JP7231204B2 - シートクッション - Google Patents
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Description
この従来のシートクッションは、複数のベルトを有し、各ベルトをシートの背もたれおよびヘッドレストに巻き付けて固定するようにしている。
このような課題を前記従来のシートクッションでは解消することができない。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、使用範囲および用途が広いシートクッションを提供することを目的とする。
前記背当て部における背もたれ面と対向する裏面に、背もたれの上端または背もたれの上端に設けられたヘッドレストを下方から挿入することにより前記背当て部を背もたれ面に位置決めする挿入部が設けられたシートクッションが提供される。
これにより、車両のシートに装着されたシートクッションの背当て部にて着座者の頭部から背部に亘って支持することができると共に、アーム部にて着座者の少なくとも左右一方の腕を支持することができる。
なお、本発明のシートクッションは、車両のシートに限らず、椅子(肘掛けおよび/またはヘッドレストを有する椅子、車椅子等を含む)への装着も可能であり、その使用例および作用効果について詳しくは後述する。
図1は本発明に係るシートクッションの第1実施形態を示す表面側から視た斜視図であり、図2は第1実施形態のシートクッションを裏面側から視た斜視図である。また、図3は第1実施形態のシートクッションの左側面図であり、図4は第1実施形態のシートクッションの内部構造を示す正面側から視た一部断面図である。また、図5は第1実施形態のシートクッションの正面側から視た使用状態の斜視図であり、図6は第1実施形態のシートクッションの裏面側から視た使用状態の斜視図である。なお、本明細書において、シートクッションの前後左右上下方向は使用状態での向きを指している。
図1~図6に示すように、このクッションシート1は、座席の背もたれの背もたれ面に位置決めされる背当て部2と、背当て部2に薄肉部4を介して連結された少なくとも左右一方のアーム部3とを有する。ここで、「座席」とは、乗用車やトラック等の車両のシートおよび背もたれを有する椅子(肘掛けおよび/またはヘッドレストを有する椅子、車椅子等を含む)を意味する。
袋体10aは、孔部10bを有する略U字形の2枚の生地の周囲部および孔部10bの周囲部を縫い合わせて形成されている。この生地としては、例えば、ストレッチ試験で30~300%の伸縮性を有する生地、具体的には、弾性を有するスパンデックス(ポリウレタン弾性糸)を用いることができる。なお、袋体10aの生地は伸縮性を有さないものでもよいが、粒子状物の流動性が容易となる上で伸縮性を有する生地が好ましい。
第1実施形態のシートクッション1は、例えば図5および図6に示すように、車両のシート90に装着して使用することができる。装着の際は、挿入部5の生地を引っ張って開口部5aを大きく開き、背当て部2が背もたれ91の背もたれ面91a側に位置するようにしてヘッドレスト92を挿入部5内に入れ込むことにより完了する。
また、左右のアーム部3のアームレストとしての役割が不要な場合は、左右のアーム部3を着座者Uの背部側へ移動させることにより、背当て部2と左右のアーム部3とによって着座者Uの後頭部から腰部に亘る範囲を連続的に支持することもできる。
また、車椅子の場合、左右のアーム部3は着座者と左右の肘掛けとの間の隙間から前方へ突出して膝上(太股上)に配置されることになる。そのため、左右のアーム部3の先端側を台代わりにして本や雑誌等の書物を置くと、書物を持ち上げずに読むことができるため腕の疲労が軽減する。さらに、左右の肘置き上に置いた左右のアーム部3に左右の腕を載せてリラックスすることもできる。この点は、肘置きを有する椅子についても同様である。
図7は第2実施形態のシートクッションを示す表面側から視た斜視図である。なお、図7において、図2中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図7に示すように、第1実施形態のシートクッション1はポケット形の挿入部5を有するものであるが、挿入部5はポケット形に限定されず、図7に示すような、開口部25aaを形成する横ベルト部25aと、背もたれの上端またはヘッドレストに引っ掛かる縦ベルト部25bとを有する部材によって挿入部25を形成してもよい。
なお、第2実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図8は第3実施形態のシートクッションを示す背面図である。なお、図8において、図2中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図8に示すように、第3実施形態のシートクッション31は、背当て部2における裏面1aに、具体的には、背当て部2における薄肉部4の近傍位置に、滑り止め材32が設けられている。
滑り止め材32としては、座席に対して摩擦抵抗の大きなシート材が好ましく、例えば、ゴムシート、生地の表面に滑り止め剤(例えば、シリコン樹脂)をプリントしたシート、生地の表面に滑り止めシートを融着したシート等を用いることができる。
なお、第3実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図9は第4実施形態のシートクッションを示す正面図である。なお、図9において、図1中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第4実施形態のシートクッション41は、一対のアーム部3の先端側の表面(正面)1bに滑り止め材42が設けられている。
