[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP7323304B2 - 被加工物の分割方法 - Google Patents

被加工物の分割方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7323304B2
JP7323304B2 JP2019041509A JP2019041509A JP7323304B2 JP 7323304 B2 JP7323304 B2 JP 7323304B2 JP 2019041509 A JP2019041509 A JP 2019041509A JP 2019041509 A JP2019041509 A JP 2019041509A JP 7323304 B2 JP7323304 B2 JP 7323304B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
chuck table
axis direction
dividing
laser processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019041509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020145337A (ja
Inventor
健太郎 小田中
広成 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Corp filed Critical Disco Corp
Priority to JP2019041509A priority Critical patent/JP7323304B2/ja
Publication of JP2020145337A publication Critical patent/JP2020145337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7323304B2 publication Critical patent/JP7323304B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Dicing (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェーハ等の被加工物を分割予定ラインに沿って分割する分割方法に関する。
半導体ウェーハを個々のデバイスチップに分割する加工方法として、切削ブレードによる切削加工やパルスレーザー光線の照射によるアブレーション加工が知られている。また、例えば、デバイスチップをマザーボード(ウェーハ)などに固定し配線した後、配線とデバイスチップとを樹脂封止してから、樹脂とマザーボードとを切断分割してパッケージデバイスチップを生成している。そして、分割したパッケージデバイスチップの側面は、樹脂で覆われていることで外的環境における負荷要因による破損が抑制されている(例えば、特許文献1参照)。
このような分割加工では、ウェーハ表面に設定された分割予定ラインに沿って切削溝をウェーハに形成し、ウェーハの表面を樹脂で封止した後、ウェーハの外周をエッジトリミングして切削溝を露出させ、露出した切削溝の撮像画像を用いたアライメント(切断ラインの位置検出)を実施してから、切削溝に沿ってレーザー光線を照射しアブレーション加工によって分割している(例えば、特許文献2参照)。
特開2002-100709号公報 特開2018-107330号公報
しかし、上記のような分割加工で用いられる切削溝を形成する切削装置と、分割溝を形成するレーザー加工装置とは、別々の装置になるため、切削装置の切削送りにおけるヨーイングと、レーザー加工装置の加工送りおけるヨーイングとは異なる。ヨーイングとは、例えば、切削装置においては、切削手段の切削ブレードの加工送り方向(X軸方向)に対するY軸方向(割り出し送り方向)への姿勢変化、すなわち切削ブレードの幅方向における振れであり、ウェーハに形成される切削溝はヨーイングにより完全な直線とはならず僅かに蛇行している。
そのため、切削溝の溝幅の中心をレーザー加工して分割させて側面に樹脂が形成されたパッケージデバイスチップを形成させたいのに、切削装置とレーザー加工装置とではヨーイングする-Y方向と+Y方向との方向と距離とが異なるため切削溝の中心がレーザー加工されないことがあり、パッケージデバイスチップの側面の樹脂封止が不十分になるという問題がある。
また、上記問題は、被加工物がパッケージデバイスチップである場合に限らず、切削ブレードで被加工物であるウェーハをハーフカットしてウェーハを完全切断しない切削溝を形成した後、レーザー光線を該切削溝に照射してウェーハを分割するウェーハの分割方法全般において発生しうる問題である。
よって、被加工物を分割予定ラインに沿って分割する分割方法においては、切削ブレードで形成した切削溝の溝幅の中心に沿って被加工物にレーザー光線を照射して切削溝からY軸方向にはみ出すことなくレーザー加工するという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、格子状に形成された複数の分割予定ラインにより区画された領域にデバイスが形成された被加工物を該分割予定ラインに沿って切削ブレードで完全切断しない分割溝を形成した後、レーザー加工手段のレーザー発振器から発振されたレーザー光線を該分割溝に沿って照射し被加工物を分割する分割方法であって、該切削ブレードを備える切削装置の第1のチャックテーブルに被加工物を保持させる第1の保持工程と、該第1のチャックテーブルに保持された被加工物に該切削ブレードを切り込ませ該第1のチャックテーブルをX軸方向に切削送りさせ該分割予定ラインに沿って該分割予定ラインの幅内で該切削送りにおけるヨーイングを要因として蛇行した該分割溝を形成する分割溝形成工程と、該分割溝が形成された被加工物を該第1のチャックテーブルから離間させる離間工程と、該分割溝が形成された被加工物を該レーザー加工手段を備えるレーザー加工装置の第2のチャックテーブルに保持させる第2の保持工程と、該第2のチャックテーブルをX軸方向に移動させ、該レーザー加工手段が照射するレーザー光線の光軸で該第2のチャックテーブルに保持された被加工物の該分割溝を撮像し、該第2のチャックテーブルの該X軸方向の移動におけるヨーイングを要因とする該X軸方向に直交するY軸方向の該分割溝の中心に対する該レーザー光線の光軸のズレ量を測定して記憶する記憶工程と、該記憶工程で記憶したズレ量を補正値として該第2のチャックテーブルを該X軸方向に加工送りしながら、該補正値分Y軸方向に該レーザー加工手段と該第2のチャックテーブルとを相対的に移動させ、該蛇行した分割溝に沿ってレーザー加工するレーザー加工工程と、を備える被加工物の分割方法である。
