JP7321884B2 - 電子写真装置、プロセスカートリッジ及びカートリッジセット - Google Patents
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Description
電子写真装置には、帯電装置に導電性部材が使用されている。導電性部材として、導電性の支持体と、支持体上に設けられた導電層を有する構成が知られている。
導電性部材は、導電性の支持体から導電性部材表面まで電荷を輸送し、当接物体に対して、放電によって電荷を与える役割を担う。この導電性部材は、高画質な電子写真画像のために電子写真感光体に対して、均一な帯電を達成する必要がある。
一方、トナーとしても、あらゆる環境で安定な帯電性を、長期間繰り返し使用を通じて発揮しなければならない。そのための手段としては外添剤によるアプローチが効果的である。特許文献2では、トナーに長期の耐久期間を通じて高い流動性、帯電性を維持させるためにはシリカ微粒子及び疎水化処理された酸化チタン微粒子をトナーに付着させる手法が行われている。
しかしながら、近年の画像形成プロセスの高速化及び長期間の繰り返し耐久性には、未だ改善の余地があるとの認識を得た。
具体的には、特許文献1に係る帯電部材を電子写真画像の形成に供し、特許文献2のようにシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子を添加したトナーを長期間繰り返し使用する場合に、部材汚染という点で改善の余地があった。すなわち、トナーに添加しているシリカ微粒子や酸化チタン微粒子が高速プロセスかつ長期間の繰り返し使用により、トナーより移行し帯電部材に付着する場合がある。このように帯電部材の表面に付着した高抵抗シリカ微粒子は、帯電部材の放電サイトをキャッピングし、帯電部材からの放電を阻害する。
また、帯電部材の、酸化チタン微粒子が付着した部分においては、帯電部材からの電子写真感光体への放電が、酸化チタン微粒子を介して行われるため、やはり、帯電部材からの均一な放電を阻害することになる。
このように、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子が付着した帯電部材では高速プロセスにおいて、帯電工程に至るまでに電子写真感光体の表面に形成された微小な電位ムラを十分に均すことができず、帯電均一性を維持できなくなる。その結果、長期間繰り返し使用していると帯電能力の低下や、電位ムラに起因するハーフトーン画像の濃度不均一性(がさ
つき)が発生しやすくなる。
したがって、本開示は、高品質な電子写真画像の形成に資する電子写真装置の提供に向けたものである。
また、本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジ及びカートリッジセットの提供に向けたものである。
電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下である電子写真装置が提供される。
電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、
電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以
上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下であるプロセスカートリッジが提供される。
電子写真装置の本体に脱着可能である、第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、
電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、
電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であり、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下であるカートリッジセットが提供される。
また、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する。
該帯電装置は、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上である。
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下である。
電子写真装置を高速プロセスで長期繰り返し使用した場合、上記の構成を採用することにより、トナーから移行した中抵抗の微粒子Aは、導電性部材の外表面に露出しているドメインに付着しやすくなると考えている。
一方、トナーから移行した高抵抗の微粒子Bは、体積抵抗率の高いマトリクスに付着しやすくなると考えている。その理由は、微粒子の材質によるものと考えている。
微粒子Bはシリカ微粒子のため材質の物性上マイナスの電荷を帯びやすい。それに対して、中抵抗である微粒子Aは、シリカ微粒子よりも相対的にプラスの電荷を帯びやすくなる。
該導電性部材の外表面に露出しているドメインは、電子導電剤を含有するため体積抵抗率が低くなりやすい。電子写真感光体を負帯電させようとした場合、導電性部材の外表面はマイナスの電荷をたくさん保持していることになる。
該導電性部材の外表面は、マトリクスと導電性部材の外表面に露出しているドメインとで構成され、マトリクスの体積抵抗率が、ドメインの体積抵抗率の1.0×105倍以上であるので、マイナスの電荷がドメインに集中していると考えられる。
その結果、マイナスの電荷が集中しているドメインには、プラスの電荷を帯びている微
粒子Aが選択的に付着しやすい。一方、マトリクスにはドメインから静電的反発力が発生するため、微粒子Bが付着しやすくなる。
一方、ドメインにマイナスの電荷を移動させ、電子写真感光体を負帯電させる必要がある。そのため、ドメインに付着した微粒子Aは、電荷の移動を抑制しないように、体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下である。
このように、2種類の微粒子を用いることで、高速プロセス及び長期間繰り返し使用においても、導電性部材の均一な放電を維持することが可能となる。
また、トナーが、中抵抗である微粒子A、及び、高抵抗の微粒子Bとしてのシリカ微粒子を併用しているため、高速プロセス及び長期間繰り返し使用においても、あらゆる環境で安定した帯電性を維持することができる。
以上により、高速プロセスで長期繰り返し使用した場合においても、導電性部材は電子写真感光体に対し、均一な帯電特性を維持しつつ、トナーも高い流動性及び帯電性を維持することができる。その結果、がさつきのない均一なハーフトーン画像が得られやすいと考えている。
本発明者らは、特許文献1に係る帯電部材に、微粒子Aと微粒子Bが移行した場合、電子写真感光体表面を均一に帯電させることが困難である理由について検討した。
その過程で、特許文献1に係る帯電部材において、電子伝導性ゴム材料からなるポリマー粒子相の役割に着目した。すなわち、弾性層(導電層)内においては、ポリマー粒子相間の電子の授受によって導電層に電子伝導性が付与されていると考えられる。
また、ポリマー連続相を構成するイオン導電性ゴム材料の体積固有抵抗率が1.0×1012Ω・cm以下である。このようなマトリクス-ドメイン構造を持つ帯電部材に移行した微粒子A及び微粒子Bはポリマー粒子相及びポリマー連続相にランダムに付着すると考えられる。その結果、導電層内で電子の流れにムラが生じ、当該帯電部材の外表面からの電子写真感光体への放電が不均一となる。このことにより、電子写真感光体の表面電位が不均一になると考えられる。
そこで、本発明者らは、検討を重ねた結果、下記の要件(A)、要件(B)及び要件(C)を満たす導電性部材及びトナーが、当該課題の解決に有効であることを見出した。
導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有していること。
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有していること。
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成されること。
なお、導電性部材の外表面とは、導電性部材におけるトナーと接する面である。
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であること。
トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有すること。
該微粒子Aの体積抵抗率R1は、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、該微粒子Bはシリカ微粒子であり、該微粒子Bの体積抵抗率R2は、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下であること。
さらに、これらに対して、酸化処理やクロム、ニッケルなどで鍍金処理を施してもよい。鍍金の種類としては電気鍍金、無電解鍍金のいずれも使用することができる。寸法安定性の観点から無電解鍍金が好ましい。ここで使用される無電解鍍金の種類としては、ニッケル鍍金、銅鍍金、金鍍金、その他各種合金鍍金を挙げることができる。
鍍金の厚さは、0.05μm以上が好ましく、作業効率と防錆能力のバランスを考慮すると、鍍金の厚さは0.10μm~30.00μmであることが好ましい。支持体の円柱状の形状は、中実の円柱状でも、中空の円柱状(円筒状)でもよい。この支持体の外径は、3mm~10mmの範囲が好ましい。
プライマーとしては、導電層形成用のゴム材料及び支持体の材質などに応じて公知のものを選択して用いることができる。プライマーの材料としては、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、フェノール系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂のような公知の材料を用いることができる。
導電層は、第一のゴムを含有するマトリクス6aと、第二のゴム及び電子導電剤を含有するドメイン6bとを有する、マトリクス-ドメイン構造を有する。図に示されるように、ドメイン6bは、電子導電剤6cを含む。
まず、電荷は、マトリクスとドメインとの界面近傍に蓄積される。そして、その電荷は、支持体側に位置するドメインから、支持体の側とは反対側に位置するドメインに順次受け渡されていき、導電層の支持体の側とは反対側の表面(以下、導電層の外表面ともいう)に到達する。このとき、1回の帯電工程で全てのドメインの電荷が導電層の外表面側に
移動すると、次の帯電工程に向けて、導電層中に電荷を蓄積するために時間を要することとなる。そうすると、高速の電子写真画像形成プロセスに対応しにくくなる。従って、帯電バイアスが印加されても、ドメイン間の電荷の授受が同時的に生じないようにすることが好ましい。また、高速の電子写真画像形成プロセスにおいては電荷の動きが制約されるため、一回の放電で十分な量の電荷を放電させるためには、各々のドメインに十分な量の電荷を蓄積させることが好ましい。上記要件(A)及び要件(B)を満たす導電層を備えた導電性部材は、帯電バイアス印加時のドメイン間での同時的な電荷の授受の発生を抑制し、かつドメイン内に十分な電荷を蓄積させることができる。
