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JP7210371B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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JP7210371B2 JP2019088541A JP2019088541A JP7210371B2 JP 7210371 B2 JP7210371 B2 JP 7210371B2 JP 2019088541 A JP2019088541 A JP 2019088541A JP 2019088541 A JP2019088541 A JP 2019088541A JP 7210371 B2 JP7210371 B2 JP 7210371B2
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本発明は、硬貨の入出金等を行う硬貨処理装置に関する。
従来、硬貨が金種別に収納される金種別スタッカ(第1収納部)と、異なる金種の硬貨が混在して収納されるオーバーフロースタッカ(第2収納部)と、これら金種別スタッカおよびオーバーフロースタッカの硬貨が回収される補充回収カセット(回収部)とを備える硬貨処理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。オーバーフロースタッカには、金種別スタッカ内の硬貨が所定枚数に達したときに、その後、その金種別スタッカに収納されるべき金種の硬貨が収納される。
このような硬貨処理装置は、たとえば、病院、スーパーマーケット等の施設に設置される自動精算機や、金融機関、コンビニエンスストア等の施設に設置される現金自動預け払い機(ATM)に内蔵され得る。
特許第6003502号公報
上記の硬貨処理装置では、その硬貨処理装置が設置された施設において、その日の営業が開始される前に、現在の収納枚数が準備金として必要と考えられる枚数(以下、「準備枚数」と称する)に満たない金種別スタッカに、係員によって、外部からの硬貨が補充(入金)されることが望ましい。たとえば、金種別スタッカへの硬貨の補充は、入出金部や補充回収カセットを通じて行われ得る。このような補充作業が行われることにより、金種別スタッカから硬貨の出金が続いても、その金種別スタッカ内の硬貨が無くなりにくくすることができる。
しかしながら、このような補充作業は比較的に手間を要するため、上記の硬貨処理装置では、このような補充作業が軽減されること、即ち、補充作業が行われる頻度が少なくなったり、補充作業に要する時間が短くなったりすることが望まれる。
そこで、本発明は、準備金となる硬貨の補充作業を軽減できる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様は、硬貨処理装置に関する。本態様に係る硬貨処理装置は、同一金種の硬貨が金種別に収納される複数の第1収納部と、異なる金種の硬貨が混在して収納される第2収納部と、前記第1収納部および前記第2収納部に収納された硬貨が回収される回収部と、硬貨を搬送する搬送部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、少なくとも前記第2収納部に収納された硬貨が前記搬送部によって前記回収部へ回収される第1回収処理を行い、前記第1回収処理の際、前記第2収納部から次々に硬貨を繰り出させ、何れかの前記第1収納部に収納された硬貨の量が第1所定量より少ない場合に、前記第2収納部に収納された、硬貨が不足する前記第1収納部に割り当てられた金種と同じ金種の硬貨が前記第1収納部へ搬送され、硬貨が不足する前記第1収納部に割り当てられた金種と異なる金種の硬貨が前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、硬貨が不足していた全て前記第1収納部の硬貨が前記第1所定量に達する前に前記回収部に回収されるべき金額の硬貨が前記回収部に回収された場合であって、その後、硬貨が不足する前記第1収納部に補充されるべき金種以外の金種の硬貨が前記第2収納部から送出された場合には、送出された硬貨を前記搬送部に搬送させて前記第2収納部に戻す。
上記の構成によれば、第1回収処理の際、第1収納部に収納された硬貨の量が第1所定量より少ない場合には、第2収納部に収納された、第1収納部に割り当てられた金種と同じ金種の硬貨が第1収納部に補充される。これにより、第1収納部内の硬貨の量が第1所定量に達すれば、外部の硬貨の補充作業が不要となり、硬貨の量が第1所定量に達していなくても、所定量から足りない分だけ外部の硬貨を補充すればよくなる。よって、補充作業が軽減される。
本態様に係る硬貨処理装置において、前記制御部は、前記第1収納部および前記第2収納部に収納された硬貨が前記回収部へ回収される第2回収処理を行うような構成とされ得る。さらに、前記第1所定量は、前記第1収納部に収納可能な最大量よりも少なくされ得る。前記制御部は、前記第1回収処理の際、前記第1収納部に収納された硬貨の量が前記第1所定量よりも多い場合に、前記第1収納部に収納された前記第1所定量より多い分の余剰硬貨が前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、さらに、前記回収されるべき金額から前記余剰硬貨による金額を差し引いた差引金額分の硬貨が、前記第2収納部から前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御するような構成とされ得る。
上記の構成によれば、第2回収処理により、第1収納部および第2収納部の双方に収納された硬貨を、回収部へ回収することができる。
さらに、第2回収処理が行われる前の第1収納部内の硬貨の量が少なくなることで、第2回収処理が行われる前の第2収納部内の硬貨の量が多くなるようなことが生じ、第2回収処理において、第2収納部から回収部への硬貨の回収時間が長くなるようなことが生じても、第2回収処理全体では、回収時間を短くすることが可能となる。
これらの構成とされた場合、さらに、前記第1収納部内の硬貨は、第1搬送経路を通って前記回収部へ回収され、前記第2収納部内の硬貨は、第2搬送経路を通って前記回収部へ回収され、前記第2搬送経路による硬貨の搬送時間が、前記第1搬送経路による硬貨の搬送時間よりも短くされるような構成が採られ得る。
このような構成とされた場合、第2回収処理が行われる前の第1収納部内の硬貨の量が少なくなることで、第2回収処理が行われる前の第2収納部内の硬貨の量が多くなるようなことが生じ、第2回収処理において、第2収納部から回収部への硬貨の回収時間が長くなるようなことが生じても、第2回収処理全体では、回収時間を短くすることが可能となる。
上記のように、第2回収処理が行われるとともに、前記第2搬送経路による硬貨の搬送時間が、前記第1搬送経路による硬貨の搬送時間よりも短くされるような構成が採られた場合、さらに、前記制御部は、外部から入金された硬貨が前記第1収納部に収納される入金処理の際、前記第1収納部内の硬貨の量が、前記第1収納部に収納可能な最大量よりも少ない第2所定量以上である場合に、前記第2収容部内の硬貨の量が前記第2収納部に収納可能な最大量に達していないときには、入金された硬貨が前記第2収納部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、前記第2収納部内の硬貨の量が前記第2収納部に収納可能な最大量に達しているときには、入金された硬貨が前記第1収納部へ搬送されるように前記搬送部を制御するような構成とされ得る。
