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JP7236957B2 - モータ - Google Patents

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JP7236957B2
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Description

本発明は、モータに関するものである。
モータとして、巻線が巻回されたステータと、ステータの径方向内側に回転自在に設けられたロータと、を有するいわゆるインナーロータ型のブラシレスモータが知られている。この種のモータのロータは、例えばロータコアに回転軸の周方向に間隔をおいて複数の突極を有するものがある。ロータの外周部の周方向において隣り合う突極の間には、逆極性の磁極が交互に並ぶようにマグネットが配設されている。マグネットの外周面は、マグネットカバーで覆われている。
一方、ステータは、略円筒状のステータコアと、ステータコアから径方向内側に向かって突出する複数のティースと、ティースに巻回された巻線と、を備えている。
モータは、巻線に電力が供給されると、ステータに所定の磁界が形成され、この磁界を受けて、磁界とマグネットとの間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、これにより、ロータが継続的に回転する。
国際公開第2019/017161号
ところで、従来のロータのように、マグネットの外周面がマグネットカバーで覆われた構成においては、マグネットカバーの外径がロータの最外径になる。このため、ロータコアの突極とステータとのエアギアップを小さく抑えることが困難であった。特に、リラクタンストルクを併用する磁気回路の場合、突極とステータとのエアギアップが小さいほどモータ特性(モータトルク)を高めることができる。このため、エアギアップを可能な限り小さくすることが望ましい。
そこで、この発明は、突極とステータとのエアギアップを小さくでき、モータトルク(モータ特性)を高めることができるモータ特性を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係るモータは、複数のティースを有する環状のステータと、前記ティースに巻回されるコイルと、前記ステータに対して軸線回りに回転するロータと、を備え、前記ロータは、前記軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸と一体に回転するように支持され、前記回転軸の回転方向に間隔をおいて前記軸線方向及び前記回転方向と直交する径方向の外側へ向かって突出された複数の突極を有するロータコアと、前記ロータコアの外周部において前記回転軸の前記回転方向で隣り合う前記突極の間に配置された複数のマグネットと、前記マグネットの外周面を覆うマグネットカバーと、を備え、前記マグネットカバーは、前記突極のうち前記ステータに前記径方向で対向する外端の全部が少なくとも露出するように、前記軸線方向に沿うスリットが形成された案内部を有することを特徴とする。
上記構成において、前記突極は、前記突極の前記外端における前記径方向の最外側端を通る仮想円の外径寸法が前記マグネットカバーの内径面の内径寸法より大きくてもよい。
上記構成において、前記案内部は、前記軸線方向において前記マグネットカバーの両端の間に配置されるように、前記案内部の前記軸線方向の長さが前記マグネットカバーの軸線方向の長さよりも小さくてもよい。
上記構成において、前記突極は、前記軸線方向において前記案内部の両端の間に配置されるように、前記突極の前記軸線方向の長さが前記案内部の前記軸線方向の長さよりも小さくてもよい。
上記構成において、前記案内部は、前記マグネットカバーの前記軸線方向における両端のうちの一端に形成され、前記突極の外端を通過できる開口部を有してもよい。
本発明によれば、マグネットカバーに案内部を有することにより、突極とステータとのエアギアップを小さくでき、モータ特性を高めることができる。
本発明に係る第1実施形態における減速機付モータの外観を示す斜視図。 第1実施形態における減速機付モータを示す断面図。 第1実施形態におけるロータを示す斜視図。 第1実施形態におけるロータを示す分解斜視図。 図3のV-V線に沿う断面図。 第1実施形態におけるロータの側面図。 図5のVII部を拡大した断面図。 本発明に係る第2実施形態におけるロータを示す斜視図。
次に、本発明の実施形態のモータについて図面を参照して説明をする。なお、実施形態においては、モータとして減速機付モータ1を例に説明するが、その他のモータに適用してもよい。
[第1実施形態]
<減速機付モータ>
