以下、本発明の実施の形態(以降、「本実施形態」と表す。)について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、人事システムや協業者管理簿等、ユーザ情報を管理しているシステムや装置、電子ファイル、台帳等を「源泉」と表し、複数の異なる源泉に記録されているユーザ情報の名寄せを行うことが可能なユーザ情報管理システム1について説明する。
なお、源泉の具体例としては、上述したように、例えば、正社員等のユーザ情報(社員情報等)を管理している人事システム、或る部署が管轄する業務を遂行する協業者のユーザ情報が電子ファイル又は紙等に記録された協業者管理簿、電子ファイルである協業者管理簿を格納している(又は当該協業者管理簿にアクセス可能な)PC等の端末等が挙げられる。協業者管理簿が電子ファイルである場合、当該協業者管理簿は、例えば、Microsoft(登録商標) Excel(登録商標)やMicrosoft Access等を用いて実現されることが多い。
以降では、協業者管理簿は、電子ファイルの形式で、PC等の端末に格納(又は、端末がアクセス可能な記憶装置等に格納)されているものとする。協業者管理簿が紙の台帳等である場合には、例えば部署の台帳管理者等によって、この台帳を電子ファイルに記録した上で、PC(パーソナルコンピュータ)等の端末に格納されれば良い。
また、正社員等とは、社員番号等の識別情報(キーとなる情報。このキーは源泉で管理されているユーザ情報のキーであることから、以降、「源泉キー」とも表す。)が付与され、例えば人事システム等でユーザ情報が管理される者(例えば、正社員や契約社員等)のことである。一方で、協業者とは、例えば部署毎の協業者管理簿でユーザ情報が管理され、正社員等以外の者で、当該企業で何等かの業務を遂行する者(例えば、派遣社員やパート、アルバイト、協力会社の社員等)のことである。
ここで、協業者管理簿は、例えば部署毎(又は、課毎や班毎、チーム毎等であっても良い。)に管理されるため、ユーザ情報の源泉キーは、当該部署毎に異なる場合がある。例えば、或る部署Aではユーザ情報の源泉キーとして「メールアドレス」を用いており、別の或る部署Bではユーザ情報の源泉キーとして「氏名」を用いているような場合が有り得る。また、例えば、別の或る部署Cでは、ユーザ情報のキー情報として「氏名」+「部署名」のように、複数の項目を用いているような場合も有り得る。
<ユーザ情報管理システム1の全体構成>
まず、本実施形態に係るユーザ情報管理システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るユーザ情報管理システム1の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係るユーザ情報管理システム1には、ユーザ情報管理装置10と、1以上の人事システム20と、1以上の端末30と、1以上の業務システム40とが含まれる。ユーザ情報管理装置10と、人事システム20及び端末30とは、ネットワークを介して通信可能に接続される。また、ユーザ情報管理装置10と、業務システム40とは、ネットワークを介して通信可能に接続される。
人事システム20は、源泉の一例であり、ユーザ情報の一例である社員情報を管理している。ユーザ情報(社員情報)には、当該ユーザ情報の源泉キーとして、例えば社員番号が含まれる。また、ユーザ情報(社員情報)には、例えば、氏名や性別等が含まれる。これら以外にも、ユーザ情報(社員情報)には、例えば、所属部署やメールアドレス、電話番号(内線番号や外線番号)、カナ氏名等の各種属性情報が含まれていても良い。
なお、ユーザ情報管理システム1には、複数の人事システム20が含まれていても良い。例えば、或る企業が親会社と子会社とで構成され、それぞれの会社が異なる人事システム20を利用している場合、ユーザ情報管理システム1には、親会社が利用する人事システム20と、子会社が利用する人事システム20とが含まれていても良い。この場合、親会社が利用する人事システム20と、子会社が利用する人事システム20とは異なる源泉となる。
端末30は、源泉の一例である協業者管理簿を格納している(又は当該協業者管理簿にアクセス可能な)PC等である。協業者管理簿では、協業者のユーザ情報が管理されている。協業者のユーザ情報には、例えば、当該協業者管理簿を管理する部署等で明示的又は黙示的に決定された源泉キーが含まれる。このような源泉キーは、例えば、「氏名」や「メールアドレス」、内線番号であっても良いし、当該部署等が独自に採番した番号等であっても良い。なお、端末30は、PCに限られず、例えば、タブレット端末やスマートフォン等であっても良い。
ここで、協業者管理簿が部署毎に管理されている場合、例えば、部署Aで管理されている協業者管理簿、部署Bで管理されている協業者管理簿等、複数の協業者管理簿が存在する。この場合、部署毎に、当該部署で管理されている協業者管理簿を格納している(又は当該協業者管理簿にアクセス可能な)端末30が存在する。
本実施形態に係る人事システム20は、当該人事システム20が管理している各ユーザ情報(社員情報)のCSV(Comma-Separated Values)データを源泉情報データとしてユーザ情報管理装置10に送信する。また、本実施形態に係る端末30は、協業者管理簿で管理されている各ユーザ情報のCSVデータを源泉情報データとしてユーザ情報管理装置10に送信する。ここで、各ユーザ情報のCSVデータとは、ユーザ情報毎に、当該ユーザ情報に含まれるデータ項目(例えば、「氏名」や「メールアドレス」、「所属部署」等の各属性情報の項目)をカンマで区切った形式のデータである。源泉情報データを構成する各源泉情報は、それぞれ、人事システム20で管理されていたユーザ情報や協業者管理簿で管理されていたユーザ情報に相当する。
ただし、源泉情報データは、CSVデータに限られず、任意のデータ形式(例えば、各ユーザ情報のTSV(Tab Separated Values)データ等)であっても良い。
業務システム40は、例えば基幹システムや会計システム、文書管理システム等であり、ユーザによって利用者IDを用いて利用される。業務システム40は、当該企業のオンプレミスシステムとして設置されていても良いし、外部の業者等によって提供されるクラウドサービスにより実現されても良い。なお、図1には、便宜上、1つの業務システム40が図示されているが、一般に、複数の業務システム40がユーザ情報管理システム1に含まれる。
業務システム40は、当該業務システム40の利用に用いられる利用者IDを管理しており、これらの利用者IDのそれぞれを含む情報(以降、この情報を「ID管理情報」とも表す。)で構成されるID管理情報データをユーザ情報管理装置10に送信する。ID管理情報データを構成するID管理情報には、業務システム40を識別するシステムIDと、当該業務システム40を利用するための利用者IDと、当該利用者IDが付与されているユーザの属性情報とが含まれる。
ユーザ情報管理装置10は、各源泉の源泉情報データを入力として、源泉毎に、これらの源泉情報データをユーザ情報管理装置10上で管理するための源泉管理情報データを作成する。そして、ユーザ情報管理装置10は、各源泉の源泉管理情報データから、利用者IDの名寄せに用いられるマスタユーザ情報データを作成する。
