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JP7249913B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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JP7249913B2 JP2019155738A JP2019155738A JP7249913B2 JP 7249913 B2 JP7249913 B2 JP 7249913B2 JP 2019155738 A JP2019155738 A JP 2019155738A JP 2019155738 A JP2019155738 A JP 2019155738A JP 7249913 B2 JP7249913 B2 JP 7249913B2
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Description

本発明はシリコン単結晶の製造方法に関し、特に、酸素濃度の低減、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性の向上、更には結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性の向上を図ることができるシリコン単結晶の製造方法に関する。
従来のCZ法によるシリコン基板の酸素濃度は、ゲッタリング効果を狙って、比較的高濃度(≧1.0×1018 atoms/cm)のものが主流であったが、近年CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等では白キズ低減のため低酸素基板(<1.0×1018 atoms/cm)が求められている。
シリコン基板はシリコン単結晶から製造されるが、このシリコン単結晶の製造方法としては、石英ガラスルツボ内のシリコン融液から単結晶を成長させつつ、シリコン単結晶を引上げるチョクラルスキー法(CZ法)が広く用いられている。
このシリコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶の酸素濃度を調整する方法としては、特許文献1,2,3に示すように対流を制御する磁場印加法、特許文献4に示すように不活性ガスの流量や炉内圧の制御、また石英ガラスルツボの回転制御や特許文献5に示すようにシリコン単結晶の回転を制御する方法が知られている。
特公昭58-50953号公報 特開2000-264784号公報 特開平4-31386号公報 特開平9-142990号公報 特開2005-145724号公報
ところで、前記シリコン単結晶の酸素濃度を調整する方法を用いても、シリコン単結晶の直胴部の後半部分(引上げ後半部分)において、酸素濃度が高くなり、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることができないという課題があった。
具体的に説明すると、シリコン単結晶の酸素濃度は、シリコン融液が石英ガラスルツボの石英成分と反応し、石英ガラスルツボの側壁を溶解し、酸素がシリコン融液に取り込まれる。そのため、シリコン融液に取り込まれた酸素が拡散あるいは放出される前に、このシリコン融液がシリコン単結晶に取り込まれると、シリコン単結晶の酸素濃度が上昇する。
したがって、シリコン単結晶に取り込まれる前に、シリコン融液に取り込まれた酸素が拡散、あるいは放出されるように、シリコン融液内の流れ(対流)を制御する必要がある。
このシリコン融液内の流れの制御は、石英ガラスルツボ内のシリコン融液量が多い状態では、前記したシリコン単結晶の酸素濃度を調整する方法を用いて、シリコン融液内の流れ(対流)を制御できる。
しかしながら、石英ガラスルツボ内のシリコン融液量が少ない状態(シリコン単結晶の直胴部の後半部分(引上げ後半部分))では、シリコン融液内の流れを制御できず、シリコン単結晶の直胴部の後半部分(引上げ後半部分)において酸素濃度が高くなり、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることができないという課題があった。
この課題を解決するために、特許文献3では、引上げるにつれて(石英ガラス内に収容されているシリコン融液量が減少するにつれて)、磁場強度を3000ガウスから、2000ガウス、1000ガウス、500ガウスと低下させることが提案されている。
しかしながら、磁場強度を3000ガウス、2000ガウス、1000ガウス、500ガウスと低下させ、磁場を低磁場にすると、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきが大きくなり、基板面内の酸素濃度の均一性が阻害されるという技術的課題があった。
本発明者らは、かかる課題を解決するために、酸素濃度を低減と、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性と、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることを鋭意、研究した。
この研究に際し、本発明者らは、シリコン融液表面の流れについて着目し、シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁側に流れるシリコン融液の流速が特定の流速以下である場合に、酸素濃度の低減を図ることができ、しかも結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることができることを知見し、本発明を完成した。
