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JP7442749B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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JP7442749B1
JP7442749B1 JP2023563838A JP2023563838A JP7442749B1 JP 7442749 B1 JP7442749 B1 JP 7442749B1 JP 2023563838 A JP2023563838 A JP 2023563838A JP 2023563838 A JP2023563838 A JP 2023563838A JP 7442749 B1 JP7442749 B1 JP 7442749B1
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Abstract

電力変換装置(1)は、直列接続された複数の変換器セル(7)を含む電力変換器(2)と、制御装置(3)とを備える。複数の変換器セル(7)の各々は、セル制御部(35)と、第1スイッチング素子(22)と第1ダイオード(23A)とを含む第1半導体回路(25A)と、第2スイッチング素子(22B)と第2ダイオード(23A)とを含む第2半導体回路(25B)と、直列接続された第1半導体回路(25A)および第2半導体回路(25B)を含む直列体に並列接続された蓄電素子(24)と、第1半導体回路(25A)に並列接続されたサイリスタ(26)とを含む。セル制御部(35)は、第1半導体回路(25A)に流れる過電流を検出した場合、第1スイッチング素子(22A)および第2スイッチング素子(22B)をゲートブロックし、サイリスタ(26)をオン状態に制御する。

Description

本開示は、電力変換装置に関する。
近年、電力系統等の高圧系統に適用される高電圧、大容量の電力変換装置として、モジュラーマルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)が知られている。MMCは、変換器セルがカスケード接続されたアームにより構成される。変換器セルは、複数の半導体スイッチとコンデンサとを含んでおり、半導体スイッチをオンオフさせることにより、コンデンサの両端電圧またはゼロ電圧を出力する。
ハーフブリッジ型の変換器セルを含むMMCでは、直流線路の短絡時に交流側から流れ込む短絡電流により、逆方向フリーホイールダイオード(FWD:Free Wheeling Diode)が破壊される事態を防ぐために、変換器セル内にサイリスタを設ける方法が知られている。
例えば、特許5318774号(特許文献1)は、直流電圧端子間に短絡が生じたときにその短絡電流から逆方向フリーホイールダイオードを保護するために、サイリスタが、逆方向フリーホイールダイオードに並列に接続される構成を開示している。
特許5318774号
特許文献1では、直流電圧回路および交流端子の電圧センサあるいは電流センサによって、直流電圧回路の短絡を検出する。そして、このようなセンサと結合された評価ユニットが、実装されたロジックに基づいて短絡事故を確認し、サイリスタを点弧させるための信号を発生する。一方、変換器セル内の素子であるFWDは、直流電圧回路の短絡事故以外の事故(例えば、アーム短絡事故、地絡事故等)時に発生する過電流によって破壊されないように保護する必要がある。しかしながら、特許文献1は当該保護を実現するための解決手段を何ら教示も示唆もしていない。
本開示のある局面における目的は、変換器セル内において過電流を検出することにより、変換器セル内の素子をより適切に保護することが可能な電力変換装置を提供することである。
ある実施の形態に従うと、交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置が提供される。電力変換装置は、直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、電力変換器を制御する制御装置とを備える。複数の変換器セルの各々は、セル制御部と、第1スイッチング素子と、第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、第2スイッチング素子と、第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、直列接続された第1半導体回路および第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子と、第1半導体回路に並列接続されたサイリスタとを含む。セル制御部は、第1半導体回路に流れる過電流を検出した場合、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子をゲートブロックし、サイリスタをオン状態に制御する。
