JP7118783B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Description
単相系統連系インバータ装置10は、直流電源1から供給される直流入力電圧Vinを単相交流の出力電圧Voに変換する装置であり、例えば、単相の商用電力系統である電力系統2に対し、遮断器3等を介して連系可能に接続されている。系統連系インバータ装置10の出力側には、負荷装置4が分岐接続されている。
図5の三相系統連系インバータ装置10Aは、三相の商用電力系統である電力系統2Aと連系される装置である。電力系統2Aと系統連系インバータ装置10Aとの間には、三相用の遮断器3A及び負荷装置4Aが接続されている。
例えば、電力系統停電で三相系統連系インバータ装置10Aが単独運転状態となった時、略無負荷状態で出力電流Ioが殆ど流れないが、高周波電圧が出力されている。そのため、負荷装置4Aに悪影響を与えるので、対策を講じる必要がある。
三相系統連系インバータ装置10Aが発振停止して単独運転となった後も、出力コンデンサ14b1~14b3の残電荷が放電されないために、高電圧出力状態が継続している。
DC/ACインバータ13Aの出力電力と負荷装置4Aの消費電力との不均衡(アンバランス)条件において、電力系統2Aの停電時に、例えば、負荷装置4Aの消費電力が少ない場合、系統連系インバータ装置10Aの単独運転を検出するまでに、DC/ACインバータ13Aが出力を継続することがある。このような場合、図7(a)、(b)の右側の出力電圧Vo及び出力電流Ioの波形に示すように、DC/ACインバータ13Aの出力電力が、フィルタ回路14A内の出力コンデンサ14b1~14b3に蓄積して出力端に高電圧を発生し、負荷装置4Aを損傷する恐れがある。又、無効電力のアンバランス条件において、系統連系インバータ装置10Aが電力系統2Aから切り離された単独運転状態になると、図6(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、系統連系インバータ装置10Aから高周波の出力電圧Voを出力してしまう恐れがある。
図1は、本発明の実施例1における三相系統連系インバータ装置30を示す構成図である。
三相系統連系インバータ装置30は、直流電源21から供給される直流入力電圧Vinを三相u,v,w交流の出力電圧Voに変換する装置であり、例えば、三相の商用電力系統である電力系統22に対し、三相用遮断器23等を介して連系可能に接続されている。系統連系インバータ装置30の出力側には、三相用負荷装置24が分岐接続されている。
減算部43は、電流計測部41及び切替部42の出力側に接続され、切替部42で切り替えて入力されたインバータ電流指令CCa又はコンデンサ放電電流指令CCbから電流計測値S41を減算して減算値S43を出力するものであり、この出力側に、電流制御部44が接続されている。
この異常検出部50は、出力電圧Voの異常状態(例えば、過電圧の異常状態)を示す異常検出結果S50を出力する機能を有し、ベクトル電圧検出部51を備えている。ベクトル電圧検出部51の出力側には、フィルタ52、上限値超過検出部53、及び所定時間継続検出部54がカスケード接続(縦続接続)されている。異常検出部50には、更に、スイッチング駆動信号S45のデューティ比DRを入力する上限値又は下限値超過検出部55と、計測電圧voの瞬時値である計測電圧瞬時値の絶対値voiを入力する上限値超過検出部57と、が設けられている。上限値又は下限値超過検出部55の出力側には、所定時間継続検出部56が接続されている。上限値超過検出部57の出力側にも、所定時間継続検出部58が接続されている。3つの所定時間継続検出部54,56,58の出力側には、オア部(以下「OR部」という。)59が接続されている。
vd=√(vα2+vβ2) ・・・(2)
図1の系統連系インバータ装置30は、通常動作の場合、遮断器23及び開閉器35がオン状態となり、電力系統22と連系されている。切替部42の入力側は、インバータ電流指令CCa側に接続され、その切替部42に入力された目標となるインバータ電流指令CCaが減算部43へ入力されている。
電力系統22が停電等によって遮断器23がオフ状態になると、その電力系統22から負荷装置24への電力供給が停止され、系統連系インバータ装置30が、単独運転状態へ移行する。
例えば、図1において、電力系統22の停電等によって遮断器23がオフ状態になり、系統連系インバータ装置30が単独運転状態へ移行する時に、出力電圧Voが過電圧の異常状態になった場合、その出力電圧Voが電圧計測器37で計測され、その電圧計測器37から出力される計測電圧voが、図2の異常検出部50内のベクトル電圧検出部51に入力される。
本実施例1の系統連系インバータ装置30によれば、以下の(a)、(b)のような効果がある。
これに対して、本実施例1の系統連系インバータ装置30では、異常検出部50により、出力電圧Voにおける過電圧の異常状態を高速(例えば、数ms)に検出し、この異常検出結果S50に基づき、系統連系インバータ装置30の単独運転状態を検出した時に、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷を、インダクタ34a1~34a3を通して、回生動作モードのDC/ACインバータ33のスイッチング動作とスイッチング制御部の電流制御とにより、そのDC/ACインバータ33を経由して、入力コンデンサ32へ放電させるようにしている。これにより、系統連系インバータ装置30の高電圧発生を抑制し、負荷装置24を安全に保護できる。
図3は、本発明の実施例2における異常検出部50Aの構成例を示す機能ブロック図であり、実施例1の図2に示す異常検出部50と共通の要素には共通の符号が付されている。
θ(n)=tan-1(vα/vβ)・・・(3)
fi=Δθ(n)×(fs/2π)・・・(4)
但し、fs;サンプリング周波数
y(n)=(1-k)×y(n-1)+k×x(n)・・・(5)
但し、k;フィルタ定数
なお、ローパスフィルタ65の構成は、式(5)の演算式に限定されず、種々の構成を採用できる。このローパスフィルタ65の出力側には、所定時間継続検出部66が接続されている。
