以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
実施形態においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は鉛直方向であることとする。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。また、以下の説明においては、所定面を適宜、XY平面、と称する。
[生産システム]
図1は、本実施形態に係る生産システム1を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る生産システム1を示す構成図である。生産システム1は、工場施設に設けられる。図1及び図2に示すように、生産システム1は、部品Cを管理する部品管理システム2と、部品Cを使用して電子機器を製造する部品実装システム3と、部品管理システム2及び部品実装システム3を制御する管理制御装置4と、作業者WMに操作される情報端末5とを備える。
部品管理システム2は、自動倉庫6と、エレベータ装置7と、倉庫制御装置8と、部品搬送装置9と、搬送制御装置10とを有する。部品実装システム3は、実装装置11と、生産制御装置12とを有する。
自動倉庫6は、部品Cを収容する。エレベータ装置7は、部品Cを入庫及び出庫する。部品Cの入庫とは、部品Cを自動倉庫6に搬入することをいう。部品Cの出庫とは、部品Cを自動倉庫6から搬出することをいう。エレベータ装置7は、部品Cの入庫及び出庫のために、部品Cを上下方向に搬送する。倉庫制御装置8は、自動倉庫6及びエレベータ装置7を制御する制御指令を出力する。
部品搬送装置9は、部品Cを搬送する。部品搬送装置9は、工場施設の床面に規定される走行路13を走行する。工場施設において、複数の部品搬送装置9が稼働する。搬送制御装置10は、部品搬送装置9を制御する制御指令を出力する。搬送制御装置10は、部品搬送装置9と無線通信する。
実装装置11は、部品Cを基板Pに実装する。生産制御装置12は、実装装置11を制御する制御指令を出力する。
管理制御装置4は、倉庫制御装置8、搬送制御装置10、及び生産制御装置12のそれぞれと通信する。倉庫制御装置8、搬送制御装置10、及び生産制御装置12のそれぞれは、管理制御装置4から出力される管理指令に基づいて作動する。
工場施設において、入出庫スペース14、部品供給スペース15、受入スペース16、段取りスペース17、及び充電スペース18が規定される。部品搬送装置9は、入出庫スペース14、部品供給スペース15、受入スペース16、段取りスペース17、及び充電スペース18のそれぞれに移動可能である。
入出庫スペース14は、自動倉庫6に入庫される部品Cを部品搬送装置9からエレベータ装置7に渡す処理、及び自動倉庫6から出庫された部品Cをエレベータ装置7から部品搬送装置9に渡す処理が実施されるスペースである。入出庫スペース14は、エレベータ装置7に規定される。
部品供給スペース15は、実装装置11のテープフィーダ117に部品Cを設置する処理が実施されるスペースである。部品供給スペース15は、実装装置11の近傍に規定される。部品供給スペース15に存在する作業者WMは、実装装置11のテープフィーダ117に部品Cを設置する。
受入スペース16は、部品供給業者から納入される部品Cを受け入れる処理が実施されるスペースである。受入スペース16に作業台19が設置される。部品Cは、運搬車両により部品供給業者から工場施設に納入される。受入スペース16に存在する作業者WMは、納入された部品Cを受け入れる。
段取りスペース17は、複数の部品Cを一括交換台車20に搭載する処理が実施されるスペースである。段取りスペース17に一括交換台車20が配置される。段取りスペース17に存在する作業者WMは、複数の部品Cを一括交換台車20に搭載する。
充電スペース18は、部品搬送装置9のバッテリを充電する処理が実施されるスペースである。充電スペース18に充電装置21が設置される。バッテリの充電量が低減したとき、部品搬送装置9は、充電スペース18に移動して、充電装置21でバッテリを充電する。
情報端末5は、作業者WMに所持される。情報端末5は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータを含む。情報端末5は、倉庫制御装置8と無線通信する。
[部品]
図3は、本実施形態に係る部品Cを示す斜視図である。図3に示すように、部品Cは、キャリアテープ22に保持される。キャリアテープ22は、複数の部品Cを保持する。キャリアテープ22は、テープリール23に巻かれる。キャリアテープ22及びテープリール23は、部品Cを保持する保持部材として機能する。
キャリアテープ22は、テープリール23に巻かれた状態で部品供給業者から納入される。キャリアテープ22は、テープリール23に巻かれた状態で取り扱われる。
部品Cは、テープリール23に複数保持された状態で、自動倉庫6に入庫されたり、自動倉庫6に保管されたり、自動倉庫6から出庫されたり、エレベータ装置7により搬送されたり、部品搬送装置9により搬送されたりする。
本実施形態において、部品Cの入庫は、テープリール23を自動倉庫6に入庫することを含む。部品Cの保管は、テープリール23を自動倉庫6に保管することを含む。部品Cの出庫は、テープリール23を自動倉庫6から出庫することを含む。部品Cの搬送は、テープリール23をエレベータ装置7により搬送すること、及びテープリール23を部品搬送装置9により搬送することを含む。
部品Cを識別するための個別識別子24がテープリール23に付与される。テープリール23は、個別識別子24が付与された状態で部品供給業者から納入される。
個別識別子24は、テープリール23の表面に設けられる。個別識別子24により、テープリール23に保持されている部品Cが識別される。本実施形態において、個別識別子24は、バーコードを含む。バーコードは、一次元バーコードでもよいし二次元バーコードでもよい。なお、個別識別子24は、数字、文字、及び図形の少なくとも一つでもよい。なお、個別識別子24は、RFIDタグ(Radio Frequency Identifier Tag)及びRFIDシール(Radio Frequency Identifier Seal)の少なくとも一方でもよい。
本実施形態において、テープリール23に個別識別子24を付与することは、部品Cに個別識別子24を付与することを意味する。個別識別子24は、複数のテープリール23のそれぞれに付与される。複数のテープリール23のそれぞれに個別識別子24を付与することは、複数の部品Cのそれぞれに個別識別子24を付与することを意味する。
部品管理システム2において、部品Cは、トレイ30に支持された状態で取り扱われる。受入スペース16には、空のトレイ30が複数配置される。受入スペース16の作業者WMは、作業台19において、納入されたテープリール23をトレイ30に設置する。
テープリール23は、トレイ30に支持された状態で、自動倉庫6に入庫されたり、自動倉庫6に保管されたり、自動倉庫6から出庫されたり、エレベータ装置7により搬送されたり、部品搬送装置9により搬送されたりする。
本実施形態において、テープリール23の入庫は、テープリール23を支持するトレイ30を自動倉庫6に入庫することを含む。テープリール23の保管は、テープリール23を支持するトレイ30を自動倉庫6に保管することを含む。テープリール23の出庫は、テープリール23を支持するトレイ30を自動倉庫6から出庫することを含む。テープリール23の搬送は、テープリール23を支持するトレイ30をエレベータ装置7により搬送すること、及びテープリール23を支持するトレイ30を部品搬送装置9により搬送することを含む。