図1は、本発明の第1実施形態における減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、減速機付モータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである。具体的には、減速機付モータ1は、減速機付モータ1の外殻をなすハウジング10と、ハウジング10に設けられたモータ部20と、ハウジング10内に設けられ、モータ部20の回転を減速して出力する減速機部30と、を備えている。
図2は、減速機付モータ1を示す断面図である。
図1、図2に示すように、ハウジング10は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料に形成されている。ハウジング10は、モータ部20及び減速機部30を保持するハウジング本体11と、カバー12と、から構成されている。
ハウジング本体11の一面側には、減速機部30を収容する減速機収容部13が形成されている。減速機収容部13は、ハウジング本体11の天面部11tから天面部11tに対向する背面部11bに向かって窪んだ有底状である。減速機収容部13は、背面部11b側に形成された底部13bと、底部13bの外周部から天面部11t側に立ち上がる周壁部13wと、に囲まれている。
減速機収容部13には、後述するウォーム軸31を収容する軸収容溝14と、ウォームホイール32を収容するホイール収容凹部15と、が形成されている。
減速機収容部13内には、軸収容溝14の軸線方向の両端部に、ウォーム軸31(回転軸27)を回転自在に支持する軸受部16A,16Bが形成されている。
ハウジング本体11の外周部には、周壁部13wから外方に向かってウォーム軸31の軸線方向に沿って筒状に延びるモータ収容部17が一体に形成されている。モータ収容部17は、モータ部20の一部を収容する。モータ収容部17の内側には、周壁部13wを貫通し、前記の軸受部16Aに連通する軸挿通孔(図示無し)が形成されている。
また、ハウジング本体11には、背面部11bから、天面部11tとは反対側に突出するボス部19が一体に形成されている。ボス部19には、ホイール収容凹部15に連通する貫通孔(図示無し)が貫通形成されている。
ハウジング本体11の天面部11t側において、減速機収容部13を塞ぐようにカバー12が設けられている。カバー12は、その外周部の複数個所において、不図示のボルトによってハウジング本体11に締結されている。カバー12には、このカバー12をハウジング本体11に取り付けた状態で、モータ収容部17に隣接してコネクタ受容部12cが形成されている。コネクタ受容部12cは筒状をなし、外部の電源供給コネクタが接続される。
<モータ部>
モータ部20は、モータ収容部17に取り付けられるモータカバー21と、モータ収容部17及びモータカバー21内に収納された円筒状のステータ22と、ステータ22の径方向内側に設けられ、ステータ22に対して回転自在に設けられたロータ23と、を備えている。なお、以下の説明では、ロータ23(後述する回転軸27)の回転軸線と平行な方向を単に軸方向、ロータ23の回転方向を周方向と称する。径方向は、軸方向と周方向とに直交するロータ23の径方向である。
モータカバー21は、鉄等の金属からなる部材であって、例えば深絞りによるプレス加工等により有底円筒状に成形されている。モータカバー21の開口端には、径方向外側に張り出すフランジ21a(図1も参照)が形成されている。フランジ21aに挿通されたボルト21bにより、モータ収容部17にモータカバー21が連結されている。
ステータ22は、モータカバー21の内周面に沿って配置される。ステータ22は、略円筒状に形成されたステータコア24と、ステータコア24から径方向内側に向かって突出する複数のティース25と、ステータコア24に巻回される巻線(コイル)26と、を備える。
ステータコア24は、複数の鋼板24pを積層して形成される。なお、ステータコア24は、複数の金属板を積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。このように形成されたステータコア24の外周面が、モータカバー21の内周面に嵌合される。
ティース25は、ステータコア24の径方向内側に沿って周方向に等間隔で形成されている。ティース25に、巻線26が巻回される。巻線26は、不図示のコントローラ基板から供給される電流によって、ロータ23を回転させるための磁束を発生する。
図3は、ロータ23の斜視図である。図4は、ロータ23の分解斜視図である。
図2から図4に示すように、ロータ23は、回転軸27と、回転軸27に嵌合固定されたロータ本体28と、を有する。ロータ本体28は、ロータコア42と、マグネット(「ロータマグネット」ともいう)43A,43Bと、マグネット43A,43Bを支持する第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bと、マグネット43A,43Bを覆うマグネットカバー45と、を備える。
