JP7283287B2 - semiconductor equipment - Google Patents
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Description
本発明は、絶縁ゲート構造を有する絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下では、IGBTという)素子とフリーホイールダイオード(以下では、FWDという)素子とが共通の半導体基板に形成された半導体装置に関するものである。 The present invention relates to a semiconductor device in which an insulated gate bipolar transistor (hereinafter referred to as IGBT) element having an insulated gate structure and a free wheel diode (hereinafter referred to as FWD) element are formed on a common semiconductor substrate.
従来より、インバータ等に使用されるスイッチング素子として、例えば、IGBT素子を有するIGBT領域と、FWD素子を有するFWD領域とが共通の半導体基板に形成された半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 Conventionally, as a switching element used in an inverter or the like, for example, a semiconductor device in which an IGBT region having an IGBT element and an FWD region having an FWD element are formed on a common semiconductor substrate has been proposed (for example, patent Reference 1).
具体的には、この半導体装置では、n-型のドリフト層を構成する半導体基板の表層部にベース層が形成され、ベース層を貫通するように複数のトレンチが形成されている。そして、各トレンチには、ゲート絶縁膜およびゲート電極が順に形成されている。 Specifically, in this semiconductor device, a base layer is formed in a surface layer portion of a semiconductor substrate that constitutes an n − -type drift layer, and a plurality of trenches are formed so as to penetrate the base layer. A gate insulating film and a gate electrode are formed in this order in each trench.
また、IGBT領域におけるベース層の表層部には、トレンチに接するようにn+型のエミッタ領域が形成されている。半導体基板の裏面側には、p型のコレクタ層およびn+型のカソード層が形成されている。 An n + -type emitter region is formed in the surface layer of the base layer in the IGBT region so as to be in contact with the trench. A p-type collector layer and an n + -type cathode layer are formed on the back side of the semiconductor substrate.
そして、半導体基板の表面側には、ベース層およびエミッタ領域と電気的に接続される上部電極が形成されている。半導体基板の裏面側には、コレクタ層およびカソード層と電気的に接続される下部電極が形成されている。 An upper electrode electrically connected to the base layer and the emitter region is formed on the surface side of the semiconductor substrate. A lower electrode electrically connected to the collector layer and the cathode layer is formed on the back side of the semiconductor substrate.
このような半導体装置では、半導体基板の裏面側にコレクタ層が形成されている領域がIGBT素子を有するIGBT領域とされ、カソード層が形成されている領域がFWD素子を有するFWD領域とされている。なお、FWD領域では、上記構成とされていることにより、n型のカソード層およびドリフト層と、p型のベース層とによってPN接合を有するFWD素子が構成される。 In such a semiconductor device, the region in which the collector layer is formed on the back side of the semiconductor substrate serves as the IGBT region having the IGBT element, and the region in which the cathode layer is formed serves as the FWD region having the FWD element. . In the FWD region, the FWD element having the PN junction is formed by the n-type cathode layer and the drift layer, and the p-type base layer due to the above structure.
そして、ベース層は、IGBT領域に位置する部分を第1ベース層とし、FWD領域に位置する部分を第2ベース層とすると、第2ベース層の不純物濃度が第1ベース層の不純物濃度より低くされている。 Assuming that the portion of the base layer located in the IGBT region is the first base layer and the portion of the base layer located in the FWD region is the second base layer, the impurity concentration of the second base layer is lower than that of the first base layer. It is
このような半導体装置では、第2ベース層が第1ベース層と同じ不純物濃度とされている場合と比較して、FWD素子に順電圧を印加している際に上部電極から供給される正孔を低減できる。したがって、FWD素子がリカバリ状態となった際、リカバリ電流を低減でき、スイッチング損失を低減することができる。 In such a semiconductor device, compared to the case where the second base layer has the same impurity concentration as the first base layer, the number of holes supplied from the upper electrode when the forward voltage is applied to the FWD element increases. can be reduced. Therefore, when the FWD element enters the recovery state, the recovery current can be reduced, and the switching loss can be reduced.
しかしながら、上記半導体装置について本発明者らが検討したところ、上記半導体装置では、ブレークダウンが発生した際、大電流で電圧が急峻に変化する場合があることが確認された。この場合、電流集中が発生して半導体装置が破壊される可能性がある。 However, when the present inventors examined the above semiconductor device, it was confirmed that when breakdown occurs in the above semiconductor device, the voltage may change steeply due to a large current. In this case, there is a possibility that current concentration will occur and the semiconductor device will be destroyed.