トレイ30は、プレート部31と、プレート部31の上面の周縁領域の少なくとも一部に設けられるスペーサ部32とを有する。テープリール23は、プレート部31の上面に設置される。スペーサ部32の上面は、平坦面である。プレート部31の上面にテープリール23が配置された状態において、スペーサ部32の上面は、テープリール23の表面と実質的に同一面内又はテープリール23の表面よりも高い位置に配置される。これにより、トレイ30にテープリール23が支持された状態で、複数のトレイ30を積層することができる。
図3に示す例において、トレイ30に2つのテープリール23が支持される。なお、トレイ30に支持されるテープリール23は1つでもよいし、3つ以上の任意の複数でもよい。
[実装装置]
図4は、本実施形態に係る実装装置11を模式的に示す平面図である。実装装置11は、部品Cを基板Pに実装する。実装装置11は、基板Pを搬送する基板搬送装置111と、部品Cを供給する部品供給装置112と、ノズル113を有する実装ヘッド114と、実装ヘッド114を移動するヘッド移動装置115と、ノズル113を移動するノズル移動装置116とを備える。
基板搬送装置111は、基板Pを実装位置DMに搬送する。実装位置DMは、基板搬送装置111の搬送経路に規定される。
部品供給装置112は、部品Cを供給位置SMに供給する。部品供給装置112は、複数のテープフィーダ117を含む。テープリール23は、テープフィーダ117に装着される。複数のテープリール23のそれぞれが、複数のテープフィーダ117のそれぞれに装着される。
ノズル113は、部品Cを解放可能に保持する。ノズル113は、部品Cを吸引して保持する吸引ノズルでもよいし、部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
実装ヘッド114は、部品供給装置112から供給された部品Cをノズル113で保持して基板Pに実装する。実装ヘッド114は、部品供給装置112から部品Cが供給される供給位置SMと、基板Pが配置されている実装位置DMとの間を移動可能である。実装ヘッド114は、供給位置SMに供給された部品Cをノズル113で保持して、実装位置DMに移動した後、実装位置DMに配置されている基板Pに実装する。
テープフィーダ117は、テープリール23を回転させて、キャリアテープ22に保持されている複数の部品Cを供給位置SMに順次供給する。実装ヘッド114は、テープリール23に保持されている複数の部品Cを基板Pに順次実装する。すなわち、実装装置11は、テープリール23の複数の部品Cを順次消費する。本実施形態において、テープリール23の部品Cを消費することは、テープリール23のキャリアテープ22から部品Cを搬出することを含む。実装ヘッド114は、テープリール23から部品Cを1つずつ搬出し、基板Pに実装する。
ヘッド移動装置115は、実装ヘッド114を移動させる。ヘッド移動装置115は、実装ヘッド114をX軸方向に移動させる第1移動装置115Xと、実装ヘッド114をY軸方向に移動させる第2移動装置115Yとを有する。
ノズル移動装置116は、ノズル113をZ軸方向及びZ軸を中心とする回転方向のそれぞれに移動させる。ノズル移動装置116は、実装ヘッド114に支持される。
ノズル113は、ヘッド移動装置115及びノズル移動装置116により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びZ軸と中心とする回転方向のそれぞれに移動可能である。ノズル113が移動することにより、ノズル113に保持されている部品Cも、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びZ軸を中心とする回転方向のそれぞれに移動可能である。
[自動倉庫及びエレベータ装置]
図5は、本実施形態に係る自動倉庫6及びエレベータ装置7を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る自動倉庫6を示す背面図である。
自動倉庫6は、複数のテープリール23を保管する。エレベータ装置7は、複数のテープリール23を自動倉庫6に入庫する。自動倉庫6に入庫される前の複数のテープリール23のそれぞれに個別識別子24が付与される。
テープリール23は、トレイ30に支持された状態で自動倉庫6に保管される。エレベータ装置7は、自動倉庫6にトレイ30を入庫する入庫処理及び自動倉庫6からトレイ30を出庫する出庫処理を実施する。
図5及び図6に示すように、自動倉庫6とエレベータ装置7との間に中間倉庫40が配置される。出庫前のトレイ30は、中間倉庫40に一時的に保管される。自動倉庫6と中間倉庫40とはカバー41によって連結される。
中間倉庫40は、トレイが通過する入出庫口42と、入出庫口42を開閉するシャッタ43とを有する。シャッタ43は、トレイ30の入庫及び出庫が実施されるときに入出庫口42を開き、トレイ30の入庫及び出庫が実施されないときに入出庫口42を閉じる。これにより、中間倉庫40の内部空間の温度変化及び湿度変化が抑制される。
図7は、本実施形態に係るエレベータ装置7を示す断面図である。エレベータ装置7は、フレーム44と、トレイ30を支持して昇降可能な昇降ステージ45と、昇降ステージ45を昇降させる昇降機構46とを有する。昇降機構46は、昇降ステージ45の少なくとも一部に連結されるボールねじ機構と、ボールねじ機構を駆動するモータとを含む。
また、エレベータ装置7は、昇降ステージ45に設けられ、トレイ30の側面をガイドする側面ガイド部材47を有する。トレイ30は、側面ガイド部材47の内側に配置される。
トレイ30は、昇降ステージ45に積層される。部品搬送装置9は、積層された複数のトレイ30を搬送することができる。部品搬送装置9により搬送された複数のトレイ30は、積層された状態で昇降ステージ45に渡される。また、昇降ステージ45に支持されている複数のトレイ30は、積層された状態で部品搬送装置9に渡される。
自動倉庫6からトレイ30を出庫するとき、倉庫制御装置8は、昇降ステージ45の上面が入出庫口42と同じ高さに配置されるように、昇降機構46を制御する。中間倉庫40に存在するトレイ30は、エレベータ装置7に設けられている不図示の搬送機構により中間倉庫40から出庫される。中間倉庫40から出庫されたトレイ30は、入出庫口42を通過して、中間倉庫40から出庫される。中間倉庫40から出庫されたトレイ30は、昇降ステージ45に載置される。トレイ30が昇降ステージ45に載置されると、倉庫制御装置8は、昇降ステージ45がトレイ30の高さと同じ距離だけ下降するように、昇降機構46を制御する。トレイ30の出庫と昇降ステージ45の下降とが繰り返されることにより、複数のトレイ30が昇降ステージ45に積層される。
自動倉庫6にトレイ30を入庫するとき、倉庫制御装置8は、昇降ステージ45に積層されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30が入出庫口42と同じ高さに配置されるように、昇降機構46を制御する。トレイ30は、エレベータ装置7に設けられている不図示の搬送機構により中間倉庫40に入庫される。トレイ30は、入出庫口42を通過して、中間倉庫40に入庫される。トレイ30が中間倉庫40に入庫されると、倉庫制御装置8は、昇降ステージ45がトレイ30の高さと同じ距離だけ上昇するように、昇降機構46を制御する。トレイ30の入庫と昇降ステージ45の上昇とが繰り返されることにより、複数のトレイ30が昇降ステージ45から順次搬出される。
