JP7180118B2 - カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、カルボキシメチル化セルロースは、水溶性であるため、ゴム、樹脂や有機溶媒との相溶性が悪く、そのまま混合した場合には、十分な強度アップの効果が得られなかった。
本発明は、結晶化度が高く、透明度の高い、水分散体を形成するカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの疎水物を提供することを目的とする。
(1)セルロースI型の結晶化度が60%以上であり、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、固形分1%(w/v)の水分散体とした際の波長660nmの光の透過率が60%以上である、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを疎水化することを特徴とする、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物の製造方法。
(2)前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたカルボキシメチル化セルロースを、解繊することにより得られたものである、(1)に記載の製造方法。
(3)前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、(2)に記載の製造方法。
(4)カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物であって、前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーのセルロースI型の結晶化度が60%以上であり、カルボキシメチル置換度が0.50以下であることを特徴とする、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物。
(5)前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物の平均繊維径が3nm~500nmである、(4)に記載の疎水物。
(6)(4)または(5)の、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物を用いたゴム組成物。
本発明は、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が60%以上であり、固形分1%(w/v)の水分散体とした際の波長660nmの光の透過率が60%以上であるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを含む添加剤に関する。カルボキシメチル化セルロースは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基の一部がカルボキシメチル基とエーテル結合した構造を有するものである。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーにおけるセルロースの結晶化度は、結晶I型が60%以上であり、好ましくは65%以上である。セルロースI型の結晶化度が60%以上と高いと、溶媒中で溶解せずに結晶構造を維持するセルロースの割合が高いため、ゴムや樹脂に添加した場合に、その強度アップを付与できるという利点が得られる。セルロースの結晶性は、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、並びにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化及びカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。セルロースI型の結晶化度の上限は特に限定されない。現実的には90%程度が上限となると考えられる。
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD-6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10°~30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。
Xc=(I002c―Ia)/I002c×100
Xc=セルロースI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーは、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が、0.50以下である。カルボキシメチル置換度が0.50を超えると水へ溶解し、繊維形状を維持できなくなると考えられる。操業性を考慮すると当該置換度は0.02~0.50であることが好ましく、0.05~0.50であることがさらに好ましく、0.10~0.40であることがさらに好ましく、0.20~0.40であることがさらに好ましい。セルロースにカルボキシメチル基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発するため、ナノファイバーへと解繊することができるようになるが、無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.02より小さいと、解繊が不十分となり、透明性の高いセルロースナノファイバーが得られない場合がある。なお、従来の水媒法では、カルボキシメチル置換度が0.20~0.40の範囲では、セルロースI型の結晶化度が60%以上であるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーを得ることは困難であったが、本発明者らは、例えば後述する方法により、カルボキシメチル置換度が0.20~0.40の範囲であり、セルロースI型の結晶化度が60%以上であるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーを製造できることを見出した。カルボキシメチル置換度は、反応させるカルボキシメチル化剤の添加量、マーセル化剤の量、水と有機溶媒の組成比率をコントロールすること等によって調整することができる。
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの塩(CMC)をH-CMC(水素型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー)に変換する。その絶乾H-CMCを1.5~2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH-CMCを湿潤し、0.1N-NaOHを100mL加え、室温で3時間振盪する。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N-H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS値)を算出する。
A=[(100×F’-0.1N-H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H-CMCの絶乾質量(g))
カルボキシメチル置換度=0.162×A/(1-0.058×A)
F’:0.1N-H2SO4のファクター
F:0.1N-NaOHのファクター。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーは、水を分散媒として分散体としたときに(水分散体)、高い透明度を呈するという特徴を有する。透明度の高いナノファイバーは、透明性が要求されるような用途の添加剤としても使用することができ、好ましい。本明細書において、透明度は、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを固形分1%(w/v)の水分散体とした際の、波長660nmの光の透過率をいうものとする。カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの透明度の測定方法は、以下の通りである:
セルロースナノファイバー分散体(固形分1%(w/v)、分散媒:水)を調製し、UV-VIS分光光度計 UV-1800(島津製作所製)を用い、光路長10mmの角型セルを用いて、660nm 光の透過率を測定する。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーは、ナノスケールの繊維径を有するものである。平均繊維径は、好ましくは3nm~500nm、さらに好ましくは3nm~150nm、さらに好ましくは3nm~20nm、さらに好ましくは5nm~19nm、さらに好ましくは5nm~15nmである。
カルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、径が20nm以下の場合は原子間力顕微鏡(AFM)、20nm以上の場合は電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析し、平均を算出することにより、測定することができる。また、アスペクト比は下記の式により算出することができる:
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーは、水を分散媒として分散体(水分散体)としたときに高いチキソ性を奏するものが好ましい。チキソ性(チキソトロピー)とは、剪断応力を受けることにより粘度が次第に低下し、静止すると粘度が次第に上昇する性質をいい、本願明細書では、チキソ性の指標として、低い剪断速度で測定した粘度を高い剪断速度で測定した粘度で除した値を用いる。具体的には、粘度及びチキソ性は以下の方法で測定する:
セルロースナノファイバー分散体(固形分1%(w/v)、分散媒:水)を調製し、25℃で16時間放置した後、撹拌機を用いて3000rpmで1分間撹拌し、粘度測定用サンプルとする。得られた粘度測定用サンプルの一部について、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.4ローター/回転数6rpmで3分後の粘度を測定する。また、粘度測定用サンプルの別の一部(粘度をまだ測定していないもの)を用いて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.4ローター/回転数60rpmで3分後の粘度を測定する。粘度の測定時にはJIS-Z-8803の方法に準じる。得られた6rpmにおける粘度を60rpmにおける粘度で除した値を、チキソ性の指標として用いる。
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、本発明の効果を阻害しない範囲で、カルボキシメチル基由来のカルボキシル基(-COOH)を、適宜変性したものであってもよい。そのような変性としては、例えばアルキル基やアリール基、アラルキル基などを有するアミン系化合物やリン系化合物などをカルボキシル基に結合させて、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを疎水化することが挙げられる。
セルロースI型の結晶化度が60%以上であり、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、固形分1%(w/v)の水分散体とした際の波長660nmの光の透過率が60%以上であるカルボキシメチル化セルロースのナノファイバーは、これに限定されないが、以下の方法により製造したカルボキシメチル化セルロースを解繊することにより、製造することができる。
本発明においてセルロースとは、D-グルコピラノース(単に「グルコース残基」、「無水グルコース」ともいう。)がβ-1,4結合で連なった構造の多糖を意味する。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、マーセル化セルロースの原料として用いることができるが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーにおいて60%以上のセルロースI型の結晶化度を維持するためには、セルロースI型の結晶化度が高いセルロースを原料として用いることが好ましい。原料となるセルロースのセルロースI型の結晶化度は、好ましくは、70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。セルロースI型の結晶化度の測定方法は、上述した通りである。
原料として前述のセルロースを用い、マーセル化剤(アルカリ)を添加することによりマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を得る。本明細書に記載の方法にしたがって、このマーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用することにより、解繊した際に非常に高い透明度を有するセルロースナノファイバー分散体とすることができるカルボキシメチル化セルロースを経済的に得ることができる。
マーセル化は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からマーセル化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。例えば、2本の軸が撹拌し、上記各成分を混合するようなバッチ型攪拌装置は、均一混合性と生産性の両観点から好ましい。
マーセル化セルロースに対し、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)を添加することにより、カルボキシメチル化セルロースを得る。本明細書に記載の方法にしたがって、マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、解繊した際に非常に高い透明度を有するセルロースナノファイバー分散体とすることができるカルボキシメチル化セルロースを経済的に得ることができる。
AM = (DS × セルロースのモル数)/ カルボキシメチル化剤のモル数
DS: カルボキシメチル置換度(測定方法は上述の通り)
セルロースのモル数:パルプ質量(100℃で60分間乾燥した際の乾燥質量)/162
(162はセルロースのグルコース単位当たりの分子量)。
カルボキシメチル化反応におけるセルロース原料の濃度は、特に限定されないが、カルボキシメチル化剤の有効利用率を高める観点から、1~40%(w/v)であることが好ましい。
カルボキシメチル化の際の混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との総和に対して有機溶媒が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。有機溶媒の割合が高いほど、セルロースナノファイバー分散体としたときの透明度が高くなるという利点が得られる。有機溶媒の割合の上限は限定されず、例えば、99質量%以下であってよい。添加する有機溶媒のコストを考慮すると、好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。
カルボキシメチル化の際には、マーセル化の際に用いた反応器をそのまま用いてもよく、あるいは、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応器を用いてもよい。
上記の方法により得たカルボキシメチル化セルロースを解繊することにより、ナノスケールの繊維径を有するセルロースナノファイバーへと変換することができる。
上述の製法により得られるカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が60%以上であり、上述の透明度が60%以上であるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを疎水化することで、均質でゴム、樹脂、および有機溶剤への分散安定性に優れ、これらを含む様々な分野で好適に使用できることができるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物が得られる。
ゴム組成物は、後段で説明するゴム組成物の用途等に応じて1種または2種以上の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、補強剤(例えば、カーボンブラック、シリカ等)、シランカップリング剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸)、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤、着色剤など、ゴム工業で使用され得る配合剤が挙げられる。このうち加硫促進剤、加硫促進助剤が好ましい。任意成分の含有量は、任意成分の種類等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。
