以下、添付の図面を参照しつつ、テープ印刷装置の一実施形態について説明する。なお、図面に表示したXYZ直交座標系は、説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。また、各部の個数などを示す数値は、いずれも例示にすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
[テープ印刷装置およびテープカートリッジ]
図1ないし図4に示すように、テープ印刷装置1は、装置ケース3と、装着部カバー5とを備えている。装置ケース3は、略直方体状に形成されている。装置ケース3の+Z側の面には、カートリッジ装着部7と、カッター装着部9とが設けられている。
カートリッジ装着部7には、テープカートリッジ401が着脱可能に装着される。装置ケース3の-X側の面には、テープ排出口11が設けられている。カートリッジ装着部7に装着されたテープカートリッジ401から繰り出されたテープ413は、テープ排出口11から排出される。
装着部カバー5は、カートリッジ装着部7およびカッター装着部9を開閉する。装着部カバー5は、装置ケース3の+Y側の端部に回動可能に取り付けられている。なお、装着部カバー5の内部には、図示省略したが、キーボードおよびディスプレーが設けられている。キーボードは、文字列等の印刷情報や、印刷実行等の各種指示の入力操作を受け付ける。ディスプレーは、キーボードから入力された印刷情報のほか、各種情報を表示する。
カートリッジ装着部7は、+Z側が開放された凹状に形成されている。カートリッジ装着部7の底面には、ヘッド部13が設けられている。ヘッド部13は、ヘッド軸15と、印刷ヘッド17と、ヘッドカバー19とを備えている。ヘッド軸15は、Z方向に延在しており、印刷ヘッド17を回動可能に支持している。ヘッド軸15は、カートリッジ装着部7の-Z側に内蔵されたベースフレーム21に片持ちで支持されている(図4参照)。印刷ヘッド17は、発熱素子を備えたサーマルヘッドである。ヘッドカバー19は、印刷ヘッド17の一部を覆っている。ヘッド軸15の+Z側は、装着部カバー5により開閉される。
また、カートリッジ装着部7には、プラテン軸23と、繰出し軸25と、巻取り軸27とが設けられている。プラテン軸23、繰出し軸25および巻取り軸27は、Z方向に延在しており、ベースフレーム21に片持ちで支持されている(図4参照)。プラテン軸23、繰出し軸25および巻取り軸27の+Z側は、装着部カバー5により開閉される。
テープカートリッジ401は、図2に示すように、テープコア403と、プラテンローラー405と、繰出しコア407と、巻取りコア409と、これらを収容したカートリッジケース411とを備えている。テープコア403には、テープ413が巻回されている。テープコア403から繰り出されたテープ413は、カートリッジケース411の-X側の壁部に設けられたテープ送出口(図示省略)からカートリッジケース411外に送り出される。テープ413は、印刷ヘッド17により印刷が行われる印刷テープ417と、印刷テープ417の粘着面に剥離可能に貼付された剥離テープ419とを備えている(図5参照)。繰出しコア407には、インクリボン421が巻回されている。繰出しコア407から繰り出されたインクリボン421は、巻取りコア409に巻き取られる。カートリッジケース411には、ヘッド挿通孔423が、Z方向に貫通して設けられている。
テープカートリッジ401がカートリッジ装着部7に装着されると、ヘッド部13、プラテン軸23、繰出し軸25および巻取り軸27が、それぞれ、ヘッド挿通孔423、プラテンローラー405、繰出しコア407および巻取りコア409に挿入される。プラテン軸23、繰出し軸25および巻取り軸27は、それぞれ、プラテンローラー405、繰出しコア407および巻取りコア409を回転可能に支持する。
カッター装着部9は、カートリッジ装着部7とテープ排出口11との間に設けられている。カッター装着部9は、+Z側が開放された凹状に形成されている。カッター装着部9には、後述する切断部67のフルカッター71およびハーフカッター73が、着脱可能に装着される。装着されたフルカッター71およびハーフカッター73の+Z側は、装着部カバー5により開閉される。
図6に示すように、フルカッター71は、フル受け部75と、フル受け部75の-Y側に装着されるフル可動部77とを備えている。フル可動部77は、フル受け部75に対して離接し、フル受け部75との間でテープ413をフルカットする。なお、離接とは、接近したり離れたりすることを意味する。また、フルカットとは、印刷テープ417および剥離テープ419の双方を切断することを意味する。
ハーフカッター73は、フルカッター71の-X側に装着される。ハーフカッター73は、ハーフ受け部79と、ハーフ受け部79の-Y側に装着されるハーフ可動部81とを備えている。ハーフ可動部81は、ハーフ受け部79に対して離接し、ハーフ受け部79との間でテープ413をハーフカットする。なお、ハーフカットとは、印刷テープ417および剥離テープ419の一方を切断せずに、他方を切断することを意味し、本実施形態では、剥離テープ419を切断せずに、印刷テープ417を切断する。このため、テープ413がハーフカットされると、印刷テープ417に切れ目425(図5参照)が形成される。ユーザーは、切れ目425を手掛かりとして、印刷テープ417と剥離テープ419とを容易に分離することができる。
なお、カートリッジ装着部7の-X側には、装着マーク29が設けられている。装着マーク29は、フル受け部75、フル可動部77、ハーフ受け部79およびハーフ可動部81の装着位置を示している。
カッター装着部9とテープ排出口11との間には、テープ排出部31が設けられている。テープ排出部31は、テープ413がフルカッター71により切断された後、切断されたテープ413をテープ排出口11に向けて排出する。
ここで、テープカートリッジ401は、+Z側からカートリッジ装着部7に装着される。このため、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413が、+Z側からフル受け部75とフル可動部77との間に挿入可能なように、フル受け部75とフル可動部77との間において、+Z側が開放されている。同様に、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413が、+Z側からハーフ受け部79とハーフ可動部81との間に挿入可能なように、ハーフ受け部79とハーフ可動部81との間において、+Z側が開放されている。
テープカートリッジ401がカートリッジ装着部7に装着された後、装着部カバー5が閉められると、図示省略したヘッド移動機構により、印刷ヘッド17がプラテン軸23に向けてヘッド軸15を中心に回動する。これにより、印刷ヘッド17とプラテンローラー405との間に、テープ413およびインクリボン421が挟持される。
この状態で、図示省略した送りモーターが第1方向に回転すると、プラテンローラー405が回転してテープ413がテープ排出口11に向けて送られると共に、巻取りコア409が回転してインクリボン421が巻取りコア409に巻き取られる。このとき、印刷ヘッド17が発熱することで、キーボード等から入力された印刷情報がテープ413に印刷される。
テープ413の印刷済み部分は、フルカッター71により切り離され、テープ排出部31によりテープ排出口11から排出される。その後、送りモーターが第1方向とは反対の第2方向に回転すると、プラテンローラー405が逆回転してテープ413が引き戻されると共に、繰出しコア407が回転してインクリボン421が繰出しコア407に巻き戻される。これにより、次に印刷されるテープ413の長さ方向前方に生じる余白を、短くすることができる。
[装着部カバー]
図1ないし図4に示すように、装着部カバー5の内側の面には、カバー側ヘッド軸支持部33と、カバー側プラテン軸支持部35とが設けられている。なお、以下の説明において、装着部カバー5についてY方向というときは、装着部カバー5が閉められた状態におけるY方向を意味する。
カバー側ヘッド軸支持部33は、略円形の凹状に形成されている。カバー側ヘッド軸支持部33には、装着部カバー5が閉められたときに、ヘッド軸15の+Z側の端部が挿入する。カバー側ヘッド軸支持部33は、挿入したヘッド軸15の+Z側の端部を支持する。
カバー側プラテン軸支持部35は、略円形の凹状に形成されている。カバー側プラテン軸支持部35には、装着部カバー5が閉められたときに、プラテン軸23の+Z側の端部が挿入する。カバー側プラテン軸支持部35は、挿入したプラテン軸23の+Z側の端部を支持する。
