JP7221030B2 - 液晶組成物の製造方法 - Google Patents
液晶組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7221030B2 JP7221030B2 JP2018215721A JP2018215721A JP7221030B2 JP 7221030 B2 JP7221030 B2 JP 7221030B2 JP 2018215721 A JP2018215721 A JP 2018215721A JP 2018215721 A JP2018215721 A JP 2018215721A JP 7221030 B2 JP7221030 B2 JP 7221030B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- crystal composition
- glyceryl ether
- water
- active ingredient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Description
しかし、提案された液晶組成物は、有効成分を皮膚に十分に浸透できないとの問題がある。
更に、前記ベシクルはリン脂質から形成されることが多く、前記リン脂質から形成されるベシクルをリポソームと呼ぶ。しかし、前記リポソームは、例えば、pH、温度、電解質などの影響を受けやすいことが知られている。
経時安定性に問題があると、内包した薬剤が皮膚を通して確実に吸収されないなどの不具合が発生する。このため、経時安定性に問題のない液晶組成物が望まれてきた。
<1> モノアルキルグリセリルエーテルと、分散剤と、水とを含有し、
前記モノアルキルグリセリルエーテルと、前記分散剤との総質量に対し、前記水の総質量が10%のときに透明液体相を形成することを特徴とする液晶組成物である。
<2> モノアルキルグリセリルエーテルと、分散剤と、水とを含有し、
角層細胞間脂質モデルの表面に配したとき、小角X線散乱測定において、3.98nm±0.5nmの範囲にピークを有さないことを特徴とする液晶組成物である。
<3> 前記モノアルキルグリセリルエーテルが、イソステアリルグリセリルエーテルである前記<1>から<2>のいずれかに記載の液晶組成物である。
<4> 前記分散剤が、ポリエチレングリコール硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の液晶組成物である。
<5> 前記モノアルキルグリセリルエーテルと前記分散剤との質量比(モノアルキルグリセリルエーテル/分散剤)が、1~5である前記<1>から<4>のいずれかに記載の液晶組成物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の液晶組成物を製造する液晶組成物の製造方法であって、
前記モノアルキルグリセリルエーテルと水溶性溶媒とを混合して液晶を形成する工程と、
前記液晶を分散させる工程と、
を含むことを特徴とする液晶組成物の製造方法である。
<7> 前記液晶を形成する工程が、前記モノアルキルグリセリルエーテルと、前記分散剤との混合物を生成した後、
前記混合物と前記水溶性溶媒とが混合されることにより行われる前記<6>に記載の液晶組成物の製造方法である。
<8> 前記分散剤が、ポリエチレングリコール硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体の少なくともいずれかである前記<6>から<7>のいずれかに記載の液晶組成物の製造方法である。
<9> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の液晶組成物を含有する化粧料である。
<10> 多価アルコールを更に含む前記<9>に記載の化粧料である。
本発明の液晶組成物は、モノアルキルグリセリルエーテルと、分散剤と、水とを含有し、必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明の液晶組成物は、前記モノアルキルグリセリルエーテルと、前記分散剤との総質量に対し、前記水の総質量が10%のときに透明液体相を形成する。
本発明の液晶組成物は、角層細胞間脂質モデルの表面に配したとき、小角X線散乱測定において、3.98nm±0.5nmの範囲にピークを有さない。
前記モノアルキルグリセリルエーテルは、非イオン性界面活性剤の1種である。
特定の濃度のモノアルキルグリセリルエーテルを含む水溶液中で、前記モノアルキルグリセリルエーテルは、液晶などの会合体を形成する。
液晶組成物中の液晶の形態としては、例えば、非連続型キュービック液晶、ヘキサゴナル液晶、ラメラ液晶、逆ヘキサゴナル液晶、非連続型逆キュービック液晶などが挙げられる。これらの中でも、液晶組成物中の液晶の形態としては、逆ヘキサゴナル液晶、ラメラ液晶が好ましい。
水中に存在する液晶組成物中の形態が逆ヘキサゴナル液晶の場合、モノアルキルグリセリルエーテルは、親水性部分を内側に、疎水性部分を外側に向けて配向する。
ヘキサゴナル液晶と逆ヘキサゴナル液晶との違いは、モノアルキルグリセリルエーテルの種類による分子膜の曲率の違いに基づく。
前記液晶組成物中、前記逆ヘキサゴナル液晶は、分散された状態が好ましい。前記逆ヘキサゴナル液晶が分散された状態で含有される液晶組成物は、ヘキソソームとも呼ばれる。
液晶組成物中の形態がラメラ液晶の場合、モノアルキルグリセリルエーテルは、親水性部分及び疎水性部分を、それぞれ同じ向きに揃え、層を形成するように配向する。
前記透明液体相は、前記モノアルキルグリセリルエーテルが無限会合した状態である。前記モノアルキルグリセリルエーテルが無限会合した状態とは、前記モノアルキルグリセリルエーテルが、大量の水を抱え込んだ状態をいう。前記透明液体相は、無色透明の外観を呈する。
したがって、前記液晶組成物が有効成分を内包する場合、水を多く含み液晶の形態である前記液晶組成物中では、有効成分を長期間安定に保持する。そして、皮膚表面などに塗布された場合、水の揮発により前記液晶組成物が相転移して透明液体相を形成し、角層に作用することで、有効成分を効果的に皮膚に浸透させることができる。
例えば、以下のようにして液晶組成物の透明液体相の透明性を求めることができる。イソステアリルグリセリルエーテル3g、及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)4gを70℃に加温して、手撹拌で混合する。更に、70℃に加温したイオン交換水1gを加え、手撹拌で混合して、サンプル1とする。