なお、図9では、ストライプ状の凸条を有する楕円形の滑り止め材42を例示しているが、アーム部3の外面を一周するように滑り止め材42を筒状に形成してもよい。
滑り止め材42を設けることにより、アーム部3上に置いた手や物が滑り落ちにくくなって安定する。
なお、第4実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図10は第5実施形態のシートクッションを示す正面図であり、図11は第5実施形態のシートクッションの使用状態を示す裏面側から視た斜視図である。なお、図10および図11において、図1および図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図10と図11に示すように、第5実施形態のシートクッション51は、一対のアーム部3のそれぞれの先端に互いに連結分離可能な連結具が設けられている。
なお、図10および図11では、連結具として、フック部52aとループ部52bを有する面状ファスナー52を用いた場合を例示しているが、その他の連結具としては、例えば、ホック(スナップボタン)、差し込み式バックル、フック金具、磁石等が挙げられる。
なお、第5実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図12は第6実施形態のシートクッションを示す正面図であり、図13は第6実施形態のシートクッションの使用状態を示す裏面側から視た斜視図である。なお、図12および図13において、図2および図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図12と図13に示すように、第6実施形態のシートクッション61は、一対のアーム部3の先端側における表面1bにポケット部62が設けられている。なお、一対のアーム部3の先端側における裏面1aにポケット部62が設けられてもよく、表面1bと裏面1aの両方にポケット部62が設けられてもよい。
なお、第6施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図14は第7実施形態のシートクッションを示す背面図であり、図15は第7実施形態のシートクッションの使用状態を示す裏面側から視た斜視図である。なお、図14および図15において、図2および図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図14と図15に示すように、第7実施形態のシートクッション71は、挿入部5の外面に物品を引っ掛け可能な輪部72が設けられている。
輪部72は、例えば、細長い帯状の生地を輪状にして挿入部5の外面に縫い付けることにより形成することができる。
なお、第7実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図16は第8実施形態の分解したシートクッションの(A)は正面図、(B)は背面図である。
前記第1~第7実施形態ではシートクッションの各部が一体形成された場合を例示したが、第8実施形態のシートクッション81は背当て部82に対して一対のアーム部83が着脱可能に構成されている。なお、図16(A)および(B)において、符号83aは薄肉部、85はポケット形の挿入部である。
図16(A)および(B)では、各アーム部83の切断部の表面にフック部84aがそれぞれ設けられ、背当て部82の2箇所の切断部の裏面にループ部84bがそれぞれ設けられた場合を例示している。なお、背当て部82にフック部84aを設け、各アーム部83にループ部84bを設けてもよい。また、面状ファスナーの代わりにホック(スナップボタン)、差し込み式バックル、フック金具等を用いてもよい。
なお、第8実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
図17は第9実施形態のシートクッションを示す正面図である。なお、図17において、図1中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第1~第8実施形態では左右一対のアーム部を有するシートクッションを例示したが、第9実施形態のシートクッション91は背当て部2にアーム部3が左右一方のみ連設されて構成されている。
図17では、背当て部2に左のアーム部3のみが連設されてなるシートクッション91を例示しているが、背当て部2に右のアーム部のみが連設されてなるシートクッションであってもよい。
なお、第9実施形態において、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
第1実施形態ではクッションカバー内にクッション本体を収納し、かつ、クッションカバーの裏面に挿入部を設けた場合を例示したが、クッションカバーを省略し、クッション本体の裏面に挿入部を設けてもよい。
本発明のシートクッションは、座席の背もたれの背もたれ面に装着される背当て部と、前記背当て部に連結された少なくとも1つのアーム部とを有し、
前記背当て部における背もたれ面と対向する裏面に、背もたれの上端または背もたれの上端に設けられたヘッドレストを下方から挿入することにより前記背当て部を背もたれ面に位置決めする挿入部が設けられたものである。
この構成によれば、シートクッションの座席への装着および取り外しを迅速かつ容易に行うことができる。
また、アーム部をアームレストとして使用することができるため、アームレストまたは肘掛けを有さない座席(車両のシート、オフィスや住宅内の椅子等)に本発明のクッションシートを装着すれば着座者の腕をアーム部に載せてリラックスすることができる。
また、肘掛けを有する椅子や車椅子にシートクッションを装着することも可能である。この場合、例えば、車椅子に座る着座者は両腕を肘掛けに載せ続けると肘や腕が痛くなることがあるため、膝上に乗せたアーム部に腕を置くことにより肘や腕をリラックスさせることができる。さらに、アーム部を台代わりにして本や雑誌を置いて読むといったことも可能となる。なお、肘掛けを有する椅子や車椅子にシートクッションを装着した場合、アーム部は柔らかいため、着座者と肘掛けの間の隙間から膝上の方へ自由に湾曲させることができる。