該体積抵抗率Rmは、1.00×1014Ω・cm以上であることが好ましく、1.00×1016Ω・cm以上であることがより好ましい。一方、該体積抵抗率Rmの上限は、特に限定されないが、目安としては、1.00×1017Ω・cm以下であることが好ましい。
これにより、放電の起点である導電相としてのドメインの表面において、放電に関与できる電荷の総数を向上させることができる。その結果、導電性部材の表面からの放電の出やすさを向上させることができると考えられる。
また、マトリクスの体積抵抗率Rmを1.00×1012Ω・cmより大きくすることでトナーから移行した微粒子Bが体積抵抗率の高いマトリクスで構成された部位に付着しやすくなると推測している。
って計測することができる。薄片化の手段としては、鋭利なカミソリや、ミクロトーム、収束イオンビーム法(FIB)のような非常に薄いサンプルを作成できる手段を用いるとよい。具体的な手順については後述する。
すなわち、マトリクスの体積抵抗率Rmがドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍未満の場合、該導電パスがあいまいになり、均一放電を妨げやすくなる。その結果、ハーフトーン画像のがさつきが発生しやすくなる。
該RmはRdの、1.0×105倍~1.0×1020倍であることが好ましく、1.0×106倍~1.0×1018倍であることがより好ましく、9.0×106倍~1.0×1016倍であることがさらに好ましい。
また、Rdは、1.00×101Ω・cm以上1.00×106Ω・cm以下であることが好ましく、1.00×101Ω・cm以上1.00×104Ω・cm以下であることがより好ましく、1.00×101Ω・cm以上1.00×102Ω・cm以下であることがさらに好ましい。
ドメインの体積抵抗率Rdをより低い状態にすることで、マトリクスで目的としない電荷の移動を抑制しつつ、電荷の輸送経路を、より効果的に複数のドメインを介する経路に限定することができる。
また、ドメインの体積抵抗率Rdを当該範囲まで下げることで、ドメイン内で移動する電荷の量を飛躍的に向上させることができる。
ドメインの体積抵抗率Rdは、例えば、ドメインのゴム成分に対し、電子導電剤の種類や添加量を変更することによって調整するとよい。
ドメイン用のゴム材料(第二のゴム)としては、マトリクス用としてのゴム材料(第一のゴム)を含むゴム組成物を用いてもよい。詳細は後述する。
マトリクス-ドメイン構造を形成するためにマトリクスを形成するゴム材料との溶解度パラメータ(SP値)の差を一定の範囲にすることが好ましい。すなわち、第一のゴムのSP値と第二のゴムのSP値との差の絶対値が、好ましくは、0.4(J/cm3)0.5以上5.0(J/cm3)0.5以下である。また、より好ましくは、0.4(J/cm3)0.5以上2.2(J/cm3)0.5以下である。
ドメインの体積抵抗率Rdは、電子導電剤の種類、及びその添加量を適宜選択することによって調整することができる。ドメインの体積抵抗率Rdを1.00×101Ω・cm以上1.00×107Ω・cm以下に制御するために使用する電子導電剤としては、分散する量によって高抵抗から低抵抗まで体積抵抗率を大きく変化させることができる電子導電剤が好ましい。
種類以上を適宜量配合して使用してもよい。
以上の様な電子導電剤のうち、ゴムとの親和性が大きく、電子導電剤間の距離の制御が容易な、導電性のカーボンブラックを使用することが好ましい。ドメインに配合されるカーボンブラックの種類については、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。
導電性のカーボンブラックなどの電子導電剤の含有量は、ドメインに含まれる第二のゴム100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下であることが好ましく、50質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
一般的な電子写真用の導電性部材と比較して、電子導電剤が多量に配合されていることが好ましい。これにより、ドメインの体積抵抗率Rdを1.00×101Ω・cm以上1.00×107Ω・cm以下の範囲に容易に制御することができる。
また、必要に応じて、ゴムの配合剤として一般に用いられている充填剤、加工助剤、架橋助剤、架橋促進剤、老化防止剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、軟化剤、分散剤、着色剤などを、本開示に係る効果を阻害しない範囲でドメイン用のゴム組成物に添加してもよい。
ここで、ドメインの体積抵抗率は、均一であることが好ましい。ドメインの体積抵抗率の均一性を向上させるためには、各ドメイン内の電子導電剤の量を均一化することが好ましい。これにより、導電性部材の外表面からの、被帯電体への放電をより安定化させることができる。
ドメイン同士を絶縁領域(マトリクス)で確実に分断することで、より十分な電荷をドメインに蓄積させるためには、例えば、該ドメイン間距離Lwを、0.20μm以上2.00μm以下にしてもよい。該ドメイン間距離Lwを上記範囲にすることでより電子写真感光体の帯電均一性が向上し、ハーフトーン画像のガサツキの発生をより抑制することができる。
まず、前述のマトリクスの体積抵抗率の測定における方法と同様の方法で切片を作製する。また、マトリクス-ドメイン構造の観察を好適に実施するために、染色処理、蒸着処理など、導電相と絶縁相とのコントラストが好適に得られる前処理を施してもよい。
破断面の形成、前処理を行った切片を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察して、マトリクス-ドメイン構造の存在を確認する。
これらの中でも、ドメインの面積の定量化の正確性から、SEMで1000倍~100000倍で観察を行うことが好ましい。具体的な手順は後述する。
下単に、ドメイン径Dともいう)は、小さい方が好ましい。
該ドメイン径Dは、例えば、0.10μm以上6.00μm以下であることが好ましく、0.10μm以上5.00μm以下であることがより好ましい。例えば、該ドメイン径Dは、0.10μm以上、0.15μm以上、0.20μm以上であることが好ましい。また、例えば、該ドメイン径Dは、6.00μm以下、5.00μm以下、2.00μm以下、1.00μm以下、0.50μm以下、0.40μm以下であることが好ましい。これら数値範囲は任意に組み合わせることができる。該ドメイン径Dが上記範囲である場合、高い効果が期待できる。
工程(i):カーボンブラックなどの電子導電剤及び第二のゴムを含む、ドメイン形成用ゴム混合物(以降、「CMB」とも称する)を調製する工程;
工程(ii):第一のゴムを含むマトリクス形成用ゴム混合物(以降、「MRC」とも称する)を調製する工程;
工程(iii):CMBとMRCとを混練して、マトリクス-ドメイン構造を有するゴム混合物を調製する工程。
工程(iv):工程(iii)で調製したゴム混合物の層を、導電性支持体上に直接又は他の層を介して形成し、該ゴム組成物の層を硬化させて、導電層を形成する工程。
MRCに用いる第一のゴムとしては、導電性の低いゴムが好ましい。
天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、及びポリノルボルネンゴムからなる群から選択される少なくとも一が挙げられる。
第一のゴムとして、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、及びエチレンプロピレンジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一が好ましい。
(a)CMB、及びMRCの各々の界面張力σの差;
(b)CMBの粘度(ηd)、及びMRCの粘度(ηm)の比(ηm/ηd);
(c)工程(iii)における、CMBとMRCとの混練時のせん断速度(γ)、及びせん断時のエネルギー量(EDK)。
(d)工程(iii)における、CMBのMRCに対する体積分率。
一般的に二種の非相溶のゴムを混合した場合、相分離する。これは、異種高分子間の相互作用よりも、同一高分子間の相互作用が強いため、同一高分子同士で凝集し、自由エネルギーを低下させ安定化しようとするためである。
相分離構造の界面は異種高分子と接触するため、同一分子同士の相互作用で安定化されている内部より、自由エネルギーが高くなる。その結果、界面の自由エネルギーを低減させるために、異種高分子と接触する面積を小さくしようとする界面張力が発生する。この界面張力が小さい場合、エントロピーを増大させるために異種高分子でもより均一に混合しようとする方向に向かう。均一に混合した状態とは溶解であり、溶解度の目安となるSP値(溶解度パラメーター)と界面張力は相関する傾向にある。
第二のゴムが、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、及びアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)からなる群から選択される少なくとも一であることが好ましく、スチレンブタジエンゴム(SBR)、及びブチルゴム(IIR)からなる群から選択される少なくとも一であることがより好ましい。
導電層の厚みは、目的とする導電性部材の機能及び効果が得られるものであれば特に限定されない。導電層の厚みは、1.0mm以上4.5mm以下とすることが好ましい。
ドメインとマトリクスとの質量比率(ドメイン:マトリクス)は、好ましくは5:95~40:60であり、より好ましくは10:90~30:70であり、さらに好ましくは15:85~25:75である。
SP値は、SP値が既知の材料を用いて、検量線を作成することで、精度良く算出することが可能である。この既知のSP値は、材料メーカーのカタログ値を用いることもできる。例えば、NBR及びSBRは、分子量に依存せず、アクリロニトリル及びスチレンの含有比率でSP値がほぼ決定される。
従って、マトリクス及びドメインを構成するゴムを、熱分解ガスクロマトグラフィー(
Py-GC)及び固体NMRなどの分析手法を用いて、アクリロニトリル又はスチレンの含有比率を解析することで、SP値が既知の材料から得た検量線から、SP値を算出することができる。
また、イソプレンゴムは、1,2-ポリイソプレン、1,3-ポリイソプレン、3,4-ポリイソプレン、及びcis-1,4-ポリイソプレン、trans-1,4-ポリイソプレンなどの、異性体構造でSP値が決定される。従って、SBR及びNBRと同様にPy-GC及び固体NMRなどで異性体含有比率を解析し、SP値が既知の材料から、SP値を算出することができる。
SP値が既知の材料のSP値は、Hansen球法で求めたものである。
CMBの粘度のMRCの粘度に対する比(CMBの粘度/MRCの粘度)(ηd/ηm)は、1.0以上2.0以下であることが好ましい。ドメイン径やドメインの隣接壁面間距離を前記範囲内に、より容易に調整することができる。