本発明のゴム組成物の用途は、特に制限されず、最終製品としてゴムを得るための組成物であればよい。すなわち、ゴム製造用の中間体(マスターバッチ)でもよいし、加硫剤を含む未加硫のゴム組成物でもよいし、最終製品としてのゴムでもよい。最終製品の用途は特に限定されず、例えば、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器等;パソコン、テレビ、電話、時計等の電化製品等;携帯電話等の移動通信機器等;携帯音楽再生機器、映像再生機器、印刷機器、複写機器、スポーツ用品等;建築材;文具等の事務機器等、容器、コンテナー等が挙げられる。これら以外であっても、ゴムや柔軟なプラスチックが用いられている部材への適用が可能であり、タイヤへの適用が好適である。タイヤとしては例えば、乗用車用、トラック用、バス用、重車両用などの空気入りタイヤが挙げられる。
回転数を150rpmに調節した二軸ニーダーに、水130部と、水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものとを加え、広葉樹パルプ(日本製紙(株)製、LBKP)を100℃60分間乾燥した際の乾燥質量で100部仕込んだ。35℃で80分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に撹拌しつつイソプロパノール(IPA)230部と、モノクロロ酢酸ナトリウム60部を添加し、30分間撹拌した後、70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、50%である。反応終了後、pH7になるまで酢酸で中和、含水メタノールで洗浄、脱液、乾燥、粉砕して、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。
IPAの添加量を変えることによりカルボキシメチル化反応時の反応液中のIPAの濃度を90%とした以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。カルボキシメチル置換度は0.47、セルロースI型の結晶化度は63%、カルボキシメチル化剤の有効利用率は56%であった。得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を製造例1と同様にして解繊し、カルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの分散体を得た。
IPAの添加量を変えることによりカルボキシメチル化反応時の反応液中のIPAの濃度を30%とした以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を製造例1と同様にして解繊し、カルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの分散体を得た。
マーセル化反応時に水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものに代えて水酸化ナトリウム40部を水100部に溶解したものを用い、カルボキシメチル化反応時のカルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸ナトリウム60部に代えてモノクロロ酢酸50部を用いた以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。カルボキシメチル置換度は0.31、セルロースI型の結晶化度は60%、カルボキシメチル化剤の有効利用率は36%であった。得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を製造例1と同様にして解繊し、カルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの分散体を得た。
カルボキシメチル化反応時の溶媒を水100%とし、マーセル化反応時に水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものに代えて水酸化ナトリウム45部を水100部に溶解したものを用い、カルボキシメチル化反応時のカルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸ナトリウム60部に代えてモノクロロ酢酸ナトリウム150部を用いた以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。カルボキシメチル置換度は0.28、セルロースI型の結晶化度は45%、カルボキシメチル化剤の有効利用率は13%であった。得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を製造例1と同様にして解繊し、カルボキシメチル化セルロースのナノファイバーの分散体を得た。
<実施例1>
製造例1で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの固形分濃度1%水分散液1000gをTKホモミキサー(4000rpm)で撹拌しながらオレイルアミン4.15gを添加、30分間撹拌し、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物を得た。さらにこの疎水物と天然ゴムラテックス固形分濃度10%懸濁液500gを混合して、ゴム成分:疎水物の質量比が100:20となるようにし、TKホモミキサー(8000rpm)で10分間攪拌した。さらにスリーワンモーター(150~300rpm)で攪拌しながら硫酸アルミニウムの濃度が0.35質量%になるまで硫酸アルミニウム10質量%水溶液を添加し、目開き5μmのナイロンメッシュで固液分離した後、イオン交換水で洗浄し、70℃の加熱オーブン中で10時間乾燥させることにより、マスターバッチを得た。
製造例1で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの代わりに製造例2で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの代わりに製造例3で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの代わりに製造例4で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの代わりに、比較製造例5で得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で行った。
上述の方法で、引張強度を測定した。その結果、セルロースI型の結晶化度が60%以上である、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー疎水物を用いた実施例1~4は、各々の引張強度が比較例1より大きい数値を示した。実施例のゴム組成物は良好に補強されており、ゴムの機械強度に優れる。
Claims (2)
- セルロースI型の結晶化度が60%以上であり、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、固形分1%(w/v)の水分散体とした際の波長660nmの光の透過率が60%以上である、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを疎水化することを特徴とする、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物の製造方法であって、
前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたカルボキシメチル化セルロースを、解繊することにより得られたものである、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの疎水物の製造方法。 - 前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、請求項1に記載の
製造方法。
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