以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明はそれらの例示に限定されない。
本実施形態によるクランク軸の製造方法は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、を備える。工程(a)では、型鍛造によって、バリ付きの仕上げ鍛造品を成形する。この仕上げ鍛造品は、ジャーナルと、ピンと、アームと、カウンターウエイトと、余肉部と、を有する。ピンは、ジャーナルに対して偏心する。アームは、ジャーナルとピンとを連結する。カウンターウエイトは、アームに連結される。余肉部は、カウンターウエイトの表面から仕上げ鍛造品の回転軸方向に突出する。カウンターウエイトの表面を上記の回転軸方向に沿って見たとき、余肉部は、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端との間に、カウンターウエイトの幅方向の全域にわたって設けられる。工程(b)では、上記の仕上げ鍛造品からバリを除去する。工程(c)では、バリが除去された仕上げ鍛造品を整形する。工程(c)では、一対の金型を用いて、カウンターウエイトの端側面を開放した状態で、カウンターウエイトの幅方向に沿ってカウンターウエイトの内側面及び外側面を押圧しつつジャーナルを押圧する。これにより、仕上げ鍛造品の曲がりを矯正する。さらに、余肉部が設けられた上記の表面に対向する主面を含む治具を用いて、仕上げ鍛造品の回転軸方向に沿って余肉部を圧下する。これにより、余肉部の材料をカウンターウエイトに流入させる(第1の構成)。
第1の構成では、工程(a)及び工程(b)を経ることによって得られたバリなしの仕上げ鍛造品において、型鍛造時の抜け勾配に起因して、カウンターウエイトの幅方向の端部の厚みは、カウンターウエイトの幅方向の中央部の厚みよりも小さい。特に、カウンターウエイトにおいて、余肉部が設けられた領域の厚みは著しく厚い。余肉部の厚みが加わるためである。
この仕上げ鍛造品を工程(c)で整形する。このとき、カウンターウエイトの表面から突出する余肉部に治具の主面が押し付けられる。これにより、その余肉部が圧下されて、余肉部の材料がカウンターウエイトに流入する。流入した材料は、カウンターウエイトの幅方向の中央部からカウンターウエイトの幅方向の外側に向かって流動する。また、流入した材料は、カウンターウエイトの長手方向の内側及び外側に向かって流動する。このため、カウンターウエイトの端部が回転軸方向に膨らみ、その厚みが増量する。特に、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端との間の領域が、カウンターウエイトの幅方向の全域にわたって厚肉化される。別の観点では、カウンターウエイトの厚みが均一化される。しかも、カウンターウエイトの幅が拡大する。
この場合、カウンターウエイトの重心がクランク軸の回転軸から遠ざかり、回転軸回りにおけるカウンターウエイトのモーメントが大きくなる。すなわち、第1の構成の製造方法で製造されたクランク軸では、一般的な型鍛造で製造されたクランク軸と比較して、モーメントが同程度であればカウンターウエイトの重量が小さい。したがって、第1の構成によれば、カウンターウエイトのモーメントを確保しつつ、カウンターウエイトを軽量化することができる。
カウンターウエイトの表面を回転軸方向に沿って見たとき、余肉部が設けられる領域は、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端との間の領域であって、カウンターウエイトの幅方向の全域にわたる領域である限り、特に限定されない。例えば、余肉部が設けられる領域は、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端との間の全範囲である。ただし、余肉部が設けられる領域は、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端との間の一部の範囲であってもよい。この場合、余肉部は帯状に現れる。
治具は、さらに、主面と反対向きの裏面と、幅方向における主面の両側縁に接続される側面と、を含んでいてもよい。側面の各々は、主面から裏面に向かい幅方向の内側に傾斜する。工程(c)では、側面の各々に対して楔部材を摺動させることにより、治具をカウンターウエイト側に移動させることができる。
この場合、楔部材を治具側に差し込んで治具の両側面に摺動させるだけで、治具をカウンターウエイト側に移動させることができる。このため、工程(c)におけるカウンターウエイトの加工を容易に行うことができる。
第1の構成の製造方法において、好ましくは、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端と、の中点の位置で、余肉部が上記の回転軸方向に最も大きく突出する(第2の構成)。
第2の構成によれば、カウンターウエイトの重心の位置とカウンターウエイトの長手方向の外側端と、の中点の位置付近が厚肉化される。この場合、カウンターウエイトの重心がクランク軸の回転軸からより一層遠ざかり、回転軸回りにおけるカウンターウエイトのモーメントがより一層大きくなる。
