[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP7292817B2 - 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法 - Google Patents

面ファスナー及び面ファスナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7292817B2
JP7292817B2 JP2021541978A JP2021541978A JP7292817B2 JP 7292817 B2 JP7292817 B2 JP 7292817B2 JP 2021541978 A JP2021541978 A JP 2021541978A JP 2021541978 A JP2021541978 A JP 2021541978A JP 7292817 B2 JP7292817 B2 JP 7292817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
masking
fastener
hook
engaging
base portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021541978A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021038917A1 (ja
Inventor
志宇 任
淳志 中谷
雄太 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/JP2019/034183 external-priority patent/WO2021038843A1/ja
Application filed by YKK Corp filed Critical YKK Corp
Publication of JPWO2021038917A1 publication Critical patent/JPWO2021038917A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7292817B2 publication Critical patent/JP7292817B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0046Fasteners made integrally of plastics
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B5/00Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them
    • F16B5/07Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them by means of multiple interengaging protrusions on the surfaces, e.g. hooks, coils
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0069Details
    • A44B18/0076Adaptations for being fixed to a moulded article during moulding
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0003Fastener constructions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0069Details
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T24/00Buckles, buttons, clasps, etc.
    • Y10T24/27Buckles, buttons, clasps, etc. including readily dissociable fastener having numerous, protruding, unitary filaments randomly interlocking with, and simultaneously moving towards, mating structure [e.g., hook-loop type fastener]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Slide Fasteners, Snap Fasteners, And Hook Fasteners (AREA)

Description

本発明は、合成樹脂製のファスナー部材と、そのファスナー部材に取り外し可能に保持される合成樹脂製のマスキング部材とを有する面ファスナー及びその面ファスナーの製造方法に関する。
自動車や列車の座席用シート、各種ソファー、事務用チェアーなどは、発泡樹脂を用いて所定の形状に成形されたクッション体(発泡体)の表面に、繊維製布帛、天然皮革、又は合成皮革等からなる表皮材を被せて固定することによって形成されるものがある。また、所望の形状に成形されたクッション体の表面に表皮材を被せて固定する場合、クッション体の表面と表皮材の裏面とを固定する手段として、複数のフック状の係合素子を有する雄型の面ファスナー(係合頭部材)と、複数のループを有する雌型の面ファスナー(ループ部材)とが組み合わされて利用されている。また、熱可塑性樹脂を成形して得られる雄型の面ファスナーは、成形面ファスナーと呼ばれることがある。
このような成形面ファスナーが表面に一体的に取り付けられるクッション体を製造する場合、始めに成形面ファスナーを金型の所定位置にセットする。その後、成形面ファスナーがセットされた金型内でクッション体の発泡成形を行う。これにより、成形面ファスナーが係合素子を露呈させた状態で固定されたクッション体が製造される。
このような成形面ファスナー付きのクッション体の製造において、例えばクッション体の発泡成形を行う際に、成形面ファスナーの係合素子が配されている領域(係合領域)内に、発泡樹脂が侵入して係合素子の周りに発泡体が形成されると、その係合素子にループ部材のループが係合し難くなる又は係合できなくなる。その結果、ループ部材に対する成形面ファスナーの係合強度(剥離強度)を低下させる。このため、従来から、成形面ファスナーの係合領域に対して発泡樹脂の侵入を防ぐために、様々な技術が開発されている。
例えば特表平9-506559号公報(特許文献1)には、図23に示した面ファスナー100が開示されている。この特許文献1の面ファスナー100は、合成樹脂製のファスナー部材101と、エラストマー包囲部102とを有する。ファスナー部材101は、ベース部103と、フック状の係合素子(フック素子)104とを有する。ベース部103は、複数の係合素子104を支持している。
エラストマー包囲部102は、ファスナー部材101の係合素子104を完全に包み込むとともに、ファスナー部材101から剥ぎ取ることが可能に形成されている。このエラストマー包囲部102は、ファスナー部材101の係合素子104が形成されている面に液体組成物をコーティングし、その後、コーティングした液体組成物をオーブンで乾燥させることによって形成される。
図23に示した特許文献1の面ファスナー100によれば、ファスナー部材101の係合素子104がエラストマー包囲部102に完全に包み込まれている。このため、その面ファスナー100を金型にセットしてクッション体の発泡成形を行う際に、面ファスナー100の係合素子104間に発泡樹脂が侵入することをエラストマー包囲部102によって阻止できる。このため、クッション体の発泡成形後に、エラストマー包囲部102をファスナー部材101から剥ぎ取ることによって、発泡樹脂によって汚染されていない複数の係合素子104を露出させることができる。それによって、成形面ファスナー100にループ部材を安定して係合させることが可能となる。
また、例えば特開2010-131353号公報(特許文献2)には、図24に示した面ファスナー110が開示されている。特許文献2の面ファスナー110は、第1テープ体111と、第1テープ体111の下面に固定される第2テープ体112と、第1テープ体111の左右側縁部の上面に設けられる左右の第1保護層113と、左右の第1保護層113に貼り合わせられる第2保護層114とを有する。
第1テープ体111の上面には、複数の係合素子(フック体)115が突出している。第2テープ体112は、不織布等により形成されており、第1テープ体111の強度を補強している。第1保護層113は、第1テープ体111から剥がれないように、第1テープ体111の係合素子115を内部に埋め込んだ形態で第1テープ体111に一体的に形成されている。
この第1保護層113は、ポリウレタンにより形成されており、また、第1保護層113には磁性物質が含まれている。第2保護層114は、第1保護層113の上面に貼り合わせられるとともに、第1テープ体111の係合素子115を上方から覆っている。この第2保護層114は、紙などの可撓性材質からなる。また、第2保護層114にも磁性物質が含まれている。
図24に示した特許文献2の面ファスナー110であれば、左右の第1保護層113間に配される係合素子115が第1保護層113及び第2保護層114によって覆われる。このため、面ファスナー110を金型にセットしてクッション体の発泡成形を行う際に、発泡樹脂が第1保護層113及び第2保護層114を越えて侵入することを防止できる。
特表平9-506559号公報 特開2010-131353号公報
図23に示した特許文献1の面ファスナー100では、ファスナー部材101に配される複数の係合素子104がエラストマー包囲部102に完全に埋設されている。このため、クッション体の発泡成形後にエラストマー包囲部102をファスナー部材101から取り外すときに、エラストマー包囲部102をファスナー部材101から剥がし難いことがある。また、ファスナー部材101からエラストマー包囲部102を剥がすときに、エラストマー包囲部102が強く引っ張られることによって、係合素子104に変形や破損などを生じさせる可能性もある。
一方、図24に示した特許文献2の面ファスナー110では、クッション体の発泡成形を行う際に、第2保護層114が第1保護層113から部分的に剥がれる可能性、又は、第1保護層113と第2保護層114との間に隙間ができる可能性が考えられる。その結果、第2保護層114が剥がれた部分や、第1保護層113及び第2保護層114間の隙間から発泡樹脂が係合領域に侵入する虞があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の係合素子により形成される係合領域をマスキング部材で覆うことによってクッション体の発泡成形を行う際に発泡樹脂が係合領域に侵入することを阻止し、且つ、発泡成形後にマスキング部材を容易に剥がすことが可能な面ファスナー及びその面ファスナーの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される面ファスナーは、合成樹脂製のファスナー部材と、前記ファスナー部材に取り外し可能に保持されるマスキング部材とを有し、前記ファスナー部材は、長尺で第1面と第2面とを有するプレート状のベース部と、前記ベース部の前記第1面から突出する複数の係合素子とを有し、前記マスキング部材は、前記ファスナー部材における複数の前記係合素子が含まれる係合領域を、前記ベース部とは反対の側から被覆し、前記マスキング部材に、少なくとも1つの前記係合素子が埋め込まれ、埋め込まれる前記係合素子の一部のみが前記マスキング部材に埋め込まれることにより、前記係合領域の少なくとも一部において、前記ベース部と前記マスキング部材との間に空間部が設けられ、前記マスキング部材は、前記ベース部に対向するマスキング裏面と、前記マスキング裏面の反対側に配されるマスキング表面とを有し、前記マスキング部材は、前記マスキング裏面に設けられ、且つ、前記ベース部の前記第1面から離間する方向に延びる凹状の溝部を有することを特徴とするものである。
本発明に係る面ファスナーにおいて、前記マスキング部材は、前記係合領域の全体において前記ベース部から前記空間部を介して離間していることが好ましい。
また、前記ファスナー部材は、複数の前記係合素子が前記ベース部の長さ方向に沿って形成される係合素子列を複数有し、1つの前記係合素子列に配される複数の前記係合素子は、前記マスキング部材に同じ深さで埋め込まれていることが好ましい。
更に、前記マスキング部材は、長尺であり、前記マスキング部材又は前記マスキング部材の本体部の長さ方向に直交する断面は、前記マスキング部材の長さ方向の全体に亘って同じ形状を有することが好ましい。
本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング部材は薄肉部を有し、前記薄肉部において、前記マスキング裏面から前記マスキング表面までの高さ寸法は、前記係合素子における前記ベース部の前記第1面からの高さ寸法よりも小さいことが好ましい。
更に、前記係合素子は、前記ベース部から起立する起立部と、前記起立部の先端部から延出する係合頭部とを有し、前記係合領域に含まれる複数の前記係合素子は、前記マスキング部材に前記係合頭部の少なくとも一部が埋め込まれるアンカー用係合素子と、前記係合素子の前記マスキング部材に埋め込まれる深さが前記アンカー用係合素子よりも小さい又は前記係合素子が前記マスキング部材に埋め込まれない剥離用係合素子とを含むことが好ましい。
この場合、前記アンカー用係合素子は、前記マスキング部材に前記係合頭部の全体と前記起立部の少なくとも一部とが埋め込まれていることが更に好ましい。
本発明の面ファスナーにおいて、前記係合領域に含まれる複数の前記係合素子は、前記マスキング部材に一定の深さで埋め込まれていることが好ましい。
また、前記ファスナー部材は、前記ベース部に長さ方向に沿って立設される左右の縦壁部を有し、複数の前記係合素子と前記マスキング部材とは、左右の前記縦壁部間に配され、左右の前記縦壁部に、磁性粒子を含有するモノフィラメントが固定され、又は磁性粒子が含有されることが好ましい。
この場合、左右の前記縦壁部の頂端面は、前記面ファスナーの高さ方向に関し、前記マスキング部材の前記マスキング表面よりも前記ベース部から離れた位置に配されていることが更に好ましい。
また本発明では、前記マスキング部材に、前記マスキング部材の長さ方向に沿って、磁性粒子を含有するモノフィラメントが配され、又は磁性粒子が含有されていてもよい。
本発明の面ファスナーにおいて、長さ方向に沿って配される複数のファスナー係合部と、長さ方向に隣接するファスナー係合部間を連結する可撓性を備えた連結部とを有し、前記連結部は、前記ファスナー部材と前記マスキング部材とによって形成されていることが好ましい。
また、前記ファスナー部材は、前記ベース部の前記第1面から突出し、且つ、前記空間部を埋めるリブを有することが好ましい。
更に、本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング部材の長さ方向における両端部のうちの少なくとも一方に、前記マスキング部材が前記ベース部から離れる方向に折り曲げられた折曲部が設けられていることが好ましい。
また、前記ベース部の長さ方向における両端部のうちの少なくとも一方に、前記ベース部の一部を切り離すスリットが設けられていることが好ましい。