本発明は上記点に鑑み、破壊されることを抑制できる半導体装置を提供することを目的とする。 SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a semiconductor device that can be prevented from being destroyed.
上記目的を達成するための請求項1では、IGBT素子を有するIGBT領域(1a)と、FWD素子を有するFWD領域(1b)が共通の半導体基板(10)に形成されている半導体装置であって、第1導電型のドリフト層(11)と、ドリフト層の表層部に形成された第2導電型のベース層(12)と、IGBT領域において、ドリフト層のうちのベース層側と反対側に形成された第2導電型のコレクタ層(21)と、FWD領域において、ドリフト層のうちのベース層側と反対側に形成された第1導電型のカソード層(22)と、を含む半導体基板と、IGBT領域およびFWD領域において、一方向を長手方向とすると共に、ベース層よりも深くまで複数のトレンチ(13)が形成され、トレンチ内にゲート絶縁膜(14)を介してゲート電極(15)が配置されたトレンチゲート構造と、IGBT領域におけるベース層を第1ベース層(12a)とし、第1ベース層の表層部であって、トレンチと接する状態で形成された第1導電型のエミッタ領域(16)と、FWD領域におけるベース層を第2ベース層(12b)とし、第2ベース層の表層部に形成され、第2ベース層より不純物濃度が高くされたコンタクト領域(17b)と、エミッタ領域、第1ベース層、第2ベース層、コンタクト領域と電気的に接続される第1電極(19)と、コレクタ層およびカソード層と電気的に接続される第2電極(23)と、を備えている。そして、第2ベース層は、第1ベース層よりも不純物濃度が低くされており、コンタクト領域は、FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされ、トレンチの長手方向に沿って互いに離れた状態で複数形成されており、トレンチの長手方向に沿って隣合うコンタクト領域の間隔における半分の長さをy[μm]、コンタクト領域の深さをx[μm]とすると、コンタクト領域は、y<3x-0.8を満たすように形成されている。
これによれば、FWD素子に逆電圧が印加された際、空乏層が第1電極に達し難くなるため、リカバリ電流を低減しつつ、高耐量化を図ることができ、半導体装置が破壊されることを抑制できる。 According to this, when a reverse voltage is applied to the FWD element, it becomes difficult for the depletion layer to reach the first electrode, so it is possible to reduce the recovery current and increase the withstand voltage, and the semiconductor device is destroyed. can be suppressed.
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。 It should be noted that the reference numerals in parentheses attached to each component etc. indicate an example of the correspondence relationship between the component etc. and specific components etc. described in the embodiments described later.
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。 An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. In addition, in each of the following embodiments, portions that are the same or equivalent to each other will be described with the same reference numerals.
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。なお、本実施形態の半導体装置は、例えば、インバータ、DC/DCコンバータ等の電源回路に使用されるパワースイッチング素子として利用されると好適である。
(First embodiment)
A first embodiment will be described. The semiconductor device of this embodiment is preferably used as a power switching element used in power supply circuits such as inverters and DC/DC converters.