図8は、本実施形態に係るエレベータ装置7の一部を模式的に示す図である。図8に示すように、エレベータ装置7は、読取装置33と、検出装置34と、付与装置35とを有する。
読取装置33は、エレベータ装置7において、テープリール23の個別識別子24を読み取る。読取装置33は、カメラを含む。個別識別子24がバーコードを含む場合、読取装置33は、バーコードリーダを含む。個別識別子24がRFIDタグ又はRFIDシールを含む場合、読取装置33は、RFIDリーダを含む。
検出装置34は、エレベータ装置7において、テープリール23に保持されている部品Cを検出する。検出装置34は、X線リール部品カウント装置を含む。検出装置34は、テープリール23に保持されている部品CをX線検査方式で検出する。検出装置34は、テープリール23に保持されている部品Cの数を検出することができる。検出装置34は、テープリール23に保持されている部品Cの寸法を検出することができる。部品Cの寸法は、X軸方向の寸法、Y軸方向の寸法、及びZ軸方向の寸法を含む。検出装置34は、部品Cの寸法を検出することにより、テープリール23に保持されている部品Cの種類を特定することができる。なお、検出装置34は、テープリール23に保持されている部品Cの形状を検出することができる。部品Cの寸法のみならず部品Cの形状も検出されることにより、部品Cの種類は、より高精度に特定される。
付与装置35は、エレベータ装置7において、テープリール23に統一識別子25を付与する。個別識別子24のフォーマットは、部品供給業者に応じて異なる可能性がある。第1の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24は、第1のフォーマットで作成され、第2の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24は、第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットで作成されている可能性がある。本実施形態においては、異なるフォーマットの個別識別子24が、統一されたフォーマットの統一識別子25に変換される。付与装置35は、統一識別子25をテープリール23に付与する。付与装置35は、テープリール23が自動倉庫6に入庫される前に、エレベータ装置7において、テープリール23に統一識別子25を付与する。自動倉庫6に入庫される複数のテープリール23のそれぞれに統一識別子25が付与される。
本実施形態において、テープリール23に統一識別子25を付与することは、部品Cに統一識別子25を付与することを意味する。統一識別子25は、複数のテープリール23のそれぞれに付与される。複数のテープリール23のそれぞれに統一識別子25を付与することは、複数の部品Cのそれぞれに統一識別子25を付与することを意味する。
付与装置35は、統一識別子25を出力する出力装置36と、統一識別子25をトレイ30に取り付けるアーム37とを有する。統一識別子25がバーコードを含む場合、出力装置36は、バーコードラベルプリンタを含む。アーム37は、出力装置36から出力された統一識別子25をテープリール23の表面に取り付ける。
[部品搬送装置]
図9は、本実施形態に係る部品搬送装置9を示す斜視図である。部品搬送装置9は、駆動輪52を有する搬送機50と、搬送機50に装着される搬送カート51とを有する。トレイ30は、搬送カート51に支持される。搬送カート51は、搬送機50に着脱可能である。搬送機50は、搬送カート51が連結されている状態で自走する。
搬送カート51は、一対のサイドカバー53と、一対のサイドカバー53の上端部を結ぶトップカバー54と、サイドカバー53の下部に設けられる従動輪55とを有する。搬送機50は、一対のサイドカバー53及びトップカバー54により形成される空間に配置される。
搬送カート51は、トップカバー54の上部に配置され、複数のトレイ30を支持する搬送ステージ56と、搬送ステージ56に支持されたトレイ30の前面をガイドする前面ガイド部材57と、トレイ30の後面をガイドする後面ガイド部材58とを有する。前面ガイド部材57は、一対のサブガイド部材57Aと、一方のサブガイド部材57Aに連結される開閉ドア57Bとを含む。開閉ドア57Bが開くことにより、トレイ30は、一対のサブガイド部材57Aの間を通過して、搬送ステージ56から搬出されたり、搬送ステージ56に搬入されたりする。
トレイ30は、前面ガイド部材57及び後面ガイド部材58にガイドされながら、昇降ステージ45と搬送ステージ56の間を移動することができる。
[倉庫制御装置]
図10は、本実施形態に係る倉庫制御装置8を示す機能ブロック図である。倉庫制御装置8は、自動倉庫6及びエレベータ装置7を制御する。倉庫制御装置8は、管理制御装置4、情報端末5、生産制御装置12、読取装置33、付与装置35、検出装置34、及び報知装置38のそれぞれと通信する。
倉庫制御装置8は、配膳表ファイル取得部61と、ワークオーダ取得部62と、部品切れデータ取得部63と、入庫指令部64と、出庫指令部65と、在庫管理部66と、在庫データ出力部67と、計数値取得部68と、カウント部69と、ゼロ処理部70と、廃棄指令部71と、フォーマット記憶部72と、識別データ取得部73と、統一識別子出力部74と、部品データ登録部75と、判定部76と、報知部77とを有する。
配膳表ファイル取得部61は、複数の実装装置11のそれぞれに割り当てられる部品Cを示す配膳表ファイルを管理制御装置4から取得する。
図11は、本実施形態に係る配膳表ファイルを説明するための模式図である。部品実装システム3は、実装装置11を複数有する。配膳表ファイルには、複数の実装装置11のそれぞれに割り当てられる部品Cの種類(名称)が記述されている。配膳表ファイルは、自動倉庫6から複数の実装装置11のそれぞれに搬送すべき部品Cの種類を示す。なお、配膳表ファイルは、部品Cの種類のみならず、複数の実装装置11のそれぞれに割り当てられる部品Cの数を含んでもよい。
本実施形態において、配膳表ファイルは、複数の実装装置11のそれぞれに割り当てられるテープリール23を示す。1つの実装装置11に複数のテープフィーダ117が設けられる。配膳表ファイルは、複数のテープフィーダ117のそれぞれに割り当てられるテープリール23を示す。
配膳表ファイルは、実装装置11又は部品供給装置112の諸元に基づいて定められる。なお、配膳表ファイルは、製造する電子機器に基づいて定められてもよい。配膳表ファイルは、電子機器の製造前に管理制御装置4に登録される。配膳表ファイル取得部61は、管理制御装置4に登録されている配膳表ファイルを取得する。
ワークオーダ取得部62は、部品Cが実装される基板Pの数と基板Pに実装される部品Cの数との積を示すワークオーダを管理制御装置4から取得する。
図12は、本実施形態に係るワークオーダを説明するための模式図である。電子機器の製造において、基板Pは、複数の実装装置11に順次搬送される。複数の実装装置11のそれぞれは、搬送された基板Pに部品Cを実装する。複数の実装装置11により基板Pに部品Cが実装されることにより、電子機器が製造される。図12に示す例においては、第1の実装装置11により基板Pの第1領域Paに部品Cが実装され、第2の実装装置11により基板Pの第2領域Pbに部品Cが実装され、第3の実装装置11により基板Pの第3領域Pcに部品Cが実装され、第4の実装装置11により基板Pの第4領域Pdに部品Cが実装される。
