JP7354864B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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しかしながら、用途が幅広くなるにつれて、求められる品位も向上し、例えば、偏光板離型用フィルムであれば近年、高輝度タイプの液晶ディスプレイの普及に伴い、フィルム中の微小成分が輝点となるため、検査精度の低下を招く問題が生じている。そのため、より欠点の少ない、高品位のフィルムが要求されている。
これらの課題に対して、以下の文献に示されるような検討がされてきている。
特許文献1では、滑剤として投入している炭酸カルシウム粒子分散性の向上を目的にリン化合物を添加することが記載されている。
特許文献2では、樹脂の耐熱性を向上させることによりゲル異物発生が抑制されることが記載されている。
特許文献3では、Mn元素およびアルカリ金属元素を含むことで、線状オリゴマー発生量が少なく、良好な耐加水分解性および粒子分散性を得ることが記載されている。
本発明の目的は、粒子の凝集異物が少なく粒子分散性に優れ、ろ過性が良好で、耐加水分解性に優れた粒子含有ポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)モノマー成分としてジカルボン酸とジオールとを用いる、リン化合物および無機粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法であって、エステル化反応終了から重縮合反応開始までの間に以下の(I)~(V)を満たすことを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
(I)リン化合物を添加し、次いで無機粒子を添加する。
(II)(I)記載のリン化合物と無機粒子との添加比率が、元素重量比P/Cとして0.013以上である。ここで、C:無機粒子の元素重量である。
(III)(I)記載のリン化合物および無機粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力が20Pa以上である。
(IV)(I)記載の無機粒子添加開始時の槽内温度が220℃以上250℃以下である。
(V)無機粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度を210℃以上245℃以下に保つ。
(2)無機粒子が炭酸カルシウムである(1)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(3)リン化合物がリン酸およびリン酸アルカリ金属塩の混合物であり、かつ、リン化合物の添加量がP元素の重量基準でポリエステル組成物の重量に対して0.81(mol/t)≦P≦2.63(mol/t)である(1)または(2)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(4)重合触媒および重合助触媒を無機粒子添加から重縮合反応開始までの間に添加する(1)~(3)のいずれかに記載のポリエステル組成物の製造方法。
本発明のジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンタンジオールなどの各種脂環式ジオールや、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。本発明の効果を十分果たすことができる点、およびフィルムや繊維などに加工しやすいポリエステル組成物を得ることができる点でエチレングリコールが好ましい。
ポリエステル組成物の0.1gを0.001g以内の精度で秤量し、10mLのo―クロロフェノール(以降OCPと呼ぶ)を用いて100℃×30分間加熱して溶解した。溶液を室温まで冷却し、25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計に該溶液を8ml仕込み、標線を通過する秒数を計測した(A秒)。
また、OCPのみ8ml用いて前記と同様に25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計で標線を通過する秒数を計測した(B秒)。
固有粘度は次の計算式で計算した。
IV=-1+[1+4×K×{(A/B)-1}]^0.5/(2×K×C)
ここでKは0.343,Cは試料溶液の濃度(g/100ml)である。
ポリエステル組成物をプラズマ処理し、日立ハイテクノロジーズ製電界放射型操作電子顕微鏡(型番:Regulus8100形)、日本ローパー製Image-Pro画像処理ソフトにて、粒子の体積平均径測定をおこなった。また、粒子径を解析する際は倍率5000倍で20視野以上の測定を行い、最低200個以上の粒子から円相当径を測定し、それを擬似的な立体球状とみなし、体積平均粒子径を算出した。
ポリエステル組成物をプラズマ処理し、日立ハイテクノロジーズ製電界放射型操作電子顕微鏡(型番:Regulus8100形)、日本ローパー製Image-Pro画像処理ソフトにて、粒子の粒度分布測定をおこなった。粒度分布の解析に際し倍率500倍で20視野以上の測定を行い、最低10000個以上の粒子を確認する。個数平均粒径の3倍以上の粒子径を持つものは粗粒と判断する。確認した面積から検出された粗粒の数より単位面積(1mm2)当たりの粗粒数算出し、凝集粒子数とする。粒子の粗粒数が少ないほど粒子の凝集が少なく、粒子分散性が良好である。本発明において、ポリエステル組成物の無機粒子の粗粒数が30(個/mm2)以下であれば良好、30(個/mm2)より大きく40(個/mm2)以下を合格、40(個/mm2)を超えると不合格とする。
ポリエステル組成物を145℃で7.5時間真空乾燥した後、300℃で溶融し、目開き5μmで直径24.5mmの円状の金属フィルターへエクストルーダーを用いて10g/分の速度で供給し、供給開始から6時間後圧力と初期圧力との差をろ過圧力ΔP(MPa)として、単位時間当たり平均圧力増加量(MPa/hr)からろ過性を評価した。ポリエステル組成物内に存在する粒子の凝集物が多いほど、フィルターの目詰まりが起こりやすく、溶融したポリエステル組成物のフィルター透過圧力増加量が大きくなる。そのため、透過圧力増加量が小さいほど、良好なろ過性を有しており、ポリエステル組成物中の粒子凝集が少ないと判断する。本発明において、溶融したポリエステル組成物を10g/分の速度で供給し、供給開始から6時間後圧力と初期圧力との差をろ過圧力ΔP(MPa)として、単位時間当たり平均圧力増加量(MPa/hr)の値によりろ過性評価を行い、この値が1.0(MPa/hr)以下を合格とし、1.0(MPa/hr)を超えると不合格とした。
Mauriceの方法によって測定した(文献M.J.Maurice,F.Huizinga,Anal.Chem.Acta、22、363(1960))。
