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JP7322829B2 - 産業車両の油圧制御装置 - Google Patents

産業車両の油圧制御装置 Download PDF

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JP7322829B2 JP2020121809A JP2020121809A JP7322829B2 JP 7322829 B2 JP7322829 B2 JP 7322829B2 JP 2020121809 A JP2020121809 A JP 2020121809A JP 2020121809 A JP2020121809 A JP 2020121809A JP 7322829 B2 JP7322829 B2 JP 7322829B2
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Description

この発明は、産業車両の油圧制御装置に関する。
産業車両の油圧制御装置に関する従来の技術としては、例えば、特許文献1に開示された産業車両の荷役レバー固定装置が知られている。特許文献1に開示された産業車両の荷役レバー固定装置は、荷役装置を操作するための荷役レバーと、荷役装置駆動制御用の油圧コントロールバルブと、荷役レバーに揺動可能に連結されたジョイントバーと、ジョイントバーと油圧コントロールバルブのスプールとの間に連結されたスプールジョイントと、スプールジョイントに形成された被係止部と、被係止部に係脱可能であって荷役レバーの中立位置で係止しスプールジョイントをロック可能な係止部と、を備えている。スプールジョイントは、スプールと揺動不能に連結される一方、ジョイントバーとは揺動可能に連結されている。
特許文献1に開示された産業車両の荷役レバー固定装置によれば、オペレータが着座しているときは、スプリングに抗して係止部を被係止部から離反させ、係止部と被係止部とを非係止状態に保持するので、荷役レバーを操作することができる。この状態からオペレータが離席すると、係止部が押し出されて、係止部が被係止部に係止し、スプールジョイントがロックされることにより、荷役レバーが操作不能となる。
特開2015-40081号公報
しかしながら、特許文献1に開示された産業車両の荷役レバー固定装置は、スプールジョイントを機械的にロックする構成であるため、ロックされている状態でオペレータが荷役レバーを操作すると装置が破損するという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、キースイッチがキーONとされたとき、操作レバーが作動位置であってもアクチュエータが作動されず、操作レバーを操作しても破損することのない産業車両の油圧制御装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、エンジンにより駆動され、作動油を汲み上げる油圧ポンプと、前記油圧ポンプにより吐出された作動油により作動するアクチュエータと、前記油圧ポンプと前記アクチュエータとを接続する作動油流路と、前記作動油流路に設けられ、作動油の流れる方向を制御するコントロール弁と、を有する産業車両の油圧制御装置において、前記アクチュエータを作動させる操作レバーの位置を検出する位置検出器と、前記エンジンを始動するキースイッチと、前記油圧ポンプから吐出された作動油をタンクへ戻すアンロード用切換弁と、前記エンジンを制御するともに、前記アンロード用切換弁を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記キースイッチがキーONとされたとき、前記アンロード用切換弁を開状態とし、前記位置検出器が前記操作レバーの中立位置を示すとき、前記アンロード用切換弁を閉状態とすることを特徴とする。
本発明では、キースイッチがキーONとされたとき、アンロード用切換弁が開状態とされるので、操作レバーが作動位置であっても、油圧ポンプから吐出される作動油はコントロール弁からアンロード油路およびアンロード用切換弁を通り、作動油のタンクに戻る。その結果、アクチュエータは、操作レバーが作動位置であっても作動されない。つまり、キースイッチがキーONとされてもアクチュエータは直ちに作動されることはない。また、操作レバーを操作しても破損することはない。
