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JP7317555B2 - ガス分離装置及びガス分離方法 - Google Patents

ガス分離装置及びガス分離方法 Download PDF

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Description

ガス分離装置及びガス分離方法に関する。
半導体製造工程では、種々の工程に対応して各種のガスが利用されている。例えば、ドライエッチング工程や薄膜形成工程などにおいて、CF、NF、C、C、SF、CHFなどのパーフルオロ化合物(PFC:perfluoro compound)が反応性ガスとして使用され、これらを含む排ガスが生じる。
この排ガスの排出時には真空ポンプの保護を目的として多量の窒素(N)ガスが導入され、反応に使われなかったPFCガスは反応で使われ分解したPFCガス(HF、CO、分解PFCガス等)と共に希釈されて排出される。
また近年、高積層した3D(3次元)-NAND型フラッシュメモリーの生産のために、微細かつ高アスペクト比を保ってより正確なエッチングを行う異方性エッチングの技術が開発されている。このエッチングには、C、CまたはCといったPFCガスに加えて、希ガスであるXe又はKrをアシストガスとして導入することが行われるようになってきた。これにより、高価な希ガスのXeやKrの回収技術が求められようになってきた。
一般的なガス分離技術としては、沸点差で分離する深冷蒸留法、吸脱着を繰り返す圧力スウィング吸着(PSA)法や温度スウィング吸着(TSA)法、ガス分離膜を使った膜分離法などが知られている。これらのガス分離技術は、分離対象ガス、目標純度、処理量に合わせて、各種分野で用いられている。
深冷蒸留法は、例えば、空気を原料としてOやNを製品として得ようとする場合などに用いられている。この方法では、加圧した空気を熱交換により-190℃程度に冷却して精留塔に導入し、該精留塔で精留することによってOとNとを分離して取り出す。深冷蒸留法は、PSA法、TSA法、及び膜分離法に比べて、目的のガスを高純度に得ることができる利点がある。
PSA法では、例えば、ゼオライト等を吸着剤として用い、加圧下で混合ガスを流通させることによって、易吸着成分を吸着剤に吸着固定させ、難吸着成分を分離回収する。また、吸着剤を十分に低い圧力条件下におけば、吸着剤から易吸着成分を脱着させることができ、吸着剤を再使用可能な状態にできる。PSA法は、短時間での吸着・再生の切り替えが可能なため、吸着剤当たりの製品発生量を高めやすく、また、分離装置をコンパクトにしやすいという利点を持つ。PSA法が吸脱着を圧力で制御するのに対し、TSA(温度スウィング吸着)法では吸脱着を熱で制御する。また、両者を組み合わせて分離を行う方法も採用されている。
膜分離法は、膜素材である高分子化合物の特有の気体透過性や、ゼオライトのような細孔径による分子篩効果を利用する。膜分離法は、目的ガスの高純度化には制約があるが、分離装置がコンパクトで安価であるという利点を持つ。
また、希ガスの分離回収技術として、特許文献1には、活性炭の吸着能力を低下させる有害成分を予め希ガス含有排ガスから除去し、この希ガス含有排ガスを、活性炭を内蔵したガス回収容器内に加圧充填した後、減圧して希ガスを回収することが記載されている。
さらに特許文献2には、半導体製造装置からの排ガスに含まれるXeなどを高濃度、高回収率で回収するに際し、XeなどをNなどと同時に高濃度に濃縮して回収する技術が開示されている。
特開2005-336046号公報 特開2007-130611号公報
半導体製造工程で用いられるXeやKr等の希ガスには高純度(5N:99.999質量%)が求められるため、この目的を達成可能な既存のガス分離技術は深冷蒸留法となる。実際、空気からの深冷蒸留によってXeやKr等の希ガスが製造されている。しかし、深冷蒸留法は装置が大がかりになり、設備コストもランニングコストも高くなる。
他方、PSA法、TSA法及び膜分離法は、分離装置の小型化が図れるため、設備コストやランニングコストの面では深冷蒸留法よりも有利である。しかし、目的ガスの高純度化には限界があり、XeやKr等の希ガスを、上記の目的の高純度で得ることは困難である。
また、特許文献1及び2に記載された希ガス回収技術も、処理設備が大がかりになり、かつ複雑であり、また希ガスを目的の高純度(99.999質量%)に得ることも難しい。
本発明は、半導体製造工程等における排ガスなどの混合ガスから、目的のガスを、短時間に、高純度に分離回収するガス分離装置及びガス分離方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
[1]
被処理混合ガスから目的のガスAを分離回収するガス分離装置であって、
前記被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通してクロマト分離するガス分離手段を有し、
前記ガス分離手段により、前記被処理混合ガスが導入される前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すガス分離装置。
[2]
前記被処理混合ガスが、希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスであり、前記ガスAが前記希ガスである[1]記載のガス分離装置。
[3]
パーフルオロ化合物ガスと希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスから前記パーフルオロ化合物ガスを分離するパーフルオロ化合物ガス分離手段を有し、
前記被処理混合ガスが、前記のパーフルオロ化合物ガスと希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスから前記パーフルオロ化合物ガス分離手段によりパーフルオロ化合物ガスを除去して得られるものである[2]に記載のガス分離装置。
[4]
前記充填剤がゼオライトである[1]~[3]のいずれかに記載のガス分離装置。
[5]
前記ガス分離手段を複数有し、該複数のガス分離手段の各カラムに前記被処理混合ガスを順次異なるタイミングにて切り替えて導入する切替手段を有する[1]~[4]のいずれかに記載のガス分離装置。
[6]
前記カラムの一方側に接続された第1配管と、
前記カラムの他方側に接続された第2配管と、
前記カラムから前記第1配管を通して排出されるガスを分析する第1分析手段と、
前記カラムから前記第2配管を通して排出されるガスを分析する第2分析手段と、
前記第1配管及び前記各第2配管に配した流路切替手段とを有し、
前記流路切替手段の開閉タイミングは、前記第1分析手段及び前記第2分析手段の分析結果に基づいて決定される[1]~[5]のいずれかに記載のガス分離装置。
[7]
前記カラムのガスが排出されている側の圧力が、前記カラムのガスが排出されていない側の圧力よりも低い[1]~[6]のいずれかに記載のガス分離装置。
[8]
前記ガス分離手段の前段に、該ガス分離手段に付さない不要なガスを除去する除害手段が配され、
前記除害手段が吸着除害装置である、[1]~[7]のいずれかに記載のガス分離装置。
[9]
被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通して該被処理混合ガスに含まれる目的のガスAをクロマト分離するガス分離方法であって、
前記クロマト分離が、前記被処理混合ガスが導入される前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すことを含むガス分離方法。
[10]
前記被処理混合ガスが希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスであり、前記ガスAを前記希ガスとし、