(CMBの粘度/MRCの粘度)は、CMB及びMRCに使用する原料ゴムのムーニー粘度の選択や、充填剤の種類や量の配合によって調整が可能である。
また、相分離構造の形成を妨げない程度に、パラフィンオイルなどの可塑剤を添加することでも可能である。また混練時の温度を調整することで、粘度の比の調整を行うことができる。なお、ドメイン形成用ゴム混合物やマトリクス形成用ゴム混合物の粘度は、JIS K6300-1:2013に基づきムーニー粘度ML(1+4)を混練時のゴム温度で測定することで得られる。
MRCとCMBとの混練時のせん断速度は速いほど、また、せん断時のエネルギー量は大きいほど、ドメイン間距離を小さくすることができる。
せん断速度は、混練機のブレードやスクリューといった撹拌部材の内径を大きくし、撹拌部材の端面から混練機内壁までの間隙を小さくすることや、回転数を大きくすることで上げることができる。また、せん断時のエネルギーを上げるには、撹拌部材の回転数を上げることや、CMB中の第二のゴムとMRC中の第一のゴムの粘度を上げることで達成できる。
MRCに対するCMBの体積分率は、マトリクス形成用ゴム混合物に対するドメイン形成用ゴム混合物の衝突合体確率と相関する。具体的には、マトリクス形成用ゴム混合物に対するドメイン形成用ゴム混合物の体積分率を低減させると、ドメイン形成用ゴム混合物とマトリクス形成用ゴム混合物の衝突合体確率が低下する。つまり、必要な導電性を得られる範囲において、マトリクス中におけるドメインの体積分率を減らすことでドメイン間距離を小さくできる。そして、CMBのMRCに対する体積分率(すなわち、ドメインのマトリクスに対する体積分率)は、15%以上40%以下とすることが好ましい。
一般的に、ストラクチャーが発達したカーボンブラックは、ゴムに対し補強性が高く、
ゴムへのカーボンブラックの取り込みが悪くなり、また、混練時のシェアトルクが非常に高くなる。そのため、ドメイン中に充填量を多くすることが困難である。
一方、DBP吸油量が上記範囲内にある導電性カーボンブラックは、ストラクチャー構造が未発達のため、カーボンブラックの凝集が少なく、ゴムへの分散性が良好である。そのため、ドメイン中への充填量を多くでき、その結果として、ドメインの外形形状を、より球体に近いものを得られやすい。
さらに、ストラクチャーが発達したカーボンブラックは、カーボンブラック同士が凝集し易く、また、凝集体は、大きな凸凹構造を有する塊となりやすい。このような凝集体がドメインに含まれると、要件(B)に係るドメインが得られにくい。凝集体の形成はドメインの形状にまで影響を与え凹凸構造を形成する場合がある。一方、DBP吸油量が、上記した範囲内にある導電性カーボンブラックは、凝集体を形成しにくいため好ましい。
D=[C・σ/ηm・γ]・f(ηm/ηd) (6)
・Wuの経験式
γ・D・ηm/σ=4(ηd/ηm)0.84・ηd/ηm>1 (7)
γ・D・ηm/σ=4(ηd/ηm)-0.84・ηd/ηm<1 (8)
・Tokitaの式
D=12・P・σ・φ/(π・η・γ)・(1+4・P・φ・EDK/(π・η・γ))(9)
前記要件(A)及び要件(B)に関連して、ドメイン間距離の均一化を図るためには、前記式(6)~(9)に従って、ドメイン径を小さくすることが有効である。さらに、MRCとCMBとを混錬する工程において、ドメインの原料ゴムが分裂し、徐々にその粒径が小さくなっていく過程において、混錬工程をどこで止めたかによってもドメイン間距離は変化する。
したがって、そのドメイン間距離の均一性は、混錬工程における混錬時間及びその混錬の強度の指数となる混錬回転数によって制御可能であり、混錬時間が長いほど、混錬回転数が大きいほどドメイン間距離の均一性を向上させることができる。
導電層中のマトリクス-ドメイン構造の存在は、導電層から薄片を作製して、薄片に形成した破断面の詳細観察により確認することができる。具体的な手順は後述する。
本発明者らは、上述のような特定の導電性部材と、以下に述べる特定のトナーを搭載した電子写真装置を用いることではじめて上記の課題が格段に改善できることを見出した。
本開示におけるトナーについて説明する。
上記のような課題を引き起こさないためには、トナーの劣化を抑制し、かつ移行したシリカ微粒子が導電性部材に付着しても導電性部材の帯電均一性に影響を及ぼさせないとよい。
該微粒子Aの体積抵抗率R1は、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下である。
該体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm未満の場合、トナーが適切な帯電力を維持しにくく、例えば、高温高湿環境下でのカブリの発生を引き起こしやすくなる。
該体積抵抗率R1が、1.0×1010Ω・cmより大きい場合、トナーがチャージアップしやすく、例えば、低温低湿環境下でのカブリの発生を引き起こしやすくなる。
また、該体積抵抗率R1が1.0×1010Ω・cmより大きい場合に、該微粒子Aが導電性部材の外表面に露出しているドメインへ付着した場合、放電サイトからの電荷の移動を妨げやすいため、帯電能力の低下や帯電均一性を妨げやすい。その結果、ハーフトーン画像のがさつきが発生しやすくなる。
該微粒子Aの体積抵抗率R1は、1.0×104Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×105Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることがより好ましい。
なかでも、該微粒子Aが、酸化チタン微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子及びアルミナ微粒子からなる群から選択される少なくとも一の微粒子を含むとよい。
また、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子からなる群から選択される少なくとも一の微粒子を含有することが好ましい。
また、2種類以上の金属元素を含む複合酸化物微粒子を用いることもできる。また、1種単独の微粒子又はこれらの微粒子群の中から任意の組み合わせで選択される2種以上を用いることもできる。該微粒子Aが2種類以上の微粒子を含む場合、それぞれの体積抵抗率が1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であればよい。
疎水化処理剤としては、以下が例示できる。
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類;
ニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o-メチルフェニルトリメトキシシラン、p-メチルフェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i-ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン類;
また、微粒子Aの含有量の上記範囲することで、チャージアップ時の帯電リークを抑制しやすくなり、また、トナーの適切な帯電能力の維持がしやすく、画像濃度の低下を抑制しやすくなる。
トナー中の微粒子Aの含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上2.5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下であることがより好ましい。
が好ましく、より好ましくは、15nm以上100nm以下である。該微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径L1が上記範囲である場合、チャージアップ時のリークサイトとして機能しやすい。
また、該微粒子Bの体積抵抗率R2は、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下である。
また、該微粒子Bの体積抵抗率R2は、1.0×1012Ω・cm以上1.0×1016Ω・cm以下であることが好ましい。
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm未満の場合、トナーへの帯電付与能力が適正範囲に比べ低下することがある。そのため、高湿高温環境下でのカブリが発生しやすくなる。さらに、導電性部材のマトリクスに付着した場合、ドメインの放電サイトからの電荷が微粒子Bに移動する場合があり、帯電がばらついてしまう傾向がある。
一方、該微粒子Bの体積抵抗率が1.0×1017Ω・cmを超える場合、トナーがチャージアップしやすく、規制不良が発生しやすくなる。
該微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径L2が上記範囲である場合、外添混合処理時に、微粒子B同士よりも、トナー粒子と微粒子Bとの衝突頻度が高くなりやすく、被覆率、及び外添剤の埋め込みを制御しやすくなる。
該疎水化処理剤としてシリコーンオイルを用いる場合、25℃における粘度が30mm2/s~1000mm2/sのものを用いるとよい。
例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイルを用いて疎水化処理する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。ベースとなるシリカ微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法。適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散した後に、シリカ微粒子を加え、混合し溶剤を除去する方法。
シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ微粒子は、シリコーンオイルの処理後にシリカ微粒子を不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面の被覆を安定化させるとよい。
であるとよい。また、該R2は該R1の、1.0×104倍以上、1.0×105倍以上、1.0×106倍以上であるとよい。また、該R2は該R1の、1.0×1020倍以下、1.0×1018倍以下であるとよい。なお、該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
マトリクスはカーボンブラックなどの電子導電剤をほとんど含まず、ドメインよりも高い体積抵抗率を有する。また、マトリクスの体積抵抗率Rmは、ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上である。RmとRdの関係を上記範囲にすることでドメインの導電パス形成の観点から有効である。
一方、トナーから移行した微粒子Aはドメインの体積抵抗率に近く、微粒子Bよりもプラス帯電のため、ドメインへ付着しやすい。長期間の繰り返しの使用により、微粒子Aがドメイン部位へ蓄積しても、体積抵抗率がドメインと近いため、電荷の移動を妨げることなく帯電能力を維持することが可能である。