以下に、図面を参照しながら、本実施形態によるクランク軸の製造方法の具体例を説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
[クランク軸の製造方法]
本実施形態によるクランク軸の製造方法は、典型的には、熱間鍛造によるクランク軸の製造方法である。本実施形態によるクランク軸の製造方法は、バリ付きのクランク軸の仕上げ鍛造品を成形する工程(a)と、当該仕上げ鍛造品からバリを除去する工程(b)と、バリが除去された仕上げ鍛造品を整形する工程(c)と、を備える。以下、各工程について説明する。
工程(a)及び工程(b)
本実施形態によるクランク軸の製造方法では、まず、工程(a)において、バリ付きの仕上げ鍛造品を成形する。この仕上げ鍛造品は、一般的な型鍛造によって成形される。すなわち、加熱されたビレットを予備成形して荒地を得た後、この荒地に型鍛造(荒打ち及び仕上げ打ち)を行ってバリ付きの仕上げ鍛造品を成形する。その後、工程(b)において、仕上げ鍛造品のバリ抜きを実施し、バリなしの仕上げ鍛造品を得る。
図1は、バリ抜き後の仕上げ鍛造品10を模式的に示す側面図である。仕上げ鍛造品10は、最終製品であるクランク軸とほとんど同一の寸法及び形状を有する。仕上げ鍛造品10は、複数のジャーナル11と、複数のピン12と、複数のアーム13と、複数のカウンターウエイト14と、を有する。仕上げ鍛造品10はさらに、後述する余肉部18を有する。図1では、4気筒エンジン用のクランク軸の仕上げ鍛造品10を例示する。ただし、本実施形態の製造方法で製造されるクランク軸は、4気筒エンジン用のクランク軸に限られない。
複数のジャーナル11は、それぞれ、仕上げ鍛造品10の中心軸X1を軸心とする概略円柱状をなす。中心軸X1は、仕上げ鍛造品10から製造されるクランク軸の回転軸X1となる。ジャーナル11は、回転軸X1に沿って配列され、クランク軸の主軸部を構成する。
複数のピン12は、それぞれ概略円柱状をなし、ジャーナル11に対して偏心する。すなわち、複数のピン12は、回転軸X1の周りに所定の位相差で配置される。本実施形態において、回転軸X1方向で両端に位置するピン12は、中央の2つのピン12と180°の位相差を有する。
アーム13の各々は、回転軸X1方向においてジャーナル11とピン12との間に配置される。アーム13は、ジャーナル11とピン12とを連結する。アーム13は、回転軸X1方向と交差する表面131,132を有する。表面131,132のうち、一方の表面131にはジャーナル11が接続され、他方の表面132にはピン12が接続される。本実施形態では、必要に応じ、回転軸X1方向に並ぶ8枚のアーム13を、フロント16側からフランジ17側に向かって順に、第1~第8アーム13a~13hと称して区別する。
カウンターウエイト14の各々は、アーム13と一体で成形される。必要な場合、第1~第8アーム13a~13hの各カウンターウエイト14を第1~第8カウンターウエイト14a~14hと称して区別する。本実施形態では、全てのアーム13がカウンターウエイト14を一体で有する。ただし、カウンターウエイト14は、一部のアーム13にのみ設けられていてもよい。各カウンターウエイト14の形状は、相互に同一であってもよいが、相互に異なっていてもよい。
カウンターウエイト14は、回転軸X1方向と交差する表面141,142を有する。一方の表面141は、アーム13のジャーナル11側の表面131と連続する。他方の表面142は、アーム13のピン12側の表面132と連続する。
一体で成形されたアーム13及びカウンターウエイト14は、一般に、クランクウェブ15と称される。図2は、クランクウェブ15をジャーナル11側から見た図である。図3は、クランクウェブ15をピン12側から見た図である。図4は、クランクウェブ15を拡大した側面図である。図5は、クランクウェブ15をカウンターウエイト14側から見た図である。図2では、余肉部18が設けられる領域をクロスハッチングで示す。図4では、最終製品であるクランク軸の形状を二点鎖線で示す。
図2及び図3を参照して、本明細書では、説明の便宜上、アーム13、カウンターウエイト14及びクランクウェブ15において、ジャーナル11側の表面を正面、ピン12側の表面を背面と言う場合がある。クランクウェブ15において、ピン12の中心軸X2及び回転軸X1に直交する軸を縦軸Zと定義する。縦軸Zが延びる方向が長手方向であり、縦軸Z及び回転軸X1に垂直な方向が幅方向である。長手方向に関してアーム13側を上、カウンターウエイト14側を下と言い、幅方向の両側を左右と言う場合がある。また、カウンターウエイト14の長手方向に関して、ピン12側(上側)を内側、それとは反対側(下側)を外側と言う場合がある。また、カウンターウエイトの幅方向に関して、縦軸Z側を内側、それとは反対側を外側と言う場合がある。