前記被処理混合ガスをゼオライトが充填されたカラムに通して前記希ガスを分離することを含む[9]に記載のガス分離方法。
[11]
前記カラムを複数用いて、各カラムに、前記被処理混合ガスを順次異なるタイミングにて導入する[10]に記載のガス分離方法。
[12]
前記カラムの前段の吸着除害処理により、前記クロマト分離に付さない不要なガスを除去して前記被処理混合ガスを得ることを含む[9]~[11]のいずれかに記載のガス分離方法。
本発明によれば、半導体製造工程における排ガスなどの混合ガスから、目的のガスを、短時間に、所望の高純度で分離回収することが可能となる。
本発明のガス分離装置の好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した概略構成図である。なお、配管の一部は矢印で示した。 第1実施形態のガス分離装置のカラムから排出されたガスの質量分析計による分析結果を示したガス分析図である。ガス分析図は、縦軸にイオン強度を示し、横軸に経過時間を示した。 本発明のガス分離装置の好ましい一実施形態(第2実施形態)を示した概略構成図である。なお、配管の一部は矢印で示した。 本発明のガス分離装置の好ましい一実施形態(第3実施形態)を示した概略構成図である。なお、配管の一部は矢印で示した。 本発明のガス分離装置の好ましい一実施形態(第4実施形態)を示した概略構成図である。なお、配管の一部は矢印で示した。 第3実施形態のガス分離装置の工程の好ましい一例を示した工程図であり、カラム11Aによるガス分離処理の開始からカラム11Iが最初のガス分離処理を終えて、次に被処理混合ガスが導入され、Xeガスの回収が始まるまでの工程図である。 第3実施形態のガス分離装置の工程の好ましい一例を示した工程図の続きであり、カラム11A~11Iによるガス分離処理が一巡した後、再びカラム11Aによりガス分離処理が開始された以降の工程図である。 本発明のガス分離装置を用いた回収システムの好ましい一実施形態を示した概略構成図である。なお、配管の一部は矢印で示した。 実施例1の試験装置に用いる被処理混合ガスの供給源を示した概略構成図である。 実施例1におけるガス分離装置のカラムから排出されたガスの質量分析計による分析結果を示したガス分析図である。ガス分析図は、縦軸にイオン強度を示し、横軸に時間を示した。 比較例1におけるガス分離装置のカラムから排出されたガスの質量分析計による分析結果を示したガス分析図である。ガス分析図は、縦軸にイオン強度を示し、横軸に時間を示した。
本発明に係るガス分離装置の好ましい一実施形態(第1実施形態)を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、ガス分離装置1(1A)には、充填剤が充填されたカラム11に被処理混合ガスを通してクロマト分離するガス分離手段2を有する。以下の説明では、目的のガスAとしてXeガスと目的のガスA以外のガスとしてNガスとを含む混合ガスを被処理混合ガスとする形態を例に説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外は、下記の形態に限定されるものではない。
被処理混合ガスは、被処理混合ガス供給源111からカラム11に導入される。被処理混合ガスは、希ガス及びNガスを含む。希ガスとしては、例えば、Xeガス及びKrガスが挙げられる。カラム11の内部には、充填剤として、例えば、ゼオライトや活性炭などが充填されている。
被処理混合ガス供給源111には、供給配管112の一端が接続される。供給配管112には、被処理混合ガス供給源111側から順にマスフローコントローラー113及び仕切弁V1を備える。供給配管112の他端側は、ガス分離手段2のカラム11の下側に設けた下側出入口12に接続される。
カラム11は、縦置きにして(鉛直方向に沿って)配されることが好ましい。本発明において上側とは、鉛直方向とは反対の側を意味し、下側とは鉛直方向に向けた側を意味する。該カラム11は、処理量によって適宜大きさが決定される。例えば、充填カラム(または剤)の交換という観点から内径が19~200mm、半導体製造ラインの近傍に設置するという観点から長さ(高さ)が0.25~2mの筒体(例えば円筒)であることが好ましい。
充填剤として用い得るゼオライトは、細孔径が0.1~1.0nmであることが好ましく、また、吸着サイトを多数持つという観点から、細孔の表面積が1gあたり150~900mであることが好ましい。
このようなゼオライトには、合成ゼオライト又は天然ゼオライトが用いられる。合成ゼオライトとしては、例えば、ユニオン昭和社製、モレキュラーシーブ13X(商品名)、東ソー社製HSZ-800(商品名)等が挙げられる。また、天然ゼオライトとしては、モルデナイト、チャバザイト等が挙げられる。
他方、カラム11の上側には、上側出口13が設けられている。上側出口13には第1配管21の一端が接続される。第1配管21のカラム11側には流路切替手段の一部を構成する仕切弁V2が配される。さらに第1配管21の他端側には第1真空ポンプP1の吸引側P1Aが接続される。真空ポンプP1に特に制限はない。一例として、エドワーズ社製nXDS10i(商品名)(到達圧力:0.7Pa、排気速度:190SLM)を用いることができる。真空ポンプP1の排気側P1Bには、第3配管25の一端が接続され、第3配管25の他端側には、例えば排気系(図示せず)が接続されることが好ましい。本発明における「系」とはガスが通る配管やガスを処理する装置を意味する。
また、仕切弁V2と第1真空ポンプP1との間の第1配管21には分析用配管23が分岐され、分析用配管23にガス濃度を分析するガス分析手段31が配されることが好ましい。ガス分析手段31として、例えば、四重極型質量分析計(QMS:例えば、差動排気系キット付四重極型質量分析計:アルバック社製Qulee with YTP(商品名))が配される。
上記下側出入口12には、第2配管22の一端が接続される。図示したように、第2配管22は供給配管112のカラム11側を共用してもよく、又は図示してはいないが、別々にカラム11の下側に接続されてもよい。図示例では、被処理混合ガスは、供給配管112(一部は第2配管22との共用部分112S)を通って、カラム11の下側出入口12からカラム11内に導入される。
第2配管22には、供給配管112との共用部分112S側に流路切替手段の一部を構成する仕切弁V3が配される。上記仕切弁V2及びV3によって流路切替手段が構成される。また、第2配管22の他端側には第2真空ポンプP2の吸引側P2Aが接続される。第2真空ポンプP2の排気側P2Bには、第4配管26の一端側が接続され、この第4配管26の他端側には、例えば回収系(図示せず)が接続されることが好ましい。
また、仕切弁V3と第2真空ポンプP2との間の第2配管22には分析用配管24が分岐され、分析用配管24にはガス濃度を分析するガス分析手段32が配されることが好ましい。ガス分析手段32は上記ガス分析手段31と同様であり、QMSを配することができる。なお、本発明のガス分離装置1では、ガス分離処理中に、仕切弁V2と仕切弁V3とを同時に開くことがないため、上記ガス分析手段32は、図示したように、ガス分析手段31と共用することができる。
本発明のガス分離方法は、上記ガス分離装置1を用いて行う。ガス分離方法について、図1と併せて図2のガス分析手段31によるガス分析結果も参照して、具体的な工程を以下に説明する。なお、被処理混合ガスにNガスとXeガスとの混合ガスを用いる形態を例に説明する。
まずガス分離装置1の全ての仕切弁V1~V3を閉じた状態にする。このとき、カラム11内は、あらかじめ、仕切弁V2を開けて第1真空ポンプP1によって真空引きしておくことが好ましい。例えば、カラム11の上側出口13の圧力を、1.0×10~1.0×10-5Paに保つことが好ましく、1.0×10~1.0×10-2Paに保つことがより好ましく、1.0×10~1.0×10-1Paに保つことがさらに好ましい。