このような構成とされた場合、入金処理の際、第1収納部内の硬貨の量が、最大量よりも少ない第2所定量以上である場合に、第1収納部に割り当てられた金種と同じ金種の硬貨が第2収納部に収納されるので、第2回収処理が行われる前の第1収納部内の硬貨の量を少なくできる。一方で、第2回収処理が行われる前の第2収納部内の硬貨の量は多くなるので、第2回収処理において、第2収納部から回収部への硬貨の回収時間は長くなる。しかしながら、第2搬送経路による搬送時間は第1搬送経路による搬送時間よりも短いので、第2回収処理全体では、回収時間を短くすることが可能となる。
しかも、第1収納部内の硬貨の量が第2所定量以上である場合であっても、第2収納部内の硬貨の量が最大量に達している場合には、第1収納部に硬貨が収納されるので、第2収納部に硬貨が収納できなくなったことにより入金処理が中止されてしまうことが防止される。
上記の構成とされた場合、さらに、前記第1所定量は、前記第2所定量よりも少なくされ得る。
このような構成とされた場合、第2回収処理が行われる前の第1収納部内の硬貨の量を一層少なくできる。これにより、第2回収処理において、第1収納部から回収部への硬貨の回収時間を一層短くでき、第2回収処理全体において、回収時間を一層短くすることが可能となる。
本発明によれば、準備金となる硬貨の補充作業を軽減できる硬貨処理装置を提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施形態に係る、硬貨処理装置の構成を示す概略図である。 図2は、実施形態に係る、硬貨処理装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る、入金処理を示すフローチャートである。 図4(a)および(b)は、実施形態に係る、入金処理における硬貨の流れを示す図である。 図5(a)および(b)は、実施形態に係る、出金処理における硬貨の流れを示す図である。 図6は、実施形態に係る、売上金回収処理を示すフローチャートである。 図7は、実施形態に係る、売上金回収処理における硬貨の流れを示す図である。 図8(a)および(b)は、実施形態に係る、売上金回収処理における硬貨の流れを示す図である。 図9は、実施形態に係る、全回収処理を示すフローチャートである。 図10(a)および(b)は、実施形態に係る、全回収処理における硬貨の流れを示す図である。 図11は、実施形態に係る、全回収処理における硬貨の流れを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態において、金種別スタッカ140が、特許請求の範囲に記載の「第1収納部」に対応する。また、オーバーフロースタッカ150が、特許請求の範囲に記載の「第2収納部」に対応する。さらに、硬貨カセット160が、特許請求の範囲に記載の「回収部」に対応する。さらに、第1搬送部190および第2搬送部200が、特許請求の範囲に記載の「搬送部」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
<硬貨処理装置の構成>
硬貨処理装置10は、たとえば、病院、スーパーマーケット等の施設に設置される自動精算機の内部に配置され、硬貨の入金処理、出金処理等を行う。自動精算機の内部には、硬貨処理装置10の他、紙幣の入金処理、出金処理等を行う紙幣処理装置が配置される。また、自動精算機には、顧客等の操作を受け付けるため、タッチパネル等からなる操作表示部が備えられる。自動精算機では、主に、料金(診察費、商品代金等)を支払うために入金が行われ、釣銭を払い出すために出金が行われる。
図1は、硬貨処理装置10の構成を示す概略図である。図2は、硬貨処理装置10の構成を示すブロック図である。
硬貨処理装置10は、筐体100内に、入出金口部110と、繰出部120と、一時保留部130と、6つの金種別スタッカ140と、オーバーフロースタッカ150と、硬貨カセット160と、回収ボックス170と、リジェクトボックス180と、第1搬送部190と、第2搬送部200と、識別部210とを備える。
入出金口部110は、筐体100内の上部前側に設けられ、硬貨の投入または取出が行われる入出金口111と、入出金口111の下側において硬貨を受ける受皿部112とを含む。受皿部112の底面は、開閉機構113により開閉される。受皿部112には下方から入金シュート220が接続されており、開閉機構113により受皿部112の底面が開放されると、硬貨が入金シュート220に放出される。
繰出部120は、入出金口部110の下方に設けられる。入金シュート220内を落下した硬貨が繰出部120に収納される。繰出部120は、繰出機構121と、排出機構122とを含む。
繰出機構121は、回転円盤123と受渡円盤124とを含み、繰出部120に収納された硬貨を1枚ずつ第1搬送部190へ繰り出す。即ち、回転円盤123の表面には多数の突起が形成され、回転円盤123が回転すると、繰出部120内の硬貨が突起に引っ掛けられて出口部へと運ばれる。硬貨は出口部で受渡円盤124へと受け渡され、受渡円盤124の回転により第1搬送部190へと送り出される。排出機構122は、繰出部120の底面を開放することにより、繰出部120に残留した硬貨や異物を、返却シュート230を介して筐体100の正面に設けられた返却口101へ排出させる。
筐体100内には、入出金口部110の後方に一時保留部130が設けられ、一時保留部130の後方に2つの金種別スタッカ140が設けられる。また、繰出部120の後方に4つの金種別スタッカ140が設けられる。
一時保留部130は、繰出部120、金種別スタッカ140、オーバーフロースタッカ150および硬貨カセット160から繰り出された硬貨を一時的に保留(収納)する。一時保留部130は、繰出部120と同様、繰出機構131を含む。繰出機構131は、回転円盤132と受渡円盤133とを含み、一時保留部130に収納された硬貨を1枚ずつ第1搬送部190へ繰り出す。
6つの金種別スタッカ140には、金種別に硬貨が収納される。即ち、6つの金種別スタッカ140には、それぞれ、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨が割り当てられる。各金種別スタッカ140は、繰出部120と同様、繰出機構141を含む。繰出機構141は、回転円盤142と受渡円盤143とを含み、金種別スタッカ140に収納された硬貨を1枚ずつ第1搬送部190へ繰り出す。
筐体100内の下部には、前側にオーバーフロースタッカ150が設けられ、後側に硬貨カセット160が設けられる。また、オーバーフロースタッカ150には回収ボックス170が設けられ、硬貨カセット160にはリジェクトボックス180が設けられる。
オーバーフロースタッカ150には、各金種別スタッカ140に収納しきれなかった硬貨が収納される。このため、オーバーフロースタッカ150には、異なる金種の硬貨が混在して収納される。オーバーフロースタッカ150は、ベルト機構151と、シャッター機構152とを含む。ベルト機構151は、オーバーフロースタッカ150内の硬貨を出口に向けて移動させる。シャッター機構152は、シャッターにより出口を開閉する。ベルト機構151により移動された硬貨は、開放された出口から第2搬送部200へ送り込まれる。
