図1は、本実施形態に係る基板処理システムの模式平面図である。
図2は、本実施形態に係る基板処理システムの模式側面図である。
図3は、周縁部処理ユニットの模式図である。
図4は、下面処理ユニットの模式図である。
図5は、基板載置部および撮像ユニットを側方から見た模式図である。
図6は、撮像ユニットを上方から見た模式図である。
図7は、撮像ユニットを側方から見た模式図である。
図8は、第1撮像サブユニットおよび第2撮像サブユニットを斜め上方から見た模式図である。
図9は、第1撮像サブユニットおよび第2撮像サブユニットを斜め上方から見た模式図である。
図10は、第1撮像サブユニットを側方から見た模式図である。
図11は、照明モジュールおよびミラー部材を側方から見た模式図である。
図12は、照明モジュールからの光がミラー部材において反射する様子を示す模式図である。
図13は、ウェハからの光がミラー部材において反射する様子を示す模式図である。
図14は、第1撮像サブユニットによって撮像された撮像画像の一例を示す模式図である。
図15は、第2撮像サブユニットを側方から見た模式図である。
図16は、制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図17は、本実施形態に係る基板処理システムにおけるウェハの流れを示す図である。
図18は、撮像ユニットにおいて実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図19は、撮像処理の流れを示すタイミングチャートである。
図20は、第1の変形例に係る基板処理システムにおけるウェハの流れを示す図である。
図21は、第2の変形例に係る基板処理システムにおけるウェハの流れを示す図である。
図22は、第3の変形例に係る基板処理システムにおけるウェハの流れを示す図である。
<基板処理システムの構成>
まず、本実施形態に係る基板処理システムの構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る基板処理システムの模式平面図である。また、図2は、本実施形態に係る基板処理システムの模式側面図である。なお、以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、受渡ステーション3と、処理ステーション4とを備える。これらは、搬入出ステーション2、受渡ステーション3および処理ステーション4の順に並べて配置される。
かかる基板処理システム1は、搬入出ステーション2から搬入された基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を受渡ステーション3経由で処理ステーション4へ搬送し、処理ステーション4において処理する。また、基板処理システム1は、処理後のウェハWを処理ステーション4から受渡ステーション3経由で搬入出ステーション2へ戻し、搬入出ステーション2から外部へ払い出す。
搬入出ステーション2は、カセット載置部11と、搬送部12とを備える。カセット載置部11には、複数枚のウェハWを水平状態で収容する複数のカセットCが載置される。
搬送部12は、カセット載置部11と受渡ステーション3との間に配置され、内部に第1搬送装置13を有する。第1搬送装置13は、1枚のウェハWを保持する複数(ここでは、5つ)のウェハ保持部を備える。第1搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、複数のウェハ保持部を用い、カセットCと受渡ステーション3との間で複数枚のウェハWを同時に搬送することができる。
次に、受渡ステーション3について説明する。図1および図2に示すように、受渡ステーション3の内部には、複数の基板載置部(SBU)14と、複数の撮像ユニット(CAM)15とが配置される。具体的には、後述する処理ステーション4は、上段の第1処理ステーション4Uと下段の第2処理ステーション4Lとを有しており、基板載置部14および撮像ユニット15は、第1処理ステーション4Uに対応する位置および第2処理ステーション4Lに対応する位置にそれぞれ1つずつ配置される。基板載置部14および撮像ユニット15の構成については、後述する。
次に、処理ステーション4について説明する。処理ステーション4は、図2に示すように、第1処理ステーション4Uと、第2処理ステーション4Lとを備える。第1処理ステーション4Uと第2処理ステーション4Lとは、隔壁やシャッター等によって空間的に仕切られており、高さ方向に並べて配置される。
第1処理ステーション4Uおよび第2処理ステーション4Lは、同様の構成を有しており、図1に示すように、搬送部16と、第2搬送装置17と、複数の周縁部処理ユニット(CH1)18と、複数の下面処理ユニット(CH2)19とを備える。
第2搬送装置17は、搬送部16の内部に配置され、基板載置部14、撮像ユニット15、周縁部処理ユニット18および下面処理ユニット19間においてウェハWの搬送を行う。
第2搬送装置17は、1枚のウェハWを保持する1つのウェハ保持部を備える。第2搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持部を用いて1枚のウェハWを搬送する。
複数の周縁部処理ユニット18および下面処理ユニット19は、搬送部16に隣接して配置される。一例として、複数の周縁部処理ユニット18は、搬送部16のY軸正方向側においてX軸方向に沿って並べて配置され、複数の下面処理ユニット19は、搬送部16のY軸負方向側においてX軸方向に沿って並べて配置される。
周縁部処理ユニット18は、ウェハWの周縁部に対して所定の処理を行う。本実施形態において、周縁部処理ユニット18は、ウェハWのベベル部から膜をエッチング除去するベベル除去処理(周縁部処理の一例)を行う。ベベル部とは、ウェハWの端面およびその周辺に形成された傾斜部のことをいう。上記傾斜部は、ウェハWの上面周縁部および下面周縁部にそれぞれ形成される。
周縁部処理ユニット18の構成例について図3を参照して説明する。図3は、周縁部処理ユニット18の模式図である。
図3に示すように、周縁部処理ユニット18は、チャンバ81と、基板保持機構82と、供給部83と、回収カップ84とを備える。
チャンバ81は、基板保持機構82、供給部83および回収カップ84を収容する。チャンバ81の天井部には、チャンバ81内にダウンフローを形成するFFU(Fun Filter Unit)811が設けられる。
基板保持機構82は、ウェハWを水平に保持する保持部821と、鉛直方向に延在して保持部821を支持する支柱部材822と、支柱部材822を鉛直軸周りに回転させる駆動部823とを備える。