すなわち、ポリエステル組成物0.5gを0.001g以内の精度で秤量する。該試料にo-クレゾール/クロロホルムを7/3の質量比で混合した溶媒50mlを加え、加熱して内温が90℃になってから20分間加熱攪拌して溶解する。また混合溶媒のみもブランク液として同様に別途加熱する。溶液を室温に冷却し、1/50Nの水酸化カリウムのメタノール溶液で電位差滴定装置を用いて滴定をおこなう。また、混合溶媒のみのブランク液についても同様に滴定を実施する。
ポリエステル組成物のCOOH末端基量は、以下の式により計算した。
COOH末端基量(eq/t)={(V1-V0)×N×f}×1000/S
ここでV1は試料溶液での滴定液量(mL)、V0はブランク液での滴定液量(mL)、Nは滴定液の規定度(N)、fは滴定液のファクター、Sはポリエステル組成物の質量(g)である。本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物は、COOH末端基量は30.0eq/t以下を良好、30.0eq/tより大きく35.0eq/t以下を合格とし、35.0eq/tより大きいと不合格とした。
ポリエステル組成物を飽和水蒸気下、155℃で4時間湿熱処理し、処理前後のCOOH末端基量を測定することで、COOH末端基増加量(ΔCOOH=処理後COOH-処理前COOH)を算出し耐加水分解性を評価した。なお、処理装置はPRESSERCOOKER306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)を使用した。ΔCOOHの値が低ければ低いほど、耐加水分解性が良好である。本発明のポリエステル組成物の製造方法により得られるポリエステル組成物のΔCOOH値は90.0以下を良好、90.0より大きく100.0以下を合格とし、100.0より大きいと不合格とした。
250℃にて溶解したBHT105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対して1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245~250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を留出装置の付いた重合装置に溶融状態で仕込んだ。温度を255℃として、重合槽内に加わる最大の剪断応力が22Paとなる条件(撹拌機周速5.6m/s、クリアランス0.005m、液粘度0.02Pa・s)で撹拌をしながら、リン化合物をP元素として2.14mol/tの混合エチレングリコール溶液を添加した。(リン化合物Aとしてリン酸をP元素として1.55mol/tと、リン化合物Bとしてリン酸二水素ナトリウム二水和物をP元素として0.59mol/tを添加した。P元素の添加比率はA/B=2.63とした。)を添加した。重合装置内温度が230℃に到達した段階で、体積平均径が1μmの炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを添加した(炭酸カルシウムとして1重量部)。炭酸カルシウムスラリーの添加後、重合装置内温度を225℃~240℃で保ちながら、酢酸マンガン四水和物のエチレングリコール溶液(Mn元素として0.61mol/t)、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリー(Sb元素として2.06mol/t)を添加した。その後、重合装置内を290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から250Pa以下まで減圧し重縮合反応を開始した。290℃で所定の撹拌トルクを示すまで重縮合反応させた。重縮合反応終了後、重合装置内を窒素ガスで常圧に戻し、重合装置内の溶融ポリエステルをストランド状に水槽へ吐出して冷却後、カッティングしてペレット状のポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の固有粘度は0.615dl/gであった。また、得られたポリエステル組成物の特性を表2に示す。
表1に記載の通り、リン化合物をトリメチルリン酸の単成分のエチレングリコール溶液として、P元素として2.14mol/tを添加したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が少なく、良好な粒子分散性を有しており、また、ろ過性評価の結果も良好であった。COOH末端基量、耐加水分解性についても合格であり、光学フィルムや離型フィルムの適用に問題の無いレベルであった。
表1に記載の通り、リン化合物のP元素としての合計添加量は実施例1と同様のまま、リン化合物Aとリン化合物Bの添加比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、実施例4、5で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例3、6で得たポリエステル組成物は実施例1で得たポリエステル組成物と比べて無機粒子の粗粒数がやや多く、耐加水分解性がやや劣るが、いずれも合格の値であり、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。
表1に記載の通り、添加する無機粒子の種類を二酸化ケイ素として、体積平均径が1μmの二酸化ケイ素粒子をエチレングリコールスラリー(二酸化ケイ素1重量部)として添加した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、ろ過性試験、COOH末端基量、耐加水分解性について、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題の無い物性を有していることが確認された。
表1に記載の通り、エステル化反応後から重縮合反応開始までの添加順序を酢酸マンガン4水和物のエチレングリコール溶液、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリー、炭酸カルシウムのエチレングリコールスラリー、リン酸とリン酸二水素ナトリウム二水和物の混合エチレングリコール溶液の順に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、添加順序が異なることで、得られたポリエステル組成物の無機粒子の粗粒数が不合格であり、粒子の凝集が確認された。また、耐加水分解性も不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには適さない物性を有したポリエステル組成物であった。
