JP7326871B2 - 積層型コイル部品 - Google Patents
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Description
しかしながら、近年の電気機器の通信速度の高速化、及び、小型化に応じて、積層型インダクタにはさらなる高周波帯(例えば、50GHz以上のGHz帯)での高周波特性が充分であることが求められている。特許文献1に記載のコイル部品は、50GHz以上の高周波特性が充分ではないという問題があった。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。
また、第1の外部電極21と同様に、第2の外部電極22は、第2の端面12から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆っていてもよい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の幅(図2(c)中、両矢印W1で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の高さ(図2(b)中、両矢印T1で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の幅(図2(c)中、両矢印W2で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の高さ(図2(b)中、両矢印T2で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
なお、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ、及び、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さが一定でない場合、最も長い部分の長さが上記範囲にあることが好ましい。
なお、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ、及び、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さが一定でない場合、最も高い部分の高さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の高さは、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の高さは、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
積層体は、積層方向に中央部に配置されて比誘電率が相対的に低い低誘電率部と、積層方向の両端部に配置されて比誘電率が相対的に高い高誘電率部を有している。
図3は、絶縁層、コイル導体及び連結導体、並びに、積層体の積層方向を模式的に示すものであり、実際の形状及び接続等を厳密には表していない。例えば、コイル導体はビア導体を介して接続されている。
コイルは、絶縁層とともに積層された複数のコイル導体32が電気的に接続されることにより形成される。
積層体10の積層方向、及び、コイルの軸方向(図3中、コイル軸をAで示す)は、実装面である第1の主面13に対して平行である。
積層体10は、相対的に比誘電率の低い低誘電率部10bと、相対的に比誘電率の高い高誘電率部10aとを有している。
低誘電率部10bは、積層体10の積層方向の中央部に配置されており、高誘電率部10aは、積層体10の積層方向の両端部にそれぞれ配置されている。
積層体10の積層方向の中央部に低誘電率部10bが設けられているため、コイル導体間で発生する浮遊容量を低減し、高周波特性を向上させることができる。
なお、積層体を構成する複数の絶縁層が積み重なる方向を積層方向という。
すなわち、本発明の積層型コイル部品において、積層体の長さ方向と、積層方向とは一致する。
絶縁層31a及び31dには、それぞれ、ビア導体33a及び33dが設けられている。
コイル導体32b(32b1~32b27)及び32c(32c1~32c27)はそれぞれ、ライン部と、ライン部の端部に配置されるランド部とを有している。図4に示すように、ランド部のサイズは、ライン部の線幅よりも若干大きいことが好ましい。
従って、積層体10を構成するコイル導体の積層数は50以上、60以下(図3及び図4では54)であり、コイルのターン数は27である。
図3及び図4に示す積層体10において、高誘電率部10aに含まれるコイル導体は、コイル導体32b1、32c1、32b27及び32c27である。従って、高誘電率部10aに含まれるコイル導体の積層数の合計は、8以下(図4では4)である。
高誘電率部に含まれるコイル導体の積層数の合計は8以下であり、4以下であることが好ましい。
低誘電率部10bの長さ寸法の割合が上記範囲であると、高誘電率部10aに含まれるコイル導体数の積層数の合計を8以下に調整しやすい。
また、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
また、第2の連結導体42が第2の外部電極22とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第2の連結導体42を構成するビア導体33d同士が重なっていることを意味し、ビア導体33d同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
なお、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
また、繰り返しパターンは、1/2ターン形状でなく、3/4ターン形状やその他の形状であってもよい。
ランド部がライン部の内周縁よりも内側に位置すると、インピーダンスが低下してしまうことがある。