また、装着部カバー5の内側の面には、カバー側フル受け支持部37と、カバー側フル可動支持部39と、カバー側ハーフ受け支持部41と、カバー側ハーフ可動支持部43と、カバー側フレーム支持部45とが設けられている。
カバー側フル受け支持部37と、カバー側フル可動支持部39とは、Y方向に長い略長方形の凹状に一体に形成されている。カバー側フル受け支持部37には、装着部カバー5が閉められたときに、フル受け部75のフル受け支持対象部155が挿入する(図33参照)。カバー側フル受け支持部37は、挿入したフル受け支持対象部155を支持する。カバー側フル可動支持部39は、カバー側フル受け支持部37の-Y側に設けられている。カバー側フル可動支持部39には、装着部カバー5が閉められたときに、フル可動部77のフル可動第2支持対象部189が挿入する(図33参照)。カバー側フル可動支持部39は、挿入したフル可動第2支持対象部189を、Y方向に、すなわちフル可動部77がフル受け部75に対して離接する離接方向に、スライド可能に支持する。
カバー側ハーフ受け支持部41およびカバー側ハーフ可動支持部43は、カバー側フル受け支持部37およびカバー側フル可動支持部39の-X側に設けられている。カバー側ハーフ受け支持部41と、カバー側ハーフ可動支持部43とは、クランク状に屈曲した、Y方向に長い略長方形の凹状に一体に形成されている。カバー側ハーフ受け支持部41には、装着部カバー5が閉められたときに、ハーフ受け部79のハーフ受け支持対象部253が挿入する(図7参照)。カバー側ハーフ受け支持部41は、挿入したハーフ受け支持対象部253を支持する。カバー側ハーフ可動支持部43は、カバー側ハーフ受け支持部41の-Y側に設けられている。カバー側ハーフ可動支持部43には、装着部カバー5が閉められたときに、ハーフ可動部81のハーフ可動第2支持対象部277が挿入する(図7参照)。カバー側ハーフ可動支持部43は、挿入したハーフ可動第2支持対象部277を、Y方向に、すなわちハーフ可動部81がハーフ受け部79に対して離接する離接方向に、スライド可能に支持する。
カバー側フレーム支持部45は、カバー側ハーフ可動支持部43の-Y側に設けられており、略長方形の凹状に形成されている。カバー側フレーム支持部45には、装着部カバー5が閉められたときに、後述するカッターフレーム83の、第4フレーム部103の+Z側の端部が挿入する(図19参照)。カバー側フレーム支持部45は、挿入した第4フレーム部103の+Z側の端部を支持する。
[カッター装着部]
図3に示すように、カッター装着部9は、フル受け装着部47と、フル可動装着部49と、ハーフ受け装着部51と、ハーフ可動装着部53とを備えている。
フル受け装着部47には、フル受け部75が着脱可能に装着される。フル受け装着部47には、フル受けガイド部55と、フル受け支持部57とが設けられている。フル受けガイド部55は、フル受け装着部47の-X側の面に設けられ、Z方向に延在する凸状に形成されている(図6参照)。フル受けガイド部55は、フル受け部75に設けられたフル受けガイド係合部(図示省略)と係合し、フル受け部75の着脱をガイドする。フル受け支持部57は、装着されたフル受け部75に対して、+Y側すなわちフル可動部77とは反対側に位置する。フル受け支持部57は、フル可動部77により-Y側から加圧されたフル受け部75を支持する。
フル可動装着部49は、フル受け装着部47の-Y側に設けられている。フル可動装着部49には、フル可動部77が着脱可能に装着される。フル可動装着部49には、フル可動ガイド部59と、装着側フル可動支持部61とが設けられている。フル可動ガイド部59は、フル可動装着部49の+X側の面に設けられ、Z方向に延在する溝状に形成されている。フル可動ガイド部59は、フル可動部77に設けられたフル可動ガイド係合部185(図10参照)と係合し、フル可動部77の着脱をガイドする。装着側フル可動支持部61は、フル可動装着部49の-Z側の面に設けられ、Y方向に延在する溝状に形成されている。装着側フル可動支持部61は、フル可動部77を片持ちで支持する。すなわち、装着側フル可動支持部61には、フル可動部77に設けられたフル可動第1支持対象部187が挿入する(図33参照)。装着側フル可動支持部61は、挿入したフル可動第1支持対象部187を、Y方向に、すなわちフル可動部77がフル受け部75に対して離接する離接方向に、スライド可能に支持する。
なお、フル受け装着部47およびフル可動装着部49には、それぞれフル受け部75およびフル可動部77が着脱可能に装着されるため、フルカッター71の切れ具合が劣化した場合には、フル受け部75およびフル可動部77を新しいものに交換することで、フルカッター71の切れ具合を回復させることができる。
ハーフ受け装着部51は、フル受け装着部47の-X側に設けられている。ハーフ受け装着部51には、ハーフ受け部79が着脱可能に装着される。ハーフ受け装着部51には、後述するカッターフレーム83の第3フレーム部101が設けられている。第3フレーム部101は、装着されたハーフ受け部79に対して、+Y側すなわちハーフ可動部81とは反対側に位置する。第3フレーム部101は、ハーフ可動部81により-Y側から加圧されたハーフ受け部79を支持する。なお、第3フレーム部101は、「支持部」の一例である。
ハーフ可動装着部53は、ハーフ受け装着部51の-Y側に設けられている。ハーフ受け装着部51には、ハーフ可動部81が着脱可能に装着される。ハーフ可動装着部53には、ハーフ可動ガイド部63と、装着側ハーフ可動支持部65とが設けられている。ハーフ可動ガイド部63は、ハーフ可動装着部53の-X側の面に設けられ、Z方向に延在する溝状に形成されている。ハーフ可動ガイド部63は、ハーフ可動部81に設けられたハーフ可動ガイド係合部273(図17参照)と係合し、ハーフ可動部81の着脱をガイドする。装着側ハーフ可動支持部65は、ハーフ可動装着部53の-Z側の面に設けられ、Y方向に延在する溝状に形成されている。装着側ハーフ可動支持部65は、ハーフ可動部81を片持ちで支持する。すなわち、装着側ハーフ可動支持部65には、ハーフ可動部81に設けられたハーフ可動第1支持対象部275が挿入する(図7参照)。装着側ハーフ可動支持部65は、挿入したハーフ可動第1支持対象部275を、Y方向に、すなわちハーフ可動部81がハーフ受け部79に対して離接する離接方向に、スライド可能に支持する。
なお、ハーフ受け装着部51およびハーフ可動装着部53には、それぞれハーフ受け部79およびハーフ可動部81が着脱可能に装着されるため、ハーフカッター73の切れ具合が劣化した場合には、ハーフ受け部79およびハーフ可動部81を新しいものに交換することで、ハーフカッター73の切れ具合を回復させることができる。
[切断部]
図6に示すように、切断部67は、カッター駆動部69と、フルカッター71と、ハーフカッター73とを備えている。上述したように、フルカッター71は、フル受け部75と、フル可動部77とを備えている。ハーフカッター73は、ハーフ受け部79と、ハーフ可動部81とを備えている。
[カッター駆動部]
カッター駆動部69は、フル可動部77およびハーフ可動部81を駆動する。カッター駆動部69は、図6および図7に示すように、カッターフレーム83と、カッターモーター85と、カッター歯車列87と、フルレバー89と、ハーフレバー91と、フル加圧部93と、ハーフ加圧部95とを備えている。
カッターフレーム83は、YZ平面に略平行に設けられた金属製の板材であり、第1フレーム部97と、第2フレーム部99と、第3フレーム部101と、第4フレーム部103とを備えている。第1フレーム部97は、カッターフレーム83の-Z側の端部に位置し、Y方向に延在している。第2フレーム部99、第3フレーム部101および第4フレーム部103は、第1フレーム部97から+Z側に突出している。第2フレーム部99、第3フレーム部101および第4フレーム部103は、+Y側からこの順に設けられている。
第3フレーム部101の-X側の面には、樹脂製の第1フレーム取付部材105が取り付けられている。また、第4フレーム部103の-X側の面には、樹脂製の第2フレーム取付部材107が取り付けられている。第2フレーム取付部材107は、第4フレーム部103の+Z側の端部を覆っている。このため、第4フレーム部103の+Z側の端部がカバー側フレーム支持部45に挿入したときに、カバー側フレーム支持部45にキズが付くことが抑制されている。