製造する電子機器に基づいて、基板Pに実装される部品Cの種類及び数が定められる。また、製造する電子機器の数に基づいて、部品Cが実装される基板Pの数が定められる。ワークオーダは、製造する電子機器の数に基づいて定められる部品Cを示す。ワークオーダは、自動倉庫6から複数の実装装置11のそれぞれに搬送すべき部品Cの種類及び数を示す。ワークオーダは、製造する電子機器に基づいて定められる。ワークオーダは、電子機器の製造前に管理制御装置4に登録される。ワークオーダ取得部62は、管理制御装置4に登録されているワークオーダを取得する。
部品切れデータ取得部63は、テープリール23の部品Cが消費されたことを示す部品切れデータを情報端末5から取得する。複数のテープリール23のそれぞれが複数のテープフィーダ117のそれぞれに装着される。また、実装装置11において、テープリール23の複数の部品Cが順次消費される。実装装置11の作業者WMは、テープリール23に保持されている部品Cが全て消費されたか否かを認識することができる。例えば、テープリール23に保持されている部品Cが全て消費された場合、生産制御装置12は、実装装置11に設けられている警告装置を作動させる。警告装置は、警告灯でもよいし、音声出力装置でもよい。作業者WMは、警告装置に基づいて、テープリール23に保持されている部品Cが全て消費されたことを認識することができる。なお、作業者WMは、目視により、テープリール23に保持されている部品Cが全て消費されたことを認識してもよい。テープリール23に保持されている部品Cが全て消費されたことを認識した場合、作業者WMは、情報端末5を操作して、テープリール23の部品Cが全て消費されたことを示す部品切れデータを倉庫制御装置8に送信する。部品切れデータ取得部63は、情報端末5から送信された部品切れデータを取得する。
部品切れデータは、部品Cが全て消費されたテープリール23の識別データを含む。テープリール23に統一識別子25が付与されている。統一識別子25がバーコードを含み、情報端末5がバーコードリーダの機能を有する場合、作業者WMは、部品Cが全て消費されたテープリール23に付与されている統一識別子25を情報端末5で読み取る。これにより、部品Cが全て消費されたテープリール23及び全て消費された部品Cが特定される。部品切れデータ取得部63は、情報端末5から送信された部品切れデータに基づいて、部品Cが全て消費されたテープリール23及び全て消費された部品Cを特定することができる。
入庫指令部64は、自動倉庫6及びエレベータ装置7にテープリール23の入庫指令を出力する。入庫指令部64は、部品供給業者から納品され、統一識別子25が付与されたテープリール23を自動倉庫6に入庫させる入庫指令を出力する。
出庫指令部65は、自動倉庫6及びエレベータ装置7にテープリール23の出庫指令を出力する。出庫指令部65は、統一識別子25が付与され、自動倉庫6に保管されているテープリール23を自動倉庫6から出庫させる出庫指令を出力する。
出庫指令部65は、配膳表ファイルに基づいて、テープリール23の出庫指令を出力する。配膳表ファイルに基づいて、自動倉庫6からテープリール23が出庫されることにより、実装装置11に適した部品Cが出庫される。実装装置11に適した部品Cが出庫されることにより、電子機器の製造に適切な部品Cが効率良く出庫される。
また、出庫指令部65は、配膳表ファイルとワークオーダとの選択指令に基づいて、出庫指令を出力する。選択指令は、情報端末5から出力される。作業者WMは、例えば電子機器の製造状況に基づいて、配膳表ファイルよる部品Cの出庫とワークオーダによる部品Cの出庫とを選択することができる。作業者WMは、情報端末5を操作して、配膳表ファイルによる部品Cの出庫とワークオーダによる部品Cの出庫との選択指令を倉庫制御装置8に送信する。出庫指令部65は、情報端末5から送信された選択指令を取得する。出庫指令部65は、作業者WMによる選択指令に基づいて、出庫指令を出力する。これにより、作業者WMの選択に基づいて、電子機器の製造に適切な部品Cが効率良く出庫される。
また、出庫指令部65は、部品切れデータに基づいて、出庫指令を出力する。複数のテープフィーダ117のそれぞれに装着されているテープリール23のうち、特定のテープリール23の部品Cの全てが消費された場合、作業者WMは、情報端末5を操作して、特定のテープリール23の部品Cが全て消費されたことを示す部品切れデータを倉庫制御装置8に送信する。出庫指令部65は、情報端末5から送信された部品切れデータを取得する。上述のように、部品切れデータは、部品Cが全て消費されたテープリール23及び全て消費された部品Cを特定する識別データを含む。出庫指令部65は、特定のテープリール23に保持されていた全て消費された部品Cと同一種類の部品Cを保持するテープリール23が出庫されるように、出庫指令を出力する。
在庫管理部66は、自動倉庫6に保管されている部品Cの在庫を管理する。在庫管理部66は、自動倉庫6に保管されている部品Cの在庫データを取得する。在庫管理部66は、取得した在庫データを記憶する。在庫データは、自動倉庫6に保管されている部品Cの識別データを含む。部品Cの識別データは、テープリール23に付与されている統一識別子25の識別データを含む。部品Cの在庫データは、自動倉庫6に保管されている部品Cの種類(名称)及び数を含む。部品Cの種類は、複数のテープリール23のそれぞれに保持されている部品Cの種類を含む。部品Cの数は、複数のテープリール23のそれぞれに保持されている部品Cの数を含む。
在庫データ出力部67は、部品切れデータに基づいて、実装装置11において全て消費されたテープリール23の部品Cと同一種類の部品Cの在庫データを情報端末5に出力する。例えば実装装置11においてテープリール23に保持されている所定種類の部品Cが全て消費され、所定種類の部品Cと同一種類の部品Cを保持する複数のテープリール23が自動倉庫6に在庫されている場合、在庫データ出力部67は、所定種類の部品Cと同一種類の部品Cを保持するテープリール23が自動倉庫6に在庫されていることを示す在庫データを情報端末5に送信する。
情報端末5は、情報端末5の表示装置に在庫データを表示させる。本実施形態において、情報端末5の表示装置に表示される在庫データは、複数のテープリール23の入庫時点を示す一覧データを含む。
図13は、本実施形態に係る情報端末5の表示装置を模式的に示す図である。所定種類の部品Cである第1部品と同一種類の部品Cを保持するテープリール23が自動倉庫6に複数保管されている場合、同一種類の部品Cを保持する複数のテープリール23のそれぞれを示す在庫データが情報端末5の表示装置に表示される。図13に示すように、情報端末5の表示装置には、自動倉庫6に在庫しているテープリール23のシリアル番号と、テープリール23が自動倉庫6に入庫された時点を示す入庫時点とを示す一覧データが表示される。
作業者WMは、情報端末5を操作して、自動倉庫6に在庫している複数のテープリール23から出庫させるテープリール23を選択することができる。作業者WMは、情報端末5を操作して、選択したテープリール23を自動倉庫6から出庫させる要求データを倉庫制御装置8に送信する。作業者WMは、情報端末5を操作して、例えば入庫時点からの経過時間が最も長いテープリール23の出庫を要求する要求データを倉庫制御装置8に送信することができる。
出庫指令部65は、作業者WMにより在庫データから選択された部品Cを保持するテープリール23を出庫させる出庫指令を出力する。出庫指令部65は、情報端末5から送信された要求データに基づいて、例えば入庫時点からの経過時間が最も長いテープリール23を出庫させる出庫指令を出力する。