硬貨カセット160には、各金種別スタッカ140およびオーバーフロースタッカ150から回収された硬貨が収納される。また、硬貨カセット160には、各金種別スタッカ140へ補充される硬貨が収納される。硬貨カセット160は、ベルト機構161と、シャッター機構162とを含む。ベルト機構161は、硬貨カセット160内の硬貨を出口に向けて移動させる。シャッター機構162は、シャッターにより出口を開閉する。ベルト機構161により移動された硬貨は、開放された出口から第2搬送部200へ送り込まれる。硬貨カセット160は、筐体100内から外部へ引き出すことができ、引き出された硬貨カセット160内に対して、回収された硬貨を取り出したり、補充される硬貨を装填したりすることができる。
回収ボックス170には、入出金口部110に投出されたが一定時間が経過しても利用者(顧客)に取り出されなかった取り忘れの硬貨が収納される。回収ボックス170は、筐体100内から外部へ引き出すことができ、引き出された回収ボックス170から硬貨を取出すことができる。
リジェクトボックス180は、補充ボックス181と運用ボックス182とで構成される。補充ボックス181と運用ボックス182は、オーバーフロースタッカ150側から見て左右方向に並ぶ。補充ボックス181には、補充の際に、識別部210で金種の識別ができなかった硬貨が、リジェクト硬貨として収納される。運用ボックス182には、回収の際に、識別部210で金種の識別ができなかった硬貨が、リジェクト硬貨として収納される。リジェクトボックス180は、硬貨カセット160とともに筐体100内から外部へ引き出すことができ、引き出されたリジェクトボックス180から硬貨を取出すことができる。
なお、繰出部120と、一時保留部130と、6つの金種別スタッカ140と、オーバーフロースタッカ150と、硬貨カセット160には、これらが硬貨で満杯になったことを機械的に検出するためにフル検出センサ(図示しない)が設けられ、これらから硬貨がなくなったことを機械的に検出するために残留検出センサ(図示せず)が設けられる。フル検出センサおよび残留検出センサには、たとえば、フォトセンサが用いられる。
第1搬送部190は、メイン搬送路191と、オーバーフロースタッカ搬送路192と、回収搬送路193と、リジェクト搬送路194と、カセット搬送路195と、を含む。メイン搬送路191は、ベルト機構、ローラー機構等により構成され、入出金口部110と、繰出部120と、一時保留部130と、6つの金種別スタッカ140との間に巡らされ、これらの間において硬貨を一枚ずつ搬送する。オーバーフロースタッカ搬送路192は、メイン搬送路191とオーバーフロースタッカ150との間に設けられる。回収搬送路193は、メイン搬送路191と回収ボックス170との間に設けられる。リジェクト搬送路194は、メイン搬送路191とリジェクトボックス180との間に設けられる。カセット搬送路195は、メイン搬送路191と硬貨カセット160との間に設けられる。オーバーフロースタッカ搬送路192、回収搬送路193、リジェクト搬送路194およびカセット搬送路195は、たとえば、シューターである。
第2搬送部200は、オーバーフロースタッカ150および硬貨カセット160と一時保留部130との間に、上下方向に延びるよう設けられる。第2搬送部200は、硬貨を上方へ搬送するコンベア機構等により構成される。オーバーフロースタッカ150および硬貨カセット160から繰り出された硬貨は、第2搬送部200により複数枚単位で一時保留部130に搬送される。第2搬送部200のコンベア機構は、第1搬送部190のメイン搬送路191のベルト機構より高速に移動することができ、このため、第2搬送部200の搬送速度は、メイン搬送路191の搬送速度より速い。
識別部210は、第1搬送部190のメイン搬送路191において、一時保留部130と、その後方の金種別スタッカ140との間に配置される。識別部210は、第1搬送部190を流れる硬貨の属性として、硬貨の真偽、金種、正損等を識別する。
硬貨処理装置10は、さらに、制御部240と、記憶部250とを備える。制御部240は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備える。制御部240は、記憶部250に記憶された動作プログラムに従って、入出金口部110の開閉機構113、繰出部120の繰出機構121および排出機構122、一時保留部130の繰出機構131、金種別スタッカ140の繰出機構141、オーバーフロースタッカ150のベルト機構151およびシャッター機構152、硬貨カセット160のベルト機構161およびシャッター機構162、第1搬送部190(メイン搬送路191)、第2搬送部200、識別部210等を制御する。また、記憶部250は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部240の動作プログラムを記憶し、また、制御部240の制御処理の際にワーク領域として利用される。
記憶部250には、6つの金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がそれぞれ記憶される。また、記憶部250には、オーバーフロースタッカ150内の硬貨の枚数が金種別に記憶される。制御部240は、各金種別スタッカ140内の硬貨の枚数とオーバーフロースタッカ150内の硬貨の枚数をソフト的にカウントする。すなわち、制御部240は、記憶部250に記憶された各金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を、各金種別スタッカ140に対して硬貨が出し入れされる度に増減させ、記憶部250に記憶されたオーバーフロースタッカ150内の硬貨の金種別の枚数を、オーバーフロースタッカ150に対して硬貨が出し入れされる度に増減させる。
さらに、記憶部250には、入金履歴および出金履歴が記憶される。入金履歴には、入金日時、入金額、金種毎の入金枚数等が含まれ、出金履歴には、出金日時、出金額、金種毎の出金枚数等が含まれる。入金履歴に基づいて一日の総入金額を算出でき、出金履歴に基づいて一日の総出金額が算出できる。
<硬貨処理装置の動作>
次に、硬貨処理装置10の動作について説明する。なお、以降の説明において、便宜上、オーバーフロースタッカ150を、OFスタッカ150と称することとする。
まず、硬貨処理装置10へ硬貨を入金するための入金処理について説明する。
図3は、入金処理を示すフローチャートである。図4(a)および(b)は、入金処理における硬貨の流れを示す図である。
入出金口部110に硬貨が投入された状態で、制御部240により所定の操作が受け付けられると、入金処理が開始される。制御部240は、開閉機構113を開動作させて、入出金口部110から硬貨を放出させる(S101)。放出された硬貨は、繰出部120に収納される。次に、制御部240は、繰出部120に、硬貨を第1搬送部190(メイン搬送路191)へ繰り出させ、繰り出された硬貨を、第1搬送部190に一時保留部130の方向へ搬送させる(S102)。制御部240は、第1搬送部190を流れる硬貨の属性、即ち、真偽、金種および正損を識別部210に識別させる(S103)。制御部240は、識別された硬貨が、金種が識別でき且つ破損等のない正常硬貨である場合(S104:YES)、その硬貨を、第1搬送部190に一時保留部130へ搬送させる(S105)。一方、制御部240は、識別された硬貨が、正常硬貨でない、即ちリジェクト硬貨である場合(S104:NO)、その硬貨を、第1搬送部190に入出金口部110へ搬送させる(S106)。