次に、本発明に係る面ファスナーの製造方法は、合成樹脂製のファスナー部材と、前記ファスナー部材に取り外し可能に保持される合成樹脂製のマスキング部材とを有する面ファスナーの製造方法において、第1成形装置の第1ノズル部からファスナー用合成樹脂を溶融状態で供給し、長尺で第1面と第2面とを有するプレート状のベース部と、前記ベース部の前記第1面から突出する複数の係合素子とを有する前記ファスナー部材を成形すること、第2成形装置の第2ノズル部から、マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを溶融状態で供給すること、成形された前記ファスナー部材に、硬化する前の前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせること、前記ファスナー部材に前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせる前に、前記第2成形装置に配される成形ローラを用いて、前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに前記マスキング部材のマスキング裏面を形成可能な形状を付与すること、及び、前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせるときに、前記ファスナー部材の少なくとも1つの前記係合素子を前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに埋め込み、且つ、埋め込まれる前記係合素子の一部のみを前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに埋め込むことにより、前記ファスナー部材の前記ベース部と前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーとの間に空間部を設けること、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、クッション体の発泡成形を行う際に発泡樹脂が係合領域に侵入することを阻止し、且つ、発泡成形後にマスキング部材を容易に剥がすことができる面ファスナー、及びその面ファスナーの製造方法を提供できる。
本発明の実施例1に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図1に示した面ファスナーの平面図である。 図2に示したIII-III線における断面図である。 図1に示した面ファスナーのファスナー部材を模式的に示す斜視図である。 図1に示した面ファスナーの製造に用いられる第1成形装置を模式的に示す模式図である。 図1に示した面ファスナーの製造に用いられる第2成形装置を模式的に示す模式図である。 実施例1の第1変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第2変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第3変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第4変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第5変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第6変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第7変形例に係る面ファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の第8変形例に係る面ファスナーを模式的に示す底面図である。 本発明の実施例2に係る面ファスナーを模式的に示す平面図である。 本発明の実施例3に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図16に示した面ファスナーの断面図である。 図16に示した面ファスナーのファスナー部材を模式的に示す斜視図である。 図16に示した面ファスナーの製造に用いられる第2成形装置を模式的に示す模式図である。 本発明の実施例4に係る面ファスナーを模式的に示す平面図である。 図20に示したXXI-XXI線における断面図である。 図20に示した面ファスナーのファスナー部材を模式的に示す斜視図である。 従来の面ファスナーを示す断面図である。 従来の別の面ファスナーを示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、本発明において、成形面ファスナーの長さ寸法及び幅寸法、並びに、成形面ファスナーに設けられる係合素子の個数、配設位置、及び形成密度などは特に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
図1は、本実施例1に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図2は、面ファスナーの平面図であり、図3は、図2に示すIII-III線における断面図である。図4は、面ファスナーを形成するファスナー部材を模式的に示す斜視図である。
以下の説明において、面ファスナーについての前後方向とは、長尺に成形されるファスナー部材の長さ方向又は長手方向を言い、この前後方向は、例えば面ファスナーの製造工程においてファスナー部材が連続的に成形される機械方向(MD)に沿った方向である。
左右方向とは、前後方向に直交し、且つ、ファスナー部材のベース部の上面に沿った幅方向を言う。この場合、左右方向及び幅方向は、機械方向(MD)に直交する直交方向(CD)と言うこともできる。上下方向とは、ファスナー部材のベース部の上面に直交する高さ方向又は厚さ方向を言う。特に、ベース部に対して係合素子が突出する方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1に係る面ファスナー10は、前後方向に長く形成される合成樹脂製のファスナー部材20と、ファスナー部材20の上面(第1面)側に取り外し可能に保持されるマスキング部材30とを有する。
ファスナー部材20は、薄いプレート状のベース部21と、ベース部21の左右側縁部から上方に延びる左右の縦壁部22と、左右の縦壁部22間に配されるとともにベース部21から上方に延びる複数のフック状の係合素子23と、ベース部21から左右方向の外側に向けて延出する複数の耳部24とを有する。また、ファスナー部材20における左右の縦壁部22間には、複数の係合素子23により形成される係合領域25が設けられている。この係合領域25に、図示しないループ部材のループが係合される。
ファスナー部材20は、後述するように、磁性粒子を実質的に含まないファスナー用合成樹脂を溶融させて所定の形状に成形するとともに、磁性粒子を含有するモノフィラメント28を、溶融させた合成樹脂に供給して一体的に固定することによって形成されている。この場合、磁性粒子を含有するモノフィラメント28は、ファスナー部材20における左右の各縦壁部22に、上下方向に折り曲げられながら長さ方向に沿って連続的に固定されている。
本実施例1において、ファスナー部材20の材質となるファスナー用合成樹脂には、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、PVC樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、又はそれらの共重合体などの熱可塑性樹脂が採用される。磁性粒子を含有するモノフィラメント28には、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂等の合成樹脂に、鉄、コバルト、ニッケル等の金属又は合金からなる磁性粒子を混入して形成されたモノフィラメント28が用いられる。ここで、磁性粒子とは、磁石に磁気的に引き付けられる粒子を言う。
なお本発明において、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂、モノフィラメント28、及び磁性粒子の材質は特に限定されない。また、磁性粒子を含有するモノフィラメント28に代えて、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の金属又は合金からなる金属細線を数本束ねて撚られた金属製線材をファスナー部材20に固定することも可能である。
本実施例1において、ベース部21は、長尺で細幅のプレート状に形成されており、ベース部21の上面(第1面)及び下面(第2面)は略平坦に形成されている。このベース部21は、左右の縦壁部22と複数の係合素子23とを支持している。なお、ベース部21の上面とは、ベース部21の縦壁部22及び係合素子23が連結する部分以外の上側に向く表面を言う。
本実施例1において、ベース部21の上面及び下面が略平坦であるとは、完全に平坦なものだけでなく、主面に波うちや凹凸が形成されているものを含む。例えば、ベース部21の下面には、エンボス加工を行って凹凸形状を形成すること、又はベース部21の下面に不織布又はメッシュ状の生地(メッシュ素材)を固定することが可能である。それによって、ファスナー部材20を後述するようにクッション体に固定したときに、クッション体に対するファスナー部材20の固定強度を効果的に高めることができる。
左右の縦壁部22は、ベース部21の上面に前後方向に沿って形成されている。左右の各縦壁部22には、上述したような磁性粒子を含有する1本のモノフィラメント28が長さ方向に沿って上下にジグザグ状に折り曲げられて固定されている。左右の各縦壁部22は、前後方向に沿って一定の形成ピッチで設けられる複数の縦壁本体22aと、各縦壁本体22aの内側側面及び外側側面に設けられる補強リブ22bとをそれぞれ有する。ここで、縦壁本体22aの内側側面とは、縦壁本体22aの係合領域に向く側に配される壁面を言い、外側側面とは、内側側面とは幅方向の反対側に配される壁面を言う。
縦壁本体22aは、磁性粒子を含有するモノフィラメント28が、縦壁本体22aの一部を形成する合成樹脂(ファスナー用合成樹脂)によって固定されることによって形成されている。各縦壁本体22aは、一定の幅寸法(幅方向の寸法)を有するとともに、ファスナー部材20の側面視において、前後方向の長さ寸法を上方に向けて漸減させる略台形状を呈する形態に形成されている。
左右の各縦壁部22をそれぞれ形成する複数の縦壁本体22aには、磁性粒子を含有するモノフィラメント28が連続的に固定されている。このため、後述するようにクッション体の発泡成形に用いられる金型に対して面ファスナー10を取り付けるときに、金型に設けられた磁石と、左右の各縦壁部22に固定されたモノフィラメント28内の磁性粒子との間に生じる磁力を利用することによって、面ファスナー10を金型のファスナー取付部に磁気的に引き付けて保持できる。また上記磁力を利用することによって、金型に取り付ける面ファスナー10の位置及び向きを、金型の磁石の位置及び向きに対応して自動的に合わせることが可能なセルフアライメント効果を安定して得ることができる。このため、金型に対する面ファスナー10の位置及び向きを精度良く自動的に合わせることができる。
なお本発明において、縦壁本体22aは、磁性粒子を含有するモノフィラメント28を長さ方向に沿って固定する代わりに、例えば磁性粒子を含有する合成樹脂を、ベース部21を形成する合成樹脂(ファスナー用合成樹脂)とともに用いて二色成形を行うことによって形成されていてもよい。このような二色成形によって縦壁本体22aが形成される場合でも、その面ファスナーを金型のファスナー取付部に磁気的に引き付けて保持でき、また、面ファスナー10のセルフアライメント効果を発揮させることができる。
縦壁部22の補強リブ22bは、各縦壁本体22aにおける幅方向の内側の側面と、幅方向の外側の側面とに1つずつ設けられている。補強リブ22bは、ベース部21から上方に延びるとともに縦壁本体22aに一体的に形成されている。このような2つ一組の補強リブ22bが各縦壁本体22aに設けられていることによって、磁性粒子を含有するモノフィラメント28を縦壁部22に安定して固定できる。また、固定されたモノフィラメント28を縦壁部22から外れ難くすることができる。なお、本実施例1では、補強リブ22bが縦壁本体22aにおける幅方向の内側の側面と、幅方向の外側の側面とに1つずつ設けられているが、縦壁本体22aにおける幅方向の内側の側面には補強リブ22bが設けられていなくてもよい。また、補強リブ22bが縦壁本体22aにおける幅方向の内側の側面と、幅方向の外側の側面とに2つ以上ずつ設けられていてもよい。
各係合素子23は、ベース部21の上面から起立する起立部と、起立部の上端部から前方及び後方に分岐して湾曲しながら延びるフック状の係合頭部(フック部とも言う)とを有する。係合頭部の前方及び後方に分かれる分岐部分は、下方に凹んでいる。また、係合頭部は、前方側のフック先端と後方側のフック先端とに向けて徐々に薄く、また細くなるように形成されている。
本実施例1において、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法(高さ方向の寸法)の最大値は、縦壁部22におけるベース部21の上面から縦壁本体22aの頂端面(上面)までの高さ寸法よりも小さい。これにより、ファスナー部材20に保持されたマスキング部材30の上方に露出するマスキング表面を、縦壁部22の上面よりも低い位置(言い換えると、ベース部21に近い位置)に配置することが可能となる。なお、本発明において、係合素子23の形状及び大きさは特に限定されず、任意に変更可能である。
複数の係合素子23は、ファスナー部材20に係合させるループ部材との間で所定の係合力(結合力)が得られるように、ベース部21の長さ方向及び幅方向に規則的に並べられて配置されている。本実施例1の場合、ベース部21の長さ方向に沿って所定の形成ピッチで一列に並ぶ複数の係合素子23によって、長さ方向(縦方向)の係合素子列26が形成されている。本実施例1において、1つの係合素子列26に配される複数の係合素子23における長さ方向の形成ピッチは、1つの縦壁部22を形成する複数の縦壁本体22aにおける長さ方向の形成ピッチと同じ大きさである。
本実施例1のファスナー部材20における係合領域25は、長さ方向に沿った係合素子列26を幅方向に4列並べて形成されている。ここで、ファスナー部材20における係合領域25は、ループ部材のループを係合可能な領域である。この係合領域25は、ファスナー部材20の幅方向に関し、最も左側に位置する係合素子列26における係合素子23の外側側面(左側面)から、最も右側に位置する係合素子列26における係合素子23の外側側面(右側面)までの領域を言う。また、係合領域25は、ファスナー部材20の長さ方向に沿って、ファスナー部材20の略全体に亘って形成されている。
複数の係合素子23は、幅方向に互い隣接する2つの係合素子列26間において、係合素子23の位置を長さ方向にずらして配置されている。特に本実施例1では、隣接する2つの係合素子列26のうちの一方を形成する係合素子23は、他方の係合素子列26を形成する係合素子23の位置に対し、係合素子23の長さ方向の形成ピッチの1/2の大きさだけ長さ方向にずらされた位置に配されている。このため、本実施例1における複数の係合素子23は、係合領域25内に千鳥状に配置される。なお、千鳥状に配置される係合素子23の位置は、これに限定されるものではない。隣接する2つの係合素子列26のうちの一方を形成する係合素子23と、他方の係合素子列26を形成する係合素子23とが、幅方向から見てずれていればよい。
ファスナー部材20の各耳部24は、ベース部21の左右側縁から幅方向の外側に向けて延出している。この場合、ベース部21の左右側縁は、左右の縦壁部22よりも幅方向の外側に位置する。ベース部21に対して左側に配される複数の耳部24と右側に配される複数の耳部24とは、ベース部21の長さ方向に互い違いに配されている。各耳部24は、ベース部21から幅方向に延びる耳本体部24aと、耳本体部24aの上面に突出する複数の突出壁部24bとを有する。耳本体部24aは、ベース部21から連続的に、且つベース部21と同じ厚さで形成されている。複数の突出壁部24bは、ベース部21の長さ方向に沿って設けられている。
ファスナー部材20に上述のような左右の耳部24が設けられていることにより、クッション体の発泡成形を行ったときに、そのクッション体の内部に耳部24を埋設できる。それによって、クッション体に対する面ファスナー10(ファスナー部材20)の固定強度を高めることができる。なお本発明において、耳部24の形状、大きさ、設置パターン等は特に限定されるものではない。また、耳部24を設けずにファスナー部材20が形成されていても良い。
本実施例1のマスキング部材30は、長尺で、マスキング表面(第1面、上面)とマスキング裏面(第2面、下面)とを有する略板状である。マスキング裏面は、マスキング部材30におけるベース部21の上面に対向して配される面を言い、マスキング表面は、マスキング部材30のマスキング裏面に対して上下方向の反対側に配される面を言う。マスキング裏面には凹凸が設けられている。マスキング部材30は、上述のようなファスナー部材20に剥離可能に保持されている。マスキング部材30は、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂よりも軟らかい合成樹脂(マスキング用合成樹脂)又はエラストマー(マスキング用エラストマー)によって形成されている。例えばマスキング部材30の材質としては、PVC樹脂等の熱可塑性を備えたマスキング用合成樹脂、又は、ポリエステル系若しくはポリウレタン系等の熱可塑性を備えたマスキング用エラストマーが用いられる。マスキング部材30が、ファスナー部材20よりも軟らかいマスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーにより形成されることによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がすときに、係合素子23に変形や破損を生じさせ難くできる。