本発明は、酸素濃度の低減と結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ると共に、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされたシリコン単結晶の製造方法は、石英ガラスルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げるに際して、水平方向の磁場を印加しながらシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、シリコン融液表面に、前記シリコン単結晶側から石英ルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下であることを特徴としている。
本発明では、シリコン単結晶の引上げ中は、前記シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速を0.16m/s以下とすることにより、シリコン単結晶の酸素濃度を低減することができ、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができる。
シリコン融液表面のシリコン融液の流れとして、例えば、シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁側に流れ、その後、石英ガラスルツボ側壁に接して(沿って)下方に流れ、石英ガラスルツボ底面から上昇する流れがある。
このシリコン融液が石英ガラスルツボ側壁に接して流れる際、融点におけるシリコンは化学的に活性であるため、シリコン融液は石英ガラスの石英成分と反応し、石英ガラスルツボの側壁を溶解し、O(酸素)を取り込む。
そして、このシリコン融液から酸素が放出、拡散される前に、シリコン単結晶に取り込まれると、シリコン単結晶の酸素濃度が増大する。
即ち、シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁側の流れが速くなると、石英ガラスルツボ底面から上昇する流れも速くなり、シリコン融液から酸素が放出、拡散される前に、シリコン単結晶に取り込まれる度合いが大きくなる。
特に、シリコン単結晶側から石英ガラスルツボの側壁側に流れる、シリコン融液の流速が0.16m/sを超える場合には、石英ガラスルツボ底面から上昇するシリコン融液の流れも速くなり、シリコン融液から酸素が放出、拡散される前に、シリコン単結晶に取り込まれる虞があり、好ましくない。
ここで、前記水平方向の磁場の中心が融液表面から下方60mmの範囲内のシリコン融液中に位置し、シリコン単結晶の引上げ中は、磁場強度が少なくとも2000ガウスであることが望ましい。
前記磁場強度が2000ガウス未満の場合には、シリコン融液の流れの制御が困難となる。特に、磁場を低磁場にすると、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきが大きくなり、基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができず、好ましくない。
尚、磁場強度が4000ガウスを超える場合には、シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以上となり、酸素濃度が高い融液が結晶へ到達してしまうため、好ましくない。したがって、磁場強度は2000ガウス~4000ガウスが好ましい。
また、磁場中心の位置は、融液表面から下方に60mmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは融液表面から下方に20mmの範囲内である。
また、前記水平方向の磁場の中心が、シリコン単結晶中心部の下方に位置し、固化率0.4以下のシリコン単結晶の直胴部の引上げ中は、磁場強度は少なくとも3000ガウスであり、固化率0.4を越えて固化率0.6まで、前記磁場強度を徐々に下げ、固化率0.6以降、磁場強度を2000ガウスとすることが望ましい。
固化率0.4以下のシリコン単結晶の直胴部の引上げ中は、磁場強度は少なくとも3000ガウスであるため、シリコン融液内の流れを制御でき、酸素濃度の低減、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることができ、また結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきを抑制でき、基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができる。
固化率0.4を越えて固化率0.6まで前記磁場強度を徐々に下げ、特に、固化率0.6以降、磁場強度を2000ガウスとする。
そのため、酸素濃度の低減、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ることができるほか、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきを抑制でき、基板面内の酸素濃度の均一性をより図ることができる。
また、シリコン単結晶の半径[mm]÷ルツボ半径[mm]×シリコン単結晶回転数[rpm]×磁場強度[Gauss]÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)[mm]から算出した値が、190以下であることが望ましい。
このシリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)から算出した値が190以下の場合は、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下とすることができる。
