<第1実施形態>
図1は、第1実施形態における電子機器の全体構成を示す図である。本実施形態の電子機器1は、リセットIC400(=監視装置の一例)とマイコン500を有する。また、電子機器1は、上記の半導体装置400及び500に外付けされるディスクリート部品として、抵抗RLと、複数のキャパシタ(CVDD、CCT、CL)と、を有する。
リセットIC400は、電源電圧VDD1が立ち上がっているか否かを監視してマイコン500にリセット出力信号VOUTを出力する半導体集積回路装置であり、基準電圧生成回路410と、分圧電圧生成回路420と、入力電圧監視回路430と、遅延回路440と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ450と、を有する。
また、リセットIC400は、IC外部との電気的な接続を確立する手段として、複数の外部端子(GNDピン、VDDピン、VOUTピン、CTピン)を備えている。GNDピンは、接地端に接続される接地端子である。VDDピンは、電源電圧VDD1の印加端に接続される電源端子である。VDDピンとGNDピンとの間には、キャパシタCVDDが接続されている。VOUTピンは、リセット出力信号VOUTを出力するための出力端子である。VOUTピンと電源電圧VDD2の印加端との間には、抵抗RLが接続されている。VOUTピンとGNDピンとの間には、キャパシタCLが接続されている。キャパシタCLは省略してもよい。CTピンは、リセット保持時間設定端子(=遅延設定端子に相当)である。CTピンとGNDピンとの間には、キャパシタCCTが接続されている。
なお、リセットIC400は、上記以外の構成要素や外部端子を有していてもよい。また、リセットIC400には、その各部に種々の寄生素子(寄生ダイオードなど)が付随しているが、図示の便宜上、それらの描写は割愛している。
基準電圧生成回路410は、VDDピンとGNDピンとの間に接続されており、電源電圧VDD1から所定の基準電圧Vrefを生成する。基準電圧生成回路410としては、電源依存性や温度依存性の小さいバンドギャップ電源などを好適に用いることができる。
分圧電圧生成回路420は、VDDピンとGNDピンとの間に直列接続された抵抗ラダー(本図では、抵抗421~423の3つを例示)を含み、電源電圧VDD1を所定の分圧比α(ただし0<α<1)で分圧することにより、電源電圧VDD1に応じた分圧電圧Vx(=α×VDD1)を生成する。
なお、抵抗421~423それぞれの抵抗値は、トリミングなどにより微調整することができる。このように、分圧電圧生成回路420は、分圧電圧Vxの分圧比αを任意に調整する機能を備えていることが望ましい。
入力電圧監視回路430(=監視部に相当)は、分圧電圧Vxと基準電圧Vrefとを比較して比較信号S11を生成する回路ブロックであり、コンパレータ431と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ432と、を含む。
コンパレータ431は、非反転入力端(+)に入力される基準電圧Vrefと、反転入力端(-)に入力される分圧電圧Vxを比較して比較信号S11を生成する。比較信号S11は、Vx<Vref(延いてはVDD<Vref/α)であるときにハイレベルとなり、Vx>Vref(延いてはVDD>Vref/α)であるときにローレベルとなる。
トランジスタ432は、比較信号S11に応じてオン/オフされるヒステリシス付与用のスイッチ素子である。接続関係について述べると、トランジスタ432のドレインは、抵抗422及び423相互間の接続ノードに接続されている。トランジスタ432のソースは、GNDピンに接続されている。トランジスタ432のゲートは、比較信号S11の印加端に接続されている。
比較信号S11がハイレベルであるときには、トランジスタ432がオンして、抵抗423の両端間が短絡されるので、分圧電圧Vxの分圧比αが低くなる。一方、比較信号S11がローレベルであるときには、トランジスタ432がオフして、抵抗423の両端間が開放されるので、分圧電圧Vxの分圧比αが高くなる。
このような分圧比αの切替制御により、電源電圧VDD1のリセット解除閾値(=リセット出力信号VOUTがローレベルからハイレベルに立ち上がる上側閾値に相当)と、リセット検出閾値(=リセット出力信号VOUTがハイレベルからローレベルに立ち下がる下側閾値に相当)との間には、所定のヒステリシス電圧Vhysが付与される。
遅延回路440は、比較信号S11(=入力信号に相当)を遅らせて遅延比較信号S12(=遅延入力信号に相当)を生成する。なお、遅延回路440は、CTピン(=遅延設定端子)を用いて自由に遅延時間(=リセット保持時間)を設定する機能を備えている。
トランジスタ450は、遅延比較信号S12に応じてオン/オフされるスイッチ素子であり、リセット出力信号VOUTを出力するための出力部(=オープンドレイン出力段)を形成している。その接続関係について述べると、トランジスタ450のドレインは、VOUTピンに接続されている。トランジスタ450のソースは、GNDピンに接続されている。トランジスタ450のゲートは、遅延比較信号S12の印加端(=遅延回路440の出力端)に接続されている。
なお、遅延比較信号S12がハイレベルであるときには、トランジスタ450がオンするので、リセット出力信号VOUTがローレベルとなる。一方、遅延比較信号S12がローレベルであるときには、トランジスタ450がオフするので、VOUTピンがハイインピーダンス状態(HiZ状態)となる。このとき、リセット出力信号VOUTは、抵抗RLを介してハイレベルにプルアップされる。
マイコン500は、電源電圧VDD2の供給を受けて動作する半導体集積回路装置であり、電子機器1全体の動作を統括的に制御する。なお、マイコン500は、リセットIC400から入力されるリセット出力信号VOUTによってリセットされる。より具体的に述べると、マイコン500は、リセット出力信号VOUTがローレベルであるときにリセット状態(=ディセーブル状態)となり、リセット出力信号VOUTがハイレベルであるときにリセット解除状態(=イネーブル状態)となる。
<リセットIC(パッケージ)>
図2は、第1実施形態におけるリセットIC400のパッケージ外観(トップ面と2種類のボトム面(1)及び(2))を示す図である。本図で示すように、リセットIC400のパッケージとしては、例えばSSON[shrink small outline non-leaded]パッケージを採用するとよい。
より具体的に述べると、リセットIC400は、平面視矩形状の樹脂封止体401を持ち、そのボトム面(=底面)には、樹脂封止体401から側面方向に突出することなく、各辺2本ずつ計4本の外部端子402が露出されている。このようなノンリードのSSONパッケージであれば、リードを持つパッケージ(SOP[small outline package]など)と比べて、その実装面積を縮小することが可能となる。
また、樹脂封止体401のボトム面には、半導体チップ405(後出の図4を参照)を搭載するアイランド403の裏面(=チップ搭載面の裏側)が放熱パッドとして露出されている。また、リセットIC400の側面にもそれぞれフレーム404の一部が露出されている。このような構成であれば、リセットIC400の放熱性を高めることができる。
なお、ボトム面(1)で示すように、アイランド403の四隅のうち、少なくとも一つには、切欠部403xを設けておくとよい。若しくは、ボトム面(2)で示すように、外部端子402には、凹部402xや凸部402yを設けておくとよい。このような構成とすることにより、樹脂封止体401との密着性を高めて、外部端子402やアイランド403の脱落を防止することが可能となる。
<リセットIC(底面レイアウト)>
図3及び図4は、それぞれ、第1実施形態におけるリセットIC400の底面レイアウト及び縦断面(図3のα-α断面)を示す図である。
リセットIC400は、半導体チップ405をメタルフレーム(外部端子402及びアイランド403など)やボンディングワイヤ406とともに、樹脂封止体401でパッケージングした構造を有している。なお、リセットIC400の外形は、扁平な直方体形状(例えば平面視正方形状の6面体)を成している。
メタルフレームは、アイランド403と、その周囲に配置される4つの外部端子402を備えており、金属薄板(例えば銅薄板)を打ち抜くことにより形成される。
アイランド403は、平面視四角形状(例えば平面視正方形状)を成している。先にも述べたように、アイランド403の裏面(=チップ搭載面の裏側)は、樹脂封止体401のボトム面で露出している。特に、アイランド403は、その各辺403aが樹脂封止体401の各辺401aと平行にならないように配置されている。言い換えると、リセットIC400の底面視において、アイランド403は、樹脂封止体401に対して所定の角度(例えば45度)が付くように傾けて配置されている。
外部端子402は、リセットIC400の底面視において、アイランド403の各辺403aとそれぞれ対向する部分に配置されている。外部端子402の配置に着目すると、リセットIC400の第1辺(本図下辺)には、本図の右から左に向けて、2本の外部端子(1ピン及び2ピン)が順に並べられている。1ピンは、接地端子(GNDピン)である。2ピンは、電源端子(VDDピン)である。また、リセットIC400の第2辺(本図上辺)には、本図の左から右に向けて、2本の外部端子(3ピン及び4ピン)が順に並べられている。3ピンは、出力端子(VOUTピン)である。4ピンは、リセット保持時間設定端子(CTピン)である。一方、リセットIC400の第3辺(本図左辺)及び第4辺(本図右辺)には、外部端子402が設けられていない。
なお、外部端子402は、それぞれ、底面視台形状に形成されている。具体的に述べると、外部端子402は、アイランド403の対向する辺403aと平行な辺402aと、樹脂封止体401の側面上を延びる辺402bと、辺402bと直交して樹脂封止体401の側面と平行に延びる辺402cと、辺402aと辺402b及び402cをそれぞれ接続する辺402d及び402eと、を有する形状に形成されている。
外部端子402には、それぞれ、外部端子402の下面(露出面)側から窪み、アイランド403と対向する側面(=辺402aを形成する側面)において開放される底面視半円形状の凹部402xが形成されている。凹部402xには、樹脂封止体401の材料が入り込んでいる。凹部402xは、例えば、ケミカルエッチングまたは潰し加工により形成することができる。
そして、外部端子402の下面は、凹部402xを除いて、樹脂封止体401のボトム面で露出しており、配線基板(図示せず)との電気的な接続に供される。また、外部端子402の辺402bを形成する側面は、樹脂封止体401の側面で露出している(先出の図2を参照)。