マスキング部材30は、ファスナー部材20の係合領域25を上側から覆うように左右の縦壁部22間に設けられている。マスキング部材30は、ファスナー部材20の係合領域25よりも大きな幅寸法を有しており、また、ファスナー部材20の長さ方向の略全体に亘って連続して形成されている。
マスキング部材30は、長さ方向に直交する横断面を見たときに(図3を参照)、略長方形の外形を呈する。また、マスキング部材30は、マスキング裏面に凹凸の形状を形成するために、マスキング部材30のベース部21に対向するマスキング裏面から、その反対側に配されるマスキング表面に向けて延びる2つの凹状の溝部31を有する。すなわち、2つの凹状の溝部31は、マスキング裏面に設けられるとともに、ベース部21の上面から離間する方向(すなわち、上方)に向けて延びている。
マスキング部材30は、上述のような横断面形状を、マスキング部材30の長さ方向の全体に亘って連続して備えている。すなわち、マスキング部材30の横断面は、マスキング部材30の長さ方向のどの位置においても同じ形状を呈する。なお、ここで言うマスキング部材30の断面形状は、マスキング部材30自体を形成する合成樹脂の部分だけでなく、マスキング部材30内に埋め込まれている係合素子23の部分も含む断面の形状を言う。
マスキング部材30は、ファスナー部材20の左右の縦壁部22に接触する壁接触部32を有する。特に本実施例1のマスキング部材30は、左右の縦壁部22に設けられる内側の補強リブ22bに接触しており、縦壁部22の縦壁本体22aからは離間している。
マスキング部材30のマスキング表面は、マスキング部材30の上側に露出する面であり、本実施例1の場合は略平坦に形成されている。このマスキング表面は、高さ方向に関して、縦壁部22における縦壁本体22aの上面よりも低い位置(ベース部21に近い位置)に配されている。
マスキング部材30は、マスキング裏面をベース部21の上面から離してファスナー部材20に取り付けられている。このため、マスキング裏面とベース部21の上面との間には空間部33が設けられている。この場合、マスキング部材30とベース部21の上面との間に形成される空間部33の高さ寸法の最小値は、係合素子23の高さ寸法の最大値以下の大きさ、好ましくは前記最大値の50%以下の大きさ、更に好ましくは前記最大値の30%以下の大きさであることが好ましい。これにより、少なくとも一部の係合素子23をマスキング部材30内に安定して埋め込むことができる。ここで、マスキング部材30内に係合素子23の一部が埋め込まれているとは、係合素子23の一部がマスキング部材30によって包まれていること、又は、マスキング部材30が係合素子23の一部の周りに充填されて覆っていることを言う。
本実施例1の空間部33は、ファスナー部材20の係合素子23が設けられている部分を除いて、左右の縦壁部22間に亘って幅方向に連続的に形成されている。すなわち、本実施例1のマスキング部材30は、係合領域25の全体において、空間部33を介してベース部21から離間している。これによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がして取り外すときに、マスキング部材30をより剥がし易くすることができる。なお本実施例1において、空間部33は、左右の縦壁部22間において、マスキング部材30の一部がベース部21の上面に部分的に接触することによって幅方向に2つ以上に分断されて形成されていてもよい。
マスキング部材30には、上述したようにマスキング裏面からマスキング表面に向けて凹んだ形状を有する2つの溝部31が設けられている。左右の各溝部31は、マスキング裏面から高さ方向に沿って延びているとともに、マスキング部材30の長さ方向の全体に長さ方向に沿って形成されている。左右の各溝部31は、互いに対向して配される左右一対の溝内壁面と、溝部31の上端部に配される凹面状の溝底部とを有する。
このような凹状の溝部31がマスキング部材30に形成されていることにより、マスキング部材30には、薄肉部35が溝部31の形成位置に対応して設けられている(図3を参照)。薄肉部35において、マスキング裏面における溝部31の溝底部からマスキング表面までの高さ寸法hは、溝部31が形成されていない位置のマスキング部材30の高さ寸法よりも小さい。この場合、薄肉部35の高さ寸法hは、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法よりも小さい。
本実施例1において、マスキング部材30の2つの溝部31は、ファスナー部材20に長さ方向に沿って形成される4つの係合素子列26のうちの最も左側に配される係合素子列26の位置と、最も右側に配される係合素子列26の位置とに対応して設けられている。ここで、最も左側に配される係合素子列26と最も右側に配される係合素子列26とは、左右の縦壁部22に隣接する係合素子列26と言うこともできる。
上述のような左右の溝部31がマスキング部材30に設けられていることにより、縦壁部22に隣接する係合素子列26における係合素子23の一部を、マスキング部材30の溝部31内に配置して、係合素子23のマスキング部材30に埋め込まれる深さ(すなわち、薄肉部35に埋め込まれる深さ)を浅くできる。また、ファスナー部材20における4つの係合素子列26のうちの中央部に配される2つの係合素子列26における係合素子23(すなわち、マスキング部材30の溝部31に対応しない位置に配される係合素子23)は、溝部31に配される係合素子23に比べて、マスキング部材30内に深く埋め込まれている。
この場合、マスキング部材30内に深く埋め込まれる係合素子23(すなわち、中央部に配される2つの係合素子列26の係合素子23)をアンカー用係合素子23aと規定し、また、アンカー用係合素子23aが形成する長さ方向の係合素子列26をアンカー用素子列と規定する。一方、マスキング部材30の溝部31に対応して配置される係合素子23(すなわち、左右の縦壁部22に隣接する係合素子列26の係合素子23)を、剥離用係合素子23bと規定し、また、剥離用係合素子23bが形成する長さ方向の係合素子列26を剥離用素子列と規定する。
マスキング部材30に設ける左右の溝部31は、ベース部21の上面から溝底部までの高さ寸法を、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法の最大値よりも小さくして形成されている。これにより、剥離用係合素子23bの一部をマスキング部材30に確実に埋め込むことができる。また、マスキング部材30における左右の各溝部31は、溝部31の対向する一対の溝内壁面間の間隔を、1つの係合素子23の幅寸法(幅方向の寸法)の最大値よりも大きくして形成されている。これにより、剥離用係合素子23bの一部を溝部31内に配置して、マスキング部材30に埋め込まれない状態で保持できる。その結果、剥離用係合素子23bのマスキング部材30に埋め込まれる深さを、アンカー用係合素子23aよりも確実に浅くできる。
例えば本実施例1の場合、アンカー用係合素子23aは、マスキング裏面よりも上側の部分、すなわち、係合素子23の起立部における高さ方向の半分以上の部分と、係合素子23の係合頭部の全体とがマスキング部材30に埋め込まれている。これにより、ファスナー部材20がマスキング部材30を保持する力を高めることができるため、マスキング部材30がファスナー部材20に取り付けられている状態を安定して維持できる。
一方、剥離用係合素子23bは、マスキング部材30の薄肉部35に包まれて、少なくとも、係合頭部の前後方向の先端部(前端部及び後端部)の高さ位置よりも上側の部分がマスキング部材30に埋め込まれている。すなわち、本実施例1における面ファスナー10の係合素子23及び係合素子列26には、マスキング部材30に埋設される深さが深いアンカー用係合素子23a及びアンカー用素子列と、マスキング部材30に埋設される深さが浅い剥離用係合素子23b及び剥離用素子列といった埋設深さが異なる2種類の係合素子23及び係合素子列26が含まれている。本実施例1の係合素子23に剥離用係合素子23bが含まれていることにより、言い換えると、一部の係合素子23がマスキング部材30の薄肉部35に埋め込まれていることにより、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がして取り外すときに、マスキング部材30を比較的軽い力で容易に剥がすことができる。
なお本発明において、アンカー用係合素子は、マスキング部材に係合頭部の少なくとも一部が埋め込まれている係合素子であってもよい。例えばアンカー用係合素子は、マスキング部材に起立部が埋め込まれてなく、係合頭部の先端部よりも上側の部分が埋め込まれている係合素子であってもよい。剥離用係合素子は、マスキング部材にアンカー用係合素子よりも浅く埋め込まれた係合素子、又はマスキング部材に全く埋め込まれていない係合素子であってもよい。また、剥離用係合素子には、マスキング部材にアンカー用係合素子よりも浅く埋め込まれた係合素子と、マスキング部材に全く埋め込まれていない係合素子の両方が含まれていてもよい。
また本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30の長さ方向に直交する断面が、上述したように、マスキング部材30の長さ方向に同じ形状を連続的に有している。更に、それぞれの係合素子列26において、1つの係合素子列26に配される複数の係合素子23が、マスキング部材30に同じ深さで埋め込まれている。これにより、ファスナー部材20にマスキング部材30をより安定して保持できる。また、マスキング部材30をファスナー部材20から安定して剥離できる。
本実施例1のマスキング部材30における長さ方向の一端部には、ファスナー部材20から部分的に剥離している折曲部34が設けられている。この折曲部34は、マスキング部材30の一端部がファスナー部材20から離れる方向に折り曲げられることによって形成されている。このような折曲部34が、マスキング部材30における長さ方向の一端部に設けられていることによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がす作業をより行い易くすることできる。すなわち、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がし始めるときに、マスキング部材30の端部を指又は治具等で容易に保持でき、それによって、マスキング部材を容易に剥離することができる。なお本発明では、マスキング部材に折曲部を設けずに面ファスナーを形成することも可能である。
次に、上述のような本実施例1の面ファスナー10を製造する製造装置及び製造方法について説明する。
本実施例1の製造装置は、図5に示したようなファスナー部材20の成形に用いられる第1成形装置50と、図6に示したようなマスキング部材30の成形とファスナー部材20への貼り合わせに用いられる第2成形装置60と、第2成形装置60の下流側に配される図示しない切断装置とを有する。
図5の第1成形装置50は、一方向(図面では反時計回り方向)に駆動回転するダイホイール51と、ダイホイール51の外周面に対向して配され、溶融したファスナー用合成樹脂を供給する第1ノズル部52と、磁性粒子を含有するモノフィラメント28をダイホイール51と第1ノズル部52の樹脂供給口52cの間に導入する図示しないモノフィラメント供給部と、第1ノズル部52よりもダイホイール51の回転方向の下流側(機械方向の前方側)に配されるピックアップローラ53とを有する。
第1成形装置50のダイホイール51は、円柱状に形成されている。このダイホイール51は、図示を省略するものの、所要の厚さを有するリング状又はドーナツ状の形状に形成された複数の積層プレートと、重ね合わされた複数の積層プレートの中央開口部に挿通されるとともに積層プレートを固定する回転軸部とを有する。
また、ダイホイール51の外周面部(すなわち、積層プレートの外周縁部)には、ファスナー部材20の縦壁部22、係合素子23、及び耳部24の突出壁部24bを成形するための図示しない成形用キャビティが、放電加工、レーザ加工、エッチング加工などの従来から公知の技術を用いて形成されている。
更に、ダイホイール51は、その外周面部で成形されるファスナー部材20を効率的に冷却するために、冷却液をダイホイール51の内部に流通可能に形成されている。ダイホイール51の下部には、同ダイホイール51の下半部を浸漬させる図示しない冷却液槽が配されている。
第1ノズル部52には、図5に示すように、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂を溶融させた状態で流通させる流路部52aと、ダイホイール51の外周面に対向して配されるホイール対向面52bと、ホイール対向面52bに設けられるとともに溶融状態のファスナー用合成樹脂を流路部52aから流出させる樹脂供給口52cとが設けられている。第1ノズル部52のホイール対向面52bとダイホイール51の湾曲した外周面との間には、ファスナー部材20のベース部21の厚さに対応する一定の間隔が設けられている。
ピックアップローラ53は、ダイホイール51の外周面で成形されるファスナー部材20を上下から挟持する一対の上側挟持ローラ及び下側挟持ローラを有する。ピックアップローラ53の上側挟持ローラと下側挟持ローラとは、所定の間隔を開けて対向して配されている。このピックアップローラ53によって、ダイホイール51の外周面部で成形されたファスナー部材20をダイホイール51から連続的に引き剥がし、また、その引き剥がされたファスナー部材20を上側挟持ローラと下側挟持ローラとで挟み込みながら下流側に移送できる。
図6の第2成形装置60は、左右一対の貼り合わせローラ61a,61bと、マスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を溶融させた状態で供給する第2ノズル部62と、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂に所定の形状を付与する成形ローラ(マスキングローラ)63と、右側の貼り合わせローラ61bに向けてファスナー部材20を供給する図示しないファスナー供給部と、左右の貼り合わせローラ61a,61b間を通過したファスナー部材20を下流側に送り出す搬送ローラ64とを有する。
左側の貼り合わせローラ61aと右側の貼り合わせローラ61bとは、両ローラ61a,61b間に所定の間隔を設けて回転可能に配されている。本実施例1において、左右の貼り合わせローラ61a,61bの外周面は平坦に形成されている。左側の貼り合わせローラ61aと右側の貼り合わせローラ61bとは、互いに反対方向に回転するように設けられている。左側の貼り合わせローラ61aと右側の貼り合わせローラ61bとの間には、面ファスナー10におけるマスキング表面からベース部21の裏面までの高さ寸法と同じ大きさの間隔が設けられている。
第2成形装置60の第2ノズル部62は、マスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を左側の貼り合わせローラ61aの外周面に供給可能に設けられている。
成形ローラ63は、第2ノズル部62の位置と、左右の貼り合わせローラ61a,61bが最も接近する位置との間に配されており、また、左側の貼り合わせローラ61aに対して間隔を設けて配されている。成形ローラ63の外周面は、マスキング部材30をファスナー部材20に貼り合わせたときに、マスキング部材30のマスキング裏面が、図3に示したような所定の面形状に形成されるような凹凸形状を有する。
第2成形装置60の下流側に配される図示しない切断装置は、上下方向に昇降可能なカッター部を有する。この切断装置では、搬送されてきた面ファスナー10に向けてカッター部を下降させることにより、ファスナー部材20の一部を打ち抜いてファスナー部材20に左右の耳部24を形成できる。