他の実施の形態に従うと、交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置が提供される。電力変換装置は、直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、電力変換器を制御する制御装置とを備える。複数の変換器セルの各々は、セル制御部と、第1スイッチング回路とおよび第2スイッチング回路とを含む。第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の各々は、第1スイッチング素子と、第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、第2スイッチング素子と、第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、直列接続された第1半導体回路および第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子とを有する。蓄電素子の正極は第2半導体回路の正極と接続され、蓄電素子の負極は第1半導体回路の負極と接続される。複数の変換器セルの各々は、第1スイッチング回路における蓄電素子の正極と、第2スイッチング回路における蓄電素子の負極との間に設けられた第3スイッチング素子と、第1スイッチング回路における第1半導体回路の正極と、第2スイッチング回路における第1半導体回路の正極との間に接続されるサイリスタとをさらに含む。セル制御部は、第3スイッチング素子に流れる過電流を検出した場合、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子と第3スイッチング素子とをゲートブロックし、サイリスタをオン状態に制御する。
本開示に係る電力変換装置によると、変換器セル内の素子をより適切に保護することができる。
本実施の形態に従う電力変換装置の概略構成図である。 本実施の形態に従う変換器セルの構成を示す図である。 本実施の形態に従う制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態に従う電力変換装置の第1変形例を示す概略構成図である。 本実施の形態に従うスイッチング回路の変形例を示す図である。 本実施の形態に従う電力変換装置の第2変形例を示す概略構成図である。 本実施の形態に従う変換器セルの変形例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<電力変換装置の構成>
図1は、本実施の形態に従う電力変換装置の概略構成図である。図1を参照して、電力変換装置1は、互いに直列接続された複数の変換器セル(図1中の「セル」に対応)7を含む電力変換器2と、電力変換器2を制御するための制御装置3とを含む。“変換器セル”は、“サブモジュール”あるいは“単位変換器”とも呼ばれる。電力変換装置1は、直流回路14と交流回路12との間で電力変換を行なう。
電力変換器2は、正極直流端子(すなわち、高電位側直流端子)Npと、負極直流端子(すなわち、低電位側直流端子)Nnとの間に互いに並列に接続された複数のレグ回路4u,4v,4w(以下、総称する場合または任意のものを示す場合、「レグ回路4」と記載する)を含む。
レグ回路4は、交流を構成する複数相の各々に設けられる。レグ回路4は、交流回路12と直流回路14との間に接続され、両回路間で電力変換を行なう。図1には、交流回路12が3相交流系統の場合が示され、U相、V相、W相にそれぞれ対応して3個のレグ回路4u,4v,4wが設けられている。
レグ回路4u,4v,4wにそれぞれ設けられた交流入力端子Nu,Nv,Nwは、連系変圧器13を介して交流回路12に接続される。交流回路12は、例えば、交流電源等を含む交流電力系統である。図1では、図解を容易にするために、交流入力端子Nv,Nwと連系変圧器13との接続は図示されていない。
各レグ回路4に共通に接続された高電位側直流端子Npおよび低電位側直流端子Nnは、直流回路14に接続される。直流回路14は、例えば、直流送電網等を含む直流電力系統または他の電力変換装置の直流端子である。後者の場合、2台の電力変換装置を連結することによって定格周波数、同期等が異なる交流電力系統間を接続するためのBTB(Back To Back)システムが構成される。
図1の連系変圧器13を用いる代わりに、連系リアクトルを介して交流回路12に接続した構成としてもよい。さらに、交流入力端子Nu,Nv,Nwに代えてレグ回路4u,4v,4wにそれぞれ一次巻線を設け、この一次巻線と磁気結合する二次巻線を介してレグ回路4u,4v,4wが連系変圧器13または連系リアクトルに交流的に接続するようにしてもよい。この場合、一次巻線を下記のリアクトル8A,8Bとしてもよい。すなわち、レグ回路4は、交流入力端子Nu,Nv,Nwまたは上記の一次巻線等、各レグ回路4u,4v,4wに設けられた接続部を介して電気的に(すなわち直流的または交流的に)交流回路12と接続される。
レグ回路4uは、高電位側直流端子Npから交流入力端子Nuまでの上アーム5と、低電位側直流端子Nnから交流入力端子Nuまでの下アーム6とを含む。上アーム5と下アーム6との接続点である交流入力端子Nuが連系変圧器13と接続される。高電位側直流端子Npおよび低電位側直流端子Nnが直流回路14に接続される。レグ回路4v,4wについても同様の構成を有しているので、以下、レグ回路4uを代表として説明する。
上アーム5は、カスケード接続された複数の変換器セル7と、リアクトル8Aとを含む。当該複数の変換器セル7およびリアクトル8Aは互いに直列接続されている。下アーム6は、カスケード接続された複数の変換器セル7と、リアクトル8Bとを含む。当該複数の変換器セル7およびリアクトル8Bは互いに直列接続されている。
リアクトル8Aが挿入される位置は、レグ回路4uの上アーム5のいずれの位置であってもよく、リアクトル8Bが挿入される位置は、レグ回路4uの下アーム6のいずれの位置であってもよい。リアクトル8A,8Bはそれぞれ複数個あってもよい。各リアクトルのインダクタンス値は互いに異なっていてもよい。さらに、上アーム5のリアクトル8Aのみ、もしくは、下アーム6のリアクトル8Bのみを設けてもよい。
