JP7123686B2 - トナー - Google Patents
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Description
定着プロセスでは、トナーが熱を受けた際に、結着樹脂が十分に可塑化し、記録媒体との接着性が高まることが好ましい。したがって、より低温でも結着樹脂の熱可塑化を促進させ、十分な定着性を確保するために、可塑剤を添加したトナーが提案されている。
特許文献1では、トナー用可塑剤として低分子量のエステルワックスを添加することで、低温定着性を向上させたトナーが開示されている。
特許文献2では、トナーの機械的強度を高めるために、結着樹脂に無機粒子が含有され、離型剤に繊維が含有されたトナーが開示されている。
一方、特許文献1に記載されたトナーは、画像形成装置内の部材による摺擦に対するトナーの耐久性においては改善の余地がある。画像形成装置内の部材による摺擦に対する耐久性が不十分なトナーにおいては、画像形成装置内の部材による摺擦により、トナーが変形する耐久劣化が生じやすくなる懸念がある。
かかるトナーの耐久劣化を抑えるために、結着樹脂を高分子量化したり、ガラス転移温度を高温化したりすると、定着プロセスでトナーが濡れ広がりにくくなる。そのような場合、特に低温定着時において、記録媒体と画像の接着性、もしくは画像を形成する溶融したトナー同士の接着性が低下することがある。その結果、定着画像表面がこすられると、溶融したトナーの欠落や剥離が生じ、画像濃度の低下が生じる。すなわち、耐擦過性の低い定着画像となるという問題が生じる。
また、トナー用可塑剤として低分子量の化合物を添加すると、高温環境にトナーが晒された際に結着樹脂の可塑化が徐々に進行したり、トナー用可塑剤自体が溶融しトナー表面に染み出したりすることにより、耐熱保存性が低下するおそれがある。ここで、特許文献1には、55℃の温度に8時間晒されたトナーの保存性については記載されているが、それ以上の長期に亘る保存性を示す実験結果は記載されていない。
しかしながら、特許文献2に記載されたトナーは、低温定着時における画像の耐擦過性
に改善の余地がある。
着色剤および無機微粒子の少なくとも一方、
結着樹脂、ならびに
エステルワックス、
を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂を含有し、
該スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂の含有量が、該結着樹脂に対して50質量%以上であり、
該エステルワックスが、炭素数2~6のジオールと炭素数14~22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物を含有し、
フローテスタにおける該トナーの流出開始温度が100.0℃~130.0℃であり、
回転平板型レオメータを用い、周波数1.0Hzで測定される粘弾性特性において、該トナーの100℃における損失正接(tanδ)が0.70~2.10であることを特徴とするトナーに関する。
また、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一方を意味する。
さらに、前記エステル化合物はスチレンアクリル系共重合体との相溶性が高いために、定着プロセスにおいて画像と記録媒体の界面に染み出しにくい。そのため、画像と記録媒体の接着性が低下しにくく、画像の耐擦過性が向上する。
トナーの流出開始温度は、好ましくは102.0℃~120.0℃であり、より好ましくは102.0℃~110.0℃である。この範囲であると、トナーの耐久性および画像の耐擦過性をより向上させることができる。
tanδは、0.90~1.90であることが好ましく、0.95~1.70であることがより好ましい。この範囲であると、トナーの耐久性および画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。
重合性単量体組成物は、結着樹脂を生成する重合性単量体、エステルワックス、ならびに、着色剤および無機微粒子の少なくとも一方を混合して調製するとよい。
着色剤および無機微粒子の少なくとも一方は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体または有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、着色剤および無機微粒子を除く全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
重合性単量体組成物中には、必要に応じて極性樹脂、架橋剤、荷電制御剤および顔料分散剤などのその他の添加剤を適宜加えることができる。
分散安定剤を含む水系媒体を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することによりこれを分散させ、重合性単量体組成物分散液を調製とするとよい。
水系媒体中に添加する分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。これらの中でも無機分散剤は、重合温度や時間経過によっても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用する
ことができる。無機分散剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などのリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナなどの無機酸化物。
これらの無機分散剤は、後述する重合工程の終了後に酸またはアルカリを加えて無機分散剤を溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
前記のようにして得られた重合性単量体組成物分散液に含まれる重合性単量体を重合することにより、トナー粒子分散液を得ることができる。重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合は、通常40℃以上、好ましくは50℃~90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌翼はトナー粒子分散液中の粒子を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならば、どのようなものを用いてもよい。
重合工程が終了したトナー粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程はトナー粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行うことができる。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧または減圧下で行うことができる。
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸またはアルカリで処理してもよい。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸またはアルカリ、およびそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
得られたトナー粒子に対し、流動性や帯電性、耐ケーキング性などを向上させる目的で、外添剤を添加してもよい。外添工程は、例えば、外添剤とトナー粒子を、高速回転する羽根を備えた混合装置に入れ、十分混合することによって行うことができる。
結着樹脂は、エステルワックスとの相溶性の観点から、スチレン系単量体およびアクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステル)から生成されるスチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂を含有する。
スチレンアクリル系重合体部位を有する樹脂の含有量は、耐擦過性をより向上させるから、結着樹脂に対して50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上である。一方、該含有量は100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは98質量%以下である。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂は、スチレンアクリル系共重合体のみからなっていてもよいし、スチレンアクリル系共重合体と他の重合体とのブロック共重合体やグラフト共重合体、またはそれらの
混合物であってもよい。
スチレン系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
アクリル系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、1~12であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、4~8であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数がこの範囲であると、得られるスチレンアクリル系共重合体部位とエステルワックスの相溶性が高く保たれ、かつ結着樹脂のガラス転移温度を適切な範囲とすることができる。その結果、低温定着時の画像の耐擦過性、およびトナーの耐熱保存性を向上させることができる。
過酸化物系重合開始剤の具体例としては、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドなどが挙げられる。
無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-
ヘキシルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1-ジ-t-ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ-t-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt-ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
また、アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などが例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。重合開始剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.10質量部~20.0質量部であることが好ましい。
具体的な化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
架橋剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して、0.10質量部~5.00質量部であることが好ましく、0.30質量部~0.75質量部であることがより好ましく、0.50質量部~0.65質量部であることがさらに好ましい。
エステルワックスは、炭素数2~6のジオールと炭素数14~22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物を含有する。
該ジオールの炭素数は、2~6であり、好ましくは2~4であり、より好ましくは2である。ジオールの炭素数がこの範囲内であると、スチレンアクリル系共重合体部位との相溶性がより高まり、画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。
炭素数2~6のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。中でもエチレングリコールを用いると、得られるエステル化合物がスチレンアクリル系共重合体部位との相溶性に優れ、結果として定着画像の耐擦過性を向上させることができるため好ましい。
炭素数14~22の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ステアリン酸、アラキジン酸、べへン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸が挙げられる。中でもステアリン酸が、定着画像の耐擦過性およびトナーの耐熱保存性を向上
させる観点から好ましい。
前記他のワックスは特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、前記したエステル化合物以外のエステルワックス;低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
また、前記エステル化合物の含有量は、エステルワックスに対して85.0質量%~100.0質量%であることが好ましい。
トナー粒子は、着色剤および無機微粒子の少なくとも一方を含有する。トナー粒子が着色剤および無機微粒子の少なくとも一方を含有すると、トナーに外力が加わった際の変形が抑制されるため、フローテスタで測定されるトナーの流出開始温度はより高温になると考えられる。その結果、画像形成装置内の部材による摺擦に対するトナーの耐久性が向上する。
一方、着色剤および無機微粒子の含有により流出開始温度が高温化した場合は、定着プロセスにおけるトナーの濡れ広がりを抑制しにくく、結果として記録媒体に対する画像の接着性の低下が少ない。そのため、耐久性と定着画像の耐擦過性を兼ね備えたトナーを得ることができる。
着色剤および無機微粒子のトナー中の含有量は、合計8.0質量%~50.0質量%であることが好ましく、合計15.0質量%~40.0質量%であることがより好ましい。この範囲内であると、トナーの耐久性を向上させつつ、低温定着時の画像の耐擦過性を向上させることができる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、または、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用いて黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピ
ロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレット19などが例示できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66などが挙げられる。
また、無機微粒子としては、磁性体を用いることができる。磁性体は、前記黒色着色剤としての機能も有する。また、磁性体を用いることによって、トナーを磁性トナーとして用いることもできる。磁性体は硬度が高く、トナーの耐久性を向上させる効果がより高いため、好ましい。すなわち、着色剤および無機微粒子の少なくとも一方は磁性体を含むことが好ましい。
無機微粒子として磁性体を用いる場合、磁性体は、四酸化三鉄やγ-酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものが好ましい。さらに、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2m2/g~30m2/gであることが好ましく、3m2/g~28m2/gであることがより好ましい。また、モース硬度が5~7のものが好ましい。磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形などの異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
なお、磁性体の個数平均粒径は、走査透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、走査透過型電子顕微鏡(STEM)において1万倍~4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の粒径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、個数平均粒径の算出を行う。また、画像解析装置により個数平均粒径を測定することも可能である。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄の芯となる種晶を生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5~10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄を成長させる。このとき、任意のpHおよび反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性体の形状および磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5以上に維持することが好ましい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
乾式にて表面処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性体にカップリング剤処理を行うことができる。湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、または酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング処理を行うことができる。
RmSiYn (I)
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1~3の整数を示し、Yはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基などの官能基を示し、nは1~3の整数を示す。但し、m+n=4である。]
表面処理に用いるカップリング剤の量は、磁性体100質量部に対して0.9~3.0質量部であることが好ましい。処理剤の量は、磁性体の表面積、カップリング剤の反応性などに応じて適宜調整することができる。
トナー粒子は、極性樹脂を含有してもよい。特に、トナー粒子の製造プロセスにおいて、水系媒体中で造粒を行う場合、極性樹脂は、水に対する親和性の違いから、水系媒体とその他の成分との界面付近に移行しやすいため、得られるトナー粒子の表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果、コア-シェル構造を有するトナー粒子を容易に得ることができる。トナー粒子がコア-シェル構造を有する場合、エステルワックスがトナーに内包されやすくなることから、エステルワックスとスチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂の相溶性がより高まり、結果として耐擦過性の高い画像を得られることから好ましい。また、トナーの耐久性や耐熱保存性がより向上するため、好ましい。
酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、および、トリメリット酸などが挙げられる。
アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどのアルキレングリコール類およびポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、および、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
極性樹脂の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.2質量部~30.0質量部であることが好ましく、2.0質量部~15.0質量部であることがより好ましい。この範囲内であれば、トナーの耐久性や耐熱保存性がより向上する。
トナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。中でも、トナー粒子を負荷電性に制御する荷電制御剤を用いることが好ましい。
具体的には、負帯電用荷電制御剤として以下のものが挙げられる。
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体;アゾ染料またはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
なお、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体としては、具体的には、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマー
の単重合体あるいは結着樹脂の項に示したビニル系モノマーと前記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などを用いることができる。
一方、正帯電用荷電制御剤としては以下のものが挙げられる。
四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物等。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して、0.01質量部~20.0質量部であることが好ましく、0.1質量部~10.0質量部であることがより好ましい。
トナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよく、必要により外添剤などを混合しトナー粒子表面に付着させることでトナーとしてもよい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子などの無機微粒子が好適に用いられる。これら無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
トナーの流出開始温度の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置フローテスタCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる(流動曲線の模式図を図1に示す)。本発明において、流出開始温度は、ピストンの降下量が減少方向に転じた時点の温度とする。
測定試料は、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:35℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:3.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300sec
ダイの穴の直径:0.5mm
ダイの長さ:1.0mm
測定装置としては、回転平板型レオメータ「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
測定試料としては、トナーを0.1g秤量し、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径7.9mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
該試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から120℃に15分間で昇温して、試料の形を整えた後、10分間かけて50℃まで冷却し、その後、30分間保持してから測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセッ
トする。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
(1)直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)は1.0Hzとする。
(3)印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4)30~150℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を 20.0% of Current Strain と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103(Pa)以上である。
極性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温(25℃)で、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
結着樹脂および極性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料10mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30~200℃の間で、昇温速度10
℃/分で測定を行う。この昇温過程で、温度40℃~100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、試料のガラス転移温度とする。
トナー中のワックスの含有量は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、まずワックス単体の吸熱量を測定する。
トナーに用いたワックスを(複数用いた場合は、トナーに用いた比率で混合したワックス)1mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。昇温速度10℃/分で0℃から150℃に昇温し、150℃にて5分間維持する。その後、冷却速度10℃/分で150℃から0℃まで冷却を行う。続いて、0℃で5分間維持したのちに、昇温速度10℃/分で0℃から150℃まで昇温する。このときのDSC曲線における吸熱ピークの吸熱量ΔH1(J/g)をワックス単体の吸熱量とする。
続いて、トナーの吸熱量を測定する。トナーを1mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。昇温速度10℃/分で0℃から150℃に昇温し、このときのDSC曲線における吸熱ピークの吸熱量ΔH2(J/g)をトナーの吸熱量とする。
上記の方法で測定したワックス単体の吸熱量とトナーの吸熱量から、下記式に従ってトナー中のワックスの含有量を測定した。
トナー中のワックスの含有量(質量%)=ΔH2/ΔH1×100
まず、エタノール中にトナーを分散させ、トナーに含まれるワックスの融点を超える温度まで昇温させる。この時、必要に応じて加圧してもよい。その後、固液分離することによりトナーからワックスを採取できる。この混合物を、公知の分取法(分取GPCなど)により分取し、ワックス中に含有される化合物を単離する。
次いで、公知の構造分析法(核磁気共鳴分光法、赤外分光法、熱分解GC/MSなど)により、単離した化合物を分析することで、トナー中のエステルワックスに含有されるエステル化合物の構造を特定することができる。
以下にトナーの製造方法について記載する。製造例中の部は特に断りがない場合、全て質量基準である。なお、以下、実施例2、3、8、9、11、17及び18は、それぞれ参考例2、3、8、9、11、17及び18とする。
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたり珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子のスラリーを得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄し、さらにイオン交換水にてリスラリーを行った。このリ
スラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して個数平均粒径が0.23μmの磁性酸化鉄を得た。
iso-ブチルトリメトキシシラン30部をイオン交換水70部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度55℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで120分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させて、シラン化合物を含有する水溶液を得た。
磁性酸化鉄100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS-2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、上記シラン化合物を含有する水溶液8.0部を2分間かけて滴下した。その後5分間混合・撹拌した。次いで、40℃で1時間乾燥し、混合物を110℃で3時間乾燥した。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通して磁性体1を得た。
<実施例1>
下記に示す方法(懸濁重合法)により、トナーを製造した。
・スチレン 72.0部
・n-ブチルアクリレート 28.0部
・1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA) 0.60部
・磁性体1 40.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 0.7部
(ボントロンE-88:オリエント化学社製)
(ガラス転移温度55℃、重量平均分子量3000)
・極性樹脂 4.0部
(テレフタル酸、トリメリット酸、ビスフェノールA-プロピレンオキシド1.5mol付加物、エチレングリコールおよびイソソルビドの重合体、酸価3.9mgKOH/g、ガラス転移温度69℃、重量平均分子量9500)
・極性樹脂 8.0部
(スチレン、メタクリル酸およびメチルメタクリレートの重合体、酸価10mgKOH/g、ガラス転移温度80℃、重量平均分子量15000)
・エチレングリコールジステアレート 15.0部
からなる重合性単量体の混合物を調製した。これに15mmのセラミックビーズを入れ、湿式アトライタ(日本コークス工業製)を用いて2時間分散して、重合性単量体組成物を得た。
備えた撹拌槽で、攪拌しながら70℃を保持して8時間重合を行うことによってトナー粒子分散液を得た。
その後、撹拌を続けながら、トナー粒子分散液が室温になるまで放冷した。トナー分散液が室温になったら、塩酸を添加し、pHを1.4以下として分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによってトナー粒子を得た。
重合性単量体の混合物に用いる材料および外添剤を、表1および表2に記載した通りに変更した他は、実施例1と同様にしてトナー2~18および比較用トナー1~8の製造を行った。
下記に示す方法(粉砕法)により、トナーを製造した。
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下で、下記材料を入れた。
・スチレン 72.0部・n-ブチルアクリレート 28.0部・1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA) 0.60部・トルエン 100部・ジt-ブチルパーオキサイド(PBD) 6.75部
前記容器内を毎分200回転で撹拌し、110℃に加熱して10時間撹拌した。さらに、140℃に加熱して6時間重合した。溶媒を留去させてスチレンアクリル樹脂Aを得た。
・スチレンアクリル樹脂A 100.0部・磁性体1 35.0部・エチレングリコールジステアレート 15.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業製)で混合した後、125℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を室温まで徐々に冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、風力分級することで、トナー粒子を作製した。得られたトナー粒子100.0質量部に、疎水性酸化チタンを0.3質量部加え、FMミキサで混合し、次に疎水性シリカを1.5質量部加え、FMミキサで混合し、外添剤を有するトナー19を得た。
下記に示す方法(粉砕法)により、トナーを製造した。
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した反応槽中に、下記材料を入れた。・テレフタル酸 100.0部・エチレングリコール 44.0部・プロピレングリコール 3.0部・ネオペンチルグリコール 49.0部・酸化ジブチル錫 3.0部
次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。温度210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、温度210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、ポリエステル樹脂Aを得た。
実施例19において、スチレンアクリル樹脂A 100.0部を用いた代わりに、スチ
レンアクリル樹脂A 60.0部およびポリエステル樹脂A 40.0部を用いたこと以外は同様にして、トナー20の製造を行った。
実施例19において、スチレンアクリル樹脂A 100.0部を用いた代わりに、スチレンアクリル樹脂A 40.0部およびポリエステル樹脂A 60.0部を用いたこと以外は同様にして、比較用トナー9の製造を行った。
レーザプリンタ(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、トナーカートリッジにトナー300gを充填した。そして、そのトナーカートリッジを常温常湿(25℃/50%RH)環境下で24時間放置し、同環境下にて横線で1%の印字率の画像を30,000枚プリントアウトした。その後、受像紙(XEROX 4200用紙、XEROX社製、レターサイズ、75g/m2)にハーフトーン(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像をプリントアウトし、現像スジの発生状況により耐久性を評価した。Cランク以上が本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:現像スジが未発生
B:現像スジが1カ所~3カ所発生
C:現像スジが4カ所~6カ所発生
D:現像スジが7カ所以上発生、あるいは、幅0.5mm以上の現像スジが発生
レーザプリンタ(LBP9600C、キヤノン社製)の定着ユニットを定着温度が調整
できるように改造し、トナーカートリッジに、トナー30gを充填した。この改造したレーザプリンタを用いて、常温常湿(25℃/50%RH)環境下にて、プロセススピ-ド300mm/secで、定着温度を5℃ずつ変更し、未定着トナー画像(トナーの載り量:0.4mg/cm2)を受像紙(HP Laser Jet90、HP社製、レターサイズ、90g/m2)に加熱加圧し、受像紙に定着画像を形成した。その後、紙製のウエス(キムワイプ S-200、日本製紙クレシア社製)用い、75g/cm2の荷重をかけて定着画像を10回こすり、こすり前後の濃度低下率が5%未満になる最低温度で耐擦過性の評価を行った。Cランク以上が本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:140℃以下
B:145℃
C:150℃
D:155℃以上
評価するトナー1.0gを50ccの樹脂製カップに秤量し、温度55℃、湿度10%RHに設定した恒温槽内に72時間静置した。その後、トナーの凝集の程度を下記の基準で評価した。Cランク以上が本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:樹脂製カップを傾けるとトナーが流動する。
B:樹脂製カップを傾けてもトナーが流動しないが、衝撃を与えるとトナーが流動する。C:樹脂製カップに衝撃を与えても一部のトナーは流動しないが、流動しないトナーは指で押すと容易にほぐれる。
D:樹脂製カップに衝撃を与えても流動しないトナーが存在し、指で押しても容易にほぐれないが、強く押すとほぐれる。
E:流動しないトナーが存在し、指で強く押してもほぐれない。
Claims (6)
- 磁性体、結着樹脂、および
エステルワックス、
を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂を含有し、
該スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂の含有量が、該結着樹脂に対して50質量%以上であり、
該エステルワックスが、炭素数2~6のジオールと炭素数14~22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物を含有し、
該エステル化合物が、エチレングリコールとステアリン酸とのエステル化合物であり、
該磁性体のトナー中の含有量が、15.0質量%~50.0質量%であり、
フローテスタにおける該トナーの流出開始温度が102.0℃~130.0℃であり、
回転平板型レオメータを用い、周波数1.0Hzで測定される粘弾性特性において、該トナーの100℃における損失正接(tanδ)が0.70~2.10であることを特徴とする、トナー。 - 前記エステル化合物の含有量が、前記結着樹脂100.0質量部に対し5.0質量部~30.0質量部である、請求項1に記載のトナー。
- 回転平板型レオメータを用い、周波数1.0Hzで測定される粘弾性特性において、前記トナーの100℃における損失正接(tanδ)が0.90~1.90である、請求項1または2に記載のトナー。
- 前記スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂が、スチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含み、
該(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が2~10である、請求項1~3のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記トナー粒子が、さらに極性樹脂を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記スチレンアクリル系共重合体部位を有する樹脂を形成する単量体のスチレン系単量体とアクリル系単量体の質量基準の比率(スチレン/アクリル比)が、40/60~78/22である、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
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