第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bは、マグネット43A,43Bを軸方向に挟むように配置されている。これにより、第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bは、マグネット43A,43Bのロータコア42からの軸方向の脱落を防止する。
<ロータコア>
回転軸27は、減速機部30を構成するウォーム軸31と一体成形されている。回転軸27のうち端面27a側の端部(一端)27bにロータコア42が支持されている。ロータコア42は、回転軸27の外周に圧入嵌合されて回転軸27と一体に回転する。ロータコア42は、複数の鋼板42pを軸方向に積層することにより形成されている。なお、ロータコア42は、複数の鋼板42pを軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
ロータコア42は、円筒状に形成されたコア基端部47と、コア基端部47から径方向外側に向けて放射状に突出する複数のコア突極(突極)48を有する。コア基端部47の径方向中央には軸方向に貫通する貫通孔47aが形成されている。貫通孔47aに、回転軸27が圧入されている(図5も参照)。なお、貫通孔47aに対して回転軸27を挿入とし、接着剤等を用いて回転軸27にロータコア42を外嵌固定してもよい。複数のコア突極48は、例えば周方向に90°の間隔をおいて等間隔に4個突出されている。
<マグネット>
図5は、図3のV-V線に沿う断面図である。
図4、図5に示すように、周方向で隣接するコア突極48の間に、マグネット43A,43Bが配置されている。マグネット43A,43Bは、軸方向断面が扇状のセグメント型のマグネットである。マグネット43A,43Bは、コア基端部47の外周面(外周部)47bに周方向に並べて円環状に4個配置されている。マグネット43A,43Bは、例えばフェライト磁石からなる。ここでは、マグネット43A,43Bは4個であるから、それぞれが中心角θ<90°の扇形に形成されている。
マグネット43A,43Bは、共に円弧面よりなる内径面(内周面)43cから外径面(外周面)43dに向けて着磁されている。マグネット43A,43Bは、ロータコア42の外周面に円環状に並べて配置したとき、外径面43dの磁極が周方向に交互に逆極性で並ぶように設定されている。つまり、マグネット43A,43Bは、逆極性に着磁されたものが2種類用意されており、コア基端部47の外周面47bに周方向に沿って交互に配置されている。従って、マグネット43A,43Bの組立体を有するロータ本体28は、4極の磁極を持つ。
マグネット43A,43Bは、内径面43cと外径面43dとが円弧面として形成されている。内径面43cは、例えばロータ23の軸中心(回転軸27の中心)と同心の円弧面として形成されている。外径面43dは、例えば回転軸27の中心に対して径方向外側のオフセット位置を中心とした円弧面として形成されている。このため、マグネット43A,43Bは、内径面43c及び外径面43dの間の径方向の肉厚において、外径面43dの周方向の中点43eが最大肉厚部位となる。すなわち、マグネット43A,43Bは、最大肉厚部位となる中点43eが径方向において最外側位置となる。
マグネット43A,43Bは、周方向で隣り合うコア突極48の間に配置された状態において、隣り合うコア突極48にマグネット43A,43Bの周方向の両端面43tが当接される。これにより、ロータ23の回転方向に対するマグネット43A,43Bの位置ずれを防ぐことができる。
<マグネットホルダ>
図2から図4に示すように、第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bは、環状のマグネット保持部44cと、マグネット保持部44cに一体に形成されたコア保持部44dと、を備えている。第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bの材料としては、例えば樹脂材料により形成されている。
マグネット保持部44cは、径方向中央の開口縁44eと外周縁44fとが円弧状に形成されることにより、平坦な環状に形成されている。マグネット保持部44cの裏面には、コア保持部44dが一体に形成されている。コア保持部44dは、環状部44gと、環状部44gから径方向外側に延びる複数の突出部44hと、を有する。
環状部44gは、マグネット保持部44cの裏面において、開口縁44eに倣って環状に形成されている。
複数の突出部44hは、環状部44gからマグネット保持部44cの裏面に沿って外周縁44fまで径方向外側へ放射状に延びている。複数の突出部44hは、例えば、周方向に90°の間隔をおいて等間隔に4個突出されている。
