JP7126915B2 - アルミニウム合金押出材及びその製造方法 - Google Patents
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塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織であり、25℃での引張強さ(A)が480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定したときの引張強さ(B)との差(A-B)が50MPa以下であること、
を特徴とするアルミニウム合金押出材を提供するものである。
該均質化処理を行い得られる均質化処理材を、300~500℃の温度で熱間加工する熱間加工工程と、
該熱間加工工程を行い得られる熱間加工材を、該熱間加工材の溶融開始温度より10~20℃低い温度域で、0.5~5時間保持する一段目の溶体化処理と、該一段目の溶体化処理温度より5~10℃高い温度域で、0.5~5時間保持する二段目の溶体化処理と、を続けて行った後、水冷して焼入れする二段溶体化処理と、
該二段溶体化処理を行い得られる二段溶体化処理材を、150~220℃の温度で、2~30時間保持する人工時効処理と、
を有するアルミニウム合金押出材の製造方法であり、
該アルミニウム合金押出材は、塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織であり、25℃での引張強さ(A)が480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定したときの引張強さ(B)との差(A-B)が50MPa以下であること、
を特徴とするアルミニウム合金押出材の製造方法を提供するものである。
該均質化処理を行い得られる均質化処理材を、300~500℃の温度で熱間加工する熱間加工工程と、
該熱間加工工程を行い得られる熱間加工材を、該熱間加工材の溶融開始温度より10~20℃低い温度域で、0.5~5時間保持する一段目の溶体化処理と、該一段目の溶体化処理温度より5~10℃高い温度域で、0.5~5時間保持する二段目の溶体化処理と、を続けて行った後、水冷して焼入れする二段溶体化処理と、
該二段溶体化処理を行い得られる二段溶体化処理材を、150~220℃の温度で、2~30時間保持する人工時効処理と、
を有することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法である。
DC鋳造によって得た表1(実施例)及び表2(比較例)に示す組成のアルミニウム合金のビレット(直径90mm)を、470℃で20時間均質化処理した。なお、表1及び表2では、含有量は質量%であり、残部はアルミニウムである。次いで、400℃で熱間押出し、直径15mmの丸棒材形状の熱間押出材を得た。次いで、熱間押出材に、一段目の溶体化処理として、520℃の温度で2時間保持し、続けて、二段目の溶体化処理として、527℃の温度で2時間保持した後、水冷却による焼入れを行った。次いで、190℃で20時間の人工時効処理を行い、T6調質のアルミニウム合金を得た。
次いで、得られたアルミニウム合金の評価を行った。その結果を表3に示す。
熱間押出材を示差走査熱量計で測定し、共晶融解開始温度を求めた。
JIS Z 2241に準拠して、引張強さを測定した。
試験試料は、人工時効処理を行い得られたアルミニウム合金(試験試料1)と、人工時効処理を行い得られたアルミニウム合金を、100℃/時間の昇温速度で、200℃まで加熱し、次いで、200℃で10時間保持し、次いで、空冷して、室温程度まで冷却したアルミニウム合金(試験試料2)とした。
アルミニウム合金の塑性加工方向に平行な断面を、電解エッチングにより結晶粒を現出させ、材料組織を偏光光学顕微鏡により、倍率25倍で撮影した。撮影写真上に観察される結晶粒から、任意に10個選択し、個々の結晶粒について、「(塑性加工方向の長さ)/(塑性加工方向に直行する方向の長さ)」の式により、アスペクト比を計算した。任意に選択した10個の結晶粒のアスペクト比を平均し、平均アスペクト比を求めた。なお、アスペクト比が十分に大きく、全ての結晶粒の塑性加工方向の長さが撮影視野を超え、アスペクト比が5以上と判断できる場合は、平均アスペクト比は5以上とした。
比較例No.21は、Cu含有量が2.0質量%未満のため、強度が低かった。
比較例No.22は、Cu含有量が3.5質量%を超えているため、共晶融解開始温度が低くなり、再結晶が生じ、材料の引張強さが低かった。
比較例No.23は、Si含有量が0.1質量%未満のため、再結晶組織が形成され、引張強さと結晶粒の平均アスペクト比が低かった。
比較例No.24は、Si含有量が0.5質量%を超えているため、粗大化合物が形成され、200℃で10時間曝露保持後の強度が低下した。
比較例No.25は、Fe含有量が0.1質量%未満のため、強度が低かった。
比較例No.26は、Fe含有量が1.0質量%を超えているため、粗大化合物を形成し、200℃で10時間曝露保持後の強度が低下した。
比較例No.27は、Mn含有量が0.3質量%未満のため、再結晶組織が形成され、引張強さと結晶粒の平均アスペクト比が低くなった。
比較例No.28は、Mn含有量が0.8質量%を超えているため、粗大化合物を形成し、200℃で10時間曝露保持後の強度が低下した。
比較例No.29は、Mg含有量が1.5質量%未満のため、強度が低かった。
比較例No.30は、Mg含有量が2.5質量%を超えているため、成形加工性が悪く、押出加工時に割れが生じた。
比較例No.31は、Ti含有量が0.05質量%未満のため、再結晶組織が形成され、引張強さと結晶粒の平均アスペクト比が低くなった。
比較例No.32は、Ti含有量が0.27質量%であるため、鋳塊に粗大な化合物が生じ、押出加工時に割れが生じた。
比較例No.33は、Ni含有量が0.5質量%未満のため、高温強度が低かった。