また、ユーザ情報管理装置10は、マスタユーザ情報データ上で同一ユーザのマスタユーザ情報を特定すると共に同一ユーザのマスタユーザ情報をマージした上で、源泉情報データに含まれる源泉情報とマスタユーザ情報との対応関係を更新する。これにより、複数の異なる源泉に記録されているユーザ情報の名寄せが行われる。ユーザ情報の名寄せが行われることで、複数の源泉で分散して管理されている同一ユーザのユーザ情報が対応付けられるため、複数の源泉間に跨って利用者IDの名寄せを行うことができるようになる。
ここで、本実施形態に係るユーザ情報管理装置10は、機能部として、ユーザ情報管理処理部101を有する。ユーザ情報管理処理部101は、ユーザ情報管理装置10にインストールされた1以上のプログラムがCPU(Central Processing Unit)等に実行させる処理により実現される。
また、本実施形態に係るユーザ情報管理装置10は、記憶部として、源泉管理情報データ記憶部102と、マスタユーザ情報データ記憶部103と、ID管理情報データ記憶部104と、ID所有情報データ記憶部105とを有する。これらの各記憶部は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を用いて実現可能である。なお、これらの各記憶部のうちの少なくとも1つの記憶部が、ユーザ情報管理装置10とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
源泉管理情報データ記憶部102は、源泉毎に源泉管理情報データを記憶する。マスタユーザ情報データ記憶部103は、マスタユーザ情報データを記憶する。ID管理情報データ記憶部104は、ID管理情報データを記憶する。ID所有情報データ記憶部105は、ID所有情報データを記憶する。ID所有情報データとは、マスタユーザ情報とID管理情報との対応付けを示すID所有情報(つまり、ID所有情報は、どのユーザがどの利用者IDを所有しているかを示す情報である。)によって構成されるデータである。
ユーザ情報管理処理部101は、ユーザ情報の名寄せと利用者IDの名寄せとを実現するための処理を行う。ここで、ユーザ情報管理処理部101には、入力部111と、源泉管理情報データ作成部112と、マスタユーザ情報データ作成部113と、突合部114と、ID所有情報データ作成部115と、UI提供部116とが含まれる。
入力部111は、人事システム20や端末30から送信された源泉情報データを入力する。ここで、源泉情報データを構成する各源泉情報には、当該源泉情報(ユーザ情報)の源泉キーと、当該源泉情報の属性情報とが含まれる。なお、人事システム20からは、例えば、所定の時間毎や所定のタイミング等で源泉情報データがユーザ情報管理装置10に送信される。一方で、端末30からは、例えば、当該端末30が操作されることで源泉情報データがユーザ情報管理装置10に送信される。
源泉管理情報データ作成部112は、入力部111が源泉情報データを入力すると、源泉毎に源泉管理情報データを構成する源泉管理情報を作成又は更新する。源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報は、源泉情報データを構成する各源泉情報に対して、ユーザ(より正確には、マスタユーザ情報が示すユーザ)を一意に識別するためのキー(以降、「ユーザキー」と表す。)を付与した情報である。ただし、源泉管理情報の作成時にはユーザキーにはブランク(又はNULL値)等が設定され、後述するマスタユーザ情報が作成された後に、マスタユーザ情報データ作成部113で生成されたユーザキーで、当該源泉管理情報のユーザキーが更新される。ここで、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報には、源泉キーと、属性情報と、ユーザキーとが含まれる。
マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉管理情報データを用いて、マスタユーザ情報データを構成するマスタユーザ情報を作成又は更新する。マスタユーザ情報データ作成部113は、マスタユーザ情報の作成時には、ユーザキーを生成した上で、当該ユーザキーが含まれるマスタユーザ情報を作成する。
また、マスタユーザ情報データ作成部113は、突合部114による突合結果に基づいて、同一ユーザのマスタユーザ情報をマージする。
マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報にはユーザキーが含まれ、このユーザキーによって源泉管理情報及びID所有情報と対応付けられる。これにより、異なる源泉の同一ユーザの源泉管理情報がユーザキーを介して対応付けられると共に、源泉管理情報とID所有情報とがユーザキーを介して対応付けられる。ここで、マスタユーザ情報には、ユーザキーと、当該マスタユーザ情報の基となった源泉管理情報の源泉名と、当該源泉管理情報の源泉キーと、当該源泉管理情報の属性情報とが含まれる。
突合部114は、複数のマスタユーザ情報に含まれる属性情報同士を所定の条件で突合する。これにより、所定の条件を満たす場合に、複数のマスタユーザ情報の中から同一ユーザのマスタユーザ情報が特定される。
また、突合部114は、マスタユーザ情報に含まれる属性情報とID管理情報に含まれる属性情報とを所定の条件で突合する。これにより、所定の条件を満たす場合に、ID管理情報に対応するID所有情報が作成され、当該マスタユーザ情報と当該ID所有情報とが対応付けられる。
ID所有情報データ作成部115は、突合部114による突合結果に応じて、ID所有情報データを構成するID所有情報を作成又は更新する。
UI提供部116は、端末30に対して所定のUI(ユーザインタフェース)画面を提供する。このようなUI画面としては、例えば、更新後の源泉情報データを入力部111が入力し、この更新後の源泉情報データに新たな源泉キー(つまり、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている各源泉管理情報に含まれない源泉キー)が含まれる場合に、この新たな源泉キーの源泉情報の扱いを端末30の操作者に問い合わせるためのUI画面等が挙げられる。
なお、図1に示すユーザ情報管理システム1の構成は一例であって、他の構成であっても良い。例えば、図1に示す例ではユーザ情報管理装置10が1台の装置(コンピュータ)で構成されているが、ユーザ情報管理装置10は複数台の装置(コンピュータ)で構成されていても良い。
<実施例>
以降では、一例として、「源泉1」と「源泉2」との2つの源泉が存在し、これらの2つの源泉から源泉情報データを入力するものとして、ユーザ情報の名寄せと利用者IDの名寄せとを行う場合について説明する。
≪源泉1の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映≫
まず、源泉1の源泉情報データを初回に入力した場合に、この入力からマスタユーザ情報データへ反映(つまり、マスタユーザ情報を作成)するまでの流れについて、図2を参照しながら説明する。図2は、源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映までの流れの一例を説明するための図(その1)である。