図1および図に示されるように、本実施形態の半導体装置は、共通の半導体基板10にIGBT領域1aとFWD領域1bとが形成されたRC(Reverse Conductingの略)-IGBTとされている。なお、具体的には後述するが、本実施形態では、後述するコレクタ層21上の部分がIGBT領域とされ、後述するカソード層22上の部分がFWD領域1bとされている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the semiconductor device of this embodiment is an RC (abbreviation of Reverse Conducting)-IGBT in which an
半導体装置は、n-型のドリフト層11を構成する半導体基板10を有している。なお、本実施形態では、半導体基板10は、シリコン基板で構成される。そして、ドリフト層11上(すなわち、半導体基板10の一面10a側)には、p型のベース層12が形成されている。
The semiconductor device has a
ベース層12は、IGBT領域1aとFWD領域1bとでp型不純物濃度が変えられており、IGBT領域1aでは、FWD領域1bよりもp型不純物濃度が高くされている。以下、IGBT領域1aに形成されたベース層12を第1ベース層12aともいい、FWD領域1bに形成されたベース層12を第2ベース層12bともいう。また、第1ベース層12aおよび第2ベース層12bは、本実施形態では、半導体基板10の一面10a側からp型の不純物がイオン注入された後に熱処理されることで形成される。このため、不純物濃度が高い第1ベース層12aの方が第2ベース層12bよりも深くまで形成されている。
In the
そして、半導体基板10には、一面10a側からベース層12を貫通してドリフト層11に達するように複数のトレンチ13が形成されている。これにより、ベース層12は、トレンチ13によって複数個に分離されている。本実施形態では、複数のトレンチ13は、IGBT領域1aおよびFWD領域1bにそれぞれ形成されている。また、本実施形態では、複数のトレンチ13は、IGBT領域1aおよびFWD領域1bの配列方向と交差する一方向(すなわち、図1中の紙面奥行方向)を長手方向としてストライプ状に形成されている。
A plurality of
そして、各トレンチ13は、各トレンチ13の壁面を覆うように形成されたゲート絶縁膜14と、このゲート絶縁膜14の上に形成されたポリシリコン等により構成されるゲート電極15とにより埋め込まれている。これにより、トレンチゲート構造が構成されている。
Each
IGBT領域1aにおける第1ベース層12aの表層部(すなわち、半導体基板10の一面10a側)には、ドリフト層11よりも高不純物濃度とされたn+型のエミッタ領域16、および第1ベース層12aよりも高不純物濃度とされたp+型の第1コンタクト領域17aがそれぞれ形成されている。具体的には、エミッタ領域16は、第1ベース層12a内において終端し、かつ、トレンチ13の側面に接するように形成されている。また、第1コンタクト領域17aは、エミッタ領域16と同様に、ベース層12内において終端するように形成されている。
In the surface layer portion of the
より詳しくは、エミッタ領域16は、トレンチ13間の領域において、トレンチ13の長手方向に沿ってトレンチ13の側面に接するように棒状に延設され、トレンチ13の先端よりも内側で終端する構造とされている。また、第1コンタクト領域17aは、2つのエミッタ領域16に挟まれてトレンチ13の長手方向(すなわち、エミッタ領域16)に沿って棒状に延設されている。なお、第1コンタクト領域17aは、半導体基板10の一面10aを基準としてエミッタ領域16よりも深く形成されている。
More specifically, the
FWD領域1bにおける第2ベース層12bの表層部には、第2ベース層12bよりも高不純物濃度とされたp+型の第2コンタクト領域17bが形成されている。第2コンタクト領域17bは、具体的には後述するが、FWD素子に逆電圧が印加されている際に空乏化せず、後述する上部電極19とオーミック接触する不純物濃度とされている。なお、第2ベース層12bは、後述する上部電極19とオーミック接触する不純物濃度とされていてもよいし、ショットキー接触する不純物濃度とされていてもよいが、本実施形態では、ショットキー接触する不純物濃度とされている。
A p + -type
図3に示されるように、本実施形態では、第2ベース層12bは、一面10a側の不純物濃度が8.0×1016cm-3程度とされている。第2コンタクト領域17bは、一面10a側の不純物濃度が6.0×1019cm-3程度とされている。なお、本実施形態では、第2コンタクト領域17bは、IGBT領域1aに形成された第1コンタクト領域17aと同じ不純物濃度とされている。
As shown in FIG. 3, in the present embodiment, the
第2コンタクト領域17bは、トレンチ13の長手方向に沿って互いに離れた状態で複数形成されている。つまり、第2コンタクト領域17bは、トレンチ13の長手方向に沿って点在されている。本実施形態では、各第2コンタクト領域17bは、トレンチ13の長手方向に沿って等間隔に形成されている。そして、各第2コンタクト領域17bは、具体的には後述するが、半導体基板10の一面10aからの深さをx、トレンチ13の長手方向に沿って隣合う第2コンタクト領域17bの間隔における半分の長さをy(すなわち、隣合う第2コンタクト領域17bの間隔を2y)とすると、次のように形成されている。すなわち、各第2コンタクト領域17bは、y<3x-0.8を満たすように形成されている。なお、以下では、隣合う第2コンタクト領域17bの間隔における半分の長さyを、単に隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yともいう。