計数値取得部68は、情報端末5から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する。作業者WMは、実装装置11において、テープリール23に保持されている部品Cの数を数える。作業者WMは、情報端末5を操作して、テープリール23に保持されている部品Cの数を示す計数値を倉庫制御装置8に送信する。計数値取得部68は、情報端末5から送信されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する。
カウント部69は、実装装置11を制御する生産制御装置12から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する。生産制御装置12は、ノズル113の動作及び実装ヘッド114の動作に基づいて、テープリール23から搬出され基板Pに実装された部品Cの数を数える。生産制御装置12は、テープリール23に保持されている部品Cの数を示す計数値をカウント部69に出力する。カウント部69は、生産制御装置12から送信されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する。在庫管理部66は、カウント部69により取得されたテープリール23の部品Cの計数値を記憶する。
ゼロ処理部70は、情報端末5から出力され計数値取得部68により取得されたテープリール23の部品Cの計数値に基づいて、テープリール23の部品Cが全て消費されたと判定したとき、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値をゼロに変更するゼロ処理指令を出力する。
カウント部69により取得されるテープリール23の部品Cの計数値とテープリール23に実際に保持されている部品Cの数とが異なる場合がある。上述のように、カウント部69により取得されるテープリール23の部品Cの計数値は、ノズル113の動作及び実装ヘッド114の動作に基づいて算出される。例えば実装ヘッド114による部品Cの実装ミスなど、何らかの理由により、カウント部69により取得される部品Cの計数値とテープリール23に実際に保持されている部品Cの数とが異なる場合がある。カウント部69により取得される部品Cの計数値がテープリール23に実際に保持されている部品Cの数と異なる場合、在庫管理部66は、誤った計数値を記憶してしまうこととなる。
そのため、ゼロ処理部70は、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値が1以上であっても、情報端末5から出力され計数値取得部68により取得されたテープリール23の部品Cの計数値に基づいて、テープリール23の部品Cが全て消費されたと判定したとき、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値をゼロにするゼロ処理指令を出力する。情報端末5から送信された部品Cの計数値は、作業者WMが実際に数えた部品Cの数であり、正しい値である。情報端末5から送信された部品Cの計数値に基づいて、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値が補正されることにより、在庫管理部66は、正しい計数値を記憶することができる。
また、ゼロ処理部70は、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値がゼロであっても、情報端末5から出力されたテープリール23の部品Cの計数値に基づいて、テープリール23に部品Cが残っていると判定したとき、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値を残数値に変更するゼロ解除指令に出力することができる。
廃棄指令部71は、ゼロ処理部70により部品Cの計数値がゼロになったテープリール23の廃棄指令を在庫管理部66及び情報端末5に出力する。在庫管理部66は、廃棄指令に基づいて、部品Cの計数値がゼロであるテープリール23の在庫データを消去する。情報端末5の表示装置は、廃棄指令に基づいて、部品Cの計数値がゼロであるテープリール23を作業者WMに処分させるための表示データを表示する。
フォーマット記憶部72は、テープリール23のそれぞれに付与される個別識別子24のフォーマットを記憶する。
図14は、本実施形態に係る個別識別子24を模式的に示す図である。個別識別子24の識別データは、テープリール23に保持されている部品Cの種類(名称)、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数を含む。
図14(A)は、第1の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24を示す。図14(B)は、第2の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24を示す。図14(A)に示す個別識別子24において、第1部分24Aは、部品Cの種類を示し、第2部分24Bは、部品Cのシリアル番号を示し、第3部分24Cは、部品Cの数を示す。図14(B)に示す個別識別子24において、第4部分24Dは、部品Cのシリアル番号を示し、第5部分24Eは、部品Cの数を示し、第6部分24Fは、部品Cの種類を示す。
図14(A)及び図14(B)に示すように、第1の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24のフォーマットと第2の部品供給業者から納入されるテープリール23の個別識別子24のフォーマットとは異なる。
フォーマット記憶部72は、個別識別子24の複数のフォーマットを記憶する。フォーマット記憶部72は、例えば複数の部品供給業者ごとに個別識別子24のフォーマットを記憶する。
識別データ取得部73は、テープリール23の入庫において読取装置33により読み取られた個別識別子24の識別データを読取装置33から取得する。読取装置33は、個別識別子24のフォーマットを参照して、個別識別子24を読み取る。異なるフォーマットの個別識別子24を有するテープリール23がエレベータ装置7に順次搬入されても、読取装置33は、個別識別子24のフォーマットを参照することにより、複数の個別識別子24のそれぞれを読み取ることができる。
統一識別子出力部74は、フォーマット記憶部72に記憶されている個別識別子24のフォーマットと、識別データ取得部73により取得された個別識別子24の識別データとに基づいて、複数のテープリール23のそれぞれに付与される統一識別子25の識別データを生成する。統一識別子出力部74は、個別識別子24のフォーマットと個別識別子24の識別データとに基づいて、複数の個別識別子24のフォーマットを統一し、統一されたフォーマットの統一識別子25を生成する。統一識別子出力部74は、生成した統一識別子25の識別データを付与装置35に出力する。
本実施形態において、統一識別子25の識別データは、テープリール23に保持されている部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数の少なくとも一つを含む。統一識別子25の識別データは、部品Cの種類のみを含んでもよいし、部品Cのシリアル番号のみを含んでもよい。統一識別子25の識別データは、部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数の少なくとも二つを含んでもよい。本実施形態において、統一識別子25の識別データは、部品Cの種類及び部品Cのシリアル番号を含み、部品Cの数を含まない。複数のフォーマットが1つのフォーマットに統一されるので、識別データに含まれる情報量が少なくても、テープリール23に保持されている部品Cは、統一識別子25に基づいて特定される。