制御部240は、一時保留部130への硬貨の搬送が完了するまで、S102~S106の処理を繰り返す。なお、S102~S106の一連の処理は、先の一連の処理の完了を待つことなく、連続的に実行される。よって、繰出部120内の硬貨は、次々に繰り出され、次々に一時保留部130へ搬送される。硬貨の搬送が完了すると(S107:YES)、制御部240は、繰出部120と第1搬送部190を停止させ(S108)、入金の確定を待つ(S109)。
こうして、図4(a)に示すように、入出金口部110に投入された硬貨は、繰出部120を経由して一時保留部130に収納され、投入された硬貨の中に正常でない硬貨が含まれていれば、その硬貨が入出金口部110に返却される。
なお、入出金口部110に硬貨が返却された場合、入金が確定される前に、返却された硬貨に代わる同じ金種の硬貨が入出金口部110に投入され、S101~S106の処理が行われて、その硬貨が一時保留部130に収納されてもよい。
確定操作等が行われることにより、入金が確定されると(S109:YES)、制御部240は、一時保留部130に、硬貨を第1搬送部190へ繰り出させ、繰り出された硬貨を第1搬送部190(メイン搬送路191)に6つの金種別スタッカ140の方向へ搬送させる(S110)。制御部240は、第1搬送部190を流れる硬貨の金種を識別部210に識別させる(S111)。そして、制御部240は、金種の識別結果を得ると、識別された硬貨の金種に割り当てられた金種別スタッカ140、即ち、その硬貨の収納対象となる金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数以上であるか否かを判定する(S112)。ここで、ニアフル枚数は、金種別スタッカ140に収納可能な最大枚数、即ち金種別スタッカ140がフル状態(満杯状態)となる枚数よりも少ない所定の枚数であり、金種別スタッカ140がニアフル状態(満杯に近い状態)となるような枚数とされ得る。最大枚数は、金種別スタッカ140に割り当てられた金種、即ちその金種の硬貨の径に応じて変わり得る。よって、ニアフル枚数は、金種別スタッカ140に割り当てられた金種に応じて変えられてもよい。ニアフル枚数は、特許請求の範囲に記載の「第2所定量」に対応する。
前述のとおり、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数は、記憶部250に記憶されている。制御部240は、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数未満である場合(S112:NO)、第1搬送部190に、金種が識別された硬貨を収納対象となる金種別スタッカ140へ搬送させる(S113)。
制御部240は、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数以上である場合(S112:YES)、OFスタッカ150内の硬貨の枚数が、OFスタッカ150に収納可能な最大枚数に達しているか否かを判定する(S114)。前述のとおり、OFスタッカ150内の硬貨の金種別の枚数が記憶部250に記憶されており、これら金種別の硬貨の枚数を合算することにより、OFスタッカ150内の硬貨の枚数を得ることができる。
OFスタッカ150の硬貨の枚数が最大枚数に達していない場合(S114:NO)、制御部240は、第1搬送部190(メイン搬送路191およびオーバーフロースタッカ搬送路192)に、金種が識別された硬貨をOFスタッカ150へ搬送させる(S115)。一方、OFスタッカ150が最大枚数に達している場合(S114:YES)、制御部240は、第1搬送部190に、金種が識別された硬貨を収納対象となる金種別スタッカ140へ搬送させる(S113)。
制御部240は、金種別スタッカ140またはOFスタッカ150への硬貨の搬送が完了するまで、S110~115の処理を繰り返す。なお、S110~S115の一連の処理は、先の一連の処理の完了を待つことなく、連続的に実行される。よって、一時保留部130内の硬貨は、次々に繰り出され、次々に金種別スタッカ140またはOFスタッカ150へ搬送される。硬貨の搬送が完了すると(S116:YES)、制御部240は、一時保留部130と第1搬送部190を停止させる(S117)。
こうして、図4(b)に示すように、一時保留部130から繰出された硬貨が、その金種に応じた金種別スタッカ140に収納される。この際、何れかの金種別スタッカ140において、収納された硬貨の枚数がニアフル枚数に達すると、その後は、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、OFスタッカ150へと搬送され、収納される。ただし、OFスタッカ150に収納された硬貨の枚数が、今回の入金処理以前に最大枚数に達しているか、今回の入金処理の途中に最大枚数に達した場合は、何れかの金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数に達していても、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、OFスタッカ150へは搬送されず、その金種別スタッカ140に収納される。
次に、硬貨処理装置10から硬貨を出金するための出金処理について説明する。図5(a)および(b)は、出金処理における硬貨の流れを示す図である。なお、出金処理も、制御部240により実行される。
出金処理の際には、図5(a)に示すように、出金額に応じた金種の硬貨が、その金種に割り当てられた金種別スタッカ140から第1搬送部190(メイン搬送路191)に繰り出される。繰り出された硬貨は、第1搬送部190により搬送され、識別部210により真偽、金種および正損が識別される。識別の結果、正常硬貨は、入出金口部110に投出される。一方、リジェクト硬貨は、一時保留部130に収納される。
出金額分の硬貨が入出金口部110に払い出された後、図5(b)に示すように、一時保留部130からリジェクト硬貨が第1搬送部190に繰り出される。繰出されたリジェクト硬貨は、第1搬送部190(メイン搬送路191およびオーバーフロースタッカ搬送路192)で搬送され、OFスタッカ150に収納される。
次に、OFスタッカ150内の硬貨および金種別スタッカ140内の硬貨を硬貨カセット160内へ回収するための回収処理について説明する。回収処理は、主として、硬貨処理装置10、即ち自動精算機による一日の営業が終了した後に行われる。
回収処理には、売上金回収処理と全回収処理とが含まれる。売上金回収処理は、一日の総入金額から一日の総出金額を差し引いた金額の硬貨を、売上金額として回収する処理である。売上金回収処理では、少なくともOFスタッカ150から硬貨が硬貨カセット160に回収される。全回収処理は、OFスタッカ150内の全ての硬貨と6つの金種別スタッカ140内の全ての硬貨を回収する処理である。全回収処理では、OFスタッカ150および金種別スタッカ140から硬貨が硬貨カセット160に回収される。たとえば、売上金回収処理は、特許請求の範囲に記載の「第1回収処理」に対応し、全回収処理は、特許請求の範囲に記載の「第2回収処理」に対応する。