半導体チップ405は、各種の機能素子(先出の図1を参照)が形成されている側の表面(デバイス形成面)を上方に向けた状態で、その裏面が導電性接合剤を介してアイランド403に接合(ダイボンディング)されている。半導体チップ405の表面には、配線層の一部を表面保護膜から露出させることにより、外部端子402と対応したパッド(図示せず)が形成されている。
各パッドには、ボンディングワイヤ406の一端が接合されている。ボンディングワイヤ406の他端は、外部端子402における相対的に厚い部分(凹部402xが形成されていない部分)の上面に接合されている。これにより、半導体チップ405は、ボンディングワイヤ406を介して、外部端子402と電気的に接続されている。
以上のように、外部端子402及びアイランド403は、それぞれの下面が樹脂封止体401のボトム面で露出している。そのため、リセットIC400は、配線基板への表面実装が可能である。
そして、先にも述べたように、外部端子402には、その下面側から窪み、辺402aを形成する側面において開放される凹部402xが形成されている。この凹部402xに樹脂封止体401の材料が入り込んでいることにより、外部端子402は、凹部402xが形成されている部分において、その上下両側から樹脂封止体401に挟持されている。これにより、外部端子402と樹脂封止体401との接合強度を向上することができる。その結果、外部端子402が樹脂封止体401から脱落しにくくなる。
なお、凹部402xは、辺402aを形成する側面において開放されているので、樹脂封止体401の材料を凹部402xに確実に入り込ませることができる。
また、凹部402xは、底面視半円形状に形成されているので、その円弧のあらゆる半径方向において、外部端子402と樹脂封止体401との接合強度を増すことができる。
ただし、凹部402xは、必ずしも底面視半円形状である必要はなく、例えば、底面視直角三角形状に形成してもよい。また、凹部402xのサイズについても、本図の例に限定されるものではなく、より大きいサイズに形成してもよい。また、凹部402xの位置や個数についても任意であり、例えば、辺402bまたは402cを形成する側面において開放されるように一または複数の凹部402xを形成してもよい。さらに、辺402bに沿う方向の全幅に亘って外部端子402の下面側から窪む凹溝を形成してもよいし、或いは、アイランド403の下面側から窪み、アイランド402の2本の対角線に沿って延びる凹溝を形成してもよい。もちろん、これらを適当に組み合わせて実施してもよい。
<リセット出力動作(基本動作)>
図5は、第1実施形態におけるリセット出力動作の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、電源電圧VDD、比較信号S11、CT端子電圧(=CTピンに現れる電圧であり、CTピンにキャパシタCCTが正しく外付けされている場合には、キャパシタCCTの両端間電圧に相当)、遅延比較信号S12、及び、リセット出力信号VOUTが描写されている。
時刻t101以前には、電源電圧VDDがリセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、比較信号S11と遅延比較信号S12は、いずれもローレベルであり、リセット出力信号VOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t101において、電源電圧VDDがリセット検出閾値を下回ると、比較信号S11がハイレベルに立ち上がる。このとき、遅延比較信号S12も遅滞なくハイレベルに立ち上がるので、リセット出力信号VOUTは、ハイレベルからローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t102において、電源電圧VDDがリセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、比較信号S11がローレベルに立ち下がる。このとき、遅延回路440では、CT端子電圧の充電が開始される。ただし、この時点では、CT端子電圧が所定の閾値電圧Vthを下回っているので、遅延比較信号S12がハイレベルに維持される。その結果、リセット出力信号VOUTは、ローレベルのままとなる。
CT端子電圧の充電が進み、時刻t103において、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回ると、遅延比較信号S12がローレベルに立ち下がるので、リセット出力信号VOUTがハイレベルに立ち上がる。
このように、電源電圧VDDが一旦リセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号VOUTは、少なくともリセット保持時間Thold(=時刻t102~t103を参照)に亘ってローレベルに維持されることになる。
なお、上記のリセット保持時間Tholdは、CTピンに外付けされるキャパシタCCTの容量値に比例した長さ(=Vth×CCT/ICT、ただし、ICTは充電電流の電流値であり、閾値電圧Vth及び充電電流ICTはいずれもリセットIC400の内部で予め設定された固定値)となる。従って、キャパシタCCTの容量値を調整することにより、リセット保持時間Tholdを自由に設定することが可能となる。
このような自由遅延時間設定タイプのリセットIC400であれば、遅延時間固定タイプ(例えば、デジタルのカウンタタイマを用いて固定のリセット保持時間を設定するカウンタタイマ内蔵タイプ)と比べて、アプリケーションの選択肢を拡げることができる。
ただし、第1実施形態のリセットIC400では、キャパシタCCTのオープン故障やショート故障が生じたときに、リセット保持時間Tholdを適切に設定することができなくなり、リセット出力信号VOUTの入力を受け付けるマイコン500の誤動作を招くおそれがある。
なお、キャパシタCCTのオープン故障とは、CTピンからキャパシタCCTの一端が外れてしまい、CTピンがオープンとなっている状態を指す。また、キャパシタCCTのショート故障とは、キャパシタCCTの両端間が短絡してしまい、CTピンの地絡(=接地端またはこれに準ずる低電位端への短絡)が生じている状態を指す。以下では、このような不具合を解消することのできる第2実施形態を提案する。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態におけるリセットIC400の要部(特に遅延回路440内部の機能ブロック)を示す図である。本実施形態のリセットIC400は、先出の第1実施形態(図1)を基礎としつつ、遅延回路440の内部構成に新規な工夫が凝らされている。より具体的に述べると、遅延回路440は、遅延部440aと、検査部440bと、発振部440cを含む。
遅延部440aは、CT端子電圧を利用して任意に設定されるリセット保持時間Thold(=可変遅延時間に相当)だけ比較信号S11を遅らせることにより、遅延比較信号S12を生成する。なお、遅延部440aの基本動作は、第1実施形態におけるリセット出力動作として、先出の図5で説明した通りなので、重複した説明を割愛する。
検査部440bは、所定の最小リセット保持時間Thold_min(=最小遅延時間に相当)を確保しつつ、その満了時にCT端子電圧を検査することにより、CTピンの異常(=キャパシタCCTのオープン故障ないしはショート故障)を検出する。
より具体的に述べると、検査部440bは、比較信号S11の立下りエッジが到来してから、最小リセット保持時間Thold_minが経過するまでの間、CT端子電圧の上昇度合いに依ることなく、遅延比較信号S12をハイレベルに維持(延いてはリセット出力信号VOUTをローレベルに維持)するとともに、最小リセット保持時間Thold_minの満了時において、CT端子電圧の期待値判定を行う。
ここで、CTピンの異常が検出されなかったときには、遅延部440aの出力動作が有効とされて、リセット保持時間Tholdの経過後に遅延比較信号S12がローレベルに立ち下げられる。一方、CTピンの異常が検出されたときには、遅延部440aの出力動作が無効とされて、遅延比較信号S12がハイレベル(=異常検出時の論理レベル)に固定される。このように、検査部440bを導入することにより、リセットIC400の信頼性向上(延いてはこれを搭載する電子機器1の信頼性向上)に寄与することができる。
特に、検査部440bは、デジタルカウンタ(不図示)を含み、クロック信号CLKに同期して最小リセット保持時間Thold_min(例えば10ms)をカウントする。このような構成とすることにより、最小リセット保持時間Thold_minを精度良く設定することが可能となる。
発振部440cは、所定周波数のクロック信号CLKを検査部440bに供給する。なお、リセットIC400の内部にデジタルカウンタ以外のデジタル回路が組み込まれている場合には、クロック信号CLK(若しくはその分周信号または逓倍信号)を他のデジタル回路にも適宜供給するとよい。
<リセット出力動作(通常時)>
図7は、第2実施形態におけるリセット出力動作(通常時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、電源電圧VDD、CT端子電圧、検査部440bの内部カウント値CNT、及び、リセット出力信号VOUTが描写されている。
時刻t111以前には、電源電圧VDDがリセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号VOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t111において、電源電圧VDDがリセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号VOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t112において、電源電圧VDDがリセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ただし、この時点では、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minがいずれも満了していないので、リセット出力信号VOUTは、ローレベルのままとなる。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t113において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CTピンの異常(=キャパシタCCTのオープン故障ないしはショート故障)が生じておらず、CT端子電圧の充電が正常に進んでいた場合には、OK判定が下されるので、遅延部440aの出力動作(=キャパシタCCTに応じたリセット保持時間Tholdの設定)が有効となる。ただし、この時点では、CT端子電圧が閾値電圧Vthを下回っているので、リセット出力信号VOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