本発明に係る被加工物の分割方法は、切削ブレードを備える切削装置の第1のチャックテーブルに被加工物を保持させる第1の保持工程と、第1のチャックテーブルに保持された被加工物に切削ブレードを切り込ませ第1のチャックテーブルをX軸方向に切削送りさせ分割予定ラインに沿って分割溝を形成する分割溝形成工程と、分割溝が形成された被加工物を第1のチャックテーブルから離間させる離間工程と、分割溝が形成された被加工物をレーザー加工手段を備えるレーザー加工装置の第2のチャックテーブルに保持させる第2の保持工程と、第2のチャックテーブルをX軸方向に移動させ、レーザー加工手段が照射するレーザー光線の光軸で第2のチャックテーブルに保持された被加工物の分割溝を撮像し、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝の中心に対するレーザー光線の光軸のズレ量を測定して記憶する記憶工程と、記憶工程で記憶したズレ量を補正値として第2のチャックテーブルをX軸方向に加工送りしながら、補正値分Y軸方向にレーザー加工手段と第2のチャックテーブルとを相対的に移動させ、レーザー加工するレーザー加工工程と、を備えているため、切削装置で切削した後、レーザー加工装置でアブレーション加工を被加工物に施してフルカットする際に、分割溝からY軸方向にレーザーがはみ出してレーザー加工してしまうことを防ぐことが可能となる。そのため、被加工物を確実に分割する事ができる。また、小片化したデバイスチップをウェーハに積層させて樹脂でモールドした被加工物を分割する時に、樹脂を切削加工して、ウェーハをアブレーション加工することがある。このとき、本発明に係る被加工物の分割方法では、レーザー照射により被加工物を分割した後に、デバイスチップ側面を確実に樹脂で保護した状態にする事ができる。
被加工物の一例を示す斜視図である。 第1のチャックテーブルに被加工物を保持し、被加工物に切削ブレードを切り込ませ第1のチャックテーブルをX軸方向に切削送りさせ分割予定ラインに沿って分割溝を形成する状態を説明する側面図である。 分割溝が形成された被加工物の表面の一部を示す平面図である。 レーザー加工装置の一例を示す斜視図である。 レーザー加工手段と撮像ユニットとの一例を示す説明図である。 第2のチャックテーブルをX軸方向に移動させ、レーザー加工手段が照射するレーザー光線の光軸で第2のチャックテーブルに保持された被加工物の分割溝を撮像し、Y軸方向のズレ量を測定して記憶している状態を説明する側面図である。 撮像画像の一例を示す平面図である。 分割溝の中心線からのレーザー光線の光軸の移動軌跡のズレ量を示す平面図である。 記憶工程で記憶したズレ量を補正値として第2のチャックテーブルをX軸方向に加工送りしながら、補正値分Y軸方向にレーザー加工手段と第2のチャックテーブルとを相対的に移動させてレーザー加工している状態を説明する側面図である。 レーザー加工によって分割された被加工物の一部を示す平面図である。
以下に、本発明に係る分割方法を実施して、図1に示す被加工物Wをチップに分割する場合について説明する。
図1に示す被加工物Wは、例えば、シリコンを母材とする外形が円形板状の半導体ウェーハであり、図1において上側を向いている表面Waには、直交差する複数の分割予定ラインSが形成されており、分割予定ラインSによって格子状に区画された各領域にはIC等のデバイスDがそれぞれ形成されている。被加工物Wの裏面Wbは、ダイシングテープTが貼着されて保護されている。なお、被加工物Wはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、セラミックス、樹脂、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよいし、その外形も円形状ではなく、例えば、矩形状に形成されていてもよい。また、被加工物Wは、環状フレームによってダイシングテープを介してハンドリング可能に支持されていてもよい。
例えば、被加工物Wは、その表面WaのデバイスD上にさらにデバイスチップが積層され配線が形成され、分割予定ラインSと共に該デバイスチップを覆うように表面Waが樹脂で封止されたパッケージウェーハであってもよい。
(1)第1の保持工程
図2に示す切削装置4は、第1のチャックテーブル40に保持された被加工物Wを切削送り手段41によって切削送り方向(X軸方向)に切削送りし、切削ブレード420を備える切削手段42によって切削加工を施す装置である。
切削送り手段41は、X軸方向に延在するボールネジ及び該ボールネジを回動させる駆動源であるモータ等からなるボールネジ機構である。
第1のチャックテーブル40は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり図示しない吸引源に連通する平坦な保持面40aで被加工物Wを吸引保持することができる。第1のチャックテーブル40は、第1のチャックテーブル40の底面側に配設された図示しない回転手段によりZ軸方向(鉛直方向)の軸心周りに回転可能となっている。
切削手段42は、軸方向が被加工物Wの切削送り方向(X軸方向)に対し水平方向に直交する割り出し送り方向(Y軸方向)であるスピンドル423を備えており、スピンドル423の先端には円環状の切削ブレード420が固定されている。
切削手段42の近傍には、被加工物Wの切削すべき位置を撮像して検出するためのアライメント手段49が配設されている。アライメント手段49は、被加工物の表面Waを撮像するアライメント用カメラ490を備えており、アライメント用カメラ490により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理によって被加工物Wの切削すべき分割予定ラインSの位置を検出することができる。
まず、被加工物Wが、表面Waが上側になるように第1のチャックテーブル40の保持面40a上に載置される。そして、図示しない吸引源により生み出される吸引力が保持面40aに伝達されることにより、第1のチャックテーブル40が保持面40a上で被加工物WをダイシングテープTを介して吸引保持する。なお、第1のチャックテーブル40の保持面40aの中心と吸引保持された被加工物Wの中心とは略合致した状態になる。
(2)分割溝形成工程
被加工物Wを保持する第1のチャックテーブル40が-X方向側に送り出され、被加工物Wの切削ブレード420を切り込ませるべき分割予定ラインSのY軸方向の座標位置がアライメント手段49により検出される。分割予定ラインSの位置が検出されるのに伴って、切削手段42がY軸方向に割り出し送りされ、切削すべき分割予定ラインSと切削ブレード420とのY軸方向における位置合わせが行われる。
スピンドル423が回転することに伴い、切削ブレード420が-Y方向側(紙面手前側)から見て時計回り方向に回転する。さらに、切削手段42が-Z方向に向かって切り込み送りされ、切削ブレード420の最下端が被加工物Wを完全に切断しない所定の高さ位置に切削手段42が位置付けられる。