A plurality of
また、本実施形態では、第2コンタクト領域17bは、トレンチ13から離間するように形成されている。そして、第2コンタクト領域17bは、第2コンタクト領域17bとトレンチ13との間隔をLとすると、L<3x-0.8を満たすように形成されている。なお、第2コンタクト領域17bは、トレンチ13と接するように形成されていてもよい。つまり、第2コンタクト領域17bは、L=0となるように形成されていてもよい。
Moreover, in the present embodiment, the
半導体基板10の一面10a上には、BPSG(Borophosphosilicate Glassの略)等で構成される層間絶縁膜18が形成されている。層間絶縁膜18には、IGBT領域1aにおいて、エミッタ領域16および第1コンタクト領域17aを露出させる第1コンタクトホール18aが形成されている。層間絶縁膜18には、FWD領域1bにおいて、第2ベース層12bおよび第2コンタクト領域17bを露出させる第2コンタクトホール18bが形成されている。
An interlayer insulating
そして、層間絶縁膜18上には、上部電極19が形成されている。上部電極19は、層間絶縁膜18に形成された第1コンタクトホール18aを通じてエミッタ領域16および第1コンタクト領域17aと電気的に接続されている。上部電極19は、層間絶縁膜18に形成された第2コンタクトホール18bを通じて第2ベース層12bおよび第2コンタクト領域17bと接続されている。つまり、層間絶縁膜18上には、IGBT領域1aにおいてエミッタ電極として機能し、FWD領域1bにおいてアノード電極として機能する上部電極19が形成されている。なお、本実施形態では、上部電極19が第1電極に相当している。
An
そして、上部電極19は、FWD領域1bにおいて、第2コンタクト領域17bとオーミック接触している。つまり、第2コンタクト領域17bは、上記のように、上部電極19とオーミック接触する不純物濃度とされている。また、上部電極19は、本実施形態では、FWD領域1bにおいて、第2ベース層12bとショットキー接触している。
The
ドリフト層11のうちのベース層12側と反対側(すなわち、半導体基板10の他面10b側)には、ドリフト層11よりも高不純物濃度とされたn型のフィールドストップ層(以下では、FS層という)20が形成されている。 An n-type field stop layer (hereinafter referred to as FS layer) 20 is formed.
そして、IGBT領域1aでは、FS層20を挟んでドリフト層11と反対側にp型のコレクタ層21が形成され、FWD領域1bでは、FS層20を挟んでドリフト層11と反対側にn+型のカソード層22が形成されている。つまり、FS層20を挟んでドリフト層11と反対側には、コレクタ層21とカソード層22とが隣接して形成されている。そして、IGBT領域1aとFWD領域1bとは、半導体基板10の他面10b側に形成される層がコレクタ層21であるかカソード層22であるかによって区画されている。すなわち、本実施形態では、コレクタ層21上の部分がIGBT領域1aとされ、カソード層22上の部分がFWD領域1bとされている。
In the
コレクタ層21およびカソード層22を挟んでドリフト層11と反対側(すなわち、半導体基板10の他面10b)には、コレクタ層21およびカソード層22と電気的に接続される下部電極23が形成されている。つまり、IGBT領域1aにおいてはコレクタ電極として機能し、FWD領域1bにおいてはカソード電極として機能する下部電極23が形成されている。本実施形態では、下部電極23が第2電極に相当している。
A
このように構成されることにより、IGBT領域1aにおいては、第1ベース層12aをベースとし、エミッタ領域16をエミッタとし、コレクタ層21をコレクタとするIGBT素子が構成される。また、FWD領域1bにおいては、第2ベース層12bおよび第2コンタクト領域17bをアノードとし、ドリフト層11、FS層20、カソード層22をカソードとしてPN接合されたFWD素子が構成される。
With such a configuration, in the
以上が本実施形態における半導体装置の構成である。本実施形態では、このようにして共通の半導体基板10にIGBT領域1aおよびFWD領域1bが形成されている。なお、本実施形態では、n型、n+型、n-型が第1導電型に相当しており、p型、p+型が第2導電型に相当している。また、上記のように構成されていることにより、半導体基板10は、ドリフト層11、ベース層12、エミッタ領域16、第1、第2コンタクト領域17a、17b、FS層20、コレクタ層21、カソード層22を有する構成とされている。
The above is the configuration of the semiconductor device according to the present embodiment. In this embodiment, the
次に、上記半導体装置の作動および効果について説明する。 Next, the operation and effects of the semiconductor device will be described.