図3の異常検出部50Aにおいて、図1の三相u,v,wの出力電圧Voが電圧計測器37で計測されると、この三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)が瞬時位相検出部61内の三相/二相変換部61aに入力される。三相/二相変換部61aは、式(1)により、三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)のベクトル演算を行い、三相u,v,wの計測電圧voを二相の計測電圧vα,vβに変換し、この計測電圧vα,vβを交流電圧位相角算出部61bへ出力する。交流電圧位相角算出部61bは、変換された計測電圧vα,vβから、式(3)により、交流電圧位相角θ(n)を算出し、この交流電圧位相角θ(n)を遅延部62及び減算部63へ出力する。
本実施例2の系統連系インバータ装置30によれば、以下の(1)~(3)のような効果がある。
これに対して、本実施例2の系統連系インバータ装置30では、出力電圧Voの周波数異常状態を高速(例えば、数ms)に検出し、系統連系インバータ装置30を停止させることにより、負荷装置24を安全に保護できる。又、高周波出力と同時に、高電圧も同時に発生する可能性があるので、系統連系インバータ装置30を停止させる前に、電圧異常検出と同じように、インバータ電流指令CCaを回生動作のコンデンサ放電電流指令CCbに切り替えることにより、出力コンデンサ34b1~34b3の残留電荷を、DC/ACインバータ33を通して入力コンデンサ32へ放電させることで、残留電荷の高電圧を抑制し、負荷装置24を安全に保護できる。
これに対して、本実施例2の系統連系インバータ装置30では、前記系統連系規程により、DC/ACインバータ33から進み力率の出力が求められている条件下において、系統連系インバータ装置30が単独運転状態になっても、高速に周波数異常を検出して停止することができるため、高周波電圧出力となるリスクがない。そのため、例えば、負荷装置24内のコンデンサに高周波電圧が印加されて過大な高周波電流が流れることがなく、負荷装置24の損傷を防止できる。
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(i)~(iii)のようなものがある。
(ii) 図1の三相系統連系インバータ装置30における電力変換部は、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、DC/ACインバータ33は、IGBT33a1~33a3,33b1~33b3以外のMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)、SiCトランジスタ、GaNトランジスタ等の他のスイッチ素子で構成しても良い。
(iii) 図1は、三相系統連系インバータ装置30であるが、本発明は、従来の図4のような単相系統連系インバータ装置10にも適用できる。
24 負荷装置
30 系統連系インバータ装置
32 入力コンデンサ
33 DC/ACインバータ
34 フィルタ回路
34a1~34a3 インダクタ
34b1~34b3 出力コンデンサ
40 制御回路
42 切替部
43,63 減算部
44 電流制御部
45 PWM制御部
50,50A 異常検出部
51 ベクトル電圧検出部
52 フィルタ
53,57 上限値超過検出部
54,56,58,66 所定時間継続検出部
55 上限値又は下限値超過検出部
59 OR回路
61 瞬時位相検出部
62 遅延部
64 瞬時周波数演算処理部
65 ローパスフィルタ
Claims (5)
- 直流入力電圧が印加される入力コンデンサと、
電力系統に連系可能に接続され、前記入力コンデンサに蓄積された直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換し、前記電力系統側へ出力するインバータと、
インダクタ及び出力コンデンサを有し、前記インバータから出力される前記交流電圧の高調波成分を除去して交流の出力電圧を出力するフィルタ回路と、
前記インバータのスイッチング動作を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記出力電圧の異常状態を検出して異常検出結果を出力する異常検出部と、
前記インバータから出力されるインバータ電流を計測して電流計測値を出力する電流計測部と、
通常運転時にはインバータ電流指令を入力し、前記異常検出部から前記異常検出結果が出力されると、前記インバータ電流指令をコンデンサ放電電流指令に切り替えて入力する切替部と、
前記切替部に入力された前記インバータ電流指令又は前記コンデンサ放電電流指令のいずれか一方と、前記電流計測値と、の誤差を減少するような電流制御によって前記スイッチング動作を制御するスイッチング制御部と、を有し、
前記異常検出結果に基づき、前記電力系統から切り離された単独運転状態を検出した時に、前記出力コンデンサの蓄積電荷を、前記スイッチング動作及び前記電流制御にて、前記インバータを経由して前記入力コンデンサへ放電させるように制御する、
構成になっていることを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 前記出力電圧は、三相交流電圧であり、
前記異常検出部は、
前記三相交流電圧のベクトル演算を行って交流電圧振幅を瞬時に算出し、前記交流電圧振幅が閾値以上で所定時間以上継続した時に、前記三相交流電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。 - 前記異常検出部は、
前記出力電圧の瞬時値が過電圧上限値を超えた状態が所定時間以上継続した時に、前記出力電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。 - 前記異常検出部は、
前記スイッチング動作を制御するスイッチング駆動信号のデューティ比が所定の上限値又は下限値を超えた状態が所定時間以上継続した時に、前記出力電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。 - 前記出力電圧は、三相交流電圧であり、
前記異常検出部は、
前記三相交流電圧のベクトル演算を行って交流電圧位相角を算出し、サンプリング周期の前記交流電圧位相角の変化により瞬時周波数を算出し、前記瞬時周波数が所定の上下限値を超えて所定時間以上継続した時に、前記三相交流電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
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