保持部821は、真空ポンプなどの吸気装置(図示せず)に接続され、かかる吸気装置の吸気によって発生する負圧を利用してウェハWの下面を吸着することによってウェハWを水平に保持する。保持部821としては、たとえばポーラスチャックや静電チャック等を用いることができる。
保持部821は、ウェハWよりも小径の吸着領域を有する。これにより、後述する供給部83の下側ノズル832から吐出される薬液をウェハWの下面周縁部に供給することができる。
供給部83は、上側ノズル831と下側ノズル832とを備える。上側ノズル831は、基板保持機構82に保持されたウェハWの上方に配置され、下側ノズル832は、同ウェハWの下方に配置される。
上側ノズル831および下側ノズル832には、バルブ71および流量調整器72を介して薬液供給源73が接続される。上側ノズル831は、薬液供給源73から供給されるフッ酸(HF)や硝酸(HNO3)などの薬液を基板保持機構82に保持されたウェハWの上面周縁部に吐出する。また、下側ノズル832は、薬液供給源73から供給される薬液を基板保持機構82に保持されたウェハWの下面周縁部に吐出する。
また、供給部83は、上側ノズル831を移動させる第1移動機構833と、下側ノズル832を移動させる第2移動機構834とを備える。これら第1移動機構833および第2移動機構834を用いて上側ノズル831および下側ノズル832を移動させることにより、ウェハWに対する薬液の供給位置を変更することができる。
回収カップ84は、基板保持機構82を取り囲むように配置される。回収カップ84の底部には、供給部83から供給される薬液をチャンバ81の外部へ排出するための排液口841と、チャンバ81内の雰囲気を排気するための排気口842とが形成される。
周縁部処理ユニット18は、上記のように構成されており、ウェハWの下面を保持部821で吸着保持した後、駆動部823を用いてウェハWを回転させる。そして、周縁部処理ユニット18は、上側ノズル831から回転するウェハWの上面周縁部へ向けて薬液を吐出するとともに、下側ノズル832から回転するウェハWの下面周縁部へ向けて薬液を吐出する。これにより、ウェハWのベベル部に付着した膜が除去される。この際、ウェハWのベベル部に付着したパーティクル等の汚れも膜とともに除去される。
なお、周縁部処理ユニット18は、上記の周縁部除去処理を行った後、上側ノズル831および下側ノズル832から純水等のリンス液を吐出することによって、ウェハWのベベル部に残存する薬液を洗い流すリンス処理を行ってもよい。また、周縁部処理ユニット18は、リンス処理後、ウェハWを回転させることによってウェハWを乾燥させる乾燥処理を行ってもよい。
また、ここでは、周縁部処理ユニット18が、周縁部処理の一例として、ウェハWのベベル部から膜をエッチング除去するベベル除去処理を行うものとするが、周縁部処理は、必ずしも膜を除去する処理であることを要しない。たとえば、周縁部処理ユニット18は、ウェハWのベベル部を洗浄する周縁部洗浄処理を周縁部処理として行ってもよい。
下面処理ユニット19は、ウェハWの下面に対して所定の処理を行う。本実施形態において、下面処理ユニット19は、ウェハWの下面の全面から膜をエッチング除去する下面除去処理(下面処理の一例)を行う。
ここで、下面処理ユニット19の構成例について図4を参照して説明する。図4は、下面処理ユニット19の模式図である。
図4に示すように、下面処理ユニット19は、チャンバ91と、基板保持機構92と、供給部93と、回収カップ94とを備える。
チャンバ91は、基板保持機構92、供給部93および回収カップ94を収容する。チャンバ91の天井部には、チャンバ91内にダウンフローを形成するFFU911が設けられる。
基板保持機構92は、ウェハWを水平に保持する保持部921と、鉛直方向に延在して保持部921を支持する支柱部材922と、支柱部材922を鉛直軸周りに回転させる駆動部923とを備える。保持部921の上面には、ウェハWの周縁部を把持する複数の把持部921aが設けられており、ウェハWはかかる把持部921aによって保持部921の上面からわずかに離間した状態で水平に保持される。
供給部93は、保持部921および支柱部材922の中空部に挿通される。供給部93の内部には鉛直方向に延在する流路が形成されている。流路には、バルブ74および流量調整器75を介して薬液供給源76が接続される。供給部93は、薬液供給源76から供給される薬液をウェハWの下面へ供給する。
回収カップ94は、基板保持機構92を取り囲むように配置される。回収カップ94の底部には、供給部93から供給される薬液をチャンバ91の外部へ排出するための排液口941と、チャンバ91内の雰囲気を排気するための排気口942とが形成される。
下面処理ユニット19は、上記のように構成されており、ウェハWの周縁部を保持部921の複数の把持部921aで保持した後、駆動部923を用いてウェハWを回転させる。そして、下面処理ユニット19は、供給部93から回転するウェハWの下面中心部へ向けて薬液を吐出する。ウェハWの下面中心部に供給された薬液は、ウェハWの回転に伴ってウェハWの下面の全面に広がる。これにより、ウェハWの下面の全面から膜が除去される。この際、ウェハWの下面に付着したパーティクル等の汚れも膜とともに除去される。
なお、下面処理ユニット19は、上記の下面除去処理を行った後、供給部93から純水等のリンス液を吐出することによって、ウェハWの下面に残存する薬液を洗い流すリンス処理を行ってもよい。また、下面処理ユニット19は、リンス処理後、ウェハWを回転させることによってウェハWを乾燥させる乾燥処理を行ってもよい。
また、ここでは、下面処理ユニット19が、下面処理の一例として、ウェハWの下面の全面から膜を除去する下面除去処理を行うものとするが、下面処理は、必ずしも膜を除去する処理であることを要しない。たとえば、下面処理ユニット19は、ウェハWの下面の全面を洗浄する下面洗浄処理を下面処理として行ってもよい。
図1に示すように、基板処理システム1は、制御装置5を備える。制御装置5は、たとえばコンピュータであり、制御部51と記憶部52とを備える。記憶部52には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部51は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部52に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、上記プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置5の記憶部52にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。なお、制御部51は、プログラムを用いずにハードウェアのみで構成されてもよい。