電力変換装置1は、交流電圧検出器10と、交流電流検出器16と、直流電圧検出器11A,11Bと、各レグ回路4に設けられたアーム電流検出器9A,9Bとを含む。これらの検出器は、電力変換装置1の制御に使用される電気量(すなわち、電流、電圧)を計測する。これらの検出器によって検出された検出信号は、制御装置3に入力される。
制御装置3は、これらの検出信号に基づいて各変換器セルの運転状態を制御するための運転指令を出力する。制御装置3は、各変換器セルから、当該変換器セルに設けられたコンデンサの電圧の検出値を表す信号を受信する。
制御装置3は、専用回路によって構成してもよいし、その一部または全部をFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ等によって構成してもよい。なお、制御装置3は、例えば、ディジタル保護リレー装置で構成されていてもよい。
交流電圧検出器10は、交流回路12のU相の交流電圧Vacu、V相の交流電圧Vacv、およびW相の交流電圧Vacwを検出する。交流電流検出器16は、交流回路12のU相の交流電流Iacu、V相の交流電流Iacv、およびW相の交流電流Iacw(以下、「交流電流Iac」とも総称する。)を検出する。直流電圧検出器11Aは、直流回路14に接続された高電位側直流端子Npの直流電圧値Vdcpを検出する。直流電圧検出器11Bは、直流回路14に接続された低電位側直流端子Nnの直流電圧値Vdcnを検出する。
なお、直流回路14の直流電圧Vdcは、高電位側直流端子Npと低電位側直流端子Nnとの間の直流電圧であり、直流電圧検出器11A,11Bによって検出された直流電圧値Vdcp,Vdcnから求められる。具体的には、“Vdc=Vdcp-Vdcn”である。
U相用のレグ回路4uに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、上アーム5に流れるアーム電流Ipuおよび下アーム6に流れるアーム電流Inuをそれぞれ検出する。V相用のレグ回路4vに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、アーム電流Ipvおよびアーム電流Invをそれぞれ検出する。W相用のレグ回路4wに設けられたアーム電流検出器9Aおよび9Bは、アーム電流Ipwおよびアーム電流Inwをそれぞれ検出する。
電力変換器2から出力される直流電流Idcは、図示しない直流電流検出器を用いて検出される。なお、直流電流Idcは、各アーム電流Ipu~Inwを用いて演算されてもよい。
<変換器セルの構成>
図2は、本実施の形態に従う変換器セルの構成を示す図である。図2を参照して、ハーフブリッジ型のスイッチング回路20と、制御回路30とを含む。
ハーフブリッジ型のスイッチング回路20は、コンデンサ24と、半導体回路25A,25Bと、サイリスタ26と、バイパススイッチ27とを含む。
半導体回路25Aは、スイッチング素子22Aと、ダイオード23Aとを含む。ダイオード23Aは、スイッチング素子22Aと逆並列(すなわち、並列かつ逆バイアス方向)に接続されるフリーホイールダイオード(以下、「FWD」とも称する。)である。半導体回路25Bは、スイッチング素子22Bと、ダイオード23Bとを含む。ダイオード23Bは、スイッチング素子22Bと逆並列に接続されるFWDである。
スイッチング素子22A,22Bは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の自己消弧型の半導体スイッチング素子により構成される。
蓄電素子としてのコンデンサ24は、直列接続された半導体回路25Aおよび半導体回路25Bを含む直列体に並列接続され、直流電圧を保持する。スイッチング素子22Aおよびスイッチング素子22Bの接続ノードは高電位側の入出力端子G1と接続される。スイッチング素子22Bおよびコンデンサ24の接続ノードは低電位側の入出力端子G2と接続される。また、コンデンサ24の正極は半導体回路25Bの正極と接続され、コンデンサ24の負極は半導体回路25Aの負極と接続される。
サイリスタ26は、半導体回路25Aに並列接続される。サイリスタ26は、ゲート電流を流すとアノードおよびカソード間が導通(すなわち、オン)するスイッチング素子であり、オンしている場合には一方向にしか電流を流さない。サイリスタ26は、一旦オンになると、ゲート電流が0になってもアノードおよびカソード間の電流がゼロになるまでオンのままである。
バイパススイッチ27は、入出力端子G1,G2間に接続される。図2の例では、バイパススイッチ27は、半導体回路25Aと並列に接続される。バイパススイッチ27をオンにすることによって、変換器セル7が短絡される。バイパススイッチ27は、変換器セル7の各素子(例えば、半導体回路25A,25B等)が故障した場合に、当該変換器セル7を短絡させる際にも利用される。これにより、複数の変換器セル7のうちの任意の変換器セル7が故障しても、他の変換器セル7を利用することにより電力変換器2の運転継続が可能となる。
電流検出器28は、半導体回路25Aと入出力端子G2との間に設けられ、半導体回路25Aに流れる電流Isを検出する。電流検出器28は、例えば、シャント抵抗等により構成される。検出された電流Isは、制御回路30に入力される。
図2の例では、高電位側の入出力端子G1がスイッチング素子22Aおよび22Bの接続ノードに接続され、低電位側の入出力端子G2がスイッチング素子22Aおよびコンデンサ24の接続ノードに接続される構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、入出力端子G1がスイッチング素子22Bおよびコンデンサ24の接続ノードに接続され、入出力端子G2がスイッチング素子22Aおよび22Bの接続ノードに接続される構成であってもよい。この場合、サイリスタ26およびバイパススイッチ27は、半導体回路25Bに並列接続される。電流検出器28は、半導体回路25Bと入出力端子G2との間に設けられ、半導体回路25Bに流れる電流Isを検出する。