上述のような製造装置を用いて本実施例1の成形面ファスナー10を製造する場合、先ず、第1成形装置50によって、耳部24が形成される前の状態のファスナー部材20を作製する。この第1成形装置50によるファスナー部材20の作製工程では、第1ノズル部52から溶融したファスナー用合成樹脂を連続的に流し出して、ダイホイール51に供給する。それとともに、図示しないモノフィラメント供給部から磁性粒子を含有するモノフィラメント28をダイホイール51の外周面と第1ノズル部52の間に導入する。
これにより、第1ノズル部52とダイホイール51との間でファスナー部材20のベース部21を成形する。また、ダイホイール51の外周面部に設けた各キャビティにより、ファスナー部材20における左右の縦壁部22、係合素子23、及び耳部24の突出壁部24bを成形するとともに、左右の縦壁部22にモノフィラメント28を固定する。
これによって、ダイホイール51の外周面部で、耳部24が設けられていないファスナー部材20を機械方向(MD)に沿って連続的に形成できる。このとき、成形されるファスナー部材20は、ダイホイール51の外周面部に担持されながら半回転することにより冷却される。その後、ファスナー部材20は、ピックアップローラ53によってダイホイール51から連続的に引き剥がされて、第2成形装置60に向けて送り出される。
次に、第2成形装置60において、溶融状態のマスキング用合成樹脂を左側の貼り合わせローラ61aに供給し、左右の貼り合わせローラ61a,61bによって、第1成形装置50で作製したファスナー部材20にマスキング用合成樹脂を貼り合わせる工程を行う。
先ず、第2成形装置60では、第2ノズル部62からマスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を溶融させた状態で左側の貼り合わせローラ61aの外周面に向けて供給する。それとともに、図示しないファスナー供給部から、第1成形装置50によって成形されたファスナー部材20を右側の貼り合わせローラ61bに向けて供給する。
続いて、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂を、回転する成形ローラ63に接触させることによって、マスキング用合成樹脂における貼り合わせローラに接する面とは反対側の面に対し、マスキング部材30のマスキング裏面を形成可能な形状を付与する。
その後、成形ローラ63の下流側において、左右の貼り合わせローラ61a,61bによって、所定の形状が付与されたマスキング用合成樹脂を、その合成樹脂が硬化する前に、成形されたファスナー部材20に貼り合わせる。このとき、ファスナー部材20の各係合素子23の一部をマスキング用合成樹脂に埋め込む。また、左右の貼り合わせローラ61a,61b間には、予め設定された所定の間隔が設けられているため、ファスナー部材20のベース部21とマスキング用合成樹脂との間に空間部33を安定して設けることができる。
左右の貼り合わせローラ61a,61bによってマスキング用合成樹脂をファスナー部材20に貼り合わせた後、そのファスナー部材20を右側の貼り合わせローラ61bによって回転方向に搬送し、更に、搬送ローラ64によって下流側に送り出す。このとき、ファスナー部材20に貼り合わせたマスキング用合成樹脂を硬化させることにより、マスキング部材30を形成できる。また、形成されるマスキング部材30内に係合素子23の一部を埋め込むとともに、マスキング部材30とベース部21の間に空間部33を設けることができる。
次に、第2成形装置60でマスキング部材30が取り付けられたファスナー部材20は、図示しない切断装置に向けて搬送され、同切断装置のカッター部でファスナー部材20の一部を部分的に打ち抜く切断加工を行う。これにより、ファスナー部材20に左右の耳部24が形成される。更に、同切断装置で、耳部24が形成された面ファスナー10を所定の長さに切断する。
その後、例えばマスキング剥離用の装置を用いて、マスキング部材30の一端部をファスナー部材20から部分的に剥離させるとともに、その剥離させた部分を折り曲げることによってマスキング部材30に折曲部34を形成する。これによって、図1に示した本実施例1の面ファスナー10が、円滑に、また安定して製造される。特に本実施例1では、上述したように第2成形装置60の成形ローラ63を用いてマスキング用合成樹脂に所定の形状を付与しているため、マスキング部材30に埋設される深さが互いに異なるアンカー用係合素子23a及び剥離用係合素子23bを含む面ファスナー10を容易に製造できる。
以上のような製造方法によって製造された本実施例1の面ファスナー10では、ファスナー部材20にマスキング部材30が取り外し可能に保持されているとともに、そのマスキング部材30によってファスナー部材20の係合領域25が覆われている。
このような本実施例1の面ファスナー10は、例えば自動車の座席用シートなどのクッション体(発泡体)の発泡成形を行う際に、成形されるクッション体の所定の位置に一体的に固定される。ここで、面ファスナー10を一体化させるクッション体の発泡成形について、簡単に説明する。
クッション体の発泡成形に用いる金型は、図示を省略するが、例えば下型(固定型)と、上型(可動型)と、上型及び下型内のキャビティ空間に発泡樹脂を噴射する噴射ノズルとを有する。また、この金型には、面ファスナー10を載置して保持する少なくとも1つのファスナー保持部が設けられている。このファスナー保持部の内部又は近傍には、面ファスナー10の縦壁部22に固定したモノフィラメント28の磁性粒子を吸着可能な磁石が埋設されている。なお、本発明において、成形用金型の形状や構造は限定されるものではなく、任意に変更できる。
このような金型を用いてクッション体の発泡成形を行う場合、始めに、面ファスナー10を、マスキング部材30が金型のキャビティ面に対面する向きで金型のファスナー保持部に載置する。このとき、面ファスナー10の縦壁部22に含有させた磁性粒子が金型の磁石に磁気的に吸着されることにより、面ファスナー10がファスナー保持部に保持される。
特に、本実施例1の面ファスナー10では、ファスナー部材20における縦壁部22の縦壁本体22aの上面(頂端面)が、高さ方向に関して、マスキング部材30のマスキング表面よりも高い位置(ベース部21から離れた位置)に配されている。このため、面ファスナー10を金型のファスナー保持部に保持したときに、ファスナー部材20の磁性粒子を含有する縦壁部22の上面を、ファスナー保持部の取付面に密着させることができる。これにより、縦壁部22に含有させた磁性粒子を金型の磁石で強く引き付けて、面ファスナー10をファスナー保持部に安定して保持できる。
更に、マスキング部材30のマスキング表面が、縦壁部22の縦壁本体22aの上面よりも低い位置に配されていることにより、面ファスナー10を金型のファスナー保持部に保持する際に、マスキング表面を金型のファスナー保持部の取付面から離れた位置に保持することができ、それによって、金型のファスナー保持部には、ファスナー部材20の縦壁部22の上面のみを接触させることができる。
これにより、磁力による面ファスナー10のセルフアライメント効果を利用して成形面ファスナー10の位置及び向きを自動的に合わせる際に、面ファスナー10と金型のファスナー保持部との間に生じる摩擦力を低減し、金型のファスナー保持部に対して成形面ファスナー10を移動させ易くすることができる。その結果、成形面ファスナー10の位置及び向きを、金型のファスナー保持部に配される磁石の位置及び向きに対応して精度良く且つ円滑に合わせることができる。
続いて、金型の噴射ノズルからキャビティ空間内にクッション体の発泡樹脂を噴射して注入する。これによって、発泡樹脂が発泡しながら流動し、クッション体(発泡体)の発泡成形が行なわれる。このとき、本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30がファスナー部材20の左右の縦壁部22間でファスナー部材20の係合領域25を覆っている。このため、発泡樹脂が、ファスナー部材20の幅方向から係合領域25に侵入することを抑制又は防止できる。
なお、マスキング部材30のマスキング裏面とファスナー部材20のベース部21との間には空間部33が形成されているものの、この空間部33は非常に小さい(狭い)ため、発泡樹脂が、左右の縦壁部22の縦壁本体22a間の隙間から縦壁部22を越えて空間部33内に入り込んだとしても、その発泡樹脂が、小さな空間部33内を幅方向の深くまで侵入して係合素子23の位置まで到達することは難しい。
一方、マスキング部材30は、長さ方向の全体に亘って同じ横断面形状を有するため、面ファスナー10の前端縁及び後端縁にも、マスキング部材30の溝部31が開口した状態で設けられている。このため、クッション体の発泡成形を行う際には、面ファスナー10の前端縁及び後端縁から、マスキング部材30の開口した溝部31内に発泡樹脂を侵入させることができる。この場合、面ファスナー10の前端縁及び後端縁に開口する溝部31の開口面積を適切に設定することにより、溝部31内に侵入する発泡樹脂の侵入距離を制御できる。
このように、面ファスナー10の前端縁及び後端縁からマスキング部材30の溝部31内に発泡樹脂を意図的に侵入させることにより、ファスナー部材20におけるベース部21の前端部及び後端部を、発泡成形されるクッション体の内部に部分的に埋め込むことができる。更に本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30における長さ方向の一端部に上述した折曲部34が設けられている。このため、そのマスキング部材30の折曲部34とファスナー部材20のベース部21との間に発泡樹脂を入り込ませて、ベース部21の一部をクッション体内に安定して埋め込むことができる。このようにベース部21の前端部及び後端部の少なくとも一部をクッション体内に積極的に埋め込むことによって、クッション体に対する面ファスナー10の前端部及び後端部の固定強度を効果的に増大させ、面ファスナー10の前端部及び後端部をクッション体から剥がれ難くすることができる。
更に、クッション体の発泡成形を行う際に、発泡樹脂がファスナー部材20の耳部24の周りに流れ込むことによって、ファスナー部材20の耳部24を、成形されるクッション体の内部に埋め込んで保持できる。これにより、クッション体に対する面ファスナー10の固定強度をより効果的に増大させることができる。
そして、金型内で発泡成形が終了することにより、面ファスナー10が所要の箇所に固定されたクッション体が製造される。このとき、面ファスナー10のファスナー部材20にはマスキング部材30が取り付けられているため、発泡成形の終了後にマスキング部材30をファスナー部材20から剥がして除去することにより、ファスナー部材20の複数の係合素子23を外部に露出させることができる。
特に本実施例1の面ファスナー10では、ファスナー部材20の長さ方向に沿った4列の係合素子列26には、マスキング部材30内に深く埋め込まれている2列のアンカー用素子列と、マスキング部材30内に浅く埋め込まれている2列の剥離用素子列とが含まれている。このため、本実施例1の場合、例えばファスナー部材の4列の係合素子列が全てアンカー用素子列である場合に比べて、ファスナー部材20にマスキング用合成樹脂を貼り合わせてマスキング部材30を形成する際に、係合素子23がマスキング用合成樹脂から受けるダメージを小さくできる。また、マスキング部材30をファスナー部材20から取り外すときの係合素子23による抵抗を小さくでき、その結果、マスキング部材30をファスナー部材20から比較的弱い力で容易に剥がすことができる。従って、マスキング部材30を剥離する際に係合素子23に変形及び破損を生じさせ難くすることができる。
更に本実施例1では、マスキング部材30における長さ方向の一端部に上述した折曲部34が設けられている。これによって、マスキング部材30の一端部を例えば指又は専用の治具等で摘まんで保持できるため、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がす作業を行い易くすることができる。
マスキング部材30をファスナー部材20から剥離した後、クッション体に残されたファスナー部材20には、複数の係合素子23による係合領域25が左右の縦壁部22間に形成されている。また、この係合領域25には、発泡成形を行う際にマスキング部材30が被せられていたため、係合領域25への発泡樹脂の侵入が生じていない。このため、マスキング部材30が剥離された本実施例1の面ファスナー10(ファスナー部材20)は、ファスナー部材20に設けられた複数の係合素子23が本来有する係合力を安定して確保できる。
従って、得られたクッション体の表面に表皮材を被せたときに、表皮材の裏面に設けたループ部材のループを、面ファスナー10の係合素子23に安定して係合させることができる。またそれによって、表皮材をクッション体から浮き上がらせることなく安定して止着できるため、表皮材をクッション体の表面に正確に取り付けることができる。更に、成形面ファスナー10がクッション体にしっかりと固定されているため、クッション体に対する表皮材の止着状態を安定して保持できる。
なお、本実施例1の面ファスナー10では、図3に示したように、ファスナー部材20における縦壁本体22aの上面が、高さ方向に関して、マスキング部材30のマスキング表面よりも高い位置に配されている。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図7に実施例1の第1変形例に係る面ファスナー10aを示すように、ファスナー部材20における縦壁本体22aの上面と、マスキング部材30aにおけるマスキング表面とを、高さ方向に関して互いに同じ位置に配置してもよい。なお、この第1変形例において、更に、後述する第2変形例~第8変形例及び実施例2~実施例4において、上述した実施例1の面ファスナー10と実質的に同じ構成を有する部分又は部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
図7に示したように、マスキング部材30aのマスキング表面を、縦壁本体22aの上面を同じ高さ位置に設ける場合でも、面ファスナー10aをクッション体の成形金型に保持するときに、ファスナー部材20の磁性粒子を含有する縦壁部22の上面(すなわち、縦壁本体22aの上面)を、金型の磁石を設けたファスナー保持部の取付面に密着させることができる。これにより、実施例1の場合と同様に、面ファスナー10aをファスナー保持部に安定して保持できる。また、面ファスナー10aのセルフアライメント効果を発揮させて、成形面ファスナー10aの位置及び向きを自動的に合わせることが可能となる。
また、上述した実施例1の面ファスナー10において、マスキング部材30は、そのマスキング部材30の長さ方向に直交する横断面が、図3に示したように2つの溝部31が設けられた左右対称的な形状を有するように形成されている。しかし実施例1において、マスキング部材30の横断面の形状はこれに限定されるものではなく、例えば図8~図13に第2変形例~第7変形例に係る面ファスナー10b~面ファスナー10gを示すように、マスキング部材は、その横断面が図8~図13に示した形状等のその他の形状を有するように形成されていてもよい。
例えば図8に示す第2変形例に係る面ファスナー10bのマスキング部材30bは、マスキング裏面とベース部21の上面との間に空間部33を設けるとともに、ファスナー部材20の4列の係合素子列26を全て同じ深さで埋め込む形状に形成されている。この場合、第2変形例のマスキング部材30bは、左右の縦壁部22に接触する接触面積を、前述した実施例1の面ファスナー10よりも小さくなるように、マスキング表面から下方に向けて凹設された左右の溝部31bを有する。
このような第2変形例のマスキング部材30bをファスナー部材20に取り付けることによっても、クッション体の発泡成形を行う際に、発泡樹脂がファスナー部材20の係合領域25に侵入することを安定して防止できる。また、マスキング裏面とベース部21の上面との間に空間部33が設けられているとともに、マスキング部材30bに左右の溝部31bが設けられているため、クッション体の発泡成形後に、マスキング部材30bをファスナー部材20から容易に且つ円滑に剥離できる。またそれによって、マスキング部材30bを剥離する際に係合素子23に変形及び破損を生じさせ難くすることができる。
図9に示す第3変形例に係るマスキング部材30cは、マスキング裏面とベース部21との間に空間部33を設けるとともに、ファスナー部材20の4列の係合素子列26を同じ深さで浅く埋め込む形状に形成されている。この場合、マスキング部材30cの薄肉部35cにおいて、マスキング裏面からマスキング表面までの高さ寸法hは、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法よりも小さい。また、第3変形例の薄肉部35cは、マスキング部材30cの全体に設けられている。