その後、CT端子電圧の充電が進み、時刻t114において、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回ると、リセット出力信号VOUTがハイレベルに立ち上がる。
このように、本実施形態のリセットIC400であれば、デジタルカウンタで定めた最小リセット保持時間Thold_minを確保しつつ、キャパシタCCTを用いてリセット保持時間Tholdを自由に設定することが可能である。
<リセット出力動作(オープン故障時)>
図8は、第2実施形態におけるリセット出力動作(オープン故障時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、電源電圧VDD、CT端子電圧、検査部440bの内部カウント値CNT、及び、リセット出力信号VOUTが描写されている。なお、図中の破線は、通常時の挙動(図7)を示している。
時刻t121以前には、電源電圧VDDがリセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号VOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t121において、電源電圧VDDがリセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号VOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t122において、電源電圧VDDがリセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図7)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタCCTのオープン故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始直後に閾値電圧Vthを上回る。そのため、仮に検査部440bが設けられていなければ、時刻t122において、リセット出力信号VOUTがハイレベルに立ち上がってしまうので、所望のリセット保持時間Tholdを設定することができなくなる。
一方、検査部440bが設けられている場合には、最小リセット保持時間Thold_minが経過するまでの間、たとえCT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていたとしても、リセット出力信号VOUTがローレベルに維持される。従って、キャパシタCCTのオープン故障時であっても、最小リセット保持時間Thold_minが確保される。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t123において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていた場合には、NG判定(=キャパシタCCTのオープン故障が生じている疑いありとの判定)が下されるので、遅延部440aの出力動作が無効となる。その結果、リセット出力信号VOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
なお、一旦NG判定が下されると、時刻t124において、本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、リセット出力信号VOUTがハイレベルに立ち上げられることはなく、引き続きローレベルに維持される。従って、マイコン500のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
<リセット出力動作(ショート故障時)>
図9は、第2実施形態におけるリセット出力動作(ショート故障時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、電源電圧VDD、CT端子電圧、検査部440bの内部カウント値CNT、及び、リセット出力信号VOUTが描写されている。なお、図中の破線は、通常時の挙動(図7)を示している。
時刻t131以前には、電源電圧VDDがリセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号VOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t131において、電源電圧VDDがリセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号VOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t132において、電源電圧VDDがリセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図7)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタCCTのショート故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始後も上昇しないので、いつまで経っても閾値電圧Vthを上回ることがない。そのため、リセット出力信号VOUTは、時刻t133で最小リセット保持時間Thold_minが満了した後も、CT端子電圧の期待値判定結果に依ることなくローレベルに維持され、さらには、時刻t134で本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、引き続きローレベルに張り付いたままとなる。従って、マイコン500のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態におけるリセットIC400の要部(特に、第2実施形態における遅延回路440の具体的な回路構成)を示す図である。本実施形態のリセットIC400において、遅延回路440は、電流源441と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ442と、コンパレータ443と、フィルタ444と、論理積ゲート445と、論理和ゲート446と、検査部447と、発振部448と、を含む。
電流源441は、電源端とCTピンとの間に接続されており、CT端子電圧を充電するための充電電流ICTを生成する。
トランジスタ442のドレインは、CTピンに接続されている。トランジスタ442のソース及びバックゲートは、接地端に接続されている。トランジスタ442のゲートは、比較信号S11の印加端(=コンパレータ431の出力端)に接続されている。このように接続されたトランジスタ442は、比較信号S11に応じてCT端子電圧を放電するための放電スイッチとして機能する。すなわち、比較信号S11がハイレベルであるときには、トランジスタ442がオンするので、CT端子電圧が放電される。一方、比較信号S11がローレベルであるときには、トランジスタ442がオフするので、CT端子電圧の放電が停止される。
コンパレータ443は、非反転入力端(+)に入力されるCT端子電圧と、反転入力端(-)に入力される所定の閾値電圧Vthとを比較することにより、比較信号S13を生成する。比較信号S13は、CT端子電圧が閾値電圧Vthよりも高いときにハイレベルとなり、CT端子電圧が閾値電圧Vthよりも低いときにローレベルとなる。
フィルタ444は、比較信号S13のノイズ成分を除去して後段に出力する。フィルタ444としては、例えば、ローパスフィルタやバンドパスフィルタなどを好適に用いることができる。ただし、フィルタ444は必須の構成要素ではなく、ノイズの懸念がない場合には、フィルタ444を割愛して、比較信号S13を後段にスルーしてもよい。
論理積ゲート445は、コンパレータ443からフィルタ444を介して入力される比較信号S13と、検査部447から入力される検査結果信号S14との論理積信号S15を生成する。従って、検査結果信号S14がハイレベルであるときには、比較信号S13が論理積信号S15としてスルー出力される一方、検査結果信号S14がローレベルであるときには、比較信号S13の論理レベルに依ることなく、論理積信号S15がローレベルに固定される。
論理和ゲート446は、コンパレータ431から入力される比較信号S11と、論理積ゲート445から反転入力される論理積信号S15との論理和信号を生成し、これを遅延比較信号S12としてトランジスタ450のゲートに出力する。従って、論理積信号S15がハイレベルであるときには、比較信号S11が遅延比較信号S12としてスルー出力される一方、論理積信号S15がローレベルであるときには、比較信号S11の論理レベルに依ることなく、遅延比較信号S15がハイレベルに固定される。
なお、上記の電流源441、トランジスタ442、コンパレータ443、フィルタ444、論理積ゲート445、及び、論理和ゲート446は、先出の遅延部440a(図6)を形成する構成要素として理解することができる。
検査部447は、先出の検査部440b(図6)に相当する機能ブロックであり、所定の最小リセット保持時間Thold_minを確保しつつ、その満了時に比較信号S13の論理レベルを監視してCT端子電圧を検査することにより、CTピンの異常(=キャパシタCCTのオープン故障ないしはショート故障)を検出する。
より具体的に述べると、検査部447は、比較信号S11の立下りエッジが到来してから、最小リセット保持時間Thold_minが経過するまでの間、検査結果信号S14(=論理積信号S15)をローレベルに維持することにより、遅延比較信号S12をハイレベルに固定する。従って、比較信号S11が一旦ローレベルに立ち下がると、リセット出力信号VOUTは、少なくとも最小リセット保持時間Thold_minに亘って、ローレベル(=リセット時の論理レベル)に固定されることになる。
また、検査部447は、最小リセット保持時間Thold_minが満了した時点で、比較信号S13の論理レベル判定(=CT端子電圧の期待値判定に相当)を行うことにより、検査結果信号S14をハイレベルに切り替えるか否かを決定する。
なお、比較信号S13の論理レベル判定時において、比較信号S13がローレベルである場合には、検査結果信号S14がハイレベルに立ち上げられる。その結果、比較信号S13が論理積信号S15としてスルー出力される状態となる。
従って、キャパシタCCTのショート故障が生じていない場合には、リセット保持時間Tholdの経過後にCT端子電圧が閾値電圧Vthを上回り、比較信号S13(=論理積信号S15)がハイレベルに立ち上がるので、遅延比較信号S12がローレベルに立ち下がり、さらには、リセット出力信号VOUTがハイレベルに立ち上がる。このような動作は、図7のリセット出力動作(通常時)に相当する。