S11-1)入力部111は、源泉1(例えば、人事システム20や端末30等。以降では、源泉1は、部署Aの端末30とする。)から送信された源泉情報データを入力する。ここで、一例として、源泉1の源泉情報データは、5つの源泉情報で構成されており、源泉キー「1」の属性情報は「A」、源泉キー「2」の属性情報は「B」、源泉キー「3」の属性情報は「C」、源泉キー「4」の属性情報は「D」、及び源泉キー「5」の属性情報は「E」であるものとする。
なお、便宜上、源泉キーを「1」~「5」と表しているが、源泉キーは任意の情報や任意の情報の組み合わせであっても良い。例えば、上述したように、源泉キーとして、「メールアドレス」や「氏名」等の情報を用いても良いし、それらの組み合わせ(例えば、「メールアドレス」+「氏名」等)を用いても良い。同様に、便宜上、属性情報を「A」~「E」と表しているが、属性情報には任意の1以上の情報(例えば、「氏名」、「メールアドレス」、「部署」、「カナ氏名」、「電話番号」等)が含まれる。
S12-1)次に、源泉管理情報データ作成部112は、源泉1の源泉情報データを構成する各源泉情報から各源泉管理情報をそれぞれ作成する。このとき、上述したように、各源泉管理情報には、ユーザキーとしてブランク(又はNULL値)等が設定される。なお、各源泉管理情報にユーザキー自体が設定されなくても良い。
そして、源泉管理情報データ作成部112は、これらの源泉管理情報で構成される源泉管理情報データを、源泉1の源泉管理情報データとして源泉管理情報データ記憶部102に格納する。
なお、源泉管理情報の属性情報は源泉間で統一的な項目で構成されている一方で、源泉情報の属性情報は、源泉毎に異なる項目で構成されている場合がある。例えば、源泉1の源泉情報の属性情報は「氏名」と「メールアドレス」とで構成されている一方で、源泉2の源泉情報の属性情報は「氏」と「名」と「メールアドレス」と「電話番号」とで構成されている、等である。この場合、源泉情報から源泉管理情報を作成する際に、源泉管理情報データ作成部112は、源泉に応じて、当該源泉の源泉情報の属性情報に含まれる各項目を、源泉管理情報の属性情報に含まれる所定の項目にマッピングすれば良い。これにより、例えば、源泉1の源泉情報の属性情報「氏名」と、源泉2の源泉情報の属性情報「氏」及び「名」とを、源泉管理情報の属性情報の同一項目にマッピングすることができるようになる。
S13-1)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉1の源泉管理情報データの各源泉管理情報からマスタユーザ情報を作成する。すなわち、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉管理情報毎に、ユーザキーを生成した上で、このユーザキーと、当該源泉管理情報の源泉キー及び属性情報と、源泉名とが含まれるマスタユーザ情報を作成する。例えば、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉キー「1」の源泉管理情報を用いて、ユーザキー「user01」を生成した上で、このユーザキー「user01」と、源泉名「源泉1」と、源泉キー「1」と、属性情報「A」とが含まれるマスタユーザ情報を作成する。また、このとき、源泉管理情報データ作成部112は、当該ユーザキー「user01」で、源泉キー「1」の源泉管理情報のユーザキーを更新する。
源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報についても同様に、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user02」~「user05」をそれぞれ生成した上で、これらのユーザキーと、これらの源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報の源泉キー及び属性情報と、源泉名とがそれぞれ含まれるマスタユーザ情報を作成する。また、このとき、同様に、源泉管理情報データ作成部112は、当該ユーザキー「user02」~「user05」のそれぞれで、源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報のユーザキーをそれぞれ更新する。
そして、マスタユーザ情報データ作成部113は、作成したマスタユーザ情報を、マスタユーザ情報データ記憶部103に記憶されているマスタユーザ情報データに反映する。これにより、源泉1の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報にそれぞれ対応するマスタユーザ情報がマスタユーザ情報データに反映される。
≪源泉1のマスタユーザ情報の作成後、ID所有情報データへの反映≫
次に、上記の図2で作成されたマスタユーザ情報に対応するID所有情報をID所有情報データへ反映(つまり、ID所有情報を作成)することで、利用者IDの名寄せを行う場合の流れについて、図3を参照しながら説明する。図3は、ID所有情報データへの反映の流れの一例を説明するための図(その1)である。なお、ID管理情報データ記憶部104には、各業務システム40から収集されたID管理情報データが記憶されているものとする。
S21-1)まず、突合部114は、マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報(つまり、源泉名「源泉1」の各マスタユーザ情報)の属性情報と、ID管理情報データを構成する各ID管理情報の属性情報とを所定の条件で突合する。
ここで、所定の条件は、例えばユーザ情報管理装置10の管理者や運用者又は端末30の操作者等が任意に設定することができる。所定の条件としては、例えば、マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「氏名」と、ID管理情報の属性情報に含まれる「氏名」とが一致すること等が挙げられる。これ以外にも、所定の条件としては、例えば、マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「メールアドレス」と、ID管理情報の属性情報に含まれる「氏名」及び「メールアドレス」の組み合わせとが一致することであっても良いし、マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「氏名」及び「メールアドレス」の組み合わせと、ID管理情報の属性情報に含まれる「メールアドレス」とが一致すること等であっても良い。
このように、上記の所定の条件としては、マスタユーザ情報の属性情報に含まれる1以上の任意の情報と、ID管理情報の属性情報に含まれる1以上の任意の情報とを比較するための条件を設定することができる。また、この比較条件としても、「一致」だけでなく、「部分一致」、「不一致」等であっても良い。なお、上記の所定の条件は、例えば、テーブル形式で予めユーザ情報管理装置10が保持しており、端末30の操作者等が、このテーブルから所望の条件(又は所望の条件の組み合わせ)を選択することで設定されても良い。