このような第3変形例のマスキング部材30cをファスナー部材20に取り付けることによっても、マスキング部材30cをファスナー部材20に安定して保持できる。また、クッション体の発泡成形を行う際に、発泡樹脂がファスナー部材20の幅方向から係合領域25に侵入することを防止又は抑制できる。また一方で、マスキング裏面とベース部21の上面との間に比較的大きな空間部33が設けられているため、クッション体の発泡成形を行う際に、その面ファスナー10cの前端縁及び後端縁から発泡樹脂をマスキング裏面とベース部21との間の空間部33に容易に侵入させることができる。このため、ベース部21の前端部及び後端部をクッション体内に安定して埋め込んで、ファスナー部材20をクッション体からより剥がれ難くすることができる。
更に、図9の第3変形例では、ファスナー部材20の全ての係合素子列26がマスキング部材30cに浅く埋め込まれているため、クッション体の発泡成形後に、マスキング部材30cをファスナー部材20から容易に且つ円滑に剥離できる。またそれによって、マスキング部材30cの剥離を行う際に係合素子23に与えられるダメージが大きく低減されるため、係合素子23の変形及び破損をより生じさせ難くすることができる。
図10に示す第4変形例に係るマスキング部材30dは、マスキング裏面とベース部21との間に空間部33を設けるとともに、マスキング部材30dに埋め込まれる係合素子23の深さを幅方向の一方に向けて漸次深くする(又は浅くする)形状に形成されている。このような第4変形例のマスキング部材30dをファスナー部材20に取り付けることによって、クッション体の発泡成形後にマスキング部材30dをファスナー部材20から剥離する際に、指又は専用の治具をマスキング裏面とベース部21との間の空間部33に挿入し易くすることができる。それにより、マスキング部材30dをその長さ方向の端部から剥離させ易くすることができる。また、クッション体内にベース部21の前端部及び後端部を安定して埋め込むことができる。
図11に示す第5変形例に係るマスキング部材30eは、マスキング裏面とベース部21との間に空間部33を設けるとともに、ファスナー部材20の4列の係合素子列26を浅く埋め込むための4つの溝部31eを設けた形状に形成されている。このような第5変形例のマスキング部材30eをファスナー部材20に取り付けることによって、マスキング部材30eをファスナー部材20からから剥離させ易くするとともに、その剥離を行う際に係合素子23に変形及び破損を生じさせ難くすることができる。
図12に示す第6変形例に係るマスキング部材30fは、マスキング裏面とベース部21との間に空間部33を設けるとともに、ファスナー部材20の4列の係合素子列26における左から1列目と2列目の間と、左から3列目と4列目の間とに溝部31fを設けた形状に形成されている。また、図13に示す第7変形例に係るマスキング部材30gは、その横断面の形状が略T字状を呈するように形成されている。
上述したような第6変形例のマスキング部材30f又は第7変形例のマスキング部材30gをファスナー部材20に取り付けることによって、クッション体の発泡成形を行う際に、発泡樹脂がファスナー部材20の幅方向から係合領域25に侵入することを防止又は抑制できる。それと同時に、発泡樹脂をその面ファスナー10f,10gの前端縁及び後端縁から、マスキング裏面とベース部21との間の空間部33に容易に侵入させることができる。
更に、第6変形例のマスキング部材30f又は第7変形例のマスキング部材30gを用いる場合、例えば以下の実施例2で説明するようなカーブ対応の面ファスナー11を製造したときに、その面ファスナー11に設けられた連結部16の強度を効果的に高めることができる。
なお、第4変形例(図10)~第7変形例(図13)のマスキング部材30d~30gにおいても、それぞれのマスキング部材30d~30gの少なくとも一部に、薄肉部が設けられている。薄肉部において、マスキング裏面からマスキング表面までの高さ寸法は、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法よりも小さい。このような薄肉部が設けられていることにより、マスキング部材30d~30gをファスナー部材20から剥がし易くできる。また、マスキング部材30d~30gの剥離時に、ファスナー部材20の係合素子23に変形及び破損を生じさせ難くして、係合強度の低下を抑制又は防止できる。
更に、上述した実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がし易くするために、マスキング部材30の一端部に折曲部34が設けられている。しかし、本実施例1では、図14に第8変形例に係る面ファスナー10hの底面図を示すように、マスキング部材30に折曲部34を設ける代わりに、又は折曲部34を設けることに加えて、ファスナー部材20のベース部21における長さ方向の一端部又は両端部に、ベース部21の一部を切り離す分離スリット27が設けられていてもよい。
この場合、ベース部21の分離スリット27は、面ファスナー10hの底面視において、角丸長方形を半分にした形状に形成されている。また、このような分離スリット27がベース部21に設けられていても、ファスナー部材20の係合素子23の一部がマスキング部材30に埋め込まれているため、ベース部21の分離スリット27に囲まれている部分が、面ファスナー10hから脱落することはない。
図14に示した分離スリット27をベース部21における長さ方向の一端部又は両端部に設けることによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥離する際に、ベース部21の分離スリット27に囲まれている部分をマスキング部材30とともに指又は専用の治具等で保持して引き上げることができる。それによって、マスキング部材30を長さ方向の一端部から容易に持ち上げて、ファスナー部材20から円滑に剥離することができるため、マスキング部材30の剥離作業を行い易くすることができる。
なお、図14に示したベース部21の分離スリット27は、上述したように、角丸長方形を半分にした形状に形成されているが、本発明において、ベース部21に設ける分離スリット27の形状は特に限定されるものではない。例えば分離スリット27に囲まれる部分が半円形、三角形、又は四角形等の形状を呈するように分離スリット27をベース部21に設けることも可能である。
図15は、本実施例2に係る面ファスナーを模式的に示す平面図である。
図15に示した本実施例2の面ファスナー11は、例えばクッション体の用途や製品のデザイン等の点から、面ファスナー11を幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化させるような場合に適用される。この本実施例2の面ファスナー11は、図1~図3に示した実施例1に係るストレート状の面ファスナー10を一次製品として用いて、当該面ファスナー10に切断加工を行うことによって、幅方向に湾曲させるカーブ状の使用形態に対応可能に形成されている。
図15に示したカーブ対応の面ファスナー11は、長さ方向に沿って配される複数のファスナー係合部15と、長さ方向に隣接するファスナー係合部15間を連結する可撓性を備えた連結部16とを有する。
また、本実施例2の面ファスナー11は、合成樹脂製のファスナー部材20と、ファスナー部材20の上面に取り外し可能に保持されるマスキング部材30とを有する。すなわち、本実施例2の各ファスナー係合部15及び各連結部16は、ファスナー部材20とマスキング部材30とをそれぞれ有する。なお本実施例2において、ファスナー係合部15及び連結部16のそれぞれの長さ(長さ方向の寸法)及び幅(左右方向の寸法)は特に限定されるものではなく、例えば金型の形状等に応じて適宜変更することができる。
本実施例2において、ファスナー部材20及びマスキング部材30は、前述した実施例1のファスナー部材20及びマスキング部材30に対して、ファスナー部材20及びマスキング部材30の一部が部分的に切除されていることを除いて同様に形成されている。この場合、隣接するファスナー係合部15間を連結する連結部16は、ファスナー部材20とマスキング部材30とによって形成されているため、適切な強度及び剛性を安定して有することができる。
それによって、面ファスナー11が連結部16で切れて分断されることを防止又は抑制できるため、例えば金型のファスナー保持部が複雑な形状に形成されていても、本実施例2の面ファスナー11を安定して取り付けることができる。またその結果、金型に対する面ファスナー11の取付作業を行い易くすることができ、作業の効率化を図ることができる。
このような本実施例2の面ファスナー11は、上述したように、前述した実施例1の面ファスナー10に対して切断加工を行って、ファスナー部材20及びマスキング部材30の一部分を切除することによって製造される。なお本実施例2において、実施例1の面ファスナー10に切断加工を行う方法及び手段は特に限定されるものではなく、従来から一般的に知られている切断方法及び切断手段を採用することが可能である。
このような本実施例2の面ファスナー11によれば、クッション体の成形用金型に設けられるファスナー保持部が、例えば大きく曲がった形状又は捩じれた形状等の複雑な形状を有していても、そのファスナー保持部に沿って本実施例2の面ファスナー11を、磁力を利用して取り付けることができる。また、面ファスナー11の上述したセルフアライメント効果を有効に発揮させることができる。
更に、クッション体の発泡成形を行う際には、前述の実施例1の場合と同様に、マスキング部材30によって、発泡樹脂がファスナー部材20の幅方向から係合領域25に侵入することを抑制又は防止できる。また発泡成形後も、マスキング部材30をファスナー部材20から容易に剥がすことができる。
また本実施例2では、実施例1のストレート状の成形面ファスナー10から、カーブ対応の成形面ファスナー11が製造される。これにより、同じ第1成形装置50及び第2成形装置60を用いてストレート状の成形面ファスナー10と、カーブ対応の成形面ファスナー11の両方を製造することが可能となる。従って、実施例1及び実施例2の成形面ファスナー10,11の製造効率を向上でき、また、製造コストの低減を図ることができる。更に、ストレート状の成形面ファスナー10を利用してカーブ対応の成形面ファスナー11を製造することにより、それぞれの成形面ファスナー10,11の需要に対して迅速に対応し易くなるとともに、各成形面ファスナー10,11の在庫管理も行い易くなるといったメリットも得られる。
なお本実施例2において、ファスナー係合部15は、ファスナー部材20とマスキング部材30とによって形成されていれば、その形状及び大きさは特に限定されない。また、連結部16の形状及び大きさについても、連結部がファスナー部材20とマスキング部材30とによって形成されており、且つ、幅方向及び高さ方向の少なくとも一方に湾曲可能な可撓性を備えていれば、特に限定されないものの、連結部は、適切な可撓性を備えるために、ファスナー係合部よりも幅寸法を小さくして形成されていることが好ましい。すなわち、連結部は、ファスナー係合部の幅寸法の最小値よりも小さい幅寸法を有して形成されていることが好ましい。
図16は、本実施例3に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図17は、図16に示した面ファスナーの長さ方向に直交する断面を示す断面図である。
本実施例3に係る面ファスナー12は、前後方向に長く形成される合成樹脂製のファスナー部材20aと、ファスナー部材20aの上面に取り外し可能に保持されるマスキング部材40とを有する。
本実施例3のファスナー部材20aは、前述の実施例1のファスナー部材20から左右の縦壁部22を省略した形態を有する。すなわち、本実施例3のファスナー部材20aは、図18に示すように、薄いプレート状のベース部21と、ベース部21から上方に延びるとともに係合領域25を形成する複数のフック状の係合素子23と、ベース部21から左右方向に延出する複数の耳部24とを有する。
本実施例3のマスキング部材40は、ファスナー部材20aの係合領域25を上側から覆うように、ファスナー部材20aに剥離可能に保持されている。マスキング部材40は、ファスナー部材20aの係合領域25よりも大きな一定の幅寸法を有するとともに、ファスナー部材20aの長さ方向の略全体に亘って連続して形成されている。
このマスキング部材40は、マスキング本体部41と、マスキング本体部41内に埋め込まれる磁性粒子を含有したモノフィラメント42と、マスキング本体部41の上面に幅方向に沿って突設される複数の固定リブ43とを有する。また、本実施例3のマスキング部材40における長さ方向の一端部には、実施例1のマスキング部材30と同様に、マスキング部材40を剥がし易くするための折曲部44が設けられている。
本実施例3において、マスキング本体部41及び固定リブ43の材質には、前述した実施例1のマスキング部材30と同じ材料が使用される。すなわち、マスキング本体部41及び固定リブ43は、ファスナー部材20aのファスナー用合成樹脂よりも軟らかいマスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーによって一体成形されている。
本実施例3のモノフィラメント42は、前述した実施例1のファスナー部材20に固定された磁性粒子を含有するモノフィラメント28と同じ材料を用いて形成される。本実施例3の磁性粒子を含有するモノフィラメント42は、マスキング本体部41の上端部に、且つ、マスキング本体部41の幅方向の中央部に埋め込まれている。
本実施例3では、マスキング部材40の長さ方向に直交する横断面を見たときに(図17を参照)、マスキング本体部41の外形が略長方形を呈する。また、マスキング本体部41の高さ寸法(すなわち、ベース部21の上面からマスキング本体部41の表面(上面)までの高さ方向の寸法)は、係合素子23の高さ寸法の最大値よりも大きい。
マスキング本体部41には、マスキング本体部41の裏面からマスキング表面に向けて延びる2つの凹状の溝部45が設けられている。2つの溝部45は、ファスナー部材20aに形成される4つの係合素子列26のうちの最も左側に配される係合素子列26の位置と、最も右側に配される係合素子列26の位置とに対応して設けられており、前述した実施例1のマスキング部材30に設けた2つの溝部31と実質的に同様に形成されている。
マスキング本体部41は、ベース部21の上面に接触する左右のベース接触部46を有する。左右のベース接触部46は、ファスナー部材20aの係合領域25よりも幅方向の左右外側に設けられている。また、マスキング本体部41における左右のベース接触部46間では、マスキング本体部41の裏面がベース部21の上面から離れて配されている。これによって、マスキング本体部41とベース部21の間には、マスキング部材40をファスナー部材20aから剥がし易くするための空間部47が設けられている。なお、本実施例3のマスキング本体部41は、左右のベース接触部46を設けずに、マスキング本体部41の裏面全体をベース部21の上面から離して形成されていてもよい。
更に、マスキング本体部41には、薄肉部49が設けられている(図17を参照)。薄肉部49において、マスキング裏面における溝部45の溝底部からマスキング表面までの高さ寸法は、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法よりも小さい。
本実施例3において、マスキング本体部41の溝部45に対応して配置される係合素子列26は、マスキング部材40内に埋め込まれる深さが浅いため、剥離用素子列として用いられる。また、幅方向の中央部に配置される2つの係合素子列26は、マスキング部材40内に埋め込まれる深さが剥離用素子列よりも深いため、アンカー用素子列として用いられる。
本実施例3の場合、剥離用素子列の係合素子23は、係合頭部の一部分がマスキング部材40に埋め込まれている。また、アンカー用素子列の係合素子23は、係合素子23の起立部における高さ方向の半分以上の部分と、係合素子23の係合頭部の全体とがマスキング部材40に埋め込まれている。
磁性粒子を含有するモノフィラメント42は、マスキング本体部41内に、長さ方向に沿って直線状に埋め込まれている。また、マスキング本体部41の上端部には、マスキング本体部41を平面視して、モノフィラメント42の露出部48がモノフィラメント42に沿って設けられている。