第1真空ポンプP1及び第2真空ポンプP2は、通常は、常時稼働状態にしておく。そして、例えば、上側出口13の圧力を5.0×10-1Pa程度の真空度に保って、工程1を行う。この工程1では、カラム11内部の真空度を保つためにまず仕切弁V2を開け、被処理混合ガスをカラム11内に導入するために、切替手段たる仕切弁V1を開ける。この時、仕切弁V3は閉じた状態を保つ(図2のT1~T2)。
このような状態にしてカラム11内に被処理混合ガスを導入する。カラム11内への被処理混合ガスの導入量は、例えば、マスフローコントローラー113によって計測された流量と供給時間によって制御することができる。その制御は、制御部(図示せず)によって制御することができる。制御部は、仕切弁V1~V3の開閉動作も制御することが好ましい。
工程1において、Nガスのイオン強度が一定になっている状態は、被処理混合ガスの導入量とNガスの排気量とが平衡になっている状態である。
所定の供給時間(図2のT2)が経過した後、導入側の仕切弁V1を閉じて、被処理混合ガスの導入を止める。この状態では、Nガス排気を継続するため、仕切弁V2は開けた状態を保つ。一方、仕切弁V3は閉じた状態を保つ。このようにして、第1真空ポンプP1の吸引力によって、カラム11の上側出口13からNガスを抜き出して排気する工程2を行う(図2のT2~T3)。
仕切弁V2を開けてからは、第1配管21を流れるNガスの一部を分析用配管23に引き込んで、ガス分析手段31によってガス分析を行うことが好ましい(図2のT1~T2)。ガス分析手段31によって分析したNガスのイオン強度が0レベルになった状態(Nガスを検出しなくなった状態)が確認できたとき、仕切弁V2を閉じる。(図2のT3)。そして仕切弁V3を開ける(図2のT3)。このとき、仕切弁V1は閉じた状態を継続する。これによって、Xeガスがカラム11の下側出入口12から第2配管22を通って第2真空ポンプP2によって吸引されることで抜き出され、Xe回収系(図示せず)に導く第4配管26に供給される(図2のT3~T4)。
仕切弁V3を開けてからは、第2配管22を流れるXeガスの一部を分析用配管24に引き込んで、ガス分析手段32によって第2配管22を流れるXeガスの分析を行う(図2のT3~T4)。ガス分析手段32によって分析したXeガスのイオン強度が0レベルになった状態(Xeガスを検出しなくなった状態)が確認できたとき、仕切弁V3を閉じる。(図2のT4)。
そして、再び、上記説明したのと同様に、仕切弁V2を開けて、仕切弁V1を開け(図2のT1)、被処理混合ガスをカラム11内に導入する(図2のT1~T2)。所定時間後、仕切弁V1を閉じて(図2のT2)、仕切弁V2のみ開けてNガスを排気する(図2のT2~T3)。このとき、仕切弁V3は閉じた状態を保つ。以降、上記で説明したのと同様に、各仕切弁V2及びV3の開操作ないし閉操作を行うことによって、ガス分離処理を継続的に行うことができる。
このように、ガス分析手段31、32の分析結果に基づいて流路切替手段(仕切弁V2、V3)の開閉タイミングを決定し、目的のガスの回収をすることができる。なお、本発明において、ガス分析手段31、32の分析結果に基づいて流路切替手段(仕切弁V2、V3)の開閉タイミングを決定するとは、例えば、Nガスの排気やXeガスの回収にかかる時間を分析しておき、あらかじめ、ガスの排気時間や回収時間を設定しておく形態も包含する意味である。
なお、ガス分析手段31(32)の測定では、分子がイオン化されるが、事前にXe/Nをそれぞれ単体ガスで分析し、それぞれの質量数がXe:131、N:28で分析できることを確認しておくことが好ましい。
また、回収したXeガスのサンプルを採取し、例えばガスクロマトグラフィーにてNガス濃度が10ppm以下になっていることを確認しておくことが好ましい。
本発明のガス分離装置1によれば、上記の通り、半導体製造工程などから生じるNガス及びXeガスを含む混合ガスから、クロマト分離によりからNガスを除去して、Xeガスを高純度で回収でき、再利用することが可能となる。
上記の方法によるXeガスの高純度、効率的な回収は、Xeが充填剤(例えばゼオライト)に吸着し易いこと、Xeの原子量がNの分子量と比較してかなり重く、Xeの原子サイズがNの分子サイズより大きいことが影響している。すなわち、カラム11内が第1真空ポンプP1によって吸引されていても、カラム11内に導入されたXeガスは、充填剤に対する強吸着性と重さの影響によりカラム11内の移動速度が遅く、カラム11の導入側付近に留まっていると考えられる。そのため、カラム11の下側出入口から第2真空ポンプP2によって吸引することによって、Xeガスをカラム11内より、下側出入口12を通じて効率的に抜き出すことができる。この結果、カラム11内のXeガスを短時間に回収することが可能になる。
例えば、通常のガスクロマト分離では、カラム11の上側出口13からNガスを回収した後、遅れて、上側出口13から排出されるXeガスを回収する。しかしこの場合、カラム11内をXeガスが通過するのを待つ必要があり、Xeガスを十分に回収するには24時間程度かかる。これに対し、本発明のガス分離装置1を用いてガス分離した場合、カラム11の上側出口13からNガスを排気してからカラム11の下側出入口12からXeガスを回収する。そのため、処理時間が1時間30分程度にまで大幅に短縮しながら、高純度のXeガスの回収が可能となる。
特に本発明のガス分離装置1は、深冷蒸留装置やPSA装置などに比べ、小型で安価である。また、目的のガスを、深冷蒸留装置と同等の、高純度で得ることができる。
さらに、カラム11内部が第1真空ポンプP1により排気されている場合、カラム11からNガスが出ていく上側出口13の圧力(出口圧力)が、被処理混合ガスが導入される下側出入口12の圧力(入口圧力)よりも低くなる。また、カラム11内部が第2真空ポンプP2により排気されている場合、カラム11からXeガスが出ていく下側出入口12の圧力(出口圧力)が、仕切弁V2が閉じられている上側出口13の圧力(出口圧力)よりも低くなる。このように、カラム11からのガスの出口圧力をカラム11からのガスの入口圧力よりも低い状態にすることにより、カラム11内のガスが出口側から出やすくなる。またカラム11の出口圧力を大気圧(例えば、1気圧)未満にすることにより、カラム11内の被処理混合ガスがカラム11外に漏れるのを防ぐことができ、安定してクロマト分離を行うことができる。また、危険性を有するガスであっても、処理中にカラム11外部に漏れることが防止され、安全性が高まる。
本発明のガス分離装置の好ましい別の一実施形態(第2実施形態)を、図3を参照して説明する。
図3に示すように、ガス分離装置1(1B)は、前述のガス分離装置1Aの供給配管112をカラム11の下側出口14からカラム11の上側出入口15に付け替えたものであり、その他の構成はガス分離装置1Aと同様である。すなわち、カラム11の上側出入口15から被処理混合ガスを導入し、回収目的としないガスをカラム11の下側出口14から排気し、目的のガスを上側出入口15から回収するガス分離装置1Bである。
具体的には、カラム11の上側出入口15には、被処理混合ガス供給源111に一端側が接続された供給配管112の他端側が接続される。供給配管112には、被処理混合ガス供給源111側から順にマスフローコントローラー113、仕切弁V1が配される。また、供給配管112のカラム11側には、第1配管21の一端側が接続され、第1配管21の他端側が第1真空ポンプP1の吸引側P1Aに接続される。第1配管21には、供給配管112と第1真空ポンプP1との間に仕切弁V2が配される。さらに、第1真空ポンプP1と仕切弁V2との間の第1配管21から分析用配管23が分岐され、分析用配管23にはガス分析手段31が配されることが好ましい。上記第1真空ポンプP1の排気側P1Bには、第3配管25の一端側が接続され、第3配管25の他端側には回収系(図示せず)に接続されることが好ましい。