同様に、イソステアリルグリセリルエーテル5g、及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)2gを70℃に加温して、手撹拌で混合する。更に、70℃に加温したイオン交換水1gを加え、手で撹拌することで混合し、サンプル2とする。
前記サンプル1及び2を1ヵ月間静置する。その後、石英セル(光路長:1cm)に前記サンプル1及び2をそれぞれ充填する。分光光度計において、波長:500nmの入射光I0を照射し、透過光Iを測定する。また、ランベルト・ベールの法則「A=log(I0/I)」を用いて、吸光度Aを算出する。
波長:500nmで測定したときの吸光度が1.6以下の場合、「透明」性を有すると定義する。
前記分光光度計としては、例えば、装置名:UVmini-1240(株式会社島津製作所製)を用いることができる。
前記モノアルキルグリセリルエーテルとしては、直鎖であってもよいし、分岐鎖を有していてもよい。また、飽和結合のみからなる構造でもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
炭素数が16以上18以下である前記モノアルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、モノセチルグリセリルエーテル(炭素数:16、直鎖構造)、モノステアリルグリセリルエーテル(炭素数:18、直鎖構造)、モノイソステアリルグリセリルエーテル(炭素数:18、分岐鎖を有する構造)、モノオレイルグリセリルエーテル(炭素数:18、二重結合を有する構造)などが挙げられる。これらの中でも、モノイソステアリルグリセリルエーテルが好ましい。
なお、本発明において、モノイソステアリルグリセリルエーテルを単に「イソステアリルグリセリルエーテル」とも称する。
前記市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソステアリルグリセリルエーテル(商品名:ペネトールGE-IS、花王株式会社製)などが挙げられる
本発明において、前記分散剤とは、前記モノアルキルグリセリルエーテルと前記分散剤との総質量に対し水の総質量が10%のときに、透明液体相を形成させるものを意味する。前記分散剤は、前記液晶組成物中で、前記モノアルキルグリセリルエーテルによる液晶を分散させる働きを有する。
また、前記分散剤は、前記モノアルキルグリセリルエーテルと、前記分散剤との総質量に対する水の総質量が10%のとき、相転移により、前記液晶を透明液体相に変化させる能力を有する。
なお、液晶組成物が分散剤を含有せず、前記モノアルキルグリセリルエーテル及び水のみの場合、皮膚上などで液晶組成物から水が揮発し、モノアルキルグリセリルエーテルの総質量に対して水の総質量が10%のときにも、相転移せず、透明液体相は形成されない。
なお、前記角層細胞間脂質モデルは、H. Watanabe et al., Novel preparation of intercellular lipid models of the stratum corneum containing stereoactive ceramide. Chem. Pharm. Bull. 58 (3), 312-317 (2010)に記載された角層細胞間脂質モデルを参照することができる。
96ウエルプレートの穴の中に作成した角層細胞間脂質モデルに、本発明の液晶組成物を滴下し、角層細胞間脂質モデルの表面全体に液晶組成物が行き渡るように配する。液晶組成物を角層細胞間脂質モデルの表面全体に配した後、96ウエルプレートを室温で24時間静置して、液晶組成物に含有される溶媒を飛ばした後、小角X線散乱測定を行う。
なお、本発明における「3.98nm±0.5nm」の「±0.5nm」は、測定装置の誤差を考慮してのものである。
前記ピークは、角層細胞間脂質モデルの一部のラメラ構造を示している。
前記角層細胞間脂質モデルをSAXS測定した際に、3.98nm±0.5nmの範囲にピークがないということは、前記ラメラ構造が消失したことが推測でき、即ち、角層細胞間脂質モデルの構造が変化したことが推測できる。つまり、前記ピークが消失した場合、前記液晶組成物が前記角層細胞間脂質モデルの表面に配されたとき、液晶の形態が変化し、透明液体相を形成したと推測することができる。
本願実施例178において偏光顕微鏡で観察した、異方性の筋状模様の逆ヘキサゴナル液晶を図3Aに、幾何学的模様の逆ヘキサゴナル液晶を図3Bに示す。また、本願実施例184において偏光顕微鏡で観察した、異方性の十字状模様のラメラ液晶を図3Cに、縞模様のラメラ液晶を図3Dに示す。
観察に用いる偏光顕微鏡としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
SAXS測定で前記液晶組成物を測定する場合、最も低角側のピーク(面間隔)を1とすると、逆ヘキサゴナル液晶は低角側から順に「1:1/√3:1/2」の比率で面間隔のピークが現れる。
また、最も低角側のピーク(面間隔)を1とすると、ラメラ液晶は低角側から順に「1:1/2:1/3」の比率で面間隔のピークが現れる。
前記モノアルキルグリセリルエーテル以外の界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非イオン性界面活性剤、高分子界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビット脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記アルキルエーテル系非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、「ポリエチレングリコール」は、「ポリオキシエチレン」や「PEG」と表記することがある。また、「ポリプロピレングリコール」は、「ポリオキシプロピレン」や「PPG」と表記することがある。
前記ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
前記ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
前記ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。なお、ポリオキシエチレン、及びポリオキシプロピレンのあとの( )内の数値は、それぞれエチレンオキシドの数、プロピレンオキシドの数を示す。
前記ポリエチレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどが挙げられる。