一方、比較信号S13の論理レベル判定時において、比較信号S13がハイレベルである場合には、キャパシタCCTのオープン故障を生じている疑いがあることから、検査結果信号S14(延いては論理積信号S15)がローレベルに維持される。その結果、遅延比較信号S12がハイレベルに維持されるので、リセット出力信号VOUTがローレベル(=リセット時の論理レベル)に固定されたままとなる。このような動作は、図8のリセット出力動作(オープン故障時)に相当する。
また、比較信号S13の論理レベル判定時において、比較信号S13がローレベルであったとしても、キャパシタCCTのショート故障が生じている場合には、いつまで経ってもCT端子電圧が閾値電圧Vthを下回らない。従って、比較信号S13(延いては論理積信号S15)がハイレベルに立ち上がらず、遅延比較信号S12がハイレベルのままとなるので、リセット出力信号VOUTがローレベルに維持される。このような動作は、図9のリセット出力動作(ショート故障時)に相当する。
発振部448は、先出の発振部440c(図6)に相当する機能ブロックであり、所定周波数のクロック信号CLKを検査部447に供給する。検査部447では、このクロック信号CLKに同期して、最小リセット保持時間Thold_min(例えば10ms)のカウント動作を行うとよい。
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態における電子機器1の全体構成を示す図である。本実施形態の電子機器1は、リセットIC600(=監視装置の一例)と、これに外付けされるディスクリート部品(抵抗REX1~REX3、キャパシタCVCC及びCEXT)を有する。
リセットIC600は、電源電圧VCCの供給を受けて動作し、監視電圧VMONが立ち上がっているか否かを監視してパワーグッド信号PGOOD(=リセット出力信号に相当)を出力する半導体集積回路装置であり、コンパレータ610及び620と、遅延回路630と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ640と、を有する。
また、リセットIC600は、IC外部との電気的な接続を確立する手段として、複数の外部端子(PGOODピン、GNDピン、VCCピン、INピン、DLYピン)を備えている。PGOODピンは、パワーグッド信号PGOODを出力するための出力端子である。GNDピンは、接地端に接続される接地端子である。VCCピンは、電源電圧VCC1の印加端に接続される電源端子である。VCCピンとGNDピンとの間には、キャパシタCVCCが接続されている。また、VCCピンとPGOODピンとの間には、抵抗REX1が接続されている。INピンは、監視電圧VMON(より正確にはその分圧電圧)の入力を受け付けるための入力端子である。具体的に述べると、監視電圧VMONの印加端と接地端との間には、抵抗REX2及びREX3が直列接続されており、INピンは、抵抗REX2及びREX3相互間の接続ノードに接続されている。DLYピンは、リセット保持時間設定端子(=遅延設定端子に相当)である。DLYピンと接地端との間には、キャパシタCEXTが接続されている。
なお、リセットIC600は、上記以外の構成要素や外部端子を有していてもよい。また、リセットIC600には、その各部に種々の寄生素子(寄生ダイオードなど)が付随しているが、図示の便宜上、それらの描写は割愛している。
コンパレータ610は、非反転入力端(+)に入力される電源電圧VCCと反転入力端(-)に入力される閾値電圧Vth1を比較してUVLO[under-voltage locked-out]検出信号S20を生成する。UVLO検出信号S20は、VCC<Vth1であるときにローレベル(=UVLO検出時の論理レベル)となり、VCC>Vth1であるときにハイレベル(=UVLO解除時の論理レベル)となる。なお、コンパレータ610には、ヒステリシス特性を付与しておくことが望ましい。
コンパレータ620は、非反転入力端(+)に入力される閾値電圧Vth2と反転入力端(-)に入力される入力電圧IN(=監視電圧VMONの分圧電圧)とを比較して比較信号S21を生成する。比較信号S21は、IN<Vth2であるときにハイレベルとなり、IN>Vth2であるときにローレベルとなる。なお、コンパレータ620には、ヒステリシス特性を付与しておくことが望ましい。
遅延回路630は、比較信号S21(入力信号に相当)を遅らせて遅延比較信号S22(=遅延入力信号に相当)を生成する。なお、遅延回路630は、DLYピン(=遅延設定端子)を用いて自由に遅延時間(=リセット保持時間)を設定する機能を備えている。また、遅延回路630は、S20=Lであるときにディセーブル状態となり、S20=Hであるときにイネーブル状態となる。
なお、遅延回路630としては、第2実施形態(図6)または第3実施形態(図10)の遅延回路440を適用するとよい。その場合、遅延回路630の構成及び動作については、先述の説明における「比較信号S11」、「遅延比較信号S12」、「CTピン」、及び、「キャパシタCCT」という文言を、それぞれ、「比較信号S21」、「遅延比較信号S22」、「DLYピン」、及び、「キャパシタCEXT」と読み替えれば足りるので、重複した説明を割愛する。
トランジスタ640は、遅延比較信号S22に応じてオン/オフされるスイッチ素子であり、パワーグッド信号PGOOD(=リセット出力信号)を出力するための出力部(=オープンドレイン出力段)を形成している。その接続関係について述べると、トランジスタ640のドレインは、PGOODピンに接続されている。トランジスタ640のソースは、接地端に接続されている。トランジスタ640のゲートは、遅延比較信号S22の印加端(=遅延回路630の出力端)に接続されている。
なお、遅延比較信号S22がハイレベルであるときには、トランジスタ640がオンするので、パワーグッド信号PGOODがローレベルとなる。一方、遅延比較信号S22がローレベルであるときには、トランジスタ640がオフするので、PGOODピンがハイインピーダンス状態(HiZ状態)となる。このとき、パワーグッド信号PGOODは、抵抗REX1を介してハイレベル(≒VCC)にプルアップされる。
本実施形態のリセットIC600であれば、抵抗REX2及びREX3の分圧比を変えることにより、様々な監視電圧VMONに対応することができる。また、リセットIC600は、監視電圧VMONとは別に、電源電圧VCCの供給を受けているので、監視電圧VMONが低い場合であっても、パワーグッド信号PGOODのローレベル(=リセット時の論理レベル)を保証することが可能である。
<リセットIC(パッケージ及び底面レイアウト)>
図12及び図13は、それぞれ、第4実施形態におけるリセットIC600のパッケージ外観(トップ面とボトム面)、及び、底面レイアウトを示す図である。各図で示すように、リセットIC600のパッケージとしては、例えば、HVSOF[small outline F-leaded]パッケージを採用するとよい。
より具体的に述べると、リセットIC600は、平面視矩形状の樹脂封止体601を持ち、そのボトム面から側面の外側に向けて突き出るように、計5本(ボトム面の第1辺に3本と、これに対向する第2辺に2本)の外部端子602が屈曲せずに設けられている。
図13を参照しながら、外部端子602の配置に着目すると、リセットIC600の第1辺(本図下辺)には、図面右から左に向けて、3本の外部端子(1ピン~3ピン)が順に並べられている。1ピンは、出力端子(PGOODピン)である。2ピンは、接地端子(GNDピン)である。3ピンは、電源端子(VCCピン)である。また、リセットIC600の第2辺(本図上辺)には、図面左から右に向けて、2本の外部端子(4ピン及び5ピン)が順に並べられている。4ピンは、入力端子(INピン)である。5ピンは、リセット保持時間設定端子(DLYピン)である。一方、リセットIC600の第3辺(本図左辺)及び第4辺(本図右辺)には、外部端子602が設けられていない。
また、樹脂封止体601のボトム面には、半導体チップ(不図示)を搭載するアイランド603の裏面(=チップ搭載面の裏側)が放熱パッドとして露出されている。このような構成であれば、リセットIC600の放熱性を高めることができる。
なお、ボトム面の第1辺に設けられた3本の外部端子602のうち、真ん中の1本(GNDピン)は、アイランド603と連結されていることから、アイランド603の突出部603aとして理解することができる。また、樹脂封止体601の第2辺に設けられた2本の外部端子602相互間にも、アイランド603の突出部603bが延出されている。ただし、突出部603bは、突出部603aと異なり、外部端子として機能するものではないので、その両隣に設けられた2本の外部端子602よりも短く形成されている。
また、アイランド603の四隅には、底面視扇形状の凹部603cが設けられており、それぞれに樹脂封止体601の材料が入り込んでいる。なお、凹部603cは、例えば、ケミカルエッチングまたは潰し加工により形成することができる。なお、アイランド603の断面形状は改めて図示しないが、凹部402xが形成された外部端子402(図3及び図4)と同じく、凹部603cが形成されている部分において、その上下両側から樹脂封止体601に挟持されている。このような構成とすることにより、樹脂封止体601との密着性を高めて、アイランド603の脱落を防止することが可能となる。
<第5実施形態>
図14は、第5実施形態における電子機器の全体構成を示す図である。第5実施形態の電子機器1は、監視IC100(=監視装置の一例)と、パワーマネジメントIC200と、マイコン300と、を有する。また、電子機器1は、上記の半導体装置100~300に外付けされるディスクリート部品として、抵抗R1~R10及びR12~R16と、キャパシタC1及びC2と、を有する。
監視IC100は、パワーマネジメントIC200から電源電圧VDD(=出力電圧VO1)の供給を受けて動作する半導体集積回路装置であり、パワーマネジメントIC200の各種出力電圧とマイコン300の出力周波数をそれぞれ監視してそれらの異常検出を行う。なお、監視IC100は、IC外部との電気的な接続を確立する手段として、複数の外部端子(VDDピン、GNDピン、CTピン、MISOピン、MOSIピン、SCLKピン、XSCSピン、WDINピン、DIN1~DIN4ピン、PG1~PG4ピン、XRSTINピン、及び、XRSTOUTピン)を備えている。
パワーマネジメントIC200は、バッテリ電圧VBATの供給を受けて動作する半導体集積回路装置であり、複数の出力電圧VO1~VO5を生成して電子機器1の各部に供給する。なお、多出力のパワーマネジメントIC200に代えて、単出力のDC/DCコンバータやLDO[low drop-out]レギュレータなどを複数用いることも可能である。
マイコン300は、パワーマネジメントIC200から電源電圧VDD(=出力電圧VO1)の供給を受けて動作する半導体集積回路装置であり、監視IC100やパワーマネジメントIC200を含む電子機器1全体の動作を統括的に制御する。
