第2開口は、上記延出方向において、上記第4開口と異なる位
置にある。
上記構成によれば、第2開口と第4開口とが延出方向において離れるので、第4開口か
ら液体ボトル内に流入する気体が第2開口へ至ることが抑制される。なお、第2開口と第
4開口とが延出方向において異なる位置にあるとは、2つの開口の縁が完全に重複しない
場合をいう。例えば、同じ形状の2つの開口の中心を基準位置としたときに、2つの基準
位置が延出方向において異なる位置にある場合などである。
(3) 好ましくは、上記第2開口は、上記第4開口より下方に位置する。
上記構成によれば、第4開口から液体ボトル内に流入した気体は、気泡として液体内を
上方へ移動するので、第4開口より下方に位置する第2開口へ至り難い。
(4) 好ましくは、上記バルブにおいて上記供給口と対向する面に、弾性変形可能な弾
性体が位置する。
上記構成によれば、第1管体又は第2管体の端面が開口していたとしても、第1管体又
は第2管体の端面が弾性体と当接することによって、端面の開口が閉塞される。これによ
り、端面の開口から気体が流出入することがない。
(5) 好ましくは、上記第1管体及び上記第2管体は、1つの管体が仕切壁によって区
画されたものである。
上記構成によれば、第1管体及び第2管体が簡易に構成される。また、1つの管体が液
体ボトルの供給口に挿通されるので、液体ボトルの構成も簡易になる。また、タンクと液
体ボトルとの接続が容易である。
(6) 本発明に係るシステムは、液体を貯留する貯留室を有するタンクと、供給口を通
じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備える。上記タンクは、上記貯留室を大気
に連通させる大気連通部と、上記貯留室における上記大気連通部の少なくとも一部よりも
下方に位置する第1開口、及び上記貯留室の外部に位置する第2開口を接続する液体流路
を区画しており、上記タンクの外壁から突出する第1管体と、上記貯留室に位置する第3
開口、及び上記貯留室の外部に位置する第4開口を接続する気体流路を区画しており、上
記タンクの外壁から突出する第2管体と、を備える。上記第1管体及び上記第2管体は、
鉛直方向及び水平方向と交差する延出方向に沿って上記タンクの外壁から斜め上向きに延
びている。上記第2開口及び上記第4開口の少なくとも一方は、上記第1管体又は上記第
2管体の端面において開口している。上記液体ボトルは、上記供給口を閉塞する第1位置
と、上記供給口から離れた第2位置とに移動可能なバルブを有している。上記バルブにお
いて端面が開口している上記第1管体又は上記第2管体と当接する当接壁に、端面に開口
する上記第2開口又は上記第4開口と上記液体ボトルの内部空間とを、上記タンクと上記
液体ボトルとが接続された接続状態において連通するボトル流路が形成されている。
上記構成によれば、タンクと液体ボトルとが接続された接続状態において、端面に開口
する第2開口又は第4開口がボトル流路を通じて液体ボトルの内部空間と接続される。こ
れにより、第1管体又は第2管体の端面に開口を形成しつつ、第2開口と第4開口との距
離が離れた構成が実現される。したがって、第4開口から液体ボトル内に流入する気体が
第2開口へ至ることが抑制される。
(7) 好ましくは、上記第2開口は、上記第4開口より下方に位置する。
上記構成によれば、第4開口から液体ボトル内に流入した気体は、気泡として液体内を
上方へ移動するので、第4開口より下方に位置する第2開口へ至り難い。
(8) 好ましくは、上記第4開口は、上記第2管体の端面に開口しており、上記第2開
口は、上記第1管体の周壁を貫通している。
上記構成によれば、接続状態において供給口付近、すなわち第1管体の周壁付近に残っ
た液体ボトル内の液体が、第2開口を通じて液体流路に流入しやすい。これにより、液体
ボトル内に液体が残存し難い。
(9) 好ましくは、上記第1管体及び上記第2管体は、1つの管体が仕切壁によって区
画されたものである。
上記構成によれば、第1管体及び第2管体が簡易に構成される。また、1つの管体が液
体ボトルの供給口に挿通されるので、液体ボトルの構成も簡易になる。また、タンクと液
体ボトルとの接続が容易である。
本発明によれば、タンクと液体ボトルとの接続が容易であり、タンクから液体ボトルへ
流入した空気がタンクへ逆流する可能性を低くすることができる。
図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー70が閉位置にある状態、(B)はカバー70が開位置にある状態を示す。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、キャリッジ23とプラテン42とガイドレール43、44とインクタンク100との配置を示す平面図である。 図4は、インクタンク100の斜視図である。 図5は、インクタンク100Mの斜視図である。 図6は、液体ボトル80及びインクタンク100Mの縦断面図であり、液体ボトル80がインクタンク100Mに接続されていない状態を示す。 図7は、液体ボトル80及びインクタンク100Mの縦断面図であり、液体ボトル80がインクタンク100Mに接続されている状態を示す。 図8は、インクタンク100Mの管体112付近を示す拡大図である。 図9は、液体ボトル80の斜視図である。 図10は、図6における液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの管体112周辺の拡大図である。 図11は、図7における液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの管体112周辺の拡大図である。 図12は、第1変形例に係るインクタンク100Mの管体112付近を示す拡大図である。 図13は、第1変形例に係る接続状態でない液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの管体112周辺の拡大図である。 図14は、第1変形例に係る接続状態の液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの管体112周辺の拡大図である。 図15は、第2変形例に係るゴム71及びバルブ88を示す外観斜視図である。 図16は、第2変形例に係る接続状態の液体ボトル80の先端部84及びインクタンク100Mの管体112周辺の拡大図である。 図17は、第2変形例の変形例に係るインクタンク100Mの管体112付近を示す拡大図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明