前記ポリエチレングリコールアルキルエーテルリン酸ナトリウムとしては、例えば、ポリオキシエチレンオレインエーテルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記共重合体としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体、(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、[(PEG240/デシルテトラデセル-20/HDI)コポリマー、トリセデス-6](ウレタン骨格を含む共重合体)などが挙げられる。なお、VPは、ビニルピロリドンの略である。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、精製水、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、液晶が内包する有効成分などが挙げられる。
前記有効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、アルブチン、グリチルリチン酸ジカリウム、トコフェロール、パルミチン酸レチノール、テトライソパルミチン酸アスコルビル、グリチルレチン酸ステアリル、ユビデカレノン、4-ビフェニル酢酸(4-Biphenylacetic acid、フェルビナク)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の液晶組成物の製造方法としては、モノアルキルグリセリルエーテルと水溶性溶媒とを混合して液晶を形成する工程と、前記液晶を分散させる工程と、を含み、更に必要に応じて有効成分を前記水溶性溶媒に混合する工程などのその他の工程を含む。
前記水溶性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、後述する化粧料に用いやすい点から、水が好ましい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、純水、イオン交換水などが挙げられる。
モノアルキルグリセリルエーテルと水溶性溶媒とを混合する方法としては、低いせん断力で撹拌する方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、手撹拌、プロペラ、ディスパーなどが挙げられる。
具体的な手順としては、まず、高いエネルギーを掛けず、モノアルキルグリセリルエーテルに分散剤を加えて混合物とし、加熱した水溶性溶媒中に低いせん断力で撹拌しながら添加することで目的とする液晶を形成させることが好ましい。ただし、高温での液晶状態は非常に不安定であり、別の液晶に転移しやすいため、前記混合物を形成後、水溶性溶媒を加えて液晶を冷却させることが好ましい。
なお、水溶性溶媒と分散剤とを先に混合し、その後モノアルキルグリセリルエーテルを加えて混合物とした場合、液晶は形成されるものの、経時安定性が不十分となる。
加熱温度としては、60℃以上90℃以下が好ましく、65℃以上75℃以下がより好ましい。
分散剤としては、前述のものを用いることが好ましい。
前記混合物と前記水溶性溶媒とを混合する方法は、前述のモノアルキルグリセリルエーテルと水溶性溶媒とを混合する方法と同様である。
具体的な手順としては、前記液晶を形成する工程の後、8000回転~10000回転の高いエネルギーで、得られた液晶を高せん断力で撹拌し、より細かく分散させることが好ましい。これにより、液晶の分散安定性を向上させることができる。
前記水溶性溶媒は、前述のものを用いることができる。水溶性溶媒としては、モノアルキルグリセリルエーテルと水溶性溶媒とを混合する工程に用いるものと、液晶を分散させる工程に用いるものとが、同じであってもよいし異なっていてもよい。
前記撹拌する装置としては、高いせん断力で撹拌する方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ホモミキサー、タービン、高速ホモミキサー、圧力式ホモジナイザーなどが挙げられる。
調製温度としては、15℃以上50℃以下が好ましく、20℃以上30℃以下がより好ましい。
本発明の化粧料は、液晶組成物を含み、多価アルコールを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記液晶組成物は、本発明の液晶組成物である。
前記多価アルコールとしては、通常の化粧料に用いることができるのであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記市販品としては、例えば、1,3-ブチレングリコール(商品名:1,3-ブチレングリコール、株式会社ダイセル製)、ジプロピレングリコール(商品名:DPG-RF、株式会社ADEKA製)、1,2-プロパンジオール(商品名:化粧品用濃プロピレングリコール、株式会社ADEKA製)などが挙げられる。
比較的粘度が低い化粧料の場合、前記水の量としては、化粧料全体に対して、80質量%以上90質量%以下が好ましい。前記比較的粘度が低い化粧料としては、例えば、化粧水などが挙げられる。
やや粘度が高い化粧料の場合、前記水の量としては、化粧料全体に対して、50質量%以上80質量%以下が好ましく、60質量%以上70質量%以下がより好ましい。前記やや粘度が高い化粧料としては、例えば、乳液、クリームなどが挙げられる。
モノアルキルグリセリルエーテルとしてのイソステアリルグリセリルエーテル(商品名:ペネトール GE-IS、花王株式会社製)5質量%、及び分散剤としてのポリエチレングリコール硬化ひまし油(2)(商品名:NIKKOL HCO-60、日光ケミカルズ株式会社製)5質量%を混合し、70℃に加温した。加温した溶液を、70℃のクエン酸緩衝液(5mmol/L、pH:5.9)と混合し、実施例1の液晶組成物(液晶の分散体)を製造した。
角層細胞間脂質モデルは、セラミド:コレステロール:パルミチン酸を42:15:43(質量比)の割合で、以下のような手順により調製し、用いた。
セラミドとしては、(2S,3R)-2-(2-ヒドロキシヘキサデカノイル)アミノオクダデカン-1,3-ジオール[(2S,3R)-2-(2-Hydroxyhexadecanoyl)aminooctadecane-1,3-diol]、CER [AS]CERAMIDE TIC-006、高砂香料工業株式会社製を用いた。
コレステロールは、富士フィルム和光純薬株式会社製の試薬(和光特級)を用いた。
パルミチン酸としては、商品名:PALMAC 98-16、Acidchem International Sdn Bhd製を用いた。