部品データ登録部75は、自動倉庫6に入庫される部品Cの固有値を示す部品データを記憶する。部品データは、部品Cが自動倉庫6に入庫される前に、部品データ登録部75に予め登録される。
図15は、本実施形態に係る部品データを模式的に示す図である。図15に示すように、本実施形態において、部品データは、テープリール23に保持される部品Cの種類(名称)、部品Cの数、及び部品Cの寸法を含む。部品Cの寸法は、X軸方向の寸法、Y軸方向の寸法、及びZ軸方向の寸法を含む。なお、部品データは、テープリール23に保持される部品Cの形状を含んでもよい。
統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データとに基づいて、統一識別子25の識別データを出力することができる。例えば、個別識別子24が付与されていないテープリール23が部品供給業者から納入される可能性がある。テープリール23に個別識別子24が付与されていなくても、統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データとに基づいて、テープリール23に保持されている部品Cを特定することができる。検出装置34は、部品Cの数及び部品Cの寸法を検出可能である。部品データ登録部75に登録されている部品データは、部品Cの種類(名称)、部品Cの数、及び部品Cの寸法を含む。したがって、統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データとを照合することにより、テープリール23に保持されている部品Cの種類を特定することができる。テープリール23に保持されている部品Cの種類が特定されることにより、統一識別子出力部74は、統一識別子25の識別データを出力することができる。
判定部76は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データと、テープリール23に付与されている統一識別子25の識別データとを照合して、統一識別子25の正否を判定する。例えば、第1のテープリール23に付与されるべき統一識別子25が、第2のテープリール23に誤って付与される可能性がある。付与装置35により統一識別子25がテープリール23に付与された後、テープリール23に付与された統一識別子25の正否を判定する確認処理が実施される場合、判定部76は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データと、テープリール23に付与されている統一識別子25の識別データとを照合して、統一識別子25の正否を判定することができる。
報知部77は、判定部76の判定データに基づいて、報知装置38に作動指令を出力する。報知装置38は、例えばエレベータ装置7に設けられている警告灯でもよいし音声出力装置でもよい。誤った統一識別子25がテープリール23に付与されていると判定部76により判定された場合、報知部77は、判定部76の判定データに基づいて、報知装置38に作動指令を出力する。報知装置38が作動することにより、作業者WMは、誤った統一識別子25がテープリール23に付与されたことを認識することができる。
[入庫処理(個別識別子がある場合)]
図16は、本実施形態に係る入庫処理を示すフローチャートである。図16は、テープリール23に個別識別子24が付与されているときの入庫処理を示す。部品供給業者から納入されたテープリール23が、部品搬送装置9によりエレベータ装置7に搬入される。読取装置33は、エレベータ装置7において、個別識別子24を読み取る。識別データ取得部73は、読取装置33により読み取られた個別識別子24の識別データを取得する(ステップSA1)。
個別識別子24の識別データは、テープリール23に保持されている部品Cの種類(名称)、テープリール23に保持されている部品Cのシリアル番号、及びテープリール23に保持されている部品Cの数を含む。識別データ取得部73により取得された部品Cの種類、シリアル番号、及び数は、在庫管理部66に記憶される(ステップSA2)。
統一識別子出力部74は、フォーマット記憶部72に記憶されている個別識別子24のフォーマットと、識別データ取得部73により取得された個別識別子24の識別データとに基づいて、統一識別子25の識別データを生成する。統一識別子出力部74は、生成した統一識別子25の識別データを付与装置35に出力する(ステップSA3)。
統一識別子出力部74は、付与装置35を作動させる作動指令を出力する。付与装置35は、テープリール23に統一識別子25を付与する。テープリール23に統一識別子25が付与された後、入庫指令部64は、テープリール23を自動倉庫6に入庫させる入庫指令を出力する(ステップSA4)。
自動倉庫6には、統一識別子25が付与された複数のテープリール23が保管される。
[入庫処理(個別識別子がない場合)]
図17は、本実施形態に係る入庫処理を示すフローチャートである。図17は、テープリール23に個別識別子24が付与されていないときの入庫処理を示す。部品供給業者から納入されたテープリール23が、部品搬送装置9によりエレベータ装置7に搬入される。検出装置34は、エレベータ装置7において、テープリール23に保持されている部品Cを検出する。統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データを取得する(ステップSB1)。
統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データとに基づいて、エレベータ装置7に搬入された部品Cが、部品データ登録部75に登録されている部品Cか否かを判定する(ステップSB2)。
検出装置34の検出データは、部品Cの寸法及び数を含む。部品データ登録部75に登録されている部品データは、部品Cの寸法及び数を含む。したがって、統一識別子出力部74は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データとを照合することにより、エレベータ装置7に搬入された部品Cが、部品データ登録部75に登録されている部品Cか否かを判定することができる。
ステップSB2において、エレベータ装置7に搬入された部品Cが、部品データ登録部75に登録されている部品Cであると判定した場合(ステップSB2:Yes)、統一識別子出力部74は、統一識別子25の識別データを生成し、付与装置35に出力する(ステップSB3)。
統一識別子出力部74は、付与装置35を作動させる作動指令を出力する。付与装置35は、テープリール23に統一識別子25を付与する。テープリール23に統一識別子25が付与された後、入庫指令部64は、テープリール23を自動倉庫6に入庫させる入庫指令を出力する(ステップSB4)。
ステップSB2において、エレベータ装置7に搬入された部品Cが、部品データ登録部75に登録されている部品Cでないと判定した場合(ステップSB2:No)、入庫処理は終了する。テープリール23は、エレベータ装置7から搬出される。
[確認処理]
図18は、本実施形態に係る確認処理を示すフローチャートである。確認処理とは、テープリール23に付与された統一識別子25の正否を判定する処理をいう。