制御回路30は、電圧検出部31と、セル制御部35と、通信部33とを含む。これらの各機能は、例えば、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたもの等で構成される。
電圧検出部31は、コンデンサ24の両端の電圧(以下、「コンデンサ電圧」とも称する。)を検出する。検出されたコンデンサ電圧は、セル制御部35に入力される。通信部33は、制御装置3との間で各種情報を送受信する。
セル制御部35は、スイッチング回路20の動作を制御する。ある局面では、セル制御部35は、通信部33を介して制御装置3から受信した運転指令に従う制御を実行する。セル制御部35は、通常動作時(例えば、入出力端子G1,G2間にゼロ電圧または正電圧を出力する場合)には、スイッチング素子22A,22Bの一方をオン状態とし、他方をオフ状態とするように制御を行なう。スイッチング素子22Aがオフ状態であり、スイッチング素子22Bがオン状態のとき、入出力端子G1,G2間にはコンデンサ24の両端間の電圧が印加される。一方、スイッチング素子22Aがオン状態であり、スイッチング素子22Bがオフ状態のとき、入出力端子G1,G2間は0Vとなる。
変換器セル7は、スイッチング素子22A,22Bを交互にオン状態とすることによって、ゼロ電圧またはコンデンサ24の電圧に依存した正電圧を出力できる。ダイオード23A,23Bは、それぞれスイッチング素子22A,22Bに逆方向電圧が印加されたときの保護のために設けられている。
他の局面では、セル制御部35は、電流検出器28から受け付けた電流Isに基づいて、過電流を検出する。典型的には、セル制御部35は、電流Isが閾値K1以上である場合に、半導体回路25Aに流れる過電流を検出する。セル制御部35は、当該過電流を検出した場合、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし(例えば、スイッチング素子22A,22Bをオフ状態に固定し)、サイリスタ26をオン状態に制御する。
例えば、直流回路14の短絡事故が発生した場合、短絡電流は、入出力端子G2、ダイオード23A、入出力端子G1を順に通る経路で流れる。この場合、セル制御部35は、ダイオード23Aに流れる過電流を検出して、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御する。これにより、短絡電流が、入出力端子G2、サイリスタ26、入出力端子G1を順に通る経路でも流れるようになるため、ダイオード23Aに流れる電流が小さくなる。そのため、ダイオード23Aの破壊を防ぐことができる。
セル制御部35は、通信部33を介して、当該過電流を検出したことを制御装置3に通知する。制御装置3は、当該過電流の検出の通知を受信した場合、電力変換器2に含まれるすべての変換器セル7の各々に対して、当該変換器セル7のスイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、当該変換器セル7のサイリスタ26をオン状態に制御するように指示する(例えば、指示情報を送信する)。各変換器セル7のセル制御部35は、当該指示に従って、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態にする。これにより、電力変換器2に含まれる各変換器セル7の素子をより適切に保護することができる。
なお、サイリスタ26のオン状態への制御は、例えば、次のように行われる。セル制御部35は、サイリスタ26をオン状態にするためのトリガ信号を、図示しないトリガ回路に出力する。トリガ回路は、トリガ信号の入力を受け付けると、ゲートパルスをサイリスタ26に与える。これによりサイリスタ26は、オン状態(すなわち、導通状態)となる。
セル制御部35は、サイリスタ26の状態を示す状態信号をトリガ回路から受信し、当該状態信号を制御回路30の内部メモリに記憶する。具体的には、セル制御部35は、トリガ信号(あるいは、ゲートパルス)およびサイリスタ26の状態信号を関連付けて内部メモリに記憶する。これにより、系統運用者は、点検用端末を用いて変換器セル7の定期点検を行なう際に内部メモリに記憶されたデータを確認できるため、詳細な点検を行なうことができる。
セル制御部35は、トリガ信号(あるいは、ゲートパルス)およびサイリスタ26の状態信号を関連付けたデータを制御装置3に送信してもよい。これにより、制御装置3は、変換器セル7のサイリスタ26の動作確認が可能となる。
また、セル制御部35は、半導体回路25Aに流れる電流Isが閾値K1未満であっても、比較的大きい閾値K2(ただし、K1>K2)以上である場合、通信部33を介して、変換器セル7の異常を制御装置3に通知してもよい。これにより、制御装置3は、変換器セル7の異常を確認できる。
なお、セル制御部35は、上記の変換器セル7の異常および過電流検出時において、変換器セル7に設けられた警告灯を点灯してもよい。例えば、監視カメラ等を用いて警告灯を監視する構成を採用してもよい。この場合、監視カメラは、撮影した監視画像を制御装置3へ送信してもよい。
さらに他の局面では、セル制御部35は、通信部33を介して受信した制御装置3からの指示に従う処理を実行する。典型的には、制御装置3は、直流回路14の短絡事故を検出した場合、電力変換器2に含まれるすべての変換器セル7の各々に対して、当該変換器セル7のスイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、当該変換器セル7のサイリスタ26をオン状態に制御するように指示する。各変換器セル7のセル制御部35は、当該指示に従って、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態にする。