ところで、周縁部除去処理においては、膜の除去幅(ウェハWの外周縁を一端とするウェハWの径方向に沿った幅、以下「カット幅」と記載する)が規定される。しかしながら、たとえば上側ノズル831および下側ノズル832の位置が適切でない場合、規定されたカット幅に対して実際のカット幅がずれるおそれがある。また、基板保持機構82の回転中心に対してウェハWの中心がずれている場合には、ウェハWの周方向においてカット幅にムラが生じるおそれがある。このため、周縁部除去処理後のウェハWをカメラで撮像し、得られた画像に基づき、周縁部除去処理が適切に実施されたか否かを確認する作業が行われる場合がある。
従来、周縁部除去処理後のウェハを撮像するカメラは、各周縁部処理ユニットのチャンバ内に設けられていた。しかしながら、各周縁部処理ユニットのチャンバ内にカメラを設けることとすると、基板処理システムが大型化するおそれがある。また、カメラに薬液等が付着することで、適切な撮像を行うことが困難となるおそれもある。
また、従来、周縁部除去処理を行った後、カメラを搭載した測定治具を周縁部処理ユニットに取り付けて周縁部除去処理後のウェハを撮像することも提案されている。しかしながら、測定治具の取り付けおよび取り外しには手間がかかる。また、周縁部処理ユニット間の個体差に起因する測定精度の低下が生じるおそれもある。
そこで、本実施形態に係る基板処理システム1では、周縁部除去処理後のウェハWのベベル部を撮像する撮像ユニット15を周縁部処理ユニット18の外部に、且つ、複数の周縁部処理ユニット18に共通で1つ設けることとした。具体的には、基板処理システム1においては、第1処理ステーション4Uに配置される複数の周縁部処理ユニット18に対応する1つの撮像ユニット15と、第2処理ステーション4Lに配置される複数の周縁部処理ユニット18に対応する1つの撮像ユニット15とが受渡ステーション3に設けられる(図2参照)。
<撮像ユニットの構成>
以下、本実施形態に係る撮像ユニット15の構成について図5~図13を参照して具体的に説明する。
図5は、基板載置部14および撮像ユニット15を側方から見た模式図である。図5に示すように、撮像ユニット15は、基板載置部14の下方において基板載置部14に隣接して設けられる。
このように、基板載置部14と撮像ユニット15とを高さ方向に重ねて配置することで、基板処理システム1のフットプリントの増大を抑制することができる。また、基板載置部14の下方に撮像ユニット15を配置することで、仮に撮像ユニット15からゴミ等が落下した場合であっても、落下したゴミ等が基板載置部14に載置されたウェハWに付着することを抑制することができる。
なお、撮像ユニット15は、必ずしも基板載置部14の下方に配置されることを要さず、基板載置部14の上方に配置されてもよい。
図6は、撮像ユニット15を上方から見た模式図であり、図7は、撮像ユニット15を側方から見た模式図である。
図6に示すように、撮像ユニット15は、ベースプレート100と、回転保持サブユニット200(回転保持部の一例)と、ノッチ検出サブユニット300(検出部の一例)と、第1撮像サブユニット400と、第2撮像サブユニット500とを備える。
本実施形態に係る基板処理システム1では、第1搬送装置13および第2搬送装置17のうち、第2搬送装置17のみが撮像ユニット15に対してアクセスするように構成される。具体的には、撮像ユニット15は、搬送部16へ向けて開口する開口部110を有し、第2搬送装置17は、かかる開口部110を介して撮像ユニット15に対するウェハWの搬入出を行う。また、後述する第1撮像サブユニット400のカメラ410、照明モジュール420およびミラー部材430ならびに第2撮像サブユニット500のカメラ510および照明モジュール520は、第2搬送装置17によるウェハWの搬入出の妨げとならないよう、保持台201よりも開口部110から遠い位置に配置される。
ベースプレート100は、たとえば板状の部材であり、各サブユニット200~500は、ベースプレート100上に設けられる。
回転保持サブユニット200は、保持台201と、アクチュエータ202とを備える。保持台201は、たとえば、吸着等によりウェハWを水平に保持する吸着チャックである。保持台201は、ウェハWよりも小径の吸着領域を有する。アクチュエータ202は、たとえば電動モータであり、保持台201を回転駆動する。
ノッチ検出サブユニット300は、たとえば横溝310を備えており、横溝310の下面には発光素子320が設けられ、上面には受光素子330が設けられる。
回転保持サブユニット200にウェハWが載置された状態において、発光素子320からの照射光は、ウェハWの周縁部によって遮られ、受光素子330には照射光が受光されない。しかし、回転保持サブユニット200による回転によって、ウェハWの周縁部に形成されたノッチが発光素子320に対向する位置に来ると、照射光はノッチを通過して受光素子330に受光される。これにより、ノッチ検出サブユニット300は、ウェハWに形成されたノッチの位置を検出することができる。
図8および図9は、第1撮像サブユニット400および第2撮像サブユニット500を斜め上方から見た模式図である。また、図10は、第1撮像サブユニット400を側方から見た模式図であり、図11は、照明モジュール420およびミラー部材430を側方から見た模式図である。また、図12は、照明モジュール420からの光がミラー部材430において反射する様子を示す模式図であり、図13は、ウェハWからの光がミラー部材430において反射する様子を示す模式図である。
図6~図10に示すように、第1撮像サブユニット400は、カメラ410(一方面側撮像部の一例)と、照明モジュール420と、ミラー部材430とを備える。
カメラ410は、レンズ411と、撮像素子412とを備える。カメラ410の光軸は、照明モジュール420に向かって水平に延びている。
図8~図11に示すように、照明モジュール420は、保持台201に保持されたウェハWの上方に配置されている。照明モジュール420は、光源421と、光散乱部材422と、保持部材423とを備える。
光源421は、図11に示すように、たとえば、筐体421aと、筐体421a内に配置された複数のLED点光源421bとを備える。複数のLED点光源421bは、ウェハWの径方向に沿って一列に並べて配置される。