該導電性部材の外表面を観察した際の、該導電層中のドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Lws(単位がnm)とが、L2<Lwsの関係を満たすことが好ましい。
上記の関係を満たすことで、長期間の繰り返しの使用においても帯電能力を維持することが可能である。
また、L2及びLwsが、100<Lws-L2<4000の関係を満たすことが好ましく、200<Lws-L2<4000の関係を満たすことがより好ましい。
また、該導電性部材の外表面を観察した際の、該導電層中のドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Lws(単位がnm)は、100nm以上5000nm以下であることが好ましく、200nm以上1500nm以下であることがより好ましい。
該微粒子Aの体積抵抗率R1(単位がΩ・cm)とが、
下記式(1)の関係を満たすことが好ましく、下記式(1)’の関係を満たすことがより好ましい。
1.0×10-1≦R1/Rd≦1.0×107 (1)
1.0×104≦R1/Rd≦1.0×107 (1)’
上記の関係を満たすことで、繰り返し使用時カブリが良好となる。
例えば、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。トナー粒子の粒径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法を用いるとよい。また、湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法、乳化凝集法などを挙げることができる。
例えば、乳化凝集法を用いてトナー粒子を製造する方法を説明する。
結着樹脂の微粒子、並びに、必要に応じて、離型剤(例えば、ワックス)の微粒子及び着色剤の微粒子などの材料を、水系媒体中で分散混合する。水系媒体中には、分散安定剤や界面活性剤が添加されていてもよい。その後、凝集剤を添加することによって所望のトナー粒子の粒径となるまで凝集させて凝集粒子を得る。その後又は凝集と同時に、結着樹脂の微粒子間の融着を行う。さらに必要に応じて、熱による形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する。
る。
トナー粒子中に離型剤(例えば、ワックス)や着色剤などの内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子に内添剤を含有したものとしてもよく、また、上記のように別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子と樹脂微粒子を凝集させる際に共に凝集させてもよい。また、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させることにより組成の異なる層構成のトナー粒子を作ることもできる。
無機分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
また、有機系分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
結着樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などを好ましく例示できる。
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びその他の結着樹脂として、以下の樹脂又は重合体が例示できる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これら結着樹脂は一種単独又は二種以上を混合して使用できる。
を用いて製造された樹脂であることが好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、クロトン酸などのビニルカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなどの不飽和ジカルボン酸モノエステル誘導体など。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及び、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、及び、ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。ポリエステル樹脂としては末端などのカルボキシ基はキャップしないことが好ましい。
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部~15.000質量部であることが好ましい。
該エステルワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナウバワックスなどの脂肪酸エステル類から酸成分の一部又は全部を脱酸したもの;植物性油脂の水素添加などによって得られる、ヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類;セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレートなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪族モノカルボン酸とのジエステル化物が挙げられる。
ステルワックス(ジエステル)を含有していることが好ましい。
2官能のエステルワックスは、2価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、又は、2価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル化合物が挙げられる。
上記脂肪族モノカルボン酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
上記脂肪族モノアルコールとしては、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが挙げられる。
なお、トナー粒子中の離型剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して、5.0質量部~20.0質量部であることが好ましい。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、トナー粒子中の着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して、3.0質量部~15.0質量部であることが好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物及びキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、又はエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩のようなによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
これら荷電制御剤は一種単独で又は二種類以上組み合わせて含有することができる。
トナー粒子中の荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.00質量部に対して、0.01質量部~10.00質量部であることが好ましい。
電子写真装置は以下の態様を有する。
電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該現像装置が、トナーを含む。
この電子写真装置に、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
電子写真装置は、
該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための像露光装置、
該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写するための転写装置、
及び
該記録媒体に転写された該トナー像を該記録媒体に定着させるための定着装置、
を有していてもよい。
図5に一例として、電子写真装置の断面概略図を示す。該電子写真装置は、四つの、電子写真感光体(以下単に、感光ドラムともいう)、該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置(以下単に、導電性ローラともいう)、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置(以下単に、現像ローラともいう)を少なくとも備えた、カラー電子写真装置である。各現像ローラには、ブラック、マゼンダ、イエロー、シアンの各色のトナーが供給される。
そして、現像ローラ103と接触配置されている現像ブレード108により、現像ローラ103の表面上にトナー109が均一にコーティングされると共に、摩擦帯電によりトナー109へと電荷が与えられる。上記静電潜像は、感光ドラム101に対して接触配置される現像ローラ103によって搬送されるトナー109が付与されて現像され、トナー像として可視化される。
転写材1019は、給紙ローラにより装置内に給紙され、中間転写ベルト1015と二次転写ローラ1016の間に搬送される。二次転写ローラ1016は、二次転写バイアス電源から電圧が印加され、中間転写ベルト1015上のカラー像を、転写材1019に転写する。カラー像が転写された転写材1019は、定着器1018により定着処理され、装置外に配紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム上に残存したトナーは、クリーニングブレード105により掻き取られて廃トナー収容容器107に収納され、クリーニングされた感光ドラム101は、上述の工程を繰り返し行う。また転写されずに一次転写ベルト上に残存したトナーもクリーニング装置1017により掻き取られる。
該電子写真装置としては、複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、又は、電子写真製版システムなどの電子写真装置などが挙げられる。
プロセスカートリッジは以下の態様を有する。
電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該現像装置が、トナーを含み、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有する。
このプロセスカートリッジに、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
プロセスカートリッジは、帯電装置及び現像装置を支持するための枠体を有していてもよい。
