以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、1つの副画素15が有する主要構成を模式的に示す斜視図である。図2は、赤、赤寄りの緑、緑、青寄りの緑及び青のスペクトルの一例を示す図である。副画素15は、カラーフィルタ20、反射電極40等を有する。カラーフィルタ20は、光の透過性を有する部材である。カラーフィルタ20は、外光ILのうち透過させる光OLのスペクトルのピークが予め定められている。具体的には、カラーフィルタ20が透過させる光OLのスペクトルのピークは、赤色寄りの緑色(例えば、第1レッドグリーンRG1)のスペクトル、青色寄りの緑色(例えば、第1ブルーグリーンBG1)のスペクトル、赤色(例えば、赤色R1)のスペクトル、青色(例えば、青色B1)のスペクトルのいずれかである。反射電極40は、カラーフィルタ20を透過する光OLを反射する電極である。図2で例示するように、第1レッドグリーンRG1のスペクトルのピーク及び第1ブルーグリーンBG1のスペクトルのピークは、緑色Gとして視認される光のスペクトルのピークと重複する部分を有する。また、第1レッドグリーンRG1のスペクトルは、第1ブルーグリーンBG1のスペクトル及び緑Gのスペクトルに比して赤色R1のスペクトル側(短波長側)に寄っている。また、第1ブルーグリーンBG1のスペクトルは、第1レッドグリーンRG1のスペクトル及び緑Gのスペクトルに比して青色B1のスペクトル側(長波長側)に寄っている。
カラーフィルタ20と反射電極40との間には、液晶層30が設けられている。液晶層30は、反射電極40等から与えられる電圧に応じて配向が決定される液晶を含み、配向に応じてカラーフィルタ20と反射電極40との間を通過する光OLの透過の度合いを変化させる。カラーフィルタ20を挟んで液晶層30の反対側には、例えば表示装置から出射する光OLの散乱方向等を調節するための調光層90が設けられていてもよい。
図3は、1つの画素10が有する副画素15の形状、大きさ及び位置関係並びに副画素15の各々が有するカラーフィルタ20の一例を示す図である。
画素10は、第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14を有する。第1副画素11は、第1のカラーフィルタ20RG1を有する。第2副画素12は、第2のカラーフィルタ20BG1を有する。第3副画素13は、第3のカラーフィルタ20R1を有する。第4副画素14は、第4のカラーフィルタ20B1を有する。第1のカラーフィルタ20RG1が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色寄りの緑色(第1レッドグリーンRG1)のスペクトルである。第2のカラーフィルタ20BG1が透過させる光のスペクトルのピークは、青色寄りの緑色(第1ブルーグリーンBG1)のスペクトルである。第3のカラーフィルタ20R1が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色(赤色R1)のスペクトルである。第4のカラーフィルタ20B1が透過させる光のスペクトルのピークは、青色(青色B1)のスペクトルである。また、画素は、平面視正方形状を呈しており、かかる正方形状に区画された領域の中に上記4色の副画素を有している。これら副画素は平面視正方形状又は長方形状を呈しており(以下、併せて矩形と称する)、これら4つの矩形が組み合わされて上記画素の正方形が形成される。なお、副画素間や画素の外縁を形成する領域にはブラックマトリクス等の遮光層が設けられる場合があるが、これら遮光層は画素の面積の中でもわずかな領域しか占めない。このため、上記副画素の形状や組合せ、画素の形状について言及する際には、かかる遮光層は単なる画素、副画素の外縁(辺)を形成する線状体として実質的に無視して構わない。
実施形態の説明では、透過させる光OLのスペクトルのピークの差異を区別しない場合、カラーフィルタ20と記載する。透過させる光OLのスペクトルのピークの差異を区別する場合、例えば第1のカラーフィルタ20RG1、第2のカラーフィルタ20BG1、第3のカラーフィルタ20R1、第4のカラーフィルタ20B1のように区別して記載する。カラーフィルタ20を透過した光OLは、カラーフィルタ20が透過させる光のスペクトルのピークに対応した色の光として視認される。また、副画素15という記載は、それぞれが有するカラーフィルタ20の色で第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14等を区別しない記載である。図3では図示を省略しているが、第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14はそれぞれ、図1に示すように反射電極40を有している。
第3副画素13及び第4副画素14は、第1副画素11及び第2副画素12よりも大きい。また、第1副画素11と第2副画素12を足し合わせた大きさは、第3副画素13の大きさ以上である。また、第4副画素14は、第3副画素13よりも大きい。また、第1副画素11と第2副画素12の大きさは同じである。例えば、第1副画素11と第2副画素12と第3副画素13と第4副画素14の面積比をA:B:C:Dで表すと、0.65≦A=B<1.0,1.0≦C<D,D=4-(A+B+C),D≦1.7である。図3では、A:B:C:D=0.744:0.744:1.130:1.382である場合を例示している。この場合、第1副画素11と第2副画素12を足し合わせた大きさは、第3副画素13及び第4副画素14の大きさ以上である。また、本実施形態では、第1副画素と第4副画素が辺の一部を共有している。他方、第2副画素と第3副画素との間には共有する辺は存在しない。より具体的には、第1副画素と第2副画素との共有辺は画素を左右に二分する中間線と一致する。これに対し、第3副画素と第4副画素との共有辺は該中間線よりも第1副画素側にずれて設けられている。この結果、第1副画素と第4副画素とは辺の一部を共有するものとなる。
図4は、1つの画素10による再現色と、画像信号として入力されたRGBの階調値と、出力に際して用いられる副画素15との関係を示す図である。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(n,n,n)である場合、再現色は白色となり、第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(n,0,0)である場合、再現色は赤色となり、第3副画素13が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,n,0)である場合、再現色は緑色となり、第1副画素11及び第2副画素12が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,0,n)である場合、再現色は青色となり、第4副画素14が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(m,m,0)である場合、再現色は黄色となり、第1副画素11、第2副画素12及び第3副画素13が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,m,m)である場合、再現色はシアンとなり、第1副画素11、第2副画素12及び第4副画素14が出力に用いられる。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(m,0,m)である場合、再現色はマゼンタとなり、第3副画素13及び第4副画素14が出力に用いられる。このように、実施形態の表示装置は、第1副画素11と、第2副画素12と、第3副画素13との組み合わせで黄色を再現する。また、実施形態の表示装置は、第1副画素11と、第2副画素12との組み合わせで緑色を再現する。また、実施形態の表示装置は、第1副画素11と、第2副画素12と、第4副画素14との組み合わせでシアンを再現する。また、実施形態の表示装置は、第3副画素13と、第4副画素14との組み合わせでマゼンタを再現する。また、実施形態の表示装置は、第3副画素13で赤色を再現する。また、実施形態の表示装置は、第4副画素14で青色を再現する。