の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できる
ことは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向き
と表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向
きは方向の一成分である。さらに、複合機10及び複合機10に据え付けられたインクタ
ンク100が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1、図2参照、「使用姿勢」と表記
することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13(図1参
照)が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て
左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は、互いに直交する
。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び
左右方向9が水平方向に相当する。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(システムの一例)は、概ね直方体形状である。複
合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ
部11を下部に有している。プリンタ部11は、前壁14Aに開口13が形成された筐体
14を有している。
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部15と、給送トレイ20と、排出
トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42
と、インクタンク100と、が配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプ
リント機能などの各種の機能を有している。
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って複合
機10に対して挿入及び脱抜される。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の
中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙1
2を支持可能である。図1及び図2に示されるように、排出トレイ21は、給送トレイ2
0の上方に配置されている。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって記録部24と
プラテン42との間から排出された用紙12を支持する。
[給送部15]
給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。図2
に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備
える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ロー
ラ25は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。給送アーム26は、プリンタ部
11のフレーム(不図示)に支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム
26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢され
ている。
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、その一部がプリンタ部11の内部において、
所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間
を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部から後方へ延び、プリンタ部11の後
部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を
経て排出トレイ21に至る経路である。搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間にお
ける搬送経路65は、図3に示されるように、左右方向9における複合機10の概ね中央
部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65内における用紙12の
搬送向き29は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、搬送経路65に配置されている。搬送ロ
ーラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ロー
ラ60は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ロー
ラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する搬送ロ
ーラ60及びピンチローラ61に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、搬送経路65における搬送ローラ部54
より搬送向き29の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ロ
ーラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送用モータ(不図示)によって駆
動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モ