光散乱部材422は、図9~図11に示すように、光源421と重なり合うように光源421に接続される。光散乱部材422には、光源421および光散乱部材422が重なり合う方向において延びる貫通口422aが形成される。貫通口422aの内壁面には、鏡面加工が施されている。これにより、光源421からの光が光散乱部材422の貫通口422a内に入射すると、入射光が貫通口422a内の鏡面部分422bで乱反射して、散乱光が生成される。
保持部材423は、光散乱部材422と重なり合うように光散乱部材422に接続される。保持部材423には、貫通口423aと、貫通口423aに交差する交差孔423bとが形成されている。貫通口423aは、光散乱部材422および保持部材423が重なり合う方向に延びている。交差孔423bは、貫通口423aに連通している。
保持部材423は、ハーフミラー424と、円柱レンズ425と、光拡散部材426と、焦点調節レンズ427とを内部に保持している。ハーフミラー424は、図10に示すように、たとえば水平方向に対して45度の角度で傾斜した状態で、貫通口423aおよび交差孔423bの交差部分に配置される。ハーフミラー424は矩形状を呈している。
円柱レンズ425は、光散乱部材422とハーフミラー424との間に配置される。円柱レンズ425は、ハーフミラー424に向けて突出する凸型の円柱レンズである。円柱レンズ425の軸は、複数のLED点光源421bが並ぶ方向に延びている。円柱レンズ425に光散乱部材422からの散乱光が入射すると、円柱レンズ425の円柱面の周方向に沿って散乱光が拡大される。
光拡散部材426は、円柱レンズ425とハーフミラー424との間に配置される。光拡散部材426は、たとえば矩形状を呈するシート部材であり、円柱レンズ425を透過した光を拡散させる。これにより、光拡散部材426において拡散光が生成される。たとえば、光拡散部材426は、入射した光を光拡散部材426の面の全方向に拡散させる等方性拡散機能を有していてもよいし、入射した光を円柱レンズ425の軸方向(円柱レンズ425の円柱面の周方向と直交する方向)に向けて拡散させる異方性拡散機能を有していてもよい。
焦点調節レンズ427は、交差孔423b内に配置される。焦点調節レンズ427は、レンズ411との合成焦点距離を変化させる機能を有する。
図10~図13に示すように、ミラー部材430は、照明モジュール420の下方に配置され、ウェハWの端面Wcからの反射光を反射させる。
ミラー部材430は、本体431と、反射面432とを備える。本体431は、たとえばアルミブロックによって構成される。
反射面432は、保持台201に保持されたウェハWの端面Wcと下面Wbの周縁領域Weとに対向する。反射面432は、保持台201の回転軸に対して傾斜している。
反射面432は、保持台201に保持されたウェハWの端面Wcが離れる側に向けて窪んだ湾曲面である。このため、ウェハWの端面Wcが反射面432に写ると、その鏡像は実像よりも拡大する。反射面432の曲率半径は、たとえば、10mm以上30mm以下である。また、反射面432の開き角(反射面432に外接する2つの平面がなす角)は、たとえば、100度以上150度以下である。
照明モジュール420において、光源421から出射された光は、光散乱部材422で散乱され、円柱レンズ425で拡大され、さらに光拡散部材426で拡散された後、ハーフミラー424を全体的に通過して下方に向けて照射される。ハーフミラー424を通過した拡散光は、ハーフミラー424の下方に位置するミラー部材430の反射面432で反射する。図12に示すように、拡散光が反射面432で反射した反射光は、主としてウェハWの端面Wcと、上面Wa側の周縁領域Wdとに照射される。
ウェハWの上面Waの周縁領域Wdで反射した反射光は、図13に示すように、ミラー部材430の反射面432には向かわず、ハーフミラー424で再び反射し、焦点調節レンズ427は通過せずにカメラ410のレンズ411を通過して、カメラ410の撮像素子412に入射する。
一方、ウェハWの端面Wcから反射した反射光は、ミラー部材430の反射面432とハーフミラー424とで順次反射して、焦点調節レンズ427とカメラ410のレンズ411を順次通過し、カメラ410の撮像素子412に入射する。
このように、カメラ410の撮像素子412には、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdからの反射光と、ウェハWの端面Wcおよびミラー部材430からの反射光との双方が入力される。したがって、第1撮像サブユニット400によれば、ウェハWの上面Waの周縁領域Wd(上面周縁部を含んだ領域)とウェハWの端面Wcとの双方を同時に撮像することができる。
図14は、第1撮像サブユニット400によって撮像された撮像画像の一例を示す模式図である。図14に示すように、第1撮像サブユニット400によって撮像された撮像画像には、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdを上方から見た像と、ウェハWの端面Wcを側方から見た像とが写り込んでいる。
ウェハWの上面Waの周縁領域Wdおよび端面Wcは、ウェハWに形成されたノッチWnの位置を基準に360度以上の範囲で撮像される。したがって、図14に示すように、撮像画像には、同一のノッチWnが2箇所(撮像画像の両端)に写り込むこととなる。
なお、上述したように、ミラー部材430の反射面432で反射された反射光がレンズ411に至るまでの間には、焦点調節レンズ427が設けられている。このため、ウェハWの端面Wcからカメラ410の撮像素子412に到達する光の光路長とウェハWの上面Waの周縁領域Wdからカメラ410の撮像素子412に到達する光の光路長との間に光路差があっても、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdの結像位置およびウェハWの端面Wcの結像位置をともに撮像素子412に合わせることができる。したがって、ウェハWの上面Waの周縁領域WdとウェハWの端面Wcとを共に鮮明に写すことができる。なお、焦点調節レンズ427は、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdからカメラ410の撮像素子412に到達する光の光路上には配置されない。
続いて、第2撮像サブユニット500の構成について図15をさらに参照して説明する。図15は、第2撮像サブユニット500を側方から見た模式図である。図15に示すように、第2撮像サブユニット500は、カメラ510(他方面側撮像部の一例)と、照明モジュール520とを備える。