図5は、実施形態の表示装置によって再現される黄色と、カラーフィルタ20が透過させる光OLのスペクトルのピークとの対応関係を示す模式的な色度図(xy色度図)を色度座標(xy色度座標)中に示している図である。表示装置に求められる所定の輝度及び彩度の黄色Yに対して、従来の表示装置が有する従来の赤色(R)、従来の緑色(G)、従来の青色(B)の3色の副画素で再現可能な色を示す色空間が、図5におけるR,G,Bの3つの頂点を有する実線の三角形で表されるとする。このような従来の表示装置では、黄色Yを再現することができない。すなわち、従来の表示装置で再現可能な黄色の輝度及び彩度は、白色点(W)に対して従来の赤色(R)と従来の緑色(G)を結ぶ直線上の輝度及び彩度を超えることができず、黄色Yを再現するためには輝度及び彩度の少なくとも一方が不足する。仮に、従来の表示装置が、従来の赤色(R)、従来の緑色(G)、従来の青色(B)に白色(W)を加えた4色の副画素を有していたとしても、白色(W)の副画素で黄色Yの彩度を高めることは困難である。
仮に、従来のように3色の副画素で黄色Yを再現しようとすると、従来の赤色(R)と従来の緑色(G)を、黄色Yが再現可能な赤色(例えば、R1)と緑色(例えば、G1)にシフトさせなければならない。しかしながら、単に黄色Yに合わせて従来の赤色(R)と従来の緑色(G)を黄色Yが再現可能な赤色(例えば、R1)と緑色(例えば、G1)にシフトさせると、白色点(W)が黄色Y寄りにシフトしてしまう。すなわち、従来の表示装置では、黄色Yに合わせて赤色(例えば、R1)と緑色(例えば、G1)を設定すると、全ての副画素を点灯した場合の再現色が全体的に黄色を帯びることになり、色再現性が変化してしまう。図5では、模式的に、黄色Y寄りにシフトする前の白色点(W)を黒点で示している。また、黄色Y寄りにシフトした後の白色点を、符号W1が付された破線の丸で示している。また、黄色Yに合わせて赤色(例えば、R1)と緑色(例えば、G1)を設定するということは、これらの色をより濃くするということであり、カラーフィルタ20の光の透過効率が低くなり、輝度が下がる。すなわち、暗い黄色になってしまう。
また、従来の表示装置が有する画素に黄色の副画素を追加することで黄色Yに対応した輝度及び彩度を確保しようとしたとしても、やはり、全ての副画素を点灯した場合の再現色が全体的に黄色を帯びることになり、色再現性が変化してしまう。
これに対し、実施形態の表示装置では、第1副画素11が第1のカラーフィルタ20RG1を有し、第2副画素12が第2のカラーフィルタ20BG1を有する。第1のカラーフィルタ20RG1が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色寄りの緑色(第1レッドグリーンRG1)のスペクトルであり、第2のカラーフィルタ20BG1が透過させる光のスペクトルのピークは、青色寄りの緑色(第1ブルーグリーンBG1)のスペクトルである。また、第3のカラーフィルタ20B1が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色(赤色B1)のスペクトルであり、第4のカラーフィルタ20B1が透過させる光のスペクトルのピークは、青色(青色B1)のスペクトルである。より具体的には、第1のカラーフィルタを透過する光のスペクトルのピークを色度座標上で示す(図5中のRG1)と、該ピークのx座標は白色点のx座標と第3のカラーフィルタ20Rである赤色(図5中のR1)のx座標との間に位置する。同様に、第2のカラーフィルタを透過する光のスペクトルのピークを色度座標上で示す(図5中のBG1)と、該ピークのx座標は白色点のx座標と第4のカラーフィルタ20Bである青色(図5中のB1)のx座標との間に位置する。このため、実施形態では、第2副画素12と第4副画素14で青色成分を確保することで、白色点(W)が黄色Y寄りにシフトすることを抑制することができる。また、第1副画素11と、第2副画素12と、第3副画素13との組み合わせで黄色を再現する。すなわち、第1レッドグリーンRG1と第1ブルーグリーンBG1と赤色R1との合成色が黄色Yとなるように、第1のカラーフィルタ20RG1、第2のカラーフィルタ20BG1及び第3のカラーフィルタ20R1がそれぞれ透過させる光のスペクトルのピークが設定されている。これによって、1つの画素10が有する4つの副画素15のうち、3つの副画素15を用いて黄色Yを再現することができる。従って、従来の赤色(R)、従来の緑色(G)、従来の青色(B)の3色の副画素のうち2色(RG)を用いる場合に比して、黄色Yの再現のために用いる副画素15の領域をより大きくしやすくなる。すなわち、実施形態によれば、1つの画素10が有する表示領域のうち第1副画素11と第2副画素12と第3副画素13を合わせたより広いカラーフィルタ20及び反射電極40を黄色Yの再現に割り当てやすくなるため、黄色Yの輝度及び彩度をより確実に得られる。また、シアンの輝度及び彩度もより高まる。また、白色(W)の副画素を有する構成に比して赤色(R1)に対応する第3のカラーフィルタ20R1を有する第3副画素13をより大きくしやすくなり、原色の再現性をより高めやすくなる。
また、透過させる光のスペクトルのピークが赤色寄りの緑色(例えば、第1レッドグリーンRG1)である第1のカラーフィルタ20RG1による光の透過効率は、非常に高くしやすい。このため、第1のカラーフィルタ20RG1を有する第1副画素11を黄色Yの再現に用いることで、黄色Yの輝度及び彩度をより確実に得られる。
なお、実施形態のように反射電極40を有する表示装置では、反射電極40による光OLの反射率及びコントラストは一定である。一方、表示装置が出力する画像の色の見栄えは、外光ILの光源色、照度に依存する。このため、例えば明るい環境下で得られる外光ILであれば非常に見栄えが良くなりやすい。一方、暗い環境で得られる外光ILでは視認性を確保することが比較的困難になる。また、カラーフィルタ20は、透過させる光OLのスペクトルのピークに関わらず完全に外光ILを透過させるものでなく、少なくとも外光ILの一部分を吸収する。また、カラーフィルタ20により再現色を濃くしようとすると、外光ILのうち吸収される割合を高めてしまうことになる。従って、反射電極40による光OLの反射で画像を出力する表示装置では、カラーフィルタ20が透過させる光OLのスペクトルのピークの設定と、それぞれピークが異なるカラーフィルタ20の面積比率によって彩度と輝度のバランスを取る必要がある。言い換えれば、反射電極40による光OLの反射で画像を出力する表示装置では、光源を任意に選択、調整できる他の形態の表示装置では可能な、光源の調整による色及び輝度の調整が極めて困難である。このような前提を有する反射電極40による光OLの反射で画像を出力する表示装置であっても、実施形態を適用することにより、黄色Yの輝度及び彩度をより確実に得られる。