まず、半導体装置は、下部電極23に上部電極19より高い電圧が印加されると、ベース層12とドリフト層11との間に形成されるPN接合が逆導通状態となって空乏層が形成される。そして、ゲート電極15に、絶縁ゲート構造の閾値電圧Vth未満であるローレベル(例えば、0V)の電圧が印加されているときには、上部電極19と下部電極23との間に電流は流れない。
First, in the semiconductor device, when a voltage higher than that of the
IGBT素子をオン状態にするには、下部電極23に上部電極19より高い電圧が印加された状態で、ゲート電極15に、絶縁ゲート構造の閾値電圧Vth以上であるハイレベルの電圧が印加されるようにする。これにより、第1ベース層12aのうちのゲート電極15が配置されるトレンチ13と接している部分に反転層が形成される。そして、IGBT素子は、エミッタ領域16から反転層を介して電子がドリフト層11に供給されることによってコレクタ層21から正孔がドリフト層11に供給され、伝導度変調によりドリフト層11の抵抗値が低下することでオン状態となる。
To turn on the IGBT element, a high-level voltage equal to or higher than the threshold voltage Vth of the insulated gate structure is applied to the
また、IGBT素子をオフ状態にし、FWD素子をオン状態にする(すなわち、FWD素子をダイオード動作させる)際には、上部電極19と下部電極23に印加する電圧をスイッチングし、上部電極19に下部電極23より高い電圧を印加する順電圧印加を行う。これにより、ベース層12へ正孔が供給されると共にカソード層22へ電子が供給されることでFWD素子がダイオード動作をする。
When the IGBT element is turned off and the FWD element is turned on (that is, the FWD element is operated as a diode), the voltage applied to the
その後、FWD素子をオン状態からオフ状態にする際には、下部電極23に上部電極19より高い電圧を印加する逆電圧印加を行う。つまり、FWD素子に順方向電流が流れている状態から当該電流を遮断する際、下部電極23に上部電極19より高い電圧を印加する逆電圧印加を行う。これにより、FWD素子がリカバリ状態となる。そして、ベース層12中の正孔が上部電極19側に引き寄せられると共にドリフト層11中の電子が下部電極23側に引き寄せられることでリカバリ電流が発生する。
After that, when the FWD element is turned off from the ON state, a reverse voltage is applied to the
この際、FWD領域1bの第2ベース層12bは、第1ベース層12aよりも不純物濃度が低くされている。このため、第2ベース層12bが第1ベース層12aと同じ不純物濃度とされている場合と比較して、FWD素子に順電圧を印加している際にベース層12へ供給される正孔を低減できる。したがって、FWD素子がリカバリ状態になった際のリカバリ電流を低減でき、スイッチング損失を低減することができる。
At this time, the
また、本実施形態では、FWD領域1bでは、上部電極19が第2ベース層12bとショットキー接触している。この場合、本発明者らの検討によれば、図4に示されるように、順方向電圧Vfは、ショットキー障壁が0.9eVより大きくなると急峻に低下することが確認された。
Further, in the present embodiment, the
このため、本実施形態では、上部電極19は、ショットキー障壁が0.9eV以下となる材料を用いて構成され、例えば、ショットキー障壁が0.61eVとなるチタンシリサイドで構成されている。これにより、FWD素子に順電圧を印加している際、ショットキー接触の部分から電子の排出を効率的に行うことができるため、さらに正孔が注入されることを抑制できる。なお、図4は、27℃でのシミュレーション結果を示す図であるが、ショットキー障壁と順方向電圧Vfとの関係は温度が変化しても変化しない。
Therefore, in the present embodiment, the
また、FWD素子に逆電圧が印加された場合には、ベース層12とドリフト層11との間から空乏層(以下では、単に空乏層ともいう)が伸びる。この場合、第2コンタクト領域17bは、FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされているため、空乏層は、第2コンタクト領域17bを避けるようにして上部電極19側へと伸びる。そして、半導体装置は、当該空乏層が上部電極19へ達し得る構成とされているか否かによって耐量が変化する。
Further, when a reverse voltage is applied to the FWD element, a depletion layer (hereinafter simply referred to as a depletion layer) extends from between the
具体的には、図5および図6に示されるように、空乏層が上部電極19へ達し得る構成とされているか否かにより、ブレークダウンが発生した場合の電圧Vkの状態が変化する。なお、図5は、隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yを0.3μmとし、深さxを0.5μmとした場合のシミュレーション結果である。図6は、隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yを0.3μmとし、深さxを0.17μmとした場合のシミュレーション結果である。また、図5および図6では、第2ベース層12bを構成するドーズ量を変化させた場合のシミュレーション結果を示している。さらに、図5および図6では、第2コンタクト領域17bを構成するドーズ量を1.0×1015cm-2としている。
Specifically, as shown in FIGS. 5 and 6, the state of voltage Vk when a breakdown occurs changes depending on whether the depletion layer can reach