ータに駆動されて回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて、搬送向き29に搬
送される。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排
出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン4
2と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド3
9とを備えている。
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間する位置において各々が
左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、
44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール
44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用
モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ23は、キャ
リッジモータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ23の移動範
囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路65より右方及び左方にまで及ぶ。
キャリッジ23からは、インクチューブ32とフレキシブルフラットケーブル33とが
延出されている。
インクチューブ32は、インクタンク100及び記録ヘッド39を接続するものである
。インクチューブ32は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100M
(これらを総称して、「インクタンク100」と表示することがある。)に貯留されたイ
ンク(液体の一例)を記録ヘッド39に供給する。インクタンク100は、タンクの一例
である。詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する
4本のインクチューブ32B、32Y、32C、32M(これらを総称して、「インクチ
ューブ32」と表記することがある。)が、それぞれインクタンク100B、100Y、
100C、100Mから延出され、これらが束ねられた状態でキャリッジ23と接続され
ている。
フレキシブルフラットケーブル33は、複合機10の動作を制御するコントローラ(不
図示)が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキ
シブルフラットケーブル33は、コントローラから出力される制御信号を記録ヘッド39
に伝達する。
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッ
ド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記
録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小
なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支
持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙
12に画像が記録される。また、これにより、インクタンク100B、100Y、100
C、100Mに貯留されたインクが消費される。
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路65における搬送ローラ部
54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路65を挟ん
で記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54に
よって搬送される用紙12を下方から支持する。
[カバー70]
図1(B)に示されるように、筐体14の前壁14Aの右部に、開口22が形成されて
いる。図1(A)に示されるように、カバー70が、筐体14に、開口22を覆うように
して取り付けられている。カバー70は、開口22を閉塞する閉位置(図1(A)に示さ
れる位置)と、開口22を開放する開位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可
能である。図1(A)に示されるように、カバー70が閉位置のとき、インクタンク10
0の管体112(図1(B)及び図4参照)は、外部から閉塞されている。図1(B)に
示されるように、カバー70が開位置のとき、インクタンク100の管体112は、外部
に露出されている。図1(A)に示されるように、カバー70には、開口97が形成され
ている。筐体14の内部のうち開口22の後方に位置する部分には、空間が拡がっている
。この空間に、インクタンク100が配置される。
[インクタンク100]
図4に示されるインクタンク100は、プリンタ部11に設けられている。インクタン
ク100は、プリンタ部11が備える記録部24にインクを供給するものである。インク
タンク100は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mを備える
各インクタンク100には、異なる色のインクが貯留される。具体的には、ブラックイ
ンクがインクタンク100Bに貯留され、イエローインクがインクタンク100Yに貯留
され、シアンインクがインクタンク100Cに貯留され、マゼンタインクがインクタンク
100Mに貯留される。但し、インクタンク100の数及びインクの色は上記の例に限定
されない。
インクタンク100B、100Y、100C、100Mの各々の構成は、インクタンク
100Bの左右方向9の長さが、他の3つのインクタンク100Y、100C、100M
の各々の左右方向9の長さよりも長いことを除いて、概ね同じ構成である。よって、以下
では、インクタンク100Mの構成が説明され、他のインクタンク100B、100Y、