表1に記載の通り、リン酸とリン酸二水素ナトリウムの添加比率は実施例1と同様のまま、リン化合物のP元素としての添加量の合計を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表2に記載の通り、実施例8で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例9で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性は実施例1のポリエステル組成物と比べてやや劣るものの合格レベルであったため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例10、11で得たポリエステル組成物は実施例1のポリエステル組成物と比べて無機粒子の粗粒数がやや多く、耐加水分解性がやや劣るが、合格レベルであり、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。参考例12で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、COOH末端基量および耐加水分解性は実施例1のポリエステル組成物と比べてやや劣るものの合格レベルであったため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。一方、比較例2~4で得たポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が不合格であり、加えて、比較例3、4ではろ過性試験の結果も不合格であった。
表3に記載の通り、参考例12の方法と比べて、炭酸カルシウムの添加量を半減して、リン化合物と無機粒子との添加比率である元素重量比P/Cを変化させたポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。
表3に記載の通り、リン化合物および無機粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例14~17で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が合格レベルであり、耐加水分解性も光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。比較例5、6で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数とろ過性試験結果が不合格であった。
表3に記載の通り、炭酸カルシウム粒子添加開始時の重合槽内温度を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例19で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が少なく粒子分散性が良好であり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、耐加水分解性が良好であることから、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していた。実施例18、20、21で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、耐加水分解性についても、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。一方、比較例7で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数、COOH末端基量、耐加水分解性がいずれも不合格であることが確認された。比較例8で得られたポリエステル組成物は無機粒子の粗粒数が非常に多く不合格であり、光学フィルムや離型フィルムに適さないことを確認した。
表3に記載の通り、炭酸カルシウムの粒子添加後から重合反応開始までの槽内温度を変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、実施例22、23で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、耐加水分解性についても、光学フィルムや離型フィルムへの適用に問題無い値であった。一方、比較例9で得られたポリエステル組成物はCOOH末端基量、耐加水分解性が不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには好適でないことを確認した。比較例10で得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数、ろ過性試験結果が不合格であり、光学フィルムや離型フィルムには適さないことを確認した。
表3に記載の通り、エステル化反応後から重縮合反応開始までの添加順序を、酢酸マンガン4水和物のエチレングリコール溶液、三酸化二アンチモンのエチレングリコールスラリーリン酸とリン酸二水素ナトリウム二水和物の混合エチレングリコール溶液、炭酸カルシウムのエチレングリコールスラリーの順に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物を得た。
表4に記載の通り、得られたポリエステル組成物は、無機粒子の粗粒数が実施例1で得たポリエステル組成物よりやや多いが合格レベルであり、ろ過性評価の結果が良好であった。また、COOH末端基量と耐加水分解性は良好であることが確認された。そのため、光学フィルムや離型フィルムに好適な物性を有していることが確認された。
Claims (2)
- モノマー成分としてジカルボン酸とジオールとを用いる、リン化合物および炭酸カルシウム粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法であって、リン化合物がリン酸およびリン酸アルカリ金属塩の混合物であり、炭酸カルシウム粒子の体積平均径が1.0μm以上3.0μm以下であり、エステル化反応終了から重縮合反応開始までの間に以下の(I)~(VI)を満たすことを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
(I)リン化合物を添加し、次いで炭酸カルシウム粒子を添加する。
(II)(I)記載のリン化合物と炭酸カルシウム粒子との添加比率が、元素重量比P/Cとして0.013以上である。ここで、C:炭酸カルシウム粒子の元素重量である。
(III)(I)記載のリン化合物の添加量が、P元素の重量基準でポリエステル組成物の重量に対して0.81(mol/t)≦P≦2.63(mol/t)である。
(IV)(I)記載のリン化合物および炭酸カルシウム粒子添加時に、槽内に加わる最大の剪断応力が20Pa以上である。
(V)(I)記載の炭酸カルシウム粒子添加開始時の槽内温度が220℃以上250℃以下である。
(VI)炭酸カルシウム粒子添加終了後から重縮合反応開始までの槽内温度を210℃以上245℃以下に保つ。 - 重合触媒および重合助触媒を炭酸カルシウム粒子添加から重縮合反応開始までの間に添加する請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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