その結果、上記したように、シリコン単結晶の酸素濃度を低減することができ、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができる。
また、上記目的を達成するためになされたシリコン単結晶の製造方法は、石英ガラスルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げるに際して、水平方向の磁場を印加しながらシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶を引上げ工程中、シリコン単結晶の半径[mm]÷ルツボ半径[mm]×シリコン単結晶回転数[rpm]×磁場強度[Gauss]÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)[mm]から算出した値が、190以下となるように、シリコン単結晶の半径、ルツボ半径、シリコン単結晶回転数、磁場強度、シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離が調整され、シリコン単結晶が引上げられることを特徴としている。
シリコン単結晶の半径[mm]÷ルツボ半径[mm]×シリコン単結晶回転数[rpm]×磁場強度[Gauss]÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)[mm]から算出した値が、190以下とすることにより、シリコン単結晶の引上げ中は、前記シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速を0.16m/s以下とすることができ、シリコン単結晶の酸素濃度を低減することができ、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができる。
また、シリコン融液の流速を測定するまでもなく、シリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)から算出した値によって、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下となるかを判断することができる。
本発明によれば、酸素濃度の低減と、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性を図ると共に、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができるシリコン単結晶の製造方法を得ることができる。
図1は、シリコン融液の流れを示した概略図である。 図2は、図1の状態から石英ガラスルツボ内のシリコン融液が減少した状態でのシリコン融液の流れを示す概略図である。 図3は、シリコン融液の他の流れを示した概略図である。 磁場強度を1000ガウスにした場合のシリコン融液の流れを示した概略図であって、(a)平面図、(b)は断面図である。 磁場強度を2000ガウスにした場合のシリコン融液の流れを示した概略図であって、(a)平面図、(b)は断面図である。 磁場強度を3000ガウスにした場合のシリコン融液の流れを示した概略図であって、(a)平面図、(b)は断面図である。 シリコン単結晶引上げ装置の概略構成図である。 実験1~4における磁場強度の変化を示す図である。 シリコン融液の表面の流れの方向、及び流速を示す図であって、(a)は実験1の固化率0.25(磁場強度3000ガウス)時点を示す図、(b)は実験1の固化率0.6(磁場強度3000ガウス)時点を示す図、(c)は実験2の固化率0.6(磁場強度2000ガウス)時点を示す図である。 実験1~4における固化率と酸素濃度との関係を示す図である。 実験1~4における固化率と、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度のばらつきの関係を示す図である。 実験2における、磁場強度と、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきとの関係を示す図であって、(a)は測定ポイントを示す図、(b)は各測定ポイントにおける基板面内の酸素濃度のばらつきを示す図である。 実験5,6における磁場強度の変化を示す図である。 実験5,6における固化率と、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の抵抗率のばらつきの関係を示す図である。 実験1,16~20における磁場の中心の位置と酸素濃度の関係を示す図である。
本発明にかかるシリコン単結晶の製造方法では、石英ガラスルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げるに際して、水平方向の磁場を印加しながらシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、シリコン融液表面に、前記シリコン単結晶側から石英ルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下としている。
特に、シリコン単結晶の引上げ中における、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速を、0.16m/s以下とした点に特徴がある。
石英ガラスルツボ内のシリコン融液は、磁場強度、磁場中心位置、不活性ガスの流量や炉内圧、石英ガラスルツボの回転、シリコン単結晶の回転等の影響を受け、石英ガラスルツボ内のシリコン融液の流れ(対流)に変化が生じる。