S22-1)次に、ID所有情報データ作成部115は、突合部114による突合結果に応じて、源泉1のマスタユーザ情報(つまり、源泉名「源泉1」が含まれるマスタユーザ情報)及びID管理情報に対応するID所有情報を作成する。すなわち、ID所有情報データ作成部115は、源泉1のマスタユーザ情報とID管理情報との突合結果が所定の条件を満たすものである場合、当該マスタユーザ情報及び当該ID管理情報に対応するID所有情報を作成する。例えば、ユーザキー「user01」のマスタユーザ情報と、システムID「sys01」及び利用者ID「ID04」のID管理情報との突合結果が所定の条件を満たすものである場合、ID所有情報データ作成部115は、ユーザキー「user01」、システムID「sys01」及び利用者ID「ID04」としてID所有情報を作成する。より具体的には、ユーザキー「user01」のマスタユーザ情報と各ID管理情報とを順に突合していき、当該マスタユーザ情報に含まれる属性情報「A」と、システムID「sys01」及び利用者ID「ID04」のID管理情報に含まれる属性情報「d」とを突合した結果が所定の条件(例えば、「氏名」が一致している、「メールアドレス」が一致している、これらの組み合わせが一致している等の予め設定された条件)を満たしている場合、ID所有情報データ作成部115は、ユーザキー「user01」、システムID「sys01」及び利用者ID「ID04」としてID所有情報を作成する。なお、ユーザキー「user02」~「user05」のマスタユーザ情報についても同様である。
そして、ID所有情報データ作成部115は、作成したID所有情報を、ID所有情報データ記憶部105に記憶されているID所有情報データに反映する。これにより、ID所有情報を介して源泉1の各マスタユーザ情報がID管理情報と対応付けられ、源泉1のユーザ情報の名寄せが行われる。
なお、上記のS22-1では、突合部114による突合結果が所定の条件を満たす場合、マスタユーザ情報及びID管理情報に対応するID所有情報を作成したが、或る条件を満たす場合は、名寄せ候補として端末30の操作者等に通知しても良い。例えば、突合結果が第1の条件を満たす場合にはID所有情報を作成する一方で、突合結果が第1の条件を満たさないものの第2の条件を満たす場合には、名寄せの候補として、該当のマスタユーザ情報(又はこのマスタユーザ情報に対応する源泉管理情報)と該当のID管理情報とを端末30の操作者等に通知する。そして、この通知に対して操作者等が「名寄せ確定」を示す操作を端末30で行った場合に、当該マスタユーザ情報及び当該ID管理情報に対応するID所有情報を作成するようにしても良い。
≪源泉2の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データのへの反映≫
次に、源泉2の源泉情報データを初回に入力した場合に、この入力からマスタユーザ情報データへ反映(つまり、マスタユーザ情報を作成)するまでの流れについて、図4を参照しながら説明する。図4は、源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映までの流れの一例を説明するための図(その2)である。
S11-2)入力部111は、源泉2(例えば、人事システム20や端末30等。以降では、源泉2は、部署Bの端末30とする。)から送信された源泉情報データを入力する。ここで、一例として、源泉2の源泉情報データは、5つの源泉情報で構成されており、源泉キー「1」の属性情報は「F」、源泉キー「2」の属性情報は「G」、源泉キー「3」の属性情報は「H」、源泉キー「4」の属性情報は「I」、及び源泉キー「5」の属性情報は「J」であるものとする。
なお、便宜上、源泉キーを「1」~「5」と表しているが、上述したように、源泉キーは任意の情報や任意の情報の組み合わせであっても良い。同様に、便宜上、属性情報を「F」~「J」と表しているが、上述したように、属性情報には任意の1以上の情報が含まれる。
S12-2)次に、源泉管理情報データ作成部112は、源泉2の源泉情報データを構成する各源泉情報から各源泉管理情報をそれぞれ作成する。このとき、上述したように、各源泉管理情報には、ユーザキーとしてブランク(又はNULL値)等が設定される。なお、各源泉管理情報にユーザキー自体が設定されなくても良い。
そして、源泉管理情報データ作成部112は、これらの源泉管理情報で構成される源泉管理情報データを、源泉2の源泉管理情報データとして源泉管理情報データ記憶部102に格納する。
なお、上述したように、源泉情報から源泉管理情報を作成する際に、源泉管理情報データ作成部112は、源泉に応じて、当該源泉の源泉情報の属性情報に含まれる各項目を、源泉管理情報の属性情報に含まれる所定の項目にマッピングしても良い。
S13-2)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉2の源泉管理情報データの各源泉管理情報からマスタユーザ情報を作成する。すなわち、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉管理情報毎に、ユーザキーを生成した上で、このユーザキーと、当該源泉管理情報の源泉キー及び属性情報と、源泉名とが含まれるマスタユーザ情報を作成する。例えば、マスタユーザ情報データ作成部113は、源泉キー「1」の源泉管理情報を用いて、ユーザキー「user06」を生成した上で、このユーザキー「user06」と、源泉名「源泉2」と、源泉キー「1」と、属性情報「F」とが含まれるマスタユーザ情報を作成する。また、このとき、源泉管理情報データ作成部112は、当該ユーザキー「user06」で、源泉キー「1」の源泉管理情報のユーザキーを更新する。
源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報についても同様に、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user07」~「user10」をそれぞれ生成した上で、これらのユーザキーと、これらの源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報の源泉キー及び属性情報と、源泉名とがそれぞれ含まれるマスタユーザ情報を作成する。また、このとき、同様に、源泉管理情報データ作成部112は、当該ユーザキー「user07」~「user10」のそれぞれで、源泉キー「2」~「5」の源泉管理情報のユーザキーをそれぞれ更新する。
そして、マスタユーザ情報データ作成部113は、作成したマスタユーザ情報を、マスタユーザ情報データ記憶部103に記憶されているマスタユーザ情報データに反映する。これにより、源泉2の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報にそれぞれ対応するマスタユーザ情報がマスタユーザ情報データに反映される。
このように、複数の源泉から得られたユーザ情報(本実施例の場合は源泉1から得られたユーザ情報(源泉管理情報)と源泉2から得られたユーザ情報(源泉管理情報))をマスタユーザ情報として、これらのマスタユーザ情報によってマスタユーザ情報データが構成される。
≪源泉2のマスタユーザ情報の作成後、ID所有情報データへの反映≫
次に、上記の図4で作成されたマスタユーザ情報に対応するID所有情報をID所有情報データへ反映(つまり、ID所有情報を作成)することで、利用者IDの名寄せを行う場合の流れについて、図5を参照しながら説明する。図5は、ID所有情報データへの反映の流れの一例を説明するための図(その2)である。なお、上述したように、ID管理情報データ記憶部104には、各業務システム40から収集されたID管理情報データが記憶されているものとする。