なお、マイコン300は、監視IC100から入力されるリセット出力信号XRSTOUTによってリセットされる。より具体的に述べると、マイコン300は、リセット出力信号XRSTOUTがローレベルであるときにリセット状態(=ディセーブル状態)となり、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルであるときにリセット解除状態(=イネーブル状態)となる。
また、マイコン300は、監視IC100から入力されるパワーグッド信号PGx(ただしx=1,2,3,4であり、以下も同様)の論理レベルに応じて、パワーマネジメントIC200の出力電圧VOxが正常であるか否かを判定する機能を備えている。より具体的に述べると、マイコン300は、パワーグッド信号PGxがハイレベルであるときに出力電圧VOxが正常であると判定し、パワーグッド信号PGxがローレベルであるときに出力電圧VOxが異常(例えば過電圧異常または低電圧異常)であると判定する。
また、マイコン300は、監視IC100のWDINピンに対して、ウォッチドッグ入力信号WDIN(=数十Hzのリセットパルス信号)を出力する機能を備えている。
また、監視IC100とマイコン300は、それぞれ、マイコン300をマスタとし、監視IC100をスレーブとして、SPI[serial peripheral interface]バスを介した双方向通信を行う機能を備えている。例えば、マイコン300は、SPI通信による監視IC100のレジスタ制御により、オシレータの発振周波数制御やウォッチドッグタイマのイネーブル制御を行う機能を備えている。また、マイコン300は、ウォッチドッグイネーブルレジスタについて、自らが書き込みを命じた設定値と監視IC100から読み出した格納値との一致判定を行う機能も備えている。
抵抗R1及びR2は、出力電圧VO1の出力端と接地端との間に直列接続されており、出力電圧VO1の分圧回路として機能する。なお、抵抗R1及びR2相互間の接続ノード(=分圧回路の出力端)は、監視IC100のXRSTINピンに接続されている。
抵抗R3及びR4は、出力電圧VO2の出力端と接地端との間に直列接続されており、出力電圧VO2の分圧回路として機能する。なお、抵抗R3及びR4相互間の接続ノード(=分圧回路の出力端)は、監視IC100のDIN1ピンに接続されている。
抵抗R5及びR6は、出力電圧VO3の出力端と接地端との間に直列接続されており、出力電圧VO3の分圧回路として機能する。なお、抵抗R5及びR6相互間の接続ノード(=分圧回路の出力端)は、監視IC100のDIN2ピンに接続されている。
抵抗R7及びR8は、出力電圧VO4の出力端と接地端との間に直列接続されており、出力電圧VO4の分圧回路として機能する。なお、抵抗R7及びR8相互間の接続ノード(=分圧回路の出力端)は、監視IC100のDIN3ピンに接続されている。
抵抗R9及びR10は、出力電圧VO5の出力端と接地端の間に直列接続されており、出力電圧VO5の分圧回路として機能する。なお、抵抗R9及びR10相互間の接続ノード(=分圧回路の出力端)は、監視IC100のDIN4ピンに接続されている。
抵抗R12は、監視IC100のXRSTOUTピンと電源端の間に接続されており、監視IC100からマイコン300へのリセット出力信号XRSTOUTを電源電圧VDDに吊り上げるためのプルアップ抵抗として機能する。
抵抗R13は、監視IC100のPG1ピンと電源端との間に接続されており、監視IC100からマイコン300へのパワーグッド信号PG1を電源電圧VDDに吊り上げるためのプルアップ抵抗として機能する。
抵抗R14は、監視IC100のPG2ピンと電源端との間に接続されており、監視IC100からマイコン300へのパワーグッド信号PG2を電源電圧VDDに吊り上げるためのプルアップ抵抗として機能する。
抵抗R15は、監視IC100のPG3ピンと電源端との間に接続されており、監視IC100からマイコン300へのパワーグッド信号PG3を電源電圧VDDに吊り上げるためのプルアップ抵抗として機能する。
抵抗R16は、監視IC100のPG4ピンと電源端との間に接続されており、監視IC100からマイコン300へのパワーグッド信号PG4を電源電圧VDDに吊り上げるためのプルアップ抵抗として機能する。
キャパシタC1は、監視IC100のVDDピンと接地端との間に接続されており、出力電圧VO1(=電源電圧VDD)の平滑手段として機能する。
キャパシタC2は、監視IC100のCTピンと接地端との間に接続されており、リセット保持時間設定素子として機能する。
<監視IC(パッケージ)>
図15は、監視IC100のパッケージ外観(トップ面とボトム面)を示す図である。本図で示すように、監視IC100のパッケージとしては、例えばVQFN[very thin quad flat Non-leaded]パッケージを採用するとよい。
より具体的に述べると、監視IC100は、平面視矩形状の樹脂封止体101を持ち、そのボトム面には、樹脂封止体101から側面方向に突出することなく、各辺5本ずつ計20本の外部端子102が露出されている。このようなノンリードのVQFNパッケージであれば、リードを持つパッケージ(QFP[quad flat package]など)と比べて、その実装面積を縮小することが可能となる。
なお、樹脂封止体101には、そのボトム面がトップ面よりも若干小さくなるように、側面からボトム面に向けたテーパが付けられている。また、外部端子102は、樹脂封止体101のボトム面から側面にかけて露出されている。このような構成であれば、プリント配線基板(不図示)への実装作業を容易かつ確実に実施することができる。
また、樹脂封止体101のボトム面には、監視IC100の半導体チップ(不図示)を搭載するアイランドの裏面(=チップ搭載面の裏側)が放熱パッド103として露出されている。このような構成であれば、監視IC100の放熱性を高めることが可能となる。
なお、放熱パッド103の四隅のうち、少なくとも一つには、切欠部103aを設けておくとよい。このような構成とすることにより、樹脂封止体101との密着性を高めて、放熱パッド103(=アイランド)の脱落を防止することが可能となる。
<監視IC(ピン配置)>
図16は、監視IC100のピン配置(20ピンVQFN採用時)を示す図である。監視IC100の第1辺(本図下辺)には、本図の左から右に向けて、5本の外部端子(1ピン~5ピン)が順に並べられている。1ピンは、電源端子(VDDピン)である。2ピンは、不使用端子(NC[non-connection]ピン)である。3ピンは、接地端子(GNDピン)である。4ピンは、不使用端子(NCピン)である。5ピンは、リセット保持時間設定端子(CTピン)である。
監視IC100の第2辺(本図右辺)には、本図の下から上に向けて、5本の外部端子(6ピン~10ピン)が順に並べられている。6ピンは、SPIデータ出力端子(MIMOピン)である。7ピンは、SPIデータ入力端子(MOSIピン)である。8ピンは、SPIクロック端子(SCLKピン)である。9ピンは、SPIチップセレクト端子(XSCSピン)である。10ピンは、ウォッチドッグ入力端子(WDINピン)である。
監視IC100の第3辺(本図上辺)には、本図の右から左に向けて、5本の外部端子(11ピン~15ピン)が順に並べられている。11ピンは、第1監視入力端子(DIN1ピン)である。12ピンは、第1パワーグッド出力端子(PG1ピン)である。13ピンは、第2監視入力端子(DIN2ピン)である。14ピンは、第2パワーグッド出力端子(PG2ピン)である。15ピンは、第3監視入力端子(DIN3ピン)である。
監視IC100の第4辺(本図左辺)には、本図の上から下に向けて、5本の外部端子(16ピン~20ピン)が順に並べられている。16ピンは、第3パワーグッド出力端子(PG3ピン)である。17ピンは、第4監視入力端子(DIN4ピン)である。18ピンは、第4パワーグッド出力端子(PG4ピン)である。19ピンは、リセット用監視入力ピン(XRSTINピン)である。20ピンは、リセット出力端子(XRSTOUTピン)である。
<監視IC(内部構成)>
図17は、監視IC100の内部構成(基本構成)を示す図である。本構成例の監視IC100は、基準電圧生成部111と、サブ基準電圧生成部112と、基準電圧検出部120と、UVLO[under voltage locked-out]部130と、閾値電圧生成部140~149と、コンパレータ150~159と、オシレータ161及び162と、デジタル処理部170と、Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタ180~184と、SPIインタフェイス190と、を集積化して成る。
基準電圧生成部111は、VDDピンに入力される電源電圧VDDから所定の基準電圧VREFを生成する。
サブ基準電圧生成部112は、電源電圧VDDから所定のサブ基準電圧VREF2を生成する。
基準電圧検出部120は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、基準電圧VREF及びサブ基準電圧VREF2が正常に立ち上がっているか否かを検出して基準電圧検出信号VREF_DETを生成する。なお、基準電圧検出信号VREF_DETは、基準電圧VREFとサブ基準電圧VREF2の双方が正常に立ち上がっているときにローレベルとなり、少なくとも一方が正常に立ち上がっていないときにハイレベルとなる。また、基準電圧検出部120には、BIST[built-in self test]イネーブル信号BIST_ENが入力されている。すなわち、基準電圧検出部120は、監視IC100の起動時に自己診断対象となる監視部(ないしはこれに含まれている複数の監視機構の一つ)に相当する。
UVLO部130は、電源電圧VDDの低電圧異常を検出して低電圧異常信号UVLOを出力する。低電圧異常信号UVLOは、電源電圧VDDが低電圧異常解除値UVLO_OFFよりも高くなったときにハイレベルとなり、電源電圧VDDが低電圧異常検出値UVLO_ONよりも低くなったときにローレベルとなる。
閾値電圧生成部140及び141は、それぞれ、基準電圧VREFを分圧して上側閾値電圧Vth0H(例えば0.88V)及び下側閾値電圧Vth0L(例えば0.72V)を生成する。
閾値電圧生成部142及び143は、それぞれ、基準電圧VREFを分圧して上側閾値電圧Vth1H(例えば0.88V)及び下側閾値電圧Vth1L(例えば0.72V)を生成する。
閾値電圧生成部144及び145は、それぞれ、基準電圧VREFを分圧して上側閾値電圧Vth2H(例えば0.88V)及び下側閾値電圧Vth2L(例えば0.72V)を生成する。
閾値電圧生成部146及び147は、それぞれ、基準電圧VREFを分圧して上側閾値電圧Vth3H(例えば0.88V)及び下側閾値電圧Vth3L(例えば0.72V)を生成する。