セラミド、コレステロール、及びパルミチン酸を、上記の比率で混合し、クロロホルム:メタノール(2:1、v/v)の溶媒に溶解し、総脂質量が10.5μg/ウエルとなるように96ウエルプレート(商品名:ライフサイエンス研究用ガラスマイクロプレート 100%硬質ガラス製、株式会社日計製作所製、直径:6mm、ガラス製)に分注した。溶媒を32℃で揮発させた後、120℃のホットプレート上で30分間加温した。加温した96ウエルプレートを再度室温まで冷却し、セラミド、コレステロール、及びパルミチン酸を含む、0.5mm~2mmの膜状の角層細胞間脂質モデルを得た。
96ウエルプレートの底面に存在する膜である、得られた角層細胞間脂質モデルに、実施例1の液晶組成物を、20μL/ウエルで滴下により添加し、室温で静置して水分を揮発させた。比較として、実施例1の液晶組成物の代わりに、ポリエチレングリコール硬化ひまし油5質量%のクエン酸緩衝溶液(分散剤と記載、クエン酸緩衝溶液は、5mmol/L、pH:5.9)、クエン酸緩衝液(50mmol/L、pH:5.9)のみの溶液を、実施例1と同様にして、角層細胞間脂質モデルに添加した。
各溶液を添加し、24時間後の角層細胞間脂質モデルの構造をX線小角散乱測定(SAXS)、及び粉末X線回折測定(PXRD)によって評価した。SAXSの測定結果を図1Aに示す。
SAXSとしては、小角散乱測定装置(装置名:Nano-Viewer、株式会社リガク製)を使用し、検出器(装置名:Pilatus K-100、株式会社リガク製)を用いた。線源はCuKα線、出力は40kV-30mA、カメラ長は680mm、露光時間は5分間、室温、大気圧下にて透過法で測定した。
PXRDとしては、粉末X線回折測定装置(装置名:MiniFlex 600(検出器、レーザー内蔵型)、株式会社リガク製)を用いた。2θ側測定範囲:2°-28°、ステップサイズ:0.02°、スピード:10°/分間、温度:室温、線源:CuKα線(λ=1.5418Å)、出力:40kV-15mAで測定した。
なお、液晶の形態は、水の含有量が少ない点でSAXS測定を行い判断した。また、ミセルについては、外観から判断した。
実施例1と同様に、表1に示す配合により、実施例2、及び比較例1~3についても同様に調製、観察、測定を行った。
各溶液を添加し、24時間後の角層細胞間脂質モデルの構造をX線小角散乱測定(SAXS)、及び粉末X線回折測定(PXRD)によって評価した。比較例1、及び比較例3のSAXS測定結果を図1Aに、実施例2、比較例2、及び比較例3のSAXS測定結果を図1Bに示す。
また、実施例2、比較例2、及び比較例3を角層細胞間脂質モデルに配したときのX線散乱測定(PXRD)の結果を図2に示す。
なお、液晶の形態は、水の含有量が少ない点でSAXS測定を行い判断した。また、ミセルについては、外観から判断した。
また、PXRD測定の結果、角層細胞間脂質モデルに認められる直方晶及び六方晶の複格子の実施例2には、2θ=16°~26°にハローパターンが見られた。これは、角層細胞間脂質モデルの一部がアモルファス化していると考えられる。
これらの結果から、実施例1及び実施例2の液晶組成物は、角層細胞間脂質の構造を変化させたと考えられる。
イソステアリルグリセリルエーテル3g、及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)4gを70℃に加温して、手撹拌で混合した。更に、70℃に加温したイオン交換水1gを加え、手撹拌で混合して、サンプル1とした。
同様に、イソステアリルグリセリルエーテル5g、及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)2gを70℃に加温して、手撹拌で混合した。更に、70℃に加温したイオン交換水1gを加え、手撹拌で混合して、サンプル2とした。
サンプル1及び2を1ヵ月間静置した。その後、石英セル(光路長:1cm)にサンプル1及び2をそれぞれ充填した。分光光度計(装置名:UVmini-1240、株式会社島津製作所製)において、波長:500nm及び700nmの入射光I0を照射し、透過光Iを測定した。また、ランベルト・ベールの法則「A=log(I0/I)」を用いて、吸光度Aを算出した。
その結果、サンプル1は、波長:500nmで測定したときの吸光度が0.055、波長:700nmで測定したときの吸光度が0.042であった。また、サンプル2は、波長:500nmで測定したときの吸光度が1.542、波長:700nmで測定したときの吸光度が1.311であった。
実施例1において、サンプル1の液晶組成物の透明液体相は、波長:500nmで測定したときの吸光度が1.6以下であり、十分な「透明」性を有していた。また、サンプル2の液晶組成物の透明液体相は、波長:500nmで測定したときの吸光度が1.6以下であり、「透明」性を有していた。
<モノアルキルグリセリルエーテル及び分散剤の検討>
前記液晶組成物に含まれると、水の総質量が10%のときに透明液体相を形成する、モノアルキルグリセリルエーテル及び分散剤の種類を検討した。モノアルキルグリセリルエーテル、及び分散剤を表4~表10に示す各比率で混合し、70℃~80℃に加温した。このとき、モノアルキルグリセリルエーテルと分散剤との透明性を、目視により観察した。この溶液を、70℃に加温したイオン交換水と手で撹拌することで混合し、室温まで冷却した。
翌日、状態を外観観察し、各実施例において、水の総重量が10%のとき、透明液体相を形成したものを「○」、透明液体相と半固体状態が混合した状態を「△」とした(表4~表10)。また、偏光顕微鏡観察(装置名:CX41、OLYMPUS社製)を用いて、液晶組成物中の状態を確認した。逆ヘキサゴナル液晶を形成した場合を「H」、ラメラ液晶を形成した場合を「L」、結晶を形成した場合を「C」、ラメラ液晶と結晶が混在した状態であった場合を「C/L」とした(表4~表10)。
以上の実施例は、液晶を形成することから、これを分散させると実施例1と同様の液晶組成物が得られる。
<液晶組成物の分散性>
表11~表13に示す割合で、イソステアリルグリセリルエーテルと分散剤とを70℃で混合し、同じく70℃に温めた水中に添加した。ディスパー(商品名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、PRIMIX社製)で、1,500rpmで3分間撹拌し、室温まで冷却した。さらに、ホモミキサー(装置名:HOMOMIXIER MARK II Model 2.5、PRIMIX社製)で、8,000rpmで5分間撹拌し、液晶組成物を調製した。分散性の確認を、目視の外観観察により評価した。
表中の外観観察、及び透明性の評価基準は、以下のとおりである。
-外観観察の評価基準-