例えば、制御装置3は、検出された直流電流Idcが規定の電流閾値以上になった場合に、直流回路14の短絡事故を検出する。なお、制御装置3は、直流電圧Vdc、交流電流Iac、アーム電流Ipu~Inw等を用いて当該短絡事故を検出してもよい。
セル制御部35は、変換器セル7の故障を診断する自己診断機能を有していてもよい。例えば、変換器セル7の故障には、スイッチング素子の故障、ゲートドライバの故障、コンデンサの破損、通信異常等が含まれる。セル制御部35は、変換器セル7の故障を検出した場合、バイパススイッチ27をオン(すなわち、閉状態)にする。セル制御部35は、当該故障を示す故障情報を制御装置3に送信する。
上記構成によると、直流回路14の短絡事故だけではなく、アーム内での部分短絡あるいは地絡等により一部の変換器セル7に過電流が流れる事象が発生した場合でも、当該変換器セル7のセル制御部35が過電流を検出して、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御する。これにより、直流回路14の短絡事故以外の他の事故による過電流から変換器セル7の素子(例えば、FWD、スイッチング素子)を保護することができる。また、変換器セル7自身で過電流を検出して、即時に各スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御するため、より高速に当該変換器セル7の素子を保護することができる。
さらに、制御装置3は、1以上の変換器セル7で発生した過電流の検出の通知を受信すると、電力変換器2に含まれる各スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御するように指示する。これにより、電力変換器2に含まれる各変換器セル7の素子の破壊を防止することができる。
<制御装置のハードウェア構成>
図3は、本実施の形態に従う制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3の場合の制御装置3は、コンピュータに基づいて構成される。図3を参照して、制御装置3は、1つ以上の入力変換器70と、1つ以上のサンプルホールド(S/H)回路71と、マルチプレクサ(MUX:multiplexer)72と、A/D変換器73とを含む。さらに、制御装置3は、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)74と、RAM(Random Access Memory)75と、ROM(Read Only Memory)76とを含む。さらに、制御装置3は、1つ以上の入出力インターフェイス77と、補助記憶装置78と、上記の構成要素間を相互に接続するバス79とを含む。
入力変換器70は、入力チャンネルごとに補助変成器を備える。各補助変成器は、図1に示す各種の電気量の検出器による検出信号を、後続する信号処理に適した電圧レベルの信号に変換する。
サンプルホールド回路71は、入力変換器70ごとに設けられる。サンプルホールド回路71は、対応の入力変換器70から受けた電気量を表す信号を規定のサンプリング周波数でサンプリングして保持する。
マルチプレクサ72は、複数のサンプルホールド回路71に保持された信号を順次選択する。A/D変換器73は、マルチプレクサ72によって選択された信号をディジタル値に変換する。なお、複数のA/D変換器73を設けることによって、複数の入力チャンネルの検出信号に対して並列的にA/D変換を実行するようにしてもよい。
CPU74は、制御装置3の全体を制御し、プログラムに従って演算処理を実行する。揮発性メモリとしてのRAM75および不揮発性メモリとしてのROM76は、CPU74の主記憶として用いられる。ROM76は、プログラムおよび信号処理用の設定値等を収納する。補助記憶装置78は、ROM76に比べて大容量の不揮発性メモリであり、プログラムおよび電気量検出値のデータ等を格納する。
入出力インターフェイス77は、CPU74と外部装置との間で通信する際のインターフェイス回路である。
なお、制御装置3の少なくとも一部をFPGAおよびASIC等の回路を用いて構成してもよい。もしくは、制御装置3の少なくとも一部は、アナログ回路によって構成することもできる。
<制限回路の適用>
図4は、本実施の形態に従う電力変換装置の第1変形例を示す概略構成図である。図4を参照して、電力変換装置1Aは、電力変換器2と、制御装置3と、制限回路50とを含む。すなわち、電力変換装置1Aは、図1中の電力変換装置1に制限回路50を追加した構成である。ここでは、電力変換装置1Aの構成のうち、電力変換装置1と異なる構成について説明を行なう。
制限回路50は、交流回路12と電力変換器2との間に流れる電流を制限する。制限回路50は、充電抵抗器51と、充電抵抗器51に並列接続された開閉器52とを含む。
制御装置3は、制御信号を開閉器52に送信することにより、開閉器52の開閉動作を制御する。
電力変換装置1の起動時において、各コンデンサ24の初期充電が行なわれる。典型的には、系統連系用の図示しない遮断器が投入されると、交流回路12から電力変換器2に電力(電流)が供給される。電力変換装置1の通常起動時(例えば、直流短絡事故が発生してない場合)には、コンデンサ24へインラッシュ電流が流れることにより、変換器セル7の素子への過電流ストレスおよび系統側の瞬時電圧低下が発生し得る。また、電力変換装置1の起動段階で既に直流回路14の短絡事故が発生していた場合、非常に大きな短絡電流が電力変換器2に流れ込むが、セル制御部35が起動完了していないためサイリスタ26をオンとすることができない。そのため、各変換器セル7の素子が破壊される可能性がある。