閾値電圧生成部148及び149は、それぞれ、基準電圧VREFを分圧して上側閾値電圧Vth4H(例えば0.88V)及び下側閾値電圧Vth4L(例えば0.72V)を生成する。
コンパレータ150は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、XRSTINピンから非反転入力端(+)に入力されている入力電圧V0と、閾値電圧生成部140から反転入力端(-)に入力されている上側閾値電圧Vth0Hとを比較することにより、比較信号RSTOVDを生成する。比較信号RSTOVDは、V0>Vth0Hであるときにハイレベルとなり、V0<Vth0Hであるときにローレベルとなる。
コンパレータ151は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、XRSTINピンから反転入力端(-)に入力されている入力電圧V0と、閾値電圧生成部141から非反転入力端(-)に入力されている下側閾値電圧Vth0Lとを比較することにより、比較信号RSTUVDを生成する。比較信号RSTUVDは、V0>Vth0Lであるときにローレベルとなり、V0<Vth0Lであるときにハイレベルとなる。
コンパレータ152は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN1ピンから非反転入力端(+)に入力されている入力電圧V1と、閾値電圧生成部142から反転入力端(-)に入力されている上側閾値電圧Vth1Hとを比較することにより、比較信号DIN1OVDを生成する。比較信号DIN1OVDは、V1>Vth1Hであるときにハイレベルとなり、V1<Vth1Hであるときにローレベルとなる。
コンパレータ153は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN1ピンから反転入力端(-)に入力されている入力電圧V1と、閾値電圧生成部143から非反転入力端(-)に入力される下側閾値電圧Vth1Lとを比較することにより、比較信号DIN1UVDを生成する。比較信号DIN1UVDは、V1>Vth1Lであるときにローレベルとなり、V1<Vth1Lであるときにハイレベルとなる。
コンパレータ154は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN2ピンから非反転入力端(+)に入力されている入力電圧V2と、閾値電圧生成部144から反転入力端(-)に入力されている上側閾値電圧Vth2Hとを比較することにより、比較信号DIN2OVDを生成する。比較信号DIN2OVDは、V2>Vth2Hであるときにハイレベルとなり、V2<Vth2Hであるときにローレベルとなる。
コンパレータ155は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN2ピンから反転入力端(-)に入力されている入力電圧V2と、閾値電圧生成部145から非反転入力端(-)に入力される下側閾値電圧Vth2Lとを比較することにより、比較信号DIN2UVDを生成する。比較信号DIN2UVDは、V2>Vth2Lであるときにローレベルとなり、V2<Vth2Lであるときにハイレベルとなる。
コンパレータ156は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN3ピンから非反転入力端(+)に入力されている入力電圧V3と、閾値電圧生成部146から反転入力端(-)に入力されている上側閾値電圧Vth3Hとを比較することにより、比較信号DIN3OVDを生成する。比較信号DIN3OVDは、V3>Vth3Hであるときにハイレベルとなり、V3<Vth3Hであるときにローレベルとなる。
コンパレータ157は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN3ピンから反転入力端(-)に入力されている入力電圧V3と、閾値電圧生成部147から非反転入力端(-)に入力される下側閾値電圧Vth3Lとを比較することにより、比較信号DIN3UVDを生成する。比較信号DIN3UVDは、V3>Vth3Lであるときにローレベルとなり、V3<Vth3Lであるときにハイレベルとなる。
コンパレータ158は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN4ピンから非反転入力端(+)に入力されている入力電圧V4と、閾値電圧生成部148から反転入力端(-)に入力されている上側閾値電圧Vth4Hとを比較することにより、比較信号DIN4OVDを生成する。比較信号DIN4OVDは、V4>Vth4Hであるときにハイレベルとなり、V4<Vth4Hであるときにローレベルとなる。
コンパレータ159は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、DIN4ピンから反転入力端(-)に入力されている入力電圧V4と、閾値電圧生成部149から非反転入力端(-)に入力される下側閾値電圧Vth4Lとを比較することにより、比較信号DIN4UVDを生成する。比較信号DIN4UVDは、V4>Vth4Lであるときにローレベルとなり、V4<Vth4Lであるときにハイレベルとなる。
なお、上記のコンパレータ151~159には、それぞれ、BISTイネーブル信号BIST_ENが入力されている。すなわち、コンパレータ151~159は、それぞれ、監視IC100の起動時に自己診断対象となる監視部(ないしはこれに含まれている複数の監視機構の一つ)に相当する。
オシレータ161は、電源電圧VDDと基準電圧VREFの供給を受けて動作し、デジタル処理部170で用いられる発振周波数f1(例えばf1=2.2MHz)のクロック信号CLK1を生成する。
オシレータ162は、電源電圧VDDと基準電圧VREFの供給を受けて動作し、デジタル処理部170(特にウォッチドッグタイマ173)で用いられる発振周波数f2(例えばf2=500kHz)のクロック信号CLK2を生成する。なお、クロック信号CLK2の発振周波数f2は、SPI通信により任意に調整することが可能である。
また、上記のオシレータ161及び162は、それぞれ、低電圧異常信号UVLOによりリセットされる。より具体的に述べると、オシレータ161及び162は、それぞれ、低電圧異常信号UVLOがローレベルであるときにリセット状態(=ディセーブル状態)となり、低電圧異常信号UVLOがハイレベルであるときにリセット解除状態(=イネーブル状態)となる。
デジタル処理部170は、電源電圧VDDの供給を受けて動作し、各種入力信号の監視処理や各種出力信号の生成処理を行う。また、デジタル処理部170は、低電圧異常信号UVLOによりリセットされる。より具体的に述べると、デジタル処理部170は、低電圧異常信号UVLOがローレベルであるときにリセット状態(=ディセーブル状態)となり、低電圧異常信号UVLOがハイレベルであるときにリセット解除状態(=イネーブル状態)となる。なお、デジタル処理部170の内部構成及び動作については後述する。
トランジスタ180は、XRSTOUTピン(=リセット出力信号XRSTOUTの出力端子)と接地端との間に接続されており、デジタル処理部170から入力されるゲート信号G0に応じてオン/オフされる。リセット出力信号XRSTOUTは、トランジスタ181がオンしているときにローレベル(=リセット時の論理レベル)となり、トランジスタ181がオフしているときにハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となる。
トランジスタ181は、PG1ピン(=パワーグッド信号PG1の出力端子)と接地端との間に接続されており、デジタル処理部170から入力されるゲート信号G1に応じてオン/オフされる。パワーグッド信号PG1は、トランジスタ181がオンしているときにはローレベル(=異常時の論理レベル)となり、トランジスタ181がオフしているときにはハイレベル(=正常時の論理レベル)となる。
トランジスタ182は、PG2ピン(=パワーグッド信号PG2の出力端子)と接地端との間に接続されており、デジタル処理部170から入力されるゲート信号G2に応じてオン/オフされる。パワーグッド信号PG2は、トランジスタ182がオンしているときにはローレベル(=異常時の論理レベル)となり、トランジスタ182がオフしているときにはハイレベル(=正常時の論理レベル)となる。
トランジスタ183は、PG3ピン(=パワーグッド信号PG3の出力端子)と接地端との間に接続されており、デジタル処理部170から入力されるゲート信号G3に応じてオン/オフされる。パワーグッド信号PG3は、トランジスタ183がオンしているときにはローレベル(=異常時の論理レベル)となり、トランジスタ183がオフしているときにはハイレベル(=正常時の論理レベル)となる。
トランジスタ184は、PG4ピン(=パワーグッド信号PG4の出力端子)と接地端との間に接続されており、デジタル処理部170から入力されるゲート信号G4に応じてオン/オフされる。パワーグッド信号PG4は、トランジスタ184がオンしているときにはローレベル(=異常時の論理レベル)となり、トランジスタ184がオフしているときにはハイレベル(=正常時の論理レベル)となる。
SPIインタフェイス190は、XSCSピン、SCLKピン、MOSIピン、及びMISOピンに接続されており、監視IC100(特にデジタル処理部170)とマイコン300との間で、SPIバスを介した双方向通信を行う。
<デジタル処理部>
引き続き、図17を参照しながらデジタル処理部170の内部構成について説明する。本構成例のデジタル処理部170は、自己診断部171と、クロック検出部172と、ウォッチドッグタイマ173と、フィルタFLT0~FLT4と、カウンタCNT0~CNT4と、論理和ゲートOR0~OR4及びOR10~OR14と、を含む。
自己診断部171は、監視IC100の起動時において、基準電圧検出信号VREF_DETと比較信号(RSTOVD、RSTUVD、DINxOVD、DINxUVD)をそれぞれチェックすることにより、基準電圧検出部120とコンパレータ150~159がそれぞれ正常に機能しているか否かの自己診断動作(以下ではBISTと略称する)を行い、BISTエラー信号BIST_ERRORを生成する。なお、BISTエラー信号BIST_ERRORは、基準電圧検出部120とコンパレータ150~159のいずれかで異常が検出されたときにハイレベルとなる。
また、自己診断部171は、BISTイネーブル信号BIST_ENを生成して、基準電圧検出部120とコンパレータ150~159にそれぞれ送出する。なお、BISTイネーブル信号BIST_ENは、BISTの実行中にハイレベルとなる。
クロック検出部172は、クロック信号CLK1及びCLK2の周波数異常を検出してクロック検出信号CLK_DETを生成する。クロック検出信号CLK_DETは、クロック信号CLK1またはCLK2の周波数異常が検出されたときにハイレベルとなる。