被加工物Wを保持する第1のチャックテーブル40が所定の切削送り速度で-X方向側にさらに送り出されることで、回転する切削ブレード420が分割予定ラインSに沿って被加工物Wの表面Wa側から切り込んでいき、被加工物Wを完全切断しない所定深さの分割溝Mが形成されていく。切削ブレード420が一本の分割予定ラインSを切削し終えるX軸方向の所定の位置まで被加工物Wが送られると、被加工物Wの切削送りが一度停止され、切削ブレード420が被加工物Wから離間し、次いで、隣り合う分割予定ラインSの間隔ずつ切削ブレード420を+Y方向(紙面奥側)に割り出し送りしながら、被加工物W(第1のチャックテーブル40)が+X方向に移動し原点位置に戻る。そして、順次同様の切削を行うことにより、X軸方向の全ての分割予定ラインSに沿って分割溝Mを被加工物Wに形成する。さらに、第1のチャックテーブル40により被加工物Wを90度回転させてから同様の切削加工を行うことで、全ての分割予定ラインSに沿って分割溝Mを形成することができる。
上記切削送り手段41は、例えば、ガイドレールの歪み等を要因として第1のチャックテーブル40を必ずしもX軸方向に沿って正確に直動移動せしめるとは限らず、分割溝Mの形成において切削送り方向(X軸方向)と直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に数μm~数十μm程度のヨーイングが発生することがある。その結果、図3に示すように、分割溝Mは直線状の分割予定ラインSの中心線を通る正確な直線状にならず、分割予定ラインSの幅方向に僅かによれた曲線状となってしまうことがある。
(3)離間工程
次に、分割溝Mが形成された被加工物Wを第1のチャックテーブル40から離間させる。即ち、図示しない吸引パッド等が被加工物Wの表面Waを吸引保持し、第1のチャックテーブル40による被加工物Wの吸引保持が解除され、該吸引パッドによって被加工物Wが第1のチャックテーブル40の保持面40aから搬出され、図4に示すレーザー加工装置1に搬送される。
(4)第2の保持工程
分割溝Mが形成された被加工物Wが搬送される図4に示すレーザー加工装置1は、第2のチャックテーブル30に保持した被加工物Wにレーザー光線を照射して加工を施す加工装置である。
レーザー加工装置1の基台10上には、割り出し送り方向であるY軸方向に第2のチャックテーブル30を往復移動させるY軸移動ユニット20が備えられている。Y軸移動ユニット20は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ200と、ボールネジ200と平行に配設された一対のガイドレール201と、ボールネジ200を回動させるモータ202と、内部のナットがボールネジ200に螺合し底部がガイドレール201に摺接する可動板203とから構成される。そして、モータ202がボールネジ200を回動させると、これに伴い可動板203がガイドレール201にガイドされてY軸方向に移動し、可動板203上にX軸移動ユニット21を介して配設された第2のチャックテーブル30が可動板203の移動に伴いY軸方向に移動する。
可動板203上には、加工送り方向であるX軸方向に第2のチャックテーブル30を往復移動させるX軸移動ユニット21が備えられている。X軸移動ユニット21は、X軸方向の軸心を有するボールネジ210と、ボールネジ210と平行に配設された一対のガイドレール211と、ボールネジ210を回動させるモータ212と、内部のナットがボールネジ210に螺合し底部がガイドレール211に摺接する可動板213とから構成される。そして、モータ212がボールネジ210を回動させると、これに伴い可動板213がガイドレール211にガイドされてX軸方向に移動し、可動板213上に配設された第2のチャックテーブル30が可動板213の移動に伴いX軸方向に移動する。
被加工物Wを保持する第2のチャックテーブル30は、その外形が円形状であり、図示しない吸引源に連通し水平面である保持面30a上で被加工物Wを吸引保持する。第2のチャックテーブル30は底面側に配設された回転手段32により鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能である。第2のチャックテーブル30の周囲には、被加工物Wが図示しない環状フレームに支持された状態となっている場合に、該環状フレームを固定する固定クランプ33が、周方向に均等に4つ配設されている。
基台10の後方(+Y方向側)には、コラム10Aが立設されており、コラム10Aにはレーザー加工手段60が配設されている。
レーザー加工手段60は、例えば略直方体状のケーシング600を有している。ケーシング600は、コラム10Aから-Y方向に水平に突出しており、ケーシング600の先端部には、照射ヘッド609が配設されている。
ケーシング600内には、例えばYAGパルスレーザー等のレーザー発振器601が配設されており、レーザー発振器601から水平に出射されるレーザー光線は、図5に示すダイクロイックミラー608等の伝送光学系を介して-Z方向へ反射して照射ヘッド609の内部の集光レンズ609aに入光し、第2のチャックテーブル30で保持された被加工物Wに集光して照射される。レーザー光線の集光点の高さ位置は、図示しない集光点位置調整手段によりZ軸方向に調整可能となっている。例えば、レーザー発振器601と照射ヘッド609との間には、被加工物Wに照射するレーザー光線のパワーを調整するための図示しない出力調整手段が設けられている。
レーザー加工装置1は、例えば、図4、5に示す被加工物Wの分割溝Mを撮像する撮像ユニット67を備えている。本実施形態においては、撮像ユニット67は照射ヘッド609の集光レンズ609aに例えば可視光線を入光させ被加工物Wの分割溝Mの撮像を行う構成となっており、レーザー加工手段60が照射するレーザー光線の光軸と撮像ユニット67の光軸とは同一となっている。
撮像ユニット67は、例えば、図5に示すカメラ670と、被加工物Wに例えば可視光線を照射する照明手段671とを備えている。
照明手段671は、例えば、LED又はキセノンランプ等の光源671aを備えており、光源671aが生み出す光は、ピントが合う範囲の調整及び光量調整のための絞り671bとレンズ671cとを通り、ミラー671dによって下方に位置する被加工物Wに向けて反射される。その後、ビームスプリッター671e、ダイクロイックミラー608、集光レンズ609aを通過して被加工物Wの表面Waに照射される。
カメラ670は、上記ビームスプリッター671eに入光した被加工物Wの反射光を捉える対物レンズ670aと、対物レンズ670aが捉えた反射光を光電変換して画像情報として出力するCCD等の撮像素子670bと、を備えている。カメラ670によって撮像された被加工物Wの画像情報は、図4に示す制御手段9のズレ量測定部91に送信される。カメラ670の撮像視野の大きさは、例えば、少なくとも被加工物WのデバイスDよりも大きく形成されている。