図1は石英ガラスルツボ内のシリコン融液Mの流れの一例を示す図であって、この図に基づいて、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液Mの流速を、0.16m/s以下とする理由について説明する。
尚、図1は、後に述べる実験1における固化率0.25引上げた状況下のシリコン融液の流れのシミュレーションの結果を示し、水平方向に3000ガウス印加し、水平方向の磁場の中心が、シリコン単結晶中心部における自由表面の下方20mmのシリコン融液中に位置した状態のシリコン融液の流れを示している。また、図中、Bは、磁束の方向が紙面奥側から紙面手前側に向いていることを示している。
石英ガラスルツボ1内のシリコン融液Mは、種々の流れが存在する。
例えば、図1に矢印X1で示すように、シリコン融液には、石英ガラスルツボの側壁1aに接しながら(沿って)上方から下方に流れる流れがある。
そして、このシリコン融液が石英ガラスルルツボ側壁1aに接して(沿って)流れる際、融点におけるシリコンは化学的に活性であるため、シリコン融液Mは石英ガラスルツボ1の石英成分と反応し、石英ガラスルツボ1の側壁1aを溶解し、O(酸素)を取り込む。
この酸素を含有するシリコン融液Mは、矢印X2で示すように、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面(ルツボの中心部底面)から上昇する。
その後、矢印X3で示すように、ルツボの径方向外側に流れた(蛇行した)後、矢印X4で示すように、シリコン単結晶Cの下方に戻り、矢印X5で示すように、シリコン単結晶側からルツボ側壁側に流れる。
このように、石英ガラスルツボ1の側壁1aを溶解し、O(酸素)を取り込んだシリコン融液M、即ち、酸素を多く含有するシリコン融液Mは、シリコン単結晶C下方のルツボ1底面から上昇する際、径方向外側に大きく蛇行した後、自由表面に到達する。
その結果、シリコン融液Mに取り込まれたOは拡散し、シリコン融液Mの酸素濃度の低減が図られ、シリコン単結晶Cの酸素の取り込みが抑制され、シリコン単結晶Cの酸素濃度の低減が図られる。
次に、図1の状態からシリコン単結晶Cの引上げが進行し、石英ガラスルツボ2内のシリコン融液Mが減少した状態の石英ガラスルツボ1内のシリコン融液Mの流れを、図2に示す。尚、図2は、後に述べる実験1における固化率0.6の引上げ状況下のシリコン融液の流れのシミュレーションの結果を示している。
図2に示すように、シリコン単結晶Cの引上げが進行し、石英ガラスルツボ1内のシリコン融液が減少すると、図1に示すような径方向外側に大きく蛇行した流れの発生は抑制され、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面(ルツボ中心部底面)から上昇する流れX2が強くなる(流速が速くなる)。
このように、シリコン融液が蛇行することなく、シリコン単結晶Cの下端に向けて、ルツボ底面から上昇すると、酸素を取り込んだシリコン融液から酸素が拡散あるいは放出される前に、シリコン単結晶Cに取り込まれる。
即ち、シリコン単結晶下方のルツボ底面から上昇するシリコン融液には、Oが多く含まれており、これがシリコン単結晶に取り込まれると、酸素濃度の低減を図ることができず、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性が阻害される。
ここで、シリコン単結晶下方のルツボ底面から上昇する流れX2の流速が小さい場合には、シリコン単結晶C側からルツボ側壁1aに流れるシリコン融液の流れX5の流速も小さくなる。
言い換えれば、シリコン単結晶側からルツボ側壁1aに流れるシリコン融液の流れX5の流速が小さい場合には、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面1bから上昇する流れX2の流速も小さい。
そして、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面1bから上昇する流れX2が小さい場合には、図1に示すように、ルツボ側壁1aからルツボ底面を経由してシリコン単結晶Cに到達するまでの時間がかかる、もしくはルツボ底面から上昇し、その後、ルツボ径方向外方に蛇行して、液面直下を経由し、シリコン結晶に取り込まれるため、シリコン融液からOが拡散し、酸素濃度の低減と、結晶成長軸方向の酸素濃度の均一性、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性を図ることができる。
特に、前記シリコン単結晶C側からルツボ側壁1bに流れるシリコン融液の流れX5の流速が0.16m/s以下である場合には、酸素濃度をより低減でき、結晶成長軸方向の酸素濃度のばらつきを抑制することができる。
また、図3に示すように、石英ガラスルツボ1内のシリコン融液の流れとして、例えば、石英ガラスルツボの側壁1aに接して(沿って)、下方から上方に流れる流れY1もある。
この場合にも、シリコン融液は石英ガラスルツボの石英成分と反応し、石英ガラスルツボの側壁1bを溶解し、O(酸素)を取り込む。
このシリコン融液は、石英ガラスルツボ1の側壁に沿って流れ、自由表面に到達する。その後、石英ガラスルツボ1の側壁からシリコン単結晶側に流れる流れY2が形成される。
このシリコン融液の流れY2は、シリコン融液に取り込まれたOの拡散、蒸散の程度が高く、低酸素濃度のシリコン融液がシリコン単結晶側に流れ、シリコン単結晶の外周部のみが低濃度となり、面内分布の悪化につながるため、好ましくない。