そこで、制御装置3は、各コンデンサ24の初期充電開始前に開閉器52を開放する。この場合、交流回路12から制限回路50の充電抵抗器51を介して充電電流が流れ、各変換器セル7のコンデンサ24の初期充電が開始される。そのため、コンデンサ24の初期充電時に電力変換器2に流入する電流を抑制できる。さらに、充電抵抗器51は、直流回路14の短絡事故が発生していた場合であっても各変換器セル7の素子(例えば、FWD)の破壊を防ぐことができる程度に電流を抑制できる抵抗値を有する。すなわち、充電抵抗器51は、直流回路14の短絡事故時において交流回路12から電力変換器2に流入する電流を抑制する機能を有する。これにより、起動時の直流短絡事故時においても各変換器セル7の素子の破壊を防止することができる。
その後、各コンデンサ24の初期充電が完了した(例えば、コンデンサ電圧が規定の電圧まで上昇した)場合、制御装置3は開閉器52を閉状態にする。
上記構成により、電力変換器2の起動時において、各変換器セル7のコンデンサ24および直流回路14を適切に充電できる。
<スイッチング回路の変形例>
図5は、本実施の形態に従うスイッチング回路の変形例を示す図である。図5を参照して、変換器セル7のスイッチング回路20Xは、図2のスイッチング回路20にリアクタンス素子29A,29Bを追加したものである。スイッチング回路20Xの構成のうち、スイッチング回路20と同様の構成についてはその詳細な説明は繰り返さない。
直流回路14の短絡事故時においてセル制御部35により過電流が検出されると、サイリスタ26がオン状態となる。この場合、短絡電流は、入出力端子G2、サイリスタ26、入出力端子G1を順に通る第1経路と、入出力端子G2、ダイオード23A、入出力端子G1を順に通る第2経路とを流れる。短絡電流には交流成分が含まれているため、第1経路および第2経路の分流率は、抵抗成分およびリアクタンス成分に応じて定まる。具体的には、リアクタンス成分が小さい経路の分流率は、リアクタンス成分が大きい経路の分流率よりも大きい。
スイッチング回路20Xにおいては、サイリスタ26を通る第1経路のリアクタンスは、ダイオード23Aを通る第2経路のリアクタンスよりも小さくなるように構成される。これにより、第1経路の分流率が第2経路の分流率よりも大きくなり、ダイオード23Aに流れる電流よりもサイリスタ26に流れる電流を大きくすることができる。したがって、ダイオード23Aの破壊を防ぐことができる。
図5の例では、リアクタンス素子(例えば、コイル)29A,29Bが、半導体回路25Aと、サイリスタ26との間に設けられる。具体的には、リアクタンス素子29Aは、半導体回路25Aの負極とサイリスタ26の負極との接続ノード上に設けられる。リアクタンス素子29Bは、半導体回路25Aの正極とサイリスタ26の正極との接続ノード上に設けられる。なお、リアクタンス素子29A,29Bの代わりに、リアクタンスを増大させる構成(例えば、往復電流の磁束打ち消しを小さくした導体配置)を採用してもよい。
なお、スイッチングサージを抑制するために、ダイオード23Aおよびコンデンサ24の接続ノードのリアクタンスと、半導体回路25Bおよびコンデンサ24の接続ノードのリアクタンスとは、できる限り小さくすることが好ましい。
<冷却水温度の制御>
図6は、本実施の形態に従う電力変換装置の第2変形例を示す概略構成図である。図6を参照して、電力変換装置1Bは、電力変換器2と、制御装置3と、冷却装置40とを含む。すなわち、電力変換装置1Bは、図1中の電力変換装置1に冷却装置40を追加した構成である。ここでは、電力変換装置1Bの構成のうち、電力変換装置1と異なる構成について説明を行なう。
冷却装置40は、電力変換器2に含まれる各変換器セル7の半導体回路25A,25B(具体的には、スイッチング素子22A,22Bおよびダイオード23A,23B)を冷却するための冷却水を供給する。例えば、冷却装置40の配管の一部は、電力変換器2内で半導体回路25A,25Bに熱的に結合するように設けられている。配管を流れる冷却水は、当該配管に熱的に結合された半導体回路25A,25Bを冷却する。
このように、各半導体回路25A,25Bは冷却水により冷却されるが、サイリスタ26は常温である(すなわち、冷却水により冷却されない)。そのため、例えば、寒冷時等のように冷却水温度が通常時よりも低い場合には、半導体回路25A,25Bが想定以上に冷却される。半導体回路25A,25Bが冷却されるほど電流が流れ易くなるため、寒冷時においては、通常時と比較して、サイリスタ26を通る第1経路の分流率、および半導体回路25Aを通る第2経路の分流率が変化する。具体的には、寒冷時においては、通常時よりも、サイリスタ26を通る第1経路の分流率が低くなり、半導体回路25Aを通る第2経路の分流率が高くなる。
したがって、冷却装置40は、電力変換器2を起動する前に、冷却水温度を規定温度以上に制御する。例えば、冷却装置40は、ヒーターによる加熱、循環運転による自己発熱等により冷却水温度を上昇させる。冷却水温度が規定温度以上に到達した場合、冷却装置40はその旨を制御装置3へ通知する。制御装置3は、当該通知を受信した後、電力変換器2を起動させる処理を実行する。
上記構成により、第1経路および第2経路の分流率を一定に保つことができるため、短絡事故時等において想定以上の電流がダイオード23Aに流れることによるダイオード23Aの破壊を防止することができる。