また、積層方向から平面視したときに、ランド部の径は、ライン部の線幅の1.05倍以上、1.3倍以下であることが好ましい。
ランド部の径がライン部の線幅の1.05倍未満であると、ランド部とビア導体との接続が不充分となることがある。一方、ランド部の径がライン部の線幅の1.3倍を超えると、ランド部に起因する浮遊容量が大きくなるため、高周波特性が低下することがある。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、50μm以上、100μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは15μm以上、45μm以下であり、より好ましくは15μm以上、30μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、30μm以上、60μm以下である。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、30μm以上、70μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは10μm以上、30μm以下であり、より好ましくは10μm以上、25μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、20μm以上、40μm以下である。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、80μm以上、170μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは25μm以上、75μm以下であり、より好ましくは25μm以上、50μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、40μm以上、100μm以下である。
高誘電率部となる絶縁層と、低誘電率部となる絶縁層とでは、非磁性材料の含有率が異なる。
フェライト材料としては、Ni-Zn-Cu系フェライト材料であることが好ましい。
また、フェライト材料は、FeをFe2O3に換算して40mol%以上49.5mol%以下、ZnをZnOに換算して2mol%以上35mol%以下、CuをCuOに換算して6mol%以上13mol%以下、NiをNiOに換算して10mol%以上45mol%以下含むことが好ましい。
なお、フェライト材料には不可避不純物が含まれていてもよい。
このような材料としては、一般式aZnO・SiO2で表される材料であり、aの値、すなわちSiに対するZnの含有量(Zn/Si)が1.8以上、2.2以下である材料が挙げられる。これはウィルマイトとも呼ばれる材料である。
また、この材料はさらにCuを含むことが好ましく、具体的には、Znの一部がCu等の異種金属で置換された材料であってもよい。
このような材料は、酸化物原料(ZnO、SiO2、CuO等)を所定のモル比となるように配合して、湿式で混合粉砕した後、1000℃以上、1300℃以下で仮焼して作製することができる。
ガラス材料は、SiをSiO2換算で70重量%以上85重量%以下、BをB2O3換算で10重量%以上25重量%以下、KをK2O換算で0.5重量%以上5重量%以下、AlをAl2O3に換算して0重量%以上5重量%以下含む材料であることが好ましい。
このような材料は、ガラスとフィラーを混合して作製することができる。
例えば、ガラス100重量部に対して、フィラーとしての石英を40重量部以上、60重量部以下、アルミナを0重量部以上、10重量部以下の範囲で混合することにより作製することができる。
また、フェライト材料と第1の非磁性材料及び第2の非磁性材料を組み合わせてもよい。
好ましいのはフェライト材料と第1の非磁性材料の組合せである。
高誘電率部に含まれる非磁性材料の割合は、0体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。
低誘電率部は、磁性材料と非磁性材料とを含む複合材料で構成されていることが好ましい。
非磁性材料は、Si及びZnを含有する酸化物材料を含み、上記酸化物材料の、Siに対するZnの含有量(Zn/Si)が、モル比換算で1.8以上、2.2以下であることがより好ましい。
低誘電率部に含まれる非磁性材料の割合は、20体積%以上、80体積%以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品の製造方法の一例について説明する。
例えば、磁性材料及び非磁性材料に、ポリビニルブチラール系樹脂等の有機バインダ、エタノール、トルエン等の有機溶剤及び分散剤等を加えて混練し、スラリー状にする。その後、ドクターブレード法などの方法により、厚さ12μm程度のセラミックグリーンシートを得る。
このとき、非磁性材料の含有量が異なる2種類のセラミックグリーンシートを準備する。
非磁性材料の含有量が相対的に多いセラミックグリーンシートが、低誘電率部用セラミックグリーンシートであり、非磁性材料の含有量が相対的に少ないセラミックグリーンシートが、高誘電率部用セラミックグリーンシートである。
また、フェライト材料は、FeをFe2O3に換算して40mol%以上49.5mol%以下、ZnをZnOに換算して2mol%以上35mol%以下、CuをCuOに換算して6mol%以上13mol%以下、NiをNiOに換算して10mol%以上45mol%以下含むことが好ましい。
このような材料は、酸化物原料(ZnO、SiO2、CuO等)を所定のモル比となるように配合して、湿式で混合粉砕した後、1000℃以上、1300℃以下で仮焼して作製することができる。
高誘電率部用セラミックグリーンシートの場合には、非磁性材料を0体積%以上、20体積%以下含んでいることが好ましい。
低誘電率部用セラミックグリーンシートの場合には、非磁性材料を20体積%以上、80体積%以下含んでいることが好ましい。
