JP7215934B2 - シャープペンシルユニット及び出没式筆記具 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、保持筒と、保持筒の前端開口部に挿通されてこの保持筒の前端から前方へ突出するとともにこの保持筒に対し進退可能に支持されたホルダーと、鉛芯を芯ブレーカに挿通し前記ホルダーへ向けて繰出す鉛芯繰出し機構と、鉛芯からホルダーに加わる径方向の力によりこのホルダーを保持筒及び鉛芯に相対し前進させ傾斜させる運動方向変換機構と、前記ホルダーを前記保持筒に対し後方へ付勢するホルダー付勢部材とを備えたシャープペンシルユニットが記載されている。そして、このシャープペンシルユニットを軸筒に収容すれば、容易に出没式筆記具を構成することができる。
この出没式筆記具によれば、所定の操作によりシャープペンシルユニットを前進させて、このシャープペンシルユニットの前端のホルダーを軸筒の前端開口部から突出させた状態において、ホルダーから突出した鉛芯に径方向の力が加わると、ホルダーが保持筒及び鉛芯に相対して前進するため、このホルダーにより鉛芯を覆い保護することができる。
特に、特許文献2に記載される従来技術では、径方向の力成分によりホルダーが前進して若干傾くため、鉛芯が損傷してしまう可能性が高くなる。
チャックをクラッチリングに嵌脱させて該チャックに挟持した鉛芯を繰出す鉛芯繰出し機構を備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記クラッチリングの後方側にクラッチ受けを設け、前記クラッチリングは、前記クラッチ受けの前端部に接して傾動するように設けられていることを特徴とするシャープペンシルユニット。
第1の特徴は、チャックをクラッチリングに嵌脱させて該チャックに挟持した鉛芯を繰出す鉛芯繰出し機構を備えたシャープペンシルユニットにおいて、前記クラッチリングの後方側にクラッチ受けを設け、前記クラッチリングは、前記クラッチ受けの前端部に接して傾動するように設けられている(図1,図2,図4~図9参照)。
ここでの「シャープペンシルユニット」には、多機能出没式筆記具に用いられるシャープペンシル用リフィールや、鉛芯繰出し機構を軸筒内に直接備えた一般的なシャープペンシル等を含む。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。本明細書中、軸方向とは、保持筒10の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、前記軸方向の一方側であって鉛芯が繰り出される方向を意味する。また、「後」とは、前記一方側に対する逆方向側を意味する。
また、前記鉛芯保護位置とは、ホルダー20が過剰な径方向の力成分により、保持筒10に相対し前進して鉛芯xの先端側を覆った状態(図4(b)参照)の位置である。
第1の筒部11は、進退可能なホルダー20と、このホルダー20を後方へ付勢するホルダー付勢部材23とを内在して、運動方向変換機構M2を構成している。
第2の筒部12及び第3の筒部13は、弾性材料からなる芯ブレーカ30、チャック40、クラッチリング41及びクラッチ受け42等を内在して鉛芯繰出し機構M1を構成している。図1中、符号12aは、クラッチリング41の前方へ移動を規制する段部であり、符号12bは、クラッチ受け42の前端部を受ける段部である。
この鉛芯繰出し機構M1の基本構造には、特許文献1のものを適用することが可能である。
この鉛芯繰出し機構M1は、芯タンク部60から伝達される進退運動により、チャック40に挟持した鉛芯xを繰り出す。また、この鉛芯繰出し機構M1は、チャック40に挟持した鉛芯xに予め設定された筆圧よりも強い後向きの付勢力が加わった際に、鉛芯xと共にチャック40等を後退させる。これらの基本動作は、特許文献1の発明と略同様である。
このクラッチリング41は、チャック40に対し後方側から環状に嵌り合い、鉛芯挟持状態に保持し、チャック40と共に前進した際に、第2の筒部12内の段部12aに係止されてチャック40から後方へ外れて、前記鉛芯挟持状態を解除する。また、このクラッチリング41は、後退した際に、環状の後端部をクラッチ受け42の前端面に当接する。
図2(a)に例示するように、半断面視において、環状傾斜面41aの径方向寸法aは、クラッチリング41とクラッチ受け42の接触部分の径方向寸法bよりも大きく設定される。
この構成によれば、クラッチリング41とクラッチ受け42の接触抵抗を軽減し、クラッチリング41のフレキシブルな移動(例えば、傾動や径方向の移動等)を容易にすることができる。
このクラッチ受け42の前端部には、クラッチリング41の後端部を受ける環状壁部42aが設けられる(図2参照)。
環状傾斜面42a1は、凸状の湾曲面であり、クラッチリング41とクラッチ受け42の接触面積を縮小して、クラッチリング41がフレキシブルに移動する際の抵抗を軽減する。
多機能出没式筆記具Aは、複数の駒a2,a3を選択的に前進させる操作により、前進した駒a2(又はa3)に接続されたリフィールの前端筆記部を、軸筒a1前端から前方へ突出させる。前記リフィールは、図示例によれば、シャープペンシルユニット1又はボールペンリフィール9である。
例えば、開閉機能付きクリップa6を有する駒a2が、コイルスプリングa4の付勢力に抗して前進操作され、この駒a2に接続されたシャープペンシルユニット1(リフィール)の前端筆記部が、軸筒a1の前端開口部から前方へ突出すると、駒a2が軸筒a1内に設けられる係止部a5に係止され、この突出状態が維持される。
この突出状態において、クリップa6を前進させる操作を行えば、シャープペンシルユニット1の前端から鉛芯xが繰り出される。
この多機能出没式筆記具Aには、例えば特開2014-198439号公報に示される基本構造を適用することが可能である。
この前進の際、ホルダー20は、図4(b)に示すように若干傾く。このため、鉛芯xが、鉛芯摺接部21bからチャック40にわたる前後の範囲で、湾曲するようにして傾く。そして、芯ブレーカ30の内周面側が、鉛芯xによって径方向に押圧されて若干弾性変形する。