◎:白濁液体
○:白濁液体だったが、1週間後に濃度勾配ができ、凝集するクリーミングが起きた
△:白濁液体だったが、調製した翌日に濃度勾配ができ、凝集するクリーミングが起きた
△△:凝集した
-:過剰量のため、相溶せず、溶け残りができた
<液晶組成物の分散性>
表14に示す割合で、モノアルキルグリセリルエーテルとしてのイソステアリルグリセリルエーテルと分散剤(高分子界面活性剤)と混合し、70℃~80℃に加温した。このとき、イソステアリルグリセリルエーテルと分散剤との透明相溶性を、目視により観察した。この溶液を、70℃に加温したイオン交換水と手撹拌で混合した後、室温まで冷却し、翌日の状態を外観観察により観察した。
<高分子界面活性剤で分散させた液晶組成物の安定性>
表15~表16に示す割合で、イソステアリルグリセリルエーテル、多価アルコール及び各種濃度の共重合体を70℃で混合し、同じく70℃に加温した水に添加した。ディスパー(装置名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、PRIMIX社製)で1,500rpmで3分間撹拌し、室温まで冷却した。さらに、ホモミキサー(装置名:HOMOMIXIER MARK II Model 2.5、PRIMIX社製)で8,000rpmで5分間撹拌し、液晶組成物ヘキソソームを調製した。安定性は1ヶ月後の状態を目視による外観観察により評価した。外観が安定であった液晶組成物ヘキソソームの粒子径及び多分散指数を動的光散乱法(装置名:ELSZ-2000ZS、大塚電子株式会社製)により測定した。
表中の1ヶ月後の外観観察の評価基準は、以下の通りである。
-評価基準-
○:白濁液体
△:1ヶ月後に濃度勾配ができ、凝集するクリーミングが起きた
△△:調製直後に濃度勾配ができ、凝集するクリーミングが起きた
<ポリエチレングリコール硬化ひまし油で分散した液晶組成物の安定性>
表17に示す割合で、モノアルキルグリセリルエーテルとしてのイソステアリルグリセリルエーテル、及び分散剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油を70℃で混合し、同じく70℃に加温した水に添加した。ディスパー(装置名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、PRIMIX社製)で1,500rpmで3分間撹拌し、室温まで冷却した。さらに、ホモミキサー(装置名:HOMOMIXIER MARK II Model 2.5、PRIMIX社製)を用いて8,000rpmで5分間撹拌し、液晶組成物を調製した。安定性は室温(R.T.)、40℃、及び50℃における3ヶ月後の状態を目視による外観観察により評価した。液晶組成物の平均粒径及び多分散指数を動的光散乱法(装置名:ELSZ-2000ZS、大塚電子株式会社製)により測定した。
なお、表中の評価結果の「○」は、白濁していることを示す。
<有効成分を内包した液晶組成物の安定性>
表18~表19に示す割合で、有効成分を内包した液晶組成物を製造した。
疎水性有効成分であるトコフェロール、パルミチン酸レチノール、テトライソパルミチン酸アスコルビル、グリチルレチン酸ステアリル、ユビキノン、及び4-Biphenylacetic acidは、それぞれイソステアリル酸グリセリルエーテルと、ポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)と70℃で混合し、同じく70℃に加温した水に添加した。
親水性有効成分であるアルブチン及びグリチルリチン酸ジカリウムは、イソステアリル酸グリセリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)、及び1,2-プロパンジオールと70℃で混合し、同じく70℃に加温した水に添加した。
疎水性有効成分とイソステアリル酸グリセリルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)との混合物、並びに親水性有効成分とイソステアリル酸グリセリルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)の混合物はそれぞれ、ディスパー(装置名:T.K. HOMODISPER Model 2.5、 PRIMIX社製)で1,500rpmで3分間撹拌し、室温まで冷却した。さらに、ホモミキサー(装置名:HOMOMIXIER MARK II Model 2.5、PRIMIX社製)で8,000rpmで5分間撹拌し、液晶組成物を調製した。
安定性は室温(R.T.)における1ヶ月後の状態を目視の外観観察により、下記の評価基準により評価した。外観観察が安定であった液晶組成物の粒子径及び多分散指数を動的光散乱法(装置名:ELSZ-2000ZS、大塚電子株式会社製)により測定した。
-評価基準-
○:白濁液体
△:少量の凝集が見られた
×:凝集した
また、比較例の結果が示すように、モノアルキルグリセリルエーテル、及び水の少なくともいずれかを含有しない液晶組成物は、液晶が形成されないことが分かった。
<製剤中での有効成分保持率>
表20の各成分をそれぞれ5mL量りとり、半透膜(ヴィスキングチューブ 直径15.9mm、25m巻、株式会社日本メデカルサイエンス製)に内包した。
pH7.4のリン酸緩衝液250mLをビーカーに入れ、恒温水槽(商品名:恒温水槽 HB-1400、Lot 7110659、アズワン株式会社製)にてリン酸緩衝液温度が37℃となるように設定した。
実施例、又は比較例の液晶組成物を内包した半透膜をそれぞれ緩衝液に浸し、スターラー(商品名:マグネチックスターラー HS-6AN、Lot Z161314、アズワン株式会社製)を用いて、500rpmで撹拌した。
1、2、3、4、6、24、及び48時間後のリン酸緩衝液をサンプリングし、4-Biohenylacetic acid濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。HPLCは、株式会社島津製作所製のものを使用した。装置の詳細は、以下のとおりである。
・高速液体クロマトグラム用システムコントローラー:CBM-20A
・高速液体クロマトグラム用送液ユニット:LC-20AD
・高速液体クロマトグラム用オートサンプラ:SIL-20ACHT
・高速液体クロマトグラム用フォトダイオードアレイ紫外可視検出器:SPD-20A
・高速液体クロマトグラム用カラムオーブン:CTO-20A
・高速液体クロマトグラム用ソフトフェア:LC solution
移動相としては、水:アセトニトリル:リン酸=(500:500:1)とした。