S21-2)まず、突合部114は、マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報のうち、源泉名「源泉2」のマスタユーザ情報の属性情報と、ID管理情報データを構成する各ID管理情報の属性情報とを所定の条件で突合する。ここで、所定の条件としては、上記のS21-2で用いた条件と同じものを利用すれば良い。
S22-2)次に、ID所有情報データ作成部115は、突合部114による突合結果に応じて、源泉2のマスタユーザ情報(つまり、源泉名「源泉2」が含まれるマスタユーザ情報)及びID管理情報に対応するID所有情報を作成する。すなわち、ID所有情報データ作成部115は、源泉2のマスタユーザ情報とID管理情報との突合結果が所定の条件を満たすものである場合、当該マスタユーザ情報及び当該ID管理情報に対応するID所有情報を作成する。例えば、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報と、システムID「sys01」及び利用者ID「ID06」のID管理情報との突合結果が所定の条件を満たすものである場合、ID所有情報データ作成部115は、ユーザキー「user06」、システムID「sys01」及び利用者ID「ID06」としてID所有情報を作成する。より具体的には、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報と各ID管理情報とを順に突合していき、当該マスタユーザ情報に含まれる属性情報「F」と、システムID「sys01」及び利用者ID「ID06」のID管理情報に含まれる属性情報「f」とを突合した結果が所定の条件(例えば、「氏名」が一致している、「メールアドレス」が一致している、これらの組み合わせが一致している等の予め設定された条件)を満たしている場合、ID所有情報データ作成部115は、ユーザキー「user06」、システムID「sys01」及び利用者ID「ID06」としてID所有情報を作成する。なお、ユーザキー「user07」~「user10」のマスタユーザ情報についても同様である。
そして、ID所有情報データ作成部115は、作成したID所有情報を、ID所有情報データ記憶部105に記憶されているID所有情報データに反映する。これにより、ID所有情報を介して源泉2の各マスタユーザ情報がID管理情報と対応付けられ、源泉2のユーザ情報の名寄せが行われる。
なお、上記のS22-2では、突合部114による突合結果が所定の条件を満たす場合、マスタユーザ情報及びID管理情報に対応するID所有情報を作成したが、上記のS22-1と同様に、或る条件を満たす場合は、名寄せ候補として端末30の操作者等に通知しても良い。
≪マスタユーザ情報のマージ≫
次に、マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報の中に同一ユーザのマスタユーザ情報が存在するものとして、これら同一ユーザのマスタユーザ情報をマージする場合の流れについて、図6を参照しながら説明する。図6は、マスタユーザ情報データにおけるマスタユーザ情報のマージの流れの一例を説明するための図である。以降のS31は、例えば、所定の時間毎や予め設定されたタイミング等に開始されれば良い。
S31)まず、突合部114は、マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報間で、属性情報同士を所定の条件で突合する。そして、マスタユーザ情報データ作成部113は、突合部114による突合結果に応じて、同一ユーザのマスタユーザ情報を特定する。
ここで、所定の条件は、例えばユーザ情報管理装置10の管理者や運用者又は端末30の操作者等が任意に設定することができる。所定の条件としては、例えば、各マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「氏名」同士が一致すること等が挙げられる。これ以外にも、所定の条件としては、例えば、各マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「メールアドレス」同士が一致することであっても良いし、各マスタユーザ情報の属性情報に含まれる「氏名」及び「メールアドレス」の組み合わせ同士が一致することであっても良い。
このように、上記の所定の条件としては、マスタユーザ情報の属性情報に含まれる1以上の任意の情報同士を比較するための条件を設定することができる。また、この比較条件としても、「一致」だけでなく、「部分一致」、「不一致」等であっても良い。
以降では、ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報とユーザキー「user08」のマスタユーザ情報とが同一ユーザのマスタユーザ情報と特定されたものとして説明を続ける。なお、上記の突合結果によっては、同一ユーザのマスタユーザ情報が特定されない場合も有り得る。
また、以降では、ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報とユーザキー「user08」のマスタユーザ情報とのうち、ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報を主情報とする。後述するように、同一ユーザのマスタユーザ情報のうち、主情報のマスタユーザ情報のみが残り、主情報でないマスタユーザ情報は削除される。なお、同一ユーザの複数のマスタユーザ情報のうち、いずれのマスタユーザ情報を主情報とするかは任意に決定することができる。例えば、ユーザキーが小さい方のマスタユーザ情報を主情報とする等が挙げられる。
S32)次に、源泉管理情報データ作成部112は、各源泉の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報のうち、ユーザキーが「user08」である源泉管理情報について、ユーザキーを「user03」に更新する。本実施例の場合、源泉管理情報データ作成部112は、源泉2の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報のうち、ユーザキーが「user03」の源泉管理情報について、当該源泉管理情報のユーザキーを「user08」から「user03」に更新する。これにより、当該源泉管理情報は、ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報と対応付けられることになる。
S33)次に、ID所有情報データ作成部115は、ID所有情報データを構成する各ID所有情報のうち、ユーザキーが「user08」であるID所有情報について、ユーザキーを「user03」に更新する。これにより、ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報と、ユーザキー「user03」のID所有情報とが対応付けられることになる(したがって、ユーザキー「user03」の源泉管理情報と、ユーザキー「user03」のID所有情報とが対応付けられることにもなる。)。