実施形態では、求められる白色点W及び黄色Yの輝度及び彩度に応じて、第1のカラーフィルタ20RG1、第2のカラーフィルタ20BG1、第3のカラーフィルタ20R1、第4のカラーフィルタ20B1の面積比と、第1レッドグリーンRG1、第1ブルーグリーンBG1、赤色R1、青色B1のスペクトルとが決定されている。なお、図5では、実施形態の青色B1と従来の青色(B)が同一であるが、異なっていてもよい。また、図5では、実施形態の赤色R1と従来の赤色(R)が同一であるが、異なっていてもよい。また、図5では、第1レッドグリーンRG1と第1ブルーグリーンBG1との組み合わせで従来の緑色(G)が再現されるようになっているが、第1レッドグリーンRG1と第1ブルーグリーンBG1との組み合わせで再現される緑色は従来の緑色(G)と異なってもよい。
図6は、実施形態と比較例の色再現性をL*a*b*色空間で表した場合の一例である。なお、図6におけるSNAPは、Specifications for Newsprint Advertising Productionで規定されている黄色、緑色、シアン、青色、マゼンタ、赤色を示す。また、比較例としての表示装置は、従来の赤色(R)、従来の緑色(G)、従来の青色(B)に白色(W)を加えた4色の副画素を有する所謂RGBWの反射型表示装置である。図1から図5を参照して説明した実施形態による表示装置は、比較例で再現可能な黄色OYに比して、より明るく鮮やかな黄色Yを再現することができる。特に、広告の表示等で求められる明るく鮮やかな黄色として、実施形態の表示装置は、黄色Yを再現することで需要に応じることが可能となる。
図7は、1つの画素10Aが有する副画素15の形状、大きさ及び位置関係並びに副画素15の各々が有するカラーフィルタ20の一例を示す図である。図8は、1つの画素10Bが有する副画素15の形状、大きさ及び位置関係並びに副画素15の各々が有するカラーフィルタ20の一例を示す図である。実施形態の表示装置は、図3に示すような画素10に代えて、図7に示すような画素10A又は図8に示すような画素10Bを有していてもよい。
図7に示す画素10Aは、第1副画素11A、第2副画素12A、第3副画素13A及び第4副画素14Aを有する。第1副画素11Aは、第1のカラーフィルタ20RG2を有する。第2副画素12Aは、第2のカラーフィルタ20BG2を有する。第1のカラーフィルタ20RG2が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色寄りの緑色(第2レッドグリーンRG2)のスペクトルである。第2のカラーフィルタ20BG2が透過させる光のスペクトルのピークは、青色寄りの緑色(第2ブルーグリーンBG2)のスペクトルである。第3副画素13Aは、図3に示す第3副画素13と同様、第3のカラーフィルタ20R1を有する。第4副画素14Aは、図3に示す第4副画素14と同様、第4のカラーフィルタ20B1を有する。第3副画素13A及び第4副画素14Aは、第1副画素11A及び第2副画素12Aよりも大きい。また、第1副画素11Aと第2副画素12Aを足し合わせた大きさは、第3副画素13A及び第4副画素14Aの大きさ以上である。また、第4副画素14Aは、第3副画素13Aよりも大きい。また、第2副画素12Aは、第1副画素11Aよりも大きい。例えば、第1副画素11Aと第2副画素12Aと第3副画素13Aと第4副画素14Aの面積比をE:F:G:Hで表すと、0.65≦E<F<1.0,1.0≦G<H,H<1.7である。なお、図7に示す例では、さらにE:F=G:Hの関係が成立しているが、E:FとG:Hは異なる比率であってもよい。E:F=G:Hの関係が成立している構成では、カラーフィルタ20が異なる副画素15同士の境界に対応する位置に信号線61、走査線62(図12参照)を設けることが容易になる。図7では、小数点第4位を丸めた凡その比率がE:F:G:H=0.669:0.819:1.130:1.382となる場合を例示している。この場合、第1副画素11と第2副画素12を足し合わせた大きさは、第3副画素13及び第4副画素14の大きさ以上である。図7に示す画素10Aによる色再現は、図4を参照した説明における第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14をそれぞれ、第1副画素11A、第2副画素12A、第3副画素13A、第4副画素14Aと読み替えることで説明することができる。なお、かかる画素においては、互いに斜めの位置にある副画素同士がいずれも辺を共有していない。より具体的には、画素を左右に分ける縦線1本と上下に分ける横線1本とで4つの領域に区画されている。縦線は、当該画素を左右2分する中心線よりも第1副画素側(画素左辺側)に寄せて設けられており、横線は、当該画素を上下2分する中心線よりも第1副画素側(上辺側)に寄せて設けられている。これにより、上記面積の大小関係E<F≦G<Hが実現される。
図8に示す画素10Bは、第1副画素11B、第2副画素12B、第3副画素13B及び第4副画素14Bを有する。第1副画素11Bは、第1のカラーフィルタ20RG3を有する。第2副画素12Bは、第2のカラーフィルタ20BG3を有する。第1のカラーフィルタ20RG3が透過させる光のスペクトルのピークは、赤色寄りの緑色(第3レッドグリーンRG3)のスペクトルである。第2のカラーフィルタ20BG3が透過させる光のスペクトルのピークは、青色寄りの緑色(第3ブルーグリーンBG3)のスペクトルである。第3副画素13Bは、図3に示す第3副画素13と同様、第3のカラーフィルタ20R1を有する。第4副画素14Bは、図3に示す第4副画素14と同様、第4のカラーフィルタ20B1を有する。第3副画素13B及び第4副画素14Bは、第1副画素11B及び第2副画素12Bよりも大きい。また、第1副画素11Bと第2副画素12Bを足し合わせた大きさは、第3副画素13B及び第4副画素14Bの大きさ以上である。また、第3副画素13Bと第4副画素14Bの大きさは同じである。また、第1副画素11Bと第2副画素12Bの大きさは同じである。例えば、第1副画素11Bと第2副画素12Bと第3副画素13Bと第4副画素14Bの面積比をI:J:K:Lで表すと、0.65≦I=J<1.0,1.0≦K=L≦1.35である。図8では、I:J:K:L=0.744:0.744:1.256:1.256である場合を例示している。この場合、第1副画素11と第2副画素12を足し合わせた大きさは、第3副画素13及び第4副画素14の大きさ以上である。図8に示す画素10Bによる色再現は、図4を参照した説明における第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14をそれぞれ、第1副画素11B、第2副画素12B、第3副画素13B、第4副画素14Bと読み替えることで説明することができる。なお、かかる画素においては、互いに斜めの位置にある副画素同士がいずれも辺を共有していない。より具体的には、画素を左右に分ける縦線1本と上下に分ける横線1本とで4つの領域に区画されている。縦線は、当該画素を左右2分する中心線に一致し、横線は、当該画素を上下2分する中心線よりも第1副画素側(上辺側)に寄せて設けられている。これにより、上記面積の大小関係I=J<K=Lが実現される。