上記の産業車両の油圧制御装置において、前記コントローラは、前記キースイッチがキーONとされたとき、前記アンロード用切換弁を開状態とし、前記位置検出器が前記操作レバーの中立位置を示さないとき、予め設定した設定時間の経過後に前記アンロード用切換弁を閉状態とする構成としてもよい。
この場合、位置検出器が故障であっても、予め設定した設定時間の経過後にアンロード用切換弁を閉状態とすることで、アクチュエータの操作レバーの操作による作動が可能となる。
上記の産業車両の油圧制御装置において、前記アンロード用切換弁は、前記コントロール弁と前記タンクとを接続するアンロード油路に設けられている構成としてもよい。
この場合、作動油がコントロール弁を通過した後、アンロード用切換弁を通じて作動油のタンクに戻すことができる。
本発明によれば、キースイッチがキーONとされたとき、操作レバーが作動位置であってもアクチュエータが作動されず、操作レバーを操作しても破損することのない産業車両の油圧制御装置を提供できる。
第1の実施形態に係るフォークリフトの側面図である。 第1の実施形態に係るフォークリフトの油圧制御装置の概略構成図である。 第1の実施形態に係るフォークリフトの油圧制御装置の制御フローを示す図である。 第2の実施形態に係る産業車両のフォークリフトの油圧制御装置の制御フローを示す図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る産業車両の油圧制御装置について図面を参照して説明する。本実施形態では、産業車両としてのフォークリフトの油圧制御装置(以下、単に「油圧制御装置」と表記する)について例示して説明する。
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11の前部に荷役装置12を備えている。車体11の中央付近には運転席13が設けられている。車体11の前部には前輪としての駆動輪14が設けられ、車体11の後部には後輪としての操舵輪15が設けられている。車体11には、走行および荷役のための動力源としてのエンジン16が搭載されている。エンジン16はディーゼルエンジン又はガソリンエンジン等の内燃機関である。エンジン16の回転力は動力伝達装置(図示せず)を介して駆動輪14に伝達される。
荷役装置12はアウタマスト18およびインナマスト19を有するマスト20を備えている。左右一対のアウタマスト18には、アウタマスト18の内側にてスライド可能なインナマスト19が備えられている。マスト20には作動油により作動する単動式のリフトシリンダ21が設けられている。リフトシリンダ21の作動により、インナマスト19がアウタマスト18内でスライドして昇降する。マスト20には左右一対のフォーク22がリフトブラケット23を介して設けられ、リフトブラケット23はインナマスト19に対して昇降するように設けられている。車体11とアウタマスト18との間には、作動油により作動する復動式のティルトシリンダ24が設置されている。マスト20はティルトシリンダ24の作動によりマスト20の下端部を支点として前後方向に傾動する。
運転席13の前部には、リフトシリンダ21を作動させてフォーク22を昇降させるためのリフトレバー25と、ティルトシリンダ24を作動させてマスト20を傾動させるためのティルトレバー(図示せず)とが設けられている。リフトレバー25は、リフトレバー25の前傾による上昇位置、後傾による下降位置および上昇位置および下降位置の中間の中立位置が設定されている。また、ティルトレバーは、ティルトレバーを前傾するとマスト20は前傾し、ティルトレバーを後傾するとマスト20は後傾する。リフトレバー25およびティルトシリンダ24は荷役レバーに相当し、リフトレバー25は操作レバーに相当する。また、本実施形態では、リフトレバー25の上昇位置が操作レバーの作動位置に相当する。
図2に示すように、リフトレバー25の位置を検出する位置検出器27が備えられており、位置検出器27は、リフトレバー25の位置(上昇位置、中立位置、下降位置)に応じた電気信号に変換して出力する。出力された電気信号は車体11に搭載されたコントローラ28に入力される。コントローラ28はフォークリフト10の各部を制御する。コントローラ28は、エンジン16を制御するほかフォークリフト10の各部を制御する。コントローラ28は、図示はされないが演算処理部、記憶部、入力部および出力部を有する。演算処理部は各種の演算や制御プログラムを実行する。記憶部には、各種の制御プログラムやデータが記憶される。入力部には、位置検出器27、キースイッチ29およびフォークリフト10の各部からの信号が入力される。出力部はコントローラ28から制御の対象となるフォークリフト10の各部へ信号を出力する。