環状部44gには、ロータコア42のコア基端部47の端面が当接される。突出部44hには、ロータコア42のコア突極48の端面が当接される。具体的には、第1のマグネットホルダ44Aは、ロータコア42の両側のコア端面42a,42bのうち、回転軸27の端面27aの反対側のコア端面42aに当接している。また、第2のマグネットホルダ44Bは、ロータコア42の両側のコア端面42a,42bのうち、回転軸27の端面27a側のコア端面42bに当接している。
すなわち、第1のマグネットホルダ44A及び第2のマグネットホルダ44Bは、ロータコア42を軸方向において挟持するように、ロータコア42の両側のコア端面42a,42bに配置されている。第1のマグネットホルダ44A及び第2のマグネットホルダ44Bの間に、マグネット43A,43Bが配置されている。このため、第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bにより、マグネット43A,43Bが軸方向に保持されている。
<マグネットカバー>
図6は、ロータ23の側面図である。
図4から図6に示すように、第1のマグネットホルダ44A、第2のマグネットホルダ44B、ロータコア42、及びマグネット43A,43Bの外径面43dは、マグネットカバー45で覆われている。さらに、第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bは、マグネットカバー45で保持されている。マグネットカバー45の材料としては、例えば非磁性材料により形成されている。
マグネットカバー45は、マグネット43A,43Bの外径面43dを覆う円筒部45aと、円筒部45aの軸方向両端に配置された第1のフランジ45bと、第2のフランジ45cと、を有する。円筒部45aは、中空の円筒状に形成されている。円筒部45aは、マグネット43A,43Bの外径面43d(具体的には、外径面43dの中点43e)に当接されている。これにより、マグネット43A,43Bの両端面43tがロータコア42のコア突極48に接触(密着)された状態において、マグネット43A,43Bが円筒部45aで保持(固定)保持される。
円筒部45aは、複数の案内部50を有する。案内部50は、円筒部45aのうち、コア突極48の径方向外側の端部である外端48aに対向する部位に形成されたスリット51を有する。コア突極48の外端48aは、ステータ22の内周面22a(図2参照)に径方向で対向する位置に配置されている。案内部50は、マグネットカバー45の一端45dと他端45eとの間において、軸方向に沿って連なって形成されている。
案内部50は、軸方向においてマグネットカバー45の両端45d,45eの間に配置されるように、案内部50の第1軸方向寸法L1がマグネットカバー45の第2軸方向寸法L2より小さく形成されている。
また、コア突極48は、軸方向において案内部50のスリット両端の間に配置されるように、コア突極48の第3軸方向寸法L3が第1軸方向寸法L1より小さく形成されている。
具体的には、案内部50は、第1スリット端(案内部50の両端のうちの一端)50aが円筒部45aの一端45d寄り(図4、図6における下寄り)に配置され、第2スリット端(案内部50の両端のうちの他端)50bが円筒部45aの他端45e寄り(図4、図6における上寄り)に配置されている。第1スリット端50aは、第1のマグネットホルダ44Aの突出部44hのうち、コア突極48の外端48aより一端45d寄りの部位に位置する。第2スリット端50bは、第2のマグネットホルダ44Bの突出部44hのうち、コア突極48の外端48aより他端45e寄りの部位に位置する。
図7は、図5のVII部を拡大した断面図である。
図6、図7に示すように、案内部50は、周方向のスリット幅W1が、コア突極48の外端48aの周方向の突極幅W2より大きく形成されている。
すなわち、案内部50の第1スリット端50a側から、第1のマグネットホルダ44Aの突出部44hが、マグネットカバー45の外部に露出されている。また、案内部50の第2スリット端50b側から、第2のマグネットホルダ44Bの突出部44hが、マグネットカバー45の外部に露出されている。また、案内部50の中央部から、コア突極48の外端48aの全部が、マグネットカバー45の外部に露出されている。
なお、案内部50のその他の例として、コア突極48の外端48aの全部のみを露出させて、第1のマグネットホルダ44A及び第2のマグネットホルダ44Bのそれぞれの突出部44hを外部に露出させないように案内部50を形成してもよい。
このように、マグネットカバー45に案内部50を有し、案内部50としてスリット51を回転軸27の軸方向に連なるように形成した。この案内部50からコア突極48の外端48aの全部を外部に露出させるようにした。このため、コア突極48の径方向外側への突出を規制するマグネットカバー45をコア突極48とステータ22の内周面22a(図2参照)との間から除去できる。よって、コア突極48の外端48aとステータ22の内周面22aとのエアギアップを小さく抑えることができ、モータトルク(モータ特性)を高めることができる。