ウォッチドッグタイマ173は、マイコン300の周波数異常(SLOW異常及びFAST異常)を検出してウォッチドッグ検出信号WDT_DETを生成する。ウォッチドッグ検出信号WDT_DETは、マイコン30の周波数異常が検出されたときにハイレベルとなる。なお、WDINピンは、監視IC100の内部でプルダウンされている。
論理和ゲートOR0は、比較信号RSTOVD及びRSTUVDの論理和演算を行う。従って、論理和ゲートOR0の出力信号は、比較信号RSTOVD及びRSTUVDの少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、比較信号RSTOVD及びRSTUVDがいずれもローレベルであるときにローレベルとなる。
論理和ゲートOR1は、比較信号DIN1OVD及びDIN1UVDの論理和演算を行う。従って、論理和ゲートOR1の出力信号は、比較信号DIN1OVD及びDIN1UVDの少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、比較信号DIN1OVD及びDIN1UVDがいずれもローレベルであるときにローレベルとなる。
論理和ゲートOR2は、比較信号DIN2OVD及びDIN2UVDの論理和演算を行う。従って、論理和ゲートOR2の出力信号は、比較信号DIN2OVD及びDIN2UVDの少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、比較信号DIN2OVD及びDIN2UVDがいずれもローレベルであるときにローレベルとなる。
論理和ゲートOR3は、比較信号DIN3OVD及びDIN3UVDの論理和演算を行う。従って、論理和ゲートOR3の出力信号は、比較信号DIN3OVD及びDIN3UVDの少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、比較信号DIN3OVD及びDIN3UVDがいずれもローレベルであるときにローレベルとなる。
論理和ゲートOR4は、比較信号DIN4OVD及びDIN4UVDの論理和演算を行う。従って、論理和ゲートOR4の出力信号は、比較信号DIN4OVD及びDIN4UVDの少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、比較信号DIN4OVD及びDIN4UVDがいずれもローレベルであるときにローレベルとなる。
フィルタFLT0~FLT4は、それぞれ、論理和ゲートOR0~OR4の出力信号に所定のフィルタリング処理を施して後段に出力する。ただし、フィルタFLT0~FLT4は必須の構成要素ではなく、ノイズなどの懸念がない場合には、フィルタFLT0~FLT4を割愛して、論理和ゲートOR0~OR4の出力信号を後段にスルーしてもよい。
カウンタCNT0~CNT4は、それぞれ、フィルタFLT0~FLT4の出力信号に所定のカウンタ処理を施して後段に出力する。なお、カウンタCNT0の出力信号は、リセット入力検出信号RSTIN_DETとして論理和ゲートOR10に出力されている。ただし、カウンタCNT0~CNT4は必須の構成要素ではなく、ノイズなどの懸念がない場合には、カウンタCNT0~CNT4を割愛して、論理和ゲートOR0~OR4の出力信号(またはフィルタFLT0~FLT4の出力信号)を後段にスルーしてもよい。
論理和ゲートOR10は、基準電圧検出信号VREF_DET、リセット入力検出信号RSTIN_DET、BISTエラー信号BIST_ERROR、ウォッチドッグ検出信号WDT_DET、及び、クロック検出信号CLK_DETの論理和演算を行うことにより、リセット出力検出信号RSTOUT_DETを生成する。従って、リセット出力検出信号RSTOUT_DETは、複数の入力信号のうち、いずれか一つでもハイレベルであるときにハイレベルとなり、それら全てがローレベルであるときにローレベルとなる。なお、リセット出力検出信号RSTOUT_DETは、先述のゲート信号G0として、トランジスタ180のゲートに出力されている。
論理和ゲートOR11~OR14は、それぞれ、カウンタCNT1~CNT4の出力信号と基準電圧検出信号VREF_DETとの論理和演算を行うことにより、パワーグッド検出信号PG1_DET~PG4_DETを生成する。従って、基準電圧検出信号VREF_DETがローレベルであるときには、カウンタCNT1~CNT4の出力信号がパワーグッド検出信号PG1_DET~PG4_DETとしてそのままスルー出力される。一方、基準電圧検出信号VREF_DETがハイレベルであるときには、カウンタCNT1~CNT4の出力信号に依ることなく、パワーグッド検出信号PG1_DET~PG4_DETがいずれもハイレベルに固定される。なお、パワーグッド検出信号PG1_DET~PG4_DETは、先述のゲート信号G1~G4として、トランジスタ181~184それぞれのゲートに出力されている。
<第6実施形態>
図18は、第6実施形態における監視IC100の要部を示す図である。本図で示すように、本実施形態では、先出の論理和ゲートOR10とトランジスタ180との間に、第3実施形態(図10)の遅延回路440が組み込まれている。この場合、遅延回路440の動作については、先述の説明における「比較信号S11」、「遅延比較信号S12」、及び、「キャパシタCCT」という文言を、それぞれ、「リセット出力検出信号RSTOUT_DET」、「ゲート信号G0」、及び、「キャパシタC2」と読み替えるとよい。
<リセット出力動作(通常時)>
図19は、第6実施形態におけるリセット出力動作(通常時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、XRSTIN端子電圧(=XRSTINピンに印加される入力電圧V0に相当)、CT端子電圧、検査部445の内部カウント値CNT、及び、リセット出力信号XRSTOUTが描写されている。
まず、時刻t141~t144に着目しながら、XRSTIN端子電圧の下限検出動作を説明する。
時刻t141以前には、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t141において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t142において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Tholdと最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ただし、この時点では、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minがいずれも満了していないので、リセット出力信号XRSTOUTは、ローレベルのままとなる。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t143において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CTピンの異常(=キャパシタC2のオープン故障ないしはショート故障)が生じておらず、CT端子電圧の充電が正常に進んでいた場合には、OK判定が下されるので、キャパシタC2に応じたリセット保持時間Tholdの設定が有効となる。ただし、この時点では、CT端子電圧が閾値電圧Vthを下回っているので、リセット出力信号XRSTOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
その後、CT端子電圧の充電が進み、時刻t144において、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回ると、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上がる。
次に、時刻t145~t148に着目しながら、XRSTIN端子電圧の上限検出動作を説明する。
時刻t145以前には、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値(OVD_detect)を下回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t145において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値を上回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t146において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット解除閾値(OVD_release)を下回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Tholdと最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ただし、この時点では、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minがいずれも満了していないので、リセット出力信号XRSTOUTは、ローレベルのままとなる。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t147において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CTピンの異常(=キャパシタC2のオープン故障ないしはショート故障)が生じておらず、CT端子電圧の充電が正常に進んでいた場合には、OK判定が下されるので、キャパシタC2に応じたリセット保持時間Tholdの設定が有効となる。ただし、この時点では、CT端子電圧が閾値電圧Vthを下回っているので、リセット出力信号XRSTOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
その後、CT端子電圧の充電が進み、時刻t148において、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回ると、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上がる。
このように、本実施形態の監視IC100であれば、デジタルカウンタで定めた最小リセット保持時間Thold_minを確保しつつ、キャパシタC2を用いてリセット保持時間Tholdを自由に設定することが可能である。
<リセット出力動作(オープン故障時)>
図20は、第6実施形態におけるリセット出力動作(オープン故障時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、XRSTIN端子電圧、CT端子電圧、検査部445の内部カウント値CNT、並びに、リセット出力信号XRSTOUTが描写されている。なお、図中の破線は、通常時の挙動(図19)を示している。