S34)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、上記のS31で特定された同一ユーザのマスタユーザ情報のうち、主情報であないマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データから削除する。本実施例の場合、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user008」のマスタユーザ情報を削除する。
以上により、同一ユーザのマスタユーザ情報が、主情報のマスタユーザ情報(ユーザキー「user03」のマスタユーザ情報)にマージされる。これにより、異なる複数の源泉間で同一ユーザのユーザ情報(源泉情報)が存在する場合であっても、これらを異なる複数の源泉間で互いに対応付けることができると共に、ID所有情報も同一ユーザのものとして互いに対応付けることができるようになる。なお、上記のS32~SS4は順不同である。
≪更新後の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映(その1)≫
次に、マスタユーザ情報データが作成された後に源泉情報データが更新され、この更新後の源泉情報データが入力された場合に、この入力からマスタユーザ情報データへ反映(つまり、マスタユーザ情報の更新)するまでの1つの方法の流れについて、図7を参照しながら説明する。図7は、更新後の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映までの流れの一例を説明するための図(その1)である。図7では、一例として、源泉1の更新後の源泉情報データが入力される場合について説明する。
S41)入力部111は、源泉1から送信された更新後の源泉情報データを入力する。ここで、一例として、源泉1の更新後の源泉情報データは、5つの源泉情報で構成されており、源泉キー「3」の属性情報は「C´」、源泉キー「4」の属性情報は「D」、源泉キー「5」の属性情報は「E」、源泉キー「6」の属性情報は「L」、及び源泉キー「7」の属性情報は「M」であるものとする。すなわち、源泉キー「4」及び「5」の源泉情報が源泉情報データの更新前後で共通しており、源泉キー「3」の源泉情報は源泉情報データの更新前後で属性情報が「C」から「C´」に変更となっており、源泉キー「1」及び「2」の源泉情報が更新前の源泉情報データから削除され、源泉キー「3」、「6」及び「7」の源泉情報が更新前の源泉情報データから追加されているものとする。
S42)UI提供部116は、上記の更新後の源泉情報データの入力元の端末30に対して、更新前の源泉情報データから追加されている源泉キー(つまり、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉1の源泉管理情報データの各源泉管理情報に含まれない源泉キー)の扱いを当該端末30の操作者に問い合わせるためのUI画面を表示させる。本実施例の場合、UI提供部116は、源泉キー「6」の源泉情報と源泉キー「7」の源泉情報との扱いを当該端末30の操作者に問い合わせるためのUI画面を表示させる。
S43)当該端末30の操作者は、上記のS42のUI画面において何等かの回答を入力する。そして、当該端末30は、この入力を受け付けて、回答内容を示す情報をユーザ情報管理装置10に送信する。ここで、以降では、当該端末30の操作者は、当該UI画面において、以下の回答内容を入力したものとする。
(1)源泉キー「6」の源泉情報は、新規に追加されたユーザ情報(つまり、例えば、部署等に新規に配属等されたユーザを示すユーザ情報)
(2)源泉キー「7」の源泉情報は、源泉キー「1」の源泉情報が更新されたもの(つまり、例えば、結婚により「氏」や「メールアドレス」が変更になったこと等によって源泉キーが変更した場合等)
また、当該端末30の操作者は、上記の回答内容に加えて、以下の回答内容も入力したものとする。
(3)同一ユーザキーの源泉管理情報が源泉1の源泉管理情報データから削除され、かつ、源泉1のみに対応付けられているマスタユーザ情報を削除
S44)次に、源泉管理情報データ作成部112は、更新後の源泉情報データと、上記のS43で端末30から送信された回答内容とに基づいて、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉1の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報を更新する。
本実施例の場合、上記の回答内容(1)により、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「6」の源泉情報から源泉管理情報を作成した上で、この源泉管理情報を源泉管理情報データに反映(追加)する。また、上記の回答内容(2)により、源泉管理情報データ作成部112は、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報のうち、源泉キー「1」の源泉管理情報について、当該源泉管理情報の源泉キーを「1」から「7」に更新すると共に、属性情報を「A」から「M」に更新する。
更に、源泉管理情報データ作成部112は、源泉情報データの更新前後で属性情報のみが変更なっている源泉情報について、当該源泉情報の属性情報を更新すると共に、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報のうち、更新後の源泉情報データを構成する各源泉情報の源泉キーに含まれない源泉キーの源泉管理情報を削除する。本実施例の場合、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「3」の源泉情報の属性情報を「C」から「C´」に更新すると共に、源泉キー「2」の源泉管理情報を削除する。
このように、図7では、更新後の源泉情報データが入力された場合、この更新後の源泉情報データと、端末30の操作者による回答内容とに基づいて、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉管理情報データが更新される。
S45)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、上記のS44で更新された源泉管理情報データの各源泉管理情報を、マスタユーザ情報データ記憶部103に記憶されているマスタユーザ情報データに反映する。すなわち、マスタユーザ情報データ作成部113は、更新後の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報で、マスタユーザ情報データに含まれるマスタユーザ情報のうちの同一ユーザキーのマスタユーザ情報を更新する(又は、源泉管理情報のユーザキーがブランク等である場合には、ユーザキーを生成した上で、当該源泉管理情報に対応するマスタユーザ情報を作成する。)。また、マスタユーザ情報データ作成部113は、上記の回答内容(3)により、源泉管理情報データから削除された源泉管理情報とユーザキーが同一のマスタユーザ情報が源泉1とのみ対応付けられている場合は、このマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データから削除する。