100Cの構成の説明は省略される。
図5に示されるように、インクタンク100Mは、前壁101、後壁110、上壁10
4、下壁105、右壁107、及び左壁108で構成されたフレームを備えている。前壁
101、後壁110、上壁104、及び下壁105は、樹脂で構成されている。右壁10
7及び左壁108は、フィルムで構成されている。右壁107としてのフィルムは、前壁
101、後壁110、上壁104、及び下壁105の右端に形成された開口に貼り付けら
れている。左壁108としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び
下壁105の左端に形成された開口に貼り付けられている。これにより、前壁101、後
壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108によって区画されたイ
ンク室111(図6参照、貯留室の一例)が形成される。
なお、フレームの各壁が樹脂であるかフィルムであるかは、上記に限らない。例えば、
後壁110のみがフィルムで、その他の壁が樹脂であってもよい。また、例えば、右壁1
07の一部が樹脂で、右壁107の残りの部分がフィルムであってもよい。更には、左壁
108の一部が樹脂で、左壁108の残りの部分がフィルムであってもよい。
フレームの樹脂の部分は、インク室111内のインクがインクタンク100の外部から
視認可能な程度の透光性を有する樹脂で一体形成されている。フレームの樹脂の部分は、
例えば、ポリプロピレンで形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、樹脂材料
の射出成形により一体成形されている。
図1に示されるように、前壁101は、カバー70の開口97及び筐体14の開口22
を介して、複合機10の外部に露出している。前壁101は、複合機10の前方から視認
可能であり、ユーザはインク室111に貯留されたインクの残量を前壁101を介して複
合機10の前方から確認可能である。
図5及び図6に示されるように、前壁101は、立壁102と傾斜壁106とで構成さ
れている。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁106は、
立壁102の上端及び上壁104の前端を繋ぐ壁である。傾斜壁106は、上下方向7及
び前後方向8に対して傾斜している。
インクタンク100Mは、第1ライン146及び第2ライン147を備えている。第1
ライン146及び第2ライン147は、立壁102に形成されている。
第1ライン146は、左右方向9に延びている。第1ライン146の上下方向7の位置
は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、貯留が許容される最大量のインク
がインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
第2ライン147は、左右方向9に延びている。第2ライン147は、第1ライン14
6よりも下方に位置している。第2ライン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけ
るインクタンク100Mにおいて、上記最大量よりも少ない量のインクがインク室111
に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。本実施形態において、第2ラ
イン147の上下方向7の位置は、使用姿勢におけるインクタンク100Mにおいて、イ
ンクの補充が必要となる最小量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該イン
クの液面と同じ高さである。
インクタンク100Mは、大気連通孔113(大気連通部の一例)を備えている。本実
施形態において、大気連通孔113は、上壁104に形成されているが、上壁104以外
の壁に形成されていてもよい。大気連通孔113は、インクタンク100Mの外部の大気
とインク室111とを連通する孔である。なお、大気連通孔113とインク室111とは
、図6に示されるように直接連通されていてもよいし、空気が通過する大気流路を介して
連通されていてもよい。大気連通孔113または大気流路に、半透膜(不図示)が貼り付
けられていてもよい。半透膜は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な
孔を有する多孔質膜である。大気連通孔113とインク室111とが大気流路を介して連
通されており、大気連通孔113または大気流路に半透膜が貼り付けられた構成の場合、
大気連通孔113、大気流路、及び半透膜が大気連通部に相当し、大気連通孔113が大
気連通口に相当する。
図6に示されるように、インクタンク100Mは、インク室111に貯留されたインク
が流出する流出口115を備えている。流出口115は、後壁110に形成された開口で
ある。流出口115には、インクチューブ32が接続されている。図3に示されるように
、インク室111に貯留されたインクは、流出口115及びインクチューブ32を介して
記録ヘッド39に供給される。
図5及び図6に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106
Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出した突出部120を備えている。突出部120は
、管体112よりも上方に形成されている。突出部120は、外部から力が作用すること
によって撓むことが可能である。突出部120は、その先端部に、前方且つ下方へ突出し
た突起120Aを備えている。突起120Aは、後述する液体ボトル80の突起86と係
合可能である。
図5に示されるように、インクタンク100Mは、傾斜壁106の外面106Aにリブ
148を備える。リブ148は、管体112よりも下方に形成されている。リブ148は
、傾斜壁106の右端近傍から左端近傍に亘って概ね左右方向9へ延びている。詳細には
、リブ148は、左右方向9の中央よりも右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように
傾斜しており、且つ左右方向9の中央よりも左方へ向かうにしたがって下方へ向かうよう
に傾斜している。
リブ148が傾斜壁106の外面106Aに形成されていることによって、管体112
を通じてインク室111にインクが注入される際にインクが管体112から漏れた場合で
あっても、漏れたインクが立壁102の外面、特に立壁102の外面における第1ライン
146よりも下方に付着することが、リブ148によって阻害される。また、リブ148
が傾斜していることによって、上方からリブ148に付着したインクは、リブ148に沿
って左右方向9におけるインクタンク100の外方へ導かれる。これらにより、立壁10
2の外面にインクが付着する可能性を低くできるため、インクタンク100の外部から立
壁102を通じてインク室111内のインクを視認することが、付着したインクによって
阻害される可能性を低くできる。なお、リブ148は、図5に示されるような形状に限ら
ないし、必ずしも設けられなくてもよい。
[管体112]
図5に示されるように、インクタンク100Mは、管体112(第1管体及び第2管体
の一例)を備えている。管体112は、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ
向けて斜めに突出している。つまり、管体112は、前後方向8(水平方向)及び上下方
向7(鉛直方向)の成分を有する方向へ延びている。本実施形態では、管体112は、水
平方向に対して45度に傾斜した方向へ延びている。管体112は、傾斜壁106におけ
る突出部120より下方の位置から突出している。管体112は、液体ボトル80の供給
口85に挿入される(図7参照)。これにより、液体ボトル80に貯留されたインクが、
インク室111に注入される。
管体112は、円筒形状である。なお、管体112は、筒形状であれば、円筒形状に限
らず、例えば四角筒形状等の多角筒形状であってもよい。
図8に示されるように、管体112は、その先端部(インク室111の外部に位置する
端部)に、管体112の周壁を貫通する2つの貫通孔112C(第4開口の一例)、貫通
孔112D(第2開口の一例)を備えている。2つの貫通孔112C,112Dは独立し
ている。つまり、2つの貫通孔112C,112Dの間には、管体112の周壁が存在す
る。貫通孔112Cは、管体112の上側(詳細には、管体112の外面のうち上方向の
成分を有する面)に形成されている。貫通孔112Dは、管体112の下側(詳細には、
管体112の外面のうち下方向の成分を有する面)に形成されている。管体112の先端
部は、外壁112Aによって開口せずに閉塞されている。
貫通孔112Cは、管体112が延出する方向において、貫通孔112Dと異なる位置
にある。なお、管体112が延出する方向において、貫通孔112Cと貫通孔112Dと
が異なる位置にあるとは、当該方向において貫通孔112Cと貫通孔112Dが完全に重
複しないことをいう。また、上下方向7において、貫通孔112Dは貫通孔112Cより
下方に位置する。なお、上下方向7において、通孔112Dは貫通孔112Cより下方に
位置するとは、上下方向7において貫通孔112Dの少なくとも一部が貫通孔112Cの
最下位置より下方に位置することをいう。
図6に示されるように、インク室111における開口112Bの周囲を囲むようにして
、隔壁103が形成されている。隔壁103は、傾斜壁106の内面106Bから下方へ
延びている。隔壁103の前部103Aは、隔壁103の後部103Bよりも下方まで延
びている。
図6に示されるように、管体112は、その内部空間に、隔壁117(仕切壁の一例)
を備えている。隔壁117は、管体112の内部空間において、先端の外壁112Aから
、インク室111における隔壁103に囲まれた空間に亘って延びている。隔壁117は
、管体112の内部空間内を、管体112の軸方向(換言すると、管体112の突出方向
)に沿って延びている。また、隔壁117は、インク室111における隔壁103に囲ま
れた空間内を、隔壁103の延設方向(換言すると、上下方向7)に沿って延びている。
隔壁117は、管体112の内部空間、及びインク室111における隔壁103に囲ま
れた空間を、2つの空間に区画している。2つの空間の一方は、気体流路121である。
2つの空間の他方は、液体流路122である。
気体流路121は、管体112の内部空間のうち隔壁117より後方且つ上方の部分と
、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より後方の部分と
で構成されている。つまり、気体流路121は、インク室111において、隔壁103の
後部103Bと隔壁117とで囲まれた空間である。
液体流路122は、管体112の内部空間のうち隔壁117より前方且つ下方の部分と
、インク室111における隔壁103に囲まれた空間のうち隔壁117より前方の部分と
で構成されている。つまり、液体流路122は、インク室111において、隔壁103の
前部103Aと隔壁117とで囲まれた空間である。
気体流路121の開口121A(第3開口の一例)は、インク室111における隔壁1
03の後部103Bにおいて下方へ開口している。液体流路122の開口122A(第1
開口の一例)は、インク室111における隔壁103の前部103Aにおいて下方へ開口
している。つまり、気体流路121の開口121Aは、液体流路122の開口122Aよ
り上方に位置している。気体流路121の開口121Aは、上下方向7において、第1ラ
イン146と同位置である。気体流路121及び液体流路122は、大気連通孔113よ
り下方に位置している。
気体流路121の他端は、管体112の貫通孔112Cにおいて、インクタンク100
Mの外部と連通している。液体流路122の他端は、管体112の貫通孔112Dにおい
て、インクタンク100Mの外部と連通している。
なお、液体流路122の開口122Aが気体流路121の開口121Aより下方に位置
していることを条件として、気体流路121の開口121A以外の部分の少なくとも一部
が、液体流路122の開口122Aより下方に位置していてもよい。
また、大気連通部が大気連通孔113と大気流路で構成されている場合、大気連通孔1
13が気体流路121の開口121A及び液体流路122の開口122Aより上方に位置