カッターモーター85は、第2フレーム部99に取り付けられている。カッターモーター85は、フル可動部77およびハーフ可動部81の駆動源である。
カッター歯車列87は、第2フレーム部99に取り付けられている。カッター歯車列87は、カッターモーター85から入力された動力を、フルレバー89およびハーフレバー91に伝達する。カッター歯車列87の出力歯車(図示省略)の+X側の端面には、略扇形状の駆動凸部111が設けられている。駆動凸部111の径方向外側寄りの箇所には、駆動突起109が固定されている。
フルレバー89は、第1フレーム部97および第4フレーム部103の+X側に設けられている。フルレバー89は、全体として略「L」字状に形成されている。フルレバー89は、第1フレーム部97の-Y側の端部に設けられたフル揺動軸113に揺動可能に支持されている。フルレバー89は、Y方向に延在するフル第1レバー部115と、フル第1レバー部115の-Y側の端部から+Z側に延在するフル第2レバー部117とを備えている。フル第1レバー部115の+Y側の端部には、駆動長孔119が設けられている。駆動長孔119には、駆動突起109が挿入されている。フル第2レバー部117の+Z側の端部には、フル加圧部93が固定されている。
ハーフレバー91は、第1フレーム部97および第4フレーム部103の-X側に設けられている。ハーフレバー91は、略「L」字状に形成されている。ハーフレバー91は、第4フレーム部103の-Z側の端部に設けられたハーフ揺動軸123に揺動可能に支持されている。ハーフレバー91は、Y方向に延在するハーフ第1レバー部125と、ハーフ第1レバー部125の-Y側の端部から+Z側に延在するハーフ第2レバー部127とを備えている。ハーフ第2レバー部127の+Z側の端部には、ハーフ加圧部95が固定されている。
フル加圧部93は、フル第1加圧部131と、フル第2加圧部133とを備えている。フル第1加圧部131は、フル第2レバー部117の+Z側の端部に取り付けられている。フル第2加圧部133は、フル第1加圧部131から+Z側に突出している。
ハーフ加圧部95は、ハーフ第1加圧部139と、ハーフ第2加圧部141とを備えている。ハーフ第1加圧部139は、ハーフ第2レバー部127の+Z側の端部に取り付けられている。ハーフ第2加圧部141は、ハーフ第1加圧部139から+Z側に突出している。
このように構成されたカッター駆動部69は、駆動突起109がホーム駆動位置(図34参照)と第1駆動位置(図33参照)との間を往復移動するときには、ハーフ可動部81を駆動することなく、フル可動部77を駆動する。また、カッター駆動部69は、駆動突起109がホーム駆動位置(図19参照)と第2駆動位置(図7参照)との間を往復移動するときには、フル可動部77を駆動することなく、ハーフ可動部81を駆動する。
すなわち、駆動突起109がホーム位置(図34参照)から第1駆動位置(図33参照)に移動すると、フルレバー89が+X側から見て時計回りに回転し、フル加圧部93が+Y側に移動する。これにより、フル加圧部93が、フル可動部77を+Y側にすなわちフル受け部75に向けて加圧する。また、駆動突起109が第1駆動位置からホーム位置に移動すると、フルレバー89が+X側から見て反時計回りに回転し、フル加圧部93が-Y側に移動する。これにより、フル加圧部93が、フル可動部77を-Y側にすなわちフル受け部75とは反対側に向けて牽引する。
一方、駆動突起109がホーム位置(図19参照)から第2駆動位置(図7参照)に移動すると、駆動凸部111によりハーフレバー91が押されることで、ハーフレバー91が+X側から見て時計回りに回転し、ハーフ加圧部95が+Y側に移動する。これにより、ハーフ加圧部95が、ハーフ可動部81を+Y側にすなわちハーフ受け部79に向けて加圧する。また、駆動突起109が第2駆動位置からホーム位置に移動すると、出力歯車の+X側の端面に設けられた戻し係合部(図示省略)に戻しピン112が係合することで、ハーフレバー91が+X側から見て反時計回りに回転し、ハーフ加圧部95が-Y側に移動する。これにより、ハーフ加圧部95が、ハーフ可動部81を-Y側にすなわちハーフ受け部79とは反対側に向けて加圧する。
[フル受け部]
図8および図9に示すように、フル受け部75は、フル受けケース147と、フル受けケースカバー149と、フル受けブレード151とを備えている。
フル受けケース147は、フル受けブレード151を収容している。フル受けケース147には、フル受けガイド係合部(図示省略)と、フル受け支持対象部155と、フル受けブレード取付部157と、ブレード進入口159と、2つの位置決め穴161とが設けられている。
フル受けガイド係合部は、フル受けケース147の-X側の面に設けられ、Z方向に延在する溝状に形成されている。フル受けガイド係合部は、フル受け装着部47に設けられたフル受けガイド部55と係合し、フル受け部75の着脱をガイドする。
フル受け支持対象部155は、フル受けケース147の+Z側の端部に設けられ、凸状に形成されている。フル受け支持対象部155は、装着部カバー5が閉められたときに、カバー側フル受け支持部37に挿入し、カバー側フル受け支持部37に支持される(図33参照)。なお、フル受け支持対象部155は、フル受け部75の着脱時に、ユーザーに摘まれる。また、フル受けケース147には、フル受け支持対象部155の-Y側の角部を面取りするようにして、フル受けテープガイド部163が設けられている。フル受けテープガイド部163は、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413を、フル受け部75とフル可動部77との間にガイドする。
フル受けブレード取付部157には、フル受けブレード151が取り付けられている。フル受けブレード取付部157は、+X側が開放されており、フル受けブレード151が装着された後、フル受けケースカバー149により、その開放部が閉塞される。
ブレード進入口159は、フル受けケース147の-Y側の面に設けられ、Z方向に長い略長方形状に形成されている。フル可動部77のフル可動ブレード175は、ブレード進入口159からフル受けケース147内に進入する(図24参照)。
2つの位置決め穴161は、フル受けケース147の-Y側の面において、ブレード進入口159の+Z側および-Z側に設けられている。すなわち、2つの位置決め穴161は、フル受けブレード151をZ方向に挟んで配置されている。位置決め穴161は、Y方向、すなわちフル可動部77がフル受け部75に対して離接する方向、に延在している。フル可動部77がフル受け部75に向けて移動するときに、フル可動部77の位置決めピン177が、位置決め穴161に挿入される(図24参照)。
フル受けブレード151は、フル固定ネジ153により、フル受けケース147とフル受けケースカバー149との間に固定されている。フル受けブレード151は、フル可動部77がフル受け部75に向けて移動するときに、ブレード進入口159から進入したフル可動ブレード175とX方向に重なって擦れ合うことで、テープ413をフルカットする。なお、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とが重なった状態では、フル受けブレード151が+X側に位置し、フル可動ブレード175が-X側に位置する(図24参照)。フル受けブレード151は、略長方形の板状に形成されている。フル受けブレード151の-Y側の縁部には、フル受け刃先165が設けられている。フル受け刃先165は、略直線状に形成されており、Z方向に延在している。すなわち、フル受けブレード151の刃渡り方向は、Z方向である。
[フル可動部]
図10ないし図13に示すように、フル可動部77は、フル可動ケース167と、フル可動第1ケースカバー169と、フル可動第2ケースカバー171と、フル可動ホルダー173と、フル可動ブレード175とを備えている。また、フル可動部77は、2つの位置決めピン177と、2つのフル戻しバネ179と、ブレード加圧バネ181と、ブレード加圧部材183とを備えている。
フル可動ケース167は、フル可動ブレード175を出入り可能に収容している。フル可動ケース167には、フル可動ガイド係合部185と、フル可動第1支持対象部187と、フル可動第2支持対象部189とが設けられている。また、フル可動ケース167には、フル可動ホルダー収容部191と、フル駆動開口193と、フル可動ブレード収容部195と、フルブレード出入口197と、2つのピン収容部199と、2つのピン出入口201とが設けられている。