また、この図3に示す場合にも、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面1bから上昇する流れX2が形成される。
即ち、石英ガラスルツボの側壁からシリコン単結晶側に流れるシリコン融液は、低酸素濃度となっており、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面から上昇するシリコン融液には、Oが拡散、放散されず、高酸素濃度となっている。
その結果、シリコン単結晶の中心部の酸素濃度が高濃度に、一方、シリコン単結晶の外周部が低濃度になるため、面内分布が悪化し、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度の均一性が阻害される。
したがって、シリコン融液Mの表面の流れにおける、前記ルツボ側壁からシリコン単結晶側への流れY2は、シリコン単結晶まで到達しないことが望ましい。
また、石英ガラスルツボ内のシリコン融液の流れは、磁場強度の影響を受ける。特に、シリコン単結晶の引上げが進行し、石英ガラスルツボ内のシリコン融液が減少すると、磁場強度の影響を強く受け、前記シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが変化する。
即ち、不活性ガスの流量や炉内圧、石英ガラスルツボの回転数、シリコン単結晶の回転数を同一であっても、磁場強度の大小によって、石英ガラスルツボ内のシリコン融液の流れが変化する。
例えば、図4に水平方向に1000ガウス印加した場合のシリコン融液の流れを示す。
この図4は、後に述べる実験1における固化率0.6の引上げ状況下のシリコン融液の流れのシミュミレーションの結果を示し、水平方向に1000ガウス印加し、水平方向の磁場の中心が、シリコン単結晶中心部における自由表面の下方20mmのシリコン融液中に位置した状態のシリコン融液の流れを示している。
また、図中、Bの記号○点は、磁束の方向が紙面奥側から紙面手前側に向いていることを示している。またBの矢印記号は、磁束の方向を示している。尚、図4(b)は、図3と同じ図である。
この図4(a),図4(b)に示すように、1000ガウスの場合には、ルツボ側壁からシリコン単結晶側に流れる、シリコン融液の流れY2が発生するため、好ましくない。
また、シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面から上昇する流れX2が強くなるため、酸素が取り込まれたシリコン融液がシリコン単結晶下端に流れ、シリコン単結晶に多くの酸素が取り込まれるため、好ましくない。
また、図4に示す状態において、磁場強度を1000ガウスから2000ガウスに変化させた場合を、図5(a),図5(b)に示す。
図5に示すように、酸素を含有するシリコン融液は、径方向外側に大きく蛇行し(流れX3)、上昇する。その結果、シリコン融液の酸素は拡散し、酸素濃度の低減を図ることができる。
また同様に、図4に示す状態において、磁場強度を1000ガウスから3000ガウスに変化させた場合を、図6(a),図6(b)に示す。
図6に示すように、酸素を含有するシリコン融液は、径方向外側に大きく蛇行し(流れX3)、上昇する。その結果、シリコン融液の酸素は拡散し、酸素濃度の低減を図ることができる。
したがって、シリコン単結晶の引上げ中は、磁場強度が少なくとも2000ガウスであり、シリコン融液表面の流れとして、前記シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在するように制御するのが好ましい。
また、シリコン融液表面の流れとして、前記ルツボ側壁からシリコン単結晶側に向かう流れが存在する場合には、ルツボ側壁からシリコン単結晶側に向かう流れは、シリコン単結晶に到達しないように制御するのが好ましい。
特に、石英ガラスルツボ内に、十分なシリコン融液が存在する、固化率0.4以下のシリコン単結晶の直胴部の引上げ中は、磁場強度は少なくとも3000ガウスであることが好ましい。
石英ガラスルツボ内に、十分なシリコン融液が存在するために、図1に示すような径方向外側に大きく蛇行した流れが発生する。その結果、シリコン融液中の酸素は拡散、放散されるため、シリコン単結晶の酸素濃度の低減を図ることができる。
また、固化率0.4を越えて固化率0.6まで、前記磁場強度を徐々に下げ、固化率0.6以降、磁場強度を2000ガウスとすることが望ましい。
石英ガラスルツボ内に、シリコン融液の減少に伴い、前記磁場強度を徐々に下げ、固化率0.6以降、磁場強度を2000ガウスとした場合、図5(a)(b)に示すように、酸素を含有するシリコン融液は、径方向外側に大きく蛇行し、シリコン単結晶下方のルツボ底面から上昇する。その結果、シリコン融液の酸素は拡散し、酸素濃度の低減を図ることができ、図1と図5(b)が同じような環境となるため、結晶軸方向の酸素濃度が均一となる。
また、このシリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下という条件は、磁場強度、不活性ガスの流量や炉内圧制御、石英ガラスルツボの回転制御、シリコン単結晶の回転制御等の影響を受ける。
シリコン融液の流速は、トレーサーなどを用いて測定することができるが、測定を行う際には引き上げ中の結晶は製品として使用できなくなり、また作業に手間がかかるものである。そのため、シリコン融液の流速はシミュレーションで推定するが、横磁場の様に3次元の対流解析が必要な条件では、計算時間が膨大となってしまう。
そこで、本発明者らは、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下とするための条件を簡易に見出すための関係式を検討した。