一方、カラム11の下側出口14には、第2真空ポンプP2の吸引側に接続する第2配管22が配される。第2配管22には仕切弁V3が配される。また、仕切弁V3と第2真空ポンプP2との間の第2配管22から分析用配管24が分岐され、分析用配管24にはガス分析手段32が接続されることが好ましい。このガス分析手段32は、上記ガス分析手段31と共用することができる。上記第2真空ポンプP2の排気側には、排気系(図示せず)に接続する第4配管26が配されることが好ましい。
本発明のガス分離方法は、図3に示す上記ガス分離装置1Bを用いて行うこともできる。このガス分離方法について、図3を参照して、具体的な工程を以下に説明する。下記の説明は、被処理混合ガスとして、四フッ化メタン(CF:分子量=88.01)とトリフルオロメタン(CHF:分子量=70.01)との混合ガスを用いる形態を例に説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外は、下記の形態に限定されるものではない。下記の形態において、カラム11の充填剤には、例えば、活性炭を用いることができる。また、回収目的とするガスは、CHFである。
まずガス分離装置1の全ての仕切弁V1~V3を閉じた状態にする。このとき、カラム11内は、あらかじめ、仕切弁V3を開けて第2真空ポンプP2によって真空引きしておくことが好ましい。例えば、カラム11の下側出口14の真空度は、第1実施形態におけるカラム11の上側出口13の真空度と同様とすることが好ましい。
まず第1真空ポンプP1及び第2真空ポンプP2を、常時、稼働状態にすることが好ましい。そして工程1を行う。工程1では、カラム11内部の真空度を保つために、仕切弁V3を開け、被処理混合ガスをカラム11内に導入するために、仕切弁V1を開けることが好ましい。この時、仕切弁V2は閉じた状態を保つ。このような状態にしてカラム11内に被処理混合ガスを導入する。カラム11内への被処理混合ガスの導入量は、例えば、導入時間とマスフローコントローラー113によって測定された流量とによって制御することができる。その制御は、制御部(図示せず)によって制御することが好ましい。この制御部は、仕切弁V1~V3の開閉動作を制御することも好ましい。
所定時間が経過した後、導入側の仕切弁V1を閉じて、被処理混合ガスの導入を止める。この状態では、CFガス排気を継続するため、仕切弁V3は開けた状態を保つ。一方、仕切弁V2は閉じた状態を保つ。このようにして、第2真空ポンプP2の吸引力によって、カラム11の下側出口14からCFガスを排気する工程2を行う。
仕切弁V3を開けてからは、第2配管22を流れるCFガスの一部を分析用配管24に引き込んで、ガス分析手段32(31)によってガス分析を行うことが好ましい。ガス分析手段32によって分析したCFガスのイオン強度が0レベルになった状態(CFガスを検出しなくなった状態)が確認できたとき、仕切弁V3を閉じる。そして仕切弁V2を開ける。このとき、仕切弁V3は閉じた状態を継続する。これによって、CHFガスがカラム11の下側出口14から第1配管21を通って第1真空ポンプP1によって吸引され、第3配管25を介して回収系に供給される。
仕切弁V2を開けてからは、第1配管21を流れるCHFガスの一部を分析用配管23に引き込んで、ガス分析手段31(32)によって第1配管21を流れるCHFガスの分析を行う。ガス分析手段31によって分析したCHFガスのイオン強度が0レベルになった状態(CHFガスを検出しなくなった状態)が確認できたとき、仕切弁V2を閉じる。
そして、再び、上記説明したのと同様に、仕切弁V3を開けてから、仕切弁V1を開けて、被処理混合ガスをカラム11内に導入することが好ましい。所定時間後、仕切弁V1を閉じて、仕切弁V3のみ開けて、CFガスを排気する。このとき、仕切弁V2は閉じた状態を保つ。以下、上記説明したのと同様に、各仕切弁V2及びV3の開閉操作を行うことによって、ガス分離処理を継続的に行うことができる。
なお、ガス分析手段31(32)の測定では、分子がイオン化されるが、事前にCHFとCFをそれぞれ単体ガスで分析し、それぞれの質量数がCHF:70、CF:88で分析できることを確認しておくことが好ましい。
また、回収したCHFガスのサンプルを採取し、例えばガスクロマトグラフィー、またはフーリエ変換赤外分光光度計にてCFガス濃度が10ppm以下になっていることを確認しておくことが好ましい。
上記の方法により、CHFガスの回収を、短時間、かつ目的の高純度に行うことが可能となる。これは、CFガスとCHFガスとの充填剤に対する吸着性の相違や分子量の相違による。CFガスは分子量が88であり、CHFガスは分子量が70であり、CFガスはCHFガスと比較して重い。また充填剤の例えば活性炭に対して、CFガスは吸着しにくく、CHFガスは吸着しやすい。このような特性の差から、CFガスとCHFガスとの混合ガスはカラム11の上側から導入することにより、CFガスはカラム下方に流れ易くなり、CHFガスはカラム内上部に留まり易くなる。この特性を利用して、CFガスはカラム下側から抜き出して排出し、CHFガスはカラム上側から抜き出して回収することによって、短時間、かつ高純度にCHFガスの分離回収ができるようになる。
次に、本発明のガス分離装置の好ましいさらに別の一実施形態(第3実施形態)について、図4を参照して説明する。第3実施形態のガス分離装置1Cは、複数本のカラムを用いて、連続的にガス分離処理を行うものである。被処理混ガスとしてNガスとXeガスの混合ガスを適用した形態を例として説明する。
前述した第1実施形態のガス分離装置1Aでは、1本のカラムに、Nガス及びXeガスを含む被処理混合ガスを10分間導入した場合、初めにNガスが排出され、Nガスの排出がなくなると、Xeガスが排出され、やがてXeガスの排出も終了する。カラムの長さや充填剤の合成ゼオライトの充填量等にもよるが、被処理混合ガスの導入開始からXeガスの排出終了までの時間が、例えば90分となる。当該時間を90分間として、このようなガス分離装置1Aを用いて連続処理を行う場合、連続的に被処理混合ガスを導入し続けるには、9本のカラムが必要になる。すなわち、上記90分のうち、時間経過0~10分にカラム11Aに被処理混合ガスを10分間導入し、時間経過10~20分にカラム11Bに被処理混合ガスを10分間導入する。そして、順次カラム11C、カラム11D、・・・、カラム11Iに被処理混合ガスを10分間ずつ導入する。そうすることで、被処理混合ガスが途切れることなく、いずれかのカラムに導入されるようになる。以下に詳細に説明する。
図4に示すように、ガス分離装置1(1C)には、Nガス及び希ガスのXeガスを含む混合ガスを供給する被処理混合ガス供給源111を備える。被処理混合ガス供給源111には供給配管112の一端側が接続される。供給配管112には、カラム11の本数に対応した接続供給配管112A~112Iが接続される。各接続供給配管112A~112Iの他端側は、それぞれ、各カラム11(11A~11I)の各下側出入口(以下、入口として機能するときは入口、出口として機能するときは出口ともいう)12に接続される。供給配管112には、被処理混合ガス供給源111側から順に、マスフローコントローラー113、仕切弁V1、ガス分析手段114が配される。
上記構成によって、被処理混合ガス供給源111から各カラム11の下側出入口12を通って各カラム11内に、被処理混合ガスとして、Nガス及びXeガスを含む混合ガスが導入される。各カラム11には、第1実施形態と同様のものを用いることができる。各カラム11は、縦置き(鉛直方向)に配されることが好ましい。