フォークリフト10の運転席13にはエンジン16を始動するためのキースイッチ29が設けられている。キースイッチ29はエンジン16を制御するコントローラ28と接続されている。オペレータがキーをキースイッチ29に挿入してキーONに位置させると、ON信号がコントローラ28へ伝達され、エンジン16がコントローラ28により始動する。オペレータがキーをキーOFFに位置させるとエンジン16が停止する。
図2に示すように、本実施形態の油圧制御装置30は、リフトシリンダ21を制御する装置である。油圧制御装置30は、エンジン16と、エンジン16により駆動される油圧ポンプ31とを備えている。油圧ポンプ31は、作動油を吸い込むための吸込口32と、作動油を吐出するための吐出口33とを有している。油圧ポンプ31は一方向に回転する。
油圧ポンプ31の吸込口32は、第1油圧配管34を介してタンク35と接続されている。タンク35は作動油を貯留する機能を有する。油圧ポンプ31は、リフトレバー25による上昇操作時にはリフトシリンダ21に作動油を供給するポンプとして機能する。
油圧ポンプ31の吐出口33は、第2油圧配管36を介してリフト切換弁37と接続されている。吐出口33とリフト切換弁37とを接続する第2油圧配管36には、吐出口33からリフト切換弁37へ向かう方向のみ作動油を通す逆止弁38が設けられている。リフト切換弁37は第3油圧配管39を介してリフトシリンダ21の油室40と接続されている。作動油をタンク35に戻すリターン配管41およびリターン配管41とリフト切換弁37とを接続する第4油圧配管42が備えられている。したがって、リフト切換弁37はリターン配管41および第4油圧配管42を介してタンク35と接続されている。油圧ポンプ31とリフトシリンダ21とを接続し、リフトシリンダ21に供給する作動油を通す第1作動油流路は、第2油圧配管36、第3油圧配管39により構成される。
本実施形態のリフト切換弁37は、作動油の流れる方向を制御するコントロール弁に相当し、7ポート3位置方向制御弁である。リフト切換弁37は、リフトレバー25の操作に応じて移動可能なスプール(図示せず)を備えている。このスプールはリフトレバー25の操作によって切換可能な第1位置37A、第2位置37Bおよび第3位置37Cのいずれかを取り得る。第1位置37Aは作動油の流通を許容しない閉状態である。第2位置37Bは、開度を任意に変更可能な開状態である。第3位置37Cは、開度を任意に変更可能な開状態である。リフト切換弁37は、フォーク22を昇降させる場合に油室40へ流通する作動油の流量を調整するために開度が制御される。リフト切換弁37が第2位置37Bの場合は、油室40へ作動油が流入することにより、リフトシリンダ21が伸長してフォーク22が上昇する。リフト切換弁37が第3位置37Cの場合は、油室40から作動油が排出されることにより、リフトシリンダ21が収縮してフォーク22が下降する。
ところで、第3油圧配管39には、リフト切換弁37からリフトシリンダ21へ向かう方向のみ作動油を通す逆止弁43が設けられている。第3油圧配管39において逆止弁43をバイパスするように分岐点45にて分岐されて合流点46に合流する第5油圧配管44が設けられている。リフト切換弁37とタンク35を接続し、リフトシリンダ21からの作動油がタンク35に向けて流れる第2作動油流路は、第3油圧配管39、リターン配管41、第4油圧配管42、第5油圧配管44により構成される。第5油圧配管44には、パイロットチェック弁47が備えられている。
パイロットチェック弁47は、作動油を油室40からタンク35に戻る方向にのみ通過させる機能を有している。パイロットチェック弁47と接続されるパイロット流路48は、合流点46とリフト切換弁37との間に接続されている。パイロット流路48には、パイロット用電磁切換弁49が配設されている。パイロット用電磁切換弁49は、開位置または閉位置に切り換えられる電磁開閉弁である。パイロット用電磁切換弁49は、通常は閉位置にあり、ソレノイド操作部にON信号が入力されると開位置に切り換わる。