図2及び図3に示すカウンターウエイト14は、アーム13から下方に向かって拡幅する。カウンターウエイト14は、正面視で概略扇状をなす。カウンターウエイト14は、外側面143aと、端側面143bと、内側面143cと、から構成される側面を有する。外側面143aは、正面視で例えば円弧状をなす。内側面143cは、アーム13の側面につながる。端側面143bは、外側面143aと内側面143cとを滑らかにつなぐ。端側面143bは、平面であってもよいし、凸曲面であってもよい。図2及び図3に示すカウンターウエイト14の場合、カウンターウエイト14の幅W(幅方向の寸法)は、アーム13の幅(幅方向の寸法)よりも小さい。ただし、カウンターウエイト14の幅Wは、アーム13の幅と同じか、又はそれ以上であってもよい。
カウンターウエイト14から回転軸X1方向に余肉部18が突出する。本実施形態では、図2、図4及び図5に示すように、カウンターウエイト14の正面、すなわちカウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141から余肉部18が突出する。
図2を参照して、カウンターウエイト14の表面141を回転軸X1方向に沿って見たとき、余肉部18は、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間に設けられる。余肉部18は、カウンターウエイト14の幅方向の全域にわたって設けられる。本実施形態では、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間の全範囲に、余肉部18が設けられる。
図4及び図5を参照して、余肉部18の突出高さt1(回転軸X1方向の寸法)は、最大で、カウンターウエイト14の厚みt(回転軸X1方向の寸法)の8%~12%である。図5を参照して、本実施形態では、余肉部18の突出高さt1は、カウンターウエイト14の幅方向で一定である。ただし、余肉部18の突出高さt1は、カウンターウエイト14の幅方向で一定でなくてもよい。例えば、余肉部18の突出高さt1が、カウンターウエイト14の幅方向の中央で最も大きくて、カウンターウエイト14の幅方向の端で最も小さくてもよい。この場合、カウンターウエイト14の幅方向の端で余肉部18の突出高さt1が0(ゼロ)であってもよい。
図4を参照して、本実施形態では、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eと、の中点Cの位置で、余肉部18が回転軸X1方向に最も大きく突出する。例えば、余肉部18の突出高さt1は上記の中点Cの位置で最も高く、上記の中点Cからカウンターウエイト14の重心Gの位置及びカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eのそれぞれに近づくに従って、突出高さt1が小さい。カウンターウエイト14の重心Gの位置で余肉部18の突出高さt1が0(ゼロ)であってもよい。カウンターウエイト14の長手方向の外側端Eで余肉部18の突出高さが0(ゼロ)であってもよい。
ここで言う重心Gとは、余肉部18が無いと仮定した場合のカウンターウエイト14の重心を意味する。重心Gを定めるときのカウンターウエイト14とは、回転軸X1を含む面のうちのカウンターウエイト14の幅方向に平行な面でクランクウェブ15を切断したときのカウンターウエイト14側の部分を意味する。余肉部18はカウンターウエイト14と一体で成形される。
本実施形態では、図3に示すように、カウンターウエイト14の背面、すなわちカウンターウエイト14のピン12側の表面142に余肉部は設けられていない。
本実施形態では、余肉部18は、全てのカウンターウエイト14に設けられる。ただし、余肉部18は、一部のカウンターウエイト14にのみ設けられてもよい。
図5を参照して、カウンターウエイト14の表面141,142には、抜け勾配が与えられている。カウンターウエイト14の表面141(正面)から突出する余肉部18の表面にも、抜け勾配が与えられている。通常、抜け勾配は最小でも1.0°である。工程(a)の型鍛造時に仕上げ鍛造品を金型から取り出しやすくするためである。このため、カウンターウエイト14の表面141,142は、それぞれ、幅方向の中央から左右に向かって下降傾斜している。カウンターウエイト14における余肉部18の表面も、幅方向の中央から左右に向かって下降傾斜している。
このため、カウンターウエイト14において、余肉部18が設けられた領域の厚み(回転軸X1方向の寸法)は、幅方向の中央部側で大きく、幅方向の両端部14s側で小さい。また、本実施形態の場合、図4を参照して、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eと、の中点Cの位置で、カウンターウエイト14の厚みが最も厚い。
工程(c)
工程(c)では、バリなしの仕上げ鍛造品10を整形する。より詳細には、各カウンターウエイト14の側面(外側面143a、端側面143b及び内側面143c)のうち、外側面143a及び内側面143cを押圧しつつ、各ジャーナル11を押圧する。これにより、仕上げ鍛造品10の曲がりを矯正する。その際、各カウンターウエイト14の端側面143bを開放した状態にし、端側面143bの押圧を行わない。さらにその後、余肉部18を圧下する。これにより、表面141,142に抜け勾配が存在するカウンターウエイト14を加工する。