本実施例3のマスキング部材40には、マスキング本体部41から一部露出して埋め込まれたモノフィラメント42がマスキング本体部41から分離することを防ぐために、複数の固定リブ43が、マスキング本体部41の露出部48を横切るように、幅方向に沿って形成されている。複数の固定リブ43は、モノフィラメント42の露出部48を被覆する被覆部を形成している。本実施例3において、複数の固定リブ43は、長さ方向に一定の間隔で設けられている。すなわち、マスキング部材40を平面視したとき、モノフィラメント42は、露出部48において、マスキング本体部41に完全に埋め込まれておらず、その一部がマスキング本体部41の表面よりも外側に突き出て又は膨らんで設けられている。モノフィラメント42は、固定リブ43が設けられる被覆部において、マスキング部材40に完全に埋め込まれている。
複数の固定リブ43は、マスキング本体部41の表面よりも上方に突出してマスキング本体部41と一体に形成されている。これにより、面ファスナー12を金型のファスナー保持部に保持する際に、金型のファスナー保持部にマスキング部材40の細い固定リブ43を主に接触させるため、面ファスナー12と金型のファスナー保持部との接触面積を小さくすることができ、その結果、面ファスナー12と金型のファスナー保持部との間に生じる摩擦力を低減できる。このため、磁力による面ファスナー12のセルフアライメント効果によって成形面ファスナー12の位置及び向きを自動的に合せるときに、成形面ファスナー12を移動させ易くして、成形面ファスナー12を所定の位置及び向きにより円滑に且つ安定して合わせることができる。
なお、本実施例3のマスキング部材40は、固定リブ43を設けずに形成されていてもよい。また、本実施例3のマスキング部材40では、磁性粒子を含有するモノフィラメント42をマスキング本体部41内に埋め込む代わりに、マスキング本体部41を形成するマスキング用合成樹脂と、磁性粒子を含有する合成樹脂とを用いる二色成形を行うことによって、例えばマスキング本体部41の上端部に、磁性粒子を含有する磁性領域を長さ方向に沿って連続的に形成してもよい。このような磁性領域を設けることによっても、面ファスナーを金型のファスナー保持部に磁力を利用して保持できる。また、面ファスナーのセルフアライメント効果を発揮させることができる。
次に、本実施例3の面ファスナー12を製造する製造装置について説明する。本実施例3の製造装置は、ファスナー部材20aを成形する第1成形装置と、マスキング部材40を成形するための図19に示した第2成形装置70と、第2成形装置70の下流側に配される図示しない切断装置とを有する。この場合、本実施例3の切断装置は、実施例1の切断装置と同じものである。
本実施例3の第1成形装置は、図5に示した実施例1の第1成形装置50に対して、モノフィラメント供給部を省くこと、及び、ダイホイール51の外周面部に設ける成形用キャビティの形状を実施例1から変更することによって形成されている。
図19に示した第2成形装置70は、左右一対の貼り合わせローラ71a,71bと、マスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を供給する第2ノズル部72と、磁性粒子を含有するモノフィラメント42を供給する図示しないモノフィラメント供給部と、供給されたモノフィラメント42を左側の貼り合わせローラ71aの外周面に案内する案内ローラ75とを有する。更に、この第2成形装置70は、左側の貼り合わせローラ71aに供給されたマスキング用合成樹脂に所定の形状を付与する成形ローラ73と、右側の貼り合わせローラ71bに向けてファスナー部材20aを供給する図示しないファスナー供給部と、左右の貼り合わせローラ71a,71bによってマスキング用合成樹脂が貼り合わせられたファスナー部材20aを下流側に送り出す搬送ローラ74とを有する。
本実施例3において、第2成形装置70における右側の貼り合わせローラ71b、第2ノズル部72、図示しないファスナー供給部、及び搬送ローラ74は、図6に示した実施例1の第2成形装置60における右側の貼り合わせローラ61b、第2ノズル部62、図示しないファスナー供給部、及び搬送ローラ64と同様に形成されている。
本実施例3における左側の貼り合わせローラ71aでは、マスキング部材40に上述した複数の固定リブ43を設けるために、左側の貼り合わせローラ71aの外周面に、マスキング部材40の固定リブ43に対応する形状及び大きさを有する図示しない複数の凹溝部が、機械方向(MD)に直交する直交方向(CD)に沿って設けられている。
本実施例3の成形ローラ73は、その外周面の形状を実施例1の成形ローラ63と異ならせて形成されている。この成形ローラ73の外周面は、マスキング部材40をファスナー部材20aに貼り合わせたときに、マスキング部材40のマスキング裏面が、図17に示したような所定の面形状に形成されるような凹凸形状を有する。なお、本実施例3の成形ローラ73は、外周面の形状が異なることを除いて、実施例1の成形ローラ63と同様に形成されている。
上述のような製造装置を用いて本実施例3の成形面ファスナー12を製造する場合、先ず、第1成形装置を用いて、図18に示したファスナー部材20aを作製する。本実施例3におけるファスナー部材20aの作製工程は、実施例1で説明したファスナー部材20の作製工程に対し、モノフィラメント28を供給しないことを除いて、基本的に同じである。このため、本実施例3では、ファスナー部材20aの作製工程についての詳しい説明を省略する。
次に、第2成形装置70における左右の貼り合わせローラ71a,71bを用いて、第1成形装置で作製したファスナー部材20aにマスキング用合成樹脂を貼り合わせる工程を行う。本実施例3では、先ず、磁性粒子を含有したモノフィラメント42を左側の貼り合わせローラ71aの外周面に案内するとともに、その左側の貼り合わせローラ71aに向けて、第2ノズル部72からマスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を溶融させた状態で供給する。これにより、マスキング用合成樹脂の所定の位置にモノフィラメント42を挿入して埋め込むことができる。
続いて、左側の貼り合わせローラ71aに供給されたマスキング用合成樹脂を、溶融状態のまま成形ローラ73に接触させることによって、マスキング用合成樹脂に対し、マスキング本体部41のマスキング裏面を形成可能な形状を付与する。またこのとき、左側の貼り合わせローラ71aの外周面には、上述したように、図示しない複数の凹溝部が直交方向に沿って設けられているため、これらの複数の凹溝部によってマスキング部材40の固定リブ43が成形される。
その後、成形ローラ73の下流側において、左右の貼り合わせローラ71a,71bによって、硬化する前のマスキング用合成樹脂を、成形されたファスナー部材20aに貼り合わせる。このとき、ファスナー部材20aの各係合素子23の一部をマスキング用合成樹脂に埋め込む。また、左右の貼り合わせローラ71a,71b間に予め設定された所定の間隔が設けられているため、ファスナー部材20aのベース部21とマスキング用合成樹脂との間に空間部47を安定して設けることができる。
左右の貼り合わせローラ71a,71bによってマスキング用合成樹脂をファスナー部材20aに貼り合わせた後、そのファスナー部材20aを搬送ローラ74によって下流側に送り出す。このとき、ファスナー部材20aに貼り合わせたマスキング用合成樹脂を硬化させることにより、マスキング部材40を形成できる。また、形成されるマスキング部材40内に係合素子23の一部を埋め込むとともに、マスキング部材40とベース部21の間に空間部47を設けることができる。
次に、第2成形装置70でマスキング部材40が取り付けられたファスナー部材20aは、図示しない切断装置に向けて搬送され、前述の実施例1の場合と同様に、ファスナー部材20aに左右の耳部24が形成される。更に、同切断装置で、耳部24が形成された面ファスナー12を所定の長さに切断する。
その後、マスキング剥離用の装置を用いて、マスキング部材40の一端部をファスナー部材20aから部分的に剥離させるとともに、その剥離させた部分を折り曲げることによってマスキング部材40に折曲部44を形成する。これによって、図16に示した本実施例3の面ファスナー12が安定して製造される。
このように製造された本実施例3の面ファスナー12は、実施例1の場合と同様に、自動車の座席用シートなどのクッション体の発泡成形を行う際に、そのクッション体に一体化されて固定される。このとき、本実施例3の面ファスナー12によれば、実施例1の面ファスナー10と略同様の効果を得ることができる。
例えば、本実施例3の面ファスナー12によれば、発泡成形用の金型に面ファスナー12を保持する際に、磁力による面ファスナー12のセルフアライメント効果を利用して、金型に対する成形面ファスナー12の位置及び向きを精度良く且つ円滑に自動的に合わせることができる。
また、クッション体の発泡成形を行う際には、マスキング部材40がファスナー部材20aの係合領域25を覆っているため、発泡樹脂が、ファスナー部材20aの幅方向から係合領域25に侵入することを抑制又は防止できる。一方、面ファスナー12の前端縁及び後端縁からは、マスキング部材40の開口した溝部45内に発泡樹脂を侵入させることができる。これにより、ファスナー部材20aにおけるベース部21の前端部及び後端部をクッション体内に部分的に埋め込むことができるため、面ファスナー12の前端部及び後端部をクッション体から剥がれ難くすることができる。
更に、クッション体の発泡成形後に、面ファスナー12のマスキング部材40をファスナー部材20aから容易に剥がして除去することができる。それにより、ファスナー部材20aの複数の係合素子23を外部に露出させることができる。また、係合素子23に変形及び破損を生じさせ難くすることができる。
なお、本実施例3の面ファスナー12において、マスキング部材40は、マスキング本体部41の長さ方向に直交する横断面が、図17に示した左右対称的な形状を有するように形成されている。しかし、本実施例3において、マスキング本体部41の横断面の形状はこれに限定されるものではなく、例えば図8~図13に示したような形状(実施例1の第2変形例~第7変形例に係る形状)等のようなその他の形状を有するように形成されていてもよい。
また本実施例3の面ファスナー12では、マスキング部材40をファスナー部材20aから剥がし易くする手段として、マスキング部材40の一端部に折曲部44が設けられている。しかし、本実施例3では、マスキング部材40に折曲部44を設ける代わりに、又は折曲部44を設けることに加えて、ファスナー部材20aのベース部21における長さ方向の一端部又は両端部に、図14に示したような分離スリット27を設けることによって、マスキング部材40を剥がし易くしてもよい。
図20は、本実施例4に係る面ファスナーを模式的に示す平面図であり、図21は、図20に示したXXI-XXI線における断面図である。
本実施例4に係る面ファスナー13は、前後方向に長く形成される合成樹脂製のファスナー部材20bと、ファスナー部材20bに取り外し可能に保持されるマスキング部材30iとを有する。また、ファスナー部材20bのベース部21と、マスキング部材30iのマスキング裏面との間には、空間部33が設けられている。
本実施例4のファスナー部材20bは、前述の実施例1のファスナー部材20から係合領域25を形成する係合素子23の個数(特に、幅方向の係合素子列26の列数)が変更され、且つ、ベース部21の上面に複数のリブ(後述する隆起リブ29)が設けられた形態を有する。
具体的に説明すると、本実施例4のファスナー部材20bは、図22に示したように、プレート状のベース部21と、ベース部21の左右側縁部に立設される左右の縦壁部22と、左右の縦壁部22間に配される複数の係合素子23と、ベース部21から幅方向に延出する複数の耳部24と、ベース部21から上方に突出する複数の隆起リブ29とを有する。この場合、本実施例4のベース部21、縦壁部22、耳部24は、前述の実施例1と同様に形成されている。また、それぞれの係合素子23自体も、前述の実施例1と同様に形成されている。
左右の縦壁部22間には、長さ方向及び幅方向に規則的に配置された複数の係合素子23により形成される係合領域25が設けられている。本実施例4の係合領域25には、長さ方向に沿った係合素子列26が幅方向に3列で並べられている。この場合、複数の係合素子23は、係合領域25内に千鳥状に配置されている。
隆起リブ29は、ベース部21とマスキング部材30iとの間の空間部33を埋めるように、左側の縦壁部22と右側の縦壁部22との間に、幅方向に沿って畝状に隆起している(図21を参照)。各隆起リブ29は、ファスナー部材20bの幅方向に直交する断面を見たときに、隆起リブ29の長さ寸法がベース部21から離れるにつれて漸減する滑らかな略三角形を呈する形状を有する。また、隆起リブ29は、長さ方向に隣り合う係合素子23の間の位置に配されている。特に本実施例4において、隆起リブ29は、長さ方向に隣り合う係合素子23の中間位置に配されている。
また図21に示したように、幅方向の中央部の係合素子列26を形成する各係合素子23の左右両側には、隆起リブ29が幅方向に沿って形成されている。この場合、係合素子23の左側と右側にそれぞれ設けられる隆起リブ29と係合素子23とは、細いスリットによって互いに離間して形成されている。また、補強リブ22bと隆起リブ29との間にも、細いスリットが形成されている。
更に本実施例4では、左側及び右側の係合素子列26を形成する各係合素子23の左右両側にも、隆起リブ29が幅方向に沿って形成されている。この場合、左側の係合素子列26と右側の係合素子列26の間に隆起リブ29が設けられている。左側の係合素子列26の更に左側と、右側の係合素子列26の更に右側とにも、隆起リブ29が1つずつ設けられている。また、係合素子23と隆起リブ29との間に細いスリットが形成されている。ここで、係合素子23と隆起リブ29の間に設けられるスリットは、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂が通り抜け難い程度に細く形成されている。
なお、幅方向に沿って配される隆起リブ29は、スリットによって複数に分割されて形成されていてもよく、また、幅方向に沿って連続して形成されていてもよい。本実施例4において、幅方向の隆起リブに設けられるスリットの数は特に限定されるものではなく、スリットを設ける位置も限定されない。また、本実施例4の隆起リブは、上述したように、係合素子23から離れて形成されているが、係合素子23に直接連結して形成されていてもよい。
隆起リブ29は、隆起リブ29の高さ寸法をベース部21の厚さ(ベース部21の上面及び下面間の高さ寸法)よりも大きくして形成されていることが好ましい。これにより、隆起リブ29によって、ベース部21とマスキング部材30iとの間の空間部33を効果的に狭めることができる。
また、隆起リブ29の高さ寸法は、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法よりも小さいことが好ましい。これにより、長さ方向に隣接する係合素子23の係合頭部間にループ部材の複数のループを進入させ易くできる。更に、進入したループを隆起リブ29によって係合素子23の係合頭部に向けて誘導できる。このため、係合素子23にループをより係合させ易くすることができる。
本実施例4のマスキング部材30iは、ファスナー部材20bに対し、左右の縦壁部22間に設けられている。また、このマスキング部材30iは、縦壁部22の内側の補強リブ22bを包み込んで、縦壁部22の縦壁本体22aに接するように形成されている。マスキング部材30iのマスキング表面は、平坦に形成されているとともに、高さ方向に関して、縦壁部22における縦壁本体22aの上面よりも低い位置に配されている。
マスキング部材30iのマスキング裏面には、マスキング表面に向けて延びる2つの凹状の溝部31iが、左側の係合素子列26の位置と右側の係合素子列26の位置にそれぞれ対応して設けられている。また、このような溝部31iによって、2つの薄肉部35iが、マスキング部材30iに設けられている。薄肉部35iにおいて、マスキング裏面からマスキング表面までの高さ寸法hは、係合素子23の高さ寸法よりも小さい。これにより、左側及び右側の係合素子列26の係合素子23は、マスキング部材30iに埋め込まれる深さが浅い剥離用係合素子となる。一方、中央の係合素子列26の係合素子23は、マスキング部材30iに係合頭部の全体と起立部の一部とが埋め込まれるアンカー用係合素子となる。
本実施例4のマスキング部材30iは、幅方向の中央部において、マスキング裏面が隆起リブ29に接するように、又は、マスキング部材30iに隆起リブ29の一部が埋め込まれるように形成されている。これにより、ベース部21とマスキング部材30iとの間の空間部33を効果的に小さくできる。