フル可動ガイド係合部185は、フル可動ケース167の+X側の面に設けられ、Z方向に延在する凸状に形成されている。フル可動ガイド係合部185は、フル可動装着部49に設けられたフル可動ガイド部59と係合し、フル可動部77の着脱をガイドする。
フル可動第1支持対象部187は、フル可動ケース167の-Z側の端部に設けられ、Y方向に延在する凸状に形成されている。フル可動第1支持対象部187は、フル可動部77がフル可動装着部49に装着されるときに、装着側フル可動支持部61に挿入し、装着側フル可動支持部61にY方向にスライド可能に支持される(図33参照)。
フル可動第2支持対象部189は、フル可動ケース167の+Z側の端部に設けられ、Y方向に延在する凸状に形成されている。フル可動第2支持対象部189は、装着部カバー5が閉められたときに、カバー側フル可動支持部39に挿入し、カバー側フル可動支持部39にY方向にスライド可能に支持される(図33参照)。なお、フル可動第2支持対象部189は、フル可動部77の着脱時に、ユーザーに摘まれる。また、フル可動ケース167には、フル可動第2支持対象部189の+Y側の角部を面取りするようにして、フル可動テープガイド部203が設けられている。フル可動テープガイド部203は、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413を、フル受け部75とフル可動部77との間にガイドする。
フル可動ホルダー収容部191は、フル可動ケース167の-Y側の略半部に設けられている。フル可動ホルダー収容部191には、フル可動ホルダー173がY方向にスライド可能に収容されている。フル可動ホルダー収容部191には、2つのフル突当部205が設けられている。フル可動ホルダー173がフル可動ケース167に対して-Y側に移動するときに、フル可動ホルダー173が2つのフル突当部205に突き当たる(図26参照)。
フル駆動開口193は、フル可動ケース167の-Y側の面に設けられている。カッター駆動部69のフル加圧部93は、フル駆動開口193を介して、フル可動ホルダー収容部191に収容されたフル可動ホルダー173と係合している。
フル可動ブレード収容部195は、フル可動ケース167の+Y側の略半部に設けられている。フル可動ブレード収容部195には、フル可動ブレード175がY方向にスライド可能に収容されている。フル可動ブレード収容部195は、-X側が開放されており、フル可動ブレード175が装着された後、フル可動第1ケースカバー169により、その開放部が閉塞される。なお、フル可動第2ケースカバー171は、フル可動ブレード収容部195の+X側に取り付けられている。
フルブレード出入口197は、フル可動ケース167の+Y側の面に設けられ、Z方向に長い略長方形状に形成されている。フル可動ケース167に収容されたフル可動ブレード175は、フルブレード出入口197から出入りする。
2つのピン収容部199は、フル可動ケース167の+Z側の端部および-Z側の端部に設けられている。ピン収容部199には、位置決めピン177が、Y方向にスライド可能に収容されている。
2つのピン出入口201は、フル可動ケース167の+Y側の面において、フルブレード出入口197の+Z側および-Z側に設けられている。ピン収容部199に収容された位置決めピン177は、ピン出入口201から出入りする。
フル可動ホルダー173は、フル可動ホルダー収容部191に収容されている。フル可動ホルダー173は、フル可動ブレード175および2つの位置決めピン177を保持している。フル可動ホルダー173は、カッター駆動部69のフル加圧部93により加圧、および牽引されることで、Y方向に往復移動し、保持したフル可動ブレード175および2つの位置決めピン177をY方向に往復移動させる。これにより、フル可動ブレード175は、2つの位置決めピン177と連動して、フル可動ケース167から出入りする。
フル可動ホルダー173は、2つのブレード係合爪207と、2つのピン係合凹部209と、フル加圧凹部211とを備えている。
2つのブレード係合爪207は、フル可動ホルダー173の+Y側の端部に設けられ、互いにZ方向に離れている。2つのブレード係合爪207は、フル可動ブレード175に設けられた2つのブレード係合穴221に+X側から係合している。これにより、フル可動ブレード175が、フル可動ホルダー173に保持される。
2つのピン係合凹部209は、フル可動ホルダー173の+Z側の端部および-Z側の端部に設けられている。2つのピン係合凹部209は、2つの位置決めピン177に設けられた細径部227と係合している。これにより、2つの位置決めピン177が、フル可動ホルダー173に支持される。
フル加圧凹部211は、フル可動ホルダー173の-Y側の端部に設けられ、+X側および-Z側が開放された凹状に形成されている。フル加圧凹部211は、Y方向、すなわちフル受け部75に対してフル可動部77が離接する方向、に延在している。フル加圧凹部211には、フル加圧部93のフル第2加圧部133が挿入されている(図33参照)。フル第2加圧部133は、フルレバー89の揺動に伴い、フル加圧凹部211内をY方向に移動する。
また、フル可動ホルダー173は、フル第1加圧対象部215と、フル第2加圧対象部217とを備えている。フル第1加圧対象部215は、フル第1加圧部131により+Y側へ加圧される箇所であり、フル可動ホルダー173の-Y側の端面により構成されている。フル第2加圧対象部217は、+Z側に突出したフル第2加圧部133と係合し、-Y側へ牽引される箇所であり、フル加圧凹部211の-Y側の壁部により構成されている。
フル可動ブレード175は、フル可動ホルダー173に保持されている。フル可動ブレード175は、フル可動ホルダー173がフル受け部75に向けて移動するときに、フルブレード出入口197から突出し、フル受けブレード151とX方向に重なって擦れ合うことで、テープ413をフルカットする。フル可動ブレード175は、略長方形の板状に形成されている。フル可動ブレード175の+Y側の縁部には、フル可動刃先219が設けられている。フル可動刃先219は、略「V」字状に形成されており、Z方向に延在している。すなわち、フル可動ブレード175の刃渡り方向は、Z方向である。フル可動ブレード175の-Y側の端部には、互いにZ方向に離れた2つのブレード係合穴221が設けられている。2つのブレード係合穴221には、フル可動ホルダー173に設けられた2つのブレード係合爪207が係合している。
2つの位置決めピン177は、フル可動ホルダー173に保持されている。2つの位置決めピン177は、フル可動ホルダー173がフル受け部75に向けて移動するときに、フル受けケース147に設けられた2つの位置決め穴161に挿入されることで、フル可動部77に対してフル受け部75をX方向に位置決めする。位置決めピン177は、ピン収容部199にY方向にスライド可能に収容されている。2つの位置決めピン177は、フル可動ブレード175をZ方向に挟んで、+Z側と-Z側とにそれぞれ配置されている。位置決めピン177は、Y方向、すなわちフル受け部75に対してフル可動部77が離接する方向、に延在している。
位置決めピン177は、全体としてY方向に長い略円柱状に形成されており、+Y側から順に、バネ装着部223と、太径部225と、細径部227と、基端部229とを備えている。バネ装着部223の外周側には、フル戻しバネ179が配設されている。太径部225は、バネ装着部223よりも太く形成されている。細径部227は、バネ装着部223よりも細く形成されている。細径部227は、フル可動ホルダー173に設けられたピン係合凹部209と係合している。基端部229は、バネ装着部223と略同径に形成されている。
2つのフル戻しバネ179は、2つの位置決めピン177と共に、2つのピン収容部199に収容されている。フル戻しバネ179としては、例えば、圧縮コイルバネを用いることができる。フル戻しバネ179には、位置決めピン177のバネ装着部223が挿通されており、ピン収容部199の+Y側の壁部と位置決めピン177の太径部225との間に設けられている。このため、フル戻しバネ179は、位置決めピン177が+Y側に移動してピン出入口201から突出するときに、圧縮される。フル戻しバネ179は、位置決めピン177、フル可動ホルダー173およびフル可動ブレード175に対し、-Y側、すなわちフル受け部75とは反対側、に向けて力を付与している。