パイロットチェック弁47は、リフトシリンダ21とリフト切換弁37との間の流路を開閉させるプランジャと、リフトシリンダ21とリフト切換弁37との間の流路を閉じる方向にプランジャを付勢するばねとを有している。プランジャには、リフトシリンダ21からの作動油をパイロット流路48に供給するためのオリフィスが形成されている。
フォーク22の下降動作(リフト下降動作)を行うときは、パイロット用電磁切換弁49を閉位置から開位置に切り換える。フォーク22の下降動作のときはフォーク22を含む荷役装置12の自重によりフォーク22が下降し、リフトシリンダ21が収縮する。このとき、パイロット用電磁切換弁49を開いた直後は、リフトシリンダ21からの作動油がパイロット流路48およびリフト切換弁37を通ってタンク35に戻る。
そして、パイロットチェック弁47のオリフィスを通過する作動油の流量が増えると、オリフィスの上流側の圧力とオリフィスの下流側の圧力との圧力差(差圧)によってばねの付勢力に抗してプランジャが押し上げられることで、リフトシリンダ21とリフト切換弁37との間の流路が開くようになる。これにより、リフトシリンダ21からの作動油がパイロットチェック弁47、第5油圧配管44およびリフト切換弁37を通過し、さらに第4油圧配管42、リターン配管41を介してタンク35に戻る。このようにパイロットチェック弁47の開度は、オリフィスの上流側(第5油圧配管44におけるパイロットチェック弁47の上流側)の圧力とオリフィスの下流側(パイロット流路48)の圧力との差圧によって決まる。
第2油圧配管36とリターン配管41とを接続する第6油圧配管50が設けられている。第6油圧配管50にはリリーフ弁51が設けられている。第2油圧配管36の作動油が設定圧以上の圧力になったとき、リリーフ弁51が作動して、第6油圧配管50において第2油圧配管36からリターン配管41への作動油の流通が許容される。
ところで、本実施形態の油圧制御装置30は、キースイッチ29をキーOFFからキーONにしたときに、リフトレバー25が上昇位置に位置している場合であっても、リフトシリンダ21が作動されない構成を有している。
図2に示すように、第4油圧配管42とは別にリフト切換弁37に接続され、リターン配管41と合流点52にて合流する第7油圧配管53が設けられている。第7油圧配管53は、リフト切換弁37のスプールが第2位置37Bに位置しても、油圧ポンプ31から吐出されてリフト切換弁37に供給された作動油をタンク35へ戻すアンロード用の配管である。第7油圧配管53にはアンロード用切換弁54が設けられている。アンロード用切換弁54は、開位置または閉位置に切り換えられる電磁開閉弁である。アンロード用切換弁54は、ノーマルオープン形式である。アンロード用切換弁54は、通常は開状態にあり、ソレノイド操作部にON信号が入力されると閉状態に切り換わる。アンロード用切換弁54はコントローラ28により制御される。
第7油圧配管53におけるリフト切換弁37とアンロード用切換弁54との間には、リフト切換弁37からアンロード用切換弁54へ向かう方向のみ作動油を通す逆止弁55が設けられている。また、第7油圧配管53における逆止弁55とアンロード用切換弁54との間には、オリフィス56およびフィルタ57が設けられている。また、第7油圧配管53において分岐され、リリーフ弁51と接続されるパイロット流路58が設けられている。第7油圧配管53の圧力がパイロット圧としてリリーフ弁51に反映される。
第7油圧配管53における作動油の残圧を開放するための第8油圧配管59が設けられている。第8油圧配管59は、リフトレバー25が中立位置であるとき、すなわち、リフト切換弁37が第1位置37Aのときに第7油圧配管53の作動油をリターン配管41へ通す。第8油圧配管59には、フィルタ60およびオリフィス61が設けられている。
ところで、コントローラ28には、図3に示す一連のステップによる制御フローを実行するプログラムが格納されている。図3に示す制御フローについて説明すると、まず、オペレータがキースイッチ29をONにする(ステップS01)。キースイッチ29のキーONの信号はコントローラ28へ伝達され、コントローラ28はアンロード用切換弁54の開状態を保つ(ステップS02)。
次に、コントローラ28は、リフトレバー25が中立位置であるか否かを判別する(ステップS03)。リフトレバー25は中立位置であると判別されると、コントローラ28はアンロード用切換弁54をONにして閉状態とする(ステップS04)。リフトレバー25は中立位置ではないと判別されるとステップS02へ戻る。リフトレバー25の位置は、位置検出器27から出力される信号をコントローラ28へ伝達することで、コントローラ28は認識する。