本実施例の場合、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user02」のマスタユーザ情報は源泉1とのみ対応付けられているため、ユーザキー「user02」のマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データから削除する。また、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user01」及び「user03」のマスタユーザ情報を更新する。更に、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user11」を生成した上で、このユーザキーが含まれるマスタユーザ情報を作成する。そして、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「6」の源泉管理情報のユーザキーを「user11」に更新する。
以上により、各源泉での源泉情報データが更新された場合に、この更新後の源泉情報データと端末30の操作者の回答内容とに基づいて源泉管理情報データが更新され、更新後の源泉管理情報データを構成する源泉管理情報がマスタユーザ情報データに反映される。これにより、端末30の操作者等は、ユーザの異動や雇用等よって協業者管理簿で管理されているユーザ情報に変更が生じた場合に、更新後の源泉情報データをユーザ情報管理装置10に送信するだけで容易にマスタユーザ情報データに源泉情報データの更新を反映させることができる。なお、源泉情報データの更新がマスタユーザ情報データに反映された後、当該反映後のマスタユーザ情報データを用いて利用者IDの名寄せが行われても良い。
なお、本実施例では、上記のS42で更新後の源泉情報データの入力元の端末30に対してUI画面を表示させて、このUI画面での回答内容に基づいて源泉管理情報データを更新したが、これに限られず、例えば、当該UI画面を表示させずに、更新後の源泉情報データの各属性情報と、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉管理情報データの各属性情報とに基づいて、当該源泉管理情報データを更新しても良い。
例えば、更新後の源泉情報データの各属性情報と、源泉管理情報データの各属性情報とを所定の条件で突合し、この突合結果から同一ユーザを特定した上で、この特定結果を用いて、源泉管理情報データを更新しても良い。これにより、上述したように、源泉キー「7」の源泉情報を用いて、源泉キー「1」の源泉管理情報を更新することができる。
同様に、上記の突合結果から同一ユーザでないことを特定することで、上述したように、源泉キー「6」の源泉情報を、新たな源泉管理情報として源泉管理情報データに追加することができる。
なお、上記の突合結果として、例えば、同一ユーザである類似度が算出されても良い。この場合、類似度が所定の閾値以上であれば同一ユーザであると特定され、類似度が当該閾値未満であれば同一ユーザでないと特定される。このとき、例えば、類似度が或る範囲内である場合(つまり、「同一ユーザである」又は「同一ユーザでない」のいずれであるかの特定が困難であるような場合等)に、上記のUI画面を端末30に表示させるようにしても良い。
≪更新後の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映(その2)≫
次に、マスタユーザ情報データが作成された後に源泉情報データが更新され、この更新後の源泉情報データが入力された場合に、この入力からマスタユーザ情報データへ反映(つまり、マスタユーザ情報の更新)するまでの他の方法の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、更新後の源泉情報データの入力からマスタユーザ情報データへの反映までの流れの一例を説明するための図(その2)である。図8では、一例として、源泉2の更新後の源泉情報データが入力される場合について説明する。
S51)入力部111は、源泉2から送信された更新後の源泉情報データを入力する。ここで、一例として、源泉2の更新後の源泉情報データは、5つの源泉情報で構成されており、源泉キー「3」の属性情報は「H」、源泉キー「4」の属性情報は「I´」、源泉キー「5」の属性情報は「J´」、源泉キー「6」の属性情報は「N」、及び源泉キー「7」の属性情報は「O」であるものとする。すなわち、源泉キー「3」の源泉情報が源泉情報データの更新前後で共通しており、源泉キー「4」及び「5」の源泉情報はが源泉情報データの更新前後で属性情報がそれぞれ「H」から「H´」、「I」から「I´」、「J」から「J´」に変更となっており、源泉キー「6」及び「7」の源泉情報が更新前の源泉情報データから追加されているものとする。
S52)次に、源泉管理情報データ作成部112は、上記のS51で入力された更新後の源泉情報データに基づいて、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉2の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報を更新する。すなわち、源泉管理情報データ作成部112は、更新後の源泉情報データを構成する各源泉情報に含まれない源泉キーの源泉管理情報を源泉管理情報データから削除し、源泉情報データの更新前後で属性情報のみが変更なっている源泉情報については当該源泉情報の属性情報を更新し、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報に含まれない源泉キーの源泉情報が更新後の源泉情報データに含まれる場合は源泉管理情報を源泉管理情報データに追加する。
本実施例の場合、更新後の源泉情報データを構成する各源泉情報には源泉キー「1」及び「2」は含まれないため、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「1」の源泉管理情報と、源泉キー「2」の源泉管理情報とを源泉管理情報データから削除する。また、更新前後で源泉キー「4」及び「5」の源泉情報の属性情報が変更されているため、源泉管理情報データ作成部112は、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報のうち、源泉キー「4」の源泉管理情報の属性情報を「I」から「I´」に更新すると共に、源泉キー「5」の源泉管理情報の属性情報を「J」から「J´」に更新する。
更に、源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報に含まれない源泉キー「6」及び「7」の源泉情報が更新後の源泉情報データに含まれるため、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「6」の源泉管理情報と、源泉キー「7」の源泉管理情報とを源泉管理情報データに追加する。
このように、図8では、更新後の源泉情報データが入力された場合、この更新後の源泉情報データのみに基づいて、源泉管理情報データ記憶部102に記憶されている源泉管理情報データが更新される。
S53)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、上記のS52で更新された源泉管理情報データの各源泉管理情報を、マスタユーザ情報データ記憶部103に記憶されているマスタユーザ情報データに反映する。すなわち、マスタユーザ情報データ作成部113は、更新後の源泉管理情報データを構成する各源泉管理情報で、マスタユーザ情報データに含まれるマスタユーザ情報のうちの同一ユーザキーのマスタユーザ情報を更新する(又は、源泉管理情報のユーザキーがブランク等である場合には、ユーザキーを生成した上で、当該源泉管理情報に対応するマスタユーザ情報を作成する。)。