カメラ510は、レンズ511と、撮像素子512とを備える。カメラ510の光軸は、照明モジュール520に向かって水平に延びている。
照明モジュール520は、照明モジュール420の下方にあって、保持台201に保持されたウェハWの下方に配置されている。照明モジュール520は、ハーフミラー521と、光源522とを備える。ハーフミラー521は、たとえば水平方向に対して45度の角度で傾斜した状態で配置されている。ハーフミラー521は、たとえば矩形状を呈している。
光源522は、ハーフミラー521の下方に位置している光源522から出射された光は、ハーフミラー521を全体的に通過して上方に向けて照射される。ハーフミラー521を通過した光は、カメラ510のレンズ511を通過し、カメラ510の撮像素子512に入射する。すなわち、カメラ510は、ハーフミラー521を介して、光源522の照射領域に存在するウェハWの下面Wbを撮像することができる。
なお、第1撮像サブユニット400のカメラ410は、たとえばウェハWの外周縁からウェハWの径方向に沿って12mm幅の範囲で撮像するのに対し、第2撮像サブユニット500のカメラ510は、ウェハWの外周縁からウェハWの径方向に沿って50mm幅の範囲で撮像する。これにより、カメラ510によって撮像された撮像画像を用いて、周縁部処理ユニット18によって処理される領域だけでなく、下面処理ユニット19によって処理される領域の状態も確認することができる。
<制御装置の構成>
次に、制御装置5の構成について図16を参照して説明する。図16は、制御装置5の構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、制御装置5の制御部51は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御部51は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する複数の処理部を備える。具体的には、制御部51は、レシピ実行部5101と、画像取得部5102と、解析部5103と、フィードバック部5104と、表示制御部5105と、転送部5106とを備える。なお、レシピ実行部5101、画像取得部5102、解析部5103、フィードバック部5104、表示制御部5105および転送部5106は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
制御装置5の記憶部52は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部52は、レシピデータ5201と、画像データ5202と、解析データ5203とを記憶する。
<レシピ実行部>
レシピ実行部5101は、レシピデータ5201に従って第1搬送装置13、第2搬送装置17、複数の周縁部処理ユニット18および複数の下面処理ユニット19を制御することにより、ウェハWに対する一連の基板処理をこれらに実行させる。
ここで、本実施形態に係る基板処理システム1において実行される一連の基板処理の流れについて図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る基板処理システム1におけるウェハWの流れを示す図である。
図17に示すように、本実施形態に係る基板処理システム1では、まず、第1搬送装置13が、カセットCから複数のウェハWを取り出し、取り出した複数のウェハWを基板載置部14に載置する(ステップS01)。つづいて、第2搬送装置17が、基板載置部14からウェハWを1枚取り出し、取り出したウェハWを周縁部処理ユニット18へ搬送する(ステップS02)。
つづいて、周縁部処理ユニット18が、搬入されたウェハWに対して周縁部除去処理を行う。具体的には、周縁部処理ユニット18では、まず、基板保持機構82の保持部821がウェハWを保持し、駆動部823が保持部821を回転させることにより、保持部821に保持されたウェハWを回転させる。つづいて、第1移動機構833および第2移動機構834が、上側ノズル831および下側ノズル832をそれぞれウェハWの上方および下方の所定位置に配置させる。
その後、薬液供給源73から供給される薬液が、それぞれ上側ノズル831および下側ノズル832から回転するウェハWの上面周縁部および下面周縁部に供給される。これにより、ウェハWのベベル部から膜が除去される。その後、周縁部処理ユニット18は、リンス処理および乾燥処理を行い、ウェハWの回転を停止させる。
その後、第2搬送装置17が周縁部処理ユニット18からウェハWを取り出し、取り出したウェハWを撮像ユニット15へ搬送する(ステップS03)。
つづいて、撮像ユニット15が、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdおよび端面Wcならびに下面Wbの周縁領域Weを撮像する。
ここで、撮像ユニット15において実行される一連の処理について図18を参照して説明する。図18は、撮像ユニット15において実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図18に示すように、撮像ユニット15では、まず、ノッチアライメント処理が行われる(ステップS101)。ノッチアライメント処理は、ウェハWのノッチWnの位置を予め決められた位置に合わせる処理である。
具体的には、まず、回転保持サブユニット200が、保持台201を用いてウェハWを吸着保持し、アクチュエータ202を用いて保持台201を回転させることにより、保持台201に吸着保持されたウェハWを回転させる。つづいて、ノッチ検出サブユニット300が、発光素子320からの照射光を受光素子330で受光することにより、ウェハWに形成されたノッチWnを検出する。そして、回転保持サブユニット200が、アクチュエータ202を用いてウェハWを所定角度回転させることにより、検出したノッチWnの位置を予め定められた位置に合わせる。このようにして、ウェハWの回転位置が調整される。
このように、ウェハWを吸着保持して回転させる回転保持サブユニット200およびウェハWに形成されたノッチWnを検出するノッチ検出サブユニット300は、撮像ユニット15の撮影範囲に対するウェハWの回転位置を調整する調整機構の一例である。撮像ユニット15は、回転保持サブユニット200を用いてウェハWを吸着保持して回転させつつ、ノッチ検出サブユニット300を用いてノッチWnを検出し、ノッチWnの検出結果に基づいてウェハWの回転位置を調整する。なお、ウェハWに形成される切欠部は、ノッチWnに限らず、たえとば、オリエンテーション・フラット(いわゆるオリフラ)であってもよい。