現像装置は、少なくとも現像ローラ93を備え、トナー99を有している。現像装置は、必要に応じてトナー供給ローラ94、トナー容器96、現像ブレード98、攪拌羽910が一体化されていてもよい。
帯電装置は、導電性ローラ92を少なくとも備えていればよく、クリーニングブレード95及び廃トナー容器97を備えていてもよい。導電性部材が電子写真感光体に接触可能に配置されればよいため、電子写真感光体(感光ドラム91)は、プロセスカートリッジの構成要素として、帯電装置と共に一体化されていてもよいし、電子写真装置の構成要素として本体に固定されていてもよい。
導電性ローラ92、現像ローラ93、トナー供給ローラ94、及び現像ブレード98は、それぞれ電圧が印加されるようになっている。
カートリッジセットは以下の態様を有する。
電子写真装置の本体に脱着可能である第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、
電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、
電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有する。
このカートリッジセットに、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
第一のカートリッジ又は第二のカートリッジは、電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を備えていてもよい。現像装置は、電子写真装置の本体に固定されていてもよい。
比較例中で使用する「部」は特に断りのない限り質量基準である。
[1-1.ドメイン形成用ゴム混合物(CMB)の製造例]
表1に示す各材料を、表1に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6-15MDX、トーシン社製)を用いて混合してCMBを得た。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、30分間とした。
表2に示す各材料を、表2に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー((商品名:TD6-15MDX、トーシン社製)を用いて混合してMRCを得た。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、16分間とした。
上記で得たCMB及びMRCを、表3に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6-15MDX、トーシン社製)を用いて混合した。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、20分間とした。
混合条件は、前ロール回転数10rpm、後ロール回転数8rpmで、ロール間隙2mmとして合計20回左右の切り返しを行った後、ロール間隙を0.5mmとして10回薄通しを行った。
導電性の外表面を有する支持体として、ステンレス鋼(SUS)の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を準備した。
支持体の供給機構、及び未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機の先端に、内径12.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドの温度を80℃に、支持体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機から、導電層形成用ゴム混合物を供給して、クロスヘッド内にて支持体の外周部を、該導電層形成用ゴム混合物で被覆し、未加硫ゴムローラを得た。
次に、160℃の熱風加硫炉中に該未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで導電層形成用ゴム混合物を加硫し、支持体の外周部に導電層が形成されたローラを得た。その後、導電層の両端部を各10mm切除して、導電層部の長手方向の長さを232mmとした。
最後に、導電層の表面を回転砥石で研磨した。これによって、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.44mm、中央部直径が8.50mmのクラウン形状である導電性部材1を得た。
原料ゴム、電子導電剤、加硫剤、及び加硫促進剤に関して、表5A-1~表5A-2に示す材料、及び条件を用いる以外は、導電性部材1と同様にして、導電性部材2~5、及び導電性部材7~8を製造した。
なお、表5A-1~表5A-2中に示した材料の詳細については、原料ゴムは表5B-1、電子導電剤は5B-2、加硫剤及び加硫促進剤は5B-3に示す。
DBPは、DBP吸油量を表し、単位は(cm3/100g)である。
表中のムーニー粘度に関し、原料ゴムの値は各社のカタログ値である。CMBの値は、JIS K6300-1:2013に基づくムーニー粘度ML(1+4)であり、CMBを構成する材料すべてを混練している時のゴム温度で測定されたものである。
SP値の単位は、(J/cm3)0.5である。
SP値の単位は、(J/cm3)0.5である。
導電性の外表面を有する支持体として、ステンレス鋼(SUS)の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を準備した。次いで、表5A-1及び表5A-2に示した材料及び条件を用いる以外は、導電性部材1と同様にして、導電性部材6Aを製造した。
次いで、以下の方法に従って、さらに導電性部材6Aに導電性樹脂層を設け、導電性部材6を製造した。
先ず、カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液に溶媒としてメチルイソブチルケトンを加え、固形分が10質量%となるように調整した。このアクリルポリオール溶液10
00部(固形分100部)に対して、下記の表6に示す材料を用いて混合溶液を調製した。このとき、ブロックHDIとブロックIPDIとの混合物は、「NCO/OH=1.0」であった。
前記導電性部材6Aを、その長手方向を鉛直方向にして、前記導電性樹脂層形成用の塗料中に浸漬してディッピング法で塗工した。ディッピング塗布の浸漬時間は9秒間、引き上げ速度は、初期速度が20mm/sec、最終速度が2mm/sec、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。得られた塗工物を常温で30分間風乾し、次いで90℃に設定した熱風循環乾燥機中において1時間乾燥し、さらに160℃に設定した熱風循環乾燥機中において1時間乾燥して導電性部材6を得た。
導電性部材6においては、マトリックスドメイン構成を持たない構成のため、導電性部材として単一の導電パスを持つ構成となっている。
図3A及び図3Bでは、導電性部材81を、3軸、具体的にはX、Y、Z軸の3次元としてその形状を示した図を示す。図3A及び図3BにおいてX軸は導電性部材の長手方向(軸方向)と平行な方向、Y軸、Z軸は導電性部材の軸方向と垂直な方向を示す。
過する際に放電することを考慮すると、当該XZ平面82と平行な断面82aは、あるタイミングに同時に放電が起きる面を示していることになる。一定量の断面82aに相当する面が通過することによって、感光ドラムの表面電位が形成される。
また、評価において、該導電層の長手方向の長さをLとしたとき、導電層の長手方向の中央での断面83bと、及び該導電層の両端から中央に向かってL/4の2か所の断面(83a及び83c)の計3か所を選択するとよい。
また、当該断面83a~83cの観察位置に関しては、導電層の厚さをTとしたとき、各切片のそれぞれ外表面から深さ0.1T以上0.9T以下までの厚み領域の任意の3か所で15μm四方の観察領域を置いたときの、合計9か所の観察領域で測定を行えばよい。
導電層におけるマトリクス-ドメイン構造の形成の有無について以下の方法により確認を行った。
カミソリを用いて導電性部材の導電層の長手方向に対して直交する断面が観察できるように切片(厚さ500μm)を切り出した。次いで、白金蒸着を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて1,000倍で撮影し、断面画像を得た。
当該2値化画像に対してカウント機能によって、50μm四方の領域内に存在し、かつ、2値化画像の枠線に接点を持たないドメインの総数に対して、上記のように、ドメイン同士が接続せずに孤立しているドメインの個数パーセントKを算出した。
具体的には、画像処理ソフトのカウント機能において、当該2値化画像の、画像の4方向の端部の枠線に接点を有するドメインがカウントされないよう設定した。
導電性部材(導電性ローラ)の導電層を長手方向に均等に5等分し、周方向に均等に4等分して得られた領域のそれぞれから任意に1点ずつ、合計20点から当該切片を作製して上記測定を行った際のKの算術平均値(個数%)を算出した。
Kの算術平均値(個数%)が80以上の場合に、マトリクス-ドメイン構造を「有」すると評価し、Kの算術平均値(個数%)が80を下回る場合に「無」と評価した。
マトリックスの体積抵抗率Rmは、例えば、導電層から、マトリクスドメイン構造が含まれている所定の厚さ(例えば、1μm)の薄片を切り出し、当該薄片中のマトリクスに走査型プローブ顕微鏡(SPM)や原子間力顕微鏡(AFM)の微小探針を接触させるこ
とによって計測することができる。
弾性層からの薄片の切り出しは、例えば、図3Bに示したように、導電性部材の長手方向をX軸、導電層の厚み方向をZ軸、周方向をY軸とした場合において、薄片が、導電性部材の軸方向に対して垂直なYZ平面(例えば、83a、83b、83c)に平行な面の少なくとも一部を含むように切り出す。切り出しは、例えば、鋭利なカミソリや、ミクロトーム、収束イオンビーム法(FIB)を用いて行うことができる。
体積抵抗率の測定は、導電層から切り出した薄片の片面を接地する。次いで、当該薄片の接地面とは反対側の面のマトリクスの部分に走査型プローブ顕微鏡(SPM)や原子間力顕微鏡(AFM)の微小探針を接触させ、50VのDC電圧を5秒間印加し、接地電流値を5秒間測定した値から算術平均値を算出し、その算出した値で印加電圧を除することで電気抵抗値を算出する。最後に薄片の膜厚を用いて、抵抗値を体積抵抗率に変換する。このとき、SPMやAFMは、抵抗値と同時に当該薄片の膜厚も計測できる。
円柱状の帯電部材におけるマトリックスの体積抵抗率Rmの値は、例えば、導電層を周方向に4分割、長手方向に5分割した領域のそれぞれから各1つずつ薄片サンプルを切り出し、上記の測定値を得た後に、合計20サンプルの体積抵抗率の算術平均値を算出することによって求める。
本実施例においては、まず、導電性部材の導電層から、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ製)を用いて、切削温度-100℃にて、1μmの厚みの薄片を切り出した。薄片は、図3Bに示したように、導電性部材の長手方向をX軸、導電層の厚み方向をZ軸、周方向をY軸とした場合において、導電性部材の軸方向に対して垂直なYZ平面(例えば、83a、83b、83c)の少なくとも一部が含まれるように切り出した。