すなわち、隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yが同じ長さとされている場合、図5に示されるように、第2コンタクト領域17bが深くまで形成されている半導体装置は、第2コンタクト領域17bによって空乏層が上部電極19へ達し難くなる。このため、FWD素子に逆電圧が印加されてブレークダウンが発生し、電流Ikが増加しても電圧Vkが急峻に低下しない。この場合、半導体装置は、局所箇所に電流が集中し難くなって破壊され難くなり、高耐量となる。
That is, when the half widths y of adjacent
一方、図6に示されるように、第2コンタクト領域17bが浅く形成されている半導体装置は、空乏層が上部電極19へと達し易くなる。このため、FWD素子に逆電圧が印加されてブレークダウンが発生した場合、電流Ikが増加した際に電圧Vkが急峻に低下する。この場合、半導体装置は、局所箇所に電流が集中し易くなって破壊され易くなるため、低耐量となる。
On the other hand, as shown in FIG. 6, the depletion layer tends to reach the
なお、図6に示されるように、第2ベース層12bを構成するドーズ量(すなわち、第2ベース層12bの不純物濃度)を変化させた場合、電圧Vkが急峻に低下し始める電流Ikは変化するが、電圧が急峻に低下するか否かについては変化しない。つまり、第2ベース層12bを構成するドーズ量を変化させても、低耐量な半導体装置であることに変わりはない。
Note that, as shown in FIG. 6, when the dose constituting the
そして、本発明者らは、空乏層が上部電極19に達しない構成とするため、第2コンタクト領域17bの深さx、および隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yについて鋭意検討を行い、図7に示すシミュレーション結果を得た。なお、図7は、4×1012cm-2のドーズ量で第2ベース層12bを形成した場合のシミュレーション結果である。また、図7における低耐量半導体装置とは、上記図6に示されるように、電流Ikが増加した際に急峻に電圧Vkが低下する(すなわち、サステイン特性が悪化した)半導体装置である。図7における高耐量半導体装置とは、上記図5に示されるように、電流Ikが増加しても電圧Vkが急峻に変化しない半導体装置である。そして、図7では、トレンチ13と第2コンタクト領域17bとの間隔を十分に狭くし、トレンチ13と第2コンタクト領域17bとの間の領域から空乏層が上部電極19に達しないようにしている。
In order to prevent the depletion layer from reaching the
図7に示されるように、低耐量となる半導体装置および高耐量となる半導体装置は、第2コンタクト領域17bの深さx、および隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yに依存することが確認される。そして、第2コンタクト領域17bは、y<3x-0.8であれば、高耐量の半導体装置となることが確認される。つまり、半導体装置は、第2コンタクト領域17bがy<3x-0.8を満たす構成とされていれば、FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏層が上部電極19に達しない構成となる。したがって、本実施形態では、第2コンタクト領域17bは、y<3x-0.8も満たすように形成されている。
As shown in FIG. 7, it is confirmed that the semiconductor device having a low withstand voltage and the semiconductor device having a high withstand voltage depend on the depth x of the
この場合、上記と同様に、トレンチ13と第2コンタクト領域17bとの間隔Lについても、L<3x-0.8であれば、トレンチ13と第2コンタクト領域17bとの間において、空乏層が上部電極19に達しなくなる。したがって、本実施形態では、第2コンタクト領域17bは、Ly<3x-0.8を満たすように形成されている。
In this case, similarly to the above, if the distance L between the
以上説明したように、本実施形態では、第2ベース層12bは、第1ベース層12aより不純物濃度が低くされており、第2コンタクト領域17bは、y<3x-0.8を満たすように形成されている。このため、リカバリ電流を低減しつつ、高耐量化を図ることができ、半導体装置が破壊されることを抑制できる。
As described above, in the present embodiment, the impurity concentration of the
また、第2コンタクト領域17bは、L<3x-0.8も満たすように形成されている。このため、さらに高耐量化を図ることができる。
The
さらに、FWD領域1bでは、上部電極19が第2ベース層12bとショットキー接触しており、ショットキー障壁が0.9eV以下とされている。このため、さらにリカバリ電流を低減できる。
Furthermore, in the
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、高濃度領域を追加したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(Second embodiment)
A second embodiment will be described. This embodiment adds a high-concentration region to the first embodiment. Others are the same as those of the first embodiment, so description thereof is omitted here.