各カラム11A~11Iのそれぞれの上側出口13には、第1配管21に接続する接続配管21A~21Iが接続される。各接続配管21A~21Iのそれぞれには、仕切弁V2A~V2Iが配される。なお、図面では、カラム11D~11H、仕切弁V2D~V2H及び接続配管21D~21Hの図示を省略している。
上記接続配管21A~21Iが接続された部分より下流側の第1配管21には第1真空ポンプP1の吸引側P1Aが接続される。さらに接続配管21A~21Iが接続された部分と第1真空ポンプP1の吸引側P1Aとの間の第1配管21には、ガス分析手段31が配されることが好ましい。第1真空ポンプP1の排気側P1Bには、排気系(図示せず)につながる第3配管25が接続されることが好ましい。第1真空ポンプP1には、第1実施形態にて説明したものと同様のものを用いることができる。ガス分析手段31には、第1実施形態にて説明したQMSを用いることができる。
各カラム11A~11Iのそれぞれの下側出入口12には、接続配管22A~22Iの一端側が接続され、各接続配管22A~22Iの他端側は第2配管22に接続される。各接続配管22A~22Iのそれぞれには、仕切弁V3A~V3Iが配される。なお、図面では、仕切弁V3D~V3H及び接続配管22D~22Hの図示を省略している。
図示したように、接続配管22A~22Iの各カラム11側の一部は、供給配管112に接続する接続配管112A~112Iの各カラム11側と共用してもよく、又は図示してはいないが、別々にカラム11の下側に接続されてもよい。図示例では、被処理混合ガスは、接続配管112A~112I(一部は接続配管22A~22Iとの共用部分)を通って、カラム11A~11Iの各下側出入口12からカラム11内に導入される。
上記接続配管22A~22Iが接続された部分より下流側の第2配管22には第2真空ポンプP2の吸引側P2Aが接続される。さらに接続配管22A~22Iが接続された部分と第2真空ポンプP2の吸引側P2Aとの間の第2配管22には、ガス分析手段32が配されることが好ましい。第2真空ポンプP2の排気側P2Bには、第4配管26が接続され、この第4配管26には、例えば回収系(図示せず)が接続されることが好ましい。第2真空ポンプP2には、前述したのと同様のものを用いることができる。ガス分析手段32は前述したものと同様に、例えばQMSを用いることができる。
上記ガス分離装置1Cでは、ガス分析手段32によってXeガスを分析するが、カラム11ごとのXeガスの排出を直接的に分析しているのではない。そこで、Xeガスのガス分析において、各カラム11からのXeガスの排出を直接的に検出する構成の一例について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、ガス分離装置1(1D)は、各接続配管22A~22Iには、それぞれに分析用接続配管24A~24Iの一端側を接続し、各分析用接続配管24A~24Iの他端側を分析用配管27に接続する。分析用配管27には、Xeガスの分析を行うガス分析手段32を配することが好ましい。したがって、第2配管22には、前述のガス分離装置1Cのようにガス分析手段32を設けない。各分析用接続配管24A~24Iには、それぞれに仕切弁V4A~V4Iを配する。その他の構成は前述のガス分離装置1Cと同様である。
上記ガス分離装置1Dでは、例えば、Xeガスをカラム11Aから分岐配管22Aを通じて回収する際に、カラム11AからのXeガスの排出が無くなると予想される前後の時間、仕切弁V4Aを開けて、分岐配管22A中のXeガスを分析用接続配管24Aに引き込む。そして引き込んだXeガスを分析用配管27からガス分析手段32に送り、ガス分析手段32よってガス分析を行う。そしてガス分析手段32によってXeガスが検出されなくなった時点で、仕切弁V3A、V4Aを閉じる。以下、同様にして、各カラム11B~11Iについて分析用接続配管24B~24Iからガス分析用配管27を通してXeガスをガス分析手段32に引き込んでガス分析を行い、ガス分析結果に基づいて仕切弁V3B~V3I及び仕切弁V4B~V4Iの操作を行う。
上記ガス分離装置1Dの構成によって、各カラム11A~11Iのガス分析を行うことが可能になる。ただし、上記構成では、カラム11が9本あるため、一つのカラム11からXeガスが排出されている期間中切れ間なく測定することはせず、Xeガスの排出が無くなる状態が近づいた10分間程度を測定すればよい。例えば、測定時間は、仕切弁V4B~V4Iの開閉操作によって設定すればよい。このように測定することによって、一つのガス分析手段32によって、複数(この場合は9)本のカラム11の1本ごとから排出されるXeガスの排出が無くなる時点のXeガス分析を行うことが可能になる。
上記ガス分離装置1C、1Dにおいては、各カラム11A~11Iを縦置きにして1列又は複数列に配してもよい。また、縦置きにしたカラムが3本以上かつ円筒形である場合、カラム上方から見て、カラム側面間の隙間が最小になるように、隣接するカラム側壁同士が接触又は接近するように配置することが好ましい。このように複数のカラムを配することによって、ガス分離装置1C、1Dのカラム群をコンパクトに配置することができる。
また、各仕切弁V1A~V1Iと、それぞれの仕切弁に対応するカラム11A~11Iのそれぞれの下側出入口12との配管長は同じ長さにすることが好ましい。これによって、仕切弁V1A~V1Iから各カラム11A~11Iに導入される被処理混合ガスの導入にかかる時間を均等にすることができる。同様に、各仕切弁V2A~V2Iと、それぞれの仕切弁に対応する各カラム11A~11Iの上側出口13との配管長は同じ長さにすることが好ましい。これによって、各カラム11A~11Iから排出されるNガスの排出にかかる時間を均等にすることができる。さらに各仕切弁V3A~V3Iと、それぞれの仕切弁に対応する各カラム11A~11Iの下側出入口12との配管長は同じにすることが好ましい。これによって、各カラム11A~11Iから排出されるXeガスの排出にかかる時間を均等にすることができる。
次に、上記ガス分離装置1Cの動作について、上記図4及び図6~7の工程図を参照して説明する。以下、図4に示した構成のガス分離装置1Cによって説明するが、図5に示したガス分離装置1Dにおいても、仕切弁V1A~V1I、V2A~V2I及びV3A~V3Iの動作は同様である。
まず、第1真空ポンプP1及び第2真空ポンプP2を稼働しておく。これらの真空ポンプは常時稼働とすることが好ましい。そして全ての仕切弁V1A~V1I、V2A~V2I及びV3A~V3Iを閉じた状態から、全てN排気系の仕切弁V2A~V2Iを開け、系内の圧力が真空度1~100Paになっていることを確認する。その後、仕切弁V2A~V2Iを閉じる。
そして、カラム11Aから順にカラム11Iまで異なるタイミングで被処理混合ガスを導入し、各カラム11A~11Iにて互いに異なるタイミングでカラム内に導入された被処理混合ガスのクロマト分離を行う。異なるタイミングとは、各カラム11A~11Iに被処理混合ガスを導入するタイミングが重ならないようにすることである。すなわち、一つのカラムに被処理混合ガスが導入されている間は、他のカラムには被処理混合ガスが導入されないことを意味する。以下、一例を具体的に説明する。
図4及び図6に示すように、第1真空ポンプP1及び第2真空ポンプP2を常時稼働し、仕切弁V2Aを開け、仕切弁V1Aを開け、さらに仕切弁V1を開けてカラム11Aに被処理混合ガスを導入することが好ましい(図6:T0~T11)。
なお、ガス分離処理中は、仕切弁V1は開けた状態にしておくことが好ましい。この弁操作によって、被処理混合ガス供給源111から供給配管112、接続供給配管112Aを通じてカラム11Aに被処理混合ガスが導入される(図6:T0~T11)。カラム11A内の充填剤(例えばゼオライト)に吸着しにくいNガスは、仕切弁V2Aが開けられていることによって、接続配管21Aから第1配管21を通って第1真空ポンプP1によって吸引される。そして第3配管25を通じてN排気系へ排気される(図6:T0~T11)。