まず、時刻t151~t154に着目しながら、XRSTIN端子電圧の下限検出動作を説明する。
時刻t151以前には、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t151において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t152において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図19)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタC2のオープン故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始直後に閾値電圧Vthを上回る。そのため、仮に、検査部445が設けられていなければ、時刻t152において、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上がってしまうので、所望のリセット保持時間Tholdを設定することができなくなる。
一方、検査部445が設けられている場合は、最小リセット保持時間Thold_minが経過するまでの間、たとえCT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていたとしても、リセット出力信号XRSTOUTがローレベルに維持される。従って、キャパシタC2のオープン故障時であっても、最小リセット保持時間Thold_minが確保される。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t153において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていた場合には、NG判定(=キャパシタC2のオープン故障が生じている疑いありとの判定)が下されるので、キャパシタC2に応じたリセット保持時間Tholdの設定が無効となる。その結果、リセット出力信号XRSTOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
なお、一旦NG判定が下されると、時刻t154において、本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上げられることはなく、引き続きローレベルに維持される。従って、マイコン300のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
次に、時刻t155~t158に着目しながら、XRSTIN端子電圧の上限検出動作を説明する。
時刻t155以前には、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値(OVD_detect)を下回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t155において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値を上回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t156において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット解除閾値(OVD_release)を下回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図19)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタC2のオープン故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始直後に閾値電圧Vthを上回る。そのため、仮に、検査部445が設けられていなければ、時刻t156において、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上がってしまうので、所望のリセット保持時間Tholdを設定することができなくなる。
一方、検査部445が設けられている場合は、最小リセット保持時間Thold_minが経過するまでの間、たとえCT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていたとしても、リセット出力信号XRSTOUTがローレベルに維持される。従って、キャパシタC2のオープン故障時であっても、最小リセット保持時間Thold_minが確保される。
内部カウント値CNTのインクリメントが進み、時刻t157において、最小リセット保持時間Thold_minが満了すると、CT端子電圧の期待値判定が行われる。ここで、CT端子電圧が閾値電圧Vthを上回っていた場合には、NG判定(=キャパシタC2のオープン故障が生じている疑いありとの判定)が下されるので、キャパシタC2に応じたリセット保持時間Tholdの設定が無効となる。その結果、リセット出力信号XRSTOUTは、引き続きローレベルのままとなる。
なお、一旦NG判定が下されると、時刻t158において、本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、リセット出力信号XRSTOUTがハイレベルに立ち上げられることはなく、引き続きローレベルに維持される。従って、マイコン300のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
<リセット出力動作(ショート故障時)>
図21は、第6実施形態におけるリセット出力動作(ショート故障時)を示すタイミングチャートであり、上から順に、XRSTIN端子電圧、CT端子電圧、検査部445の内部カウント値CNT、並びに、リセット出力信号XRSTOUTが描写されている。なお、図中の破線は、通常時の挙動(図19)を示している。
まず、時刻t161~t164に着目しながら、XRSTIN端子電圧の下限検出動作を説明する。
時刻t161以前には、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値(UVD_detect)を上回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t161において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット検出閾値を下回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t162において、XRSTIN端子電圧が下限側リセット解除閾値(UVD_release)を上回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図19)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタC2のショート故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始後も上昇しないので、いつまで経っても閾値電圧Vthを上回ることがない。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、時刻t163で最小リセット保持時間Thold_minが満了した後も、CT端子電圧の期待値判定結果に依ることなくローレベルに維持され、さらには、時刻t164で本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、引き続きローレベルに張り付いたままとなる。その結果、マイコン300のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
次に、時刻t165~t168に着目しながら、XRSTIN端子電圧の上限検出動作を説明する。
時刻t165以前には、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値(OVD_detect)を下回っている。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、ハイレベル(=リセット解除時の論理レベル)となっている。
時刻t165において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット検出閾値を上回ると、リセット出力信号XRSTOUTが遅滞なくローレベル(=リセット時の論理レベル)に立ち下がる。
その後、時刻t166において、XRSTIN端子電圧が上限側リセット解除閾値(OVD_release)を下回ると、CT端子電圧の充電と内部カウント値CNTのインクリメント、すなわち、リセット保持時間Thold及び最小リセット保持時間Thold_minそれぞれの計時動作が開始される。ここまでのリセット出力動作は、通常時の挙動(図19)と何ら変わらない。
ただし、キャパシタC2のショート故障が生じている場合には、CT端子電圧が充電開始後も上昇しないので、いつまで経っても閾値電圧Vthを上回ることがない。従って、リセット出力信号XRSTOUTは、時刻t167で最小リセット保持時間Thold_minが満了した後も、CT端子電圧の期待値判定結果に依ることなくローレベルに維持され、さらには、時刻t168で本来のリセット保持時間Tholdが満了した後も、引き続きローレベルに張り付いたままとなる。その結果、マイコン300のリセット状態が解除されないので、ユーザは、何らかの異常が生じたことを把握することができる。
<車両への適用>
図22は、車両Xの一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器(車載機器)X11~X18を搭載している。なお、本図における電子機器X11~X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行う制動ユニットである。
電子機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
なお、先に説明した監視IC100、若しくは、リセットIC400または600は、電子機器X11~X18のいずれにも組み込むことが可能である。
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、車載機器に搭載される監視ICやリセットICを例に挙げたが、その適用対象はこれに限定されるものではなく、電子機器全般に広く適用することが可能である。
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。