ガラス材料は、SiをSiO2換算で70重量%以上85重量%以下、BをB2O3換算で10重量%以上25重量%以下、KをK2O換算で0.5重量%以上5重量%以下、AlをAl2O3に換算して0重量%以上5重量%以下含む材料であることが好ましい。
このような材料は、ガラスとフィラーを混合して作製することができる。
例えば、ガラス100重量部に対して、フィラーとしての石英を40重量部以上、60重量部以下、アルミナを0重量部以上、10重量部以下の範囲で混合することにより作製することができる。
・積層方向の中央部に低誘電率部用セラミックグリーンシートを、両端部に高誘電率部用セラミックグリーンシートを配置する。
・コイルシートの積層数を50以上、60以下とする。
・高誘電率部用セラミックグリーンシートを用いたコイルシートを8枚以下とする。
・個片化後の積層体の積層方向において、コイル導体の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下となる。
上記の方法では、積層体の主面と端面の2回に分けて下地電極を形成する場合に比べて、下地電極を1回で形成することができる。
以上により、本発明の積層型コイル部品を作製することができる。
10 積層体
10a 高誘電率部
10b 低誘電率部
11 第1の端面
12 第2の端面
13 第1の主面
14 第2の主面
15 第1の側面
16 第2の側面
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
31a,31b(31b1~31b27),31c(31c1~31c27),31d 絶縁層
32,32b(32b1~31b27),32c(32c1~31c27) コイル導体
33a,33b(32b1~31b27),33c(32c1~31c27),33d ビア導体
41 第1の連結導体
42 第2の連結導体
A コイルの中心軸
E1 第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ
E2 第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ
L1 積層体の長さ寸法
L2 積層型コイル部品の長さ寸法
L3 積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法
T1 積層体の高さ寸法
T2 積層型コイル部品の高さ寸法
W1 積層体の幅寸法
W2 積層型コイル部品の幅寸法
Claims (6)
- 複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、
前記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、
前記コイルは、前記絶縁層とともに前記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、
前記積層体は、前記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、前記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、前記長さ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、
前記第1の外部電極は、前記第1の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
前記第2の外部電極は、前記第2の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
前記第1の主面は、実装面であり、
前記積層体の積層方向と前記コイルのコイル軸方向とは、前記第1の主面と平行であり、
前記積層体は、前記積層方向の中央部に配置されて比誘電率が相対的に低い低誘電率部と、前記積層方向の両端部に配置されて比誘電率が相対的に高い高誘電率部を有しており、
前記高誘電率部の非磁性材料の割合が、前記低誘電率部の非磁性材料の割合よりも少なく、
前記非磁性材料が、第1の非磁性材料及び第2の非磁性材料の少なくとも一方を含み、
前記第1の非磁性材料が、Si及びZnを含有する酸化物材料であり、
前記第2の非磁性材料が、Si、K、Bを含むガラス材料に、石英及びアルミナからなる群から選択された少なくとも1種を含むフィラーが添加されてなる材料であり、
前記積層方向における前記コイル導体の配置領域の寸法は、前記積層体の長さ寸法の85%以上、90%以下であり、
前記コイル導体の積層数は、50以上、60以下であり、
前記高誘電率部に含まれる前記コイル導体の積層数の合計は、8以下であり、
前記第1の主面における前記高誘電率部の全部が、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極で覆われていることを特徴とする、積層型コイル部品。 - 前記高誘電率部に含まれる前記コイル導体の積層数の合計は、4以下である、請求項1に記載の積層型コイル部品。
- 前記低誘電率部の比誘電率εr1は、5以上、10以下であり、
前記高誘電率部の比誘電率εr2は、12以上、20以下である、請求項1又は2に記載の積層型コイル部品。 - 前記低誘電率部は、磁性材料と前記非磁性材料とを含む複合材料で構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
- 前記非磁性材料は、前記第1の非磁性材料を含み、
前記第1の非磁性材料の、Siに対するZnの含有量(Zn/Si)がモル比換算で1.8以上、2.2以下である、請求項4に記載の積層型コイル部品。 - 前記積層体の長さは、560μm以上、600μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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