本実施形態では、図8および図9に示されるように、FWD領域1bの第2ベース層12bには、各第2コンタクト領域17bの下方に高濃度領域24が形成されている。つまり、FWD領域1bには、トレンチ13の長手方向に沿って高濃度領域24が互いに離れるように形成されている。
In this embodiment, as shown in FIGS. 8 and 9, in the
高濃度領域24は、第2コンタクト領域17bと離れて形成されている。つまり、高濃度領域24は、第2コンタクト領域17bとの間に第2ベース層12bが位置するように形成されている。
The
また、本実施形態では、高濃度領域24は、トレンチ13の長手方向に沿って隣合う高濃度領域24の間隔d1が、トレンチ13の長手方向に沿って隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2より狭くされている。
Further, in the present embodiment, the high-
高濃度領域24の不純物濃度は、図10に示されるように、第2ベース層12bよりも高く、第2コンタクト領域17bよりも低くされ、かつFWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされている。
As shown in FIG. 10, the impurity concentration of the high-
以上説明したように、本実施形態では、第2コンタクト領域17bの下方に、第2コンタクト領域17bと離れた高濃度領域24が形成されている。このため、FWD素子に順電圧が印加されている際、第2コンタクト領域17bと高濃度領域24との間に位置する第2ベース層12bを抵抗として機能させることができ、ホールが注入されることを抑制できる。
As described above, in the present embodiment, the high-
また、高濃度領域24は、第2コンタクト領域17bよりも不純物濃度が低くされている。このため、高濃度領域24が第2コンタクト領域17bと同じ不純物濃度とされている場合と比較して、効率的に正孔が注入されることを抑制できる。
Also, the high-
さらに、高濃度領域24は、FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされている。このため、FWD素子に逆電圧が印加された際、空乏層が上部電極19に達することをさらに抑制できる。
Furthermore, the high-
そして、本実施形態では、隣合う高濃度領域24の間隔d1が、隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2より狭くされている。このため、FWD素子に逆電圧が印加された際、空乏層が上部電極19へさらに達し難くなる。したがって、さらに高耐量化を図ることができる。
In this embodiment, the interval d1 between adjacent high-
なお、例えば、第2コンタクト領域17bを高濃度領域24が形成されている位置まで単純に深くする場合、第2コンタクト領域17bの平面方向への広がりが大きくなり易くなる。この場合、第2コンタクト領域17bの不純物濃度を確保しつつ、隣合う第2コンタクト領域17bの半幅yを詳細に制御することが困難になる。このため、本実施形態のように、第2コンタクト領域17bと高濃度領域24とを分けて形成することにより、正孔の注入を抑制しつつ高耐量となる半導体装置を容易に構成できる。
For example, when the
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、隣合う高濃度領域24の間隔d1を変更したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(Third embodiment)
A third embodiment will be described. In this embodiment, the interval d1 between adjacent high-
本実施形態では、図11に示されるように、高濃度領域24は、隣合う高濃度領域24の間隔d1が隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2より広くなるように形成されている。
In this embodiment, as shown in FIG. 11, the high-
これによれば、高濃度領域24は、隣合う高濃度領域24の間隔d1が隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2より広くなるように形成されている。このため、FWD素子に順電圧が印加されている際、隣合う高濃度領域24の間隔d1が隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2以下とされている場合と比較して、電子が高濃度領域24に入り難くなり、電子が第2ベース層12bから排出され易くなる。したがって、FWD素子に順電圧が印加されている際に注入される正孔を低減でき、リカバリ電流を低減することができる。
According to this, the high-
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(Other embodiments)
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be appropriately modified within the scope of the claims.
