JP7235200B2 - 超硬合金および切削工具 - Google Patents
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Description
「(1)Co、Ni、Feの少なくとも1種を4.0~15.0質量%、M(Mは、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Vの少なくとも1種)をMCで2.0~12.0質量%、さらに、Crを0.0~0.8質量%のCr3C2 で換算して含有し、残部がWCおよび不可避不純物からなり、
前記Co、Ni、Feの少なくとも1種は結合相に含まれ、
前記MCはγ相の主体であり、
前記WCは硬質相の主体であって、
前記硬質相の平均粒径は、0.2~4.0μmで、
前記γ相の平均粒径は、前記硬質相の平均粒径の1.5~4.0倍であって、4.0~8.0μmであり、
前記γ相の800℃おける硬さは、前記硬質相の800℃における硬さの20~60%であり、
前記γ相のうち、その周囲が前記硬質相と接し、かつ、前記結合相には接していないものの占める個数割合が10%以上である、
ことを特徴とする超硬合金。
(2)前記(1)に記載の超硬合金の表面に硬質皮膜を有することを特徴する切削工具。」
硬質相はWCを主体とする。硬質相は、製造過程で不可避的に混入する不可避不純物を含んでいてもよい。
また、硬質相の平均粒径は、2.0~4.0μmが好ましい。その理由は、2.0μm未満であると、硬質相同士の滑りが生じて耐塑性変形性や耐欠損性が十分ではなく、一方、4.0μmを超えると、十分な耐摩耗性が得られないためである。硬質相の平均粒径は、2.2~3.6μmがより好ましい。
結合相は、Co、Ni、Feの鉄族元素の少なくとも1種以上(すなわち、Co、Ni、Feのいずれか一つであってもよいし、複数を組み合わせてもよい)を、超硬合金全体に対して4.0~15.0質量%含むことが好ましい。結合相中には、硬質相の成分であるWやC、その他の不可避的不純物が含まれていてもよい。さらに、結合相は、Cr、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Vの少なくとも1種を含んでいてもよい。これら元素が結合相中に存在するときは、結合相に固溶した状態であると推定される。
なお、結合相のCo、Ni、Feの鉄族元素の質量%は、超硬合金の任意の表面または断面を前述の方法により鏡面加工し、その加工面を蛍光X線分折測定することにより求める。
γ相は、MC(Mは、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Vの少なくとも1種)で表される炭化物を主体とする。この炭化物は、化学量論的な原子比で結合した炭化物に限定されず、MとCが結合した複合炭化物を含む炭化物すべてをいう。
(硬質相に接しかつ結合相に接しないγ相個数の和)/(すべてのγ相の個数の和)×100
を求めて、平均値を算出することによって得る。
前記のように、硬質相、結合相は製造過程で不可避的に混入する不純物を含んでいてもよく、その量は超硬合金全体に対して0.3質量%以下が好ましい。
本発明の切削工具は、本発明の超硬合金に硬質皮膜を形成したものである。硬質皮膜の種類、成膜法は、それぞれ、当業者に既によく知られている膜種、成膜手法を採用すればよく、特に、制限するものではない。あえて例示をするならば、物理蒸着法(PVD法)または化学蒸着法(CVD法)により、Ti、Al、Cr、BおよびZrからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素と、C、NおよびOからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素とを必須とする単層又は多層の硬質皮膜が有用である。具体的には、例えば、TiC、CrC、SiC、VC、ZrC、TiN、AlN、CrN、VN、ZrN、Ti(CN)、(TiSi)N、(TiB)N、(TiZr)N、TiAl(CN)、TiCr(CN)、TiZr(CN)、Ti(CNO)、TiAl(CNO)、Ti(CO)、(TiCr)N、(TiAlCr)N、(AlCr)N、Al2O3およびTiB2等の単層または多層の皮膜が挙げることができ、硬質皮膜の膜厚は、例えば1.0~15.0μmである。
本発明の超硬合金は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、WC粉末、Co、Ni、Fe粉末の少なくとも1種、必要により、Cr3C2粉末からなる原料粉末、さらに、γ相を形成するための原料粉末(TaC粉末、NbC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、HfC粉末、VC粉末のうちの1種以上)を、本発明の超硬合金で規定する組成となるように配合し、ボールミルで混合して、混合粉末を作製する。
その後、この焼結体成形体(焼結合金)を機械加工、研削加工し、所望の大きさ・形状の超硬工具基体を作製する。
次に、これらの粉末を、表1に示す配合組成となるように配合して、焼結用粉末を作製し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で、ANSI呼び記号CNMG432MHの形状を得るべくプレス成形して圧粉成形体を作製した。
その製造工程は、本発明工具基体1~2の製造工程において、前記仮焼結工程を省略したものである。
前記各被覆工具について、以下に示す、乾式の外周連続切削加工を実施し、切れ刃の逃げ面塑性変形量を測定するとともに、切れ刃の損耗状態を観察した。
被削材:SNCM439のφ200丸棒
切削速度:300m/min
切り込み:2.0mm
送り:0.2mm/rev
切削時間:5分
表6にその結果を示す。
すなわち、γ相が硬質相と適切に接触しているため、耐塑性変形性に優れ、かつ、刃先が塑性変形する際にγ相が変形することでγ相周辺の硬質相同士の界面およびγ相と硬質相の界面に発生する応力集中が緩和され、破壊の起点となるキャビティの発生が抑制され、塑性変形起因の刃先の欠損が抑制される。
Claims (2)
- Co、Ni、Feの少なくとも1種を4.0~15.0質量%、M(Mは、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Vの少なくとも1種)をMCで2.0~12.0質量%、さらに、Crを0.0~0.8質量%のCr3C2 で換算して含有し、残部がWCおよび不可避不純物からなり、
前記Co、Ni、Feの少なくとも1種は結合相に含まれ、
前記MCはγ相の主体であり、
前記WCは硬質相の主体であって、
前記硬質相の平均粒径は、0.2~4.0μmで、
前記γ相の平均粒径は、前記硬質相の平均粒径の1.5~4.0倍であって、4.0~8.0μmであり、
前記γ相の800℃おける硬さは、前記硬質相の800℃における硬さの20~60%であり、
前記γ相のうち、その周囲が前記硬質相と接し、かつ、前記結合相には接していないものの占める個数割合が10%以上である、
ことを特徴とする超硬合金。 - 請求項1に記載の超硬合金の表面に硬質皮膜を有する切削工具。
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