比較例No.34は、Ni含有量が2.0質量%を超えているため、Ni系金属間化合物がマトリックス中に分散し、高温強度が低かった。
比較例No.35は、Zr含有量が0.05質量%未満のため、再結晶組織が形成され、引張強さと結晶粒の平均アスペクト比が低かった。
比較例No.36は、Zr含有量が0.3質量%を超えているため、鋳塊に粗大な化合物が生じ、押出加工時に割れが生じた。
比較例No.37は、Sc含有量が0.3質量%を超えているため、微細に析出せずに粗大化合物を形成したため、強度が低くなった。
それに対し、実施例No.1~20は、本発明の範囲内であるため、塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織で、25℃で測定した引張強さが480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、25℃で測定した引張強さと、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定した引張強さとの差が、50MPa以下であった。
DC鋳造によって得た表4に示す組成のアルミニウム合金のビレット(直径90mm)を、470℃で20時間均質化処理した。なお、表4では、含有量は質量%であり、残部はアルミニウムである。次いで、400℃で熱間押出し、直径15mmの丸棒材形状の熱間押出材を得た。次いで、熱間押出材に、表5又は表6に示す条件で、一段目の溶体化処理を行い、続けて、二段目の溶体化処理を行った後、水冷却による焼入れを行った。次いで、190℃で20時間の人工時効処理を行い、T6調質のアルミニウム合金を得た。
次いで、得られたアルミニウム合金の評価を行った。その結果を表7に示す。
比較例No.42と比較例No.44は、熱間加工材の共晶融解開始温度と、一段目の溶体化処理温度との差が、20℃を超え、二段目の溶体化処理温度と、一段目の溶体化処理温度との差が、5℃未満であるため、溶体化処理による過飽和固溶量が少なく、人工時効処理で析出強化が不十分であったため、材料の強度向上効果が得られなかった。
比較例No.43と比較例No.45は、熱間加工材の共晶融解開始温度と、一段目の溶体化処理温度との差が、10℃未満であり、二段目の溶体化処理温度と、一段目の溶体化処理温度との差が、10℃を超えているため、材料に再結晶が生じ、アスペクト比が低下した結果、25℃の強度及び200℃の温度で10時間曝露保持後の強度が低下した。
それに対し、実施例No.38~41は、本発明の範囲内であるため、塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織で、25℃で測定した引張強さが480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、25℃で測定した引張強さと、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定した引張強さとの差が、50MPa以下であった。
Claims (3)
- Cu:2.0~3.5質量%、Si:0.1~0.5質量%、Fe:0.5~1.0質量%、Mn:0.3~0.8質量%、Mg:1.5~2.5質量%、Ti:0.05~0.2質量%、Ni:0.5~2.0質量%、及びZr:0.05~0.3質量%を含有し、残部が不可避不純物及びアルミニウムからなり、
塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織であり、25℃での引張強さ(A)が480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定したときの引張強さ(B)との差(A-B)が50MPa以下であること、
を特徴とするアルミニウム合金押出材。 - 更に、Sc:0.05~0.3質量%を含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金押出材。
- Cu:2.0~3.5質量%、Si:0.1~0.5質量%、Fe:0.5~1.0質量%、Mn:0.3~0.8質量%、Mg:1.5~2.5質量%、Ti:0.05~0.2質量%、Ni:0.5~2.0質量%、及びZr:0.05~0.3質量%を含有し、残部が不可避不純物及びアルミニウムからなるアルミニウム合金の鋳塊を、400~520℃の温度で1~20時間保持する均質化処理と、
該均質化処理を行い得られる均質化処理材を、300~500℃の温度で熱間加工する熱間加工工程と、
該熱間加工工程を行い得られる熱間加工材を、該熱間加工材の溶融開始温度より10~20℃低い温度域で、0.5~5時間保持する一段目の溶体化処理と、該一段目の溶体化処理温度より5~10℃高い温度域で、0.5~5時間保持する二段目の溶体化処理と、を続けて行った後、水冷して焼入れする二段溶体化処理と、
該二段溶体化処理を行い得られる二段溶体化処理材を、150~220℃の温度で、2~30時間保持する人工時効処理と、
を有するアルミニウム合金押出材の製造方法であり、
該アルミニウム合金押出材は、塑性加工方向に平行な断面の結晶粒の平均アスペクト比が5以上の繊維組織であり、25℃での引張強さ(A)が480MPa以上であり、且つ、25℃での引張強さ(A)と、200℃の温度で10時間暴露保持した後、25℃で測定したときの引張強さ(B)との差(A-B)が50MPa以下であること、
を特徴とするアルミニウム合金押出材の製造方法。
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JP2010018854A (ja) | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 耐熱性に優れた軽量・高強度アルミニウム合金およびその製造方法 |
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