図4に示すように、レーザー加工装置1は、装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。CPU及びメモリ等の記憶部90等で構成される制御手段9は、X軸移動ユニット21、Y軸移動ユニット20、及び回転手段32等に電気的に接続されており、制御手段9の制御の下で、X軸移動ユニット21による第2のチャックテーブル30の加工送り動作、Y軸移動ユニット20による第2のチャックテーブル30の割り出し送り動作、及び回転手段32による第2のチャックテーブル30の回転動作等が制御される。
例えば、Y軸移動ユニット20のモータ202及びX軸移動ユニット21のモータ212は、図示しないパルス発振器からドライバを介して供給される駆動パルスによって動作するパルスモータである。そして、制御手段9は、X軸移動ユニット21のモータ212に供給される駆動パルス数をカウントすることにより、第2のチャックテーブル30の加工送り速度を制御し、また、Y軸移動ユニット20のモータ202に供給される駆動パルス数をカウントすることにより第2のチャックテーブル30の割り出し送りされた位置を逐次認識することが可能となる。
例えば、Y軸移動ユニット20のモータ202及びX軸移動ユニット21のモータ212をサーボモータとし、サーボモータにロータリエンコーダが接続された構成としてもよい。この場合、ロータリエンコーダは、サーボアンプとしての機能も有する制御手段9に接続されており、制御手段9の出力インターフェイスからサーボモータに対して動作信号が供給された後、エンコーダ信号(サーボモータの回転数)を制御手段9の入力インターフェイスに対して出力する。そして、エンコーダ信号を受け取った制御手段9によって、第2のチャックテーブル30の加工送り速度が所望の速度となるようにフィードバック制御されつつ、また、第2のチャックテーブル30の割り出し送り位置が逐次認識される。
例えば、図4に示すように、基台10(可動板203)上にはガイドレール201(ガイドレール211)に沿ってY軸方向(X軸方向)に延在するスケール207(スケール217)が形成されており、可動板203(可動板213)には可動板203(可動板213)と共に移動する図示しない読み取り部が配設されていてもよい。読み取り部は、例えば、スケール207(スケール217)に形成された目盛りの反射光を読み取る光学式のものであり、読み取ったスケールの目盛りから第2のチャックテーブル30のY軸方向(X軸方向)における位置を測定でき、測定した該位置を制御手段9に送信するものとしてもよい。
第2の保持工程においては、被加工物Wが、表面Waが上側になるように第2のチャックテーブル30の保持面30a上に載置される。そして、図示しない吸引源により生み出される吸引力が保持面30aに伝達されることにより、第2のチャックテーブル30が保持面30a上で被加工物WをダイシングテープTを介して吸引保持する。なお、第2のチャックテーブル30の保持面30aの中心と吸引保持された被加工物Wの中心とは略合致した状態になる。
(5)記憶工程
次に、第2のチャックテーブル30をX軸方向に移動させ、レーザー加工手段60が照射するレーザー光線の光軸で第2のチャックテーブル30に保持された被加工物Wの分割溝Mを撮像し、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mの中心に対するレーザー光線の光軸のズレ量を測定して記憶する記憶工程を実施する。
具体的には、例えば、図4に示すX軸移動ユニット21によって、第2のチャックテーブル30が例えば-X方向に送られて、第2のチャックテーブル30上の被加工物Wが照射ヘッド609の直下に位置付けられた後、撮像ユニット67により被加工物Wの表面Waが撮像される。撮像ユニット67による本撮像は、被加工物Wの分割予定ラインSをX軸方向と平行に合わせるθ合わせ(平行出し)のために実施される。
撮像ユニット67のカメラ670のピントが被加工物Wの表面Waに合うようにオートフォーカスが行われた後、撮像ユニット67により被加工物Wの表面Waが撮像される。そして、例えば、X軸方向に延びる一本の分割予定ラインSに隣接しX軸方向において互いに離れた位置にある2つのデバイスDを対象とし、デバイスDが写った2つの撮像画像が形成される。そして、例えば制御手段9が、2つの撮像画像中のデバイスDの表面に形成されたパターンと、予め記憶しているターゲットパターンとのマッチングを行い、2つの撮像画像中の各ターゲットパターンを検出する。そして、この2つのターゲットパターンのY軸方向における座標が一致するように、第2のチャックテーブル30が所定の角度θだけ回転することで、X軸方向に延びる分割予定ラインSをX軸方向と平行に合わせることができる。なお、該θ合わせを行わなくてもよい。
また、制御手段9は、該撮像画像等を基にパターンマッチング等の画像処理を実施し、第2のチャックテーブル30によって吸引保持された被加工物Wのレーザー光線を照射する分割予定ラインSのY軸座標位置の検出(アライメント)を行う。
制御手段9は、レーザー加工装置1上における第2のチャックテーブル30のX軸Y軸座標位置を常に把握しており、また、被加工物Wのインデックスサイズも記憶部90に予め記憶している。これらの情報から、例えば、上記のようにθ合わせ及び分割予定ラインSのアライメントが行われた後、第2のチャックテーブル30の保持面30aの中心を通る1本の分割予定ラインSに沿って形成された分割溝M、又は、保持面30aの中心に最も近い1本の分割予定ラインSに沿って形成された分割溝M、換言すれば、被加工物Wに形成された分割溝Mの内最も長い分割溝Mが撮像ユニット67の撮像対象として選定される。該最も長い分割溝Mを以下、撮像対象の分割溝Mc(図6、7参照)とする。
例えば、制御手段9による制御の下で、Y軸移動ユニット20が可動板203をY軸方向に移動させるとともに、X軸移動ユニット21が可動板213をX軸方向に移動させて、図6に示す被加工物Wの撮像対象の分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの一端が照射ヘッド609の直下に位置付けられる。即ち、撮像ユニット67のカメラ670のピントが被加工物Wの表面Waに合った状態で、撮像ユニット67の光軸が、分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線に合うように位置付けられる。これは、例えば、カメラ670の撮像視野に設定されたヘアラインと呼ばれる基準線が、分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの幅内に設定された状態である。
なお、ヘアラインは、分割溝Mcの幅で平行に延在する2本の線であってもよいし、分割予定ラインSの幅の中心を通る中心線に合わせて設定された1本の線であってもよい。(以下は、ヘアラインが1本の線の場合について記載する。)