リフトレバー25が中立位置であると判別され、アンロード用切換弁54がONとなって閉状態とすると、コントローラ28は、リフトレバー25が中立位置であるか否かを判別する(ステップS05)。リフトレバー25は中立位置であると判別されるとき、荷役不可の状態である(ステップS06)。具体的には、リフトレバー25が中立位置なのでリフトシリンダ21は作動されず、フォーク22は昇降しない。リフトレバー25は中立位置ではないと判別されると、荷役可の状態である(ステップS07)。具体的には、リフトレバー25が上昇位置又は下降位置であるため、リフトシリンダ21は作動し、フォーク22が上昇又は下降する。ステップS06、S07の後は、ステップS05へ戻る。なお、キースイッチ29がOFFになると、一連のステップは直ちに終了する。
なお、図3に示す一連のステップのうち、ステップS01~S03は、リフトシリンダ21の誤動作防止制御に係るステップであり、ステップS04~S07は、リフトシリンダ21の通常制御に係るステップである。
次に、本実施形態に係る油圧制御装置30の作用について説明する。オペレータが停止中のフォークリフト10を運転する場合、キーをキースイッチ29に挿入してキーONとする。キースイッチ29がキーONとされると、エンジン16が始動され、油圧ポンプ31が駆動されるとともに、アンロード用切換弁54は開状態を保つ。油圧ポンプ31は、エンジン16の駆動に応じて作動油を汲み上げて吐出する。このとき、位置検出器27により検出されるリフトレバー25の位置が中立位置であれば、アンロード用切換弁54はONになり閉状態となる。
因みに、リリーフ弁51は第2油圧配管36および第6油圧配管50の作動油の圧力とパイロット流路58のパイロット圧との差圧が所定値を超えると開く。このため、リフトレバー25の位置が中立位置であれば、リフト切換弁37は第1位置37Aとなり、油圧ポンプ31から吐出される作動油は、第2油圧配管36、第6油圧配管50およびリリーフ弁51を通ってリターン配管41へ供給され、タンク35へ回収される。
アンロード用切換弁54はONになり閉状態となると、オペレータにより操作されるリフトレバー25の位置に応じてリフトシリンダ21が作動される。具体的には、リフトレバー25が上昇位置に操作されると、リフト切換弁37は第2位置37Bとなる。このため、油圧ポンプ31から吐出される作動油は、第2油圧配管36、リフト切換弁37、第3油圧配管39を通りリフトシリンダ21の油室40へ供給される。作動油が油室40に供給されることによりリフトシリンダ21のロッドが上昇し、フォーク22は上昇する。
また、リフトレバー25が下降位置に操作されると、リフト切換弁37は第3位置37Cとなる。このため、第2油圧配管36、第6油圧配管50およびリリーフ弁51を通ってリターン配管41へ供給され、タンク35へ回収される。リフトシリンダ21の油室40の作動油は、第3油圧配管39、第5油圧配管44、パイロットチェック弁47、リフト切換弁37および第4油圧配管42を通って、リターン配管41へ供給され、タンク35に回収される。その結果、リフトシリンダ21のロッドが下降し、フォーク22は下降する。
ところで、キースイッチ29をキーONにしたとき、位置検出器27により検出されるリフトレバー25の位置が中立位置以外の作動位置である場合が考えられる。例えば、リフトレバー25が作動位置としての上昇位置にあり、リフト切換弁37が第2位置37Bである場合である。この場合、油圧ポンプ31からリフト切換弁37に供給された作動油は、リフトシリンダ21へ供給可能であるが、アンロード用切換弁54は開状態であるので、第7油圧配管53、アンロード用切換弁54およびリターン配管41を介してタンク35へ回収される。したがって、リフトシリンダ21の油室40は圧力上昇することなくリフトシリンダ21は作動しない。その結果、キースイッチ29のキーONとともにフォーク22が上昇することはない。
なお、第7油圧配管53、アンロード用切換弁54およびリターン配管41を介してタンク35へ回収される時間当たりの作動油量が、油圧ポンプ31から吐出される時間当たりの作動油量よりも少ない場合、第2油圧配管36および第6油圧配管50における作動油の圧力が上昇する。しかし、第6油圧配管50における作動油の圧力とパイロット流路58のパイロット圧との差圧が所定値を超えるとリリーフ弁51が開く。このことから、作動油は、第7油圧配管53、アンロード用切換弁54およびリターン配管41を介してタンク35へ回収されるだけでなく、第2油圧配管36、第6油圧配管50、リリーフ弁51およびリターン配管41を介してタンク35へ回収される。