まず、売上金回収処理について説明する。本実施形態では、売上金回収処理の際に、何れかの金種別スタッカ140において、収納された硬貨の枚数が準備枚数に満たない場合に、OFスタッカ150に収納された、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、準備金として、その金種別スタッカ140が搬送される。準備枚数は、一日の営業が開始されるときに準備金として必要と考えられる枚数であり、金種別スタッカ140内に収納可能な最大枚数、即ち金種別スタッカ140がフル状態(満杯状態)となる枚数よりも少ない枚数である。また、本実施形態では、準備枚数が、ニアフル枚数よりも少ない枚数とされる。準備枚数は、特許請求の範囲に記載の「第1所定量」に対応する。
図6は、売上金回収処理を示すフローチャートである。図7、図8(a)および(b)は、売上金回収処理における硬貨の流れを示す図である。なお、図7には、売上金回収処理が行われる前に、上側の2つの金種別スタッカ140に準備枚数より多くの硬貨が収納されており、下側の4つの金種別スタッカ140に準備枚数より少ない硬貨が収納されている例が示されている。
売上金回収処理のための操作が制御部240により受け付けられると、売上金回収処理が開始される。制御部240は、OFスタッカ150に硬貨を送出させ、送出された硬貨を第2搬送部200に一時保留部130へ搬送させ、続けて、一時保留部130に一旦収納された硬貨を、一時保留部130に繰り出させ、繰り出された硬貨を第1搬送部190に搬送させる(S201)。つまり、第2搬送部200に搬送された硬貨は、一時保留部130を経由し、そのまま連続して第1搬送部190に搬送されることとなる。
制御部240は、第1搬送部190を流れる硬貨の金種を識別部210に識別させる(S202)。そして、制御部240は、金種の識別結果を得ると、識別された硬貨の収納対象となる金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が準備枚数以上であるか否かを判定する(S203)。
制御部240は、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が準備枚数以上である場合(S203:YES)、第1搬送部190(メイン搬送路191およびカセット搬送路195)に、金種が識別された硬貨を硬貨カセット160へ搬送させる(S204)。一方、制御部240は、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が準備枚数未満である場合(S203:NO)、第1搬送部190に、金種が識別された硬貨を収納対象となる金種別スタッカ140へ搬送させる(S205)。
制御部240は、硬貨カセット160または金種別スタッカ140への硬貨の搬送が完了するまで、S201~205の処理を繰り返す。なお、S201~S205の一連の処理は、先の一連の処理の完了を待つことなく、連続的に実行される。よって、OFスタッカ150内の硬貨は、次々に繰り出され、次々に硬貨カセット160または金種別スタッカ140へ搬送される。
後述のS208以降の処理において、売上金回収処理が行われる前に、準備枚数より多くの硬貨が収納された金種別スタッカ140から準備枚数を超える分の硬貨が、余剰硬貨として硬貨カセット160に回収される。よって、売上金額から余剰硬貨による金額を差し引いた差引金額が、OFスタッカ150から硬貨カセット160に回収される金額となる。制御部240は、差引金額分の硬貨が硬貨カセット160に収納され、且つ、硬貨が不足していた全ての金種別スタッカ140の硬貨の枚数が準備枚数に達したときに、硬貨の搬送が完了したと判定する。
なお、差引金額分の硬貨が硬貨カセット160に収納され、且つ、硬貨が不足していた全ての金種別スタッカ140の硬貨の枚数が準備枚数に達する前に、差引金額分の硬貨が硬貨カセット160に収納された場合であって、その後に金種別スタッカ140に補充されるべき金種以外の金種の硬貨がOFスタッカ150から送出された場合には、送出された硬貨は第1搬送部190に搬送されてOFスタッカ150に戻される。
また、売上金回収処理の前に、いくつかの金種について、OFスタッカ150内に金種別スタッカ140に不足している枚数分の硬貨がない場合もあり得る。この場合、全ての金種別スタッカ140の硬貨の枚数が準備枚数に達していなくても、OFスタッカ150にあった枚数分の硬貨が金種別スタッカ140に収納されたときに、制御部240は、硬貨の搬送が完了したと判定する。
硬貨の搬送が完了すると(S206:YES)、制御部240は、OFスタッカ150、第2搬送部200、一時保留部130および第1搬送部190を停止させる(S207)。
こうして、図7に示すように、OFスタッカ150内の硬貨が硬貨カセット160に回収され、このとき同時に、硬貨の枚数が準備枚数に満たない金種別スタッカ140に、OFスタッカ150内の硬貨が補充される。
次に、制御部240は、準備枚数を超える硬貨が存在する金種別スタッカ140に、余剰分の硬貨(余剰硬貨)を第1搬送部190へ繰り出させ、繰り出された余剰硬貨を、第1搬送部190に一時保留部130へ搬送させる(S208)。本実施形態では、硬貨処理装置10の構造上、金種別スタッカ140から繰り出した余剰硬貨を第1搬送部190により硬貨カセット160へ向けて搬送できない。このため、金種別スタッカ140内の余剰硬貨は、まず、一時保留部130に搬送される。
一時保留部130への全ての余剰硬貨の搬送が完了すると(S209:YES)、制御部240は、金種別スタッカ140と第1搬送部190を停止させる(S210)。こうして、図8(a)のように、金種別スタッカ140内の余剰硬貨が一時保留部130に送られて収納される。
次に、制御部240は、一時保留部130に、余剰硬貨を第1搬送部190へ繰り出させ、繰り出された余剰硬貨を、第1搬送部190に硬貨カセット160へ搬送させる(S211)。そして、硬貨カセット160への全ての余剰硬貨の搬送が完了すると(S212:YES)、制御部240は、一時保留部130と第1搬送部190を停止させる(S213)。こうして、図8(b)のように、一時保留部130内の余剰硬貨が硬貨カセット160に送られて収納される。これにより、金種別スタッカ140内の余剰硬貨が硬貨カセット160に回収される。
こうして、売上金回収処理が終了する。硬貨カセット160内には、売上金額の硬貨が溜められる。係員は、硬貨カセット160を筐体100内から取り外し、硬貨カセット160内の硬貨を取り出す。なお、硬貨処理装置10から取り外された硬貨カセット160がそのまま回収されてもよい。この場合、新たな硬貨カセット160が筐体100内に装着され得る。
売上金回収処理が行われた場合、翌日の営業前には、全ての金種別スタッカ140内に準備金(準備枚数の硬貨)が揃っている。よって、営業前に準備金の補充作業が不要となる。なお、準備金が揃っていない金種別スタッカ140がある場合は、その金種別スタッカ140だけに入出金口部110や硬貨カセット160を通じて外部から硬貨が補充されてもよい。
次に、全回収処理について説明する。