ブレード加圧バネ181は、フル可動第1ケースカバー169とフル可動ブレード175との間に設けられている。ブレード加圧バネ181は、フル受け部75が、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とが重なって擦れ合うときに、フル可動ブレード175を、+X側に、すなわちフル受けブレード151に向けて加圧する。これにより、フル可動ブレード175が、撓りつつフル受けブレード151と適度に擦り合うため、テープ413を適切に剪断することができる。
ブレード加圧バネ181としては、例えば、板バネを用いることができる。ブレード加圧バネ181は、全体として略長方形の板状に形成されており、バネ取付部231と、バネ加圧部233とを備えている。バネ取付部231は、ブレード加圧バネ181の-Y側の端部に設けられており、フル可動第1ケースカバー169に取り付けられる部位である。バネ加圧部233の+Y側の端部には、バネ係合穴235が設けられている。バネ係合穴235は、ブレード加圧部材183に設けられたバネ係合凸部241と係合している。
ブレード加圧部材183は、ブレード加圧バネ181とフル可動ブレード175との間に設けられている。ブレード加圧部材183は、ブレード加圧バネ181からの弾性力を受けて、フル可動ブレード175を+X側に加圧する。ブレード加圧部材183は、樹脂製である。ブレード加圧バネ181は、ブレード加圧部材183を介して、フル可動ブレード175を加圧する。このため、いずれも金属製のフル可動ブレード175とブレード加圧バネ181とが直接擦れ合ってフル可動ブレード175にキズが付くことを抑制することができる。
ブレード加圧部材183は、全体として略「T」字状に形成されており、部材取付部237と、凸部形成部239とを備えている。部材取付部237は、Z方向に延在しており、バネ取付部231を介して、フル可動第1ケースカバー169に取り付けられる部位である。凸部形成部239は、Y方向に延在しており、凸部形成部239の+Y側の端部には、-X側の面にバネ係合凸部241が設けられ、+X側の面にブレード加圧凸部243が設けられている。バネ係合凸部241は、ブレード加圧バネ181に設けられたバネ係合穴235と係合している。ブレード加圧凸部243は、フル可動ブレード175と接してフル可動ブレード175を+X側に加圧する。
なお、フル可動部77がブレード加圧バネ181を備える代わりに、フル受け部75が、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とが重なって擦れ合うときに、フル受けブレード151を、フル可動ブレード175に向けて加圧するブレード加圧バネを備えた構成でもよい。
[ハーフ受け部]
図14および図15に示すように、ハーフ受け部79は、ハーフ受けケース245と、刃受け部材247と、2つのスペーサー249と、2つの固定部材251とを備えている。
ハーフ受けケース245には、刃受け部材247が固定されている。ハーフ受けケース245には、ハーフ受け支持対象部253と、刃受け取付凹部255とが設けられている。
ハーフ受け支持対象部253は、ハーフ受けケース245の+Z側の端部に設けられ、凸状に形成されている。ハーフ受け支持対象部253は、ハーフ受け部79がハーフ受け装着部51に装着されるときに、第3フレーム部101の+Z側の端部に嵌められる(図7参照)。ハーフ受け支持対象部253は、装着部カバー5が閉められたときに、カバー側ハーフ受け支持部41に挿入し、カバー側ハーフ受け支持部41に支持される。なお、ハーフ受け支持対象部253は、ハーフ受け部79の着脱時に、ユーザーに摘まれる。また、ハーフ受けケース245には、ハーフ受け支持対象部253の-Y側の角部を面取りするようにして、ハーフ受け第1テープガイド部257が設けられている。ハーフ受け第1テープガイド部257は、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413を、ハーフ受け部79とハーフ可動部81との間にガイドする。
刃受け取付凹部255は、ハーフ受けケース245の-Y側の面に設けられている。刃受け取付凹部255には、刃受け部材247が取り付けられている。
刃受け部材247は、Z方向に細長い略長方形の板状に形成されている。刃受け部材247には、ハーフ可動部81に設けられたハーフ可動ブレード269(図28参照)が離接する。
2つのスペーサー249は、刃受け部材247のZ方向両端部に設けられている。スペーサー249は、ハーフ可動ブレード269がスペーサー249に突き当たったときに、ハーフ可動ブレード269のハーフ可動刃先303と刃受け部材247との間に、間隙を生じさせる。
2つの固定部材251は、ハーフ固定ネジ252により、ハーフ受けケース245のZ方向両端部に取り付けられ、スペーサー249をハーフ受けケース245に固定する。また、スペーサー249がハーフ受けケース245に固定されることで、刃受け部材247がスペーサー249とハーフ受けケース245との間に挟持されるため、刃受け部材247がハーフ受けケース245に固定される。なお、+Z側の固定部材251には、-Y側の角部を面取りするようにして、ハーフ受け第2テープガイド部259が設けられている。ハーフ受け第2テープガイド部259は、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413を、ハーフ受け部79とハーフ可動部81との間にガイドする。
[ハーフ可動部]
図16ないし図18に示すように、ハーフ可動部81は、ハーフ可動ケース261と、ハーフ可動ケースカバー263と、ハーフ可動ホルダー265と、ハーフ可動ブレード269と、ハーフ戻しバネ271とを備えている。
ハーフ可動ケース261は、ハーフ可動ブレード269を出入り可能に収容している。ハーフ可動ケース261には、ハーフ可動ガイド係合部273と、ハーフ可動第1支持対象部275と、ハーフ可動第2支持対象部277とが設けられている。また、ハーフ可動ケース261には、ハーフ可動ホルダー収容部279と、ハーフ駆動開口281と、ハーフブレード出入口283と、2つのバネ掛止部285とが設けられている。
ハーフ可動ガイド係合部273は、ハーフ可動ケース261の-X側の面に設けられ、Z方向に延在する凸状に形成されている。ハーフ可動ガイド係合部273は、ハーフ可動装着部53に設けられたハーフ可動ガイド部63と係合し、ハーフ可動部81の着脱をガイドする。
ハーフ可動第1支持対象部275は、ハーフ可動ケース261の-Z側の端部に設けられ、Y方向に延在する凸状に形成されている。ハーフ可動第1支持対象部275は、ハーフ可動部81がハーフ可動装着部53に装着されるときに、装着側ハーフ可動支持部65に挿入し、装着側ハーフ可動支持部65にY方向にスライド可能に支持される(図7参照)。
ハーフ可動第2支持対象部277は、ハーフ可動ケース261の+Z側の端部に設けられ、Y方向に延在する凸状に形成されている。ハーフ可動第2支持対象部277は、装着部カバー5が閉められたときに、カバー側ハーフ可動支持部43に挿入し、カバー側ハーフ可動支持部43に支持される(図7参照)。なお、ハーフ可動第2支持対象部277は、ハーフ可動部81の着脱時に、ユーザーに摘まれる。また、ハーフ可動ケース261には、ハーフ可動第2支持対象部277の+Y側の角部を面取りするようにして、ハーフ可動テープガイド部287が設けられている。ハーフ可動テープガイド部287は、テープカートリッジ401の装着時に、テープカートリッジ401から繰り出されたテープ413を、ハーフ受け部79とハーフ可動部81との間にガイドする。
ハーフ可動ホルダー収容部279には、ハーフ可動ホルダー265がY方向にスライド可能に収容されている。ハーフ可動ホルダー収容部279には、2つのハーフ突当部289が設けられている。ハーフ可動ホルダー265がハーフ可動ケース261に対して-Y側に移動するときに、ハーフ可動ホルダー265が2つのハーフ突当部289に突き当たる(図31参照)。
ハーフ駆動開口281は、ハーフ可動ケース261の-Y側の面に設けられている。カッター駆動部69のハーフ加圧部95は、ハーフ駆動開口281を介して、ハーフ可動ホルダー収容部279に収容されたハーフ可動ホルダー265と係合している。
ハーフブレード出入口283は、ハーフ可動ケース261の+Y側の面に設けられ、Z方向に長い略長方形状に形成されている。ハーフ可動ケース261に収容されたハーフ可動ブレード269は、ハーフブレード出入口283から出入りする。