また、案内部50をマグネットカバー45の両端45d,45eの間に配置することにより、マグネットカバー45の両端45d,45eをリング状に形成できる。このため、例えばロータ23の回転時において、マグネットカバー45の一端45dを第1のマグネットホルダ44Aに保持でき、マグネットカバー45の他端45eを第2のマグネットホルダ44Bに保持できる。よって、マグネットカバー45(特に、円筒部45a)によりマグネット43A,43Bを確実に保持できる。
さらに、マグネットカバー45に案内部50としてスリット51を形成することにより、コア突極48の外端48aを軸方向において案内部50の内部に配置できる。すなわち、コア突極48の外端48aは、案内部50の第1スリット端50aと第2スリット端50bとの両端の間に配置されている。これにより、コア突極48の外端48aの全部を案内部50から確実に露出させることができ、モータトルクを高めることができる。
ここで、コア突極48の外端48aにおける径方向の最外側を通る仮想円Cの外径寸法(半径、以下、単に外径寸法という)をR1とし、マグネットカバー45(具体的には、円筒部45a)のカバー内径面45fの内径寸法(半径)をR2としたとき、外径寸法R1は、カバー内径面45fの内径寸法R2より大きい。すなわち、内径寸法R2<外径寸法R1に設定されている。また、換言すれば、コア突極48の外端48aは、マグネット43A,43Bの周方向の中点43eの外径寸法R1よりもコア突極48の外端48aが径方向外側に突出されている。
コア突極48の外端48aの外径寸法R1をカバー内径面45fの内径寸法R2より大きくすることにより、コア突極48を案内部50(すなわち、スリット51)の内部まで延ばすことができる。よって、コア突極48のうち周方向に対向する両側面48bを案内部50に接触させることができる。これにより、例えばロータ23の回転時にマグネットカバー45の空転をコア突極48で抑制できる。
図3、図4に示すように、円筒部45aのうち、回転軸27の端面27a(図2参照)の反対側の一端45dから径方向内側に第1のフランジ45bが張り出されている。第1のフランジ45bは、第1のマグネットホルダ44Aのマグネット保持部44c(図2参照)の表面に当接されている。円筒部45aのうち、回転軸27の端面27a側の他端45eから径方向内側に第2のフランジ45cが張り出されている。第2のフランジ45cは、第2のマグネットホルダ44Bのマグネット保持部44cの表面に当接されている。
このように、第1のフランジ45bが第1のマグネットホルダ44Aのマグネット保持部44cの表面に当接され、第2のフランジ45cが第2のマグネットホルダ44Bのマグネット保持部44cの表面に当接されている。これにより、第1のマグネットホルダ44A及び第2のマグネットホルダ44Bが、マグネットカバー45によりロータコア42と一体に保持されている。
すなわち、ロータ23は、例えば回転軸27にロータコア42が固定された状態において、ロータコア42にマグネット43A,43Bがマグネットカバー45の円筒部45aにより固定されている。また、ロータコア42に第1、第2のマグネットホルダ44A,44Bがマグネットカバー45の第1のフランジ45b及び第2のフランジ45cにより固定されている。
これにより、回転軸27、ロータコア42、マグネット43A,43B、第1、第2のマグネットホルダ44A,44B、及びマグネットカバー45によりロータ23が一体に組み付けられている。
<マグネットカバーの組付方法>
図4、図5に示すように、ロータコア42が回転軸27に固定された状態において、ロータコア42のコア端面42aに、第1のマグネットホルダ44Aが接触されている。また、ロータコア42のコア端面42bに、第2のマグネットホルダ44Bが接触されている。さらに、第1のマグネットホルダ44A及び第2のマグネットホルダ44Bの軸方向の間に、マグネット43A,43Bが配置されている。さらに、マグネット43A,43Bは、隣り合うコア突極48の間に配置されている。
図6に示すように、マグネット43A,43Bにマグネットカバー45が嵌合される。ここで、マグネット43A,43Bに嵌合される前のマグネットカバー45は、他端45e側の第2のフランジ45cが想像線で示すようにかしめられていない状態で径方向外側に広がる末広がり状に形成されている。
この状態において、マグネットカバー45の第2のフランジ45cが第1のマグネットホルダ44Aを経てマグネット43A,43Bの外径面43d(図4参照)に矢印A方向へ嵌合する。これにより、マグネットカバー45の円筒部45aがマグネット43A,43Bの外径面43d(特に、中点43e(図7参照))に圧入した状態で嵌合される。