また、座席から取り外したシートクッションは枕や抱き枕として使用することもできる。
この構成によれば、ベルト等にて縛って固定する場合と比べて、シートクッションの座席への装着および取り外しを簡単に行えると共に、見た目にすっきりとしたデザインとなる。
また、座席から取り外したシートクッションを枕として使用する場合、例えば、裏面側を上に向け、ポケット形の挿入部に使用者の頭を入れて寝ることができる。そのため、寒い場所での就寝時には顔を冷たい外気にさらしにくくすることができる、あるいはアイマスクのように光を遮断することができる、といった使用が可能となる。
この構成によれば、一対のアーム部に着座者の左右の腕をそれぞれ載せてリラックスすることができる。また、ゲームコントローラを持ちながら両腕を一対のアーム部に載せてゲーム(例えば、eスポーツ)をする、一対のアーム部を介して両腕を机やテーブル上に置いてパソコンのキーボードを打つといったことが可能となる。そのため、比較的長い時間着座姿勢を続ける着座者の両腕の負担を軽減することができる。
この構成によれば、一対のアーム部の先端を連結具にて連結することができるため、連結した左右のアーム部に安定的に手を組んでリラックスすることができる。また、一対のアーム部の連結部周辺に物を置くことが可能となる。例えば、携帯情報端末(所謂スマートフォン、タブレット等)を置いて動画を観たりゲームをする、ノートパソコンを置いて文書を作成する、本や雑誌を置いて読む、弁当を置いて食べる等の様々な行為を、一対のアーム部の連結部周辺を台代わりに使用して行うことができて非常に便利である。特に、机やテーブルが無い車内や室内においても快適に過ごすことができるメリットがある。
この構成によれば、ポケット部に手を入れた状態で腕をアーム部上に載せてリラックスすることができるため、手がアーム部上からずり落ちず安定する。また、寒い車内においてはポケット部を手袋代わりに使用したり、あるいはポケット部に使い捨てカイロを入れて手を温めることもできる。
この構成によれば、滑り止め材を設けることにより、シートクッションを座席に装着すると背当て部の横ずれを抑制すると共に、シートクッションを座席に装着せず置いて使用しても背当て部のずり下がりを抑えることができる。
この構成によれば、アーム部上に置いた手や物が滑り落ちにくくなって安定する。
この構成によれば、薄肉部を設けることにより、座席の背もたれ面に沿って配置される背当て部に対してアーム部を前方へ容易に折り曲げることができる。
この構成によれば、アーム部を着座者の腹部側に曲げやすくなる。
この構成によれば、シートクッションを座席に装着した状態において、例えば、着座者や同乗者の上着を掛けるためのハンガーを輪部に引っ掛けて吊しておくことができて便利である。また、輪部にはハンガー以外の物、例えば、車内用の小物入れも吊すことができるため、車内に収納部を増設することができると共に、小物整理できて便利になる。
この構成によれば、背当て部とアーム部とを分離した状態で使用することが可能となる。例えば、一対のアーム部のうちの一方は背当て部と連結して使用し、他方のアーム部は使用しないため取り外しておくといった使い方や、両方のアーム部を使用しないため背当て部から取り外しておくといった使い方をすることができる。具体的には、運転席には背当て部のみを装着し、助手席の着座者や後部座席の着座者がアーム部を膝に載せて台代わりに使用する、といった使い方をすることができる。また、座席から取り外したシートクッションを背当て部と2つのアーム部に分解してそれぞれを枕として使用する、といった使い方も可能となる。
1a 裏面
2、82 背当て部
3、83 アーム部
3a、4、83a 薄肉部
5、25 挿入部
32、42 滑り止め材
52 面状ファスナー(連結具)
62 ポケット部
72 輪部
90 シート(座席)
91 背もたれ
91a 背もたれ面
92 ヘッドレスト
Claims (10)
- 座席の背もたれの背もたれ面に装着される背当て部と、前記背当て部に連結された少なくとも1つのアーム部とを有し、
前記背当て部における背もたれ面と対向する裏面に、背もたれの上端または背もたれの上端に設けられたヘッドレストを下方から挿入することにより前記背当て部を背もたれ面に位置決めする挿入部が設けられ、
前記背当て部と前記アーム部との間にそれらの周囲部の厚みよりも薄い薄肉部が設けられたシートクッション。 - 前記挿入部がポケット形に形成されている請求項1に記載のシートクッション。
- 前記アーム部が、前記背当て部に連結された一対のアーム部からなる請求項1に記載のシートクッション。
- 前記一対のアーム部のそれぞれの先端に互いに連結分離可能な連結具が設けられた請求項3に記載のシートクッション。
- 前記アーム部の先端側にポケット部が設けられた請求項1~4のいずれか1つに記載のシートクッション。
- 前記背当て部における前記裏面に滑り止め材が設けられた請求項1~5のいずれか1つに記載のシートクッション。
- 前記アーム部の先端側に滑り止め材が設けられた請求項1~6のいずれか1つに記載のシートクッション。
- 前記アーム部がその長手方向の中間部に薄肉部を有する請求項1~7のいずれか1つに記載のシートクッション。
- 前記挿入部に物品を引っ掛け可能な輪部が設けられた請求項1~8のいずれか1つに記載のシートクッション。
- 前記背当て部に対して前記アーム部が着脱可能である請求項1~9のいずれか1つに記載のシートクッション。
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