していることを条件として、大気流路の少なくとも一部が気体流路121の開口121A
及び液体流路122の開口122Aより下方に位置していてもよい。
[液体ボトル80]
図9に示される液体ボトル80は、インクタンク100に接続されるものであり、概ね
円筒形状である。液体ボトル80は、内部空間を有しており、当該内部空間にインクが貯
留される容器である。
液体ボトル80は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応して
設けられており、対応したインクタンク100と同色のインクが貯留されている。つまり
、インクタンク100Bに対応した液体ボトル80の内部空間には、ブラックインクが貯
留されており、インクタンク100Yに対応した液体ボトル80の内部空間には、イエロ
ーインクが貯留されており、インクタンク100Cに対応した液体ボトル80の内部空間
には、シアンインクが貯留されており、インクタンク100Mに対応した液体ボトル80
の内部空間には、マゼンタインクが貯留されている。なお、本実施形態において、貯留さ
れたインクの色にかかわらず、液体ボトル80は同構成であるが、貯留されているインク
の色に応じて、液体ボトル80は異なる構成(例えば外観形状が異なる。)であってもよ
い。
液体ボトル80は、外壁81によって構成されている。外壁81は、液体ボトル80の
内部空間を区画している。外壁81は、本体部82と、テーパ部83と、先端部84とを
備えている。
本体部82は、円筒形状である。テーパ部83は、円錐台形状である。テーパ部83は
、液体ボトル80の軸方向151(換言すると本体部82の長手方向)の一端から軸方向
151に沿って縮径しつつ延びている。つまり、テーパ部83は、液体ボトル80の先端
(換言すると、先端部84及び後述する供給口85)へ向かうにしたがって、液体ボトル
80の径方向152(換言すると軸方向151と交差する方向)において細くなっている
先端部84は、テーパ部83の一端(テーパ部83における本体部82と反対側の端)
から軸方向151に沿って突出している。先端部84は、供給口85を備えている。供給
口85は、液体ボトル80の内部空間の一部である。図6に示されるように、供給口85
は、先端部84を軸方向151に貫通している。供給口85の一端(先端部84の基端側
の端)は、テーパ部83の内部空間と連通している。供給口85の他端(先端部84の先
端側の端)は、液体ボトル80の外部に開口しており、当該外部と連通している。つまり
、液体ボトル80の内部空間は、供給口85を通じて外部と連通している。先端部84の
外面に、突起86が形成されている。
図6及び図10に示されるように、液体ボトル80は、その内部空間に、壁87と、バ
ルブ88と、コイルバネ89と、シール90とを備えている。
壁87は、液体ボトル80の内部空間において、供給口85の軸線(供給口85の中心
を通過して軸方向151に沿って延びる仮想線150)上に位置するよう液体ボトル80
の内面から突出している。壁87は、供給口85の軸線と直交する外面を有する。壁87
の外面は、コイルバネ89のバネ座として機能する。
図10に示されるように、バルブ88は、供給口85と壁87との間に位置している。
コイルバネ89の一端は、壁87に当接している。コイルバネ89の他端は、バルブ88
に当接している。シール90は、リング形状の部材であり、ゴムなどの弾性部材で構成さ
れている。シール90は、バルブ88よりも供給口85の他端側(先端部84の先端側)
に位置している。シール90は、供給口85を区画する内周面に密着している。
バルブ88は、軸方向151に沿って図6及び図10に示される閉位置(第1位置の一
例)と図7に示される開位置(第2位置の一例)とに移動可能である。
バルブ88が閉位置のとき、バルブ88はシール90と当接している。これにより、供
給口85の他端(供給口85における外部と連通する開口)は閉じており、液体ボトル8
0の内部空間と液体ボトル80の外部との間の連通は、バルブ88によって遮断されてい
る。
バルブ88が開位置のとき、バルブ88はシール90から離間している。これにより、
供給口85の他端は開いており、液体ボトル80の内部空間と液体ボトル80の外部とは
連通している。
コイルバネ89は、バルブ88をシール90へ向けて付勢している。したがって、外力
が付与されていない状態(液体ボトル80がインクタンク100に装着されていない状態
)において、バルブ88は常に閉位置にある。
[液体ボトル80及びインクタンク100の接続]
以下、液体ボトル80及びインクタンク100の接続が説明される。
図6及び図10に示されるように、液体ボトル80がインクタンク100に接続されて
いない状態において、液体ボトル80のバルブ88は閉位置にある。
液体ボトル80は、管体112への接続に際して、供給口85と管体112の外壁11
2Aとが対向し且つ突起86とインクタンク100の突出部120とが対向する姿勢を維
持しつつ、管体112に近づけられる。
管体112が供給口85へ挿入されると、管体112の外周面がシール90の内周面と
液密に密着する。これにより、液体ボトル80と管体112との隙間からのインクの漏れ
が防止される。
また、管体112が供給口85へ挿入されると、管体112の外壁112Aがバルブ8
8と当接して、バルブ88を液体ボトル80の内部空間へ向かって押す。これにより、バ
ルブ88は、コイルバネ89の付勢力に抗してシール90から離間し、閉位置から開位置
へ移動する。
また、突起86が突出部120へ近づいて突起120Aと当接すると、突出部120は
、突起86から反力を受けて撓む。更に、管体112が供給口85へ挿入されることで、
突起86が突起120Aよりも前壁101に近い状態となると、撓んでいた突出部120
は元の状態へ弾性復帰する。これにより、図7及び図11に示されるように、突起86と
突起120Aとは係合する。その結果、液体ボトル80は、インクタンク100にロック
される。
管体112が供給口85へ挿入されて、バルブ88が開位置へ移動し、バルブ118が
開位置へ移動し、突起86と突起120Aとが係合した状態(図7及び図10に示される
状態)が、接続状態である。接続状態において、管体112の貫通孔112C,112D
は、液体ボトル80の内部空間に位置する。