また、マスキング部材30iは、当該マスキング部材30iの左右の側縁部と、幅方向の最も左側と右側に配される隆起リブ29とを離間させて設けられている。これにより、マスキング部材30iをファスナー部材20bからより剥がし易くすることができる。なお本実施例4において、マスキング裏面の幅方向の中央部は、隆起リブ29から離間していても良い。また、マスキング裏面の左右側縁部は、隆起リブ29に接するように、又は、マスキング部材30iに隆起リブ29の一部が埋め込まれるように形成されていても良い。
上述のような本実施例4の面ファスナー13は、図5に示したような第1成形装置50と、図6に示したような第2成形装置60と、第2成形装置60の下流側に配される図示しない切断装置とを用いて製造することが可能である。なお本発明において、本実施例4の面ファスナー13の製造方法は限定されない。
本実施例4の面ファスナー13によれば、ファスナー部材20bのベース部21の上面に、空間部33を埋める複数の隆起リブ29が設けられていることにより、ベース部21とマスキング部材30iの間の空間部33の大きさ(高さ寸法)が小さくされている。このため、例えばクッション体の発泡成形時に、発泡樹脂が、左右の縦壁部22の縦壁本体間に設けられる小さな隙間(谷部)から縦壁部22の内側に侵入したとしても、また、面ファスナー13の前端部及び後端部から長さ方向の内側に向けて侵入したとしても、その侵入した発泡樹脂が、ベース部21とマスキング部材30iの間の空間部33に拡がることを複数の隆起リブ29によって効果的に抑制又は阻止できる。それによって、係合領域25を発泡樹脂によって汚染され難くすることができる。
また本実施例4の面ファスナー13では、複数の隆起リブ29が設けられていることによって、前記空間部33を小さく形成するために、マスキング部材30iにおけるマスキング裏面とマスキング表面との間の最大高さ寸法を大きく確保しなくてもよく、それによって、アンカー用係合素子がマスキング部材30iに埋め込まれる深さを浅くすることが可能となる。
その結果、ファスナー部材20bにマスキング部材30iのマスキング用合成樹脂を貼り合わせる際に、ファスナー部材20bの係合素子23がマスキング用合成樹脂から受けるダメージを小さくできるため、面ファスナー13の製造時に係合素子23の変形及び破損を生じさせ難くすることができる。また、クッション体の発泡成形後に、マスキング部材30iをファスナー部材20bから容易に剥がすことができ、またそれによって、マスキング部材30iの剥離に起因する係合素子23の変形及び破損を生じさせ難くすることもできる。従って、マスキング部材30iが剥離された後の本実施例4のファスナー部材20bは、ループ部材に対する係合強度を安定して確保できる。
更に、本実施例4のようにベース部21に複数の隆起リブ29が設けられる面ファスナー13においては、隆起リブ29の高さ寸法と、マスキング部材30iにおけるマスキング裏面とマスキング表面との間の最大高さ寸法とを、その面ファスナー13の用途等に応じて、互いに対応させて変更することが可能である。
例えば本発明では、上述した実施例4の面ファスナー13に比べて、隆起リブの高さ寸法を大きくするとともに、マスキング部材の上述した最大高さ寸法を小さくした形態で面ファスナーを形成することも可能である。このような面ファスナーであっても、上述した実施例4の面ファスナー13と同様に、ベース部とマスキング部材の間の空間部を小さくして、係合領域を発泡樹脂によって汚染され難くすることができる。その上、アンカー用係合素子がマスキング部材に埋め込まれる深さをより浅くできるため、マスキング部材をファスナー部材からより容易に剥がすことが可能となり、係合素子の変形及び破損をより生じさせ難くすることができる。
すなわち、本実施例4のようにベース部21に複数の隆起リブ29を設けることによって、隆起リブ及びマスキング部材の大きさを自由に変更可能となる。このため、発泡樹脂による係合領域の汚染を抑制又は防止するという効果を失うことなく、面ファスナーの設計の自由度を大きく拡大できる。
なお本実施例4において、隆起リブ29は、ベース部21から上側に盛り上がるように一体的に形成されていれば、その形状及び形成位置は特に限定されるものではない。例えば、隆起リブを、ファスナー部材の幅方向に直交する断面を見たときに、実施例4のような略三角形を呈する形状ではなく、台形を呈する形状、又は上側に延びる細長い壁のような形状等のその他の形状に形成することも可能である。
また、実施例4の隆起リブ29は、長さ方向に隣接する係合素子23の間の位置に幅方向に沿って規則的に形成されているが、例えば隆起リブを、幅方向又は長さ方向に対して傾斜した方向に沿って形成することが可能であり、又は、複数の隆起リブをランダムに形成することも可能である。
更に、本実施例4のファスナー部材20bに設けられた隆起リブ29は、前述した実施例1~実施例3のファスナー部材20,20aに対して設けることも可能である。
なお、上述した本発明の各実施例及び各変形例に係る面ファスナーにおいて、それぞれのマスキング部材のマスキング表面は、長手方向及び幅方向に平行で、且つ、平坦な平面に形成されている。しかし本発明において、マスキング部材のマスキング表面は、例えば幅方向等の所定の方向に凹状に若しくは凸状に湾曲した曲面に形成されていてもよく、又は長手方向等の所定の方向に沿って上下に起伏する波打った面に、又は不規則に上下に起伏する波打った面に形成されていてもよい。更に、マスキング部材のマスキング表面には、長さ方向若しくは幅方向に沿った複数の凹溝部、及び/又は、部分的に凹んだ複数の凹陥部が設けられていてもよい。
更に、上述した各実施例及び各変形例の面ファスナーにおいて、係合領域を形成する複数の係合素子は、全体的に千鳥状の配置パターンで規則的に配されているとともに、長さ方向に沿って整列した複数の係合素子列を形成している。しかし本発明において、係合領域を形成する係合素子の形成密度や配置パターンは特に限定されるものではない。例えば、複数の係合素子の配置は千鳥状のパターンに限定されず、複数の係合素子は、例えば長さ方向だけでなく、幅方向にも規則的に整列した格子状に配置されていてもよい。また、複数の係合素子は、係合領域内に不規則に配置されていてもよい。
更に、1つのファスナー部材に長さ方向に沿って形成される係合素子列の数は、2列以上であればよい。この場合、ファスナー部材にマスキング部材を保持したときの保持力や安定性、また、ファスナー部材からマスキング部材を剥がすときの剥がし易さの点から、長さ方向に沿った係合素子列は、幅方向に3列以上6列以下で並べられていることが好ましい。
10 面ファスナー
10a~10h 面ファスナー
11,12,13 面ファスナー
15 ファスナー係合部
16 連結部
20,20a ファスナー部材
20b ファスナー部材
21 ベース部
22 縦壁部
22a 縦壁本体
22b 補強リブ
23 係合素子
23a アンカー用係合素子
23b 剥離用係合素子
24 耳部
24a 耳本体部
24b 突出壁部
25 係合領域
26 係合素子列
27 分離スリット
28 モノフィラメント
29 隆起リブ
30,30a マスキング部材
30b,30c マスキング部材
30d,30e マスキング部材
30f,30g マスキング部材
30i マスキング部材
31,31b 溝部
31e,31f 溝部
31i 溝部
32 壁接触部
33 空間部
34 折曲部
35,35c 薄肉部
35i 薄肉部
40 マスキング部材
41 マスキング本体部
42 モノフィラメント
43 固定リブ
44 折曲部
45 溝部
46 ベース接触部
47 空間部
48 露出部
49 薄肉部
50 第1成形装置
51 ダイホイール
52 第1ノズル部
52a 流路部
52b ホイール対向面
52c 樹脂供給口
53 ピックアップローラ
60 第2成形装置
61a 左側の貼り合わせローラ
61b 右側の貼り合わせローラ
62 第2ノズル部
63 成形ローラ(マスキングローラ)
64 搬送ローラ
70 第2成形装置
71a 左側の貼り合わせローラ
71b 右側の貼り合わせローラ
72 第2ノズル部
73 成形ローラ
74 搬送ローラ
75 案内ローラ
h マスキング裏面の溝底部からマスキング表面までの高さ寸法

Claims (16)

  1. 合成樹脂製のファスナー部材(20,20a,20b)と、前記ファスナー部材(20,20a,20b)に取り外し可能に保持されるマスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)とを有し、
    前記ファスナー部材(20,20a,20b)は、長尺で第1面と第2面とを有するプレート状のベース部(21)と、前記ベース部(21)の前記第1面から突出する複数の係合素子(23)とを有し、
    前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は、前記ファスナー部材(20,20a,20b)における複数の前記係合素子(23)が含まれる係合領域(25)を、前記ベース部(21)とは反対の側から被覆し、
    前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)に、少なくとも1つの前記係合素子(23)が埋め込まれ、
    埋め込まれる前記係合素子(23)の一部のみが前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)に埋め込まれることにより、前記係合領域(25)の少なくとも一部において、前記ベース部(21)と前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)との間に空間部(33,47)が設けられ
    前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は、前記ベース部(21)に対向するマスキング裏面と、前記マスキング裏面の反対側に配されるマスキング表面とを有し、
    前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は、前記マスキング裏面に設けられ、且つ、前記ベース部(21)の前記第1面から離間する方向に延びる凹状の溝部(31,31e,31f,31i,45)を有する
    ことを特徴とする面ファスナー。
  2. 前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は、前記係合領域(25)の全体において前記ベース部(21)から前記空間部(33,47)を介して離間している請求項1記載の面ファスナー。
  3. 前記ファスナー部材(20,20a,20b)は、複数の前記係合素子(23)が前記ベース部(21)の長さ方向に沿って形成される係合素子列(26)を複数有し、
    1つの前記係合素子列(26)に配される複数の前記係合素子(23)は、前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)に同じ深さで埋め込まれている
    請求項1又は2記載の面ファスナー。
  4. 前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は、長尺であり、
    前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)又は前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)の本体部の長さ方向に直交する断面は、前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)の長さ方向の全体に亘って同じ形状を有する
    請求項1~3のいずれかに記載の面ファスナー。
  5. 記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i,40)は薄肉部(35,35i,49)を有し、
    前記薄肉部(35,35i,49)において、前記マスキング裏面から前記マスキング表面までの高さ寸法は、前記係合素子(23)における前記ベース部(21)の前記第1面からの高さ寸法よりも小さい
    請求項1~4のいずれかに記載の面ファスナー。
  6. 前記係合素子(23)は、前記ベース部(21)から起立する起立部と、前記起立部の先端部から延出する係合頭部とを有し、
    前記係合領域(25)に含まれる複数の前記係合素子(23)は、前記マスキング部材(30,30a,30d,30f,30g,30i,40)に前記係合頭部の少なくとも一部が埋め込まれるアンカー用係合素子(23a)と、前記係合素子(23)の前記マスキング部材(30,30a,30d,30f,30g,30i,40)に埋め込まれる深さが前記アンカー用係合素子(23a)よりも小さい又は前記係合素子(23)が前記マスキング部材(30,30a,30d,30f,30g,30i,40)に埋め込まれない剥離用係合素子(23b)とを含む
    請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  7. 前記アンカー用係合素子(23a)は、前記マスキング部材(30,30a,30d,30f,30i,40)に前記係合頭部の全体と前記起立部の少なくとも一部とが埋め込まれている請求項記載の面ファスナー。
  8. 前記係合領域(25)に含まれる複数の前記係合素子(23)は、前記マスキング部材(30e)に一定の深さで埋め込まれている請求項1~5のいずれかに記載の面ファスナー。
  9. 前記ファスナー部材(20,20b)は、前記ベース部(21)に長さ方向に沿って立設される左右の縦壁部(22)を有し、
    複数の前記係合素子(23)と前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,30i)とは、左右の前記縦壁部(22)間に配され、
    左右の前記縦壁部(22)に、磁性粒子を含有するモノフィラメント(28)が固定され、又は磁性粒子が含有される
    請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  10. 右の前記縦壁部(22)の頂端面は、前記面ファスナー(10,10d-10h,11,13)の高さ方向に関し、前記マスキング部材(30,30d-30g,30i)の前記マスキング表面よりも前記ベース部(21)から離れた位置に配されている
    請求項記載の面ファスナー。
  11. 前記マスキング部材(40)に、前記マスキング部材(40)の長さ方向に沿って、磁性粒子を含有するモノフィラメント(42)が配され、又は磁性粒子が含有されている請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  12. 長さ方向に沿って配される複数のファスナー係合部(15)と、長さ方向に隣接する前記ファスナー係合部(15)間を連結する可撓性を備えた連結部(16)とを有し、
    前記連結部(16)は、前記ファスナー部材(20)と前記マスキング部材(30)とによって形成されている
    請求項1~11のいずれかに記載の面ファスナー。
  13. 前記ファスナー部材(20b)は、前記ベース部(21)の前記第1面から突出し、且つ、前記空間部(33)を埋めるリブ(29)を有する請求項1~12のいずれかに記載の面ファスナー。
  14. 前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,40)の長さ方向における両端部のうちの少なくとも一方に、前記マスキング部材(30,30a,30d-30g,40)が前記ベース部(21)から離れる方向に折り曲げられた折曲部(34,44)が設けられている請求項1~13のいずれかに記載の面ファスナー。
  15. 前記ベース部(21)の長さ方向における両端部のうちの少なくとも一方に、前記ベース部(21)の一部を切り離すスリット(27)が設けられている請求項1~14のいずれかに記載の面ファスナー。
  16. 合成樹脂製のファスナー部材(20,20a,20b)と、前記ファスナー部材(20,20a,20b)に取り外し可能に保持される合成樹脂製のマスキング部材(30,30a-30g,30i,40)とを有する面ファスナー(10,10a-10h,11,12,13)の製造方法において、
    第1成形装置(50)の第1ノズル部(52)からファスナー用合成樹脂を溶融状態で供給し、長尺で第1面と第2面とを有するプレート状のベース部(21)と、前記ベース部(21)の前記第1面から突出する複数の係合素子(23)とを有する前記ファスナー部材(20,20a,20b)を成形すること、