水は、蒸留水(高速液体クロマトグラフ用、和光純薬工業株式会社製)を、アセトニトリルとしては、商品名:アセトニトリル(高速液体クロマトグラフ用、和光純薬工業株式会社製)を、リン酸としては、商品名:りん酸(和光純薬工業株式会社製)を使用した。
カラム温度は40℃、流速は1.6mL/分間とし、カラムにはジーエルサイエンス株式会社製Inersil(登録商標)ODS-3 4.6×250mmを使用した。フォトダイオードアレイ紫外可視検出器の波長は254nmに設定し、注入サンプル量は20μLとした。
放出量と時間との関係を図4に示した。
なお、液晶の形態は、水の含有量が少ない点でSAXS測定を行い判断した。また、ミセルについては、外観から判断した。
このことから、イソステアリルグリセリルエーテルによるラメラ液晶及び逆ヘキサゴナル液晶は、いずれも、有効成分を液晶組成物中に長時間保持できることが明らかになった。
<多価アルコールの影響>
イソステアリルグリセリルエーテル、及び多価アルコールを表21に示す比率などで混合した。この混合物に更にイオン交換水を添加し、手撹拌後、1週間R.T.で静置した。静置したものについて、外観観察、偏光顕微鏡観察(装置名:CX41、OLYMPUS社製)によって状態を評価した。
多価アルコールには、1,3-ブチレングリコール(商品名:1,3-ブチレングリコール、株式会社ダイセル製)、ジプロピレングリコール(商品名:DPG-RF、株式会社ADEKA製)、及び1,2-プロパンジオール(商品名:化粧品用濃プロピレングリコール、株式会社ADEKA製)を使用した。
また、イソステアリルグリセリルエーテル、多価アルコール、及び水を各比率で混合した際の、それぞれの比率における状態を、図5A~図5Cの相図にまとめた。
なお、図5A~図5C中、GE-ISはイソステアリルグリセリルエーテルを表す。
<有効成分の皮膚浸透性促進作用>
表22に示す割合で、実施例165と同様にして、有効成分を内包する液晶組成物を製造した。比較例13、14については、表22に示す割合のものを混合した。
フランツ型拡散セル(2cm2)と温水循環装置(装置名:温水循環装置 HTC-1000、SERIAL No. 1911003、アズワン株式会社製)と、を連結し、32℃の循環水を流した。フランツ型拡散セルのレシーバー側にpH7.4の50mMリン酸緩衝液を満たし、スターラー(商品名:マグネチックスターラー REMIX RS-6DS、アズワン株式会社製)に固定した。
フランツ型拡散セルのレシーバー側とドナー側の間をラボスキン(ヘアレスマウス皮膚、星野試験動物飼育所)で仕切り、ラボスキン表面に各サンプルを10μLのせ、密封せずに試験を行った。
スターラーを600rpmで撹拌し、8時間後のレシーバー中フェルビナク濃度をHPLCにより定量した。HPLCとしては、高速液体クロマトグラフィー(G1312Aagilent 1100、LC System製)を使用し、試験条件は実施例137と同様にした。HPLCの測定結果を、図6に示した。
<液晶組成物の経皮吸収メカニズム(液晶組成物適用後の相変化)>
モノアルキルグリセリルエーテルとしてのイソステアリルグリセリルエーテル、及び分散剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)を表23に示す比率かつ総量10gとなるよう混合し、70℃~80℃に加温した。次に、この溶液と、70℃に加温したpH:5.9のクエン酸緩衝液とを手で撹拌して混合した。その後、室温まで冷却し、翌日の状態を外観観察した。なお、本実施例では、エネルギーをかけずに液晶組成物を調製しているため、粘性を有する場合、又は分離する場合であっても、好ましい実施形態に含まれる。
また、各実施例において、偏光顕微鏡観察(装置名:CX41、OLYMPUS社製)を行った。結果を表23に示す。このうち、実施例178において偏光顕微鏡で観察した、異方性の筋状模様の逆ヘキサゴナル液晶を図3Aに、幾何学的模様の逆ヘキサゴナル液晶を図3Bに示す。また、実施例184において偏光顕微鏡で観察した、異方性の十字状模様のラメラ液晶を図3Cに、縞模様のラメラ液晶を図3Dに示す。
更に、実施例178、184、及び185は、上述したSAXS測定と同様にしてSAXS測定を行った。実施例178のSAXSの結果を図7Aに、実施例184のSAXSの結果を図7Bに、及び実施例185のSAXSの結果を図7Cに示す。
実施例175~178に対し、実施例179は、水分(pH:5.9 クエン酸緩衝液)が少ない。これは、液晶組成物を皮膚などに塗布した場合に水分が蒸発した状態に似ている。本願発明の液晶組成物は、皮膚などに塗布し、水分が抜けて水の総質量が10%のとき、透明液体相を形成し、液晶の状態ではなくなる。この状態変化(相変化、相転移)が、液晶組成物に内包された有効成分の皮膚への浸透が促進される理由であると考えられる。
<液晶組成物調製法の検討>
モノアルキルグリセリルエーテルとしてのイソステアリルグリセリルエーテル及び分散剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油を、相溶させずに液晶組成物を製造した。
イソステアリルグリセリルエーテル、及びポリオキシエチレン硬化ひまし油を、表24に示す割合で混合した。ポリオキシエチレン硬化ひまし油(2)は、それぞれ単独で70℃に加温した。ディスパー(装置名:T.K.HOMODISPER Model 2.5、PRIMIX社製)で、1,500rpmで3分間撹拌し,室温まで冷却した。さらに、ホモミキサー(装置名:HOMOMIXIER MARK II Model 2.5、PRIMIX社製)で8,000rpmで5分間撹拌し、液晶組成物を調製した。分散性を目視による外観観察により、下記評価基準に基づき、評価した。
-評価基準-
○:白濁液体
△:クリーミングの発生
△△:凝集
Claims (3)
- イソステアリルグリセリルエーテルと、ポリエチレングリコール硬化ひまし油と、水と、有効成分とを含む逆ヘキサゴナル液晶を含有する液晶組成物の製造方法であって、
前記イソステアリルグリセリルエーテルと、前記ポリエチレングリコール硬化ひまし油との混合物を生成した後、当該混合物と、前記水と、前記有効成分とを混合して逆ヘキサゴナル液晶を形成する工程と、
前記逆ヘキサゴナル液晶を分散させる工程と、を含み、
前記水は、濃度が5mM以下でクエン酸緩衝液を含むことがあり、
前記有効成分は、アルブチン、グリチルリチン酸カリウム、トコフェロール、パルミチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ユビデカレノン、及びフェルビナクから選ばれるいずれかであり、