例えば、上記各実施形態では、第2コンタクト領域17bは、トレンチ13の長手方向に沿って等間隔に形成されているが、等間隔に形成されていなくてもよい。但し、第2コンタクト領域17bは、それぞれの隣合う第2コンタクト領域17bとの半幅yがy<3x-0.8を満たすように形成されている。
For example, in each of the embodiments described above, the
また、上記各実施形態において、上部電極19と第2ベース層12bとは、ショットキー接触ではなく、オーミック接触させられていてもよい。
Further, in each of the above embodiments, the
さらに、上記第2実施形態において、隣合う高濃度領域24の間隔d1と隣合う第2コンタクト領域17bの間隔d2とが等しくされていてもよい。
Furthermore, in the second embodiment, the interval d1 between adjacent high-
10 半導体基板
11 ドリフト層
12 ベース層
12a 第1ベース層
12b 第2ベース層
13 トレンチ
14 ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
16 エミッタ領域
17b 第2コンタクト領域
21 コレクタ層
22 カソード層
19 上部電極(第1電極)
23 下部電極(第2電極)
REFERENCE SIGNS
23 lower electrode (second electrode)
Claims (6)
第1導電型のドリフト層(11)と、前記ドリフト層の表層部に形成された第2導電型のベース層(12)と、前記IGBT領域において、前記ドリフト層のうちの前記ベース層側と反対側に形成された第2導電型のコレクタ層(21)と、前記FWD領域において、前記ドリフト層のうちの前記ベース層側と反対側に形成された第1導電型のカソード層(22)と、を含む前記半導体基板と、
前記IGBT領域および前記FWD領域において、一方向を長手方向とすると共に、前記ベース層よりも深くまで複数のトレンチ(13)が形成され、前記トレンチ内にゲート絶縁膜(14)を介してゲート電極(15)が配置されたトレンチゲート構造と、
前記IGBT領域における前記ベース層を第1ベース層(12a)とし、前記第1ベース層の表層部であって、前記トレンチと接する状態で形成された第1導電型のエミッタ領域(16)と、
前記FWD領域における前記ベース層を第2ベース層(12b)とし、前記第2ベース層の表層部に形成され、前記第2ベース層より不純物濃度が高くされたコンタクト領域(17b)と、
前記エミッタ領域、前記第1ベース層、前記第2ベース層、前記コンタクト領域と電気的に接続される第1電極(19)と、
前記コレクタ層および前記カソード層と電気的に接続される第2電極(23)と、を備え、
前記第2ベース層は、前記第1ベース層よりも不純物濃度が低くされており、
前記コンタクト領域は、前記FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされ、前記トレンチの長手方向に沿って互いに離れた状態で複数形成されており、
前記トレンチの長手方向に沿って隣合う前記コンタクト領域の間隔における半分の長さをy[μm]、前記コンタクト領域の深さをx[μm]とすると、前記コンタクト領域は、y<3x-0.8を満たしている半導体装置。 A semiconductor device in which an IGBT region (1a) having an IGBT element and an FWD region (1b) having an FWD element are formed on a common semiconductor substrate (10),
a drift layer (11) of a first conductivity type; a base layer (12) of a second conductivity type formed in a surface layer portion of the drift layer; A second conductivity type collector layer (21) formed on the opposite side, and a first conductivity type cathode layer (22) formed on a side of the drift layer opposite to the base layer side in the FWD region. and the semiconductor substrate comprising
In the IGBT region and the FWD region, a plurality of trenches (13) having one direction as a longitudinal direction and being deeper than the base layer are formed. a trench gate structure in which (15) is arranged;
The base layer in the IGBT region is a first base layer (12a), and a first conductivity type emitter region (16) formed in a surface layer portion of the first base layer and in contact with the trench;
The base layer in the FWD region is used as a second base layer (12b), and a contact region (17b) formed in a surface layer portion of the second base layer and having an impurity concentration higher than that of the second base layer;
a first electrode (19) electrically connected to the emitter region, the first base layer, the second base layer and the contact region;
a second electrode (23) electrically connected to the collector layer and the cathode layer;
The second base layer has a lower impurity concentration than the first base layer,
The contact region has an impurity concentration that does not cause depletion when a reverse voltage is applied to the FWD element, and a plurality of contact regions are formed in a state separated from each other along the longitudinal direction of the trench,
Let y [μm] be a half length of the interval between the contact regions adjacent to each other along the longitudinal direction of the trench, and x [μm] be the depth of the contact region. .8 semiconductor devices.
前記高濃度領域は、不純物濃度が、前記第2ベース層よりも高く、前記コンタクト領域よりも低くされ、かつ、前記FWD素子に逆電圧が印加された際に空乏化しない不純物濃度とされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。 The FWD region has a second conductivity type high-concentration region (24) formed apart from the contact regions in a portion of the second base layer located below each of the plurality of contact regions. death,
The high-concentration region has an impurity concentration higher than that of the second base layer and lower than that of the contact region, and has an impurity concentration that does not cause depletion when a reverse voltage is applied to the FWD element. 4. The semiconductor device according to claim 1.
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