ここで、マグネットカバー45は、他端45e側の第2のフランジ45cがかしめられていない状態で径方向外側に傾斜状に広げられている。このため、マグネットカバー45の第2のフランジ45cが第1のマグネットホルダ44Aを経てマグネット43A,43Bの外径面43dに矢印A方向へ嵌合する際に、第2のフランジ45cがコア突極48の外端48aに干渉(接触)することを回避できる。これにより、マグネット43A,43Bの外径面43dにマグネットカバー45の円筒部45aを圧入した状態で嵌合できる。
この状態において、マグネットカバー45の第2のフランジ45cが第2のマグネットホルダ44Bの下方に突出する。突出したマグネットカバー45の第2のフランジ45cを径方向内側にかしめることにより、第2のマグネットホルダ44Bのマグネット保持部44c(図4参照)の表面に第2のフランジ45cが接触(当接)する。
図3、図4に示すように、回転軸27、ロータコア42、マグネット43A,43B、第1、第2のマグネットホルダ44A,44B、及びマグネットカバー45がロータ23に一体に組み付けられる。
<減速機部>
図2に示すように、減速機部30は、ウォーム軸31と、ウォーム軸31に噛合されるウォームホイール32と、により構成されている。
ウォーム軸31は、軸受部16A,16Bの中間部において、モータ部20の回転軸27の外周面に、螺旋状に連続するウォームギア部31gが形成されることで、回転軸27の一部として形成されている。
ウォームギア部31gは、その外径が、ウォーム軸31(回転軸27)の外径よりも大きくなるよう形成されている。このようなウォームギア部31gは、転造により形成されている。
なお、ウォーム軸31は、モータ部20の回転軸27とは別体として構成し、ウォーム軸31と回転軸27とを連結することで一体化してもよい。
ウォームホイール32は、円盤状で、その外周面にウォーム軸31のウォームギア部31gに噛み合う外周ギア部32gを有している。ウォームホイール32は、ハウジング本体11の減速機収容部13のホイール収容凹部15に収容されている。
ウォームホイール32において、減速機収容部13の底部13bに対向する側には、このウォームホイール32の径方向中央から突出する出力軸33が設けられている。出力軸33はウォームホイール32の回転中心と同軸上に配置されている。出力軸33の先端部は、ハウジング本体11に形成されたボス部19の貫通孔を介してハウジング本体11の外部に突出している。出力軸33の先端部には、不図示の電装品と接続可能なスプライン33aが形成されている。
<減速機付モータの動作>
次に減速機付モータ1の動作について説明する。
減速機付モータ1は、不図示のコントローラ部からモータ部20の各巻線26に電力が供給されると、ステータ22(ティース25)に所定の磁界が形成される。この磁界を受けて、磁界とロータ23のマグネット43A,43Bとの間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータ23が継続的に回転する。
図3に示すように、マグネットカバー45の案内部50からコア突極48の外端48aの全部を外部に露出させるようにした。これにより、コア突極48の外端48aとステータ22の内周面22a(図2参照)とのエアギアップを小さく抑えることができ、モータ特性(モータトルク)を高めることができる。
図2に示すように、ロータ23が回転すると、回転軸27と一体化されたウォーム軸31が回転し、さらにウォーム軸31に噛合されているウォームホイール32が回転する。そして、ウォームホイール32に連結された出力軸33が回転し、所望の電装品が駆動される。
[第2実施形態]
次に、図8に基づいて、第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態におけるロータ100を示す斜視図である。第2実施形態のロータ100において第1実施形態と同一、類似の構成部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図8に示すように、ロータ100は、第1実施形態のロータ23のマグネットカバー45をマグネットカバー102に代えたもので、その他の構成は第1実施形態のロータ23と同様である。
マグネットカバー102は、円筒部45aに複数の案内部104を有する。案内部104は、円筒部45aのうち、コア突極48の外端48aに対向する部位に形成されたスリット105を有する。案内部104は、マグネットカバー45の軸方向における他端45e及び第2のフランジ45cに開口(貫通)する開口部104aを有する。
このため、マグネットカバー102は、マグネット43A,43B(図5参照)に圧入する際に、第2のフランジ45cを径方向外側に広がる末広がり状とすることにより、案内部104に開口部104aからコア突極48の外端48aを通過できる(嵌合できる)。これにより、マグネットカバー102をマグネット43A,43Bに圧入する際に、コア突極48の外端48aが妨げになるおそれがない。