以下、図7及び図11に示される接続状態における液体ボトル80からインクタンク1
00へのインクの供給が説明される。
液体ボトル80がインクタンク100へ接続されて、管体112の貫通孔112C,1
12Dは、液体ボトル80の内部空間に位置すると、気体流路121及び液体流路122
を通じて、液体ボトル80の内部空間と、インク室111とが連通する。これにより、液
体ボトル80の内部空間に貯留されたインクが、貫通孔112Dを介して液体流路122
へ流通し、液体流路122の開口122Aからインク室111へ流通する。また、インク
の流通に際して、空気が大気連通孔113からインク室111に入り込み、気体流路12
1から貫通孔112Cを介して液体ボトル80の内部空間に流入する。ここで、液体ボト
ル80からインクタンク100へ流通するインクの体積と、インクタンク100から液体
ボトル80へ流通する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液
置換が行われる。
インク室111にインクが流入することにより、インク室111のインクの液面が上昇
して気体流路121の開口121A(換言すると第1ライン146と同じ高さ)に達する
と、気体流路121とインク室111との間の空気の流通が遮断される。これにより、イ
ンク室111から液体ボトル80の内部空間への空気の流通が停止される。そのため、液
体ボトル80の内部空間からインク室111へのインクの流通が停止される。そして、イ
ンクタンク100から液体ボトル80が取り外されると、インク室111へのインクの補
充が終了する。
[実施形態の作用効果]
上記実施形態によれば、貫通孔112C,112Dの間に管体112の周壁があるので
、つまり、貫通孔112C,112Dが離れる構成なので、貫通孔112Cから液体ボト
ル80内に流入する気体(気泡)が貫通孔112Dへ至ることが抑制される。
また、貫通孔112C,112Dが管体112が延出する方向において離れているので
、貫通孔112Cから液体ボトル80内に流入する気体(気泡)が貫通孔112Dへ至る
ことが抑制される。
また、貫通孔112Dは、貫通孔112Cより下方に位置するので、貫通孔112Cか
ら液体ボトル80内に流入する気体(気泡)は、気泡としてインク内を上方へ移動するの
で、貫通孔112Cより下方に位置する貫通孔112Cへ至り難い。
また、気体流路121及び液体流路122は、1つの管体112が隔壁117によって
区画されて形成されているので、管体112が簡易に構成される。また、1つの管体11
2が液体ボトル80の供給口85に挿通されるので、液体ボトル80の構成も簡易になる
。また、タンク100と液体ボトル80との接続が容易である。
[第1変形例]
上記実施形態では、貫通孔112C,112Dが管体112が延出する方向において離
れているが、これに代えて、貫通孔112C,112Dが管体112が延出する方向にお
いて同じ位置にあってもよい。また、管体112の先端は外壁112Aによって閉塞され
ておらず、開口であってもよい。
例えば、図12に示されるように、管体112の先端に開口114A,114Bが形成
されている。開口114Aは、気体流路121と外部とを連通する開口である。開口11
4Bは、液体流路122と外部とを連通する開口である。
貫通孔112Cは、管体112の外周壁を貫通しており、且つ開口114Aと連続して
いる。貫通孔112Dは、管体112の外周壁を貫通しており、且つ開口114Bと連続
している。貫通孔112C,112Dは独立した開口であり、その間には管体112の外
周壁が存在する。また、貫通孔112C,112Dは、管体112が延出する方向におい
て略同じ位置である。
図13に示されるように、バルブ88がシール90と当接する当接面には、ゴム71(
弾性体の一例)が設けられている。ゴム71は、バルブ88の当接面の中心(軸線上)に
位置する円盤形状である。ゴム71の外径は、管体112の外径よりも大きい。ゴム71
は、管体112の先端が当接することによって圧縮されるように弾性変形可能である。
図14に示されるように、接続状態において、管体112の先端は、ゴム71と当接す
る。ゴム71は、バルブ88と共にコイルバネ89に付勢されて管体112の先端に押圧
されている。これにより、ゴム71が圧縮するように弾性変形すると共に、管体112の
先端の開口114A、114Bを画定する管体112の先端面にゴム71が密接して、開
口114A,114Bがゴム71により閉塞される。これにより、開口114Aから気体
(気泡)が流出入することがない。
[第2変形例]
第1変形例では、ゴム71が管体112の先端と当接する面は平面であるが、これに代
えて、図15に示されるように、ゴム71が管体112の先端と当接した状態において、
管体112の開口114A内に位置する領域に溝72(ボトル流路の一例)が形成されて
もよい。この場合、貫通孔112Cに代えて、開口114Aが気体流路121の開口とし
て機能する。つまり、貫通孔112Cは閉塞されていてもよい。
溝72は、ゴム71の当接面71Aにおいて開口114A内に位置する領域に、一端が
位置する。溝72は凹溝であり、溝72の一端は、ゴム71の外周面71Bに到達してい
ない。溝72の他端は、ゴム71の外周面71Bに到達しており、外周面71Bにおいて
開口している。ゴム71の外周面71Bにおいて溝72の他端が開口する位置は、接続状
態において、外周面71Bが上方を向く位置である。
図16に示されるように、接続状態において、管体112の先端は、ゴム71と当接す
る。ゴム71は、バルブ88と共にコイルバネ89に付勢されて管体112の先端に押圧
されている。これにより、ゴム71が圧縮するように弾性変形すると共に、管体112の
先端の開口114Bを画定する管体112の先端面にゴム71が密接して、開口114B
がゴム71により閉塞される。したがって、液体ボトル80内のインクは、管体112の
貫通孔112Dを通じて、液体流路122に流入する。
管体112の先端の開口114Aを画定する管体112の先端面はゴム71に密接する
が、開口114A内には溝72が位置している。これにより、気体流路121を通じて開
口114Aに到達して空気は、溝72を通じて、ゴム71の外周面71Bから、液体ボト
ル80内へ流入する。ゴム71の外周面71Bにおける溝72の開口は、接続状態におい