図9は、全回収処理を示すフローチャートである。図10(a)、(b)および図11は、全回収処理における硬貨の流れを示す図である。
全回収処理のための操作が制御部240により受け付けられると、全回収処理が開始される。制御部240は、各金種別スタッカ140に、所定の順序に従って、当該金種別スタッカ140内の全ての硬貨を繰り出させ、繰り出された硬貨を、第1搬送部190に一時保留部130へ搬送させる(S301、図10(a)参照)。制御部240は、全ての金種別スタッカ140内の硬貨が一時保留部130に収納されたか否か、および、一時保留部130が満杯になったか否かを監視する(S302、S303)。
全ての金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が、一時保留部130に収納可能な硬貨の枚数より少ない場合は、一時保留部130が満杯になる前に全ての金種別スタッカ140の硬貨が一時保留部130に収納される。一方、全ての金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が、一時保留部130に収納可能な硬貨の枚数より多い場合は、全ての金種別スタッカ140の硬貨が一時保留部130に収納される前に一時保留部130が満杯になる。
全ての金種別スタッカ140の硬貨が一時保留部130に収納されるか(S302:YES)、あるいは、一時保留部130が満杯になると(S303:YES)、制御部240は、金種別スタッカ140と第1搬送部190を停止させる(S304)。
次に、制御部240は、一時保留部130に硬貨を繰り出させ、繰り出された硬貨を第1搬送部190に硬貨カセット160へ搬送させる(S305、図10(b)参照)。一時保留部130内の硬貨が全て硬貨カセット160に収納されると(S306:YES)、制御部240は、一時保留部130と第1搬送部190を停止させる(S307)。
次に、制御部240は、全ての金種別スタッカ140からの硬貨の回収が完了したか否かを判定する(S308)。全ての金種別スタッカ140の硬貨が一時保留部130に収納される前に一時保留部130が満杯になったため、一時保留部130に収納された分の硬貨が硬貨カセット160に搬送された場合は、硬貨が回収されていない金種別スタッカ140が存在することとなる。この場合、制御部240は、硬貨の回収が完了していないと判定し(S308:NO)、再度S301~S307の処理を実行する。
残りの硬貨が回収され、全ての硬貨の回収が完了すると(S308:YES)、制御部240は、OFスタッカ150に硬貨を送出させ、送出された硬貨を第2搬送部200に一時保留部130へ搬送させ、続けて、一時保留部130に一旦収納された硬貨を、一時保留部130に繰り出させ、繰り出された硬貨を第1搬送部190に硬貨カセット160へ搬送させる(S309、図11参照)。
OFスタッカ150内の硬貨が硬貨カセット160内に全て収納されると(S310:YES)、制御部240は、OFスタッカ150、第2搬送部200、一時保留部130および第1搬送部190を停止させる(S311)。こうして、全回収処理が終了する。係員は、硬貨カセット160を筐体100内から取り外し、硬貨カセット160内の硬貨を取り出す。
ここで、各金種別スタッカ140内の硬貨は、金種別スタッカ140から一時保留部130までの第1搬送部190(メイン搬送路191)と、一時保留部130と、一時保留部130から硬貨カセット160までの第1搬送部190(メイン搬送路191およびカセット搬送路195)とからなる第1搬送経路を通って硬貨カセット160に回収される。一方、OFスタッカ150内の硬貨は、第2搬送部200と、一時保留部130と、一時保留部130から硬貨カセット160までの第1搬送部190とからなる第2搬送経路を通って硬貨カセット160に回収される。なお、6つの第1搬送経路の中では、一時保留部130までの搬送経路が最も短い金種別スタッカ140についての第1搬送経路が最も短くなり、一時保留部130までの搬送経路が最も長い金種別スタッカ140についての第1搬送経路が最も長くなる。
第2搬送部200の搬送速度は、第1搬送部190のメイン搬送路191の搬送速度よりも速い。また、第1搬送部190では一枚ずつ硬貨が搬送されるのに対し、第2搬送部200では、複数枚単位で硬貨が搬送される。さらに、第1搬送経路では、金種別スタッカ140から一時保留部130への硬貨の搬送が終了しないと一時保留部130から硬貨が繰り出せないのに対し、第2搬送経路では、第2搬送部200から一時保留部130へ硬貨が搬送されているときに一時保留部130から硬貨が繰り出させる。このため、第2搬送経路による搬送時間は、最も短い第1搬送経路による搬送時間よりも短くなり、即ち、6つの何れの第1搬送経路による搬送時間よりも短くなる。さらに、第1搬送経路では、金種毎に搬送を止めなければならないが、第2搬送経路では、金種毎に搬送を止める必要がなく、搬送時間が短くなる。
本実施形態では、入金処理の際、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が、収納可能な最大枚数より少ないニアフル枚数に達している場合に、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨がOFスタッカ150に収納されるので、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が最大枚数に達している場合に、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨がOFスタッカ150に収納されるような構成とされた場合に比べて、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。よって、全回収処理において、金種別スタッカ140から硬貨カセット160への硬貨の回収時間を短くできる。一方で、全回収処理が行われる前のOFスタッカ150内の硬貨の枚数は多くなるので、全回収処理において、OFスタッカ150から硬貨カセット160への硬貨の回収時間は長くなる。しかしながら、前述のように、第2搬送経路による搬送時間は第1搬送経路による搬送時間よりも短いので、全回収処理全体における回収時間を短くすることが可能となる。
同様に、本実施形態では、売上金回収処理の際、金種別スタッカ140内には、収納可能な最大枚数より少ない準備枚数まで硬貨が補充されるので、金種別スタッカ140内に最大枚数まで硬貨が補充されるような構成とされた場合に比べて、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。よって、全回収処理において、金種別スタッカ140から硬貨カセット160への硬貨の回収時間を短くでき、全回収処理全体における回収時間を短くすることが可能となる。
特に、本実施形態では、準備枚数はニアフル枚数よりも少ない枚数とされているので、準備枚数がニアフル枚数以上の枚数とされる場合に比べて、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。よって、全回収処理全体における回収時間を一層短くすることが可能となる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