図9は、1つの画素10,10A,10Bが有する副画素15同士の面積比率に応じた赤色寄りの緑色及び青色寄りの緑色の決定方法をsRGB色空間内で説明している模式図である。図9では、第1レッドグリーンRG1と第1ブルーグリーンBG1との合成色である緑色Gと白色点Wとを結ぶ一点鎖線GLに対して、色相角がプラス方向である黄色側に破線PLを記載している。また、図9では、一点鎖線GLに対して、色相角がマイナス方向であるシアン側に破線MLを記載している。
図7に示す画素10Aが有する第1副画素11Aは、図3に示す画素10が有する第1副画素11よりも小さい。また、図7に示す画素10Aが有する第2副画素12Aは、図3に示す画素10が有する第2副画素12よりも大きい。仮に、図7に示す画素10Aが有する第1副画素11Aと第2副画素12Aのカラーフィルタ20を、図3に示す画素10が有する第1副画素11と第2副画素12のカラーフィルタ20と同じにすると、第1副画素11Aが相対的に小さくなった分だけ赤色成分に割り当てられる面積が減り、第2副画素12Aが相対的に大きくなった分だけ青色成分に割り当てられる面積が増えることになる。そこで、図9に示すように、図7に示す第1副画素11Aが有する第1のカラーフィルタ20RG2が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第2レッドグリーンRG2の色相角を、図3に示す第1副画素11が有する第1のカラーフィルタ20RG1が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第1レッドグリーンRG1の色相角に比してプラス側にしている。また、図7に示す第2副画素12Aが有する第2のカラーフィルタ20BG2が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第2ブルーグリーンBG2の色相角を、図3に示す第2副画素12が有する第2のカラーフィルタ20BG1が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第1ブルーグリーンBG1の色相角に比してプラス側にしている。これによって、図7に示す画素10Aでも、求められる黄色Y及び白色点W並びに緑色Gを、図3に示す画素10と同等にすることができる。
図8に示す画素10Bが有する第3副画素13Bは、図3に示す画素10が有する第3副画素13よりも大きい。また、図8に示す画素10Bが有する第4副画素14Bは、図3に示す画素10が有する第4副画素14よりも小さい。仮に、図8に示す画素10Bが有する第1副画素11Bと第2副画素12Bのカラーフィルタ20を、図3に示す画素10が有する第1副画素11と第2副画素12のカラーフィルタ20と同じにすると、第3副画素13Bが相対的に大きくなった分だけ赤色成分に割り当てられる面積が増え、第4副画素14Bが相対的に大きくなった分だけ青色成分に割り当てられる面積が減ることになる。そこで、図9に示すように、図8に示す第1副画素11Bが有する第1のカラーフィルタ20RG3が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第3レッドグリーンRG3の色相角を、図3に示す第1副画素11が有する第1のカラーフィルタ20RG1が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第1レッドグリーンRG1の色相角に比してマイナス側にしている。また、図8に示す第2副画素12Bが有する第2のカラーフィルタ20BG3が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第3ブルーグリーンBG3の色相角を、図3に示す第2副画素12が有する第2のカラーフィルタ20BG1が透過させる光のスペクトルのピークに対応する第1ブルーグリーンBG1の色相角に比してマイナス側にしている。これによって、図8に示す画素10Bでも、求められる黄色Y及び白色点W並びに緑色Gを、図3に示す画素10と同等にすることができる。
第1レッドグリーンRG1、第2レッドグリーンRG2及び第3レッドグリーンRG3の色相は、緑色Gに対してプラス側の色相であり、赤色R1に対してマイナス側の色相である。第1ブルーグリーンBG1、第2ブルーグリーンBG2及び第3ブルーグリーンBG3の色相は、緑色Gに対してマイナス側の色相であり、青色B1に対してプラス側の色相である。
図3、図7及び図8に例示するように、実施形態の表示装置は、1つの画素10,10A,10Bが有する4つの副画素15の面積は、2種類以上ある。また、視感度が相対的に高いカラーフィルタ20を有する副画素15の大きさは、視感度が相対的に低いカラーフィルタ20を有する副画素15の大きさ以下である。具体的には、第1のカラーフィルタ20RG1は、第2のカラーフィルタ20BG1よりも視感度が相対的に高い。また、第1のカラーフィルタ20RG2は、第2のカラーフィルタ20BG2よりも視感度が相対的に高い。また、第1のカラーフィルタ20RG3は、第2のカラーフィルタ20BG3よりも視感度が相対的に高い。また、第1レッドグリーンRG1、第2レッドグリーンRG2及び第3レッドグリーンRG3並びに第1ブルーグリーンBG1、第2ブルーグリーンBG2及び第3ブルーグリーンBG3は、赤色R1よりも視感度が相対的に高い。また、赤色R1は、青色B1よりも視感度が相対的に高い。また、実施形態の表示装置は、第4のカラーフィルタ20B1を有する第4副画素(例えば、第4副画素14等)以外の3つの副画素15を黄色の再現に用いる。なお、黄色Yの再現に用いられる3つの副画素15を全て合わせた場合の面積は、第4副画素の面積の2倍以上であってもよい。また、階調値に関わらず黄色の再現に第4副画素以外の3つの副画素を用いてもよいし、予め定められた階調値以上の黄色の再現に第4副画素以外の3つの副画素を用いてもよい。予め定められた階調値以上の黄色とは、相対的に高めの輝度及び彩度が求められる黄色であり、所定の中間調を超える黄色である。この場合、中間調以下の黄色の再現では、第1副画素(例えば、第1副画素11等)と第3副画素(例えば、第3副画素13等)が用いられる。
また、相対的に視感度が高い副画素15は、X方向又はY方向に隣接している。例えば、図3における第1副画素11と第2副画素12は、隣接している。また、図7における第1副画素11Aと第2副画素12Aは、隣接している。また、図8における第1副画素11Bと第2副画素12Bは、隣接している。