具体的には、シリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)から算出した値が、190以下である場合には、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下となすことができることが、3次元のシミュレーションにより明らかになった。
ここで、シリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)とした理由は、以下による。
シリコン結晶からルツボ壁側への流れの駆動力は、シリコン単結晶およびルツボ半径、シリコン単結晶回転数と磁場強度によるものである。
ここで、ルツボ半径が大きい場合には、シリコン結晶からルツボ壁側への流れの駆動力は小さくする方向に働くため、ルツボ半径は除する(割る)こととした。
また、通常であれば、駆動力のみを考慮するべきではあるが、シリコン融液表面から遮蔽板下端までの距離により、融液酸素濃度のコントロールのし易さが変化するため、この距離も考慮する必要がある。例えば、この距離が狭すぎると、炉内雰囲気(Arガス流量や炉内圧)の影響が大きいため、磁場強度による制御が難しくなるが、距離が広い場合は融液対流の影響が強いためこの駆動力の制御が有効となる。
尚、ルツボの回転数は流速に与える影響は小さいと考えられるため、上記関係式に含めていない。しかし、ルツボの回転数を低速にするほど低酸素の結晶を得ることができるため、ルツボ回転数は1.0rpm以下とするのが好ましい。
(実験1~4)
図7に示すような一般的な引上げ装置を用い、表1及び図8に示す条件で、シリコン単結晶の引上げを行い、引上げ中におけるシリコン単結晶側からルツボ側壁側へのシリコン融液の流速、シリコン単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度と酸素濃度のばらつき、結晶成長軸と垂直な基板面内の酸素濃度のばらつきを測定した。
まず、図7に示した引上げ装置について説明すると、この装置10は、円筒形状のチャンバ(チャンバ)11と、チャンバ11内に設けられたルツボ12と、ルツボ12に装填された原料シリコンを溶融するカーボンヒータ13とを有している。このルツボ12は、内側が石英ガラスルツボ12a、外側が黒鉛ルツボ12bで構成されている。また、チャンバ11内において、カーボンヒータ13の外周囲には保温筒14が設けられている。この保温筒14は円筒状に形成され、その上端部に内方に延設された保温板15が設けられている。また、育成中(引上げ中)のシリコン単結晶Cに、カーボンヒータ13等からの余計な輻射熱を与えないようにするための輻射シールド(遮蔽板)16が設けられている。
前記輻射シールド(遮蔽板)16は、ルツボ12の上方且つ近傍には、シリコン単結晶Cの周囲を包囲するように上部と下部に開口16a,16bが形成され、上部から下部に行くにしたがって、開口の面積が徐々に小さくなるようにテーパ面16cが形成されている。この輻射シールド16が設けられることにより、上方からルツボ12内に供給されたパージ用不活性ガス(Arガス)Gは、輻射シールド16とシリコン融液Mの表面との隙間を通って、ルツボ12外に流れ、最終的にチャンバ11外(チャンバ外)に排出される。
尚、輻射シールド16の下端とシリコン融液Mの表面との隙間をギャップ(Gap)という。
また、チャンバ11の外側には、水平方向に磁場を印加するための磁場発生装置17が設けられている。この磁場発生装置17による磁場は、水平方向の磁場の中心がシリコン単結晶中心部における自由表面の下方のシリコン融液中に位置するように配置されている。
また、磁場発生装置17は、シリコン単結晶の引上げ中、磁場強度が少なくとも2000ガウス発生するように制御される。
尚、図示しないが、チャンバ11の上方には、シリコン単結晶Cを引上げる引上げ機構が設けられている。この引上げ機構は、モータ駆動される巻取り機構と、この巻取り機構に巻き上げられる引上げワイヤ18とにより構成される。そして、ワイヤ18の先端に種結晶Pが取り付けられ、シリコン単結晶Cを育成しながら引上げるようになされている。
また、シリコン単結晶の製造装置10は、図示しないが、ルツボ12を回転させるモータと、ルツボ12の高さを制御する昇降装置と、前記モータ、前記昇降装置を制御する制御装置を備え、ルツボ12を回転させると共に、ルツボ12の高さを上昇させながら、シリコン単結晶Cを育成するように構成されている。
また、図示しないが、チャンバ11の上部にはガス供給口11aが設けられ、パージ用不活性ガス(Arガス)がチャンバ11内に供給されるように構成されている。また、チャンバ11の底面には、複数の排気口11bが設けられ、この排気口には排気手段としての排気ポンプ(図示せず)が接続されている。
したがって、ガス供給口からチャンバ11内に供給されたパージ用不活性ガス(Arガス)Gは、排気ポンプによって、輻射シールド16とシリコン融液Mの表面との隙間を通って、ルツボ外に流れ、最終的にチャンバ11外(チャンバ外)に排出される。
ここで、表1におけるGapは、輻射シールド16とシリコン融液Mの表面との隙間寸法、SRは結晶回転数、CRはルツボ回転数、チャンバ11内に供給されるパージ用不活性ガス(Arガス)の流量、炉内圧はチャンバ11内の圧力である。
また磁場強度は、図8に示す条件で変化させ、磁場位置は、シリコン融液Mの表面下、20mmとした。
即ち、実験1では、磁場強度を3000ガウスとして、シリコン単結晶の引上げを行った。