第2のチャックテーブル30が-X方向に送られつつ、撮像ユニット67により被加工物Wの分割溝McがX軸方向において連続的に撮像されていく。即ち、撮像ユニット67において、照明手段671が例えば可視光線を下方に照射して被加工物Wの表面Waを照らし、そして、被加工物Wからの反射光が光学系を通じ撮像素子670bに受光され、分割溝Mc、デバイスD、及び分割予定ラインSが写った図7に示す撮像画像G1や、さらに複数の撮像画像が形成される。なお、第2のチャックテーブル30のX軸方向における送り速度は、後述するレーザー加工工程における第2のチャックテーブル30の所定の加工送り速度と同じくしてもよい。
撮像ユニット67は、被加工物Wの表面Waの1本の分割溝Mcについての各撮像画像(分割溝Mcが所定の長さ分写った撮像画像)を図4に示す制御手段9に順次送信する。該画像情報は、制御手段9の記憶部90に被加工物Wの1本の分割溝Mcの全体画像を構成可能に順番に記録される。なお、記憶部90は、各撮像画像が撮像ユニット67によって撮像された際の第2のチャックテーブル30のX軸座標位置と、それに対応する撮像画像とを紐付けて記憶する。
撮像ユニット67のX軸方向における撮像間隔は、例えば撮像ユニット67の撮像視野の大きさによって決まり、一本の分割溝Mcの上方を撮像ユニット67が通過しきるX軸方向の所定位置まで第2のチャックテーブル30が-X方向に進行した際に、例えば一本の分割溝Mc中に撮像されていない箇所が生じないように決められると好ましい。なお、撮像間隔をもっと空けて撮像してもよい。
X軸移動ユニット21は、例えば、ガイドレール211の歪み等を要因として第2のチャックテーブル30を必ずしもX軸方向に沿って正確に直動移動せしめるとは限らず、分割溝Mcの撮像において加工送り方向(X軸方向)と直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に数μm~数十μm程度のヨーイングが発生することがある。その結果、ヘアラインが分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線に合うように設定されているカメラ670が、ヨーイングによってY軸方向において分割予定ラインSの中心線から数μm~数十μm程度ずれた撮像画像を形成していく。
例えば、一本の分割溝Mcの上方を撮像ユニット67が通過しきるX軸方向の所定位置まで第2のチャックテーブル30が-X方向に進行した後に、記憶部90に記憶されている複数の撮像画像(例えば、図8に示す撮像画像G2~G5)から、図8に示す1本の分割溝Mcの全体が写った二点鎖線で示す撮像画像GAが形成される。なお、図8においては撮像画像GAを構成する一部、即ち、個々の撮像画像G2~G5を示している。
撮像画像G2は、レーザー加工装置1におけるヨーイングにより、撮像ユニット67の光軸が分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線から-Y方向側にずれて撮像された撮像画像である。撮像画像G3は、レーザー加工装置1におけるヨーイングが無く、撮像ユニット67の光軸が分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線に合った状態で撮像された撮像画像である。撮像画像G4は、レーザー加工装置1におけるヨーイングにより、撮像ユニット67の光軸が分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線から+Y方向側にずれて撮像された撮像画像である。撮像画像G5は、レーザー加工装置1におけるヨーイングにより、撮像ユニット67の光軸が分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線から+Y方向側にさらにずれて撮像された撮像画像である。
図4に示す制御手段9のズレ量測定部91は、図8に示す撮像画像GAの各画素の輝度の違いを基にして、所定の輝度の画素からなる分割溝Mcを検出する。そして、任意の複数のX軸座標位置における分割溝McにおけるY軸方向の画素の総和をカウントして分割溝Mcの幅を算出し、さらに、図8に示す分割溝Mcの点線で示す中心線Lc(分割溝Mcの幅の中心)を検出する。
また、ズレ量測定部91は、予め把握している分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線のY軸座標位置に対して、個々の撮像画像G2~G5が分割予定ラインSの中心線からのY軸方向においてどれだけズレて撮像されたか、即ち、例えば、ヘアラインが分割予定ラインSの中心線からどれだけズレて撮像されたかを算出し、レーザー加工装置1のヨーイングを要因とする撮像ユニット67の一点鎖線で示すX軸方向に延びる移動軌跡を検出する。該移動軌跡は、本実施形態においてレーザー加工手段60が照射するレーザー光線の光軸と撮像ユニット67の光軸とは同一となっていることから、仮にレーザー加工手段60から被加工物Wの分割溝Mcが形成された分割予定ラインSにレーザー光線を照射した場合における、ヨーイング発生を考慮したレーザー光線の光軸の移動軌跡Ld(レーザー光線が照射されると予想される軌跡)となる。
さらに、ズレ量測定部91は、例えば、図8に示す分割溝Mcの点線で示す中心線Lcとレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldとの任意の複数のX軸座標位置におけるY軸方向の距離、換言すれば、レーザー加工装置1におけるX軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mcの中心線Lcからのレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldのズレ量を、画素数をカウントすることで算出する。一例として、記憶部90に記憶されている各撮像画像G2~G5が撮像ユニット67によって撮像された際の第2のチャックテーブル30のX軸座標位置x2~x5におけるズレ量B2~B5が、ズレの方向(-Y方向側にずれているか、又は+Y方向側にずれているか)とともに算出される。そして、該ズレ量B2~B5は、第2のチャックテーブル30のレーザー加工装置1上におけるX軸座標位置x2~x5とそれぞれ紐付けされて、記憶部90に記憶される。
なお、図8に示す例においては、各撮像画像G2~G5中でズレ量を1つずつしか算出していないが、各撮像画像G2~G5中でズレ量を複数算出してもよいし、各撮像画像G2~G5中において複数算出したズレ量の平均値をそれぞれ算出して、該それぞれの平均値を、X軸座標位置x2~x5中におけるそれぞれのズレ量としてもよい。
(6)レーザー加工工程
次に、記憶工程で記憶した上記ズレ量を補正値として第2のチャックテーブル30をX軸方向に加工送りしながら、補正値分Y軸方向に図4に示すレーザー加工手段60と第2のチャックテーブル30とを相対的に移動させ、レーザー加工していく。