    第2成形装置(60,70)の第2ノズル部(62,72)から、マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを溶融状態で供給すること、
    成形された前記ファスナー部材(20,20a,20b)に、硬化する前の前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせること、
    前記ファスナー部材(20,20a,20b)に前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせる前に、前記第2成形装置(60,70)に配される成形ローラ(63,73)を用いて、前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに前記マスキング部材(30,30a-30g,30i,40)のマスキング裏面を形成可能な形状を付与すること、及び、
    前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーを貼り合わせるときに、前記ファスナー部材(20,20a,20b)の少なくとも1つの前記係合素子(23)を前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに埋め込み、且つ、埋め込まれる前記係合素子(23)の一部のみを前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーに埋め込むことにより、前記ファスナー部材(20,20a,20b)の前記ベース部(21)と前記マスキング用合成樹脂又はマスキング用エラストマーとの間に空間部(33,47)を設けること、
    を含むことを特徴とする面ファスナーの製造方法。
JP2021541978A 2019-08-30 2020-02-18 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法 Active JP7292817B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JPPCT/JP2019/034183 2019-08-30
PCT/JP2019/034183 WO2021038843A1 (ja) 2019-08-30 2019-08-30 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法
JP2019230845 2019-12-20
JP2019230845 2019-12-20
PCT/JP2020/006338 WO2021038917A1 (ja) 2019-08-30 2020-02-18 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021038917A1 JPWO2021038917A1 (ja) 2021-03-04
JP7292817B2 true JP7292817B2 (ja) 2023-06-19

Family

ID=74684386

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021541978A Active JP7292817B2 (ja) 2019-08-30 2020-02-18 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法
JP2021542606A Active JP7265230B2 (ja) 2019-08-30 2020-07-10 面ファスナー

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021542606A Active JP7265230B2 (ja) 2019-08-30 2020-07-10 面ファスナー

Country Status (6)

Country Link
US (2) US12129885B2 (ja)
EP (2) EP4023096A4 (ja)
JP (2) JP7292817B2 (ja)
KR (2) KR102632738B1 (ja)
CN (2) CN114286632B (ja)
WO (2) WO2021038917A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7292817B2 (ja) * 2019-08-30 2023-06-19 Ykk株式会社 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540872A (ja) 1999-04-13 2002-12-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 機械式ファスナーおよびその製造方法
WO2010052779A1 (ja) 2008-11-06 2010-05-14 Ykk株式会社 成形雄面ファスナー
JP2013061423A (ja) 2011-09-12 2013-04-04 Dainippon Printing Co Ltd Pdp用コントラスト向上フィルタ、このフィルタの製造方法およびこのフィルタを用いたプラズマディスプレイ装置
JP2013530796A (ja) 2010-07-16 2013-08-01 ジェラルド・ロシャ 次元的に柔軟なタッチ・ファスナー・ストリップ

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2556271B1 (fr) * 1983-12-13 1987-06-12 Aplix Sa Procede pour la fixation d'une bande ou analogue munie d'elements d'accrochage sur un article en cours de moulage, et bande pour sa mise en oeuvre
AU637640B2 (en) * 1989-10-26 1993-06-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Reclosable mechanical fastener based on a composite article
US5786061A (en) 1991-05-03 1998-07-28 Velcro Industries B.V. Separable fastener having a perimeter cover gasket
JP2788565B2 (ja) * 1992-02-10 1998-08-20 ワイケイケイ株式会社 シートクッション用の面ファスナー止具
US5422156A (en) 1993-04-23 1995-06-06 Aplix, Inc. Fastening member with ferromagnetic attachment strip
KR100314589B1 (ko) 1993-07-06 2001-12-28 로버트 후이젠 후크-루프형파스너의후크부분또는루프부분의제조방법
US5725928A (en) * 1995-02-17 1998-03-10 Velcro Industries B.V. Touch fastener with magnetic attractant
JPH11206328A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Suzu Pack:Kk 棒状食品用包装材
EP1304213B1 (en) * 1998-11-06 2006-05-17 Velcro Industries B.V. Touch fasteners and their manufacture
JP2001061516A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Ykk Corp 面ファスナー用雌係合部材とその製造装置
CN1232238C (zh) * 2000-03-14 2005-12-21 维尔克鲁工业公司 折叠的搭扣制品
US6656563B1 (en) 2000-05-23 2003-12-02 Velcro Industries B.V. Segmented separable fastener
TWI358285B (en) * 2004-07-02 2012-02-21 3M Innovative Properties Co Knitted loop tape, hook and loop fastening system,
JP4417920B2 (ja) * 2006-03-31 2010-02-17 大王製紙株式会社 面ファスナーの雌材シートおよびこれを用いた吸収性物品
US8051540B2 (en) * 2008-02-29 2011-11-08 Velcro Industries B.V. Releasable fastening arrangement
CN102065715A (zh) * 2008-04-23 2011-05-18 可乐丽粘扣带股份有限公司 模内成形用卡止部件
TWI403282B (zh) * 2008-12-05 2013-08-01 Taiwan Paiho Ltd 黏扣組件及具有黏扣組件之座墊
TW201023783A (en) 2008-12-26 2010-07-01 Taiwan Paiho Ltd Fastening assembly and cushion having fastening assembly
WO2010146667A1 (ja) 2009-06-17 2010-12-23 Ykk株式会社 成形雄面ファスナー
DE112011105783B4 (de) * 2011-10-26 2020-09-17 Ykk Corporation Geformter Flächenhaftbefestiger
TWI548360B (zh) * 2012-10-15 2016-09-11 台灣百和工業股份有限公司 用於與發泡材料嵌合之黏扣組件及具有黏扣組件之座墊
EP2941978B1 (en) 2013-01-07 2017-11-15 YKK Corporation Molded planar fastener and production method for cushion body
JP2015192793A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 クラレファスニング株式会社 モールドイン成形用雄型面ファスナー
US10548374B2 (en) * 2015-07-17 2020-02-04 Ykk Corporation Fastening tape with flexibility in the longitudinal direction and associated methods
JP6628817B2 (ja) * 2016-02-19 2020-01-15 Ykk株式会社 成形面ファスナー
CN108697208B (zh) * 2016-02-19 2021-03-16 Ykk株式会社 成形面连接件
US10021947B2 (en) * 2016-02-26 2018-07-17 Ykk Corporation Fastening tape with improved attachment systems
JP6732374B2 (ja) * 2016-04-13 2020-07-29 Ykk株式会社 成形面ファスナー
DE102017011245A1 (de) * 2017-12-06 2019-06-06 Gottlieb Binder Gmbh & Co. Kg Haftverschlussteil
JP7292817B2 (ja) 2019-08-30 2023-06-19 Ykk株式会社 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540872A (ja) 1999-04-13 2002-12-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 機械式ファスナーおよびその製造方法
WO2010052779A1 (ja) 2008-11-06 2010-05-14 Ykk株式会社 成形雄面ファスナー
JP2013530796A (ja) 2010-07-16 2013-08-01 ジェラルド・ロシャ 次元的に柔軟なタッチ・ファスナー・ストリップ
JP2013061423A (ja) 2011-09-12 2013-04-04 Dainippon Printing Co Ltd Pdp用コントラスト向上フィルタ、このフィルタの製造方法およびこのフィルタを用いたプラズマディスプレイ装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN114286631B (zh) 2024-02-20
KR102632735B1 (ko) 2024-02-05
KR20220038489A (ko) 2022-03-28
JP7265230B2 (ja) 2023-04-26
KR102632738B1 (ko) 2024-02-05
JPWO2021038917A1 (ja) 2021-03-04
CN114286632B (zh) 2024-03-05
US11898595B2 (en) 2024-02-13
EP4023096A4 (en) 2022-11-09
WO2021039151A1 (ja) 2021-03-04
EP4023097A4 (en) 2022-11-02
US12129885B2 (en) 2024-10-29
WO2021038917A1 (ja) 2021-03-04
US20220290706A1 (en) 2022-09-15
JPWO2021039151A1 (ja) 2021-03-04
CN114286632A (zh) 2022-04-05
EP4023097A1 (en) 2022-07-06
CN114286631A (zh) 2022-04-05
KR20220038480A (ko) 2022-03-28
EP4023096A1 (en) 2022-07-06
US20220312905A1 (en) 2022-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5632526B2 (ja) クッション体金型に使用するための雄形面ファスナー部材とその製造方法
US9781979B2 (en) Molded surface fastener
KR101440739B1 (ko) 성형면 파스너
KR101833156B1 (ko) 성형면 파스너
JP5635179B2 (ja) 成形面ファスナー
WO2013005297A1 (ja) 成形面ファスナー及び成形面ファスナーの製造方法、並びにクッション体の製造方法
US10524547B2 (en) Molded surface fastener and molded surface fastener manufacturing method
JP6732374B2 (ja) 成形面ファスナー
WO2016002049A1 (ja) 成形面ファスナー及びクッション体
GB2468869A (en) Fastener strip for use with cushion body
JP6628817B2 (ja) 成形面ファスナー
JP7292817B2 (ja) 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法
WO2010146667A1 (ja) 成形雄面ファスナー
KR20030029017A (ko) 연결 고정부재 및 이 연결 고정 부재가 부착된 수지성형체의 제조방법
WO2021038843A1 (ja) 面ファスナー及び面ファスナーの製造方法
CN113453580B (zh) 成形面连接件和成形面连接件的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230428

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7292817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150