エレベータ装置7において、付与装置35によりテープリール23に統一識別子25が付与される。テープリール23に統一識別子25が付与された後、テープリール23が自動倉庫6に入庫される前に、読取装置33は、エレベータ装置7において、統一識別子25を読み取る。判定部76は、読取装置33により読み取られた統一識別子25の識別データを取得する(ステップSC1)。
また、テープリール23が自動倉庫6に入庫される前に、検出装置34は、エレベータ装置7において、テープリール23に保持されている部品Cを検出する。判定部76は、検出装置34の検出データを取得する(ステップSC2)。
判定部76は、検出装置34の検出データと、部品データ登録部75に登録されている部品データと、統一識別子25の識別データとを照合する(ステップSC3)。
判定部76は、検出データと部品データと識別データとの照合により、統一識別子25の正否を判定する(ステップSC4)。
統一識別子25に変換前の個別識別子24の識別データは、部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数を含む。統一識別子25の識別データは、部品Cの種類、及び部品Cのシリアル番号を含む。検出装置34の検出データは、部品Cの数、及び部品Cの寸法を含む。部品データは、部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数を含む。判定部76は、検出装置34の検出データと部品データとを照合して、テープリール23に保持されている部品Cの種類を特定することができる。判定部76は、検出装置34の検出データと部品データとの照合により特定された部品Cの種類と、統一識別子25の識別データに含まれる部品Cの種類とを照合して、付与されるべきテープリール23に統一識別子25が正しく付与されているか否かを判定することができる。
ステップSC4において、統一識別子25がテープリール23に正しく付与されていると判定された場合(ステップSC4:Yes)、入庫指令部64は、テープリール23を自動倉庫6に入庫させる入庫指令を出力する(ステップSC5)。
ステップSC4において、統一識別子25がテープリール23に正しく付与されていないと判定された場合(ステップSC4:No)、報知部77は、報知装置38に作動指令を出力する(ステップSC6)。
報知装置38が作動することにより、作業者WMは、誤った統一識別子25がテープリール23に付与されたことを認識することができる。
[ファイル出庫処理]
図19は、本実施形態に係るファイル出庫処理を示すフローチャートである。ファイル出庫処理とは、配膳表ファイルに基づいてテープリール23が自動倉庫6から出庫される処理をいう。
配膳表ファイル取得部61は、管理制御装置4から配膳表ファイルを取得する(ステップSD1)。
出庫指令部65は、配膳表ファイル取得部61により取得された配膳表ファイルに基づいて、出庫指令を出力する(ステップSD2)。
[選択出庫処理]
図20は、本実施形態に係る選択出庫処理を示すフローチャートである。選択出庫処理とは、配膳表ファイルによる出庫とワークオーダによる出庫との選択指令に基づいてテープリール23が自動倉庫6から出庫される処理をいう。
出庫指令部65は、情報端末5から送信された配膳表ファイルとワークオーダとの選択指令を取得する(ステップSE1)。
出庫指令部65は、選択指令に基づいて、配膳表ファイルが選択されたか否かを判定する(ステップSE2)。
ステップSE2において、配膳表ファイルが選択されたと判定した場合(ステップSE2:Yes)、配膳表ファイル取得部61は、管理制御装置4から配膳表ファイルを取得する(ステップSE3)。
出庫指令部65は、配膳表ファイル取得部61により取得された配膳表ファイルに基づいて、出庫指令を出力する(ステップSE4)。
ステップSE2において、ワークオーダが選択されたと判定した場合(ステップSE2:No)、ワークオーダ取得部62は、管理制御装置4からワークオーダを取得する(ステップSE5)。
出庫指令部65は、ワークオーダ取得部62により取得されたワークオーダに基づいて、出庫指令を出力する(ステップSE4)。
[部品切れ出庫処理]
図21は、本実施形態に係る部品切れ出庫処理を示すフローチャートである。部品切れ出庫処理とは、実装装置11において特定のテープリール23の部品Cが全て消費されたときにテープリール23が自動倉庫6から出庫される処理をいう。
部品切れデータ取得部63は、テープリール23の部品Cが消費されたことを示す部品切れデータを情報端末5から取得する(ステップSF1)。
在庫管理部66は、実装装置11において全て消費されたテープリール23の部品Cと同一種類の部品Cを保持するテープリール23が在庫されているか否かを判定する(ステップSF2)。
ステップSF2において、同一種類の部品Cを保持する複数のテープリール23が在庫されていると判定された場合(ステップSF2:Yes)、在庫データ出力部67は、部品切れデータに基づいて、実装装置11において全て消費されたテープリール23の部品Cと同一種類の部品Cの在庫データを情報端末5に出力する(ステップSF3)。
図13を参照して説明したように、在庫データが情報端末5に出力されると、情報端末5の表示装置に在庫データが表示される。情報端末5の表示装置には、在庫データとして、自動倉庫6に在庫しているテープリール23のシリアル番号と、テープリール23が自動倉庫6に入庫された時点を示す入庫時点とを示す一覧データが表示される。
作業者WMは、情報端末5を操作して、自動倉庫6に在庫している複数のテープリール23から出庫させるテープリール23を選択する。作業者WMは、情報端末5を操作して、例えば入庫時点からの経過時間が最も長いテープリール23の出庫を要求する要求データを倉庫制御装置8に送信する。
出庫指令部65は、情報端末5から送信された要求データを取得する(ステップSF4)。
出庫指令部65は、情報端末5から送信された要求データに基づいて、例えば入庫時点からの経過時間が最も長いテープリール23を出庫させる出庫指令を出力する(ステップSF5)。
入庫時点からの経過時間が最も長いテープリール23が出庫されることにより、古いテープリール23が自動倉庫6に保管され続けることが抑制される。
[ゼロ処理]
図22は、本実施形態に係るゼロ処理を示すフローチャートである。ゼロ処理とは、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値をゼロに変更する処理をいう。
カウント部69は、実装装置11から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する(ステップSG1)。
実装装置11から出力されたテープリール23の部品Cの計数値は、在庫管理部66に登録される。在庫管理部66は、カウント部69により取得されたテープリール23の部品Cの計数値を記憶する(ステップSG2)。
計数値取得部68は、情報端末5から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する(ステップSG3)。
ゼロ処理部70は、計数値取得部68により取得されたテープリール23の部品Cの計数値に基づいて、テープリール23の部品Cが全て消費されたか否かを判定する(ステップSG4)。
ステップSG4において、テープリール23の部品Cが全て消費されたと判定した場合(ステップSG4:Yes)、ゼロ処理部70は、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値をゼロに変更するゼロ処理指令を出力する(ステップSG5)。