少なくともオーバーフロースタッカ150に収納された硬貨が硬貨カセット160へ回収される売上金回収処理の際、金種別スタッカ140に収納された硬貨の枚数が準備枚数より少ない場合には、オーバーフロースタッカ150に収納された、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、その金種別スタッカ140に補充される。これにより、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が準備枚数に達すれば、外部から硬貨を金種別スタッカ140に補充する補充作業が不要となり、硬貨の枚数が準備枚数に達していなくても、準備枚数から足りない分だけ外部の硬貨を補充すればよくなる。よって、補充作業が軽減される。
また、全回収処理により、金種別スタッカ140およびオーバーフロースタッカ150の双方に収納された硬貨を、硬貨カセット160へ回収することができる。
さらに、準備枚数は、金種別スタッカ140に収納可能な最大枚数より少なくされるので、準備枚数が最大枚数とされる場合と比べて、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。これにより、全回収処理において、金種別スタッカ140から硬貨カセット160への硬貨の回収時間を短くでき、全回収処理全体において、回収時間を短くすることが可能となる。
さらに、売上金回収処理の際、硬貨の枚数が準備枚数よりも多い金種別スタッカ140から準備枚数を超える分の硬貨が硬貨カセット160に回収されるので、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。これにより、全回収処理において、金種別スタッカ140から硬貨カセット160への硬貨の回収時間を短くでき、全回収処理全体において、回収時間を短くすることが可能となる。
さらに、第2搬送経路による搬送時間が、第1搬送経路による搬送時間よりも短くされているので、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が少なくなることで、全回収処理が行われる前のオーバーフロースタッカ150内の硬貨の枚数が多くなるようなことが生じ、全回収処理において、オーバーフロースタッカ150から硬貨カセット160への硬貨の回収時間が長くなるようなことが生じても、全回収処理全体では、回収時間を短くすることが可能となる。
さらに、入金処理の際、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が、最大枚数よりも少ないニアフル枚数以上である場合に、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨がオーバーフロースタッカ150に収納されるので、ニアフル枚数が最大枚数と同じにされる場合に比べて、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を少なくできる。一方で、全回収処理が行われる前のオーバーフロースタッカ150内の硬貨の枚数は多くなるので、全回収処理において、オーバーフロースタッカ150から硬貨カセット160への硬貨の回収時間は長くなる。しかしながら、第2搬送経路による搬送時間は第1搬送経路による搬送時間よりも短いので、全回収処理全体では、回収時間を短くすることが可能となる。
しかも、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数以上である場合であっても、オーバーフロースタッカ150内の硬貨の枚数が、収納可能な最大枚数に達している場合には、その金種別スタッカ140に対応する金種の硬貨が、その金種別スタッカ140に収納されるので、オーバーフロースタッカ150に硬貨が収納できなくなったことにより入金処理が中止されてしまうことが防止される。
さらに、ニアフル枚数が最大枚数より少なくされることに加え、準備枚数がニアフル枚数よりも少なくされているので、全回収処理が行われる前の金種別スタッカ140内の硬貨の枚数を一層少なくできる。これにより、全回収処理において、金種別スタッカ140から硬貨カセット160への硬貨の回収時間を一層短くでき、全回収処理全体において、回収時間を一層短くすることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施形態では、図6のように、売上回収処理において、オーバーフロースタッカ150に収納された硬貨の金種別スタッカ140への補充とオーバーフロースタッカ150に収納された硬貨の硬貨カセット160への回収とが同時に行われた。しかしながら、これに限られず、金種別スタッカ140への硬貨の補充および硬貨カセット160への硬貨の回収のうち、何れかが一方が先に行われ、それが完了した後に他方が行われるようにしてもよい。この場合、金種別スタッカ140への硬貨の補充の際には、オーバーフロースタッカ150から送出された補充の対象とならない硬貨がオーバーフロースタッカ150に戻され、硬貨カセット160への硬貨の回収の際には、オーバーフロースタッカ150から送出された回収の対象とならない硬貨がオーバーフロースタッカ150に戻される。
また、上記実施形態では、図6のように、売上回収処理において、オーバーフロースタッカ150に収納された硬貨の金種別スタッカ140への補充とオーバーフロースタッカ150に収納された硬貨の硬貨カセット160への回収とが行われた後に、準備枚数を超える枚数の硬貨が存在する金種別スタッカ140内に収納された硬貨の硬貨カセット160への回収が行われた。しかしながら、準備枚数を超える枚数の硬貨が存在する金種別スタッカ140内からの硬貨の回収が最初に行われてもよい。
さらに、上記実施形態では、全回収処理において、6つの金種別スタッカ140内の硬貨の回収が完了した後に、オーバーフロースタッカ150内の硬貨の回収が行われた。しかしながら、これとは反対に、オーバーフロースタッカ150内の硬貨の回収が完了した後に、6つの金種別スタッカ140内の硬貨の回収が行われてもよい。
さらに、上記実施形態では、回収処理に、売上回収処理と全回収処理とが含まれた。しかしながら、回処処理に、売上金回収処理と同様、硬貨カセット160への硬貨の回収とともに金種別スタッカ140への硬貨の補充が行われる余剰金回収処理が加えられてもよい。余剰金回収処理は、オーバーフロースタッカ150内の全ての硬貨と金種別スタッカ140内の準備枚数を超える分の硬貨とを硬貨カセット160へ回収する処理である。余剰金回収処理の制御動作は、図6に示す売上金回収処理の制御動作と同様である。ただし、余剰金回収処理では、S206において、オーバーフロースタッカ150内の全ての硬貨が硬貨カセット160に収納され、且つ、硬貨が不足していた全ての金種別スタッカ140の硬貨の枚数が準備枚数に達したときに、制御部240が、硬貨の搬送が完了したと判定する。この場合、余剰金回収処理が、特許請求の範囲に記載の「第1回収処理」に対応することになる。
さらに、上記実施形態では、硬貨の量として、硬貨の枚数が用いられた。しかしながら、硬貨の量として、硬貨の合計金額や硬貨の合計重量が用いられてもよい。この場合、準備枚数に代えて、準備枚数に相当する合計金額あるいは合計重量が、第1金額閾値あるいは第1重量閾値として用いられ、図6の売上金回収処理のS203では、金種別スタッカ140内の硬貨の合計金額が第1金額閾値と比較され、あるいは、金種別スタッカ140内の硬貨の合計重量が第1重量閾値と比較される。同様に、ニアフル枚数に代えて、ニアフル枚数に相当する合計金額あるいは合計重量が、第2金額閾値あるいは第2重量閾値として用いられ、図3の入金処理のS112では、金種別スタッカ140内の硬貨の合計金額が第2金額閾値と比較され、あるいは、金種別スタッカ140内の硬貨の合計重量が第2重量閾値と比較される。