ここで、1つの副画素15が有するカラーフィルタ20が透過させる光OLの色相を基準とする。1つの副画素15と並ぶ2つの副画素15は、残り1つの副画素15よりも基準に近い色相の光OLを透過させる。なお、副画素15の並び方向は、X方向又はY方向である。例えば、図3に示す第2副画素12の色相(第1ブルーグリーンBG1)及び第3副画素13の色相(赤色R1)は、第1副画素11に対して斜め方向に位置する第4副画素14の色相(青色B1)に比して、第1副画素11の色相(第1レッドグリーンRG1)に近い。また、第2副画素12の色相(第1ブルーグリーンBG1)及び第3副画素13の色相(赤色R1)は、第4副画素14に対して斜め方向に位置する第1副画素11の色相(第1レッドグリーンRG1)に比して、第4副画素14の色相(青色B1)に近い。斜め方向は、X-Y平面に沿い、かつ、X方向及びY方向に交差する方向である。また、第1副画素11の色相(第1レッドグリーンRG1)及び第4副画素14の色相(青色B1)は、第2副画素12に対して斜め方向に位置する第3副画素13の色相(赤色R1)に比して、第2副画素12の色相(第1ブルーグリーンBG1)に近い。また、第1副画素11の色相(第1レッドグリーンRG1)及び第4副画素14の色相(青色B1)は、第3副画素13に対して斜め方向に位置する第2副画素12の色相(第1ブルーグリーンBG1)に比して、第3副画素13の色相(赤色R1)に近い。図7における副画素15同士の色相の関係についても、図3を参照した説明における第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14をそれぞれ、第1副画素11A、第2副画素12A、第3副画素13A、第4副画素14Aと読み替えることで説明することができる。図8における副画素15同士の色相の関係についても、図3を参照した説明における第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14をそれぞれ、第1副画素11B、第2副画素12B、第3副画素13B、第4副画素14Bと読み替えることで説明することができる。
図10は、面積階調のために副画素15を複数の面積領域に区分けした場合の一例を示す図である。実施形態の表示装置では、例えば図10に示すように、画素10Cは、第1副画素11C、第2副画素12C、第3副画素13C及び第4副画素14Cを有する。第1のカラーフィルタ20RG1が設けられた第1副画素11Cは、第1分割画素111、第2分割画素112及び第3分割画素113のように、3つの面積領域を有する。第1分割画素111と第2分割画素112と第3分割画素113の面積比は、例えば1:2:4(=20:21:22)である。第1分割画素111、第2分割画素112、第3分割画素113の各々の光の透過の有無の組み合わせによって、第1副画素11Cは、3ビット(8階調)の階調性を有する。より具体的には、第1分割画素111、第2分割画素112、第3分割画素113の各々の光の透過の有無の組み合わせパターンによる面積階調を、出力階調の低い方から順に記載すると、「無:無:無」、「有:無:無」、「無:有:無」、「有:有:無」、「無:無:有」、「有:無:有」、「無:有:有」、「有:有:有」となる。なお、副画素15同士の間には、例えば複数のカラーフィルタ20同士の間に設けられたブラックマトリクス23(図13参照)がある。ブラックマトリクス23は、例えば黒色のフィルタであってもよいし、隣り合う副画素のカラーフィルタを重ねて重なり部分の透過率を下げた構成であってもよい。ブラックマトリクス23は、なくてもよい。複数の分割画素による面積階調の比率(例えば1:2:4等)は、あくまで平面視での開口率である。したがって、ブラックマトリクス23がある場合、面積階調の比率は、ブラックマトリクス23がない部分である開口部分の比率である。また、ブラックマトリクス23がない場合、面積階調の比率は、複数の分割画素が有する反射電極40の面積比率である。反射電極40の具体的な形状は、分割画素の具体的な分割状態による。例えば図10では、画素10Cの中央側から四角、L字、L字の反射電極40が複数の分割画素の各々に設けられる。
また、第2のカラーフィルタ20BG1が設けられた第2副画素12Cは、第1分割画素121、第2分割画素122及び第3分割画素123のように、複数の分割画素を有する。また、第3のカラーフィルタ20R1が設けられた第3副画素13Cは、第1分割画素131、第2分割画素132及び第3分割画素133のように、複数の分割画素を有する。また、第4のカラーフィルタ20B1が設けられた第4副画素14Cは、第1分割画素141、第2分割画素142及び第3分割画素143のように、複数の分割画素を有する。第2副画素12C、第3副画素13C及び第4副画素14Cは、第1副画素11Cと同様の仕組みで面積階調を実現する。
第1副画素11C、第2副画素12C、第3副画素13C、第4副画素14Cはそれぞれ、複数の分割画素を有する点を除いて、上記の第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14と同様の構成である。図7に示す画素10A及び図8に示す画素10Bが有する副画素15を、図10に示す画素10Cが有する副画素15と同様に複数の分割画素に分割してもよい。
図11は、面積階調のために副画素15を複数の面積領域に区分けした場合の別の一例を示す図である。副画素15の形状及び配置は、図3、図7、図8、図10に例示するものに限られず、適宜変更可能である。例えば図11に示すように、画素10Dは、X方向の一端側から第3副画素13D、第1副画素11D、第2副画素12D、第4副画素14Dの順で並ぶストライプ状の副画素15を有する。これら各副画素のX方向の幅は、第1副画素の幅=第2副画素の幅<第3副画素の幅=第4副画素の幅となっている。また、第1のカラーフィルタ20RG3が設けられた第1副画素11Dは、第1分割画素11a、第2分割画素11b及び第3分割画素11cのように、複数の分割画素を有する。中央の第1分割画素11aと上下一対の第2分割画素11bの合計と上下一対の第3分割画素11cの合計の面積比は、例えば1:2:4である。第1分割画素11a、第2分割画素11b、第3分割画素11cの各々の光の透過の有無の組み合わせによって、第1副画素11Cは、3ビット(8階調)の階調性を有する。また、第2のカラーフィルタ20BG3が設けられた第2副画素12Dは、第1分割画素12a、第2分割画素12b及び第3分割画素12cのように、複数の分割画素を有する。また、第3のカラーフィルタ20R1が設けられた第3副画素13Dは、第1分割画素13a、第2分割画素13b及び第3分割画素13cのように、複数の分割画素を有する。また、第4のカラーフィルタ20B1が設けられた第4副画素14Dは、第1分割画素14a、第2分割画素14b及び第3分割画素14cのように、複数の分割画素を有する。第2副画素12D、第3副画素13D及び第4副画素14Dは、第1副画素11Dと同様の仕組みで面積階調を実現する。