実験2では、磁場強度を3000ガウスとして、固化率0.4までシリコン単結晶の引上げを行い、固化率0.7まで磁場強度を徐々に下げ、その後磁場強度を1500ガウスとしてシリコン単結晶の引上げを行った。
実験3では、磁場強度を3000ガウスとして、固化率0.4までシリコン単結晶の引上げを行い、固化率0.6まで磁場強度を徐々に下げ、その後磁場強度を2000ガウスとしてシリコン単結晶の引上げを行った。
実験4では、磁場強度を3000ガウスとして、固化率0.2まで磁場強度を徐々に下げ、その後磁場強度を2000ガウスとしてシリコン単結晶の引上げを行った。
Figure 0007249913000001
図9に、上記実験1~4における、引上げ中におけるシリコン融液の流れの方向と、流速を示す。
図9(a)は、実験1における固化率0.25引上げ時(3000ガウス:図8参照)における、シリコン融液の流れの方向と、流速を示している。
図9(b)は、実験1における固化率0.6引上げ時(3000ガウス:図8参照)における、シリコン融液の流れの方向と、流速を示している。
図9(c)は、実験3における固化率0.6引上げ時(2000ガウス:図8参照)における、シリコン融液の流れの方向と、流速を示している。
図9(a)に示すように、固化率0.25引上げ時(3000ガウス)の流速の最大値は0.20~0.24m/sの範囲内である。
また、図9(b)に示すように、固化率0.6引上げ時(3000ガウス)の流速の最大値は0.20~0.24m/sの範囲内である。
これに対して、図9(c)に示すように、固化率0.6引上げ時(2000ガウス)流速の最大値は0.12~0.16m/sの範囲内である。
したがって、シリコン単結晶の引上げが進行し、石英ガラスルツボ内のシリコン融液が減少した際、磁場強度を低下させることにより、シリコン単結晶側から石英ルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速の最大値は0.16m/s以下とすることができる。
また、引上げられたシリコン単結晶の酸素濃度を測定した。測定はフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用いて測定した。その結果を図10に示す。
実験1において、固化率0.6以降の酸素濃度が上昇しているのに対して、実験2,3,4における、固化率0.6以降の酸素濃度の上昇は見られない、もしくは、酸素濃度が上昇しても1.0×1018 atoms/cm未満である。
即ち、固化率0.6以降、3000ガウスの磁場を作用させた結果、図9(b)からわかるように、シリコン融液表面の流速は速い。
そのため、図1に示すような径方向外側に大きく蛇行した流れは発生せず、シリコン単結晶下方のルツボ底面から上昇し、シリコン単結晶に取り込まれる。その結果、固化率0.6以降、酸素濃度が上昇したものと思われる。
また、引上げられたシリコン単結晶の結晶長さ方向の酸素濃度のばらつきΔOiを測定した。測定はフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用い、半径方向に5mmピッチの条件下で測定した。その結果を図11に示す。
酸素濃度のばらつきΔOiは、
ΔOi=(測定点の最大値 - 最小値)/最小値 ×100 [%]の式から求めた。
実験2において、固化率0.7以降の酸素濃度がばらついているのに対して、実験1,3,4における、酸素濃度の面内のおおきなばらつきは、見られない。
これは、固化率0.7以降、2000ガウス以下の磁場(1500ガウス)を作用させた結果、シリコン融液対流が不安定になり、酸素濃度のばらつきが大きくなったものと思われる。
更に、実験2における図12(a)の測定磁場強度における基板面内の酸素濃度のバラツキを図12(b)に示す。
即ち、実験2における固化率0.52(試料No.1)、0.59(試料No.2),0.67(試料No.3)、0.75(試料No.4)から切り出した基板の面内酸素濃度のばらつきを測定した。測定はフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用い、半径方向に5mmピッチの条件下で測定した。その結果を図12(b)に示す。
この図からわかるように、磁場強度を2000ガウスとすることが、面内の酸素濃度のバラツキが少ないことが分かる。
(実験5,6)
実験5,6は、図13に示すように磁場強度を変化させて、シリコン単結晶の引上げを行った。引き上げ条件は、以下の通りである。
実験5は、磁場強度を3000ガウスとし、固化率0.4から磁場強度を徐々に下げ、固化率0.6から磁場強度を2000ガウスとした。その他の条件は、実験1と同じにした。
実験6は、磁場強度を2000ガウスとし、固化率0.2まで磁場強度を徐々に上げ、その後、固化率0.4から磁場強度を徐々に下げ、固化率0.6から磁場強度を2000ガウスとした。その他の条件は、実験1と同じにした。
そして、引上げられたシリコン単結晶から切り出した基板の面内の抵抗率のばらつきを測定した。測定は、四探針法を用い、前記シリコン基板の径方向に5mmピッチで測定した。その結果を図14に示す。
この図14から明らかなように、磁場強度を2000ガウスとすると、面内の抵抗率のバラツキが小さいことが分かる。
(実験7から実験15)
シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下となる条件を簡易に見出すための関係式を確認した。尚、表2の流速は、シミュレーションから得られた値となる。
即ち、表2で示す条件を用いて、シリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷遮蔽板の下端までの距離から算出した値が190以下である場合には、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下にできることを確認した。