まず、バリなしの仕上げ鍛造品10を整形するための装置について、図6を参照しつつ説明する。図6は、工程(c)で使用される加工装置20の模式図である。
図6では、加工装置20が加工する仕上げ鍛造品10を二点鎖線で示す。図6において、仕上げ鍛造品10は、第3~第6カウンターウエイト14c~14fが手前側、残りのカウンターウエイト14が奥側に位置するように、加工装置20内に配置されている。すなわち、仕上げ鍛造品10が加工装置20内に配置された状態で、カウンターウエイト14の長手方向は加工装置20の奥行き方向(水平方向)と一致し、カウンターウエイト14の幅方向は上下方向(鉛直方向)と一致する。
加工装置20は、例えば、ダイクッションを有するプレス機械である。加工装置20は、スライド21aと、ボルスタ21bと、ダイクッションプレート22a,22bと、金型23と、弾性部材25a,25bと、複数の楔部材30a,30bと、複数の治具40と、を有する。
スライド21aは、図示しないガイドに沿って昇降可能に構成されている。スライド21aは、例えば、機械式、油圧式、又は液圧式等の駆動機構によって駆動することができる。ボルスタ21bは、スライド21aの下方に配置されている。
スライド21aとボルスタ21bとの間には、ダイクッションプレート22a,22bが配置される。ダイクッションプレート22aは、複数の弾性部材25aを介してスライド21aに接続されている。ダイクッションプレート22bは、複数の弾性部材25bを介してボルスタ21bに接続されている。
弾性部材25a,25bは、上下方向に伸縮する部材である。弾性部材25a,25bは、例えば、コイルばねや空気ばね、油圧シリンダ等である。
スライド21a、ボルスタ21b、ダイクッションプレート22a,22b、及び弾性部材25a,25bの基本構成は、公知のプレス機械及びダイクッションにおけるスライド、ボルスタ、ダイクッションプレート、及び弾性部材と同様である。そのため、本実施形態ではこれらに関する詳細な説明を省略する。
金型23は、仕上げ鍛造品10を最終製品の形状及び寸法に整形する。このため、金型23は、最終製品の形状及び寸法に対応するキャビティを有する。金型23は、上型23aと、下型23bと、を有する。すなわち、金型23は一対からなる。上型23aは、ダイクッションプレート22aの下面に取り付けられる。下型23bは、ダイクッションプレート22bの上面に取り付けられる。
図7及び図8は、金型23のキャビティを説明するための模式図である。図7には、金型23のクランクウェブ15(アーム13及びカウンターウエイト14)に対応する部分の横断面が示される。図8には、図7の線VIII-VIIIに沿った縦断面が示される。
図7及び図8を参照して、上型23aは下面に開放するキャビティを有する。下型23bは上面に開放するキャビティを有する。上型23aと下型23bが接触するとき、上型23aのキャビティと下型23bのキャビティによって、最終製品のクランク軸の形状及び寸法に対応するキャビティが形成される。
上型23aのキャビティはカウンターウエイト底面235を含む。カウンターウエイト底面235は、カウンターウエイト14に対応する位置に配置される。カウンターウエイト底面235は、最終製品のカウンターウエイトの側面の形状及び寸法に対応する形状及び寸法を有する。より具体的には、カウンターウエイト底面235は、外側底面235aと、内側底面235cと、を有する。外側底面235aの形状及び寸法は、カウンターウエイト14の外側面143aの形状及び寸法と一致する。内側底面235cの形状及び寸法は、カウンターウエイト14の内側面143cの形状及び寸法と一致する。カウンターウエイト14の端側面143bに対応する部分のキャビティは、幅方向に開放されている。つまり、上型23aは、カウンターウエイト14の端側面143bに対応する部分に凹み235dを有する。凹み235dは、外側底面235aと内側底面235cとの間に設けられる。下型23bのキャビティも同様のカウンターウエイト底面235(外側底面235a及び内側底面235c)を含み、下型23bは同様の凹み235dを有する。
本実施形態では、図8に示すように、上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の背面、すなわちカウンターウエイト14のピン12側の表面142に対応する壁面236を含む。上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の正面、すなわちカウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141に対応する部分が開放されている。つまり、上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の表面のうち、余肉部18が設けられた表面141(正面)に対応する部分が開放されている。下型23bのキャビティも上型23aと同様の壁面236を含み、上型23aと同様の部分が開放されている。この開放された部分に治具40が配置される。なお、壁面236には、仕上げ鍛造品10の抜け勾配に対応する勾配が与えられている。