具体的には、図9に示すように、第2のチャックテーブル30がY軸方向に移動され、レーザー加工手段60の照射ヘッド609と、例えば先に実施したアライメントにより把握されている分割溝Mcが形成されている1本の分割予定ラインSとのY軸方向における位置合わせがなされる。該位置合わせによって、撮像ユニット67の光軸と同軸であるレーザー加工手段60の光軸が、分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの中心線に合うように位置付けられる。なお、該位置合わせは、分割溝Mcでない他の分割溝Mが形成された分割予定ラインSに対してレーザー加工手段60の照射ヘッド609がY軸方向において位置合わせされてもよい。
次いで、集光レンズ609aによって集光されるレーザー光線の集光点位置が、例えば被加工物Wの分割溝Mの底面の高さ位置に合わせられる。そして、レーザー発振器601が、被加工物Wに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を発振する。発振されたレーザー光線は、照射ヘッド609の内部の集光レンズ609aに入光し、第2のチャックテーブル30で保持された被加工物Wに集光され照射される。その結果、被加工物Wの分割溝Mの底がアブレーションされて、分割溝Mが-Z方向に被加工物Wを分断するように伸長する。
第2のチャックテーブル30が、例えば-X方向(往方向)に所定の加工送り速度で加工送りされることで、分割溝Mcに沿って被加工物Wにレーザー光線が照射されていく。また、制御手段9による制御の下で、第2のチャックテーブル30が、Y軸方向にズレ量(補正値)分適宜移動することで、分割溝Mcに沿ってレーザー光線が追従するようにして分割溝Mcからはみ出すことなく被加工物Wに照射されていき図10に示すレーザー加工溝Ncが形成されていく。即ち、例えば、第2のチャックテーブル30が、レーザー加工装置1上における図8に示すX軸座標位置x2に移動すると共に、制御手段9の記憶部90に記憶されているズレ量B2、即ち、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mcの中心線Lcからのレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldの-Y方向へのズレ量B2分、制御手段9による制御の下で第2のチャックテーブル30が+Y方向に割り出し送りされる。その結果、分割溝Mcの中心線Lc上にレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldが重なる。
さらに、第2のチャックテーブル30が、レーザー加工装置1上におけるX軸座標位置x3に向かって移動していくが、X軸座標位置x3のおける制御手段9の記憶部90に記憶されているズレ量B3、即ち、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mcの中心線Lcからのレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldのズレ量=0であるため、制御手段9による制御の下で第2のチャックテーブル30がY軸方向に割り出し送りされない。
さらに、同様に、第2のチャックテーブル30が、レーザー加工装置1上におけるX軸座標位置x4、x5に順に移動していくと、制御手段9の記憶部90に記憶されているズレ量B4、B5、即ち、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mcの中心線Lcからのレーザー光線の光軸の移動軌跡Ldの+Y方向へのズレ量B4分、+Y方向へのズレ量B5分、制御手段9による制御の下で第2のチャックテーブル30が+Y方向側に順に割り出し送りされる。
その結果、図10に示すように、分割溝McからY軸方向にレーザー光線がはみ出してレーザー加工してしまうことを防ぐことが可能となる。そのため、被加工物Wを分割溝Mcの底に形成されていくレーザー加工溝Ncに沿って確実に分割する事ができる。
分割溝Mcが形成された分割予定ラインSに沿って被加工物Wにレーザー光線を照射し終えるX軸方向の所定の位置まで被加工物Wが-X方向に進行した後、レーザー光線の照射を停止するとともに被加工物Wの-X方向(往方向)での加工送りを一度停止させる。次いで、図9に示す第2のチャックテーブル30をY軸方向に割り出し送りし、往方向においてレーザー光線照射がなされた分割溝Mcが形成された分割予定ラインSの隣に位置する分割予定ラインSと照射ヘッド609との位置合わせが先と同様に行われる。
例えば、被加工物Wに形成された分割溝Mの内最も長い分割溝Mcを撮像して得られた上記ズレ量が、他の分割溝Mにレーザー光線照射を行う際においても適用される。即ち、ズレ量は、図2に示す第1のチャックテーブル40がX軸方向に移動したときのヨーイングと図9に示す第2のチャックテーブル30がX軸方向に移動したときとの差であるため、例えば、図8に示す第2のチャックテーブル30のX軸座標位置x2~x5におけるズレ量B2~B5は、第2のチャックテーブル30のY軸方向位置が変わっても同様であると考えられるためである。
また、ズレ量の測定は、第2のチャックテーブル30を+X方向に移動するときに実施され、第2のチャックテーブル30を-X方向に移動するときにレーザー加工溝Nを加工してもよい。また、レーザー加工溝Nの加工は、第2のチャックテーブル30を+X方向、-X方向どちらの方向で実施してもよい。
図9に示す第2のチャックテーブル30が、例えば+X方向(復方向)に所定の加工送り速度で加工送りされることで、分割溝Mに沿って被加工物Wにレーザー光線が照射されていく。また、制御手段9による制御の下で、第2のチャックテーブル30が、Y軸方向にズレ量(補正値)分適宜移動することで、分割溝Mに沿ってレーザー光線が追従するようにして分割溝Mからはみ出すことなく被加工物Wに照射されていき図10に示すレーザー加工溝Nが形成されていく。即ち、例えば、+X方向に向かう第2のチャックテーブル30が、レーザー加工装置1上におけるX軸座標位置x5に移動すると共に、制御手段9の記憶部90に記憶されている図8に示すズレ量B5、即ち、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mの中心線からのレーザー光線の光軸の移動軌跡の+Y方向へのズレ量B5分、制御手段9による制御の下で第2のチャックテーブル30が-Y方向に割り出し送りされる。その結果、分割溝Mの中心線上にレーザー光線の光軸の移動軌跡が重なる。
順次同様にX軸方向に延びる全ての各分割溝Mの底にレーザー光線を照射していき、被加工物Wをレーザー加工溝Nにより分断していく。さらに、第2のチャックテーブル30を90度回転させてから同様のレーザー光線の照射を被加工物Wの分割溝Mに対して行うと、図10に示すように、縦横全ての分割溝Mからはみ出さないレーザー加工溝Nによって被加工物Wを個々のチップに分割することが可能となる。