<変換器セルの変形例>
図7は、本実施の形態に従う変換器セルの変形例を示す図である。図7を参照して、変換器セル7Aは、制御回路30Aと、セル回路200とを含む。セル回路200は、スイッチング回路21A,21Bと、サイリスタ26と、バイパススイッチ27と、半導体回路65とを含む。
スイッチング回路21Aおよびスイッチング回路21Bの各々は、半導体回路25A,25Bと、コンデンサ24とを含む。半導体回路25A,25Bの構成は、図2の構成と同様である。コンデンサ24の正極は半導体回路25Bの正極と接続され、コンデンサ24の負極は半導体回路25Aの負極と接続される。
スイッチング回路21Aに含まれるスイッチング素子22Aおよびスイッチング素子22Bの接続ノードは低電位側の入出力端子G2と接続される。スイッチング回路21Bに含まれるスイッチング素子22Aおよびスイッチング素子22Bの接続ノードは高電位側の入出力端子G1と接続される。
半導体回路65は、スイッチング回路21Aにおけるコンデンサ24の正極と、スイッチング回路21Bにおけるコンデンサ24の負極との間に設けられる。半導体回路65は、スイッチング素子60と、ダイオード61とを含む。ダイオード61は、スイッチング素子60と逆並列に接続されるFWDである。スイッチング素子60は、スイッチング回路21Aのダイオード23Bおよびスイッチング回路21Bのダイオード23Aを通過する電流方向の導通状態を制御する。スイッチング素子60は、スイッチング素子22A,22Bと同様に、例えば、IGBT、MOSFET等の自己消弧型の半導体スイッチング素子により構成される。
サイリスタ26は、スイッチング回路21Aにおける半導体回路25Aの正極と、スイッチング回路21Bにおける半導体回路25Aの正極との間に接続される。バイパススイッチ27は、サイリスタ26と並列に接続される。
電流検出器28は、スイッチング素子60に流れる電流Isを検出する。例えば、電流検出器28は、スイッチング素子60の負極と、スイッチング回路21Aにおける半導体回路25Bの正極との間に設けられる。なお、電流検出器28は、スイッチング素子60の正極と、スイッチング回路21Bにおける半導体回路25Aの負極との間に設けられていてもよい。
制御回路30Aは、電圧検出部31Aと、通信部33Aと、セル制御部35Aとを含む。電圧検出部31Aは、スイッチング回路21A,21Bにおけるコンデンサ24の両端の電圧(すなわち、コンデンサ電圧)を検出する。検出されたコンデンサ電圧は、セル制御部35Aに入力される。通信部33Aは、制御装置3との間で各種情報を送受信する。
セル制御部35Aは、セル回路200の動作を制御する。ある局面では、セル制御部35Aは、通常動作時には、スイッチング素子60をオン状態に制御し、スイッチング回路21A,21Bの各スイッチング素子22A,22Bをオン状態またはオフ状態に制御して、入出力端子G1,G2間にゼロ電圧または正電圧を出力する。
他の局面では、セル制御部35Aは、電流Isが閾値K1以上である場合に、スイッチング素子60に流れる過電流を検出する。セル制御部35Aは、当該過電流を検出した場合、スイッチング回路21A,21Bの各々に含まれるすべてのスイッチング素子22A,22Bとスイッチング素子60とをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御する。
例えば、直流回路14の短絡事故が発生した場合、短絡電流は、入出力端子G2、スイッチング回路21Aのダイオード23B、スイッチング素子60、スイッチング回路21Bのダイオード23A、入出力端子G1を順に通る経路で流れる。セル制御部35Aは、過電流を検出して、スイッチング回路21A,21Bに含まれるスイッチング素子22A,22Bとスイッチング素子60とをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御する。
この場合、スイッチング素子60がゲートブロック状態になるためスイッチング回路21Aおよび21Bとが電気的に遮断される。したがって、短絡電流が、入出力端子G2、サイリスタ26、入出力端子G1を順に通る経路で流れるようになる。この場合、サイリスタ26とスイッチング回路21A,21Bのダイオードとの分流ではなく、サイリスタ26への転流となる。これにより、変換器セル7Aの素子(例えば、スイッチング回路21Aのダイオード23Bおよびスイッチング回路21Bのダイオード23A)の破壊をより効果的に防ぐことができる。なお、半導体回路65を設けずに、スイッチング回路21Aおよびスイッチング回路21Bが直結されている構成例においては、サイリスタ26とダイオードとの分流となる。この構成例であっても、ダイオードの保護は可能である。
セル制御部35Aは、通信部33Aを介して、当該過電流を検出したことを制御装置3に通知する。制御装置3は、当該過電流の検出の通知を受信した場合、電力変換器2に含まれるすべての変換器セル7Aの各々に対して、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御するように指示する。
上記構成によると、直流回路14の短絡事故だけではなく、アーム内での部分短絡あるいは地絡等により一部の変換器セル7Aに過電流が流れる事象が発生した場合でも、当該過電流から変換器セル7Aの素子(例えば、FWD、スイッチング素子)を保護することができる。また、より高速に変換器セル7Aの素子を保護することができる。なお、変換器セル7Aの構成によると、過電流発生時においては、スイッチング素子60がゲートブロック状態となるため、スイッチング回路21A,21Bへの事故電流の流入を防止することができる。
その他の実施の形態.