図6に戻り、複数の楔部材30aは、スライド21aの下面に取り付けられる。楔部材30aは、仕上げ鍛造品10の回転軸X1方向に配列されている。楔部材30aの各々は、先端部31を含む。先端部31は、楔部材30aにおいて下側に位置付けられ、少なくとも1つの傾斜面311を有する。本実施形態では、回転軸X1方向で両端に位置する楔部材30aは、先端部31に1つの傾斜面311を有し、残りの楔部材30aは、先端部31に2つの傾斜面311を有する。楔部材30aの先端部31が2つの傾斜面311を有する場合、この2つの傾斜面311は、互いに逆向きの勾配を有する。
複数の楔部材30bは、ボルスタ21bの上面に取り付けられる。下側の楔部材30bは、上側の楔部材30aと対応してボルスタ21bに設けられる。下側の楔部材30bの各々は、対応する上側の楔部材30aと同様の先端部31を有する。下側の楔部材30bは、水平面に対して上側の楔部材30aと対称に配置される。すなわち、下側の楔部材30bでは、先端部31が上側に位置付けられる。
治具40は、カウンターウエイト14を加工する部材である。本実施形態の加工装置20には、8枚のカウンターウエイト14に対応する8つの治具40が設けられる。治具40は、各カウンターウエイト14の正面(表面141)側に配置される。治具40の各々は、下側のダイクッションプレート22b及び楔部材30bによって支持される。ダイクッションプレート22b内には、楔部材30bの先端部31及び治具40の一部を収容する空間221が設けられる。上側のダイクッションプレート22a内にも、下側のダイクッションプレート22bと同様の空間221が設けられる。
治具40の各々は、下側の楔部材30bから上方に延び、下型23bを貫通する。治具40の各々は、下型23b上のジャーナル11又はピン12と干渉しないように、例えば、仕上げ鍛造品10の回転軸X1方向視で概略U字状に形成されている。下型23bの底壁部には、各治具40を通すための貫通口231が形成されている。上型23aの上壁部にも、下型23bの貫通口231に対応する位置及び大きさで、貫通口231が形成されている。
上側のダイクッションプレート22a内の空間221は、上側の楔部材30aの上下方向の移動を許容する。下側のダイクッションプレート22b内の空間221は、下側の楔部材30bの上下方向の移動を許容する。ダイクッションプレート22a,22b内の空間221及び金型23の貫通口231は、回転軸X1方向における治具40の移動を許容する。
図6及び図8を参照して、治具40は、概ね板状をなす。治具40は、主面41と、裏面42と、側面43と、を有する。
主面41は、カウンターウエイト14の加工に寄与する面であり、仕上げ鍛造品10の回転軸X1に垂直な平面である。工程(c)の加工を行う際、主面41は、カウンターウエイト14に対向する。具体的には、主面41は、カウンターウエイト14の正面、すなわちカウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141に対向する。別の観点では、主面41は、カウンターウエイト14の表面のうち、余肉部18が設けられた表面141(正面)に対向する。裏面42は、主面41と反対向きに配置される。主面41及び裏面42は、概略板状の治具40における幅広面である。
主面41は、幅方向の両端に側縁411を有する。側縁411の各々には、側面43が接続されている。各側面43は、主面41から裏面42に向かい、幅方向の内側に傾斜する。治具40の両側面43のうち、一方の側面43は、上側の楔部材30aの傾斜面311(図6)に接触し、他方の側面43は、下側の楔部材30bの傾斜面311(図6)に接触する。側面43は、接触する傾斜面311に対応した勾配を有する。側面43により、治具40の幅は、主面41から裏面42に向かって徐々に小さくなっている。
次に、図9A~図11Bを参照して、加工装置20を用いて、バリなしの仕上げ鍛造品10を整形する方法について説明する。図9A~図11Bは、工程(c)で仕上げ鍛造品10を整形する際、加工装置20の動作を説明するための模式図である。
図9Aに示すように、まず、バリなしの仕上げ鍛造品10を加工装置20内に配置する。仕上げ鍛造品10は、下型23bのキャビティ上に載置される。このとき、下型23bの型割り面(水平面)上にカウンターウエイト14の縦軸Z(図2及び図3)が位置する。カウンターウエイト14は、中心軸X1の手前又は奥に位置付けられる。すなわち、カウンターウエイト14の幅方向は上下方向(鉛直方向)に位置する。
図9Aの例では、第3~第6カウンターウエイト14c~14fが中心軸X1よりも手前に位置付けられている。このため、第3~第6カウンターウエイト14c~14fに対応する治具40の主面41は、中心軸X1の手前に配置される。残りのカウンターウエイト14は、中心軸X1よりも奥に位置付けられている。このため、残りのカウンターウエイト14に対応する治具40の主面41は、中心軸X1の奥に配置される。