前記有効成分がグリチルリチン酸カリウムである場合、当該グリチルリチン酸カリウムの含有量は、前記液晶組成物全量に対して0.3質量%未満であり、
前記液晶組成物は、前記イソステアリルグリセリルエーテルと、前記ポリエチレングリコール硬化ひまし油との総質量に対し、前記水の総質量が10%のときに透明液体相を形成することを特徴とする液晶組成物の製造方法。 - イソステアリルグリセリルエーテルと、ポリエチレングリコール硬化ひまし油と、水と、有効成分とを含む逆ヘキサゴナル液晶を含有する液晶組成物の製造方法であって、
前記イソステアリルグリセリルエーテルと、前記ポリエチレングリコール硬化ひまし油との混合物を生成した後、当該混合物と、前記水と、前記有効成分とを混合して逆ヘキサゴナル液晶を形成する工程と、
前記逆ヘキサゴナル液晶を分散させる工程と、を含み、
前記水は、濃度が5mM以下でクエン酸緩衝液を含むことがあり、
前記有効成分は、アルブチン、グリチルリチン酸カリウム、トコフェロール、パルミチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ユビデカレノン、及びフェルビナクから選ばれるいずれかであり、
前記有効成分がグリチルリチン酸カリウムである場合、当該グリチルリチン酸カリウムの含有量は、前記液晶組成物全量に対して0.3質量%未満であり、
前記液晶組成物は、角層細胞間脂質モデルの表面に配したとき、小角X線散乱測定において、3.98nm±0.5nmの範囲にピークを有さないことを特徴とする液晶組成物の製造方法。 - 前記イソステアリルグリセリルエーテルと前記ポリエチレングリコール硬化ひまし油との質量比(イソステアリルグリセリルエーテル/ポリエチレングリコール硬化ひまし油)が、1~5である請求項1から2のいずれかに記載の液晶組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018215721A JP7221030B2 (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 液晶組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018215721A JP7221030B2 (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 液晶組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020083780A JP2020083780A (ja) | 2020-06-04 |
JP7221030B2 true JP7221030B2 (ja) | 2023-02-13 |
Family
ID=70906381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018215721A Active JP7221030B2 (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 液晶組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7221030B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006298834A (ja) | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Shiseido Co Ltd | 水中油型乳化皮膚化粧料 |
JP2010064995A (ja) | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Nikko Chemical Co Ltd | 外用消炎鎮痛剤組成物 |
JP2010120873A (ja) | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Yakult Honsha Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JP2010229040A (ja) | 2009-03-25 | 2010-10-14 | Kose Corp | 水性ゲル状化粧料 |
WO2012056956A1 (ja) | 2010-10-29 | 2012-05-03 | 株式会社コーセー | ベシクル組成物、それを含有する皮膚外用剤及び化粧料 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08143474A (ja) * | 1994-11-22 | 1996-06-04 | Kao Corp | 経皮吸収促進剤 |
JPH09169618A (ja) * | 1995-12-20 | 1997-06-30 | Kiran Keshohin Kk | 乳化組成物 |
-
2018
- 2018-11-16 JP JP2018215721A patent/JP7221030B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006298834A (ja) | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Shiseido Co Ltd | 水中油型乳化皮膚化粧料 |
JP2010064995A (ja) | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Nikko Chemical Co Ltd | 外用消炎鎮痛剤組成物 |
JP2010120873A (ja) | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Yakult Honsha Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JP2010229040A (ja) | 2009-03-25 | 2010-10-14 | Kose Corp | 水性ゲル状化粧料 |
WO2012056956A1 (ja) | 2010-10-29 | 2012-05-03 | 株式会社コーセー | ベシクル組成物、それを含有する皮膚外用剤及び化粧料 |