温度23℃、湿度50%RH環境において、当該薄片の一方の面(以降、「接地面」ともいう)を金属プレート上に接地させ、当該薄片の接地面とは反対側の面(以降、「測定面」ともいう)のマトリクスに相当し、かつ、測定面と接地面との間にドメインが存在していない箇所に走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:Q-Scope250、Quesant Instrument Corporation製)のカンチレバーを接触させた。続いて、5秒間、カンチレバーに50Vの電圧を印加し、電流値を測定して5秒間の算術平均値を算出した。
SPMで測定切片の表面形状を観察し、得られる高さプロファイルから測定箇所の厚さを算出した。さらに、表面形状の観察結果から、カンチレバーの接触部の凹部面積を算出した。当該厚さと当該凹部面積とから体積抵抗率を算出した。
薄片は、導電層を長手方向に5等分し、周方向に4等分して得られたそれぞれの領域内から任意に1点ずつ、合計20点の当該切片を作製して上記測定を行った。その平均値を、マトリックスの体積抵抗率Rmとした。
なお、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:Q-Scope250、Quesant Instrument Corporation製)はコンタクトモードで操作した。
評価結果をマトリクスの「体積抵抗率Rm(単位:Ω・cm)」として表7に示す。
上記マトリクスの体積抵抗率Rmの測定において、超薄切片のドメインに該当する箇所で測定を実施し、測定の電圧を1Vにする以外は、同様の方法で、ドメインの体積抵抗率Rdの測定を実施した。本実施例では、上記(マトリックスの体積抵抗率Rmの測定方法)において、測定面のカンチレバーを接触させる箇所を、ドメインに相当し、かつ、測定面と接地面との間にマトリクスが存在しない箇所に変更し、電流値の測定の際の印加電圧を1Vに変更した以外は同様の方法で実施し、Rdを算出した。
評価結果を、ドメインの「体積抵抗率Rd(単位:Ω・cm)」として表7に示す。
D(ドメイン径D)、及び、導電性部材の外表面を観察した際の、導電層中のドメインの円相当径の算出平均値Ds(ドメイン径Ds)の測定方法
該ドメインの円相当径の算出平均値D(ドメイン径D)は以下のように算出した。
導電層の長手方向の長さをL、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央(83b)、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所(83a、83b、83c)から、図3Bに示されるような導電層の厚さ方向の断面を有する、厚みが1μmのサンプルを、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて切り出した。
得られた3つのサンプルの各々の、導電層の厚さ方向の断面に白金を蒸着した。
次いで、各サンプルの白金蒸着面のうち、導電層の外表面から深さ0.1T~0.9Tまでの厚み領域内の任意に選択した3か所を走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて5000倍で撮影した。
得られた9枚の撮影画像の各々を、画像処理ソフト(製品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)によって、2値化し、カウント機能による定量化を行って、各撮影画像に含まれるドメインの面積の算術平均値Sを算出した。
次いで、各撮影画像について算出したドメインの面積の算術平均値Sから、ドメインの円相当径(=(4S/π)0.5)を計算した。次に、各撮影画像のドメインの円相当径の算出平均値を算出して、導電性部材の断面観察における、導電層中のドメインの円相当径の算出平均値D(ドメイン径D)を得た。
導電層の長手方向の長さをLとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所から、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、導電層の外表面が含まれるサンプルを切り出した。サンプルの厚さは1μmとした。
該サンプルの導電層の外表面に該当する面に白金を蒸着した。
該サンプルの白金蒸着面の任意の3か所を選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて5000倍で撮影した。
得られた合計9枚の撮影画像の各々を画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)を用いて2値化し、カウント機能による定量化を行って、各撮影画像に含まれるドメインの平面積の算術平均値Ssを算出した。
次いで、各撮影画像について算出したドメインの平面積の算術平均値Ssから、ドメインの円相当径(=(4S/π)0.5)を計算した。次いで、各撮影画像のドメインの円相当径の算出平均値を算出して、導電性部材の外表面を観察した際の、導電層中のドメインの円相当径の算出平均値Ds(ドメイン径Ds)を得た。
導電層の長手方向の長さをL、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央(83b)、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所(83a、83b、83c)から、図3Bに示されるような導電層の厚さ方向の断面が表れたサンプルを取得した。
得られた3つのサンプルの各々について、導電層の厚さ方向の断面が表れた面における、導電層外表面から深さ0.1T~0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所に50μm四方の解析領域を置き、当該3つの解析領域を、走査型電子顕微鏡(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率5000倍で撮影した。
得られた合計9枚の撮影画像の各々を、画像処理ソフト(商品名:LUZEX;ニレコ社製)を使用して2値化した。
2値化の手順は以下のように行った。撮影画像に対し、8ビットのグレースケール化を行い、256諧調のモノクロ画像を得た。そして、撮影画像内のドメインが白くなるように、画像の白黒を反転処理し、2値化し、撮影画像の2値化画像を得た。
次いで、9枚の2値化画像の各々について、ドメインの隣接壁面間距離を算出し、さらにそれらの算術平均値を算出し、この値をLwとした。
なお、隣接壁面間距離とは、最も近接しているドメイン同士の壁面間の最短距離であり、上記画像処理ソフトにおいて、測定パラメーターを隣接壁面間距離と設定することで求めることができる。
得られた3つのサンプルの各々について、導電性部材の外表面に該当する面の任意の3ヶ所に50μm四方の解析領域を置き、当該3つの解析領域を、走査型電子顕微鏡(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率5000倍で撮影した。
得られた合計9枚の撮影画像の各々を、画像処理ソフト(商品名:LUZEX;ニレコ社製)を使用して2値化した。2値化の手順は、上記したドメイン間距離Lwを求める際の2値化の手順と同様である。次いで、9枚の撮影画像の2値化画像の各々について、ドメインの隣接壁面間距離を求め、さらにそれらの算術平均値を算出し、この値をLwsとした。
(結着樹脂微粒子分散液の調製)
スチレン89.5部、アクリル酸ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、n-ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。
この溶液に、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部をイオン交換水150部に溶解した水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.3部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を添加した。
窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの結着樹脂微粒子分散液を得た。
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃)100部、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)15部をイオン交換水385部に混合し、湿式ジェットミルJN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して離型剤分散液を得た。離型剤分散液の濃度は20質量%であった。
着色剤としてカーボンブラック「Nipex35」(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)100部、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)15部をイオン交換水885部に混合し、湿式ジェットミルJN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して着色剤分散液を得た。
結着樹脂微粒子分散液265部、離型剤分散液10部、及び着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。
撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1mol/Lの塩酸を加えてpHを5.0に調整した。
3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子を生成させた。
その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定した。会合粒子の重量平均粒径が6.2μmになった時点で、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.0に調整して粒子の成長を停止させた。
その後、95℃まで昇温して会合粒子の融着と球形化を行った。平均円形度が0.980に到達した時点で降温を開始し、30℃まで降温してトナー粒子分散液1を得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行った。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットし、トナー粒子1を得た。トナー粒子1の重量平均粒径(D4)は6.3μm、平均円形度は0.980、ガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