て上方を向いているので、開口114Aから液体ボトル80内に流入する気体(気泡)が
、貫通孔112Dへ到達し難い。
また、貫通孔112Dが管体112の外周壁を貫通しているので、接続状態において液
体ボトル80の供給口85付近、すなわち管体112の外周壁付近に残った液体ボトル8
0内のインクが、貫通孔112Dを通じて液体流路122に流入しやすい。これにより、
液体ボトル80内にインクが残存し難い。
なお、第2変形例では、貫通孔112Cが形成されず、開口114Aが気体流路121
の開口として機能するが、これに代えて、貫通孔112Dが閉塞されて、開口114Bが
液体流路122の開口として機能してもよい。この場合、溝72は、ゴム71の当接面7
1Aにおいて開口114B内に位置する領域に形成されて、外周面71Bにおいて下方に
向けて開口する。
また、図17に示されるように、管体112の外周壁には、貫通孔112C,112D
が共に形成されず、開口114A,114Bのみが形成されてもよい。この場合、関知ア
112が延出する方向において、開口114Aは、開口114Bより管体112の基端側
(傾斜壁106側)に位置する。また、溝72は、ゴム71の当接面71Aにおいて開口
114B内に位置する領域に形成されて、外周面71Bにおいて下方に向けて開口する。
[その他の変形例]
上記実施形態では、突起86及び突出部120は、液体ボトル80の上側をインクタン
ク100にロックしていたが、液体ボトル80をインクタンク100にロックする機構の
有無は任意であり、必ずしも設けられなくてもよい。
また、上記実施形態では、インクタンク100は1つの管体112を備えていた。そし
て、管体112の内部空間は、隔壁117によって気体流路121と液体流路122とに
区画されていた。しかし、インクタンク100は、気体流路121と液体流路122とを
独立して確定する2つの管体を備えていてもよい。この場合、液体ボトル80は、2つの
管体が挿入されて内部空間と連通する2つの供給口を有する。
また、液体ボトル80及びインクタンク100の形状は、適宜変更できる。例えば、液
体ボトル80は、テーパ部83を備えていない円筒形状であってもよいし、四角柱形状で
あってもよい。また、インクタンク100は、傾斜壁106を備えていない直方体形状で
あってもよい。
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されな
い。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、
或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40
近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。
10・・・複合機(システム)
71・・・ゴム(弾性体)
72・・・溝(ボトル流路)
80・・・液体ボトル
81・・・外壁
85・・・供給口
87・・・仕切壁
88・・・バルブ
100・・・インクタンク(タンク)
111・・・インク室(貯留室)
112・・・管体(第1管体、第2管体)
112C・・・貫通孔(第4開口)
112D・・・貫通孔(第2開口)
113・・・大気連通孔(大気連通部)
121・・・気体流路
121A・・・開口(第3開口)
122・・・液体流路
122A・・・開口(第4開口)

Claims (8)

  1. 液体ボトルが接続されるタンクであって、
    液体を貯留する貯留室と、
    上記貯留室を大気に連通させる大気連通部と、
    上記貯留室に位置する第1開口、及び上記貯留室の外部に位置する第2開口を接続する液体流路を区画する第1管体と、
    上記貯留室に位置する第3開口、及び上記貯留室の外部に位置する第4開口を接続する気体流路を区画する第2管体と、を備えており、
    上記第1管体及び上記第2管体は、1つの管体が仕切壁によって区画されたものであり、
    上記第1管体は、鉛直方向及び水平方向と交差する延出方向に沿って延びる第1部分を有し、
    上記第2管体は、上記延出方向に沿って延びる第2部分を有し、
    上記第2開口は上記第1部分に位置し、
    上記第4開口は上記第2部分に位置し、
    上記第2部分は、上記仕切壁を挟んで上記第1部分よりも上方に位置し、
    上記第2開口は、上記延出方向において、上記第4開口と異なる位置にあるタンク。
  2. 上記第2開口は、上記第4開口より下方に位置する請求項に記載のタンク。
  3. 上記第2開口は、上記第1管体の周壁を貫通しており、上記第4開口は、上記第2管体の周壁を貫通している請求項1又は2に記載のタンク。
  4. 上記第1開口は、上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置する請求項1からのいずれかに記載のタンク。
  5. 鉛直方向に沿って延びる立壁と、
    上記立壁よりも上方に位置し、水平方向に沿って延びる上壁と、
    上記立壁の上端と上記上壁の前端を繋ぐ傾斜壁であって、上記第1管体及び上記第2管体が位置する傾斜壁と、
    上記傾斜壁における上記第1管体及び上記第2管体の下方に形成される液体阻害部であって、液体が上記立壁の外面に付着するのを阻害する液体阻害部と、を備える請求項1からのいずれかに記載のタンク。
  6. 請求項1からのいずれかに記載のタンクと、
    被当接部と、
    供給口を通じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備え、
    上記液体ボトルは当接部を有しており、
    上記当接部と上記被当接部の当接によって接続姿勢が維持されるシステム。
  7. 請求項1からのいずれかに記載のタンクと、
    供給口を通じて上記タンクに接続される液体ボトルと、を備え、
    上記液体ボトルは、上記供給口を閉塞する第1位置と、上記供給口から離れた第2位置とに移動可能なバルブを有するシステム。
  8. 上記バルブにおいて上記供給口と対向する面に、弾性変形可能な弾性体が位置する請求項に記載のシステム。
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