加工装置20内に仕上げ鍛造品10を配置したら、スライド21aを下降させる。これにより、図9B、図10及び図11Aに示すように、ダイクッションプレート22a及び上型23aが下降し、上型23aが下型23bに接触する。これにより、金型23が閉じられる。このとき、仕上げ鍛造品10のジャーナル11は、金型23により、カウンターウエイト14の幅方向に沿って押圧される。さらに、仕上げ鍛造品10のピン12は、金型23によって押圧される。これにより、仕上げ鍛造品10の曲がりが矯正される。
また、このとき、カウンターウエイト14の側面のうちの外側面143a及び内側面143cは、金型23のカウンターウエイト底面235(外側底面235a及び内側底面235c)によって押圧される。一方、カウンターウエイト14の端側面143bは押圧されない。金型23の凹み235dによって、端側面143が開放されているためである。治具40は仕上げ鍛造品10のカウンターウエイト14から離間している。
スライド21aをさらに下降させると、伸張状態にあった上側の弾性部材25aが圧縮される。これにより、図9C及び図11Bに示すように、上側の楔部材30aが対応する治具40に押し付けられ、楔部材30aが治具40の側面43に対して摺動する。この楔部材30aの傾斜面311は、カウンターウエイト14の幅方向の内側、つまり下方に向かい、治具40の側面43上を摺動する。
スライド21aの下降に伴って負荷される荷重により、伸張状態にあった下側の弾性部材25bも圧縮され、治具40が下側の楔部材30bに押し付けられる。これにより、この治具40の側面43は、下方に向かい、下側の楔部材30bの傾斜面311上を摺動する。すなわち、相対的には、下側の楔部材30bがカウンターウエイト14の幅方向の内側に向かい、治具40の側面43に対して摺動する。
楔部材30a,30bが治具40の各側面43上を摺動することにより、治具40がカウンターウエイト14側に移動し、カウンターウエイト14に押し付けられる。本実施形態では、カウンターウエイト14のジャーナル11側の表面(正面)に治具40が押し付けられる。このとき、仕上げ鍛造品10のカウンターウエイト14は、治具40の主面41により、仕上げ鍛造品10の回転軸X1方向に沿って圧下される。厳密には、仕上げ鍛造品10の余肉部18が圧下される。
図10A~図12は、治具40による余肉部18の圧下の様子を説明するための模式図である。図10A及び図11Aには、余肉部18の圧下前の様子が示される。図10B、図11B及び図12には、加工後の様子が示される。図10B、図11B及び図12では、加工前の余肉部18を二点鎖線で示す。
図10A及び図11Aを参照して、治具40をカウンターウエイト14に接近させると、主面41がカウンターウエイト14の余肉部18に接触し、その余肉部18を圧下する。このとき、余肉部18には、主面41からカウンターウエイト14に向けて圧力が与えられる。カウンターウエイト14の外側面143a及び内側面143cは、金型23のカウンターウエイト底面235(外側底面235a及び内側底面235c)によって拘束されている。カウンターウエイト14のピン12側の表面142は、金型23の壁面236によって拘束されている。これにより、余肉部18の材料は、カウンターウエイト14に流入する。
流入した材料は、カウンターウエイト14の幅方向の中央部から両端部に向かって流動する(図11B中の矢印参照)。また、流入した材料は、カウンターウエイト14の長手方向の内側及び外側に向かって流動する(図12中の矢印参照)。その結果、図11B及び図12に示すように、カウンターウエイト14の端部14sが回転軸X1方向に膨らみ、カウンターウエイト14の端部14sが厚肉化される。別の観点では、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間の領域が幅方向及び長手方向に膨らむ。これにより、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間の領域が、カウンターウエイト14の幅方向の全域にわたって厚肉化される。特に、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eと、の中点Cの位置付近が厚肉化される。すなわち、カウンターウエイト14の厚みが均一化される。
その際、カウンターウエイト14における回転軸X1方向に膨らんだ端部14sは、治具40の主面41に接触する。これにより、端部14sのジャーナル11側に向かう膨らみ変形が主面41によって制限される。すなわち、端部14sの過剰な膨らみ変形が抑えられる。このため、カウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141の寸法精度が確実に確保される。また、カウンターウエイト14のピン12側の表面142の寸法精度は、金型23の壁面236によって確実に確保される。