さらに、第2実施形態のロータ100によれば、第1実施形態のロータ23と同様の効果を奏する。
[変形例1]
第2実施形態の変形例1として、円筒部45aのうち、第2のフランジ45c側の他端45eに止め輪(リング)を周方向へ巻き付けてもよい。これにより、例えばロータ100の回転時に、マグネットカバー102の他端45e及び第2のフランジ45cを第2のマグネットホルダ44Bに保持できる。
[変形例2]
また、第2実施形態の変形例2として、案内部104は、マグネットカバー45の軸方向における一端45d及び第1のフランジ45b(図4参照)に開口(貫通)する開口部を形成してもよい。この場合、第2のフランジ45c側の他端45eと同様に、第1のフランジ45b側の一端45dにも止め輪を周方向へ巻き付ける。これにより、例えばロータ100の回転時にマグネットカバー102の一端45d及び第1のフランジ45bを第2のマグネットホルダ44A(図4参照)に保持できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、減速機付モータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな電気機器に減速機付モータ1を採用できる。また、さまざまな電気機器にモータ部20のみを採用することもできる。
1…減速機付モータ(モータ)、20…モータ部(モータ)、22…ステータ、23…ロータ、25…ティース、26…巻線(コイル)、27…回転軸、42…ロータコア、43A,43B…マグネット、43d…マグネットの外径面(外周面)、45,102…マグネットカバー、45d…マグネットカバーの一端(マグネットカバーの両端のうちの一端)、45e…マグネットカバーの他端(マグネットカバーの両端のうちの他端)、45f…カバー内径面(マグネットカバーの内径面)、47…コア基端部、47b…コア基端部の外周面(ロータコアの外周部)、48…コア突極(突極)、48a…コア突極の外端(外端)、50,104…案内部、50a…第1スリット端(案内部の両端のうちの一端)、50b…第2スリット端(案内部の両端のうちの他端)、51,105…スリット、104a…開口部、L1…第1軸方向寸法(軸線方向の長さ)、L2…第2軸方向寸法(軸線方向の長さ)、L3…第3軸方向寸法(軸線方向の長さ)、R1…外形寸法、R2…内径寸法

Claims (5)

  1. 複数のティースを有する環状のステータと、
    前記ティースに巻回されるコイルと、
    前記ステータに対して軸線回りに回転するロータと、
    を備え、
    前記ロータは、
    前記軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸と一体に回転するように支持され、前記回転軸の回転方向に間隔をおいて前記軸線方向及び前記回転方向と直交する径方向の外側へ向かって突出された複数の突極を有するロータコアと、
    前記ロータコアの外周部において前記回転軸の前記回転方向で隣り合う前記突極の間に配置された複数のマグネットと、
    前記マグネットの外周面を覆うマグネットカバーと、
    を備え、
    前記マグネットカバーは、前記突極のうち前記ステータに前記径方向で対向する外端の全部が少なくとも露出するように、前記軸線方向に沿うスリットが形成された案内部を有する
    ことを特徴とするモータ。
  2. 前記突極は、前記突極の前記外端における前記径方向の最外側端を通る仮想円の外径寸法が前記マグネットカバーの内径面の内径寸法より大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記案内部は、前記軸線方向において前記マグネットカバーの両端の間に配置されるように、前記案内部の前記軸線方向の長さが前記マグネットカバーの軸線方向の長さよりも小さい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ。
  4. 前記突極は、
    前記軸線方向において前記案内部の両端の間に配置されるように、前記突極の前記軸線方向の長さが前記案内部の前記軸線方向の長さよりも小さい
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ。
  5. 前記案内部は、前記マグネットカバーの前記軸線方向における両端のうちの一端に形成され、前記突極の外端を通過できる開口部を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ。
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