上記のように本発明に係る被加工物Wの分割方法は、切削ブレード420を備える切削装置4の第1のチャックテーブル40に被加工物Wを保持させる第1の保持工程と、第1のチャックテーブル40に保持された被加工物Wに切削ブレード420を切り込ませ第1のチャックテーブル40をX軸方向に切削送りさせ分割予定ラインSに沿って分割溝Mを形成する分割溝形成工程と、分割溝Mが形成された被加工物Wを第1のチャックテーブル40から離間させる離間工程と、分割溝Mが形成された被加工物Wをレーザー加工手段60を備えるレーザー加工装置1の第2のチャックテーブル30に保持させる第2の保持工程と、第2のチャックテーブル30をX軸方向に移動させ、レーザー加工手段60が照射するレーザー光線の光軸で第2のチャックテーブル30に保持された被加工物Wの分割溝Mcを撮像し、X軸方向に直交するY軸方向の分割溝Mcの中心に対するレーザー光線の光軸のズレ量を測定して記憶する記憶工程と、記憶工程で記憶したズレ量を補正値として第2のチャックテーブル30をX軸方向に加工送りしながら、補正値分Y軸方向にレーザー加工手段60と第2のチャックテーブル30とを相対的に移動させ、レーザー加工するレーザー加工工程と、を備えているため、切削装置4で切削した後、レーザー加工装置1でアブレーション加工を被加工物Wに施してフルカットする際に、分割溝MからY軸方向にレーザー光線がはみ出してレーザー加工してしまうことを防ぐことが可能となる。そのため、被加工物Wを確実に分割する事ができる。また、被加工物Wが、例えば小片化したデバイスチップをウェーハに積層させて樹脂でモールドした被加工物である場合に、被加工物をチップに分割する時に、樹脂を切削加工してから、さらにウェーハをアブレーション加工して分割することがある。このとき、本発明に係る被加工物の分割方法では、レーザー光線の照射により被加工物を分割した後に、デバイスチップ側面を確実に樹脂で保護した状態にする事ができる。
なお、本発明に係る被加工物の分割方法は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている切削装置4及びレーザー加工装置1等の構成についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係る被加工物の分割方法において、分割溝Mの1ライン毎に、記憶工程と、レーザー加工工程とを繰り返して実施してもよい。これは、例えばレーザー加工工程を実施中に、被加工物Wが加工熱によって熱膨張し寸法が僅かに変化する場合があるが、分割溝Mの1ライン毎に記憶工程とレーザー加工工程とを繰り返して実施するものとすることで、熱膨張による寸法の変化を補正してさらに正確な加工を実施していくことが可能となる。
また、記憶工程で記憶したズレ量(補正値)のうち許容値外のもの、即ち、第2のチャックテーブル30の補正値分の割り出し送りではX軸方向の加工送りに追従できない可能性(補正値部割り出し送りしても分割溝Mからレーザー加工溝Nがはみ出してしまう可能性)がある場合には、制御手段9は、例えば、本被加工物Wはレーザー加工に適さない被加工物であるとのエラーを出すようにしてもよい。
また、レーザー加工工程において、ズレ量が大きくなるほど第2のチャックテーブル30の加工送り速度が小さく可変されてもよい。これは、被加工物Wの割り出し送り方向(Y軸方向)における移動による分割溝Mに対するレーザー光線の追従性が適切に担保されるようにするためである。また、これに合わせて、ズレ量(補正値)が大きくなるほどレーザー光線の出力が小さく可変されてもよい。これは、加工送り速度の低下に伴って被加工物W上のレーザー光線照射位置の移動も遅くなるため、これに合わせて被加工物Wがレーザー光線から吸収するエネルギーが低くなるようにして、分割溝Mの全長に沿って被加工物Wに均一的にエネルギーが吸収されるようにするためである。
W:被加工物 Wa:被加工物の表面 S:分割予定ライン D:デバイス Wb:被加工物の裏面 T:ダイシングテープ
4:切削装置 40:第1のチャックテーブル 40a:保持面
41:切削送り手段 42:切削手段 420:切削ブレード 423:スピンドル
49:アライメント手段 490:アライメント用カメラ
M:分割溝
1:レーザー加工装置 10:基台 10A:コラム
20:Y軸移動ユニット 200:ボールネジ 201:ガイドレール 202:モータ
203:可動板
21:X軸移動ユニット 210:ボールネジ 211:ガイドレール 202:モータ
203:可動板
60:レーザー加工手段 600:ケーシング
601:レーザー発振器
609:照射ヘッド 609a:集光レンズ 608:ダイクロイックミラー
67:撮像ユニット 670:カメラ 670a:対物レンズ 670b:撮像素子
671:照明手段 671a:光源 671d:ミラー 671e:ビームスプリッター
9:制御手段 90:記憶部 91:ズレ量測定部

Claims (1)

  1. 格子状に形成された複数の分割予定ラインにより区画された領域にデバイスが形成された被加工物を該分割予定ラインに沿って切削ブレードで完全切断しない分割溝を形成した後、レーザー加工手段のレーザー発振器から発振されたレーザー光線を該分割溝に沿って照射し被加工物を分割する分割方法であって、
    該切削ブレードを備える切削装置の第1のチャックテーブルに被加工物を保持させる第1の保持工程と、
    該第1のチャックテーブルに保持された被加工物に該切削ブレードを切り込ませ該第1のチャックテーブルをX軸方向に切削送りさせ該分割予定ラインに沿って該分割予定ラインの幅内で該切削送りにおけるヨーイングを要因として蛇行した該分割溝を形成する分割溝形成工程と、
    該分割溝が形成された被加工物を該第1のチャックテーブルから離間させる離間工程と、
    該分割溝が形成された被加工物を該レーザー加工手段を備えるレーザー加工装置の第2のチャックテーブルに保持させる第2の保持工程と、
    該第2のチャックテーブルをX軸方向に移動させ、該レーザー加工手段が照射するレーザー光線の光軸で該第2のチャックテーブルに保持された被加工物の該分割溝を撮像し、該第2のチャックテーブルの該X軸方向の移動におけるヨーイングを要因とする該X軸方向に直交するY軸方向の該分割溝の中心に対する該レーザー光線の光軸のズレ量を測定して記憶する記憶工程と、
    該記憶工程で記憶した該ズレ量を補正値として該第2のチャックテーブルを該X軸方向に加工送りしながら、該補正値分Y軸方向に該レーザー加工手段と該第2のチャックテーブルとを相対的に移動させ、該蛇行した分割溝に沿ってレーザー加工するレーザー加工工程と、を備える被加工物の分割方法。
JP2019041509A 2019-03-07 2019-03-07 被加工物の分割方法 Active JP7323304B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041509A JP7323304B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 被加工物の分割方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041509A JP7323304B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 被加工物の分割方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020145337A JP2020145337A (ja) 2020-09-10