さらにその際、カウンターウエイト14の端側面143bは、金型23の凹み235dによって開放されている。このため、カウンターウエイト14の幅方向の両端部に向かう材料は、凹み235d内にも移動する。その結果、図10B及び図11Bに示すように、カウンターウエイト14の端部14sが幅方向外側にも膨らむ。すなわち、カウンターウエイト14の幅が仕上げ鍛造品10の幅Wよりも大きくなる。
図9Cに戻り、治具40をカウンターウエイト14に所定時間押し付けた後、スライド21aを上昇させる。これにより、上側の弾性部材25aが伸張し、楔部材30aが治具40から後退する。スライド21aをさらに上昇させると、上側のダイクッションプレート22a及び上型23aが上昇する。これに伴い、下側の弾性部材25bが伸張し、下側のダイクッションプレート22bが若干上昇する。治具40は、下側の楔部材30bの傾斜面311に沿い、上方に移動しつつカウンターウエイト14から離間する。加工装置20が図9Aに示す初期状態に戻ったら、加工装置20から仕上げ鍛造品10を取り出す。これにより、工程(c)におけるカウンターウエイト14の加工及び仕上げ鍛造品10の整形が完了する。
図13及び図14は、それぞれ、工程(c)の後のクランクウェブ15の正面図及び底面図である。図13及び図14を参照して、カウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141から余肉部が消滅している。すなわち、カウンターウエイト14において、ジャーナル11側の表面141から抜け勾配がなくなり、ジャーナル11側の表面141が平坦になっている。別の観点では、カウンターウエイト14の端部14sが厚肉化されている。しかも、カウンターウエイト14の幅が拡大している。
[本実施形態の効果]
本実施形態によるクランク軸の製造方法では、バリを除去した後の仕上げ鍛造品10に整形を行う。このとき、カウンターウエイト14の表面から突出する余肉部18を治具40によって圧下する。これにより、余肉部18の材料がカウンターウエイト14に流入し、端部14sに向かって流動する。これにより、カウンターウエイト14の端部14sが厚肉化される。しかも、カウンターウエイト14の幅が拡大する。この場合、カウンターウエイト14の重心が回転軸X1から遠ざかり、回転軸X1回りにおけるカウンターウエイト14のモーメントが大きくなる。このため、カウンターウエイト14を増量せずに所望のモーメントを確保することが可能となり、カウンターウエイト14のモーメント確保及び軽量化の双方を実現することができる。
本実施形態では、楔部材30a,30bの傾斜面311に対応して、治具40の両側面43を傾斜させている。このため、楔部材30a,30bを治具40の両側から差し込んで両側面43に対して相対的に摺動させるだけで、治具40をカウンターウエイト14側に移動させることができる。よって、工程(c)におけるカウンターウエイト14の加工を容易に行うことができる。
[第2実施形態]
図15~図25を参照して、第2実施形態によるクランク軸の製造方法について説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は適宜省略する。
工程(a)及び工程(b)
図15~図18は、第2実施形態における仕上げ鍛造品10に含まれるクランクウェブ15の模式図である。図15は、クランクウェブ15をジャーナル11側から見た図である。図16は、クランクウェブ15をピン12側から見た図である。図17は、クランクウェブ15を拡大した側面図である。図18は、クランクウェブ15をカウンターウエイト14側から見た図である。
本実施形態では、図16~図18に示すように、カウンターウエイト14の背面、すなわちカウンターウエイト14のピン12側の表面142から第1実施形態と同様の余肉部18が突出する。一方、図15に示すように、カウンターウエイト14の正面、すなわちカウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141に余肉部は設けられていない。余肉部18は、全てのカウンターウエイト14に設けられる。ただし、余肉部18は、一部のカウンターウエイト14にのみ設けられてもよい。
工程(c)
図19は、第2実施形態における加工装置20の模式図である。図20及び図21は、金型23のキャビティを説明するための模式図である。図20には、金型23のクランクウェブ15(アーム13及びカウンターウエイト14)に対応する部分の横断面が示される。図21には、図20の線XXI-XXIに沿った縦断面が示される。
図19を参照して、本実施形態の加工装置20には、8枚のカウンターウエイト14に対応する8つの治具40が設けられる。治具40は、各カウンターウエイト14の背面(表面142)側に配置される。各治具40に対応するように、楔部材30a,30bが配置される。
図20を参照して、上型23aのキャビティは、第1実施形態と同様のカウンターウエイト底面235を含む。下型23bのキャビティも、第1実施形態と同様のカウンターウエイト底面235を含む。