次に、本発明に係るシャープペンシルユニットについて、他の実施態様を説明する。なお、以下に示す実施態様は、上述した実施態様に対し、一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、同様に機能する部分については同一の符号を付けて重複する詳細説明を省略する。
図7(a)に示す態様は、上記シャープペンシルユニット1において、クラッチリング41をクラッチリング41”に置換し、クラッチ受け42をクラッチ受け72に置換したものである。
図8(a)に示す態様は、上記シャープペンシルユニット1において、クラッチリング41を先に説明したクラッチリング41”に置換し、クラッチ受け42をクラッチ受け73に置換したものである。
<第5の実施態様>
図9(a)(b)に示す態様は、それぞれ、上記シャープペンシルユニット1において、クラッチリング41をクラッチリング74,74’に置換するとともに、クラッチ受け42をクラッチ受け75,75’に置換したものである。
突起75a1は、その外径側の部分を、平坦状の環状傾斜面74aに対し線接触するように、凸曲面状に形成している(図9(a)参照)。
突起75a1’は、その外径側の部分を、凸曲面状に形成して、凹曲面状の環状傾斜面74a’に対し面接触している(図9(b)参照)。
なお、上記実施態様では、図2に示す一例のみ径方向寸法aを径方向寸法bよりも大きく設定したが、図6や図8に示す他例についても、それぞれ、環状傾斜面の径方向寸法を、クラッチリングとクラッチ受けの接触部分の径方向寸法よりも大きく設定して、クラッチリングのフレキシブルな移動をより容易にすることが可能である。
10:保持筒
20:ホルダー
40:チャック
41,41’,41”,71,71’,74,74’:クラッチリング
42,72,72’,73,73’,73”,75,75’:クラッチ受け
41a,41b,72a1,74a:環状傾斜面(平坦面状)
41a’,41b’,42a1,72a1’,74a’:環状傾斜面(曲面状)
73a1,73a2:突起(平坦面状)
73a3,75a1,75a1’:突起(曲面状)
x:鉛芯
A:多機能出没式筆記具
M1:鉛芯繰出し機構
M2:運動方向変換機構
Claims (13)
- チャックをクラッチリングに嵌脱させて該チャックに挟持した鉛芯を繰出す鉛芯繰出し機構を備えたシャープペンシルユニットにおいて、
前記クラッチリングの後方側にクラッチ受けを設け、
前記クラッチリングは、前記クラッチ受けの前端部に接して傾動するように設けられていることを特徴とするシャープペンシルユニット。 - 前記鉛芯繰出し機構から繰出される鉛芯を挿通するホルダーと、前記ホルダーを前端開口部から突出させて支持する保持筒と、前記ホルダーに加わる径方向の力成分により前記保持筒に相対し前記ホルダーを前進させ傾斜させる運動方向変換機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載のシャープペンシルユニット。
- 前記クラッチリングには、その外周後端側に、後方へ向かって徐々に縮径する環状傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャープペンシルユニット。
- 前記クラッチリングには、その内周後端側に、後方へ向かって徐々に拡径する環状傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載のシャープペンシルユニット。
- 前記クラッチ受けには、その内周前端側に、前方へ向かって拡径する環状傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載のシャープペンシルユニット。
- 前記クラッチ受けには、前記クラッチリングの後端部に対し部分的に接触する突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャープペンシルユニット。
- 前記突起には、その外周前端側に、前方へ向かって徐々に縮径する環状傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項6記載のシャープペンシルユニット。
- 前記環状傾斜面が、凸曲面状に形成されていることを特徴とする請求項3~5、7何れか1項記載のシャープペンシルユニット。
- 半断面視において、前記環状傾斜面の径方向寸法が、前記クラッチリングと前記クラッチ受けの接触部分の径方向寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3~5、7、8何れか1項記載のシャープペンシルユニット。
- 前記クラッチリングには、その内周後端側に、後方へ向かって徐々に拡径する環状傾斜面が設けられ、
前記クラッチ受けには、前記環状傾斜面に接触する突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャープペンシルユニット。 - 前記環状傾斜面が平坦状に形成され、前記突起が前記環状傾斜面に線接触する凸曲面状に形成されていることを特徴とする請求項10記載のシャープペンシルユニット。
- 前記環状傾斜面が凹曲面状に形成され、前記突起が前記環状傾斜面に面接触する凸曲面状に形成されていることを特徴とする請求項10記載のシャープペンシルユニット。
- 請求項1~12何れか1項記載のシャープペンシルユニットを具備した出没式筆記具。
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JP2017080956A (ja) | 2015-10-26 | 2017-05-18 | 株式会社パイロットコーポレーション | シャープペンシル |
JP2017159580A (ja) | 2016-03-10 | 2017-09-14 | ゼブラ株式会社 | シャープペンシルユニット及び該シャープペンシルユニットを具備した出没式筆記具 |
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