2つのバネ掛止部285には、ハーフ戻しバネ271の2つのアーム部305が掛け止めされている。
ハーフ可動ホルダー265は、ハーフ可動ケース261にY方向にスライド可能に収容されている。ハーフ可動ホルダー265は、ハーフ可動ブレード269を保持している。ハーフ可動ホルダー265は、カッター駆動部69のハーフ加圧部95により加圧されることで、Y方向に往復移動し、保持したハーフ可動ブレード269をY方向に往復移動させる。
ハーフ可動ホルダー265は、ハーフ可動ホルダー本体266と、ハーフ可動ホルダーカバー267とを備えている。ハーフ可動ホルダー本体266は、ハーフ可動ブレード取付部291と、バネ取付凸部293と、ハーフ加圧凹部295とを備えている。
ハーフ可動ブレード取付部291には、ハーフ可動ブレード269が取り付けられている。ハーフ可動ブレード取付部291は、+X側が開放されており、ハーフ可動ブレード269が装着された後、ハーフ可動ホルダーカバー267により、その開放部が閉塞される。バネ取付凸部293は、ハーフ戻しバネ271のコイル部307に挿通されている。
ハーフ加圧凹部295は、ハーフ可動ホルダー265の-Y側の端部に設けられ、フル加圧凹部211と同様に、+X側および-Z側が開放された凹状に形成されている。ハーフ加圧凹部295は、Y方向、すなわちハーフ受け部79に対してハーフ可動部81が離接する方向、に延在している。ハーフ加圧凹部295には、ハーフ加圧部95のハーフ第2加圧部141が挿入されている(図19参照)。ハーフ第2加圧部141は、ハーフレバー91の揺動に伴い、ハーフ加圧凹部295内をY方向に移動する。
また、ハーフ可動ホルダー265は、ハーフ第1加圧対象部299と、ハーフ第2加圧対象部301とを備えている。ハーフ第1加圧対象部299は、ハーフ第1加圧部139により+Y側へ加圧される箇所であり、ハーフ可動ホルダーカバー267の-Y側の端部により構成されている。ハーフ第2加圧対象部301は、+Z側に突出したハーフ第2加圧部141と係合し、-Y側へ牽引される箇所であり、ハーフ加圧凹部295の-Y側の壁部により構成されている。
ハーフ可動ブレード269は、ハーフ可動ホルダー265に保持されている。ハーフ可動ブレード269は、ハーフ可動ホルダー265がハーフ受け部79に向けて移動するときに、ハーフブレード出入口283から突出し、テープ413をハーフカットする。ハーフ可動ブレード269は、略長方形の板状に形成されている。ハーフ可動ブレード269の+Y側の縁部には、ハーフ可動刃先303が設けられている。ハーフ可動刃先303は、略直線状に形成されており、Z方向に延在している。すなわち、ハーフ可動ブレード269の刃渡り方向は、Z方向である。
ハーフ戻しバネ271は、ハーフ可動ケース261とハーフ可動ホルダー265との間に設けられている。ハーフ戻しバネ271としては、例えば、ねじりコイルバネを用いることができる。ハーフ戻しバネ271の2つのアーム部305は、ハーフ可動ケース261に設けられた2つのバネ掛止部285に掛止めされており、ハーフ戻しバネ271のコイル部307には、ハーフ可動ホルダー265に設けられたバネ取付凸部293が挿入されている。ハーフ戻しバネ271は、ハーフ可動ホルダー265に対し、-Y側、すなわちハーフ受け部79とは反対側、に向けて力を付与している。
[装着部カバーによるハーフカッターの支持]
ハーフ可動部81がハーフ受け部79に近づき、ハーフ受け部79がハーフ可動部81により加圧されたときに、ハーフ受け部79が+Y側に変位すると、ハーフ受け部79がハーフ可動部81から受けた加圧力が逃げてしまう。このため、ハーフカッター73により切断されるべき印刷テープ417が切断されないなどのハーフカット不良が生じるおそれがある。ゆえに、ハーフ受け部79がハーフ受け部79の+Y側に設けられた第3フレーム部101により支持されるだけでなく、ハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部についても、支持されることが好ましい。
しかしながら、テープカートリッジ401の装着時に、テープ413がハーフ受け部79とハーフ可動部81との間に挿入可能なように、ハーフ受け部79とハーフ可動部81との間では、+Z側、すなわちハーフ可動ブレード269の刃渡り方向の一方の側、が開放されている。このため、ハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部を支持するために、ハーフ受け部79および第3フレーム部101の+Z側にフレームを設けることは困難である。
そこで、本実施形態では、ハーフ受け部79および第3フレーム部101の+Z側を開閉する装着部カバー5により、ハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部を支持する構成が採用されている。すなわち、図7および図19に示すように、装着部カバー5が閉められると、装着部カバー5に設けられたカバー側ハーフ受け支持部41に、ハーフ受け部79の+Z側の端部すなわちハーフ受け支持対象部253が挿入する。ハーフ受け支持対象部253は、第3フレーム部101の+Z側の端部に嵌められている。このため、カバー側ハーフ受け支持部41により、ハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部が支持される。したがって、ハーフ受け部79がハーフ可動部81により加圧されたときに、ハーフ受け部79が+Y側すなわちハーフ可動部81とは反対側に変位することが抑制されるため、ハーフ受け部79がハーフ可動部81から受けた加圧力が逃げることが抑制され、テープ413を良好にハーフカットすることができる。なお、カバー側ハーフ受け支持部41は、ハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部の双方を支持する構成に限定されず、少なくとも一方を支持する構成でもよい。また、カバー側ハーフ受け支持部41は、「カバー側受け支持部」の一例である。
また、ハーフ受け部79がハーフ可動部81により加圧されたときに、ハーフ可動部81に対してハーフ受け部79とは反対側に設けられた第4フレーム部103には、ハーフ可動部81からハーフ受け部79への加圧力に対するハーフ受け部79からの反力が、作用する。この第4フレーム部103の+Z側の端部は、装着部カバー5が閉められると、装着部カバー5に設けられたカバー側フレーム支持部45に挿入し、カバー側フレーム支持部45により支持される。そのため、装着部カバー5は、互いに引っ張り合う力が作用する2箇所、すなわち、ハーフ可動部81からの加圧力が作用するハーフ受け部79の+Z側の端部および第3フレーム部101の+Z側の端部と、ハーフ受け部79からの反力が作用する第4フレーム部103の+Z側の端部と、を支持する。したがって、ハーフ受け部79がハーフ可動部81により加圧されたときに、ハーフ受け部79がハーフ可動部81とは反対側に変位することを、より効果的に抑制することができる。なお、第4フレーム部103は、「反力作用部」の一例である。カバー側フレーム支持部45は、「反力支持部」の一例である。
なお、カバー側ハーフ受け支持部41は、ハーフ受け支持対象部253を支持可能であれば、その形状は特に限定されず、例えば、凸状に形成された構成でもよい。カバー側フレーム支持部45についても同様である。
[装着部カバーによるカット位置の変動抑制]
図20に示すように、ヘッド軸15およびプラテン軸23は、ヘッド軸15およびプラテン軸23の-Z側に設けられたベースフレーム21に、片持ちで支持されている。また、フル可動部77およびハーフ可動部81は、それぞれフル可動部77およびハーフ可動部81の-Z側に設けられた装着側フル可動支持部61および装着側ハーフ可動支持部65に、片持ちで支持されている。これに対し、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77或いはハーフ可動部81が、X方向すなわちテープ413の送り方向に傾くと、テープ413において印刷画像に対するカット位置が変動してしまう。そのため、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77およびハーフ可動部81は、-Z側の各端部だけでなく+Z側の各端部についても支持されることが好ましい。