第1副画素11D、第2副画素12D、第3副画素13D、第4副画素14Dはそれぞれ、複数の分割画素を有する点を除いて、上記の第1副画素11B、第2副画素12B、第3副画素13B、第4副画素14Bと同様の構成である。図11では、第1副画素11D、第2副画素12D、第3副画素13D、第4副画素14Dの面積比が図8の第1副画素11B、第2副画素12B、第3副画素13B、第4副画素14Bと同様である場合を例示しているが、これに限られるものでない。図11のようなストライプ状の副画素15の面積比率を、図3の第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13、第4副画素14又は図7の第1副画素11A、第2副画素12A、第3副画素13A、第4副画素14Aと同様にしてもよい。また、図11のようなストライプ状の副画素15では、基準となる1つの副画素15と隣り合う2つ副画素15の色相を、残り1つの副画素15よりも近い色相にすることが望ましい。図11に示す例の場合、基準となる1つの副画素15は、第1副画素11D又は第2副画素12Dである。
このように、図10及び図11に示す副画素15は、それぞれ面積が異なる複数の分割画素に分割されており、副画素15毎に複数の分割画素の光の透過の有無の組合せで階調表現を行う。1つの副画素15が有する複数の分割画素の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。面積階調における1つの副画素15の階調性は、複数の分割画素の数(N)に対応するビット数(Nビット)になる。Nは、2以上の自然数である。最も小さい分割画素の面積を1とすると、小さい方から数えてqつ目(qビット目)の分割画素の面積は、2(q-1)である。
以下、実施形態による表示装置1が備える構成について、図12から図17を参照してより具体的に説明する。図12から図17を参照した説明では、複数の分割画素のうち1つを表す記載を「分割画素50」とする。
図12は、実施形態による表示装置が備える回路構成例を示す図である。図12に示すX方向は、表示装置1の行方向を示し、Y方向は、表示装置1の列方向を示す。図12に示すように、分割画素50は、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた画素トランジスタ51と液晶容量52と保持容量53とを有する構成となっている。画素トランジスタ51は、ゲート電極が走査線62(621、622、623、・・・)に接続され、ソース電極が信号線61(611、612、613、・・・)に接続されている。
液晶容量52は、分割画素50ごとに設けられる反射電極40と、複数又は全部の反射電極40に対向して形成される対向電極22(図13参照)との間で発生する液晶材料の容量成分をさす。反射電極40は、画素トランジスタ51のドレイン電極に接続されている。対向電極22にはコモン電位VCOMが印加されている。コモン電位VCOMは、分割画素50を反転駆動させるために所定周期で反転する電位である(図15参照)。保持容量53は、一方の電極が反射電極40に、他方の電極が対向電極22と同電位とされている。
列方向に沿う信号線61と行方向に沿う走査線62に画素トランジスタ51が接続されている。分割画素50は、表示領域OA内における信号線61と走査線62との交差位置に設けられている。信号線61(611、612、613、・・・)の各一端は、信号出力回路70の各列に対応した出力端に接続されている。複数の走査線62(621、622、623、・・・)の各一端は、走査回路80の各行に対応した出力端に接続されている。複数の信号線61(611、612、613、・・・)は、分割画素50を駆動する信号、すなわち、信号出力回路70から出力される映像信号を画素列毎に分割画素50に伝送する配線である。また、複数の走査線62(621、622、623、・・・)は、分割画素50を行単位で選択する信号、すなわち、走査回路80から出力される走査信号を画素行毎に伝送する配線である。
信号出力回路70及び走査回路80は、信号処理回路100と接続されている。信号処理回路100は、入力されたRGBの階調値に基づいて各画素(例えば、画素10)が有する4つの副画素15の各々の階調値(後述する、R1,RG,BG,B1)を演算する。また、信号処理回路100は、かかる演算結果を各画素の面積階調信号(Ro,RGo,BGo,Bo)として信号出力回路70に出力する。信号出力回路70は、面積階調信号(Ro,RGo,BGo,Bo)を含む映像信号を各分割画素50に伝送する。また、信号処理回路100は、信号出力回路70と走査回路80の動作を同期させるクロック信号を信号出力回路70及び走査回路80に出力する。走査回路80は、信号出力回路70からの映像信号と同期して分割画素50を走査する。なお、信号出力回路70と信号処理回路100は、一つのICチップ140に含まれる構成であってもよいし、信号出力回路70と信号処理回路100とを個別の回路チップとする構成を採用してもよい。図12では、ICチップ140等の回路チップが第1基板41の周辺領域SAにChip On Glass(COG)を用いて設けられているが、これは回路チップの実装の一例であってこれに限られるものでない。回路チップは、例えば、第1基板41と接続されているフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)にChip On Film(COF)を用いて設けられていてもよい。
図13は、分割画素50の概略断面図である。反射電極40と対向電極22とは、液晶層30を挟んで対向している。反射電極40は、第1基板41に設けられている。具体的には、第1基板41は、液晶層30が位置する一面側に、信号線61等の配線、配線同士及び配線と電極とを絶縁する絶縁層42が積層されている。反射電極40は、絶縁層42の一面側に形成された膜状の電極である。対向電極22及びカラーフィルタ20は、第2基板21に設けられている。具体的には、第2基板21は、液晶層30が位置する一面側にカラーフィルタ20が設けられている。複数のカラーフィルタ20同士の間には、ブラックマトリクス23が設けられている。対向電極22は、カラーフィルタ20の一面側に形成された膜状の電極である。
図13に示す分割画素50は、上記の通り、図10及び図11を参照して説明した面積階調による階調表現のために設けられた複数の分割画素のうち1つである。すなわち、複数の分割画素はそれぞれ個別の反射電極40を有する。反射電極40は、液晶層30を挟んで対向電極22と向かい合っている。
第1基板41及び第2基板21は、例えばガラス基板等、光を透過させる基板である。対向電極22は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等を用いて形成された、光を透過させる電極である。反射電極40は、例えば薄膜の銀(Ag)等によるメタル電極であり、光を反射させる電極である。
液晶層30は、図示しないシール材で封止されている。シール材は、第1基板41と第2基板21の側方を接着して封止する。また、図示しないスペーサによって反射電極40と対向電極22の間隔が決定されている。液晶層30の液晶分子は第1基板41、第2基板21に設けられた図示しない配向膜によって初期配向状態が定められている。初期配向状態においては、液晶分子は光を透過させない。なお、このように液晶層30に電界を付与しない初期配向状態で光を透過させない状態をノーマリブラックと称する。
図13に示すカラーフィルタ20が透過させる光OLのスペクトルのピークは、上記の図3、図7、図8を参照して説明した通り、赤色寄りの緑色のスペクトル、青色寄りの緑色のスペクトル、赤色のスペクトル、青色のスペクトルのいずれかである。