因みに、リフトレバー25が下降位置にあり、リフト切換弁37が第3位置37Cである場合、油圧ポンプ31から吐出される作動油は、リリーフ弁51が開くことにより、第2油圧配管36、第6油圧配管50、リリーフ弁51およびリターン配管41を通じてタンク35へ回収される。なお、リフトレバー25が下降位置にあっても、別の制御又は手段によってパイロット用電磁切換弁49を閉状態としておくことでリフトシリンダ21は作動しない。
本実施形態に係る油圧制御装置30は、以下の作用効果を奏する。
(1)キースイッチ29がキーONとされるとき、アンロード用切換弁54が開状態とされるので、リフトレバー25が作動位置としての上昇位置にあっても、油圧ポンプ31から吐出される作動油はリフト切換弁37から第7油圧配管53およびアンロード用切換弁54を通り、リターン配管41を介して作動油のタンク35に戻る。その結果、アクチュエータとしてのリフトシリンダ21は、リフトレバー25が上昇位置にあっても作動されない。つまり、キースイッチ29がキーONとされてもリフトシリンダ21は直ちに作動されることはない。したがって、オペレータは、キースイッチ29をキーONとする前にリフトレバー25の位置を確認し、リフトレバー25が中立位置にない場合でもリフトレバー25を中立位置へ戻さなくてもよい。また、リフトレバー25の操作を物理的に規制することはないため、リフトレバー25が上昇位置にあることに気付かずにオペレータがリフトレバー25を操作してもリフトレバー25が破損することはない。
(2)アンロード用切換弁54は、リフト切換弁37と作動油のタンク35とを接続するアンロード油路である第7油圧配管53に設けられている。したがって、油圧ポンプ31からの作動油がリフト切換弁37を通過した後、第7油圧配管53およびアンロード用切換弁54を通じて作動油のタンク35に戻すことができる。
(3)第7油圧配管53、アンロード用切換弁54およびリターン配管41を介してタンク35へ回収される時間当たりの作動油量が、油圧ポンプ31から吐出される時間当たりの作動油量よりも少なくても、所定圧を越えるとリリーフ弁51が開くことで、作動油を、第2油圧配管36、第6油圧配管50、リリーフ弁51およびリターン配管41を介してタンク35へ回収することができる。その結果、リフトシリンダ21の作動を確実に防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る油圧制御装置について説明する。本実施形態では、コントローラに格納された制御プログラムにおける一連のステップが第1の実施形態と異なる。このため、油圧制御装置の装置としての構成は第1の実施形態と同じであり、共通の符号を用いる。
本実施形態では、コントローラ28には、図4に示す一連のステップによる制御プログラムが格納されている。図4に示す一連のステップのうち、ステップS11~S17は、第1の実施形態のステップS01~S07と同じである。本実施形態では、ステップS13において、リフトレバー25は中立位置ではないと判別されると、コントローラ28は、キーONとされた後にN秒経過したか否かを判別する。キーONとされた後にN秒経過したと判別されると、コントローラ28はアンロード用切換弁54をONにして閉状態とする(ステップS14)。一方、キーONとされた後にN秒経過していないと判別されると、ステップS12へ戻る。N秒の経過の判別では、コントローラ28が有するタイマ機能を利用する。N秒は予め設定した設定時間であり、例えば、60秒といった時間に設定されてもよい。
なお、図4に示す一連のステップのうち、ステップS11~S13、S18は、リフトシリンダ21の誤動作防止制御に係るステップであり、ステップS14~S17は、リフトシリンダ21の通常制御に係るステップである。
ところで、キースイッチ29がキーONとされたとき、リフトレバー25の実際の位置が中立位置であるにも関わらず、例えば、位置検出器27の故障により、リフトレバー25の上昇位置が検出される場合が考えられる。この場合、第1の実施形態では、リフトレバー25の中立位置を検出できないので、アンロード用切換弁54をONにすることができない。つまり、オペレータの操作によりリフトレバー25を上昇位置としても、リフトシリンダ21は作動せず荷役作業が行えない状態が継続される。