さらに、上記実施形態では、制御部240が、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数をソフト的にカウントすることにより、図6の売上金回収処理のS203で金種別スタッカ140内の硬貨の枚数が準備枚数以上であるか否かを判定し、図3の入金処理のS112で金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数以上であるか否かを判定した。しかしながら、上記のようにソフトカウントとされるのではなく、金種別スタッカ140内の硬貨の量が、フォトセンサ、重量センサ等の検出センサにより機械的に検出されてもよい。この場合、図6の売上金回収処理のS203では、金種別スタッカ140内の硬貨の量が準備枚数に相当する硬貨の量以上であることが検出さセンサで検出されているかが判定され、図3の入金処理のS112では、金種別スタッカ140内の硬貨の量がニアフル枚数に相当する硬貨の量以上であることが検出センサで検出されているかが判定される。
さらに、上記実施形態において、回収ボックス170の位置と、補充ボックス181の位置とが入れ替えられてもよい。すなわち、回収ボックス170が、硬貨カセット160において、運用ボックス182と横並びに設けられ、補充ボックス181がOFスタッカ150に設けられてもよい。この場合、回収搬送路193が、補充ボックス181への搬送路となり、リジェクト搬送路194が、回収ボックス170と運用ボックス182の搬送路となる。
さらに、上記実施形態では、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がニアフル枚数に達してれば、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、OFスタッカ150へ搬送された。しかしながら、金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がフル枚数に達するまでは当該金種別スタッカ140に硬貨が収納され、その金種別スタッカ140内の硬貨の枚数がフル枚数に達すると、その後は、その金種別スタッカ140に収納されるべき金種の硬貨が、OFスタッカ150へ搬送されるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、硬貨処理装置10が自動精算機の内部に配置された。しかしながら、硬貨処理装置10が、その他の機器、たとえば、金融機関、コンビニエンスストア等の施設に設置される現金自動預け払い機(ATM)の内部に配置されてもよい。
さらに、本発明は、自動精算機やATMに組み込まれる硬貨処理装置10に限られず、銀行等の金融機関に設置され、貨幣(硬貨および紙幣)の入金処理等が行われる窓口テラー用の貨幣入出金機や出納機に含まれる硬貨処理装置など、その他の硬貨処理装置に適用することができる。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。
10 硬貨処理装置
140 金種別スタッカ(第1収納部)
150 オーバーフロースタッカ(第2収納部)
160 硬貨カセット(回収部)
190 第1搬送部(搬送部)
200 第2搬送部(搬送部)
240 制御部

Claims (5)

  1. 同一金種の硬貨が金種別に収納される複数の第1収納部と、
    異なる金種の硬貨が混在して収納される第2収納部と、
    前記第1収納部および前記第2収納部に収納された硬貨が回収される回収部と、
    硬貨を搬送する搬送部と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    少なくとも前記第2収納部に収納された硬貨が前記搬送部によって前記回収部へ回収される第1回収処理を行い、
    前記第1回収処理の際、
    前記第2収納部から次々に硬貨を繰り出させ、
    何れかの前記第1収納部に収納された硬貨の量が第1所定量より少ない場合に、前記第2収納部に収納された、硬貨が不足する前記第1収納部に割り当てられた金種と同じ金種の硬貨が前記第1収納部へ搬送され、硬貨が不足する前記第1収納部に割り当てられた金種と異なる金種の硬貨が前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、
    硬貨が不足していた全て前記第1収納部の硬貨が前記第1所定量に達する前に前記回収部に回収されるべき金額の硬貨が前記回収部に回収された場合であって、その後、硬貨が不足する前記第1収納部に補充されるべき金種以外の金種の硬貨が前記第2収納部から送出された場合には、送出された硬貨を前記搬送部に搬送させて前記第2収納部に戻す、
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記制御部は、前記第1収納部および前記第2収納部に収納された硬貨が前記回収部へ回収される第2回収処理を行い、
    前記第1所定量は、前記第1収納部に収納可能な最大量よりも少なく、
    前記制御部は、
    前記第1回収処理の際、前記第1収納部に収納された硬貨の量が前記第1所定量よりも多い場合に、前記第1収納部に収納された前記第1所定量より多い分の余剰硬貨が前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、
    さらに、前記回収されるべき金額から前記余剰硬貨による金額を差し引いた差引金額分の硬貨が、前記第2収納部から前記回収部へ搬送されるように前記搬送部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記第1収納部内の硬貨は、第1搬送経路を通って前記回収部へ回収され、
    前記第2収納部内の硬貨は、第2搬送経路を通って前記回収部へ回収され、
    前記第2搬送経路による硬貨の搬送時間が、前記第1搬送経路による硬貨の搬送時間よりも短い、
    ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記制御部は、外部から入金された硬貨が前記第1収納部に収納される入金処理の際、前記第1収納部内の硬貨の量が、前記第1収納部に収納可能な最大量よりも少ない第2所定量以上である場合に、
    前記第2収容部内の硬貨の量が前記第2収納部に収納可能な最大量に達していないときには、入金された硬貨が前記第2収納部へ搬送されるように前記搬送部を制御し、
    前記第2収納部内の硬貨の量が前記第2収納部に収納可能な最大量に達しているときには、入金された硬貨が前記第1収納部へ搬送されるように前記搬送部を制御する、
    ことを特徴とする請求項に記載の硬貨処理装置。
  5. 前記第1所定量は、前記第2所定量よりも少ない、
    ことを特徴とする請求項に記載の硬貨処理装置。
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