TiO2相当分を50質量%含有しているイルメナイト鉱石を、150℃で3時間乾燥した後、硫酸を添加して溶解させ、TiOSO4の水溶液を得た。
得られた水溶液を濃縮した後、TiO2相当分100部に対して、ルチル結晶を有するチタニアゾルをシードとして10部添加した後、170℃で加水分解を行い、不純物を含有するTiO(OH)2のスラリーを得た。
このスラリーをpH5~6で繰り返し洗浄を行い、硫酸、FeSO4及び不純物を十分に除去することで、高純度のメタチタン酸〔TiO(OH)2〕のスラリーを得た。
このスラリーを濾過した後、スラリーの乾燥質量100部に対して、炭酸リチウム(Li2CO3)を0.5部添加し、250℃で3時間焼成した後、ジェットミルによる解砕処理を繰り返し行い、ルチル型結晶を有する酸化チタン微粒子を得た。
得られた酸化チタン微粒子をエタノール中に分散させて撹拌しながら、酸化チタン微粒子100部に対して、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシランを5部滴下混合し
て反応させた。乾燥した後、170℃で3時間加熱処理し、酸化チタンの凝集体が無くなるまでジェットミルで繰り返し解砕処理を行い、微粒子A1(酸化チタン微粒子)を得た。微粒子A1の物性を表8に示す。
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiO2として1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Ti(モル比)で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO2濃度1.039モル/Lに調整した。
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn-オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、微粒子A2(チタン酸ストロンチウム微粒子)を得た。微粒子A2の物性を表8に示す。
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを2.0に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.5に調整し上澄み液の電気伝導度が100μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、1.07倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてステンレス(SUS)製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO3換算で0.3モル/Lになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを87℃まで70℃/時間で昇温し、87℃に到達してから4時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。
さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して1質量%のステアリン酸ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸亜鉛水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸亜鉛を析出させた。
該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸亜鉛で表面処理したチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。この一次粒子の個数平均粒径が230nmの微粒子A3(チタン酸ストロンチウム微粒子)を得た。微粒子A3の物性を表8に示す。
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを2.0に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.5に調整し上澄み液の電気伝導度が100μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、1.07倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてステ
ンレス(SUS)製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO3換算で0.3モル/Lになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを87℃まで70℃/時間で昇温し、87℃に到達してから4.5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して2.5質量%のn-オクチルトリエトキシシランを添加し、10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し、1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、微粒子A4(チタン酸ストロンチウム微粒子)を得た。微粒子A4の物性を表8に示す。
燃焼器に酸素を50Nm3/h、アルゴンガスを2Nm3/hで供給し、アルミニウム粉末の着火用の場を形成した。次いでアルミニウム粉末(平均粒径約45μm、供給量20kg/h)をアルミニウム粉末供給装置から窒素ガス(供給量3.5Nm3/h)と共に燃焼器を通過させて反応炉へ供給した。反応炉内にて、アルミニウム粉末を酸化させることにより、アルミナ粒子とした。反応炉内を通過後に得られたアルミナ粒子を分級して微粗粉を除去し、微粒子A5(アルミナ微粒子)を得た。微粒子A5の物性を表8に示す。
燃焼器に酸素を50Nm3/h、アルゴンガスを2Nm3/hで供給し、アルミニウム粉末の着火用の場を形成した。次いでアルミニウム粉末(平均粒径約45μm、供給量20kg/h)をアルミニウム粉末供給装置から窒素ガス(供給量3.5Nm3/h)と共に燃焼器を通過させて反応炉へ供給した。反応炉内にて、アルミニウム粉末を酸化させることにより、アルミナ粒子とした。
得られたアルミナ粒子をエタノール中に分散させて撹拌しながら、該アルミナ粒子100部に対して、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシランを3.0部滴下混合して反応させた。乾燥した後、170℃で3時間加熱処理し、アルミナの凝集体が無くなるまでジェットミルで繰り返し解砕処理を行った。その後、アルミナ粒子を分級して微粗粉を除去し、微粒子A6(アルミナ微粒子)を得た。微粒子A6の物性を表8に示す。
乾式法により得られたヒュームドシリカ(BET:200m2/g)100部を原体とし、ヘキサメチルジシラザン15部で表面処理した。その後、25℃における粘度が10
0mm2/sのジメチルシリコーンオイル13部で表面処理したのち、解砕、篩分級処理を施し、微粒子B1(シリカ微粒子)を得た。微粒子B1の物性を表9に示す。
(第一工程)
温度計、撹拌機を備えた反応容器に、水:360.0部を入れ、濃度5.0質量%の塩酸:15.0部を添加して均一溶液とした。これを温度25℃で撹拌しながらテトラエトキシシラン133.0部を添加し、5時間撹拌した後、濾過してシラノール化合物又はその部分縮合物を含む透明な反応液を得た。
(第二工程)
温度計、撹拌機、滴下装置を備えた反応容器に、水:540.0部を入れ、濃度10.0質量%のアンモニア水:17.0部を添加して均一溶液とした。これを温度35℃で撹拌しながら第一工程で得られた反応液100部を1.5時間かけて滴下し、8時間撹拌し懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離器にかけて微粒子を沈降させ取り出し、温度200℃の乾燥機で24時間乾燥させて微粒子B2を得た。微粒子B2の物性を表9に示す。
乾式法により得られたヒュームドシリカ(BET:75m2/g)100部を原体とし、ヘキサメチルジシラザン15部で表面処理した。その後、25℃における粘度が100mm2/sのジメチルシリコーンオイル8部で表面処理したのち、解砕せずに、篩分級処理を施し、微粒子B3(シリカ微粒子)を得た。微粒子B3の物性を表9に示す。
(第一工程)
温度計、撹拌機を備えた反応容器に、水:360.0部を入れ、濃度5.0質量%の塩酸:15.0部を添加して均一溶液とした。これを温度25℃で撹拌しながらテトラエトキシシラン133.0部を添加し、5時間撹拌した後、濾過してシラノール化合物又はその部分縮合物を含む透明な反応液を得た。
(第二工程)
温度計、撹拌機、滴下装置を備えた反応容器に、水:540.0部を入れ、濃度10.0質量%のアンモニア水:17.0部を添加して均一溶液とした。これを温度35℃で撹拌しながら第一工程で得られた反応液100部を0.5時間かけて滴下し、5時間撹拌し懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離器にかけて微粒子を沈降させ取り出し、温度200℃の乾燥機で24時間乾燥させて微粒子B4を得た。微粒子B4の物性を表9に示す。
FMミキサ(日本コークス工業株式会社製FM10C型)を使用して、トナー粒子1、微粒子A1及び微粒子B1を混合した。
FMミキサのジャケット内の水温が25℃±1℃で安定した状態で、100部のトナー粒子1に対して、0.7部の微粒子A1、1.0部の微粒子B1を投入した。
回転羽根の周速28m/secで混合を開始し、槽内温度が25℃±1℃で安定するように、ジャケット内の水温と流量を制御しながら4分間混合した後、目開き75μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー1の製造条件を表10に示す。
微粒子Aの種類と投入部数、微粒子Bの種類と投入部数を、表10に示すように変更した以外は、トナー1と同様にしてトナー2~9を製造した。トナー2~9の製造条件を表10に示す。
微粒子A及び微粒子Bの体積抵抗率は電位計(ケースレー製6430型サブフェムトアンペア・リモート・ソースメータ)を用いて測定した電流値より算出した。
上下電極挟み込み方式のサンプルホルダ(東陽テクニカ製SH2-Z型)に、微粒子を1.0g充填し、2.0N・mのトルクを加えることで微粒子を圧縮した。
電極には、上電極直径25mm、下電極直径2.5mmのものを使用した。サンプルホルダを通して微粒子に10.0Vの電圧を印可し、充電電流を含まない飽和時の電流値から抵抗値を算出し、下記の式にて体積抵抗率を算出した。
トナーから微粒子を単離する方法は、トナーをクロロホルムなどの溶媒に分散させ、その後に遠心分離などで比重の差で微粒子を単離し、ここで得た微粒子を用いて、シリカ粒子単体の元素分析(ESCA測定)により微粒子の組成の同定及び単一性を確認した。
なお、微粒子を単独で入手できる場合は、微粒子を単独で測定するとよい。