被処理混合ガスを所定の時間(図6:0分~10分:T0~T11)導入した後、被処理混合ガス導入側の仕切弁V1Aを閉じて、カラム11Aへの被処理混合ガスの導入を停止する。このとき、Nガス排出側の仕切弁V2Aは開けた状態を保つ。このNガス排気はカラム11AからNガスが排出されている間行う(図6:10分~20分:T11~T12)。Nガスが排出されているか否かは、ガス分析手段31によるガス分析によって検出できる。
そして、カラム11AからNガスが排出されなくなったことをガス分析手段31によって確認した後、仕切弁V2Aを閉じ、仕切弁V3Aを開ける(図6:20分:T12)。
第2真空ポンプP2が常時稼働しているため、カラム11A内のゼオライトに吸着し易いXeガスは、仕切弁V3Aが開けられたことによって、カラム11Aから接続配管22A及び第2配管22を通って第2真空ポンプP2によって吸引される。そして第4配管26を通じてXe回収系へ供給される(図6:20分~90分:T12~T19)。このXeガス回収はカラム11AからXeガスが排出されている間行う。Xeガスが排出されているか否かは、ガス分析手段32によって検出する。このとき、カラム11AからXeガスが回収されているとき(図6:20分~90分:T12~T19)、カラム11B以降のカラムからXeガスの回収が始まる。その結果、図4の形態では、ガス分析手段32は、カラム11Aから回収されたXeガスの他にカラム11B以降から回収されたXeガスも同時に検出し続けることになり、カラム11AからのXeガスの排出がなくなっても、ガス分析手段32によってXeガスが検出され続ける。仕切弁V3Aを閉じた後も、カラム11B以降からもXeガスを排出し続けているため、第2真空ポンプP2の稼働は継続する。
上記したように、カラム11AからXeガスを回収し始めてから、順次、他のカラム11B~11IからもXeガスが排出され始めるため、カラム11AからXeガスが排出されなくなっても、ガス分析手段32では、Xeガスが検出され続けることになる。そこで、例えば、Xeガスのイオン強度がしきい値以下になり、回収時間が所定の時間(本実施形態の場合は70分)を経過(図6:90分:T19)したことによって、Xeガスが排出されなくなることを判断してもよい。上記しきい値は、例えば、前述の図2に示したXeガスのイオン強度に基づいて予め設定しておく。例えば、カラム11AからのXeガスの排出がなくなるころの経過時間90分のイオン強度は、カラム11B~11Gのそれぞれについて経過時間80分、70分、60分、50分、40分及び30分の各イオン強度の和となる。そこで、その和をしきい値としてもよい。
また、XeガスとNガスの排出挙動を予め確認しておき、必要な排出時間を決定してガス分離装置を稼働してもよい。この場合、ガス分析手段32は、各カラム11からのXeの排出が予定時間通りに開始されていることを確認するために用いることが好ましい。
上記において仕切弁V1Aを閉じ、カラム11Bにおいては被処理混合ガスを導入するために仕切弁V2Bを開けて、仕切弁V1Bを開けることが好ましい(図6:T11)。これによって、カラム11B内に被処理混合ガスが導入される。カラム11Aの場合と同様に、被処理混合ガスを所定の時間(図6:例えば10分:T11~T12)導入した後、仕切弁V1Bを閉じて(図6:T12)、カラム11Bへの被処理混合ガスの導入を停止する。このとき、Nガス排出側の仕切弁V2Bは開けた状態を保つ(図6:T12~T13)。
そして、カラム11BからNガスが排出されなくなったことをガス分析手段31によって確認した後、仕切弁V2Bを閉じ、仕切弁V3Bを開けて、第2真空ポンプP2によって、カラム11B内のXeガスの吸引を開始することが好ましい(図6:T13)。このとき、第2真空ポンプP2は常時稼働しているため、カラム11A内のXeガスを継続して吸引する。
カラム11B内の充填剤(例えばゼオライト)に吸着し易いXeガスは、開けられた仕切弁V3Bを通り、接続配管22Bから第2配管22を通って第2真空ポンプP2によって吸引され、第4配管26を通じてXe回収系へ回収される(図6:90分:T13~T20)。このXe回収はカラム11BからXeガスが排出されている間行う。Xeガスが排出されているか否かは、上記カラム11Aの場合と同様にして行うことが好ましい。カラム11BからのXeガスの排出の終了時間が経過した後、仕切弁V3Bを閉じる。仕切弁V3Bを閉じた後も、常時稼働している第2真空ポンプP2によって、カラム11C以降からXeガスを回収し続ける。
カラム11C~11Iにおいても、カラム11A~11Bと同様にして各仕切弁V1C~V1I、V2C~V2I、V3C~V3Iの仕切弁の操作を行って、NガスとXeガスとのガス分離を行うことが好ましい。
本実施形態においては、カラム11が9本であるため、被処理混合ガスの導入は、9番目のカラム11Iの次は1番目のカラム11Aに戻ることになる。
そして再びカラム11Aに被処理混合ガスが導入される場合には、図7に示すように、仕切弁V1A~V3Aの操作を行う。
その操作は前述の図6に示したカラム11Aの仕切弁V1A~V3Aの操作と同様である。ただし、カラム11Aに被処理混合ガスを導入している間は、カラム11B~11HのXe回収が終了していないため、カラム11B~11HのXe回収のための仕切弁V3B~V3Hが開いた状態になっている。
上記ガス分離装置1C、1Dによってガス分離を終了するときは、次のカラム11への被処理混合ガスの導入を順次停止し、各カラム11に対するガスの導入及び排気を制御する仕切弁を順次閉じればよい。
上記のようにして、ガス分離装置1C、1Dは、カラム11A~11Iに、被処理混合ガス供給源111から被処理混合ガスを順次導入して、ガス分離処理を途切れなく連続的に行うことができる。したがって、効率よく、被処理混合ガスのガス分離処理が行える。
また、上記第3、第4実施形態では、カラム11への被処理混合ガスの供給時間を10分、被処理混合ガスを導入開始してから希ガスの排出が終了するまでの時間を90分としたが、それらの時間は、カラムの大きさ、長さ、充填剤の種類、充填量、被処理混合ガスの種類等によって適宜変更される。被処理混合ガスを連続的に処理するには、被処理混合ガスの供給時間Ts、被処理混合ガスを導入開始してから希ガスの排出が終了するまでの時間をTg、カラムの本数をNとして、Tg/Ts=Nの本数となるように、Tg、Tsを決定することが好ましい。こうすることによって、被処理混合ガスのカラム11への導入が途切れることなく、連続的にクロマト分離することが可能になる。
ただし実機では連続処理することは必須ではなく、ガス分離装置1の前段の例えば供給配管112にバッファータンク(図示せず)などを設けて、ガス分離装置1に供給するガス量を調整し、不連続に処理をしても構わない。
上記ガス分離装置1C、1Dは、仕切弁V1Aと仕切弁V3Aとの代わりに、被処理混合ガス供給配管122と接続配管22Aとの接続部分に三方弁を配してもよい。各仕切弁V1B~V1IとV3B~V3Iについても同様に、三方弁に置き換えることができる。これによって仕切弁の数を減らすことができ、弁の制御が簡単化される。またデッドスペースも減らすことができ、回収したXeガスの純度も高く保てる。
また、ガス分析手段31、32によって測定された測定値(イオン強度)は、データロギング機能を有するデータ処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)(図示せず)によってデータロギングする。例えば、しきい値を決めて、測定値としきい値の大小関係によって各種バルブの開閉を行うことが可能である。バルブには、自動弁(例えば、電磁弁等)を用いることができる。