尚、磁場強度が1000ガウス、1500ガウスの場合も流速が0.16m/s以下となすことができる場合があるが、酸素濃度の良好な面内均一性を得ることができないため、好ましくない。
Figure 0007249913000002
このように、このシリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)から算出した値が190以下の場合は、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下となる。
したがって、シリコン融液の流速を測定するまでもなく、シリコン単結晶の半径÷ルツボ半径×シリコン単結晶回転数×磁場強度÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)から算出した値によって、シリコン単結晶側からルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れの流速が0.16m/s以下となるかを判断することができる。
(実験1、実験16から実験20)
表3に示すように、実験1(磁場の中心の位置を融液表面から下方20mm)において、シリコン単結晶を引上げ、固化率0.25における酸素濃度を測定した。測定はフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用いて測定した。その結果を図15に示す。
実験1に対して、表3に示すように、磁場の中心の位置を変えた以外、実験1と同一条件で、シリコン単結晶を引上げ、固化率0.25における酸素濃度を測定した(実験16~実験20)。その結果を図15に示す。
Figure 0007249913000003
図15から明らかなように磁場の中心が融液表面から下方60mmの範囲内のシリコン融液中に位置している場合(実験17,18)、酸素濃度が1.0×1018 atoms/cm未満と低いことが判明した。
1 石英ガラスルツボ
1a 石英ガラスルツボ側壁
C シリコン単結晶
M シリコン融液
X1 石英ガラスルツボの側壁に接しながら上方から下方に流れる、シリコン融液の流れ
X2 シリコン単結晶Cの下方のルツボ底面から上昇する、シリコン融液の流れ
X3 ルツボの径方向外側に流れる、シリコン融液の流れ
X4 ルツボの径方向内側に流れ、シリコン単結晶の下方に戻る、シリコン融液の流れ
X5 シリコン融液の表面における、シリコン単結晶側からルツボ側壁側に流れる、シリコン融液の流れ

Claims (5)

  1. 石英ガラスルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げるに際して、水平方向の磁場を印加しながらシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、
    シリコン融液表面に、前記シリコン単結晶側から石英ルツボ側壁に流れるシリコン融液の流れが存在し、前記シリコン単結晶側から石英ガラスルツボ側壁に流れるシリコン融液の流速が0.16m/s以下であることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記水平方向の磁場の中心が融液表面から下方60mmの範囲内のシリコン融液中に位置し、シリコン単結晶の引上げ中は、磁場強度が少なくとも2000ガウスであることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記水平方向の磁場の中心が、シリコン単結晶中心部の下方に位置し、
    固化率0.4以下のシリコン単結晶の直胴部の引上げ中は、磁場強度は少なくとも3000ガウスであり、
    固化率0.4を越えて固化率0.6まで、前記磁場強度を徐々に下げ、
    固化率0.6以降、磁場強度を2000ガウスとすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. シリコン単結晶の半径[mm]÷ルツボ半径[mm]×シリコン単結晶回転数[rpm]×磁場強度[Gauss]÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)[mm]から算出した値が、190以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 石英ガラスルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げるに際して、水平方向の磁場を印加しながらシリコン単結晶を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、
    シリコン単結晶を引上げ工程中、
    シリコン単結晶の半径[mm]÷ルツボ半径[mm]×シリコン単結晶回転数[rpm]×磁場強度[Gauss]÷(シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離)[mm]から算出した値が、190以下となるように、
    シリコン単結晶の半径、ルツボ半径、シリコン単結晶回転数、磁場強度、シリコン融液の表面から遮蔽板の下端までの距離が調整され、
    シリコン単結晶が引上げられることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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