図21を参照して、上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の正面、すなわちカウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141に対応する壁面237を含む。上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の背面、すなわちカウンターウエイト14のピン12側の表面142に対応する部分が開放されている。つまり、上型23aのキャビティは、カウンターウエイト14の表面のうち、余肉部18が設けられた表面142(背面)に対応する部分が開放されている。下型23bのキャビティも上型23aと同様の壁面237を含み、上型23aと同様の部分が開放されている。この開放された部分に治具40が配置される。なお、壁面237には、仕上げ鍛造品10の抜け勾配に対応する勾配が与えられている。
工程(c)の加工を行う際、治具40の主面41は、カウンターウエイト14の背面、すなわちカウンターウエイト14のピン12側の表面142に対向する。別の観点では、主面41は、カウンターウエイト14の表面のうち、余肉部18が設けられた表面142(背面)に対向する。
図22A、図22B及び図23は、治具40による余肉部18の圧下の様子を説明するための模式図である。図22Aには、余肉部18の圧下前の様子が示される。図22B及び図23には、加工後の様子が示される。図22B及び図23では、加工前の余肉部18を二点鎖線で示す。
図22Aを参照して、治具40をカウンターウエイト14に接近させると、主面41がカウンターウエイト14の余肉部18に接触し、その余肉部18を圧下する。このとき、余肉部18には、主面41からカウンターウエイト14に向けて圧力が与えられる。カウンターウエイト14の側面の全域は、金型23のカウンターウエイト底面235によって拘束されている。カウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141は、金型23の壁面237によって拘束されている。これにより、余肉部18の材料は、カウンターウエイト14に流入する。
流入した材料は、カウンターウエイト14の幅方向の中央部から両端部に向かって流動する(図22B中の矢印参照)。また、流入した材料は、カウンターウエイト14の長手方向の内側及び外側に向かって流動する(図23中の矢印参照)。その結果、図22B及び図23に示すように、カウンターウエイト14の端部14sが回転軸X1方向に膨らみ、カウンターウエイト14の端部14sが厚肉化される。別の観点では、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間の領域が長手方向に膨らむ。これにより、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eとの間の領域が、カウンターウエイト14の幅方向の全域にわたって厚肉化される。特に、カウンターウエイト14の重心Gの位置とカウンターウエイト14の長手方向の外側端Eと、の中点Cの位置付近が厚肉化される。すなわち、カウンターウエイト14の厚みが均一化される。また、カウンターウエイト14の端部14sが幅方向外側にも膨らみ、カウンターウエイト14の幅が仕上げ鍛造品10の幅Wよりも大きくなる。
その際、カウンターウエイト14における回転軸X1方向に膨らんだ端部14sは、治具40の主面41に接触する。これにより、端部14sのピン12側に向かう膨らみ変形が主面41によって制限される。すなわち、端部14sの過剰な膨らみ変形が抑えられる。このため、カウンターウエイト14のピン12側の表面142の寸法精度が確実に確保される。また、カウンターウエイト14のジャーナル11側の表面141の寸法精度は、金型23の壁面237によって確実に確保される。
図24及び図25は、それぞれ、工程(c)の後のクランクウェブ15の背面図及び底面図である。図24及び図25を参照して、カウンターウエイト14のピン12側の表面142から余肉部が消滅している。すなわち、カウンターウエイト14において、ピン12側の表面142から抜け勾配がなくなり、ピン12側の表面142が平坦になっている。別の観点では、カウンターウエイト14の端部14sが厚肉化されている。しかも、カウンターウエイト14の幅が拡大している。
したがって、第2実施形態によるクランク軸の製造方法でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態では、工程(a)及び(b)において、カウンターウエイト14の正面(表面141)に余肉部18を設け、工程(c)において、その余肉部18を圧下する。第2実施形態では、工程(a)及び(b)において、カウンターウエイト14の背面(表面142)に余肉部18を設け、工程(c)において、その余肉部18を圧下する。しかしながら、工程(a)及び(b)において、カウンターウエイト14の正面(表面141)及び背面(表面142)それぞれに余肉部18を設け、工程(c)において、それらの余肉部18を圧下してもよい。この場合、カウンターウエイト14の両側に治具40を配置すればよい。