次に、Xeガスの回収システムについて、図8を参照して説明する。
図8に示すように、回収システム200は、本発明のガス分離装置1を用いる。このガス分離装置1の被処理混合ガスが供給される側に、半導体製造工程で用いる、例えばドライエッチング装置が設けられている。ドライエッチング装置のプロセスチャンバー211には、エッチングガスの供給源として、例えば、PFCガス供給源221とXeガス供給源222が、それぞれ配管223、224によって接続されている。配管223、224は別々にプロセスチャンバー211に接続されていてもよく、図示したように、途中で合流させてプロセスチャンバー211に接続させてもよい。プロセスチャンバー211にはガス分離装置1に接続される被処理混合ガスを供給する供給配管112が接続される。供給配管112には、プロセスチャンバー211側から順に真空ポンプP3、仕切弁V5、除害装置231、真空ポンプP4、バッファータンク241が配される。除害装置231は、酸性ガス、PFCガス、エッチングにより生成した分解物、HO等をNガスとXeガスとから除害するものであり、乾式吸着除害装置が好ましい。また、プロセスチャンバー211と真空ポンプP5との間の被処理混合ガス供給配管112には、Nガスを供給するNガス供給配管115が接続される。
ガス分離装置1のNガスの排気側には、上記図1によって説明したように、第1真空ポンプP1が配された第1配管21が接続される。また、第2真空ポンプP2が配された第2配管22が接続される。この第2配管22にはバッファータンク242が配され、仕切弁V6を介してXeガス供給源222に接続されることが好ましい。
上記ガス分離装置1には、図1に示したカラム11、仕切弁V1~V3、第1、第2真空ポンプP1、P2及びガス分析手段31がそれらを接続する配管とともに含まれるが、本図面では、第1、第2真空ポンプP1、P2、第1、第2配管21、22を図示した。
上記したように、Xeガス供給源222にXeガスを戻す第2配管22のXeガス供給源222の直前にバッファータンク242を配することによって、ガス濃度測定、ガス濃度調整を行うことができる。この場合、仕切弁V6は、流量を調整できる制御弁とすることが好ましい。
上記説明では、回収ガスとして主にXeガスについて説明したが、本発明は、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。例えば、Xeガスの代わりにKrガスを用いることができ、この場合も同様にして本発明を実施することができる。
[実施例1]
試験方法を図1及び9を参照して以下に説明する。
試験装置には、図1に示したガス分離装置1Aを用いた。ただし、被処理混合ガス供給源111には、図9に示したNガス供給源121及びXeガス供給源122を用いた。Nガス供給源121、Xeガス供給源122は、それぞれのガスが充填された、Nガスボンベ、Xeガスボンベを用いた。Nガス供給源121、Xeガス供給源122には、配管123、124を接続し、配管123、124には、それぞれ、マスフローコントローラー141、142、流路の開閉を行う仕切弁V5、V6を配した。この配管123、124を下流側で合流させ、供給配管112としてカラム11の下側出入口12(図1参照)に接続した。したがって、カラム11にはXeガスとNガス(以下、Xe/Nとも記す)との混合ガスが導入されるようにした。使用したカラムは、内径54.9mm、長さ1.0mとし、カラム11の加熱温度を200℃とした。カラム11の内部には、充填剤として、予め合成ゼオライトを充填した。合成ゼオライトとして、ユニオン昭和社製、モレキュラーシーブ13X(商品名)を用いた。
カラム11の上側出口13には、第1真空ポンプP1の吸引側P1Aを接続した(図1参照)。第1真空ポンプP1には、エドワーズ社製nXDS10i(商品名)(到達圧力:0.7Pa、排気速度:190SLM)を用いた。
第1真空ポンプP1の排気側P1Bは、N排気系(図示せず)に接続した。また、その第1配管21の途中から分析用配管23を分岐させて、分析用配管23に、分析配管用仕切弁(図示せず)を介してガス分析手段31(QMS:アルバック社製Qulee with YTP(商品名))を接続した(図1参照)。
試験は、第1真空ポンプP1及び第2真空ポンプP2を常時稼働した状態にして、表1に示したように、仕切弁V1~V3の操作を行った。全ての仕切弁V1~V3を閉めた状態から、仕切弁V2を開け、仕切弁V1を開けた。そしてカラム11の上側出口13の圧力を、第1真空ポンプP1にて1.0Paの真空状態に保って、カラム11の下側出入口12からXe/Nの混合ガスを5分から15分の10分間導入した(図10:工程1)。Xe/Nの混合ガスは、各ガス流量を、Xeガス:0.01SLM、Nガス:0.99SLMとし、合計で1.00SLMとした。ゆえに混合ガスは、Xeが1体積%、Nが99体積%であった。その後、仕切弁V1を閉じて、混合ガスの導入を止めて第1真空ポンプP1で排気のみを行なった(図10:工程2)。
Figure 0007317555000001
その結果、第1真空ポンプP1によって、カラム11の上側出口13からNガスが排出された(図10:工程1、2)。Nガスの排出が経過時間25分で終わったことをガス分析手段31によって確認した。ガス分析にはQMSを用いた。QMSでは分子がイオン化されるが、事前にXe/Nをそれぞれ単体ガスで分析し、それぞれの質量数がXe:131、N:28で分析できることを確認した。なお、別途、微量窒素分析用のガスクロマトグラフィー(ジーエルサイエンス社製Agilent490マイクロGC(商品名))にてNガスの排出が終わった時点のNガス分析をした。その結果、N濃度が0.001体積%(10ppm)以下であることが分かった(QMS分析結果を示した図10参照)。
ガスの排出が終わったことを確認した直後、仕切弁V2を閉じ、仕切弁V3を開けて、カラム11内のXeガスを下側出入口12から回収した(図10:工程3)。このとき、常時稼働している第2真空ポンプP2は稼働状態であった。そしてXeガスの排出が混合ガスを導入してから90分で終わったことをガス分析手段31(32)によって確認した。またXeについては前述の微量窒素分析用のガスクロマトグラフィーにてXeガス中のNガス分析をした。その結果、Nガス濃度が0.001体積%(10ppm)以下であることが分かった(QMS分析結果を示した図10参照)。すなわち、Xeガスが99.999体積%の濃度で回収できたことが分かった。カラム11からのXeガスの排出が終わったことを確認した直後に、仕切弁V3を閉じた。
被処理混合ガスをカラム11に導入し始めてからXeガスがカラム11から出終るまでの時間は90分であった。
[比較例1]
試験装置には、実施例1と同様のものを用いた。ただし、仕切弁の操作を表1のように行った。すなわち、実施例1の弁操作において、表1に示したように、工程1及び2における仕切弁V1、V2の操作は実施例1と同様に行ったが、仕切弁V3は閉じた状態にした。また工程3においては、仕切弁V2を閉じずに開けた状態して、第1真空ポンプP1によって真空引きを継続した。このとき、仕切弁V3は閉じた状態にした。また工程3では、第2真空ポンプP2は稼働させなかった。これ以外の条件は実施例1と同様である。
その結果、第1真空ポンプP1によって、カラム11上側出口13からNガスが排出された(図11:工程1、2)。Nガスの排出が20分で終わったことをガス分析手段31によって確認した。
ガスの排出が終わったことを確認した直後も仕切弁V2を開けた状態に保ち、第1真空ポンプP1を稼働し続けて、カラム11内のXeガスを上側出口13から排出した(図11:工程3)。そしてXeガスの排出が混合ガスを導入してから24時間で終わったことをガス分析手段31によって確認した。Xeガスの排出が終わったことを確認した直後に、仕切弁V2を閉じた。