JP7323304B2 true JP7323304B2 (ja) 2023-08-08

Family

ID=72354536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019041509A Active JP7323304B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 被加工物の分割方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7323304B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100709A (ja) 2000-09-21 2002-04-05 Hitachi Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2009295899A (ja) 2008-06-09 2009-12-17 Disco Abrasive Syst Ltd 板状物の分割方法
JP2016219564A (ja) 2015-05-19 2016-12-22 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法
JP2017064746A (ja) 2015-09-29 2017-04-06 株式会社東京精密 レーザー加工装置及びレーザー加工方法
US20170294391A1 (en) 2015-01-14 2017-10-12 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Dicing techniques for power transistors
JP2018107330A (ja) 2016-12-27 2018-07-05 株式会社ディスコ パッケージデバイスチップの製造方法及び加工装置
JP2018120913A (ja) 2017-01-24 2018-08-02 株式会社ディスコ レーザー加工装置
JP2018190856A (ja) 2017-05-09 2018-11-29 株式会社ディスコ レーザ加工方法
JP2019058912A (ja) 2017-09-25 2019-04-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工ヘッド及びそれを備えたレーザ加工装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100709A (ja) 2000-09-21 2002-04-05 Hitachi Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2009295899A (ja) 2008-06-09 2009-12-17 Disco Abrasive Syst Ltd 板状物の分割方法
US20170294391A1 (en) 2015-01-14 2017-10-12 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Dicing techniques for power transistors
JP2016219564A (ja) 2015-05-19 2016-12-22 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法
JP2017064746A (ja) 2015-09-29 2017-04-06 株式会社東京精密 レーザー加工装置及びレーザー加工方法
JP2018107330A (ja) 2016-12-27 2018-07-05 株式会社ディスコ パッケージデバイスチップの製造方法及び加工装置
JP2018120913A (ja) 2017-01-24 2018-08-02 株式会社ディスコ レーザー加工装置
JP2018190856A (ja) 2017-05-09 2018-11-29 株式会社ディスコ レーザ加工方法
JP2019058912A (ja) 2017-09-25 2019-04-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工ヘッド及びそれを備えたレーザ加工装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020145337A (ja) 2020-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4977411B2 (ja) レーザー加工装置
JP5010978B2 (ja) レーザー加工装置
US8049133B2 (en) Laser beam machining apparatus
US9724783B2 (en) Laser processing apparatus
JP4813993B2 (ja) ウエーハのレーザー加工方法
CN106925897B (zh) 晶片的加工方法
KR20180105079A (ko) 레이저 가공 장치
JP4110219B2 (ja) レーザーダイシング装置
US20110266266A1 (en) Laser processing machine
JP4814187B2 (ja) チャックテーブルに保持された被加工物の高さ位置検出装置
CN106346131B (zh) 激光加工装置
KR102448222B1 (ko) 레이저 가공 방법
JP2009145292A (ja) 被加工物のエッジ検出装置およびレーザー加工機
JP5242278B2 (ja) レーザー加工装置
JP2006187782A (ja) レーザー加工装置
JP2008060164A (ja) ウエーハのレーザー加工方法
JP5394172B2 (ja) 加工方法
JP2017217673A (ja) レーザー光線の検査方法
US9149886B2 (en) Modified layer forming method
TWI774950B (zh) 雷射光線的焦點位置檢測方法
JP2010064125A (ja) レーザー加工装置
JP2010145230A (ja) チャックテーブルに保持された被加工物の高さ位置計測装置
JP2010064106A (ja) レーザー加工装置
JP7323304B2 (ja) 被加工物の分割方法
JP7269090B2 (ja) 被加工物の分割方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7323304

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150