このように、表示装置1は、反射電極40が設けられた第1基板41と、カラーフィルタ20及び透光性電極(対向電極22)が設けられた第2基板21と、反射電極40と透光性電極との間に設けられた液晶層30を有する。図1を参照して説明した通り、カラーフィルタ20を挟んで液晶層30の反対側には、例えば表示装置から出射する光OLの散乱方向等を調節するための調光層90が設けられていてもよい。調光層90は、例えば表示面側に設けられた偏光板91と、偏光板91と第2基板21との間に設けられた散乱層92とを有する。偏光板91は、特定方向に偏光した光を透過させることでぎらつきを抑制する。散乱層92は、反射電極40に反射された光OLを散乱させる。
実施形態の表示装置1では、メモリ機能を有するいわゆるMIP(Memory In Pixel)方式の分割画素50が採用されている。MIP方式は、データを記憶するメモリを分割画素50内に持つことにより、メモリ表示モードによる表示を実現できる。メモリ表示モードとは、分割画素50内のメモリに記憶されている2値情報(論理“1”/論理“0”)に基づいて、分割画素50の階調をデジタル的に表示する表示モードである。
図14は、MIP方式を採用した分割画素50の回路構成の一例を示すブロック図である。図15は、MIP方式を採用した分割画素50の動作説明に供するタイミングチャートである。図14に示すように、分割画素50は、液晶容量(液晶セル)52に加えて、3個のスイッチング素子54,55,56及びラッチ部57を有する駆動回路部58を備える。駆動回路部58は、SRAM(Static Random Access Memory)機能を備えている。駆動回路部58を備える分割画素50は、SRAM機能付きの画素構成となっている。
スイッチング素子54は、信号線61に一端が接続されている。スイッチング素子54は、走査回路80から走査信号φVが与えられることによってオン(閉)状態となり、信号出力回路70から信号線61を介して供給されるデータSIGを取り込む。ラッチ部57は、互いに逆向きに並列接続されたインバータ571、572を有しており、スイッチング素子54によって取り込まれたデータSIGに応じた電位を保持(ラッチ)する。
スイッチング素子55,56の各一方の端子には、コモン電位VCOMとは逆相の制御パルスXFRP及び同相の制御パルスFRPが与えられる。スイッチング素子55,56の各他方の端子は共通に接続され、その共通接続ノードが、出力ノードNoutとなる。スイッチング素子55,56は、ラッチ部57の保持電位の極性に応じていずれか一方がオン状態となる。このような動作により、対向電極22にコモン電位VCOMが印加されている液晶容量52に対して、制御パルスFRP又は制御パルスXFRPが反射電極40に印加される。
ラッチ部57の保持電位が負側極性の場合、液晶容量52の画素電位がコモン電位VCOMと同相になるため、反射電極40と対向電極22との間で電位差が生じない。このため、液晶層30には電界が発生することはない。したがって、この場合、液晶分子は初期配向状態からツイストすることはなく、ノーマリブラックの状態が維持される。この結果、かかる分割画素50においては、光を透過しない。一方、ラッチ部57の保持電位が正側極性の場合、液晶容量52の画素電位がコモン電位VCOMと逆相になるため、反射電極40と対向電極22との間に電位差が生じ、液晶層30に電界が発生する。かかる電界によって液晶分子は初期配向状態からツイストして向きを変える。これによって、当該分割画素50では光が透過する(透過状態)。このように、表示装置1は、階調表現に応じた電位を保持する保持部(ラッチ部57)が複数の分割画素の各々に設けられている。
各分割画素50は、ラッチ部57の保持電位の極性に応じてスイッチング素子55,56のいずれか一方がオン状態となることで、液晶容量52の反射電極40に対して、制御パルスFRP又は制御パルスXFRPが印加される。これによって、当該分割画素50の光透過のオン/オフが制御される。
本例では、分割画素50が内蔵するメモリとしてSRAMを用いる場合を例に挙げて説明したが、SRAMは一例に過ぎず、他のメモリ、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いる構成を採るようにしてもよい。
図16は、信号処理回路の構成例を示すブロック図である。信号処理回路100は、第1処理部110と、第2処理部120と、ルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)115とを有する。第1処理部110は、入力されたRGBの階調値に基づいて、各画素(例えば、画素10)が有する4つの副画素15の各々の階調値(R1,RG,BG,B1)を特定する。ここで、4つの副画素15の各々の階調値(R1,RG,BG,B1)のうち、「RG」の階調値は、例えば第1レッドグリーンRG1、第2レッドグリーンRG2、第3レッドグリーンRG3のいずれかの階調値である。すなわち、「RG」は、第1副画素が有する第1のカラーフィルタが透過させる光のスペクトルのピークに対応する。また、「BG」の階調値は、例えば第1ブルーグリーンBG1、第2ブルーグリーンBG2、第3ブルーグリーンBG3のいずれかの階調値である。すなわち、「BG」は、第2副画素が有する第2のカラーフィルタが透過させる光のスペクトルのピークに対応する。また、「R1」の階調値は、例えば赤色(R1)の階調値である。すなわち、「R1」は、第3副画素が有する第3のカラーフィルタが透過させる光のスペクトルのピークに対応する。また、「B1」の階調値は、例えば青色(B1)の階調値である。すなわち、「B1」は、第4副画素が有する第4のカラーフィルタが透過させる光のスペクトルのピークに対応する。
LUT115は、RGBの階調値に対して予め定められた4つの副画素15の各々の階調値を示す情報を含むテーブルデータである。以下、LUT115が図3に示す第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14の各々の階調値を決定するためのLUTである場合について例示する。第1処理部110は、LUT115を参照して、入力されたRGBの階調値に対応する(R1,RG1,BG1,B1)を特定する。例えば、図4に示すように、入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(n,n,n)である場合、第1処理部110は、LUT115を参照して、(R1,RG1,BG1,B1)=(n1,n2,n3,n4)を特定する。(n1,n2,n3,n4)は、第1副画素11、第2副画素12、第3副画素13及び第4副画素14の各々の色で(R,G,B)=(n,n,n)に対応する色を再現するための階調値である。入力されたRGBの階調値が他の階調値である場合も同様である。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(n,0,0)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(n,0,0,0)を特定する。