本実施形態では、コントローラ28は、キースイッチ29がキーONとされたとき、アンロード用切換弁54を開状態とし、位置検出器27がリフトレバー25の中立位置を示すとき、予め設定した設定時間(N秒)の経過後にアンロード用切換弁54を閉状態とする。つまり、位置検出器27の故障が生じても、キースイッチ29のキーON後のN秒経過後にアンロード用切換弁54がOFFとなって閉状態となる。アンロード用切換弁54がONになることで、例えば、操作によりリフトレバー25を上昇位置とすると、作動油がリフトシリンダ21に供給されてロッドは上昇し、フォーク22が上昇する。つまり、位置検出器27の故障によりリフトレバー25の中立位置が検出されても、キースイッチ29のキーONからN秒経過後に荷役作業が可能となる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、操作レバーとしてフォークリフトが備えるリフトレバーを例示して説明したが、操作レバーリフトレバーに限らない。操作レバーはリフトレバー以外のティルトシリンダを作動させるティルトレバーや、アタッチメントに設けられたアクチュエータを作動させるレバーであってもよい。
○ 上記の実施形態では、アンロード用切換弁は、ノーマルオープン形式であったが、ノーマルクローズ形式でもよい。その場合、アンロード用切換弁は、通常は閉状態にあり、ソレノイド操作部にON信号が入力されると開状態に切り換わる。そして、コントローラは、キースイッチのキーONによってアンロード用切換弁を直ちにONとして開状態とすることが好ましい。
○ 上記の実施形態では、産業車両としてのフォークリフトに本発明を適用した例を説明したが、産業車両はフォークリフトに限定されない。産業車両は、例えば、スキッドステアローダや高所作業車であってもよい。
10 フォークリフト
16 エンジン
21 リフトシリンダ(アクチュエータとしての)
22 フォーク
25 リフトレバー(操作レバーとしての)
27 位置検出器
28 コントローラ
29 キースイッチ
30 油圧制御装置
31 油圧ポンプ
35 タンク
36 第2油圧配管(油圧配管としての)
37 リフト切換弁(コントロール弁としての)
41 リターン配管
51 リリーフ弁
53 第7油圧配管
54 アンロード用切換弁
S01~S07、S11~S18 ステップ

Claims (3)

  1. エンジンにより駆動され、作動油を汲み上げる油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプにより吐出された作動油により作動するアクチュエータと、
    前記油圧ポンプと前記アクチュエータとを接続する作動油流路と、
    前記作動油流路に設けられ、作動油の流れる方向を制御するコントロール弁と、を有する産業車両の油圧制御装置において、
    前記アクチュエータを作動させる操作レバーの位置を検出する位置検出器と、
    前記エンジンを始動するキースイッチと、
    前記油圧ポンプから吐出された作動油をタンクへ戻すアンロード用切換弁と、
    前記エンジンを制御するともに、前記アンロード用切換弁を制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記キースイッチがキーONとされたとき、前記アンロード用切換弁を開状態とし、前記位置検出器が前記操作レバーの中立位置を示すとき、前記アンロード用切換弁を閉状態とすることを特徴とする産業車両の油圧制御装置。
  2. 前記コントローラは、前記キースイッチがキーONとされたとき、前記アンロード用切換弁を開状態とし、前記位置検出器が前記操作レバーの中立位置を示さないとき、予め設定した設定時間の経過後に前記アンロード用切換弁を閉状態とすることを特徴とする請求項1記載の産業車両の油圧制御装置。
  3. 前記アンロード用切換弁は、前記コントロール弁と前記タンクとを接続するアンロード油路に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の産業車両の油圧制御装置。
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