CN103079529A (zh) | 2010-10-29 | 2013-05-01 | 株式会社高丝 | 泡囊组合物、含有其的皮肤外用剂和化妆品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020083780A (ja) | 2020-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Djordjevic et al. | In vitro release of diclofenac diethylamine from caprylocaproyl macrogolglycerides based microemulsions | |
Baboota et al. | Design, development and evaluation of novel nanoemulsion formulations for transdermal potential of celecoxib | |
JP7250689B2 (ja) | 活性化合物のための局所送達系 | |
Lala et al. | Nanoemulsion-based gel formulations of COX-2 inhibitors for enhanced efficacy in inflammatory conditions | |
Bhanu et al. | Development and optimization of novel diclofenac emulgel for topical drug delivery | |
Brinon et al. | Percutaneous absorption of sunscreens from liquid crystalline phases | |
Karade | Formulation and evaluation of celecoxib gel | |
Sahle et al. | Lecithin-based microemulsions for targeted delivery of ceramide AP into the stratum corneum: formulation, characterizations, and in vitro release and penetration studies | |
Sahle et al. | Polyglycerol fatty acid ester surfactant–based microemulsions for targeted delivery of ceramide AP into the stratum corneum: Formulation, characterisation, in vitro release and penetration investigation | |
Da Costa et al. | Stability of positively charged nanoemulsion formulation containing steroidal drug for effective transdermal application | |
Liu et al. | Development of ethosome-like catanionic vesicles for dermal drug delivery | |
Montenegro et al. | Effect of oil phase lipophilicity on in vitro drug release from o/w microemulsions with low surfactant content | |
Salim et al. | Formation of nanoemulsion containing ibuprofen by PIC method for topical delivery | |
Li et al. | Lamellar liquid crystal improves the skin retention of 3-O-ethyl-ascorbic acid and potassium 4-methoxysalicylate in vitro and in vivo for topical preparation | |
JP2022185150A (ja) | ざ瘡の処置のためのカンナビノイドの製剤 | |
Khanolkar et al. | Application of quality by design: development to manufacturing of diclofenac sodium topical gel | |
Spernath et al. | Phosphatidylcholine embedded micellar systems: Enhanced permeability through rat skin | |
JP7221030B2 (ja) | 液晶組成物の製造方法 | |
KR20210108927A (ko) | 난용성 물질의 안정화용 화장료 조성물 | |
JP4810129B2 (ja) | 非水乳化型組成物 | |
Rissi et al. | Relationship between composition and organizational levels of nanostructured systems formed by Oleth 10 and PPG-5-Ceteth-20 for potential drug delivery | |
WO2012105485A1 (ja) | 高分子逆ミセルを含む皮膚用組成物およびその製造方法 | |
Garduño-Ramírez et al. | Skin permeation of cacalol, cacalone and 6-epi-cacalone sesquiterpenes from a nanoemulsion | |
KR101929932B1 (ko) | 보습 화장료 조성물 및 이의 제조방법 | |
WO2022102730A1 (ja) | リン脂質を含む脂質粒子含有化粧料用組成物、化粧料用医薬部外品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190220 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210603 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220519 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7221030 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |