JP7123570B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
これらの光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子を含有するマーキングペン用などの水性インク組成物は、筆記描線がキラキラ輝くものであり、リッチな気分で使用されるものである。
そもそも、光輝性顔料(ラメ)は、下地が濃色のほうが、より光輝感が強いため、文字自体をキラキラ輝かさせるほうが良いものである。
図1は、本発明のペン芯の実施形態の一例を示す正面図である。
本発明のペン芯は、少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるペン芯であって、該ペン芯は、少なくとも平均粒子径100μm以上、1,000μm未満の熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結芯からなることを特徴とするものである。
本発明では、ペン芯に平均粒子径100μm以上の熱可塑性樹脂粒子を用いることにより、焼結体とした際にインク組成物が平均粒子径1μm以上の粒子、例えば、金属被覆フレーク状ガラス顔料、金属酸化物被覆フレーク状ガラス顔料、金属粉顔料、パール顔料などの粗大粒子のインク流出性が高まりものである。一方、ペン芯に平均粒子径1000μm未満の熱可塑性樹脂粒子を用いることにより、ペン先が筆記面に接触した際の筆記感触、並びに、ペン芯強度を高度に両立することができることとなる。
更に好ましくは、ペン芯に平均粒子径が200μm以上500μm以下の熱可塑性樹脂粒子を用いることが望ましい。
なお、ペン芯に用いる熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が、100μm未満であると、形成されるインク流路の幅が狭まり、ラメ粒子のような大きな粒子径のインクを排出させることができない。
なお、本発明において、「平均粒子径」とは、電子顕微鏡にて、測定した粒子の直径の平均値を意味し、電子顕微鏡に投影された画像内の20個の粒子について測定した粒子径の平均値である。粒子が円形でない場合は、気孔を形成する輪郭の任意の2点を結ぶ線分のうち、最も長い線分の長さと最も短い線分の長さを足して2で割った値を、その粒子の粒子径とする。
用いる繊維状の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリスチレン(PS),スチレン-アクリロニトリル共重合体(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種を繊維化したものが挙げられ、繊度1~30デシテックス(以下、dtexと称す)のものが好ましく、2~10dtexものがより好ましく、平均繊維長が0.1~2.0mmであるものが好ましく、平均繊維長0.3~1.0mmであるものがより好ましい。
これらの繊度の範囲(2~10dtex)、平均繊維長(0.3~2.0mm)を有する繊維状の熱可塑性樹脂を併用することにより、更に、ペン芯強度とインク流出性を更に高度に両立することができる。
具体的には、上記特性の熱可塑性樹脂粒子単独を、または上記特性の熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂とを、混練又は界面活性剤等の添加物を加えて混練し、筆記具用ペン芯の各形状に沿う型枠内で加圧成型したものを乾燥後焼成する方法、あるいは上記特性の熱可塑性樹脂粒子単独を、または上記特性の熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂とを、混練又は界面活性剤等の添加物を加えて混練し、筆記用ペン芯の各形状に沿う型に流し込み、固化させた後、乾燥、焼成する等適宜の方法が可能である。
焼成温度及び焼成時間は、筆記具用(塗布具用を含む)のペン芯の各形状、大きさ、用途、熱可塑性樹脂種などにより変動するものであるが、110~180℃の範囲で、焼成時間は、10分~10時間焼成することが好ましい。
上記特性の熱可塑性樹脂粒子(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)とを併用する場合は、(A):(B)=70~90質量%:30~10質量%であることが好ましく、更に好ましくは、80~90質量%:20~10質量%が望ましい。
上記(A)と(B)との含有割合を70~90質量%:30~10質量%とすることにより、更に本発明の効果を発揮せしめるペン芯が得られることとなる。
上記特性の熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂とを併用する場合に、特に好ましくは、熱可塑性樹脂粒子(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)は、焼結性の点から、共に同じ材質の熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂粒子(A)がポリエチレン製であれば、繊維状の熱可塑性樹脂(B)として、ポリエチレン製を用いることが望ましい。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(ペン芯の見掛け体積)×100 …(A)
用いることができる平均粒子径1μm以上の粒子としては、例えば、ガラスフレーク又は塊状フレークを母材とした上に、金属もしくは金属酸化物をコートした金属被覆フレーク状ガラス顔料や金属酸化物被覆フレーク状ガラス顔料、金属粉顔料、金属酸化物粉顔料、パール顔料などの光輝性顔料などの少なくとも1種が挙げられる。
これらの光輝性顔料などの粒子において、好ましくは、平均粒子径は1~500μmであるものが望ましく、更に好ましくは、20~50μmであるものが望ましい。
これらの平均粒子径サイズの光輝性顔料などの粒子をインク組成物中に含有することにより、十分な色相と上記特性のペン芯との相性等により、詰まりがなく、優れた流出性能を実現することができるものとなる。
これらの平均粒子径1μm以上の粒子の含有量は、筆記性能、使用特性、光輝性の描線を得るために、インク組成物全量に対して、2~30質量%、好ましくは、5~30質量%が望ましい。
この平均粒子径1μm以上の粒子の含有量が2質量%以上とすることにより、良好な使用性、光輝性のある筆記性の良好なものが得られ、一方、筆記性能、使用特性、光輝性の描線の点から30質量%以下とすることが望ましい。
マイクロカプセル顔料の平均粒子径の場合は、最大外径の平均値が、5.0μmを越える系では、毛細間隙からの流出性の低下を来し、一方、最大外径の平均値が、1.0μm未満の系では高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が、1~4μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が1~3μmの範囲が好適である。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を起こし、逆に、壁膜の可逆熱変色性組成物6cに対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、好適には、可逆熱変色性組成物/壁膜=6/1~1/1(重量比)である。
有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、グリセリン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、メチルn-プロピルケトン、メチルn-ブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ギ酸n-ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピルなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができるフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。具体的には、市販の、パーフルオロアルキルスルホン酸〔商品名「Capston FS-10」(デュポン社製)〕、パーフルオロアルキルカルボン酸〔商品名「ユニダイン101」(ダイキン工業社製)〕、パーフルオロアルキルカルボン酸塩〔商品名「サーフロンS-111」(旭硝子株式会社製)〕、パーフルオロアルキルリン酸エステル〔商品名「メガファックRSシリーズ」(DIC株式会社製)〕、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物〔商品名「サーフロンS-145」(旭硝子株式会社製)〕等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
これらのフッ素系界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対し、0.001~1.0質量%、好ましくは0.01~0.5質量%である。
これらの固着樹脂(固形分)の含有量は、固着力とインク流出性の点から、インク組成物全量に対して、好ましくは、5~50質量%、更に好ましくは、10~20質量%とすることが望ましい。
pH調整剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、リン酸カリウム、トリエタノールアミンなどの少なくとも1種が挙げられる。
インク組成物が水性マーカー用インク組成物では、好ましくは、平均粒子径1μm以上の粒子を5~30質量%、有機溶剤を3~20質量%、固着性樹脂を10~20質量%、フッ素系界面活性剤を0.01~0.5質量%、水を少なくとも含有することが好ましい。
用いるインク組成物は、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1~5mPa・s、表面張力30~60mN/m、ペン芯10からのインク流出量を30~60mg/mに設定することが好ましい。
本発明(後述する実施例等を含む)において、表面張力の測定方法は、協和界面科学社製の表面張力計測器を用い、25℃の環境下、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定によって求めることができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明のペン芯の各形状等、これらのペン芯を用いた各筆記具を詳述する。
このペン芯10の形状は、図1に示すように、全体が略コ字型形状となるものであり、インク誘導部11、11と、該インク誘導部11、11からのインクを導出する傾斜状の筆記部12とを備えたものである。
このペン芯10は、上記特性の熱可塑性樹脂粒子単独、または、上記特性の熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂とを上記焼結法により焼結し焼結体とすることにより得られるものである。
本実施形態のペン芯10は、例えば、熱可塑性樹脂粒子80質量%と繊維状の熱可塑性樹脂20質量%とを焼結することにより得られたものであり、熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂からなる焼結体が混練された構造となる。これにより、少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるペン芯において、インク流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)及び筆記感が高度に両立できるものとなる(この点については更に実施例等で詳述する)。
本発明の筆記具は、上記構成のペン芯を用いたことを特徴とするものであり、ペン芯以外の構成は、特に限定されるものではない。
図2~図6は、本発明の実施形態となる筆記具の一例を示すものであり、図1のペン芯10を用いた筆記具の部品図を含む各図面である。
図2は、図1のペン芯を保持体に装着したペン先の一例を示す各図面であり、図3は図2のペン芯を装着する保持体の一例を示す各図面であり、図4は、図1のペン芯(図2のペン先)を用いたキャップを取り付けた筆記具の一例を示す各図面であり、図5は、図4の筆記具からキャップを取り外した各図面であり、図6は、図5の筆記具のペン芯と保持体から構成されるペン先を先軸に取り付けた要部を示す各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、図4に示すように、上記構成のペン芯10と、該ペン芯10を装着する筆記方向を視認することができる可視部23を有する保持体20とを少なくとも有するペン先aを備えたことを特徴とするものである。
保持体20は、図2(a)~(j)及び図3(a)~(j)に示すように、筆記芯となるペン芯10を固定して、後述する軸体の先軸先端開口部に固着されるものであり、膨出状の本体部21と、該本体部21の前方側に、フランジ部22と、筆記方向を視認することができる可視部23とを有すると共に、可視部23の先端側にペン芯10の先端側(端面)を保持する前方保持部24a,24bとを有するものである。本実施形態では、前方保持部24a,24bの長手方向長さを異ならしめているもの、すなわち、ペン芯10の先端側(端面)を保持する長さが長い前方保持部24aと短い前方保持部24bとし、前方保持部24aの先端側の端部はペン芯10の先端側の端部と同じ位置(端部)にあり、前方保持部24bは後述するように突出量(突出長さ分)だけ短い寸法となっている。なお、上記保持体20において、ペン芯10の先端側(端面)を保持する長い前方保持部24aと短い前方保持部24bとしたが、前方保持部24aと前方保持部24bとの保持長さを同じくしてもよいものである。
また、保持体20は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
筆記部12は、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となっており、この傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、この筆記部22は、描線幅Wが太いものであり、好ましくは、描線幅Wは1mm以上、更に好ましくは、描線幅Wは2mm以上の描線幅となる筆記部が望ましい。
特に好ましい形態としては、保持体からの筆記芯の先端側の突出量Yを0.65mm以上、1.05mm以下及び筆記芯厚さtの40~65%とすることが望ましい。
この筆記具Aは、図4(d)及び図5(c)に示すように、筆記具本体となる軸体30内のインク吸蔵体40に上記組成のインク組成物を吸蔵させ、インク吸蔵体40の前端側に上記構成のペン先aを、先軸35を介して取り付け、インク吸蔵体40のインクを毛管作用により、ペン先aのペン芯10に供給する構成となっている。
後軸31は、例えば、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂を使用して有底筒状に成形され、筆記具の本体(軸体)として機能する。この後軸31は、図4(d)及び図5(c)に示すように、後端側内部にインク吸蔵体40の後端部を保持する保持片32、32…からなる保持部材33が設けられており、後軸21全体及び先軸35は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。また、後軸31の前方側に先軸35が嵌合等により固着される構造となっている。なお、上記組成のインク組成物を熱変色性インクとした場合は、熱可塑性エラストマーをキャップ頂部又は後軸31の後端部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易な軸体とすることが好適である。
