JP7287051B2 - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Description
(1)(A)全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸成分含有率が5~20mol%であるポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対し、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分0~0.1重量部からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物であって、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.85以上であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で40℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した時に観測される吸熱ピークが一つで、その吸熱ピーク温度(融点)が200~220℃であるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(2)前記樹脂組成物がブロー成形用である、(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(3)(2)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物をダイレクトブロー成形またはインジェクションブロー成形してなるブロー成形品。
(4)(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるフィルムまたはシート。
(5)(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるチューブ成形品。
ηr=η/η0=t/t0・・・(1)
(A-1)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂:
テレフタル酸106.2重量部、ドデカンジオン酸22.0重量部、1,4-ブタンジオール84.1重量部および触媒としてテトラブチルチタネート0.08重量部、モノブチルスズオキシド0.07重量部とを精留塔および撹拌機のついた反応缶に仕込み、常圧下にて150℃から235℃まで4時間かけて昇温し、エステル化反応させた。生成した水とテトラヒドロフランとを精留塔を通して留去してテトラヒドロフラン含有物を得た。次に得られたエステル化反応生成物に着色防止剤のリン酸0.03重量部と重縮合触媒のテトラブチルチタネート0.08重量部を加えた後、重縮合反応缶に移し、常圧から67Paまで50分かけて徐々に減圧し、同時に245℃まで昇温して、2時間50分重縮合反応を行い、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.48であり、ドデカンジオン酸含有量が13mol%である共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られた共重合体を真空乾燥器内に仕込み、真空度760mmHg、160℃の条件で80時間固相重合を行った。得られた共重合体の0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度は2.01であった。
(A-2)ドデカンジオン酸含有量6mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を9.4重量部とする他は、(A-1)と同様にして調製した。
(A-3)ドデカンジオン酸含有量10mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を16.4重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-4)ドデカンジオン酸含有量15mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を26.0重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-5)ドデカンジオン酸含有量20mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を36.8重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A-6)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.88):固相重合の反応時間を70時間とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-1)ドデカンジオン酸含有量4mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を6.1重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-2)ドデカンジオン酸含有量22mol%共重合PBT樹脂:ドデカンジオン酸の配合量を41.5重量部とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(A’-3)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.48):(A-1)の調整過程で得られる相対粘度1.48のドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂を使用した。
(A’-4)ドデカンジオン酸含有量13mol%共重合PBT樹脂(相対粘度1.84):固相重合の反応時間を65時間とする他は、(A-1)と同様にして調整した。
(B-1)ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)共重合体(PBT-I):テレフタル酸65.6重量部、イソフタル酸7.3重量部、1,4-ブタンジオール61.4重量部および触媒としてテトラブチルチタネート0.05重量部、モノブチルスズオキシド0.04重量部とを精留塔および撹拌機のついた反応缶に仕込み、常圧下にて150℃から235℃まで4時間かけて昇温し、エステル化反応をさせた。生成した水とテトラヒドロフランとを精留塔を通して留去してテトラヒドロフラン含有物を得た。次に得られたエステル化反応生成物に着色防止剤のリン酸0.02重量部と重縮合触媒のテトラブチルチタネート0.05重量部を加えた後、重縮合反応缶に移し、常圧から67Paまで50分かけて徐々に減圧し、同時に245℃まで昇温して、2時間50分重縮合反応を行い、イソフタル酸(IPA)含有量が10mol%である共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られた共重合体を真空乾燥器内に仕込み、真空度760mmHg、160℃の条件で80時間固相重合を行った。得られた共重合体の0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度は2.01であった。
(B-2)ポリブチレンテレフタレート:0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における粘度が1.88であるPBTを使用した。
(B-3)ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製“ユーピロン” (登録商標)S-1000(商品名)
(B-4)ステアリン酸カルシウム:川村化成工業(株)製のステアリン酸カルシウムを用いた。
(B)成分を配合する場合は、ペレット形状の(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体に対し、所定量の(B)をペレットブレンドもしくはドライブレンドにより混合した。
タハラ製電動ブロー成形機”TZ-3532M”(スクリュ径35mm)を用い、各実施例および比較例で得られたPBT系樹脂組成物をシリンダ温度245℃、ダイ温度215℃の条件で、外径20mm、厚み3mmのパリソンとして40rpmの速度で押し出し、さらに吹き込み圧0.6MPa、吹き込み時間15秒の条件で空気の吹きこみを行い、高さ90mm、直径36mmの円柱型容器を作成した。この際、目視でパリソンが大きくドローダウンしたものは、成形性不良として表中「×」で示した。また、パリソン押出し直後に、ダイ付近で固化が始まったものや、吹き込み後に、成形品の透明性に差(肉厚のばらつき)があったものは、賦形性不良として表中「×」で示した。ドローダウンが起こらず、賦形性良好なものは「〇」で示した。
住友重工業製射出成形機“SE75DU”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用いて、シリンダ温度260℃、金型温度80℃の条件で、ISO179に従って試験片(80mm×10mm×4.0mm)を成形した。得られた試験片各5本に、8mm残るようにノッチを入れ、ISO179に準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。得られた衝撃強度を試験片の厚みと幅の積で割った値を、シャルピー衝撃強度とした。シャルピー衝撃強度が50kJ/m2以上であれば、耐衝撃性は良好といえる。100kJ/m2以上が望ましい。
日精樹脂工業射出成形機“PS40”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用い、短冊状試験片(127mm×12.7mm×1.5mm)を成形した。射出条件は、シリンダ温度270℃、金型温度50℃、射出時間10秒、冷却時間10秒、射出圧力は各樹脂組成物の下限圧力+7MPaで実施した。得られた試験片をリモネン原液に48時間浸漬し、浸漬前後の重量から重量変化率を算出した。重量変化率が、0.1%以下であれば耐薬品性は良好といえる。
住友重工業製射出成形機“SE75DU”を使用して、各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を用いて、シリンダ温度260℃、金型温度80℃の条件で、ISO178に従って試験片(80mm×10mm×4.0mm)を成形した。得られた試験片各5本を用いて、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定した。
各実施例および比較例で得られたPBT樹脂組成物を、o-クレゾール/クロロホルム(2/1,vol/vol)混合溶液50mLに溶解させた溶液を、1%ブロモフェノールブルーを指示薬として、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定し、組成物中のカルボキシル末端基濃度を算出した。
表1に示すPBT系樹脂組成物について、上記方法で評価した結果を表1に記した。
表2に示す配合組成に変更した以外は実施例1~7と同様に評価し、結果を表2に記した。
Claims (5)
- (A)全ジカルボン酸成分中のドデカンジオン酸成分含有率が5~20mol%であるポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体100重量部に対し、(B)前記(A)ポリブチレン(テレフタレート/ドデカジオエート)共重合体以外の成分0~0.1重量部からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物であって、0.5質量%オルトクロロフェノール溶液で測定した25℃における相対粘度が1.85以上であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で40℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した時に観測される吸熱ピークが一つで、その吸熱ピーク温度(融点)が200~220℃であるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物がブロー成形用である、請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 請求項2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物をダイレクトブロー成形またはインジェクションブロー成形してなるブロー成形品。
- 請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるフィルムまたはシート。
- 請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を押出成形してなるチューブ成形品。
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