廃棄指令部71は、ゼロ処理部70により部品Cの計数値がゼロになったテープリール23の廃棄指令を在庫管理部66及び情報端末5に出力する(ステップSG6)。
在庫管理部66は、廃棄指令に基づいて、部品Cの計数値がゼロであるテープリール23の在庫データを消去する。情報端末5の表示装置は、廃棄指令に基づいて、部品Cの計数値がゼロであるテープリール23を作業者WMに処分させるための表示データを表示する。
ステップSG4において、テープリール23の部品Cが全て消費されていないと判定した場合(ステップSG4:No)、ゼロ処理部70からゼロ処理指令は出力されず、ゼロ処理が終了する。
実際の部品Cの計数値がゼロであり、在庫管理部66に記憶されている計数値が1以上の値であっても、ゼロ処理が実施されることにより、在庫管理部66は、正しい計数値を記憶することができる。
[ゼロ解除処理]
図23は、本実施形態に係るゼロ解除処理を示すフローチャートである。ゼロ解除処理とは、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値を実際の残数値に変更する処理をいう。
カウント部69は、実装装置11から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する(ステップSH1)。
実装装置11から出力されたテープリール23の部品Cの計数値は、在庫管理部66に登録される。在庫管理部66は、カウント部69により取得されたテープリール23の部品Cの計数値を記憶する(ステップSH2)。
計数値取得部68は、情報端末5から出力されたテープリール23の部品Cの計数値を取得する(ステップSH3)。
ゼロ処理部70は、計数値取得部68により取得されたテープリール23の部品Cの計数値に基づいて、テープリール23に部品Cが残っているか否かを判定する(ステップSH4)。
ステップSH4において、テープリール23の部品Cが全て消費されたと判定した場合(ステップSH4:Yes)、ゼロ処理部70は、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値を実際の残数値に変更するゼロ解除指令を出力する(ステップSH5)。
残数値とは、テープリール23に残っている部品Cの数をいう。情報端末5から送信された部品Cの計数値は、実際の残数値を示す。情報端末5から送信された部品Cの残数値は、作業者WMが実際に数えた部品Cの数であり、正しい値である。情報端末5から送信された部品Cの残数値に基づいて、在庫管理部66に記憶されているテープリール23の部品Cの計数値が補正されることにより、在庫管理部66は、正しい計数値を記憶することができる。
廃棄指令部71は、ゼロ処理部70により部品Cの計数値が残数値に変更されたテープリール23の復活指令を在庫管理部66及び情報端末5に出力する(ステップSH6)。
在庫管理部66は、復活指令に基づいて、消去されたテープリール23の在庫データを復活させる。情報端末5の表示装置は、復活指令に基づいて、部品Cの残数値が1以上であるテープリール23を実装装置11に復活させるための表示データを表示する。
ステップSH4において、テープリール23の部品Cが残っていないと判定した場合(ステップSH4:No)、ゼロ処理部70からゼロ解除指令は出力されず、ゼロ解除処理が終了する。
実際の部品Cの計数値(残数値)が1以上の値であり、在庫管理部66に記憶されている計数値がゼロであっても、ゼロ解除処理が実施されることにより、在庫管理部66は、正しい計数値を記憶することができる。
[コンピュータシステム]
図24は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の管理制御装置4、倉庫制御装置8、搬送制御装置10、生産制御装置12、及び情報端末5のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。管理制御装置4の機能、倉庫制御装置8の機能、搬送制御装置10の機能、生産制御装置12の機能、及び情報端末5の機能のそれぞれは、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、コンピュータプログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
コンピュータプログラムは、上述の実施形態に従って、複数の部品Cのそれぞれに付与される個別識別子24のフォーマットと、部品Cの入庫において読み取られた個別識別子24の識別データとに基づいて、統一識別子25の識別データを出力することと、統一識別子25を入庫される複数の部品Cのそれぞれに付与することと、を実行することができる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、テープリール23の個別識別子24が統一識別子25に変換される。これにより、複数の部品供給業者のそれぞれから納入された複数のテープリール23を識別する場合、単一の識別処理で識別することができる。したがって、識別処理においてエラーの発生が抑制される。また、識別処理が簡略化され、電子機器の製造効率の低下が抑制される。
個別識別子24の識別データは、テープリール23に保持されている部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数を含む。統一識別子25の識別データは、テープリール23に保持されている部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数の少なくとも一つを含む。統一識別子25の識別データが、テープリール23に保持されている部品Cの種類、部品Cのシリアル番号、及び部品Cの数の一つ又は二つを含むことにより、統一識別子25の識別データに含まれる情報量は、個別識別子24の識別データに含まれる情報量よりも少なくなる。統一識別子25においては、複数のフォーマットが1つのフォーマットに統一されるので、識別データに含まれる情報量が少なくても、テープリール23に保持されている部品Cは、統一識別子25に基づいて特定される。
読取装置33は、エレベータ装置7において個別識別子24を読み取る。テープリール23の入庫において個別識別子24の読み取りが実施されるので、テープリール23が入庫される前に識別処理を効率良く実施することができる。
付与装置35は、エレベータ装置7においてテープリール23に統一識別子25を付与する。テープリール23の入庫において統一識別子25の付与が実施されるので、統一識別子25が付与されたテープリール23を入庫することができる。
検出装置34は、エレベータ装置7において部品Cを検出する。テープリール23の入庫において統一識別子25の付与が実施されるので、テープリール23が入庫される前に部品Cを特定することができる。
検出装置34の検出データと部品データとに基づいて、統一識別子25の識別データが出力される。個別識別子24が付与されていないテープリール23が部品供給業者から納入されても、テープリール23に統一識別子25を付与することができる。
検出装置34の検出データと部品データと統一識別子25の識別データとを照合して、統一識別子25が正しいテープリール23に付与されているか否かが判定される。そのため、統一識別子25が誤ったテープリール23に付与されることが抑制される。また、統一識別子25が誤ったテープリール23に付与された場合、報知装置38が作動する。これにより、作業者WMは、統一識別子25が誤ったテープリール23に付与されたことを認識することができる。