本実施例の場合、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user09」及び「user010」のマスタユーザ情報を更新する。また、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user12」及び「user13」を生成した上で、これらのユーザキーがそれぞれ含まれるマスタユーザ情報を作成する。そして、源泉管理情報データ作成部112は、源泉キー「6」の源泉管理情報のユーザキーを「user12」に、源泉キー「7」の源泉管理情報のユーザキーを「user13」に更新する。なお、このとき、図7と異なり、源泉管理情報データで削除された源泉管理情報(源泉キー「1」の源泉管理情報と源泉キー「2」の源泉管理情報)と同一ユーザキーのマスタユーザ情報が源泉2とのみ対応付けられていたとしても、当該マスタユーザ情報は削除されない。
以上により、各源泉での源泉情報データが更新された場合に、この更新後の源泉情報データのみに基づいて源泉管理情報データが更新され、更新後の源泉管理情報データを構成する源泉管理情報がマスタユーザ情報データに反映される。これにより、端末30の操作者等は、図7のような回答等を行うことなく、簡易にマスタユーザ情報データに源泉情報データの更新を反映させることができる。なお、源泉情報データの更新がマスタユーザ情報データに反映された後、当該反映後のマスタユーザ情報データを用いて利用者IDの名寄せが行われても良い。
≪源泉管理情報データとマスタユーザ情報データとの不整合の補正≫
上記の図8で説明した方法では、或る源泉の源泉管理情報データで削除された源泉管理情報と同一ユーザキーのマスタユーザ情報が当該源泉とのみ対応付けられていたとしても、当該マスタユーザ情報は削除されない(つまり、図8の例では、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報とユーザキー「user07」のマスタユーザ情報とは削除されない。)。このような場合、源泉情報データとマスタユーザ情報データとの間で不整合が生じていると言える。そこで、このような不整合の補正指示を端末30の操作者により行う場合について、図9を参照しながら説明する。図9は、源泉管理情報データとマスタユーザ情報データとに不整合がある場合の補正の流れの一例を説明するための図である。
S61)マスタユーザ情報データ作成部113は、マスタユーザ情報データを構成する各マスタユーザ情報のうち、源泉管理情報データとの間で不整合があるマスタユーザ情報を特定する。以降では、上述したユーザキー「user06」のマスタユーザ情報とユーザキー「user07」のマスタユーザ情報とを不整合があるマスタユーザ情報として特定したものとする。
S62)UI提供部116は、所定の端末30(例えば、該当の源泉の端末30)に対して、不整合があるマスタユーザ情報が含まれるUI画面を表示させる。本実施例の場合、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報と、ユーザキー「user07」のマスタユーザ情報とに不整合が生じていること示す情報が含まれるUI画面が当該端末30に表示される。
S63)当該端末30の操作者は、上記のS62のUI画面において何等かの補正指示を入力する。そして、当該端末30は、この入力を受け付けて、補正指示を示す情報をユーザ情報管理装置10に送信する。ここで、以降では、当該端末30の操作者は、当該UI画面において、以下の補正指示を入力したものとする。
・源泉キー「1」のマスタユーザ情報(つまり、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報)は、源泉キーを「6」に変更
・源泉キー「2」のマスタユーザ情報(つまり、ユーザキー「user05」のマスタユーザ情報)は削除
S64)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、上記のS63の補正指示に応じてマスタユーザ情報データを更新する。すなわち、本実施例の場合、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user06」のマスタユーザ情報の源泉キーを「1」から「6」に更新すると共に、ユーザキー「user07」のマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データから削除する。
以上により、源泉管理情報データとマスタユーザ情報データとの間で不整合が生じている場合に、該当の端末30の操作者の補正指示によってマスタユーザ情報を更新することができる。
≪源泉管理情報の個別追加≫
ここで、例えば、端末30の操作者が源泉管理情報を源泉管理データに個別に追加することにより、この源泉管理情報に対応するマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データに追加する場合について、図10を参照しながら説明する。図10は、源泉管理情報を個別に追加する場合の流れの一例を説明するための図である。
S71)端末30の操作者は、例えば、源泉管理情報の個別追加用の専用の源泉(これを「源泉3」とする。)の源泉管理情報データに対して、所望の源泉管理情報を追加する。なお、端末30の操作者は、例えば、当該端末30上で所望の源泉管理情報を作成した上で、この源泉管理情報をユーザ情報管理装置10に送信することで、当該源泉管理情報を、源泉3の源泉管理情報データに追加することができる。ただし、ユーザキーには源泉管理情報データ作成部112によりブランク(又はNULL値)等が付与される。
S72)次に、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキーを生成した上で、上記のS71で追加された源泉管理情報からマスタユーザ情報を作成し、マスタユーザ情報データ記憶部103に記憶されているマスタユーザ情報データに反映する。すなわち、マスタユーザ情報データ作成部113は、ユーザキー「user14」を生成した上で、このユーザキーと、源泉キー「1」の源泉管理情報の源泉キー及び属性情報と、源泉名「源泉3」とが含まれるマスタユーザ情報を作成し、このマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データに反映する。これにより、端末30の操作者は、所望の源泉管理情報に対応するマスタユーザ情報をマスタユーザ情報データに追加することができる。したがって、例えば、或る部署にユーザが追加になったような場合に、このユーザのマスタユーザ情報を個別に追加することができる。なお、個別に追加された源泉管理情報に対応するマスタユーザ情報がマスタユーザ情報データに反映(追加)された後、当該反映後のマスタユーザ情報データを用いて利用者IDの名寄せが行われても良い。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。