先軸35は、ペン芯10を固定する保持体20の本体部21を固着する凸状の嵌合部36が設けられている。この構造の先軸35は、例えば、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂などで成形されるものである。
なお、筆記具用インクを熱変色性インクとした場合は、熱可塑性エラストマーをキャップ50の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易な摩擦体とすることができる。
なお、インク吸蔵体40の先端側内部にインク誘導部11、11の後方側端部11a、11aを挿入する凹部を形成してもよい。また、軸体30内の圧力等が増大にした際に、インク垂れ等がペン先から生じることがあるが、本実施形態の筆記具Aでは、図2に示すように、空気流通溝41b,41cを介して軸体10内と外気とを調整している。
キャップ50は、先軸35の先端側外周面に嵌合等により着脱自在に取り付けられるものである。
また、この筆記具Aは、上述の如く、ペン芯10を保持する保持体20が、視認性を有する材料で構成されているので、当該保持体20の可視部23が、筆記方向を視認できる視認部となるものであり、その方向に書いてある文字等を確実に視認することができる十分な視認性が付与することができると共に、筆記終わりまで使用可能な筆記具が提供されるものとなる。
筆記具Bのペン芯62aは、筆記部側がナイフカット状となっており、マーキングタイプのペン芯であり、筆記具Cのペン芯62bは、筆記部側等が砲弾型の形状となっている点で相違するものであり、これらのペン芯62a,62bは、上述の如く、少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるものであり、少なくとも平均粒子径100μm以上、1,000μm未満の熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結芯、例えば、上述した特性の熱可塑性樹脂粒子単独、または、上述した特性の熱可塑性樹脂粒子と繊維状の熱可塑性樹脂とを上述の焼結法により焼結し焼結体とすることにより得られるものである。以下の実施形態のペン芯も上記構成と同様であるので、その説明を省略する。
これらのペン芯62a,62bを用いた筆記具B、Cにおいても、上述の筆記具Aと同様に、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も高度に両立したペン芯62a,62bを用いた各筆記具が得られることとなる。
このペン芯72を用いた筆記具Dにおいても、上述の筆記具Aと同様に、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も高度に両立したペン芯72を用いた筆記具が得られることとなる。
このペン芯82を用いた筆記具Eにおいても、上述の筆記具Aと同様に、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も高度に両立したペン芯82を用いた筆記具が得られることとなる。
このペン芯93を用いた筆記Fにおいても、上述の筆記具Aと同様に、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も高度に両立したペン芯93を用いた筆記具が得られることとなる。
本発明の技術思想のペン芯は、少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるものであり、少なくとも平均粒子径100μm以上、1,000μm未満の熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結芯から構成されることを特徴とするものであるため、ペン芯の形状は上記実施形態の、図1に示す、インク誘導部11、11と、該インク誘導部11、11からのインクを導出する筆記部12とを備えたものに限定されず、例えば、図7~図11に沿う形状となるペン芯などであれば良く、その形状、大きさなどは特に限定されるものでない。
下記構成及び図1~図6に準拠するペン芯、筆記具、下記組成のインク組成物を使用した。ペン芯10、保持体20等の寸法、物性等は下記に示すものを使用した。
〈熱可塑性樹脂粒子〉
平均粒子径300μmのポリエチレン(高密度)製粉末(融点130℃)を用いた。
〈繊維状の熱可塑性樹脂の構成〉
繊度3dtex、長さ0.5mmのポリエチレン(高密度)製繊維(融点130℃)を用いた。
〈焼結体の製造〉
上記熱可塑性樹脂粒子を用いて、図1のペン芯10の形状に沿う型枠内で加圧成型したものを乾燥後、焼成温度130℃、焼成時間30分間焼成して、焼結体からなるペン芯10(気孔率50%)を得た。
筆記部12:W=4mm、ナイフカット状、インク誘導部:φ(t)1.6mm、突出量Y=0.85mm(tの53%)、突出量Yの反対側の突出量Y´=0.65mm(tの40%)、筆記芯幅X=1.75mm
(保持体20の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機社製、多光源分光測色計(MSC-5N)にて反射率を測定し、可視光線透過率とした。〕
ペン芯取り付け後の可視部23(四角形)の大きさ:5mm×6mm×3mm×4mm
非平滑面部28:凹凸形状:長さ2.0mm、凹凸段差:0.1mm、
インク吸蔵体:PET繊維束、気孔率85%、φ6×77mm
筆記具本体、キャップ:ポリプロピレン(PP)製
(インク組成物の組成)