しかしながら、テープカートリッジ401の装着時に、ヘッド軸15およびプラテン軸23がそれぞれヘッド挿通孔423およびプラテンローラー405に挿入可能なように、ヘッド軸15およびプラテン軸23の+Z側が開放されている。また、テープカートリッジ401の装着時に、フル受け部75とフル可動部77との間、およびハーフ受け部79とハーフ可動部81との間に、テープ413が挿入可能なように、フル受け部75とフル可動部77との間、およびハーフ受け部79とハーフ可動部81との間では、+Z側が開放されている。このため、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77、およびハーフ可動部81の+Z側の各端部を支持するために、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77およびハーフ可動部81の+Z側にフレームを設けることは困難である。
そこで、本実施形態では、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77およびハーフ可動部81の+Z側を開閉する装着部カバー5により、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77、およびハーフ可動部81の+Z側の各端部を支持する構成が採用されている。すなわち、装着部カバー5が閉められると、装着部カバー5に設けられたカバー側ヘッド軸支持部33、カバー側プラテン軸支持部35、カバー側フル可動支持部39およびカバー側ハーフ可動支持部43に、それぞれ、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77、およびハーフ可動部81の+Z側の各端部が挿入する。このため、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77、およびハーフ可動部81の+Z側の各端部が、それぞれ、カバー側プラテン軸支持部35、カバー側ヘッド軸支持部33、カバー側フル可動支持部39およびカバー側ハーフ可動支持部43により支持される。
これにより、ヘッド軸15、プラテン軸23、フル可動部77およびハーフ可動部81が、X方向に傾くことが抑制される。ゆえに、プラテンローラー405および印刷ヘッド17とフル可動部77との距離、すなわちテープ印刷装置1における印刷位置とフルカット位置との距離、が変動することが抑制される。同様に、プラテンローラー405および印刷ヘッド17とハーフ可動部81との距離、すなわちテープ印刷装置1における印刷位置とハーフカット位置との距離、が変動することが抑制される。したがって、テープ413において印刷画像に対するカット位置が変動することを抑制することができる。
なお、ヘッド軸15の+Z側の端部およびカバー側ヘッド軸支持部33の形状は、カバー側ヘッド軸支持部33によりヘッド軸15の+Z側の端部を支持可能であれば、特に限定されず、例えば、ヘッド軸15の+Z側の端部が凹状でカバー側ヘッド軸支持部33が凸状でもよい。プラテン軸23の+Z側の端部およびカバー側プラテン軸支持部35の形状、フル可動部77の+Z側の端部およびカバー側フル可動支持部39の形状、並びに、ハーフ可動部81の+Z側の端部およびカバー側ハーフ可動支持部43の形状についても同様である。
また、装着部カバー5は、カバー側プラテン軸支持部35、カバー側ヘッド軸支持部33、カバー側フル可動支持部39およびカバー側ハーフ可動支持部43のすべてが設けられた構成に限定されず、少なくとも一つを備えた構成でもよい。
[フル可動部に対するフル受け部の位置決め]
フルカッター71は、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とがX方向に重なって擦れ合うことで、テープ413をフルカット、すなわちテープ413を剪断する。このため、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とがX方向に重なったときに、フル受けブレード151が+X側に、すなわちフル可動ブレード175とは反対側に、逃げてしまうと、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とが擦れ合うことができず、テープ413を適切にフルカットすることができないおそれがある。
そこで、本実施形態では、フル可動部77に対してフル受け部75をX方向に位置決めする構成が採用されている。図21は、フルカッター71の初期状態、すなわちフル受け部75に対してフル可動部77が離れた状態を示している。この状態から、フル加圧部93によりフル可動ホルダー173がフル受け部75に向けて加圧されると、図22に示すように、フル戻しバネ179を介してフル可動ケース167がフル受け部75に向けて加圧される。このため、フル可動部77がフル受け部75に向けて一体に移動し、フル可動ケース167がテープ413(図21ないし図27では図示省略)を介してフル受けケース147に当たる。
フル可動ケース167がフル受けケース147に当たった後、図23に示すように、フル可動ケース167に対して、フル可動ホルダー173に保持されたフル可動ブレード175および2つの位置決めピン177が、フル戻しバネ179を圧縮させながら、フル受け部75に向けて移動する。これにより、フル可動ブレード175がブレード進入口159からフル受けケース147内に進入すると共に、2つの位置決めピン177が2つの位置決め穴161に挿入される。そして、図24に示すように、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とがX方向に重なって擦れ合うことで、テープ413がテープ413の幅方向の両端部から中央部に向けて剪断される。
続いて、フル加圧部93がフル受け部75とは反対側に向けて移動すると、フル戻しバネ179によりフル可動ホルダー173がフル受け部75とは反対側に向けて加圧されるため、図25に示すように、フル可動ホルダー173に保持されたフル可動ブレード175および2つの位置決めピン177が、フル受け部75とは反対側に向けて移動し、フル可動ケース167に引っ込む。図26に示すように、フル可動ホルダー173がフル突当部205に当たった後、図27に示すように、フル可動部77がフル受け部75とは反対側に向けて一体に移動し、フル可動ケース167がフル受けケース147から離れ、初期状態に戻る。
なお、位置決めピン177がフル可動ケース167に引っ込むとは、位置決めピン177の全体がフル可動ケース167内に収容された状態のみならず、図27に示すように、位置決めピン177の+Y側の端部がフル可動ケース167から突出した状態をも含む概念である。また、図21ないし図27では、フル戻しバネ179が伸縮せずに同じ長さで図示されているが、実際には、フル戻しバネ179は、フル可動ケース167に対する位置決めピン177の移動に応じて、伸縮する。
このように、2つの位置決めピン177が2つの位置決め穴161に挿入されることで、フル可動ケース167に対してフル受けケース147がX方向に位置決めされ、その結果、フル可動ブレード175に対してフル受けブレード151がX方向に位置決めされる。このため、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とがX方向に重なったときに、フル受けブレード151が+X側すなわちフル可動ブレード175とは反対側に逃げてしまうことが抑制される。したがって、フル受けブレード151とフル可動ブレード175とが適切に擦れ合うことができ、テープ413を良好にフルカットすることができる。
また、2つの位置決めピン177が2つの位置決め穴161に挿入される構成であるため、簡易な構成で、フル可動ブレード175に対してフル受けブレード151を良好に位置決めすることができる。なお、位置決めピン177の個数は、1つでもよく、3つ以上でもよいが、本実施形態では、2つの位置決めピン177が、フル可動ブレード175をZ方向に挟んで配置されているため、フル可動ブレード175に対してフル受けブレード151をバランス良く位置決めすることができる。位置決め穴161の個数についても、同様である。位置決めピン177の形状は、略円柱状に限定されず、例えば、略角柱状でもよい。さらに、フル可動ブレード175に対してフル受けブレード151を位置決めする手法としては、位置決めピン177が位置決め穴161に挿入される構成に限定されず、例えば、位置決めピン177がフル受けケース147の+X側の面と係合する構成でもよい。