体積抵抗率(Ω・cm)=抵抗値(Ω)×電極面積(cm2)/サンプル厚さ(cm)
微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径L1は、走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品
名;日立製作所製)を用いて測定した。
トナーを観察して、最大5万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の微粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求めた。観察倍率は、微粒子の大きさによって適宜調整した。
なお、微粒子Aを単独で入手できる場合は、微粒子Aを単独で測定するとよい。
また、トナー観察において、微粒子A以外の微粒子が含まれる場合、各微粒子に対してEDS分析を行い、分析した微粒子を同定した。
微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品名;日立製作所製)を用いて測定した。
トナーを観察して、最大5万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の微粒子Bの一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、微粒子Bの大きさによって適宜調整した。
なお、微粒子Bを単独で入手できる場合は、微粒子Bを単独で測定するとよい。
また、トナー観察において、微粒子B以外の微粒子が含まれる場合、各微粒子に対してEDS分析を行い、Si、Oの元素含有量(atomic%)の比(Si/O比)を標品と比較することで微粒子Bの同定を行った。シリカ微粒子の標品として、HDK V15(旭化成)を用いた。
導電性部材1及びトナー1を用い、以下のように評価した。評価結果を表11に示す。
なお、高速プロセスにおける評価とするために、以下のように改造した。
改造点は、評価機本体のギア及びソフトウェアを変更することにより、現像ローラの回転数をドラムに対して2倍の周速で回転するように設定したこと、プロセススピードを330mm/secに変更したことである。
LBP9950Ciのトナーカートリッジの中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、評価するトナー1を、180gを装填した。
さらに、導電性部材1をプロセスカートリッジの帯電ローラとしてセットし、レーザープリンタに組み込み、当該レーザープリンタ内の前露光装置を撤去した。
以上のような改造を施すことで、トナーや微粒子A及び微粒子Bがクリーニングブレードをすり抜け、導電性部材の汚染レベル、がさつきレベル、及びカブリレベルを評価する上ではより厳しいモードとなる。
次に、そのまま当該環境にて左右に余白を50mmずつとり中央部に、4.0%の印字率の画像をA4用紙横方向で20,000枚までプリントアウトして、初期画像と20,000枚出力後に評価を行った。トナーの諸物性および実機評価結果を表11に示す。
プロセスカートリッジを改造して、表面電位プローブ(本体:Model347 トレック社製 プローブ:Model3800S-2)を、帯電プロセス後のドラム表面電位が測定できるように設置した。
上記と同様の23℃、50%RH環境下で、外部電源(Trek615 トレックジャパン社製)によって、導電性部材1に電圧を-1000V印加して、べた白画像及びべた黒画像を出力した際の感光体ドラムの表面電位を測定した。
そして、べた黒画像を出力した際と、べた白画像を出力した際の帯電プロセス後の感光体ドラムの表面電位の差を、導電性部材1の帯電能力として算出した。評価結果を「白黒
電位差」として表11に示す。
A:白黒電位差が10V未満である。
B:白黒電位差が10V以上30V未満である。
C:白黒電位差が30V以上50V未満である。
D:白黒電位差が50V以上である。
上記と同じ23℃、50%RH環境下で、チェック時にハーフトーンの画像を印刷し、ガサツキの評価を行った。チェック画像をデジタルマイクロスコープVHX-500(レンズワイドレンジズームレンズVH-Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。
そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)で評価した。
ドット再現性指数(I)は値が小さいほどドット再現性に優れていることを示している。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが2.0未満
B:Iが2.0以上4.0未満
C:Iが4.0以上6.0未満
D:Iが6.0以上8.0未満
E:Iが8.0以上
上記と同じ23℃、50%RH環境下で、先ず初期画像を評価した。
また、同環境下で20,000枚までプリントアウトして、20,000枚出力した後に、15℃、10%RH(LL)、及び、30℃、80%RH(HH)に24時間調湿した。
それぞれの環境下で、白地画像を5枚出力して、それぞれカブリ率を測定して最大値を求め、耐久後のカブリ率とした。カブリ率の測定は以下のようにして行った。
評価画像と、通紙前の白紙について、デジタル白色光度計(TC-6D型、有限会社東京電色製、グリーンフィルター使用)を用い、反射率(%)を1枚あたり5点測定し、それぞれの平均反射率(%)を求めた。そして白紙の平均反射率(%)と評価画像の平均反射率(%)の差をカブリ率(%)とした。評価結果を表11に示す。
評価紙としてはボンド紙(坪量75g/m2)紙を用いた。
A:カブリ率が0.5%未満である。
B:カブリ率が0.5%以上1.0%未満である。
C:カブリ率が1.0%以上1.5%未満である。
D:カブリ率が1.5%以上である。
実施例1において、トナー及び導電性部材を表11のように変更した以外は同様にして評価を行った。評価結果を表11に示す。
導電層の一端から中央に向かってL/4の箇所の断面、83b 導電層の長手方向の中央での断面、83c 導電層の一端から中央に向かってL/4の箇所の断面、91 感光ドラム、92 導電性ローラ、93 現像ローラ、94 トナー供給ローラ、95 クリーニングブレード、96 トナー容器、97 廃トナー容器、98 現像ブレード、99
トナー、910 攪拌羽、101 感光ドラム、102 導電性ローラ、103 現像ローラ、104 トナー供給ローラ、105 クリーニングブレード、106 トナー容器、107 廃トナー収容容器、108 現像ブレード、109 トナー、1010 攪拌羽、1011 露光光、1012 一次転写ローラ、1013 テンションローラ、1014 中間転写ベルト駆動ローラ、1015 中間転写ベルト、1016 二次転写ローラ、1017 クリーニング装置、1018 定着器、1019 転写材
Claims (10)
- 電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下であることを特徴とする電子写真装置。 - 前記微粒子Bの前記体積抵抗率R2が、前記微粒子Aの前記体積抵抗率R1の1.0×105倍以上である、請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径L1が、10nm以上300nm以下である、請求項1又は2に記載の電子写真装置。
- 前記微粒子Aが、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子から選択される少なくとも一の微粒子を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子写真装置。
- 前記微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径L2が、5nm以上200nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子写真装置。
- 前記導電性部材の断面観察における、前記導電層中の前記ドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Lwが、0.20μm以上6.00μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子写真装置。
- 前記微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径L2(単位がnm)と、
前記導電性部材の外表面を観察した際の、前記導電層中の前記ドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Lws(単位がnm)とが、
L2<Lwsの関係を満たす、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子写真装置。 - 前記ドメインの体積抵抗率Rd(単位がΩ・cm)と、
前記微粒子Aの体積抵抗率R1(単位がΩ・cm)とが、
下記式(1)の関係を満たす、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子写真装置。
1.0×10-1≦R1/Rd≦1.0×107 (1) - 電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、
電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 電子写真装置の本体に脱着可能である、第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、
電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、
電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリクス及び該マトリクス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリクスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリクスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、1.00×1012Ω・cmより大きく、
該マトリクスの体積抵抗率Rmが、該ドメインの体積抵抗率Rdの1.0×105倍以上であり、
該トナーが、結着樹脂を含有するトナー粒子、並びに、該トナー粒子表面の微粒子A及び微粒子Bを有し、
該微粒子Aの体積抵抗率R1が、1.0×103Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
該微粒子Bがシリカ微粒子であり、
該微粒子Bの体積抵抗率R2が、1.0×1011Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下である
ことを特徴とするカートリッジセット。
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