インク組成物として、下記組成の筆記具用インク(合計100質量%)を使用した。
粒子:メタシャイン1030(日本板硝子社製、平均粒子径30μm) 20質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40質量%
フッ素系界面活性剤:CapstoneFS-10(デュポン社製) 0.3質量%
水溶性有機溶剤:グリセリン 10質量%
水(溶媒):イオン交換水 残分
インク粘度:(25℃:コンプレート型粘度計)3.0mPa・s
表面張力:30mN/m、ペン芯10からのインク流出量:15mg/m
筆記面とインクとの接触角:10°
比較用のペン芯として、上記平均粒子径50μmのポリエチレン(高密度)製粉末(融点130℃)を用いた焼結体からなるペン芯(気孔率40%)を製造した。
実施例1では、上記光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子を含有する水性インク組成物を蛍光ペンのように使用しても、印刷文字の上ではインクがハジいてしまうこともなく、文字自体もキラキラさせることができることが確認された。
また、文字の上に筆記したところ、筆記時に可視部23を介して向こう側の見え方を目視にて確認したところ、視認性が十分であり、見やすく、筆記方向に書いてある文字を読みながら筆記することができた。
一方、比較例1では、ラメ粒子が流出せず、光輝性のある筆跡を得ることができなかった。
上記実施例1のペン芯を下記構成の焼結体とした。
〈熱可塑性樹脂粒子〉
平均粒子径300μmのポリエチレン(高密度)製粉末(融点130℃)を用いた。
〈繊維状の熱可塑性樹脂の構成〉
繊度3dtex、平均繊維長0.5mmのポリエチレン(高密度)製繊維(融点130℃)を用いた。
〈焼結体の製造〉
上記熱可塑性樹脂粒子85質量%と繊維状の熱可塑性樹脂15質量%を混練し、図1のペン芯10の形状に沿う型枠内で加圧成型したものを乾燥後、焼成温度130℃、焼成時間30分間焼成して、焼結体からなるペン芯10(気孔率50%)を得た。
なお、比較用のペン芯(同じ形状、大きさ、気孔率)とを物理的強度であるせん断強度、折損強度を測定するせん断力測定装置、折損強度測定装置を用いて同じ条件下で比較したところ、せん断強度で約5倍、折損強度で約6倍の強度であることが確認された。
得られたペン芯10を用いた実施例1に沿う筆記具において、ペン芯の材質を変更したものであっても、上記実施例1と同様の作用効果、すなわち、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も更に高度に両立したペン芯を用いた筆記具となることを確認した。
上記実施例2において、熱可塑性樹脂粒子として、平均粒子径300μmのポリプロピレン製粉末(融点160℃)と、繊度4dtex、平均繊維長0.8mmのポリプロピレン製繊維(融点160℃)を用いた以外は、実施例2と同様にしたペン芯を得た。ただし、焼成温度155℃、焼成時間30分焼成して、焼結体からなるペン芯10(気孔率55%)を得た。
なお、比較用のペン芯(同じ形状、大きさ、気孔率)とを物理的強度であるせん断強度、折損強度を測定するせん断力測定装置、折損強度測定装置を用いて同じ条件下で比較したところ、せん断強度で約7倍、折損強度で約7倍の強度であることが確認された。
得られたペン芯10を用いた実施例1に沿う筆記具において、ペン芯の材質を変更したものであっても、上記実施例1と同様の作用効果、すなわち、光輝性顔料(ラメ)などの平均粒子径が大きい粗大粒子の流出性に優れると共に、ペン芯の強度及び筆記感も更に高度に両立したペン芯を用いた筆記具となることを確認した。
10 ペン芯
20 保持体
30 軸体
31 後軸
35 先軸
40 インク吸蔵体
50 キャップ
Claims (2)
- 少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるペン芯を有する筆記具であって、該筆記具は、少なくとも平均粒子径100μm以上、1,000μm未満の熱可塑性樹脂粒子と、10~30質量%の繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結芯からなるペン芯と、該ペン芯を装着する筆記方向を視認することができる可視部を有する保持体を少なくとも有するペン先を備え、前記インク組成物は、筆記面とインクとの接触角が45°以下となる組成のインク組成物であると共に、ペン芯の筆記部と接触する保持体の接触面部に非平滑面部を形成したことを特徴とする筆記具。
- 少なくとも平均粒子径1μm以上の粒子を含有するインク組成物に用いるペン芯を有する筆記具であって、該筆記具は、少なくとも平均粒子径100μm以上、1,000μm未満の熱可塑性樹脂粒子と、10~30質量%の繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結芯からなるペン芯と、該ペン芯を装着する筆記方向を視認することができる可視部を有する保持体を少なくとも有するペン先を備え、前記インク組成物は、筆記面とインクとの接触角が45°以下となる組成のインク組成物であると共に、前記インク組成物をインク吸蔵体に吸蔵させたノック式であることを特徴とする筆記具。
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