また、フル可動部77がフル受け部75とは反対側に向けて移動するときに、位置決めピン177がフル可動ケース167に引っ込むため、フル受け部75とフル可動部77との間にテープ413が挿入されるときに、位置決めピン177が邪魔となることを抑制することができる。
また、フル可動ブレード175は、フル受けケース147とフル可動ケース167との間にテープ413が挟持された状態で、フル可動ケース167から出入りする。このため、テープ413の切り口がテープ413の粘着剤によってフル可動ブレード175に付着した場合にも、付着したテープ413からフル可動ブレード175を引き離すことができる。これにより、フルカット後のテープ送り時に、テープ413の送りの不具合が発生することを抑制することができる。
なお、ハーフカッター73においても、フルカッター71と同様に、ハーフ可動ブレード269が、ハーフ受けケース245とハーフ可動ケース261との間にテープ413が挟持された状態で、ハーフ可動ケース261から出入りする。図28は、ハーフカッター73の初期状態、すなわちハーフ受け部79に対してハーフ可動部81が離れた状態を示している。この状態から、ハーフ加圧部95によりハーフ可動ホルダー265に向けて加圧されると、図29に示すように、ハーフ戻しバネ271を介してハーフ可動ケース261がハーフ受け部79に向けて加圧される。このため、ハーフ可動部81がハーフ受け部79に向けて一体に移動し、ハーフ可動ケース261がテープ413(図28ないし図32では図示省略)を介してハーフ受けケース245に当たる。
ハーフ可動ケース261がハーフ受けケース245に当たった後、図30に示すように、ハーフ可動ケース261に対して、ハーフ可動ホルダー265に保持されたハーフ可動ブレード269が、ハーフ戻しバネ271に抗して、ハーフ受け部79に向けて移動する。そして、ハーフ可動ブレード269がスペーサー249に突き当たることで、テープ413がハーフカットされる。
続いて、ハーフ加圧部95がハーフ受け部79とは反対側に向けて移動すると、ハーフ戻しバネ271によりハーフ可動ホルダー265がハーフ受け部79とは反対側に向けて加圧されるため、図31に示すように、ハーフ可動ホルダー265に保持されたハーフ可動ブレード269が、ハーフ受け部79とは反対側に向けて移動し、ハーフ可動ケース261に引っ込む。ハーフ可動ホルダー265がハーフ突当部289に当たった後、図32に示すように、ハーフ可動部81がハーフ受け部79に向けて一体に移動し、ハーフ可動ケース261がハーフ受けケース245から離れ、初期状態に戻る。
このように、ハーフ可動ブレード269が、ハーフ受けケース245とハーフ可動ケース261との間にテープ413が挟持された状態で、ハーフ可動ケース261から出入りすることで、テープ413の切り口がテープ413の粘着剤によってハーフ可動ブレード269に付着した場合にも、付着したテープ413からハーフ可動ブレード269を引き離すことができる。これにより、ハーフカット後のテープ送り時に、テープ413の送りの不具合が発生することを抑制することができる。
[フル加圧部およびハーフ加圧部]
フル第1加圧部131は、図33に示すように、フル第1加圧対象部215をフル受け部75に向けて加圧することで、フル可動ホルダー173をフル受け部75に向けて移動させる。また、フル第2加圧部133は、図34に示すように、フル第2加圧対象部217をフル受け部75とは反対側に向けて牽引することで、フル可動ホルダー173をフル受け部75とは反対側に移動させる。
ハーフ第1加圧部139は、図7に示すように、ハーフ第1加圧対象部299をハーフ受け部79に向けて加圧することで、ハーフ可動部81をハーフ受け部79に向けて移動させる。また、ハーフ第2加圧部141は、図19に示すように、ハーフ第2加圧対象部301をハーフ受け部79とは反対側に向けて牽引することで、ハーフ可動部81をハーフ受け部79とは反対側に向けて移動させる。
ここで、本実施形態とは異なり、フル第1加圧部131およびフル第2加圧部133が、フル第1加圧部131およびフル第2加圧部133が固定されたフル第2レバー部117から、+X側或いは-X側に突出した構成であると、その分、フル第1加圧部131およびフル第2加圧部133がX方向すなわちテープ413の送り方向に大型化することになる。ハーフ第1加圧部139およびハーフ第2加圧部141についても、同様の課題がある。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、フル第1加圧部131およびフル第2加圧部133が、X方向すなわちテープ413の送り方向において、フル第2レバー部117と重複する位置に設けられた構成が採用されている。これにより、フル第1加圧部131およびフル第2加圧部133がテープ413の送り方向に大型化することを抑制することができる。
また、本実施形態では、ハーフ第1加圧部139およびハーフ第2加圧部141が、X方向すなわちテープ413の送り方向において、ハーフ第2レバー部127と重複する位置に設けられた構成が採用されている。これにより、ハーフ第1加圧部139およびハーフ第2加圧部141がテープ413の送り方向に大型化することを抑制することができる。
したがって、フルカッター71からテープ排出部31までの距離を短くすることができ、テープ排出部31により排出可能なテープ413の最短長さを、短くすることができる。
また、図33に示すように、フル第2加圧部133は、フル第1加圧部131がフル第1加圧対象部215をフル受け部75に向けて加圧するときには、フル第2加圧対象部217から離れている。このため、フル第1加圧部131は、フル第2加圧部133とフル第2加圧対象部217との係合により邪魔されることなく、フル第1加圧対象部215を良好に加圧することができる。なお、図34に示すように、フル第1加圧部131は、フル第2加圧部133がフル第2加圧対象部217をフル受け部75とは反対側に向けて牽引するときには、フル第1加圧対象部215から離れている。
同様に、図7に示すように、ハーフ第2加圧部141は、ハーフ第1加圧部139がハーフ第1加圧対象部299をハーフ受け部79に向けて加圧するときには、ハーフ第2加圧対象部301から離れている。このため、ハーフ第1加圧部139は、ハーフ第2加圧部141とハーフ第2加圧対象部301との係合により邪魔されることなく、ハーフ第1加圧対象部299を良好に加圧することができる。なお、図19に示すように、ハーフ第1加圧部139は、ハーフ第2加圧部141がハーフ第2加圧対象部301をハーフ受け部79とは反対側に向けて牽引するときには、ハーフ第1加圧対象部299から離れている。
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。また、上記した実施形態や変形例を組み合わせた構成でもよい。
[付記]
以下、テープ印刷装置について付記する。
テープ印刷装置は、受け部と、ブレードを含み受け部に対して離接する可動部と、を有し、受け部と可動部との間において、ブレードの刃渡り方向の一方の側である第1の側が開放されたハーフカッターと、ハーフカッターが装着されるカッター装着部を開閉するカバーと、を備え、カバーには、カバーが閉められたときに、受け部の第1の側の端部、および可動部により加圧された受け部を支持する支持部の第1の側の端部、の少なくとも一方を支持するカバー側受け支持部、が設けられている。
この構成によれば、受け部が可動部により加圧されたときに、受け部が可動部とは反対側に変位することが抑制されるため、受け部が可動部から受けた加圧力が逃げることが抑制され、テープを良好にハーフカットすることができる。
この場合、可動部から受け部への加圧力に対する受け部からの反力が作用する反力作用部、を備え、カバーには、カバーが閉められたときに、反力作用部の第1の側の端部を支持する反力支持部、が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、カバーは、互いに引っ張り合う力が作用する2箇所、すなわち受け部の第1の側の端部と、反力作用部の第1の側の端部と、を支持する。したがって、受け部が可動部により加圧されたときに、受け部が可動部とは反対側に変位することを、より効果的に抑制することができる。
この場合、カッター装着部として、受け部が着脱可能に装着される受け装着部と、可動部が着脱可能に装着される可動装着部と、を備えたことが好ましい。
この構成によれば、ハーフカッターの切れ具合が劣化した場合に、受け部および可動部を新しいものに交換することで、ハーフカッターの切れ具合を回復させることができる。