また、ここでは、撮像ユニット15が、調整機構の一例として回転保持サブユニット200およびノッチ検出サブユニット300を備える場合の例を示したが、調整機構の構成は、上記の例に限定されない。たとえば、ウェハWの回転位置が既知である場合には、撮像ユニット15は、回転保持サブユニット200と、保持台201の回転位置を検出するエンコーダとを調整機構として備えていてもよい。かかる場合、撮像ユニット15は、回転保持サブユニット200を用いてウェハWを吸着保持した後、保持台201を所定角度回転させることにより、ウェハWの周方向における特定の位置から撮像処理が開始されるように、ウェハWの回転位置を調整することができる。
つづいて、撮像ユニット15では、撮像処理が行われる(ステップS102)。撮像処理は、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdおよび端面Wcならびに下面Wbの周縁領域Weを撮像する処理である。
ここで、撮像処理の流れについて図19を参照して説明する。図19は、撮像処理の流れを示すタイミングチャートである。なお、ここでは、撮像処理開始時におけるウェハWの回転位置を0度と規定する。
図19に示すように、撮像処理が開始されると、まず、照明モジュール420および照明モジュール520の光源421,522が点灯する(図19のt1参照)。つづいて、カメラ410およびカメラ510がオン状態となり、撮像が開始される(図19のt2参照)。
つづいて、回転保持サブユニット200のアクチュエータ202が保持台201を回転させることにより、保持台201に保持されたウェハWの回転を開始させる(図19のt3参照)。このときのウェハWの回転速度は、ノッチアライメント処理時におけるウェハWの回転速度よりも低速である。
つづいて、カメラ510にウェハWのノッチWnが写り込むタイミングでカメラ510によって撮像された画像の画像データの取り込みを開始する(図19のt4参照)。本例では、ウェハWの回転位置が75度となったタイミングで、画像データの取り込みが開始される。取り込んだ画像データは、制御装置5の記憶部52に記憶される。
つづいて、カメラ410にウェハWのノッチWnが写り込むタイミングで、具体的には、ウェハWの回転位置が90度となったタイミングで、カメラ410によって撮像された画像の画像データの取り込みを開始する(図19のt5参照)。取り込んだ画像データは、制御装置5の記憶部52に記憶される。
なお、本実施形態に係る撮像ユニット15では、ミラー部材430の存在によってハーフミラー521の設置場所が制限されるため、ウェハWの同一の回転位置における周縁領域Wd,Weをカメラ410およびカメラ510で同時に撮像することは困難である。そこで、カメラ410とカメラ510とで撮像範囲を揃えるために、画像データの取り込みのタイミングをずらすこととしている(図19のt4,t5参照)。しかし、カメラ410とカメラ510とで同じ回転位置を撮像することが可能な場合には、必ずしもカメラ410とカメラ510とで画像データの取り込みのタイミングをずらすことを要しない。
つづいて、ウェハWが1回転してウェハWの回転位置が再び75度となったタイミングで、カメラ510の画像データの取り込みを修了する(図19のt6参照)。同様に、ウェハWの回転位置が再び90度となったタイミングで、カメラ410の画像データの取り込みを修了する(図19のt7参照)。これにより、ウェハWの全周に亘る周縁領域Wd,Weおよび端面Wcの画像データが得られる。
つづいて、ウェハWの回転位置が0度となったタイミングでウェハWの回転を停止させる(図19のt8参照)。これにより、ウェハWの回転位置を撮像処理開始時における回転位置、つまり、ノッチアライメント処理によってウェハWの回転位置が調整された状態に戻すことができる。その後、カメラ410,510をオフ状態とし(図19のt9参照)、照明モジュール420および照明モジュール520の光源421,522を消灯して(図19のt10参照)、撮像処理を終える。
このように、撮像ユニット15は、ノッチアライメント処理においてウェハWの回転位置を調整した後、回転保持サブユニット200を用いてウェハWを回転させつつ、ウェハWの上面周縁部と端面と下面周縁部とをウェハWの全周に亘って撮像する。これにより、ウェハWの上面周縁部、端面および下面周縁部のウェハW全周に亘る画像データを得ることができる。
撮像ユニット15において撮像処理を終えると、図17に示すように、第2搬送装置17が撮像ユニット15からウェハWを取り出し、取り出したウェハWを下面処理ユニット19へ搬送する(ステップS04)。
つづいて、下面処理ユニット19が、搬入されたウェハWに対して下面除去処理を行う。具体的には、下面処理ユニット19では、まず、基板保持機構92の保持部921がウェハWを保持し、駆動部923が保持部921を回転させることにより、保持部921に保持されたウェハWを回転させる。
その後、薬液供給源76から供給される薬液が、供給部93から回転するウェハWの下面Wbの中央部に供給される。ウェハWの下面Wbの中央部に供給された薬液は、ウェハWの回転に伴って下面Wbの全面に広がる。これにより、ウェハWの下面Wbの全面から膜が除去される。その後、下面処理ユニット19は、リンス処理および乾燥処理を行い、ウェハWの回転を停止させる。
下面処理ユニット19が下面除去処理を終えると、第2搬送装置17が下面処理ユニット19からウェハWを取り出し、取り出したウェハWを撮像ユニット15へ搬送する(ステップS05)。撮像ユニット15では、上述したアライメント処理および撮像処理が再度行われる。撮像処理により得られた画像データは、制御装置5の記憶部52に記憶される。
つづいて、第2搬送装置17が撮像ユニット15からウェハWを取り出し、取り出したウェハWを基板載置部14に載置する(ステップS06)。その後、第1搬送装置13が基板載置部14からウェハWを取り出し、取り出したウェハWをカセットCに収容する(ステップS07)。これにより、一連の基板処理が修了する。
<画像取得部>
図16に戻り、制御部51の説明を続ける。画像取得部5102は、撮像ユニット15から画像データを取得し、ウェハWの識別番号や撮像日時等と関連づけて画像データ5202として記憶部52に記憶させる。
<解析部>
解析部5103は、記憶部52に記憶された画像データ5202に対して画像解析を行う。