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,n,0)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(0,n5,n6,0)を特定する。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,0,n)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(0,0,0,n)を特定する。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(m,m,0)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(m1,m2,m3,0)を特定する。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(0,m,m)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(0,m4,m5,m6)を特定する。入力されたRGBの階調値が(R,G,B)=(m,0,m)である場合、第1処理部110は、(R1,RG1,BG1,B1)=(m7,0,0,m8)を特定する。
第2処理部120は、4つの副画素15の各々の階調値(R1,RG,BG,B1)(例えば、(R1,RG1,BG1,B1))に対応した複数の分割画素の各々に対する面積階調信号(Ro,RGo,BGo,Bo)を信号出力回路70に出力する。例えば、第1処理部110が特定した(R1,RG1,BG1,B1)の各々の色の階調値が8ビットの数値(0から255)であった場合、第2処理部120は、当該8ビットの数値を2Nに区分してNビットの階調値に変換する。例えば、N=3であった場合、Nビットの階調値(0から7)と8ビットの数値が取り得る階調値(0から255)との対応関係は、0:0から31、1:32から63、2:64から95、3:96から127、4:128から159、5:160から191、6:192から223、7:224から255のように区分される。なお、この区分例は、階調値にガンマ補正を施さない0~1.0までのリニア空間に相当する階調値を前提とした例である。ガンマ補正を施した場合、区分は変わることがある。第2処理部120は、このような対応関係に応じて、(R1,RG1,BG1,B1)の各々の色の階調値が8ビットの数値をNビットの階調値に変換する。例を挙げると、第2処理部120は、(R1,RG1,BG1,B1)=(10,100,200,255)を、面積階調信号(Ro,RGo,BGo,Bo)=(0,4,6,7)に変換して信号出力回路70に出力する。これによって、入力された階調値に対応する面積階調表現が行われる。
図17は、複数の表示装置1A,1Bが並べられた場合の外光ILと、反射光OL1,OL2,OL3,OL4と、ユーザの視点H1,H2との関係の一例を示す模式図である。複数の表示装置1A,1Bはそれぞれ、実施形態による表示装置(例えば、表示装置1)である。反射光OL1,OL2,OL3,OL4は、それぞれ出射角度が異なる光OLである。例えば図17に示すように、複数の表示装置1A,1Bが並べられた場合、表示装置1A,1Bに対する入射光ILの入射角度が同じであっても、あるユーザの視点H1に対する表示装置1Aからの反射光OL1と、表示装置1Bからの反射光OL2のように、それぞれの表示装置1A,1Bから出射角度が異なる光OLが視認されることがある。また、ユーザの視点H1とユーザの視点H2のどちらを想定するかによって、ユーザに視認される表示装置1Aからの光OLが反射光OL1と反射光OL2のいずれになるかが変わる。同様に、ユーザの視点H1とユーザの視点H2のどちらを想定するかによって、表示装置1Bからの光OLが反射光OL3と反射光OL4のいずれになるかが変わる。このように、ユーザに視認される光OLの出射角度は、表示装置1A,1Bの設置条件、想定するユーザの視点等の諸条件に応じて変わり得る。そこで、本発明の特徴を逸脱しない範囲で、表示装置1Aと表示装置1Bとを異ならせてもよい。例えば、表示装置1A,1Bのいずれか一方を図3、図7、図8のいずれか1つに示すような4つの副画素15の面積比率とし、他方を図3、図7、図8の他の1つに示すような4つの副画素15の面積比率としてもよい。また、表示装置1AのLUT115における入力(RGBの階調値)と(R1,RG,BG,B1)との対応関係と、表示装置1BのLUT115における入力(RGBの階調値)と(R1,RG,BG,B1)との対応関係とを異ならせてもよい。
以上説明したように、実施形態によれば、反射型の表示装置において、第3副画素及び第4副画素は、第1副画素及び第2副画素よりも大きい。また、第1副画素と第2副画素を足し合わせた大きさは、第3副画素及び第4副画素の大きさ以上である。また、第1副画素ピークが赤色寄りの緑色のスペクトルである第3のカラーフィルタを有する。また、第2副画素は、ピークが青色寄りの緑色のスペクトルである第4のカラーフィルタを有する。また、第3副画素は、ピークが赤色のスペクトルである第1のカラーフィルタを有する。また、第4副画素は、ピークが青色のスペクトルである第2のカラーフィルタを有する。これによって、黄色の輝度及び彩度をより高めることができ、求められる黄色(例えば、黄色Y)の輝度及び彩度を得られる。
また、第4副画素を第3副画素よりも大きくすることで、第1副画素及び第2副画素が有するカラーフィルタが透過させる光のスペクトルの色相をよりプラス側にすることができる。このため、第1副画素及び第2副画素が有するカラーフィルタの光の透過効率をより高めやすくなる。従って、黄色の輝度及び彩度をより高めることができ、求められる黄色(例えば、黄色Y)の輝度及び彩度をより確実に得られる。
また、第2副画素を第1副画素よりも大きくすることで、第1副画素が有するカラーフィルタが透過させる光のスペクトルの色相をよりプラス側にすることができる。このため、第1副画素が有するカラーフィルタの光の透過効率をより高めやすくなる。従って、黄色の輝度及び彩度をより高めることができ、求められる黄色(例えば、黄色Y)の輝度及び彩度をより確実に得られる。
また、第1副画素と、第2副画素と、第3副画素との組み合わせで黄色を再現する。これによって、1つの画素が有する表示領域のうち第1副画素と第2副画素と第3副画素を合わせたより広いカラーフィルタ及び反射電極を黄色の再現に割り当てることができる。従って、求められる黄色(例えば、黄色Y)の輝度及び彩度をより確実に得られる。
また、第1副画素と、第2副画素との組み合わせで緑色を再現する。これによって、1つの画素が有する表示領域のうち第1副画素と第2副画素を合わせたより広いカラーフィルタ及び反射電極を緑色の再現に割り当てることができる。
また、第1副画素と第2副画素は隣接している。これによって、緑色をよりむらなく再現することができる。
また、複数の分割画素による面積階調を行うことで、より低消費電力で動作可能な表示装置を提供することができる。
また、階調表現に応じた電位を保持する保持部が複数の分割画素の各々に設けられていることで、表示装置の消費電力をより低減することができる。
本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。