上述した実施の形態において、図2では、電流検出器28が半導体回路25Aと入出力端子G2との間に設けられる構成について説明した。他の例として、電流検出器28は、半導体回路25Bと入出力端子G1との間にさらに設けられていてもよい。この場合、セル制御部35は、半導体回路25Bに流れる電流(例えば、コンデンサ24から放電される放電電流)を検出することができる。例えば、セル制御部35は、当該電流が閾値Ka以上である場合に半導体回路25Bに流れる過電流を検出する。セル制御部35は、当該過電流を検出した場合、スイッチング素子22A,22Bをゲートブロックし、サイリスタ26をオン状態に制御してもよい。
上述の実施の形態として例示した構成は、本開示の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、他の実施の形態で説明した処理および構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 電力変換装置、2 電力変換器、3 制御装置、4u,4v,4w レグ回路、5 上アーム、6 下アーム、7,7A 変換器セル、8A,8B リアクトル、9A,9B アーム電流検出器、10 交流電圧検出器、11A,11B 直流電圧検出器、12 交流回路、13 連系変圧器、14 直流回路、16 交流電流検出器、20,20X,21A,21B スイッチング回路、22A,22B,60 スイッチング素子、23A,23B ダイオード、24 コンデンサ、25A,25B 半導体回路、26 サイリスタ、27 バイパススイッチ、28 電流検出器、29A,29B リアクタンス素子、30,30A 制御回路、31,31A 電圧検出部、33,33A 通信部、35,35A セル制御部、40 冷却装置、50 制限回路、51 充電抵抗器、52 開閉器、70 入力変換器、71 サンプルホールド回路、72 マルチプレクサ、73 A/D変換器、74 CPU、75 RAM、76 ROM、77 入出力インターフェイス、78 補助記憶装置、79 バス、200 セル回路。

Claims (8)

  1. 交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置であって、
    直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、
    前記電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記複数の変換器セルの各々は、
    セル制御部と、
    第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、
    第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、
    直列接続された前記第1半導体回路および前記第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子と、
    前記第1半導体回路に並列接続されたサイリスタとを含み、
    前記セル制御部は、前記第1半導体回路に流れる過電流を検出した場合、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をゲートブロックし、前記サイリスタをオン状態に制御し、
    前記セル制御部は、前記過電流を検出したことを前記制御装置に通知し、
    前記制御装置は、前記過電流の検出の通知を受信した場合、前記複数の変換器セルの各々に対して、当該変換器セルの前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をゲートブロックし、当該変換器セルの前記サイリスタをオン状態に制御するように指示する、電力変換装置。
  2. 交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置であって、
    直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、
    前記電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記複数の変換器セルの各々は、
    セル制御部と、
    第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、
    第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、
    直列接続された前記第1半導体回路および前記第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子と、
    前記第1半導体回路に並列接続されたサイリスタとを含み、
    前記セル制御部は、前記第1半導体回路に流れる過電流を検出した場合、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をゲートブロックし、前記サイリスタをオン状態に制御し、
    前記制御装置は、前記直流回路の短絡事故を検出した場合、前記複数の変換器セルの各々に対して、当該変換器セルの前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をゲートブロックし、当該変換器セルの前記サイリスタをオン状態に制御するように指示する、電力変換装置。
  3. 前記直流回路の短絡事故時において、前記サイリスタを通る電流経路のリアクタンスは、前記第1ダイオードを通る電流経路のリアクタンスよりも小さくなるように構成される、請求項に記載の電力変換装置。
  4. 前記複数の変換器セルの各々は、前記第1半導体回路と前記サイリスタとの間に設けられたリアクタンス素子をさらに含む、請求項に記載の電力変換装置。
  5. 前記交流回路と前記電力変換器との間に流れる電流を制限する制限回路をさらに備え、
    前記制限回路は、前記直流回路の短絡事故時において前記交流回路から前記電力変換器に流入する電流を抑制するための充電抵抗器と、当該充電抵抗器と並列に接続される開閉器とを含み、
    前記制御装置は、前記複数の変換器セルの各々に含まれる前記蓄電素子の初期充電開始前に前記開閉器を開放する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置であって、
    直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、
    前記電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記複数の変換器セルの各々は、
    セル制御部と、
    第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、
    第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、
    直列接続された前記第1半導体回路および前記第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子と、
    前記第1半導体回路に並列接続されたサイリスタとを含み、
    前記セル制御部は、前記第1半導体回路に流れる過電流を検出した場合、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をゲートブロックし、前記サイリスタをオン状態に制御し、
    前記変換器セルの前記第1半導体回路および前記第2半導体回路を冷却するための冷却水を供給する冷却装置をさらに備え、
    前記冷却装置は、前記冷却水の温度を規定温度以上に制御し、
    前記冷却水の温度が前記規定温度以上に到達した場合に、前記制御装置は前記電力変換器を起動させる、電力変換装置。
  7. 前記セル制御部は、
    前記サイリスタをオン状態にするためのトリガ信号をトリガ回路へ出力し、
    前記トリガ回路から前記サイリスタの状態を示す状態信号を受信し、
    前記状態信号を記憶する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 交流回路と直流回路との間で電力変換を行なう電力変換装置であって、
    直列接続された複数の変換器セルを含む電力変換器と、
    前記電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記複数の変換器セルの各々は、
    セル制御部と、
    第1スイッチング回路および第2スイッチング回路とを含み、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路の各々は、
    第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に逆並列接続された第1ダイオードとを含む第1半導体回路と、
    第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に逆並列接続された第2ダイオードとを含む第2半導体回路と、
    直列接続された前記第1半導体回路および前記第2半導体回路を含む直列体に並列接続された蓄電素子とを有し、
    前記蓄電素子の正極は前記第2半導体回路の正極と接続され、前記蓄電素子の負極は前記第1半導体回路の負極と接続されており、
    前記複数の変換器セルの各々は、
    前記第1スイッチング回路における前記蓄電素子の正極と、前記第2スイッチング回路における前記蓄電素子の負極との間に設けられた第3スイッチング素子と、
    前記第1スイッチング回路における前記第1半導体回路の正極と、前記第2スイッチング回路における前記第1半導体回路の正極との間に接続されるサイリスタとをさらに含み、
    前記セル制御部は、前記第3スイッチング素子に流れる過電流を検出した場合、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子と前記第3スイッチング素子とをゲートブロックし、前記サイリスタをオン状態に制御する、電力変換装置。
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