たとえば、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ410によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの上面周縁部および端面Wcにおける膜の除去度合いを判定する。この判定は、たとえば、薬液が供給された領域Wd1と供給されていない領域Wd2(図14参照)との色の違い(画素値の差)に基づいて行われる。
同様に、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ510によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの下面Wbの周縁領域Weにおける膜の除去度合いを判定する。
また、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ410によって撮像された画像のデータに基づいてカット幅を算出する。具体的には、解析部5103は、ウェハWの全周における各位置のカット幅をそれぞれ算出する。そして、解析部5103は、算出した複数のカット幅の最大値Hmaxおよび最小値Hmin(図14参照)の平均値をカット幅として算出する。
なお、カット幅の算出方法は上記の例に限定されない。たとえば、解析部5103は、ウェハWの全周における各位置のカット幅を算出し、算出した複数のカット幅の平均値をカット幅として算出してもよい。
また、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ410によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの偏心量を算出する。ウェハWの偏心量とは、ウェハWの中心と基板保持機構82の回転中心とのずれ量のことである。たとえば、ウェハWの中心位置が基板保持機構82の回転中心に対してずれている場合、ウェハWの上面Waの周縁領域Wdには、カット幅のムラが生じることとなる。このカット幅のムラは、図14に示すように、ウェハWの周方向に対して正弦波状にあらわれる。そこで、解析部5103は、かかる正弦波の振幅に基づいてウェハWの偏心量を算出することができる。
また、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ410によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの上面Waの周縁領域Wdおよび端面Wcの欠陥を検出する。ウェハWに欠陥がある場合、欠陥部分は周囲と異なる色を呈する。そこで、解析部5103は、たとえば、隣接する画素との画素値の差が閾値以上である画素の領域を欠陥部分として検出することができる。
同様に、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ510によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの下面Wbの周縁領域Weの欠陥を検出する。
なお、解析部5103は、検出した欠陥部分の形状から欠陥の種類を特定することも可能である。欠陥の種類としては、かき傷や欠け等がある。
また、解析部5103は、画像データ5202のうち、カメラ410によって撮像された画像のデータに基づいてウェハWの反り量を算出する。たとえば、解析部5103は、ウェハWの端面Wcの形状からウェハWの反り量を算出することができる。
解析部5103は、これらの解析結果を解析データ5203として記憶部52に記憶させる。
<フィードバック部>
フィードバック部5104は、記憶部52に記憶された解析データ5203に基づいてレシピデータ5201を変更することにより、周縁部処理において上側ノズル831および下側ノズル832からウェハWの上面周縁部および下面周縁部への薬液の吐出時間を補正する。
たとえば、フィードバック部5104は、ウェハWの上面周縁部および端面Wcにおける膜の除去度合いに基づいてレシピデータ5201を変更することにより、周縁部除去処理時における上側ノズル831および下側ノズル832からの薬液の吐出時間を長くする。これにより、以降に処理されるウェハWに対する薬液の吐出時間を最適化することができる。
また、フィードバック部5104は、ウェハWの下面Wbにおける膜の除去度合いに基づいてレシピデータ5201を変更することにより、下面除去処理時における供給部93からの薬液の吐出時間を長くする。これにより、以降に処理されるウェハWに対する薬液の吐出時間を最適化することができる。
また、フィードバック部5104は、解析データ5203のうちカット幅の情報に基づいてレシピデータ5201を変更することで、周縁部除去処理時における上側ノズル831および下側ノズル832の位置を調整する。たとえば、解析データ5203に含まれるカット幅(最大値Hmaxと最小値Hminの平均値)が既定のカット幅よりも大きい場合には、上側ノズル831および下側ノズル832から吐出される薬液がウェハWのより外周側に供給されるように上側ノズル831および下側ノズル832の位置を補正する。言い換えれば、第1移動機構833および第2移動機構834による上側ノズル831および下側ノズル832の移動量を変更することによって周縁部処理における上側ノズル831および下側ノズル832の処理位置を補正する。これにより、以降に処理されるウェハWに対する薬液の吐出位置を最適化することができる。
また、フィードバック部5104は、解析データ5203のうちカット幅の情報に基づいてレシピデータ5201を変更することで、周縁部処理ユニット18の基板保持機構82に対するウェハWの水平位置を補正する。
たとえば、フィードバック部5104は、0度の回転位置におけるカット幅と180度の回転位置におけるカット幅との差が小さくなるように、且つ、90度の回転位置におけるカット幅と270度の回転位置におけるカット幅との差が小さくなるように、基板保持機構82に対して吸着保持させるウェハWの位置を補正する。これにより、第2搬送装置17による基板保持機構82にウェハWを載置する動作が補正され、以降に処理されるウェハWの偏心が抑制される。
なお、ここでは、第2搬送装置17の動作を補正することにより、ウェハWの偏心を抑制することとしたが、補正する対象は第2搬送装置17の動作に限定されない。たとえば、周縁部処理ユニット18が、ウェハWの水平位置を調整する調整機構を備える場合、かかる調整機構の動作を補正することにより、基板保持機構82に対して吸着保持させるウェハWの位置を補正することが可能である。
<表示制御部>