被処理混合ガスをカラム11に導入し始めてからXeガスがカラム11から出終るまでの時間はおよそ24時間であった。
以上、実施例によって説明したように、本発明のガス分離装置1によって、XeガスとNガスとの混合ガスからXeガスを、短時間に、かつ所望の高純度に回収することができた。
1、1A、1B、1C、1D ガス分離装置
2 ガス分離手段
11、11A~11I カラム
12 下側出入口
13 上側出口
14 下側出口
15 上側出入口
21 第1配管
21A~21I、22A~22I 接続配管
22 第2配管
23、24、27 分析用配管
25 第3配管
26 第4配管
27A~27I 分析用接続配管
31、32、114 ガス分析手段
111 被処理混合ガス供給源
112 供給配管
112A~112I 接続供給配管
112S 共用部分
113、141、142 マスフローコントローラー
115 Nガス供給配管
121 Nガス供給源
122、222 Xeガス供給源
123、124 配管
200 回収システム
211 プロセスチャンバー
221 PFCガス供給源
223~224 配管
231 除害装置
241、242 バッファータンク
P1 第1真空ポンプ
P2 第2真空ポンプ
P3、P4 真空ポンプ
P1A、P2A 吸引側
P1B、P2B 排気側
V1、V1A~V1I、V2、V2A~V2I、V3、V3A~V3I、V4A~V4I、V5、V6 仕切弁

Claims (10)

  1. 被処理混合ガスから目的のガスAを分離回収するガス分離装置であって、
    前記被処理混合ガスが、希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスであり、前記ガスAが該希ガスであり、
    前記ガス分離装置が、前記被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通してクロマト分離するガス分離手段を有し、
    前記ガス分離手段により、前記カラムへの前記被処理混合ガス導入中に前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側を閉じて前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側とは反対側を閉じて前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すガス分離装置。
  2. 前記ガス分離装置が、パーフルオロ化合物ガスと希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスから前記パーフルオロ化合物ガスを分離するパーフルオロ化合物ガス分離手段を有し、
    前記被処理混合ガスが、前記のパーフルオロ化合物ガスと希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスから前記パーフルオロ化合物ガス分離手段によりパーフルオロ化合物ガスを除去して得られるものである請求項に記載のガス分離装置。
  3. 被処理混合ガスから目的のガスAを分離回収するガス分離装置であって、
    前記ガス分離装置が、前記被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通してクロマト分離するガス分離手段を有し、
    前記ガス分離装置は、前記ガス分離手段により、前記カラムへの前記被処理混合ガス導入中に前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側を閉じて前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側とは反対側を閉じて前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すものであり、
    前記ガス分離装置は、
    前記カラムのガス導入側とは反対側に接続された第1配管と、
    前記カラムのガス導入側に接続された第2配管と、
    前記カラムから前記第1配管を通して排出されるガスの分析を行う第1分析手段と、
    前記カラムから前記第2配管を通して排出されるガスの分析を行う第2分析手段と、
    前記第1配管及び前記第2配管のそれぞれに配した流路切替手段とを有し、
    前記流路切替手段の開閉タイミングは、前記第1分析手段及び前記第2分析手段の分析結果に基づいて決定されるガス分離装置。
  4. 被処理混合ガスから目的のガスAを分離回収するガス分離装置であって、
    前記ガス分離装置が、前記被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通してクロマト分離するガス分離手段を有し、
    前記ガス分離装置は、前記ガス分離手段により、前記カラムへの前記被処理混合ガス導入中に前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側を閉じて前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側とは反対側を閉じて前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すものであり、
    前記ガス分離装置は前記ガス分離手段の前段に、該ガス分離手段に付さない不要なガスを除去する除害手段が配され、前記除害手段が吸着除害装置である、ガス分離装置。
  5. 前記充填剤がゼオライトである請求項1~のいずれか1項に記載のガス分離装置。
  6. 前記ガス分離手段を複数有し、該複数のガス分離手段の各カラムに前記被処理混合ガスを順次異なるタイミングにて切り替えて導入する切替手段を有する請求項1~のいずれか1項に記載のガス分離装置。
  7. 前記カラムのガスが排出されている側の圧力が、前記カラムのガスが排出されていない側の圧力よりも低い請求項1~6のいずれか1項に記載のガス分離装置。
  8. 被処理混合ガスをゼオライトが充填されたカラムに通して該被処理混合ガスに含まれる目的のガスAをクロマト分離するガス分離方法であって、
    前記被処理混合ガスが、希ガスと窒素ガスとを含有する混合ガスであり、前記ガスAを前記希ガスとし、
    前記クロマト分離が、前記カラムへの前記被処理混合ガス導入中に前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側を閉じて前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側とは反対側を閉じて前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すことを含むガス分離方法。
  9. 前記カラムを複数用いて、各カラムに、前記被処理混合ガスを順次異なるタイミングにて導入する請求項に記載のガス分離方法。
  10. 被処理混合ガスを充填剤が充填されたカラムに通して該被処理混合ガスに含まれる目的のガスAをクロマト分離するガス分離方法であって、
    前記ガス分離方法が、前記カラムの前段の吸着除害処理により、前記クロマト分離に付さない不要なガスを除去して前記被処理混合ガスを得ることを含み、
    前記クロマト分離が、前記カラムへの前記被処理混合ガス導入中に前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側を閉じて前記カラムのガス導入側とは反対側から前記ガスA以外のガスを抜き出し、次いで、前記カラムのガス導入側とは反対側を閉じて前記ガス導入側から前記ガスAを抜き出すことを含むガス分離方法。
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