表示制御部5105は、たとえば使用者による操作部6への操作に応じて、記憶部52から画像データ5202を取り出して表示部7に表示させる。これにより、使用者は、ウェハWの上面Waおよび下面Wbの周縁領域Wd,Weならびに端面Wcの状態を確認することができる。また、表示制御部5105は、たとえば使用者による操作部6への操作に応じて、記憶部52から解析データ5203を取り出して表示部7に表示させる。これにより、使用者は、解析部5103による解析結果を確認することができる。
なお、操作部6は、たとえばキーボードやタッチパネルであり、表示部7は、たとえば液晶ディスプレイである。操作部6および表示部7は、基板処理システム1に取り付けられていてもよいし、基板処理システム1から離れた場所に設置されていてもよい。
<転送部>
転送部5106は、記憶部52に記憶された画像データ5202および解析データ5203をたとえばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して外部装置8へ送信する。なお、転送部5106は、画像データ5202または解析データ5203が記憶部52に記憶される毎に、新たに記憶された画像データ5202または解析データ5203を外部装置8へ送信してもよい。また、転送部5106は、たとえば使用者による操作部6への操作によって選択された画像データ5202または解析データ5203を外部装置8へ送信してもよい。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理システム1(基板処理装置の一例)は、搬入出ステーション2と、受渡ステーション3と、処理ステーション4と、撮像ユニット15とを備える。搬入出ステーション2は、カセットCからウェハW(基板の一例)を取り出して搬送する第1搬送装置13を有する。受渡ステーション3は、搬入出ステーション2に隣接して配置され、第1搬送装置13によって搬送されたウェハWが載置される基板載置部14を有する。処理ステーション4は、受渡ステーション3に隣接して配置され、基板載置部14からウェハWを取り出して搬送する第2搬送装置17と、第2搬送装置17によって搬送されたウェハWを処理する複数の周縁部処理ユニット18および下面処理ユニット19(処理ユニットの一例)とを有する。撮像ユニット15は、受渡ステーション3に配置され、ウェハWの上面Waおよび下面Wbのうち一方の面の周縁部ならびにウェハWの端面Wcを撮像する。
また、本実施形態に係る基板処理システム1(基板処理装置の一例)は、カセット載置部11と、周縁部処理ユニット18(処理ユニットの一例)と、搬送部12、受渡ステーション3および搬送部16(搬送領域の一例)と、撮像ユニットとを備える。カセット載置部11は、複数のウェハW(基板の一例)を収容するカセットCが載置される。周縁部処理ユニット18は、カセットCから取り出されたウェハWの周縁部を洗浄またはエッチングする。搬送部12、受渡ステーション3および搬送部16は、カセット載置部11と周縁部処理ユニット18との間に設けられ、ウェハWが搬送される。撮像ユニット15は、受渡ステーション3に設けられ、周縁部処理ユニット18によって処理されたウェハWの上面Waおよび下面Wbのうち一方の面の周縁部ならびにウェハWの端面Wcを撮像する。
したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、装置の大型化を抑えつつ、ウェハWの周縁部の状態を確認することができる。
<変形例>
上述した実施形態では、周縁部処理ユニット18による周縁部除去処理後と、下面処理ユニット19による下面除去処理後に、それぞれ撮像ユニット15による撮像処理を行うこととしたが、撮像処理を行うタイミングは、上記の例に限定されない。
以下では、撮像処理を行うタイミングの変形例について図20~図22を参照して説明する。図20は、第1の変形例に係る基板処理システム1におけるウェハWの流れを示す図であり、図21は、第2の変形例に係る基板処理システム1におけるウェハWの流れを示す図であり、図22は、第3の変形例に係る基板処理システム1におけるウェハWの流れを示す図である。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
たとえば、図20に示すように、基板処理システム1は、周縁部除去処理後の撮像処理を行わず、下面処理ユニット19による下面除去処理を終えた後で、撮像処理を行うこととしてもよい。これにより、周縁部除去処理および下面除去処理後のウェハWの状態を一度の撮像処理で確認することが可能である。
また、図21に示すように、基板処理システム1は、下面処理ユニット19による下面除去処理の後だけでなく、周縁部処理ユニット18による周縁部除去処理の前に撮像ユニット15による撮像処理を行ってもよい。
この場合、解析部5103は、周縁部除去処理の前後の画像データ5202の差分に基づき、ウェハWの欠陥をより精度良く検出することができる。たとえば、解析部5103は、下面除去処理後の画像データ5202に基づいて欠陥を検出した場合に、検出された欠陥部分と、周縁部除去処理前の画像データ5202における上記欠陥が検出された部分と同一の部分とを比較する。そして、両者に変化がない場合、解析部5103は、当該部分を欠陥がある部分として検出する。
また、図22に示すように、基板処理システム1は、周縁部処理ユニット18による周縁部除去処理および下面処理ユニット19による下面除去処理を行うことなく撮像処理だけを行ってもよい。すなわち、基板処理システム1では、他の装置において周縁部や下面が処理されたウェハWを撮像ユニット15に搬入し、かかるウェハWについて撮像処理を行った後、カセットCへ戻すこととしてもよい。
上述した実施形態では、第1撮像サブユニット400を用いてウェハWの上面Waの周縁領域Wdおよび端面Wcを撮像し、第2撮像サブユニット500を用いてウェハWの下面Wbの周縁領域Weを撮像することとした。しかし、これに限らず、第1撮像サブユニット400および第2撮像サブユニット500の配置を上下反転させることにより、第1撮像サブユニット400を用いてウェハWの下面Wbの周縁領域Weおよび端面Wcを撮像し、第2撮像サブユニット500を用いてウェハWの上面Waの周縁領域Wdを撮像してもよい。
また、上述した実施形態では、受渡ステーション3に撮像ユニット15を配置することとしたが、受渡ステーション3以外の搬送領域、たとえば、搬送部12や搬送部16に撮像ユニット15を配置してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。